説明

燃料電池

本発明による燃料電池(104、104’、204、204’)は、反応物を逐次的に消費する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、反応物(即ち、燃料と酸化剤)を、電気と反応生成物に変換するものであり、充電式バッテリなどのような長い充電サイクルによって中断されず、比較的小型軽量で、実質的に環境排出物を生成しないため有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、本発明者は、従来の燃料電池に改良の余地があると判断した。例えば、本発明者は、発電反応前に反応物を混合する燃料電池の性能を改善することが望ましいと判断した。そのような燃料電池は、「単一チャンバ燃料電池」とも称される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0006】
以下に、現在最もよく知られている本発明の実施形態を詳しく説明する。この説明は、限定するものとして捉えられるべきではなく、単に本発明の一般的な原理を例示するためのものにすぎない。簡略化のため、本発明と関係のない燃料電池構造の詳細な考察は省略することに留意されたい。また、本発明は、現在開発中又はまだ未開発の技術を含む、広範な燃料電池技術に適用可能である。例えば、以下、固体酸化物燃料電池(「SOFC」)に関連して種々の例示的な燃料電池システムを説明するが、プロトン交換膜(「PEM」)燃料電池などの他のタイプの燃料電池にも、本発明は等しく適用可能である。
【0007】
例えば図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態による燃料電池システム100は、1つ又は複数の固体酸化物燃料電池アセンブリ102を含む。各燃料電池アセンブリ102は、燃料極106と空気極108とが電解質110によって隔てられている燃料電池104と、ハウジング112とを含む。適切なマニホルド(図示せず)を備えるアセンブリパッケージ114内に、1つ又は複数の燃料電池アセンブリ102が配列されている。多数の燃料電池アセンブリ102を含むアセンブリパッケージは、「スタック」とも称される。ハウジング112は、パッケージ114自体の一体部とすることも、あるいはハウジングは、組み立て時にパッケージに組み込まれる別個の構造要素とすることもできる。
【0008】
例示的な燃料電池アセンブリ102はまた、燃料極106及び空気極108上に燃料/酸化剤混合物を導き且つU字型形状を有する、反応物チャネル116を備える。図3をより詳細に参照すると、燃料/酸化剤混合物は、反応物チャネル入口118から各燃料電池アセンブリ102に入り、次に燃料極領域120、中間領域122、及び空気極領域124を通る。排出物(例えば、副生物と未使用反応物)は、反応物チャネル出口126から燃料電池アセンブリ102外へと出る。各燃料電池アセンブリ102の入口118と出口126は、パッケージ114内のマニホルドに接続されている。本明細書において開示、説明する例示的な実施形態では、ハウジング112は、反応物チャネルの入口118及び出口126以外に関しては閉じられている。したがって、例示的な実施形態における反応物供給元は反応物チャネル入口118ただ一つであるが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0009】
、又はCH、C、Cなどの炭化水素のような燃料は、図1に示す例示的なシステム100内の燃料源128によって供給され、Oや周囲空気などの酸化剤は、酸化剤源130によって供給される。周囲空気を用いる場合、酸化剤源は、単に通気孔であるか、又は通気孔とファンから構成される。燃料と酸化剤は、パッケージ114内のマニホルド機構によって混合され、燃料/酸化剤混合物が、反応物チャネル116の入口118から導入される。混合物中の燃料と酸化剤の比率は、用いる燃料の種類に依存する。燃料/酸化剤混合物は、単一の供給源内に一緒に貯蔵することもできる。
【0010】
反応物チャネル116内の酸化剤は、空気極108において電気化学的にイオン化される。それによって生成したイオンは、伝導性電解質110中を拡散して、燃料極106において燃料と反応して副生物(例示的な実施形態ではCOと水蒸気)を生成する。副生物と未使用反応物は、出口126から反応物チャネル116を出て、副生物出口132を介してパッケージ114外へと放出される。コントローラ134を設けることによって、例示的な燃料電池システム100の運転を監視し制御することができる。あるいはまた、燃料電池システムの運転は、ホスト(即ち、電力消費)装置によって制御することができる。
【0011】
