説明

燃料電池システム

【課題】燃料電池の各流路に対して好適な遮断性を有した遮断弁を備え、小型化、簡素化、コスト低減が図られた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料流路11、酸化剤流路12、及び冷却流路13を備えた燃料電池10と、第1遮断弁22と、第2遮断弁23と、流体ポンプ27と、を備えた燃料電池システムにおいて、遮断弁は、弁本体31と、第1蓋部材34と、弁座31c2と、弁体本体32a、及び弁軸32bを備えた弁体32と、弁体32を付勢する付勢部材39と、区画シール部材33と、第1蓋部材34と区画シール部材33との間に形成され、流体ポンプ27の吐出口に連通されて冷却用流体が供給されると付勢部材39による付勢方向と反対方向に弁体32を付勢する加圧室Rと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断弁を備えた燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池システムにおいては、システム停止時中の燃料電池の劣化を防止するために、燃料電池に流入出する流体を遮断する弁が燃料電池の入口、出口にそれぞれ設置されている。そして、この遮断弁の開閉には、弁に取り付けられたアクチュエータに空気圧や電流を供給して開閉作動させる例えば特許文献1、2に示すものが知られている。特許文献1の技術においては、燃料電池の燃料ガスの入口、出口に電気駆動式の遮断弁を設けて、制御部からの制御信号により、開閉制御している。また特許文献2の技術においては、スイッチ弁の開閉によって、コンプレッサからの圧力を遮断弁のダイヤフラム室に導入、停止することにより、遮断弁の開閉作動を行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−267965号公報
【特許文献2】特開2009−151990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遮断弁の機能としては、燃料電池システム稼働時には開弁させるとともに開弁を保持し、システム停止中は閉弁させるとともに閉弁を保持するという簡素なものであるので、できるだけ簡便な構造、および低コストとしたい。しかしながら特許文献1に記載の燃料電池システムにおいては、制御回路から信号(例えば電流)を出力して、遮断弁を開閉させるので、制御回路が必要であり、かつ、電流を供給するための電線が必要となる。一般に、制御回路は、遮断弁と離れて配置されるため、電線の長さは長くなってしまう。このように制御回路が必要であり、かつ電線の長さが長くなることによってコスト高ともなるとともに、大きなスペースも必要となってくる。
【0005】
また特許文献2に記載の遮断弁においては、遮断弁の開閉作動のため、スイッチ弁が3個必要となり、それぞれのスイッチ弁を制御するための制御回路が必要となる。また供給圧力を発生させるためにコンプレッサも必要であり、これらのためコスト高となってしまう。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、燃料電池の各流路に対して好適な遮断性を有した遮断弁を備え、小型化、簡素化、コスト低減が図られた燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る燃料電池システムの発明の構成上の特徴は燃料供給源から供給された燃料ガスを燃料導入口から燃料極に導入し燃料オフガスを燃料導出口から導出する燃料流路、圧送装置によって供給された酸化剤ガスを酸化剤導入口から酸化剤極に導入し酸化剤オフガスを酸化剤オフガス導出口から排出する酸化剤流路、及び冷却する冷却用流体を前記燃料極、及び酸化剤極に循環させる冷却流路を備えた燃料電池と、前記圧送装置と前記酸化剤導入口との間に介装され前記圧送装置と前記酸化剤流路との連通を遮断する第1遮断弁と、前記酸化剤オフガス導出口に接続された第2遮断弁と、前記冷却流路の冷却水導入口に吐出口が連通され、前記冷却流路の冷却水導出口に吸入口が連通された電気駆動の流体ポンプと、を備えた燃料電池システムにおいて、前記第1または第2遮断弁の少なくとも1方の遮断弁は、第1ポートが形成された第1室、第2ポートが形成された第2室、前記第1室と前記第2室とを連通する連通穴、及び前記連通穴と対向する前記第1室の壁に形成された第1開口を備えた弁本体と、前記第1開口を閉塞する第1蓋部材と、前記連通穴の前記第2室側の開口周縁に設けられた弁座と、前記第2室内に配設され前記弁座に当接して閉状態をなし、離間されて開状態をなす弁体本体、及び前記弁体本体に一体的に設けられ軸線方向に向かって延設する弁軸を備え、前記弁本体に軸方向に移動可能に支持された弁体と、前記弁体と前記弁本体との間に介装され前記弁体本体が前記弁座に当接する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、前記第1蓋部材の内側に配設されて前記弁軸に内周を固定され、かつ前記第1開口を液密に閉塞して往復動可能な区画シール部材と、前記第1蓋部材と前記区画シール部材との間に形成され、前記流体ポンプの吐出口に連通されて前記冷却用流体が供給されると前記付勢部材による付勢方向と反対方向に前記弁体を付勢する加圧室と、を備えたことである。
