説明

爽快な泡の穀類分解物含有発泡性飲料

【課題】飲用に際して、爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの嗜好性の高い新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供すること、及び、かかる発泡性飲料のディスペンス方法、ディスペンサーを提供すること。
【解決手段】冷却飲料ディスペンス装置Aは、ビール樽1から導出した発泡性飲料を、冷却器7を装備した冷却槽9で冷却した発泡性飲料を、注出口25から、ジョッキa12に注出する。泡沫ディスペンス装置Bは、攪拌羽根15からなる冷却及び攪拌チャンバー14を装備した冷却槽10を設置するとともにに、窒素ガスボンベ23に連通する手段を設け、発泡性飲料を、冷却及び攪拌処理及び冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により凍結発泡体(フローズン泡)を形成し、泡沫ディスペンス装置泡沫注出口28から、冷却飲料ディスペンス装置で容器に注出された発泡性飲料を収容したジョッキb13に泡沫成分として供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感のフローズン泡(凍結発泡体)を形成した穀類分解物含有発泡性飲料、すなわち、穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌、及び外気ガス巻込み処理することにより調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる、雪のような爽快な食感を有し、しかもクリーミーで、かつ、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料、及びその発泡性飲料のディスペンス方法、ディスペンス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビール等の発泡性飲料の嗜好性に関与する重要なファクターとして、泡の性状がある。ビール等の泡の主な働きとしては、飲料からの炭酸ガスの抜けの防止、泡立ちによる香り立ち、劣化防止のための蓋としての役割、泡の弾ける音の心地よさ、見た目の美味しさなどがあり、ビール等の飲料の泡持ちを向上させることによる、消費者への訴求効果は高い。従来より、ビール等の発泡性アルコール飲料においては、クリーミーで、泡持ちの良い泡を有する発泡性アルコール飲料が好まれ、そのような泡の改善のために、各種の方法が開示されている。
【0003】
ビール等の発泡性アルコール飲料においては、泡の改善のために、安定な泡の形成を促進したり、或いは長時間安定な泡の持続性を付与することを目的として、起泡剤や泡保持剤を使用した発泡性アルコール飲料が開示されている。例えば、サポニン成分を含有する発泡性アルコール飲料(特開昭61−88869号公報、特開2006−191934号公報、特開2006−314282号公報)や、ガラナ抽出液と起泡剤と着色剤を含有するビール様清涼飲料(特開2007−82538号公報)や、ホップを含む麦芽発酵液、起泡剤(サポニン)及び泡保持剤(寒天、ゼラチン、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、タマリンドガム、ジェランガム、ローカストビーンガム等の増粘安定剤)を含有する炭酸ガス含有アルコール飲料(特開平11−299473号公報)が開示されている。
【0004】
また、大豆又はえんどう豆より得られた窒素源を原料とし、更に、大豆サポニン、ユッカサポニン、キラヤサポニン、茶サポニン、高麗サポニン等の植物抽出サポニン系物質、卵白ペプタイド、牛血清アルブミン等のタンパク質系物質、キサンタンガム、プルラン、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、アラビアガム、タマリンド種子多糖類、寒天、タラガム、ジェランガム等の増粘剤及びアルギン酸エステルの群より選択される起泡・泡持ち向上物質を原料として加えて発酵前液を調製して得られるビール様アルコール飲料(特開2005−124591号公報)や、小麦分解物を用いた発酵麦芽飲料(特開2005−328729号公報)や、オクテニルコハク酸澱粉を使用した炭酸ガス含有飲料(特開2004−81171号公報、WO03/105610)等が開示されている。更に、ビール等の飲料の泡持ちを改善させる方法として、ビールに窒素ガスを添加する 方法(特開平10−287393号公報)も開示されている。
【0005】
一方で、ビール等の発泡性アルコール飲料を飲用する際には、多くの場合、飲料を冷やして飲むのが通常であり、したがって、ビール等の飲料を料飲店などで提供する際には、飲料の温度が低い(冷たくされている)ことが重要な要件となっている。しかしながら、冷たいビール等の飲料は、飲料中に炭酸ガスが溶存しやすいことから泡立ちが悪くなる傾向がある。また、冷たいビール等の飲料は、外気温度と、飲料中の温度との差が大きいことから、泡内の気体が膨張し、破泡しやすく、泡持ちが悪くなる。したがって、ビール等の飲料において、飲用に際して、飲料の温度を低く保ちつつ、泡持ちが良い飲料を提供することが消費者の嗜好に応える重要な課題となっている。そこで、そのような課題を解決すべく、前記のとおり、ビール等の発泡性アルコール飲料においては、飲用に際しての低温下においても、安定な泡の形成を促進したり、或いは長時間安定な泡の持続性を付与することを目的として、各種の起泡剤や泡保持剤の使用が提案されている。しかしながら、このような起泡剤や泡保持剤を用いて、例えば、クリーミーで、泡持ちの持続する発泡性飲料を製造した場合、起泡剤や泡保持剤自体が、発泡性飲料の本来の味覚に影響を及ぼしたり、或いは、クリーミーで、泡持ちの良さが、逆に、泡自体の爽快な味覚を失わせ、爽快さが嗜好される発泡性飲料の嗜好性に影響を及ぼす場合がある。
【0006】
他方、ビール等の冷却した飲料を、飲用に際して容器に注入し、提供する発泡性飲料のディスペンスの方法において、凍結させたビール等の飲料を、細かく砕いて、ビールに乗せて提供する方法が開示されている(特表2003−514553号公報)。この開示のものは、グラスのような容器に注いだビールのような発泡性飲料の液の上に、凍結した飲料固体、或いは、該飲料液と凍結した飲料固体の混合物を浮遊させたもので、凍結した飲料固体の上には、ビール等の発泡性飲料中に溶解した炭酸ガス等が析出した発泡性飲料の泡が存在する形状のものとなっている。したがって、該容器に注がれた発泡性飲料には、凍結した飲料固体、或いは飲料液と凍結した飲料固体の混合物が浮遊しているが、該凍結した飲料固体は、ソフトな泡沫を形成するものではなく、また、凍結した飲料固体自体が、容器に注がれた発泡性飲料の泡の泡持ち持続効果を向上させるものではない。
【0007】
また、WO2009/037446には、ビールやサイダーのような飲料において、冷却した飲料を、フリーザーを用いて、飲料の冷却液/凍結粒子を含有する状態で提供するディスペンス方法及びそのための装置について開示されている。該ディスペンス方法により提供される冷却飲料は、飲料の凍結粒子の含有により飲料の低温状態を持続することができ、かつ、飲料の希釈を行うことなく提供できることが記載されている。該凍結粒子を含有する飲料は、雪解け状の硬さ(slush consistency)で提供されることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−88869号公報