電流の収集に関しては、燃料極106と空気極108に沿って接点パッド(図示せず)まで電流コレクタ(図示せず)を延在させることが好ましい。適切な電流コレクタ材料としては、ステンレス鋼、銀(空気極のみ)、金、及び白金が挙げられる。あるいはまた、燃料極106及び空気極108を形成するために用いられる材料に、優れた導電性を有するランタンストロンチウムクロマイトなどの材料を付加することもできる。パッケージ114内の隣り合った燃料電池アセンブリ102の燃料極接点パッドは、空気極接点パッドと同様に、互いに直列に接続することができる。しかしながら、実際の接続方式は、負荷の電力要件に依存する。
【0012】
本発明の燃料電池システムには、燃料供給源128及び/又は酸化剤供給源130が補充可能(又は交換可能)なものが包含され、また、消費される全ての燃料及び/又は酸化剤が最初から燃料供給源内に存在するものも包含されることに留意されたい。さらに、必要に応じて、パッケージ114、燃料源128、及び酸化剤源130は、同じハウジング内に配置することができる。そのようなハウジングは、当該燃料電池システムから電力を供給されるべき装置へと接続するための、プラス接点とマイナス接点を有することが好ましい。
【0013】
図1〜図3に示す例示的な実施形態では、燃料極106は、高選択性の電極触媒材料から形成されている。燃料極106に用いられる「高選択性の(highly selective)電極触媒材料」とは、好ましくは、酸化剤を還元させることなく(又は、燃料極が完全に選択性でない場合は、酸化剤を約20%より多くは還元させることなく)、燃料極における燃料の完全な酸化(又は、少なくとも80%の酸化)を引き起こす材料である。酸化剤をほとんど又は全く還元させることなく、燃料を燃料極106において反応させること、即ち、混合ガス反応がほとんど又は全くないこと、が重要である。何故なら、そのような酸化剤の還元は、燃料電池の効率を低下させるからである。燃料/酸化剤混合物が空気極108に達する前に燃料の全て又はほとんどが消費されると仮定すると、空気極に達する燃料/酸化剤混合物の全部(又は、大部分)が酸化剤である。空気極108に達するガスの残りは、燃料極106での反応による副生物となる。したがって、空気極を形成するのに用いた材料の選択性に関係なく、燃料電池効率の低下を招く空気極108での混合ガス反応(即ち、燃料の直接酸化)は防止される。したがって、空気極108は、高選択性でない(non−highly selective)電極触媒材料から形成することができる。「高選択性でない」電極触媒材料は、燃料及び酸化剤の両方と反応する材料である。
【0014】
図4に、燃料/酸化剤混合物中の反応物の逐次的な消費、例えば一方の電極における燃料/酸化剤混合物中の一方の反応物の消費とその後の他方の電極における他方の反応物の消費、に関するグラフを示す。燃料/酸化剤混合物が、入口118において反応物チャネル116に入る際に、燃料及び酸化剤各々の化学量論濃度はその初期レベル、即ち最大レベルにある。初期レベルを等しいものとして示しているが、初期レベルは、具体的用途並びに燃料に適合するように、変化させ得る。混合物が燃料極領域120を通り、燃料が燃料極106において酸化すると、燃料/酸化剤混合物中の燃料の化学量論濃度は低下し、酸化剤の化学量論濃度は実質的に同じままである。そして、燃料の消費された反応物混合物は中間領域122を通って空気極領域124に入り、酸化剤が空気極108において還元される。排出物(例えば、副生物と燃料/酸化剤混合物の未使用部分)は、出口126から反応物チャネル116外へと出る。燃料及び酸化剤の最終レベルをゼロより大きいものとして示しているが、多くの場合、未使用燃料と酸化剤がほとんどなくなるように燃料電池を構成し、燃料/酸化剤混合物を選択することが望ましいことに留意されたい。
【0015】
燃料/酸化剤混合物中の反応物の逐次的消費には、いくつかの利点がある。例えば、前に述べたように、燃料極においてほぼ全ての燃料を消費することにより、即ち、空気極における実質的な反応を防ぐのに最小限十分な燃料を消費することにより、空気極に高選択性でない電極触媒材料を使用することが容易になる。高選択性でない電極触媒材料を使用することにより、燃料電池のコストが削減される。また、高選択性でない電極触媒材料を使用することにより、燃料電池の他の構成要素の熱膨脹係数により厳密に一致する電極触媒材料を使用すること、並びに高選択性の電極触媒材料よりも活性の高い電極触媒材料を使用することが容易になる。
【0016】
例示的な燃料電池104と基板112の材料、寸法及び構成は、燃料電池の種類(例えば、SOFC、PEMなど)及び意図する用途に依存するが、また本発明は特定の材料、寸法、構成又は種類に限定されるものではないが、以下では、SOFC104を備える例示的な燃料電池アセンブリ102について説明する。高選択性の燃料極106は、多孔性の、セラミック、金属複合材料(「サーメット」とも称される)から形成することが好ましく、厚さは約0.5〜約1000μm(一般に厚さは約10〜約250μm)である。適切なセラミックスとしては、サマリアドープドセリア(「SDC」)、ガドリニアドープドセリア(「GDC」)及びイットリア安定化ジルコニア(「YSZ」)が挙げられ、また、適切な金属としては、ニッケル、銅及びパラジウムが挙げられる。