【0008】
請求項2に係る燃料電池システムの発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記少なくとも1方の遮断弁は、前記弁本体に固定され前記弁軸の一端を軸方向に往復動可能に支持する第1支持部材と、前記連通穴と対向する前記弁本体の前記第2室の壁に形成された第2開口と、前記弁本体に固定され前記第2開口を気密に閉塞する第2蓋部材と、前記第2蓋部材に固定され前記弁軸の他端を軸方向に往復動可能に支持する第2支持部材と、を備え、前記付勢部材は前記第2蓋部材と前記弁体本体との間に介装されたことである。
【0009】
請求項3に係る燃料電池システムの発明の構成上の特徴は、請求項1または2において、前記少なくとも1方の遮断弁は、前記遮断弁の前記加圧室と前記第1室との間に前記区画シール部材から漏出した前記加圧室内の前記冷却用流体を貯留する貯留部を備えたことである。
【0010】
請求項4に係る燃料電池システムの発明の構成上の特徴は、請求項3において、前記貯留部は、前記弁本体の内側から前記弁軸まで延出して前記第1室との間を区画する区画壁と、前記区画壁と前記弁軸との間に前記弁軸が軸方向に往復動可能に介装されるシール部材と、前記区画壁と前記区画シール部材との間に形成され、前記漏出した前記冷却用流体を貯留する貯留室と、前記貯留室と前記弁本体の外側との間が連通するよう前記弁本体に穿設され前記貯留した前記冷却用流体を前記弁本体の前記外側に排出する連通孔と、を備えたことである。
【0011】
請求項5に係る燃料電池システムの発明の構成上の特徴は、請求項4において、前記連通孔は、前記少なくとも1方の遮断弁の燃料電池システムにおける搭載状態において前記貯留室内に開口する入口孔が前記弁本体の前記外側に開口する出口孔よりも重力方向上方に位置することである。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、すでに燃料電池システムで使用されている燃料電池冷却用の流体ポンプが遮断弁の作動の圧力供給源として利用されている。これにより燃料電池システムを起動する際に、流体ポンプが冷却流路へ冷却用流体の供給を開始すると、第1または第2遮断弁の少なくとも1方の遮断弁の加圧室にも流体が供給され、遮断弁を開弁する。このように複雑な制御を用いることなく低コストで第1または第2遮断弁の少なくとも1方の遮断弁を燃料電池システムの運転に同期させて開弁させ、燃料電池システムの運転に供することができる。また燃料電池システム運転中には流体ポンプの運転は継続されるので、遮断弁の開弁も保持され燃料電池システムの運転を維持できる。
【0013】
また、燃料電池システムを停止する際には、流体ポンプも停止され冷却流路への冷却用流体の供給が停止する。これにより遮断弁の加圧室への流体の供給も停止されるので、遮断弁は付勢部材の付勢によって閉弁され、閉弁した遮断弁が配置された酸化剤流路が密封される。
【0014】
さらに、酸化剤流路を好適に密封するために遮断弁は流体ポンプとともに燃料電池の近傍に配置され、配管を短縮でき省スペース、つまり燃料電池システムの小型化を図ることができる。またコスト低減、及び簡素化を図ることができる。
【0015】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、第1、及び第2支持部材を設けて弁軸の両端を支持するようにしたので、弁軸は弁座に対して良好に案内され、弁体本体は弁座に対して良好に当接し通路を確実に遮断することができる。
【0016】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または2において、加圧室と第1室との間に区画シール部材から漏出した加圧室内の液体を貯留する貯留部を備えたので、漏出した加圧室内の液体が、第1室を流れる流体に混入しにくい構造となり信頼性が向上する。
【0017】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項3において、貯留部は第1室との間を区画壁によって完全に分離されるので漏出した加圧室内の冷却流体が第1室に流入し第1室を流れる流体に混入するのをさらに良好に防止できる。
【0018】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項4において、燃料電池システムにおける搭載状態において連通孔は入口孔から出口孔に向かって流れ落ちるように配置されるので貯留室内の流体は良好に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る遮断弁および燃料電池システムの第1の実施形態の概要を示す概要図である。