【特許文献2】特開平10−287393号公報
【特許文献3】特開平11−299473号公報
【特許文献4】特開2004−81171号公報
【特許文献5】特開2005−124591号公報
【特許文献6】特開2005−328729号公報
【特許文献7】特開2006−191934号公報
【特許文献8】特開2006−314282号公報
【特許文献9】特開2007−82538号公報
【特許文献10】特表2003−514553号公報
【特許文献11】WO03/105610
【特許文献12】WO2009/037446
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、ビール、発泡酒、又は、その他の雑酒からなる発酵アルコール飲料や、非アルコール麦芽飲料のような穀類分解物含有発泡性飲料において、その飲用に際して、爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの嗜好性の高い新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供すること、及び、かかる発泡性飲料のディスペンス方法、ディスペンス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決すべく、その飲用に際して、爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの嗜好性の高い新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供する方法について鋭意検討する中で、穀類分解物含有発泡性飲料において、穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理することにより、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、更に、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製し、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給することにより、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、穀類分解物含有発泡性飲料を冷却し、容器に注出して提供する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理することにより、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製し、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給することを特徴とする、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法からなる。
【0012】
本発明において、爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡が形成されるメカニズムについては、理由は定かではないが、以下のように考えられる。ビールのような穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却しながら攪拌すると、まず、飲料液の水分が凍結する。水分が凍結すると、凝固熱により一旦温度は上昇するものの、また低下に転じる。また、水分が凍結すると、結果的にエキス分が濃縮され、粘度が上昇する。粘度が上昇することにより、更に、冷却及び攪拌を続けると周囲の空気(外気)を巻き込み始め、それに起因する体積膨張が始まる。この場合、飲料液より熱伝導率が小さい空気(外気)を巻き込むため、温度の低下は緩やかになり、空気(外気)を巻き込み始めた時点では、温度低下傾向の変曲点が現れる。更に、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理を続けると、周囲の空気(外気)を飽和状態まで巻き込んだ穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)が形成される。該発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)は、飲料液の水分が凍結した微粒子と、飲料液のエキスが凍結した微粒子と、巻き込まれた空気(外気)の微粒子を含むものであり、穀類分解物含有発泡性飲料の飲用時に、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成するものである。
【0013】
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理によりエキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理は、冷却シリンダ及び攪拌羽根を備えた、冷却及び攪拌手段により行うことができる。
【0014】
また、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結微粒子の粘度、温度、体積膨張率、又は、明度により制御することができる。かかるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理の粘度による制御の場合は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度は、0.4〜30pa・sに調整される。
【0015】
また、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理の温度による制御の場合は、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度が、−15〜−1.8℃に調整される。更に、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理の体積膨張率による制御の場合は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が、1.3〜3.5に調整される。また、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理の明度による制御の場合は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度が、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差ΔLが、8〜45に調整される。
【0016】
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法における、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理において、外気としては、大気又は該大気の一部或いは全部を窒素ガスで置換した外気を用いることができる。
【0017】