高選択性でない空気極108は、厚さ約0.5μm〜約1000μm(一般には厚さは約10μm〜約50μm)のサーメットから形成することが好ましい。適切なセラミックスとしては、SDC、サマリウムストロンチウムコバルタイト(「SSCO」)、ランタンストロンチウムマンガナイト(「LSM」)が挙げられ、また、適切な金属としては、白金、白金ルテニウム、及び白金ロジウムが挙げられる。電解質110は、SDC、GDC、YSZ又はランタンストロンチウムガリウムマグネシウム(「LSGM」)などの稠密セラミックであり、厚さは約2μm〜約1000μm(一般に厚さは5pm〜約50μm)であることが好ましい。燃料極106、空気極108、及び電解質110の表面積は、平面図として見たとき、一般に、約0.001cm〜約10,000cm(一般に約2.5〜250cm)である。
【0017】
本発明は、以上述べた例示的な実施形態に限定されない。例えば図5に示すように、燃料電池アセンブリ内の燃料極と空気極の相対位置は逆にすることもできる。例示的な燃料電池アセンブリ102’及び燃料電池104’は、図3に示した燃料電池アセンブリ102及び燃料電池104に実質的に類似し、類似する構成要素は類似する符号で表している。しかしながら、この図では、空気極108’が反応物チャネル入口118と関連付けられており、燃料極106’が反応物チャネル出口126と関連付けられている。同様に、反応物チャネルの燃料極領域120と空気極領域124の位置は逆にされている。したがって、燃料/酸化剤混合物は、燃料極106’に達する前に、空気極108’を通過する。
【0018】
図5に示す例示的な実施形態では、空気極108’は、高選択性の電極触媒材料から形成されている。空気極108’に用いる「高選択性の」電極触媒材料は、空気極において燃料を酸化することなく(又は、空気極が完全に選択性でない場合は、燃料を約20%より多く酸化することなく)、空気極における酸化剤の完全な還元(又は、少なくとも80%の還元)を引き起こすような材料である。燃料をほとんど又は全く酸化させることなく、酸化剤を空気極108’において反応させること、即ち、混合ガス反応がほとんど又は全くないこと、が重要である。何故なら、そのような酸化は、燃料電池の効率を低下させるからである。燃料/酸化剤混合物が燃料極106’に達する前に全て(又は、ほとんど全て)の酸化剤が消費されると仮定すると、燃料極に達する燃料/酸化剤混合物の全部(又は少なくとも大部分)は燃料である。したがって、効率の低下を招く燃料極106’での混合ガス反応は、燃料極を形成するのに用いた材料の選択性に関係なく、防止される。したがって、燃料極106’は、高選択性でない電極触媒材料から形成することができる。
【0019】
例示的な燃料電池アセンブリ102’内の燃料極106’に用いられる高選択性でない電極触媒材料は、厚さ約0.5μm〜約1000μm(一般には厚さ約10μm〜約250μm)のサーメットであることが好ましい。適切なセラミックスとしては、SDC、GDC及びYSZが挙げられ、適切な金属としては、白金、白金ニッケル、及び白金パラジウムが挙げられる。例示的な高選択性の空気極108’は、厚さ約2μm〜約1000μm(一般に、厚さ約20μm)の多孔性セラミックであることが好ましい。適切な高選択性の電極触媒セラミック材料としては、SSCO及びLSMが挙げられる。ロジウムあるいはルテニウムと組み合わせたSDC、GDC若しくはYSZを含むサーメットを使用することもできる。電解質110の材料は、前述の材料と同じもの、即ち厚さ約2μm〜約1000μm(一般に約5μm〜約50μm)のSDC、GDC、YSZ、LSGMなどの稠密セラミックスであることが好ましい。
【0020】
図5記載の例示的実施形態に関する、燃料/酸化剤混合物中の反応物の逐次的消費のグラフを図6に示す。燃料/酸化剤混合物が入口118から反応物チャネルに入る際、燃料及び酸化剤の各化学量論濃度はその初期レベル、即ち最高レベルにある。初期レベルを等しいものとして示しているが、初期レベルは、具体的な用途及び燃料に適合するように変化させ得る。混合物が空気極領域124内を通って、酸化剤が空気極108’で還元されると、燃料/酸化剤混合物中の酸化剤の化学量論濃度が低下し、燃料の化学量論濃度は実質的に同じままである。次に、酸化剤の消費された反応物混合物が中間領域122を通って燃料極領域120に入り、そこで燃料が燃料極106’で酸化される。排出物(例えば、副生物と燃料/酸化剤混合物の未使用部分)は、出口126から反応物チャネル116外へ出る。燃料と酸化剤の最終レベルがゼロよりも大きいものとして示しているが、多くの場合、未使用の燃料と酸化剤がほとんどなくなるように燃料電池を構成し、燃料/酸化剤混合物を選択することが望ましいことに注意されたい。
【0021】
燃料電池アセンブリ102の代わりに、図5記載の例示的な燃料電池アセンブリ102’を図1記載のシステム100に組み込むことができる。あるいはまた、システム100は、複数の燃料電池アセンブリ102と102’を交互に備えることができる。