【図2】図1に示す遮断弁の閉弁状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す遮断弁の開弁状態を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態の遮断弁を示す断面図である。
【図5】第2の実施形態の変形例1の遮断弁を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明による燃料電池システムの第1の実施形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは、燃料電池10、圧送装置21、燃料供給源である水素タンク14、本発明に係る第1および第2遮断弁22、23、流体ポンプである冷却水ポンプ27、ラジエータ28、および制御装置24を備えている。
【0021】
燃料電池10は、燃料ガスが導入される燃料流路11と酸化剤ガスが導入される酸化剤流路12と燃料電池10を冷却する冷却用流体が導入されて流動する冷却流路13とを有している。
【0022】
燃料流路11は、燃料極に燃料を供給するものであり、酸化剤流路12は、酸化剤極に酸化剤ガスを供給するものである。冷却流路13は燃料極、及び酸化剤極に循環させて燃料電池を冷却するものである。燃料極と酸化剤極との間には図略の電解質が介装されている。本第1の実施形態では、燃料ガスは水素ガスであり、酸化剤ガスは空気である。燃料電池10は、水素ガスと空気とが化学反応して発電するものである。また冷却流路13を流れる冷却用流体は、一般的に自動車で冷却液として使用されるLLC(ロングライフクーラント)であり、以後、冷却水とのみ称す。
【0023】
圧送装置21は、燃料電池10の酸化剤流路12に空気を圧送するものである。圧送装置21は、制御装置24からの駆動指令によって駆動されて空気を圧送し、制御装置24からの駆動停止指令によって駆動停止されて空気の圧送を停止する。なお、駆動が停止されると、圧送装置21の吐出口は大気に開放される。本第1の実施形態では、圧送装置21はコンプレッサである。
【0024】
燃料電池10の酸化剤流路12に酸化剤ガスを導入する酸化剤導入口12aは、酸化剤供給管25を介して圧送装置21の吐出口に接続されている。酸化剤供給管25の途中には、酸化剤供給管25を開閉する本発明に係る第1遮断弁22が設けられている。燃料電池10の酸化剤導入口12aは、第1遮断弁22の第1ポート31a1に連通しており、圧送装置21の吐出口は、第1遮断弁22の第2ポート31b1に連通している。
【0025】
燃料電池10の酸化剤流路12から酸化剤オフガスを導出する酸化剤オフガス導出口12bは、酸化剤オフガス排出管26を介して大気に開放されている。酸化剤オフガス排出管26の途中には、酸化剤オフガス排出管26を開閉する本発明に係る第2遮断弁23が設けられている。燃料電池10の酸化剤オフガス導出口12bは、第2遮断弁23の第1ポート31a1に連通しており、第2遮断弁23の第2ポート31b1は大気に開放されている。なお、本第1の実施形態において第1遮断弁22、第2遮断弁23は同じ構成であり遮断弁30として以後説明する。
【0026】
図1に示すように、燃料供給源としての高圧(例えば35MPa)の水素タンク14からは、燃料供給管15を通って燃料ガスである水素ガスが燃料電池10の燃料流路11に供給される。水素タンク14と燃料流路11の燃料導入口11aとの間には上流から順番に電磁弁である元弁16、調圧弁17、および電磁弁である遮断弁18が設けられている。燃料電池10が起動されるのに伴い制御装置24の指令によって元弁16が駆動されて開弁し水素タンク14から供給流路22に水素ガスが流出する。流出した水素ガスは、調圧弁17で減圧され、制御装置24の指令によって開弁した遮断弁18を経て、燃料電池2の燃料流路11に導入されたのち、燃料極に供給される。なお、調圧弁17は1つでなく、段階的に減圧するため2個を越えて直列に配置してもよい。
【0027】
燃料流路11の燃料導出口11bからは使用されずに残った水素ガスが制御装置24の指令によって開弁した遮断弁19を介して水素オフガス排出管20を通り、図略の水素希釈器を介して大気に排出される。なお、遮断弁18、遮断弁19は本実施形態においてはノーマルクローズ型の電磁遮断弁である。
【0028】
冷却水ポンプ27は、燃料電池10の近傍に配置され、燃料電池10が起動されるのに伴い制御装置24からの指令によって駆動され燃料電池10の冷却流路13に冷却水を圧送して流動させる。また燃料電池10の運転が停止されるのに伴い、冷却水ポンプ27も運転が停止され冷却流路13への冷却水の供給を停止する。そして冷却水ポンプ27の運転が停止されると冷却水ポンプ27の吐出口27aは大気圧になる。
【0029】