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、対象となる穀類分解物含有発泡性飲料としては、ビール、発泡酒、又は、その他の雑酒からなる発酵アルコール飲料、或いは、非アルコール麦芽飲料からなる穀類分解物含有発泡性飲料を挙げることができる。
【0018】
また、本発明は、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供するディスペンサー(ディスペンス装置)を包含する。該ディスペンサーは、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料を、冷却手段によって冷却し、容器に注出する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーにおいて、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料ディスペンス装置と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理し、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成する手段、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段、該スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段、及び、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給する手段を設けた泡沫ディスペンス装置とからなる穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーからなる。
【0019】
該泡沫ディスペンス装置における、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理によりエキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段は、冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーから構成することができる。該冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーの攪拌羽根としては、スクリュー式攪拌羽根を採用することができる。
【0020】
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス装置における泡沫ディスペンス装置には、冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーに、窒素ガスボンベに連通する窒素ガス吹込み手段を設け、冷却及び攪拌チャンバーの大気の一部或いは全部を窒素ガスで置換して、外気とすることができる。該窒素ガスを含有する外気により、穀類分解物含有発泡性飲料のエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する泡沫(凍結発泡体)を形成することにより、ディスペンスされた飲料の泡の持続効果をより向上することができる。
【0021】
また、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス装置における泡沫ディスペンス装置において、スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段としては、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度、温度、体積膨張率、又は、明度を検知する検知手段を挙げることができる。該スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度を検知する検知手段としては、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度を検出するための粘度検出センサーを挙げることができる。
【0022】
更に、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス装置における泡沫ディスペンス装置には、泡沫ディスペンス装置における、調製された穀類分解物含有発泡性飲料のエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する泡沫(凍結発泡体)を、容器に注出する注出ノズルの注出口を断面複数の細穴開口形状として形成することができる。泡沫ディスペンス装置の容器に注出する注出ノズルの注出口を断面複数の細穴開口形状にすることにより、注出される穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の泡沫をよりきめの細かいものとすることができる。
【0023】
本発明のディスペンサーにおいては、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料を、冷却手段によって冷却し、容器に注出する穀類分解物含有発泡性飲料の冷却飲料ディスペンス装置と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌、外気ガス巻込み処理によって穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を容器に注出する泡沫ディスペンス装置において、穀類分解物含有発泡性飲料を、同一の搬送容器から導出するか、或いは、それぞれ別個に設けた搬送容器から導出する構造とすることができる。同一の搬送容器から導出する場合は、冷却飲料ディスペンス装置と泡沫ディスペンス装置とで、同一の穀類分解物含有発泡性飲料を用いることになり、一方、それぞれ別個に設けた搬送容器から導出する場合は、冷却飲料ディスペンス装置と泡沫ディスペンス装置とで、それぞれ異なる液種の穀類分解物含有発泡性飲料を用いることができる。
【0024】
すなわち具体的には本発明は、(1)穀類分解物含有発泡性飲料を冷却し、容器に注出して提供する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理することにより、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製し、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給することを特徴とする、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(2)穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理によりエキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理を、冷却シリンダ及び攪拌羽根を備えた、冷却及び攪拌手段により行うことを特徴とする上記(1)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法からなる。
【0025】