【0022】
図7に、他の例示的な燃料電池アセンブリを、符号202を付して概略的に示す。例示的な燃料電池アセンブリ202は、燃料極206、空気極208及び電解質210を有する燃料電池204と、ハウジング212とを含む。燃料極206と空気極208は、例示的な燃料電池104とは異なり、燃料電池204内の電解質210の同じ側にある。ハウジング212は、燃料/酸化剤混合物を燃料極206及び空気極208上に導く反応物チャネル216を備える。燃料/酸化剤混合物は、反応物チャネル入口218から入り、燃料極領域220、中間領域222及び空気極領域224を通る。排出物(例えば、副生物や未使用反応物)は、反応物チャネル出口226から燃料電池アセンブリ外へ出る。入口218と出口226は、図1記載のパッケージ114に類似のパッケージのようなパッケージのマニホルドに接続することができる。燃料電池ハウジング212は、反応物チャネルの入口218と出口226以外は閉じられていることが好ましく、反応物の唯一の供給元は入口である。また、1つ又は複数のハウジング212は、パッケージの一体部とすることができ、あるいは1つ又は複数のハウジングは、組み立て時にパッケージに組み込まれる別個の構造要素とすることもできることを理解されたい。
【0023】
図7記載の例示的な実施形態では、燃料極206は、反応物チャネル入口218近傍に配置され且つ高選択性の電極触媒材料から形成されており、空気極208は、高選択性でない電極触媒材料から形成されている。これらの材料に関しては、先に図1〜図4を参照して詳しく述べた。例示的な燃料電池アセンブリ202は、図1〜図4を参照して前述したように燃料/酸化剤混合物中の反応物を逐次的に消費する。
【0024】
図8に移ると、燃料電池アセンブリ202内の燃料極と空気極の相対位置は逆にすることができる。例示的な燃料電池アセンブリ202’及び燃料電池204’は、図7記載の燃料電池アセンブリ202及び燃料電池204に実質的に類似しており、類似する構成要素は類似の符号を付して表している。しかしながら、空気極208’は反応物チャネル入口218と関連付けられており、燃料極206’は反応物チャネル出口226と関連付けられている。同様に、反応物チャネルの燃料極領域220と空気極領域224の位置が逆にされている。したがって、燃料/酸化剤混合物は、空気極208’に達した後で燃料極206’に達する。燃料極206’は、高選択性でない電極触媒材料から形成され、空気極208’は、高選択性の電極触媒材料から形成される。そのような材料に関しては、前に図5及び図6を参照して詳しく述べている。例示的な燃料電池アセンブリ202’は、図5及び図6に関して前述したように、燃料/酸化剤混合物中の反応物を逐次的に消費する。
【0025】
燃料電池アセンブリ102の代わりに、図7及び図8記載の例示的な燃料電池アセンブリ202及び202’を図1記載のシステム100に組み込むことができる。あるいはまた、システム100は、複数の燃料電池アセンブリ202と202’を交互に備えることもできる。
【0026】
例示的な燃料電池システム100は、燃料電池アセンブリ102、102’、202及び202’、あるいはこれらの組み合わせを含むことができ、様々な電力消費装置に組む込むことができる。電力消費装置の例としは、ノートブック型パーソナルコンピュータ(「PC」)、手持ち式PC、パームトップPC、及び携帯情報端末(「PDA」)、携帯電話などの通信装置、無線電子メール機器及び電子ブック、ビデオゲームや他の玩具、コンパクトディスクプレーヤやビデオカメラなどの音響ビデオ装置が挙げられるが、これらに限定されない。他の電子装置としては、移動試験システム、携帯型プロジェクタ、及び携帯型フラットパネルテレビのような携帯型テレビがある。図9を参照すると、例示的な装置300は、燃料電池システム100と、燃料電池システム100によって電力を供給される電力消費装置302とを含む。例示的な電力消費装置は、特定の装置内の、電力を消費する任意の又は全ての装置を意味する。
【0027】
以上、好ましい実施形態に関して本発明を説明してきたが、前述の好ましい実施形態に対し種々の修正及び/又は追加が当業者には容易に理解されよう。本発明の範囲は、そのような全ての修正及び/又は追加にまで及ぶものとする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の好ましい実施形態による燃料電池システムの概略図
【図2】本発明の好ましい実施形態による燃料電池の断面図
【図3】本発明の好ましい実施形態による燃料電池アセンブリの断面図
【図4】図3記載の燃料電池アセンブリ内の種々の位置における、燃料と酸化剤の相対化学量論濃度を示すグラフ
【図5】本発明の好ましい実施形態による燃料電池アセンブリの断面図
【図6】図5記載の燃料電池アセンブリ内の様々な位置における、燃料と酸化剤の相対化学量論濃度を示すグラフ
【図7】本発明の好ましい実施形態による燃料電池アセンブリの断面図