燃料電池10の冷却流路13に冷却水を導入する冷却水導入口13aは冷却水ポンプ27の吐出口27aと冷却水供給管29を介して接続されている。燃料電池10の冷却流路13から冷却水を排出する冷却水導出口13bはラジエータ28の導入口28aに冷却水排出管36を介して接続されている。そしてラジエータ28の排出口28bは冷却水ポンプ27の吸入口27bに連結管37を介して接続されている。このように冷却水ポンプ27、冷却水供給管29、冷却流路13、冷却水排出管36、ラジエータ28、及び連結管37によって冷却水の循環回路が形成されている。
【0030】
ラジエータ28は本実施形態においては空冷式のラジエータであり、導入口28aから導入した冷却水の熱を外気に放出して冷却し温度の低下した冷却水を再び冷却水ポンプ27に供給する。ただしラジエータ28は空冷式に限らず、水冷式等、どのような方式のものでもよい。
【0031】
冷却水供給管29の途中からは、第1分岐管41が分岐され第1遮断弁22の加圧室Rに接続されている。これにより冷却水ポンプ27の吐出口27aと加圧室Rとが連通されている。
【0032】
また第1分岐管41の途中からは第2分岐管42が分岐され第2遮断弁23の加圧室Rに接続されている。これにより冷却水ポンプ27の吐出口27aと加圧室Rとが連通されている。
【0033】
第1遮断弁22は、図2、図3に示すように、前述のとおり遮断弁30である。図2は、遮断弁30の閉状態を示し、図3は、遮断弁30の開状態を示している。遮断弁30は、弁本体31、弁体32、区画シール部材としてのダイヤフラム33、第1蓋部材34、支持部材としての第1支持部材35、第2支持部材38、付勢部材としてのばね39、第2蓋部材43、および加圧室Rを備えている。
【0034】
弁本体31は、第1ポート31a1が形成された第1室31aと、第2ポート31b1が形成された第2室31bと、を備えている。第1室31aと第2室31bは隔壁31cで仕切られており、隔壁31cには第1室31aと第2室31bを連通する連通穴31c1が形成されている。連通穴31c1と対向する第1室31aの壁31a2には、第1開口31dが形成され、連通穴31c1と対向する第2室31bの壁31b2には、第2開口31eが形成されている。連通穴31c1の第2室31b側の開口周縁には、弁座31c2が設けられている。
【0035】
弁体32は、第2室31b内に配設され弁座31c2に当接して閉状態をなし、離間されて開状態をなす弁体本体32aを備えている。弁体本体32aは、第2開口31eの径よりも小径で円板状に形成されており、弁座31c2に当接する面(上面)の周縁部に環状のシール32a1が凸設されている。シール32a1の先端部と弁座31c2が当接することでシール性を確保している。
【0036】
弁体本体32aの中央部には、弁軸32bが貫通して一体的に設けられている。弁軸32bは弁体本体32aに対して直交している。弁軸32bは、連通穴31c1を貫通するように配設されている。弁軸32bの一端(上端)は、第1開口31dに向かって延設されるとともに、弁軸32bの他端(下端)は、第2開口31eに向かって延設されている。
【0037】
弁軸32bの一端部には、軸方向に延在する軸孔32b1が形成されている。その軸孔32b1に第1支持部材35の先端部(下端部)が摺動可能に係合することで、弁軸32bの一端が第1支持部材35の先端部(下端部)により軸方向に摺動自在に支持されている。このとき相互に係合する軸孔32b1、又は第1支持部材35の先端部のいずれか一方、または両方には軸線方向に溝が刻設されていることが好ましい。これにより軸孔32b1の底面と第1支持部材35の先端面との間の空間部に冷却水が入り込んだ状態で弁軸32bが軸方向に作動しても冷却水はいずれかの溝から良好に加圧室R内に排出されるので好適な作動が得られる。なお、後述する弁軸32bの他端側についても同様に軸線方向に溝が刻設されていることが好ましい。また、弁軸32bの一端部には、円板状のフランジ32b2が外嵌固定されている。フランジ32b2は弁軸32bに対して直交している。フランジ32b2は、第1開口31dより小径であり、第1開口31dに対して弁軸32bの軸方向に往復動する。
【0038】
第1開口31dとフランジ32b2の間は、区画シール部材であるダイヤフラム33で閉塞されている。ダイヤフラム33は弾性材(例えば、基布入りゴム:材質EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム))で環状に形成されている。ダイヤフラム33の外周縁は、第1蓋部材34の外周縁と第1開口31dの外周縁の間に挟持され固定されている。ダイヤフラム33の内周縁は、フランジ32b2の外周縁に接着などで固定されている。よって、第1支持部材35が弁軸32bの一端を支持している支持部分は、ダイヤフラム33によって第1室31aから隔てられるような構造となっている。
【0039】
第1蓋部材34は、第1開口31dを閉塞する部材であり、断面中央部が膨出されて下方に開放された形状に形成されている。第1蓋部材34の外周縁は第1開口31dの周縁(弁本体31)に溶接、ねじ止めにより固定されている。第1蓋部材34には、弁軸32bの一端を軸方向に往復動可能に支持する第1支持部材35の基端(上端)が固定されている。このように、ダイヤフラム33は、第1蓋部材34の内側に液密に配設され第1開口31dを閉塞しかつ弁軸32bに固定されて往復動が可能となっている。