また本発明は、(3)穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理が、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度、温度、体積膨張率、又は、明度により制御されることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(4)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度が、0.4〜30pa・sに調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(5)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度が、1.5〜9pa・sに調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(6)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度が、−15〜−1.8℃に調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(7)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度が、−8〜−2.5℃に調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(8)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が、1.3〜3.5に調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(9)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が、2〜3.5に調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(10)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度が、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差ΔLが、8〜45に調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(11)調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度が、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差ΔLが、30〜45に調整されることを特徴とする上記(3)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(12)穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理において、外気として、大気又は該大気の一部或いは全部を窒素ガスで置換した外気を用いることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法や、(13)穀類分解物含有発泡性飲料が、ビール、発泡酒、又は、その他の醸造酒からなる発酵アルコール飲料、或いは、非アルコール麦芽飲料からなることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法からなる。
【0026】
更に、本発明は、(14)穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料を、冷却手段によって冷却し、容器に注出する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーにおいて、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料ディスペンス装置と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理し、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成する手段、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結微粒子を調製する手段、該スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段、及び、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給する手段を設けた泡沫ディスペンス装置とを設けたことを特徴とする雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーからなる。
【0027】
また本発明は、(15)泡沫ディスペンス装置における、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理によりエキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段が、冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーからなることを特徴とする上記(14)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーや、(16)冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーの攪拌羽根が、スクリュー式攪拌羽根からなることを特徴とする上記(15)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーや、(17)冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーに、窒素ガスボンベに連通する窒素ガス吹込み手段を設けたことを特徴とする上記(15)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーや、(18)スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段が、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度、温度、体積膨張率、又は、明度を検知する検知手段であることを特徴とする上記(14)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーや、(19)スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度を検知する検知手段が、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度を検出するための粘度検出センサーからなることを特徴とする上記(18)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーや、(20)泡沫ディスペンス装置における、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を、容器に注出する注出ノズルの注出口を断