【図8】本発明の好ましい実施形態による燃料電池アセンブリの断面図
【図9】本発明の好ましい実施形態による装置を示すブロック図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極(106、106’、206、206’)と、
空気極(108、108’、208、208’)と、
前記燃料極及び前記空気極と関連付けられた電解質(110、210)と、
を含んで成り、
前記燃料極及び前記空気極のうち一方が、高選択性の電極触媒材料から形成されており、前記燃料極及び前記空気極のうち他方が、高選択性でない電極触媒材料から形成されている、燃料電池。
【請求項2】
前記電解質(110)が、第1及び第2の面を画定しており、前記燃料極(106、106’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(108、108’)が前記第2の面と関連付けられている、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記電解質(210)が、第1及び第2の面を画定しており、前記燃料極(206、206’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(208、208’)が前記第1の面と関連付けられている、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項4】
入口(118、218)及び出口(126、226)を画定する反応物チャネル(116、216)を備えるハウジング(112、212)であって、前記反応物チャネルが、前記入口と前記出口以外に関しては閉じている、ハウジング(112、212)と、
前記ハウジング内に配置され、前記入口と前記出口との間の前記反応物チャネルに露出している燃料極(106、106’、206、206’)と、前記入口と前記出口との間の前記反応物チャネルに露出している空気極(108、108’、208、208’)と、前記燃料極及び前記空気極と関連付けられた電解質(110、210)とを含む燃料電池(104、104’、204、204’)であって、前記燃料極が前記入口及び前記出口のうちの一方に近く、前記空気極が前記入口及び前記出口のうちの他方に近い、燃料電池(104、104’、204、204’)と、
を含んで成る、燃料電池アセンブリ。
【請求項5】
前記反応物チャネル(116)が、U字型形状を画定し、
前記電解質(110)が第1及び第2の面を画定し、前記燃料極(106、106’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(108、108’)が前記第2の面と関連付けられている、請求項4に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項6】
前記反応物チャネル(216)が、前記入口から前記出口までほぼ直線状であり、
前記電解質(210)が第1及び第2の面を画定し、前記燃料極(206、206’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(208、208’)が前記第1の面と関連付けられている、請求項4に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項7】
前記燃料極(106、106’、206、206’)及び前記空気極(108、108’、208、208’)のうちの一方が、高選択性の電極触媒材料から形成されており、前記燃料極及び前記空気極の他方が、高選択性でない電極触媒材料から形成されている、請求項4に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項8】
燃料源(128)と、
燃料極(106、106’、206、206’)、空気極(108、108’、208、208’)、並びに前記燃料極及び前記空気極と関連付けられた電解質(110、210)を含む燃料電池(104、104’、204、204’)であって、前記燃料極及び前記空気極のうち一方が高選択性の電極触媒材料から形成されており、前記燃料極及び前記空気極のうち他方が高選択性でない電極触媒材料から形成されている、燃料電池(104、104’、204、204’)と、
を含んで成る、燃料電池システム。
【請求項9】
前記電解質(110)が第1及び第2の面を画定し、前記燃料極(106、106’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(108、108’)が前記第2の面と関連付けられている、請求項8に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記電解質(210)が第1及び第2の面を画定し、前記燃料極(206、206’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(208、208’)が前記第1の面と関連付けられている、請求項8に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