【0040】
また第1蓋部材34には、第1分岐管41が接続されて冷却水が入出する入出管34aが設けられている。加圧室Rは、このダイヤフラム33と第1蓋部材34とによって区画され形成されている。加圧室Rは、第1分岐管41を介して圧力供給源である冷却水ポンプ27(流体ポンプ)の吐出口27aと連通されている。冷却水ポンプ27が駆動され冷却水ポンプ27から冷却水(水圧)が加圧室Rに供給されると、加圧室R内の圧力が増大し、圧力はばね39による付勢方向(図2で上方向)と反対方向に弁体32を付勢する。一方、加圧室Rの圧力が減少すると、ばね39による付勢力で付勢方向に弁体32が付勢される。
【0041】
弁軸32bの他端部には、軸方向に延在する軸孔32b3が形成されている。その軸孔32b3に第2支持部材38の先端部(上端部)が摺動可能に係合することで、弁軸32bの他端が第2支持部材38の先端部(上端部)により軸方向に摺動自在に支持されている。
【0042】
第2蓋部材43は、第2開口31eを閉塞する部材であり、円板状に形成されている。第2蓋部材43の外周縁は第2開口31eの周縁(弁本体31)に溶接、ねじ止めにより固定されている。このとき第2蓋部材43の外周縁と弁本体31との間には弁本体31に刻設された環状溝に埋設された例えばゴム製のOリングが介装され、Oリングが第2室31bと外部との間を気密にシールしている。弁本体31に固定される第2蓋部材43には、弁軸32bの他端を軸方向に往復動可能に支持する第2支持部材38の基端(下端)が固定されている。
【0043】
また弁体本体32aと弁本体31に固定される第2蓋部材43との間には付勢部材としての圧縮コイルばねであるばね39が縮設されている。ばね39は、弁体本体32aを弁座31c2に当接させる方向(図2で上方向)に付勢するものである。
【0044】
次に、このように構成された燃料電池システムの作動について説明する。燃料電池システムが起動されると圧送装置21が駆動されるとともに冷却水ポンプ27の駆動が開始される。また水素タンク14の元弁16と燃料供給管15に設けられた遮断弁18とが制御装置24によって駆動されて開弁する。これによって水素ガスが燃料電池10の燃料流路11に流れ、燃料極に水素ガスが供給される。
【0045】
冷却水ポンプ27の吐出口27aからは所定圧を有した冷却水が吐出される。吐出口27aから吐出された冷却水は冷却水供給管29を介して燃料電池10の冷却流路13に供給され燃料電池10の冷却を開始する。このとき冷却水ポンプ27の吐出口27aから吐出された冷却水は冷却水供給管29の途中から分岐した第1分岐管41、及び第1分岐管41から分岐した第2分岐管42を介して第1、及び第2遮断弁22、23の各加圧室R、Rにも供給される。そして各加圧室R、Rの圧力が増加することによってダイヤフラム33の受圧力が増加し、ばね39の付勢力に抗して弁本体31を下方に押し下げ、弁体本体32aのシール32a1を弁座31c2から離間させて第1、及び第2遮断弁22、23を開弁させる。
【0046】
燃料電池システムが起動され運転が継続されている間は常に冷却水ポンプ27も駆動される。このように燃料電池システムの運転中には常時所定の水圧が第1、及び第2遮断弁22、23の各加圧室R、Rに供給されるので、第1、及び第2遮断弁22、23の開弁を保持するために特別な制御を必要とせず低コストに対応できる。
【0047】
次に、燃料電池システムの通常運転を停止する停止処理がされると冷却水ポンプ27の駆動も停止される。これによって第1、及び第2遮断弁22、23の各加圧室R、Rへの水圧の供給が停止され、各加圧室R、Rの圧力は大気圧まで低下する。これによって第1、及び第2遮断弁22、23はばね39の付勢力によって弁本体31が上方に押し上げられ、弁体本体32aのシール32a1が弁座31c2に押しつけられることによって閉弁される。このような簡素な構成によって燃料電池10に酸化剤ガスを供給する必要がない運転停止時には第1、及び第2遮断弁22、23を閉弁して確実に酸化剤ガスの供給を停止するとともに、酸化剤流路12を密封することができる。
【0048】
上述した説明から明らかなように、本第1の実施形態においては、弁体32を開閉させるための加圧室Rへの供給圧の切替えは冷却水ポンプ(流体ポンプ)27から吐出される液体(冷却水)の吐出、及び吐出の停止という2モードによって行なわれる。このように冷却水ポンプの稼働及び運転停止によって弁体32を開閉弁させるという簡素な構成であるので複雑な制御及び電気配線が不要となり、低コストに対応できる。
【0049】