面複数の細穴開口形状としたことを特徴とする上記(14)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーや、(21)穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料を、冷却手段によって冷却し、容器に注出する穀類分解物含有発泡性飲料の冷却飲料ディスペンス装置と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌、外気ガス巻込み処理によって穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を容器に注出する泡沫ディスペンス装置において、穀類分解物含有発泡性飲料を、同一の搬送容器から導出するか、或いは、それぞれ別個に設けた搬送容器から導出することを特徴とする上記(14)に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーからなる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、ビール、発泡酒、又は、その他の雑酒からなる発酵アルコール飲料や、非アルコール麦芽飲料のような穀類分解物含有発泡性飲料において、その飲用に際して、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供する。また、本発明は、かかる爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの嗜好性の高い新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供する発泡性飲料のディスペンス方法、及びディスペンサーを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の実施例における、泡持ち時間の評価試験において、各飲料の泡高さ(mm)と、泡の持続時間(分)との関係を示す図である。図中の記号において、CPはコーンタンパクを含有していることを表す。またFは凍結発泡体を添加したものを表す。また、グラフ中の各数値は各飲料の泡高さを表す。
【図2】図2は、本発明の実施例における、泡持ち時間の評価試験において、各飲料の泡高さ(mm)と、泡の持続時間(分)との関係を示す図である。図中の記号において、CFはビールを凍結させ、粗く砕いたものを入れた群を表し、Fはビールを凍結させ、凍結発泡体としたものを入れた群を表す。また、グラフ中の各数値は各飲料の泡高さを表す。
【図3】図3は、本発明の実施例における、凍結微粒子製造条件探索試験において、5つの異なる条件下で製造した凍結発泡体を用いた飲料の泡高さ(mm)と、泡の持続時間(分)との関係を示す図である。また、グラフ中の各数値は各飲料の泡高さを表す。
【図4】図4は、本発明の実施例における、発泡性飲料の冷却及び攪拌と凍結発泡体の生成及び物性変化についての試験において、冷却及び攪拌時間とビール・凍結発泡体の温度の関係を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施例における、凍結ビール泡の泡持ち試験において、「ビール泡を凍結して調整した凍結泡沫」と、「ビールを冷却及び攪拌及び外気ガスを巻き込み処理を行うことにより形成した凍結泡沫(凍結発泡体の泡沫)」との泡持ち試験の結果を示す図(写真)である。図5−1、5−2は、ビール泡を凍結した試料の写真を示し、図5−3は、ビールの冷却及び攪拌及び外気ガス巻き込み処理により形成した凍結発泡体試料の写真を示す。
【図6】図6は、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス装置の実施例における装置の概略図である。
【図7】図7は、本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス装置の実施例における装置の凍結発泡体(フローズン泡)を容器に注出するディスペンサー注出口(28)の断面形状の一実施態様を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法]
【0031】
本発明は、穀類分解物含有発泡性飲料を冷却し、容器に注出して提供する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理することにより、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製し、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給することにより、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法からなる。
【0032】
本発明の発泡性飲料のディスペンス方法の対象となる穀類分解物含有発泡性飲料としては、穀類の分解物を含む発泡性飲料であればどのような種類の飲料であっても対象とすることができるが、特に、好ましくは、麦芽や、大麦の分解物を含む飲料を挙げることができる。本発明において、穀類とは、穀物であれば特に限定されないが、大麦、小麦、大豆、エンドウ豆であることが好ましく、より好ましくは大麦である。穀類の分解物の具体的な態様としては、特に限定されないが、麦芽、大麦、小麦、大豆、エンドウ豆、トウモロコシの分解物であり、例えば、大豆タンパク、大豆ペプチド、エンドウ豆タンパク、コーンタンパク分解物が挙げられる。
【0033】
本発明の発泡性飲料のディスペンス方法の対象となる穀類分解物含有発泡性飲料の調製に際しては、従来、発泡性飲料の泡持ち向上に用いられている泡持ち向上成分を添加することができる。該泡持ち向上成分としては、泡持ちを向上できる成分であれば特に限定されないが、好ましくはタンパク質、糖タンパク質、ホップ由来苦味物質(例えば、イソフムロン、イソコフムロン)、サポニン、遷移金属イオン、低分子ポリフェノール、α−グルカン、β−グルカン、及びベントーザンからなる群から選択されるものを挙げることができる。該泡持ち向上成分としてのタンパク質としては、例えば、大豆ペプチド、大豆タンパク、エンドウ豆タンパク、大麦タンパク、コーンタンパク分解物、オクテニルコハク酸タンパク等を挙げることができる。
【0034】
本発明の発泡性飲料のディスペンス方法の対象となる穀類分解物含有発泡性飲料の具体例を挙げれば、好ましくは麦芽分解物含有発泡性飲料であるが、より好ましくはビール系飲料を挙げることができる。ビール系飲料とは、通常、ビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを有する飲料をいい、例えば、ビール、発泡酒、リキュール等の発酵麦芽飲料や、その他の醸造酒、若しくは完全無アルコール麦芽飲料(非アルコール麦芽飲料)等の非発酵麦芽飲料が挙げられる。アルコールが含有する飲料を凍結させた場合には、アルコールが含有しない飲料を凍結させた場合に比べて、柔らかいことから、その後の加工の観点からは、アルコールを含む飲料が好ましい。また、ビール系飲料である限り、麦芽飲料に限定されるものではなく、麦や麦芽を使用しない非麦飲料の形態であってもよい。ビール系飲料の特に好ましい態様としては、ビール、発泡酒、又は、その他の醸造酒からなる発酵アルコール飲料、或いは、非アルコール麦芽飲料を挙げることができる。