酸化剤源(130)をさらに含む、請求項8に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記燃料源(128)からの燃料と前記酸化剤源(130)からの酸化剤とを混合することによって燃料/酸化剤混合物を生成し且つ前記燃料/酸化剤混合物を前記燃料電池に供給するように構成されたパッケージ(114)をさらに含む、請求項11に記載の燃料電池システム。
【請求項13】
入口(118、218)及び出口(126、226)を画定する反応物チャネル(116、216)を備えるハウジング(112、212)であって、前記反応物チャネルが前記入口と前記出口以外に関しては閉じている、ハウジング(112、212)と、
前記入口に接続されている反応物源(128、130)と、
前記ハウジング内に配置されており、前記入口と前記出口との間の前記反応物チャネルに露出している燃料極(106、106’、206、206’)と、前記入口と前記出口の間の前記反応物チャネルに露出している空気極(108、108’、208、208’)と、前記燃料極及び前記空気極と関連付けられた電解質(110、210)とを含む燃料電池(104、104’、204、204’)であって、前記燃料極が前記入口及び前記出口のうちの一方に近く、前記空気極が前記入口及び前記出口の他方に近い、燃料電池(104、104’、204、204’)と、
を含んで成る、燃料電池システム。
【請求項14】
前記反応物チャネル(116)が、U字型形状を画定し、
前記電解質(110)が第1及び第2の面を画定し、前記燃料極(106、106’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(108、108’)が前記第2の面と関連付けられている、請求項13に記載の燃料電池システム。
【請求項15】
前記反応物チャネル(216)が、前記入口から前記出口までほぼ直線状であり、
前記電解質(210)が第1及び第2の面を画定し、前記燃料極(206、206’)が前記第1の面と関連付けられ、且つ前記空気極(208、208’)が前記第1の面と関連付けられている、請求項13に記載の燃料電池システム。
【請求項16】
前記燃料極(106、106’、206、206’)及び前記空気極(108、108’、208、208’)のうち一方が、高選択性の電極触媒材料から形成されており、前記燃料極及び前記空気極の他方が、高選択性でない電極触媒材料から形成されている、請求項13に記載の燃料電池システム。
【請求項17】
前記燃料電池に燃料/酸化剤混合物を供給するステップと、
前記燃料と前記酸化剤とを逐次的に消費することによって電気を生成するステップと、
を包含する、燃料電池の運転方法。
【請求項18】
前記燃料と前記酸化剤とを逐次的に消費することによって電気を生成する前記ステップが、
前記酸化剤を実質的に消費せずに前記燃料/酸化剤混合物中の前記燃料を消費すること、及び
前記燃料/酸化剤混合物中の前記燃料を消費する前記ステップの後で、前記酸化剤を消費すること、
を包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記酸化剤を実質的に消費せずに前記燃料/酸化剤混合物中の前記燃料を消費する前記ステップが、前記酸化剤の20%より多くを実質的に消費することなく、前記燃料/酸化剤混合物中の少なくとも80%の前記燃料を消費することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記燃料と前記酸化剤とを逐次的に消費することによって電気を生成する前記ステップが、
前記燃料を実質的に消費せずに前記燃料/酸化剤混合物中の前記酸化剤を消費すること、及び
前記燃料/酸化剤混合物中の前記酸化剤を消費する前記ステップの後で、前記燃料を消費すること
を包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記燃料を実質的に消費せずに前記燃料/酸化剤混合物中の前記酸化剤を消費する前記ステップが、前記燃料の20%より多くを実質的に消費することなく、前記燃料/酸化剤混合物中の少なくとも80%の前記酸化剤を消費することを含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−516798(P2006−516798A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501108(P2006−501108)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/001780
【国際公開番号】WO2004/066424
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】