また、本第1の実施形態においては、すでに燃料電池システムで使用されている冷却用の流体ポンプ(冷却水ポンプ27)が第1、第2遮断弁22、23の作動の圧力供給源として使用されている。これにより燃料電池システムを起動する際に、冷却水ポンプ27が冷却流路13へ冷却用流体(冷却水)の供給を開始することで、第1、第2遮断弁22、23の加圧室R、Rにも流体が供給され、開弁する。また燃料電池システム運転中には冷却水ポンプ27の運転も継続されるので、これによって第1、第2遮断弁22、23の開弁状態も保持され複雑な制御を用いなくても燃料電池システムの運転が維持できる。
【0050】
また、燃料電池システムを停止する際には、冷却水ポンプ27も停止され冷却流路13への冷却水の供給が停止する。これにより第1、第2遮断弁22、23の加圧室R、Rへの冷却水の供給も停止されるので、第1、第2遮断弁22、23は付勢部材であるばね39の付勢力によって閉弁し、閉弁した第1、第2遮断弁22、23が配置された酸化剤流路12の酸化剤導入口12a、及び酸化剤オフガス導出口12bを低コストに遮断できる。このように複雑な制御を用いなくても簡易且つ低コストに第1、第2遮断弁22、23を燃料電池システムの運転に同期させて開閉弁させ燃料電池システムの運転を開始、続行、及び停止させることができる。
【0051】
また燃料電池10の酸化剤流路12を好適に遮断して密閉するために燃料電池10の近傍に配置されることが好ましい第1および第2遮断弁22、23と、燃料電池10の近傍に配置される冷却水ポンプ27との間の距離は短くすることが簡易であるので配管を短縮でき省スペース、つまり燃料電池システムの小型化を図ることができるとともに、コスト低減、及び簡素化を図ることができる。
【0052】
また、第2支持部材38を設けて弁軸32bの他端を支持するようにしたので、弁軸32bは弁座31c2に対して良好に直角を保持し、弁軸32bに固定される弁体本体32aのシール32a1は弁座31c2に対して良好に平行を維持して弁座31c2と当接し通路を適切に遮断することができる。
【0053】
また、燃料電池システムの停止中に、簡素な構成の第1および第2遮断弁22、23によって遮断し、燃料電池10の酸化剤流路12を密封することができるので、外部からの空気の流入は抑制され、燃料電池10のカーボン劣化を低コストで抑制することができる。以上のことから遮断弁30を備えた燃料電池システムにおいて、小型化、簡素化、コスト低減を図ることができる。
【0054】
次に、第2の実施形態について図4を参照して説明する。本第2の実施形態の遮断弁50は、上述した第1の実施形態の遮断弁30に対し、加圧室Rと第1室31aとの間に貯留部56を設けた点が大きく異なる。そして貯留部56を設けたことによって第1支持部材、第2支持部材、及び弁体の軸部材形状が異なり、それ以外は第1の実施形態と同様である。よって変更点のみ説明し、同様部分については説明を省略する。また図面において第1の実施形態と同じ部品には同じ符号を付して説明する。
【0055】
第2の実施形態において貯留部56は区画シール部材としてのダイヤフラム33のシール部からの漏洩、またはダイヤフラム33自体を透過等して漏出してきた冷却水を、第1室31aに混入させないために貯留するものである。
【0056】
貯留部56は、区画壁57、第1支持部材を兼用するシール部材58、貯留室59、及び連通孔61を有している。
【0057】
区画壁57は、図4に示すように第1室31aを構成する壁31a2の内側から弁軸52b近傍に至るまで内方に延出し第1室31aとの間を区画している。
【0058】
シール部材58は区画壁57と弁軸52bとの間に弁軸52bが軸方向に往復動可能に介装されている。シール部材58は弁軸52bと区画壁57との間を冷却水が通過できないように配設されている。シール部材58は円環状を呈し、図4に示す円環の断面がX状のリップによって形成されている。これにより上方、又は下方からの圧力がシール部材58に加わってもX状のリップが上下、いずれからの圧力に対しても弁軸52b及び区画壁57の内周面に押しつけられて良好にシールすることができる。そしてシール部材58は弁軸52bの一端を支持する機能を有し、第1の実施形態における第1支持部材35に相当する。また、弁軸52bの他端を支持する第2支持部材54は第2蓋部材53に一体的に固定されている。第2支持部材54には軸孔54aが穿設され、弁軸52bの他端が軸孔54aに挿入されて軸方向に摺動可能に支持されている。
【0059】
貯留室59は、区画壁57と区画シール部材としてのダイヤフラム33との間に形成され、ダイヤフラム33から漏出した冷却水を貯留するための空間である。
そして貯留室59に貯留された冷却水を、貯留室59内から弁本体31の外側に良好に排出するために連通孔61が設けられている。
【0060】
呼吸孔としての機能も有する連通孔61は弁本体31に穿設され、本実施形態においては図4に示すように貯留室59に開口された連通孔61の入口(入口孔)が貯留室59の下方に位置し、弁本体31の外側に開口する連通孔61の出口(出口孔)が遮断弁50の実際の搭載状態において入口よりも重力方向において下方に位置するような傾きを有して穿設されている。このような貯留部56を有しているので、遮断弁50は、ダイヤフラム33が経時変化してシール性が劣化し加圧室Rの冷却水がダイヤフラム33のシール部から第1室方向に漏出したり、ダイヤフラム33自身を透過して漏出したりしても貯留室59で確実に保持され、その後連通孔61を介して弁本体31の外側に排出されるので、第1室31aに冷却水が混入することはない。
【0061】
ただし、連通孔61は上記の形態に限らず、どのように設けてもよい。例えば貯留室59内と弁本体31の外側とを連通しているだけでもよく、貯留室59内に貯留した冷却水が貯留室59内に満充填されたときに連通孔61を介して弁本体31の外側に排出されるように、短時間では排出されないように構成されていてもよい。これによっても充分な効果が得られる。
【0062】
上述の説明より、本第2の実施形態においては、貯留部56は第1室31aとの間を区画壁57によって完全に分離されるので漏出した加圧室R内の冷却水が第1室31aに流入し第1室31aを流れる流体に混入するのを適切に防止でき信頼性が向上する。
【0063】
次に、第2の実施形態の遮断弁50の変形例1について図5を参照して説明する。変形例1の遮断弁60は、第2の実施形態の遮断弁50の貯留部56の形状が異なるものである。具体的には、変形例1の遮断弁60の貯留部66は、第2の実施形態の遮断弁50の貯留部56のように第1室31aとの間を完全には分離しておらず貯留プレート62のみを有しているものである。このため、変形例1の遮断弁60は第2の実施形態の遮断弁50のように区画壁57と弁軸32bとの間のシール部材58を有さないので弁軸32bの一端の支持は第1の実施形態の遮断弁30と同様に第1支持部材35によって行ない、弁軸32bの他端の支持は第2支持部材38によって行なう。
【0064】
貯留プレート62は、内周と外周に鍔部を有した円環形状を呈し、加圧室Rと第1室31aとの間において外周部が弁本体31の内側に固定され、ダイヤフラム33から漏出した加圧室R内の冷却水を内周と外周の各鍔部の間に貯留して第1室31a内への混入を抑制するものである。貯留プレート62と弁軸32bとの間にシール部材はなく、所定のクリアランスを有している。このような簡素な構成によっても漏出した加圧室R内の冷却水のうち多くを貯留することができるので第2の実施形態の遮断弁50に対して相応の効果が得られる。
【0065】
なお、本実施形態においては、本発明の遮断弁30、50、60を燃料電池の酸化剤ガスの遮断に用いる第1、第2遮断弁22、23に使用した。しかし、これに限らず、燃料電池の燃料ガスの遮断を行なう遮断弁18、及び遮断弁19に使用してもよい。
【0066】
また、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に適用できるが、車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源にも適用可能である。
【0067】
また、本実施形態においては、付勢部材としてコイルばねであるばね39を使用した。しかしこれに限らず、板ばねや、ゴムや空気ばねを適用してもよい。
【0068】
また、本実施形態においては、区画シール部材としてダイヤフラム33を使用したが、これに限らずベローズやピストン等によって構成してもよい。このときピストン、及びベローズの外周部で第1開口31dを閉塞し、内周部を弁軸32b、52bに固定することによって構成する。
【0069】
また、本実施形態においては、第1支持部材35、58と、第2支持部材43、54とによって弁軸32b、52bを支持したが、これに限らず第1支持部材35、58、及び第2支持部材43、54のいずれか一方の支持部材のみによって弁軸32b、52bを支持してもよい。
【0070】
また、本実施形態においては、冷却用の流体としてLLCを用いたが、これに限らず潤滑オイル等の各種オイルや、空気等の気体を用いてもよい。
【0071】
さらに、本実施形態においては、弁体32を付勢する付勢部材であるばね39を弁本体31の第2室31bに設けた。しかしこれに限らずばね39を弁本体31の第1室31aに設け、図2においてばね39の下端を弁本体31の隔壁31cの上面で支持し、ばね39の上端を弁軸32bのフランジ32b2の下面で支持してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…燃料電池、11…燃料流路、11a…燃料導入口、11b…燃料導出口、12…酸化剤流路、12a…酸化剤導入口、12b…酸化剤オフガス導出口、13…冷却流路、13a…冷却水導入口、13b…冷却水導出口、21…圧送装置、22、23…第1および第2遮断弁、24…制御装置、25…酸化剤供給管、26…酸化剤オフガス排出管、27…流体ポンプ(冷却水ポンプ)、27a…吐出口、27b…吸入口、28…ラジエータ、29…冷却水供給管、30、50、60…遮断弁、31…弁本体、31a1…第1ポート、31a…第1室、31b1…第2ポート、31b…第2室、31c…隔壁、31c1…連通穴、31a2…壁、31c2…弁座、31d…第1開口、31e…第2開口、32、52…弁体、32a…弁体本体、32b、52b…弁軸、32b1…軸孔、32b2、52b2…フランジ、32b3…軸孔、33…区画シール部材(ダイヤフラム)、34…第1蓋部材、34a…入出管、35、58…第1支持部材、36…冷却水排出管、37…連結管、38、54…第2支持部材、54a…軸孔、39…付勢部材(ばね)、41…第1分岐管、42…第2分岐管、43、53…第2蓋部材、56、66…貯留部、57…区画壁、58…シール部材、59…貯留室、61…連通孔、62…貯留プレート、R…加圧室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給源から供給された燃料ガスを燃料導入口から燃料極に導入し燃料オフガスを燃料導出口から導出する燃料流路、圧送装置によって供給された酸化剤ガスを酸化剤導入口から酸化剤極に導入し酸化剤オフガスを酸化剤オフガス導出口から排出する酸化剤流路、及び冷却する冷却用流体を前記燃料極、及び酸化剤極に循環させる冷却流路を備えた燃料電池と、
前記圧送装置と前記酸化剤導入口との間に介装され前記圧送装置と前記酸化剤流路との連通を遮断する第1遮断弁と、
前記酸化剤オフガス導出口に接続された第2遮断弁と、
前記冷却流路の冷却水導入口に吐出口が連通され、前記冷却流路の冷却水導出口に吸入口が連通された電気駆動の流体ポンプと、
を備えた燃料電池システムにおいて、
前記第1または第2遮断弁の少なくとも1方の遮断弁は、
第1ポートが形成された第1室、第2ポートが形成された第2室、前記第1室と前記第2室とを連通する連通穴、及び前記連通穴と対向する前記第1室の壁に形成された第1開口を備えた弁本体と、
前記第1開口を閉塞する第1蓋部材と、
前記連通穴の前記第2室側の開口周縁に設けられた弁座と、
前記第2室内に配設され前記弁座に当接して閉状態をなし、離間されて開状態をなす弁体本体、及び前記弁体本体に一体的に設けられ軸線方向に向かって延設する弁軸を備え、前記弁本体に軸方向に移動可能に支持された弁体と、
前記弁体と前記弁本体との間に介装され前記弁体本体が前記弁座に当接する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、
前記第1蓋部材の内側に配設されて前記弁軸に内周を固定され、かつ前記第1開口を液密に閉塞して往復動可能な区画シール部材と、
前記第1蓋部材と前記区画シール部材との間に形成され、前記流体ポンプの吐出口に連通されて前記冷却用流体が供給されると前記付勢部材による付勢方向と反対方向に前記弁体を付勢する加圧室と、
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1において、前記少なくとも1方の遮断弁は、
前記弁本体に固定され前記弁軸の一端を軸方向に往復動可能に支持する第1支持部材と、
前記連通穴と対向する前記弁本体の前記第2室の壁に形成された第2開口と、
前記弁本体に固定され前記第2開口を気密に閉塞する第2蓋部材と、
前記第2蓋部材に固定され前記弁軸の他端を軸方向に往復動可能に支持する第2支持部材と、
を備え、
前記付勢部材は前記第2蓋部材と前記弁体本体との間に介装されたことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1または2において、前記少なくとも1方の遮断弁は、
前記遮断弁の前記加圧室と前記第1室との間に前記区画シール部材から漏出した前記加圧室内の前記冷却用流体を貯留する貯留部を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項4】
請求項3において、前記貯留部は、
前記弁本体の内側から前記弁軸まで延出して前記第1室との間を区画する区画壁と、
前記区画壁と前記弁軸との間に前記弁軸が軸方向に往復動可能に介装されるシール部材と、
前記区画壁と前記区画シール部材との間に形成され、前記漏出した前記冷却用流体を貯留する貯留室と、
前記貯留室と前記弁本体の外側との間が連通するよう前記弁本体に穿設され前記貯留した前記冷却用流体を前記弁本体の前記外側に排出する連通孔と、
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項5】
請求項4において、前記連通孔は、前記少なくとも1方の遮断弁の燃料電池システムにおける搭載状態において前記貯留室内に開口する入口孔が前記弁本体の前記外側に開口する出口孔よりも重力方向上方に位置することを特徴とする燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−89409(P2012−89409A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236489(P2010−236489)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】