【0035】
「非麦飲料」としては、エンドウ豆や、大豆や、とうもろこしを用いた、ビール風の発泡性飲料を挙げることができるが、該「非麦飲料」としては、アルコール含量が0重量%である完全無アルコール飲料のような非発酵飲料や、アルコールを含有するアルコール含有飲料が挙げられる。泡沫形成の観点からは、アルコールを含む態様が好ましい。このアルコール含有非麦飲料としては、発酵して得られた発酵飲料とアルコールが添加された飲料が挙げられる。非麦飲料としては、また、発酵して得られた発酵飲料からアルコール、その他の低沸点成分や低分子成分を除去して得られた非アルコール発酵飲料が挙げられる。
【0036】
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法により、爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供するには、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料のディスペンス手段と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理、及び、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製し、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に泡沫成分として供給する泡沫ディスペンス手段により行うことができる。
【0037】
該泡沫ディスペンス手段により、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に泡沫成分として供給する方法は、次のようにして実施することができる。すなわち、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液は、冷却シリンダ及びスクリュー式攪拌羽根のような攪拌羽根を備えた、冷却及び攪拌手段により冷却及び攪拌される。該冷却及び攪拌処理により、穀類分解物含有発泡性飲料液の水分が凍結する。水分が凍結すると、結果的にエキス分が濃縮され、粘度が上昇し、エキス凍結微粒を含むスラリーが形成される。
【0038】
更に、冷却及び攪拌を続けると、周囲の空気(外気)を巻き込み始め、それに起因する体積膨張が始まる。この場合、飲料液より熱伝導率が小さい空気(外気)を巻き込むため、温度の低下は緩やかになり、空気(外気)を巻き込み始めた時点では、温度低下傾向の変曲点が現れる。更に、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理を続けると、周囲の空気(外気)を飽和状態まで巻き込んだ穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)が形成される。該発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)は、飲料液の水分が凍結した微粒子と、飲料液のエキスが凍結した微粒子と、巻き込まれた空気(外気)の微粒子を含むものであり、穀類分解物含有発泡性飲料の飲用時に、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成する。該穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の泡沫(フローズン泡)は、別途、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料のディスペンス手段により、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給される。
【0039】
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理することにより、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成する工程と、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する工程とは、継続的に行うことが好ましい。この二つの工程の実施時間は、攪拌温度や、攪拌条件などにより異なるが、例えば、冷却シリンダ及びスクリュー式攪拌羽根のような攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーに、5℃の穀類分解物含有発泡性飲料(例えば、ビール)を3L投入し、冷媒温度を−15〜−12℃、外気温度を22℃、攪拌速度を30rpmの条件で、攪拌及び冷却処理した場合、二つの工程の攪拌及び冷却処理時間は、25分以上が好ましく、より好ましくは40分以上、さらに好ましくは70分以上である。この場合、投入した飲料は攪拌され、また冷媒により冷却され、その温度が徐々に低下することによりエキス凍結微粒を含むスラリーが形成され、さらに該スラリーを冷却しつつ、攪拌を継続し、外気ガスを巻込むことにより該凍結発泡体を製造することができる。
【0040】
本発明の泡沫ディスペンス手段により、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を形成する処理において、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体微粒子を調製する手段は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度、温度、体積膨張率、又は、明度により制御することができる。
【0041】
穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段を、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度により制御する場合は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度が、0.4〜30pa・sに調整され、より好ましくは0.7〜30pa・sに調整され、更に好ましくは1.5〜25pa・sに調整され、より一層好ましくは1.5〜9pa・sに調整され、更に一層好ましくは2〜9pa・sに調整され、更により一層好ましくは2〜3pa・s調整される。調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度を0.4〜30pa・sに調整することにより、該凍結発泡体の泡持ちが持続し、爽快な食感を有し、泡沫注出口などの注出口から滑らかに該凍結発泡体を注出することができる。
【0042】
穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段を、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度により制御する場合は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度が、−15〜−1.8℃に調整され、より好ましくは−8〜−2.5℃に調整され、更に好ましくは−8〜−3.5℃に調整され、より一層好ましくは−7〜−4℃に調整され、更に一層好ましくは−4.5〜−3.5℃に調整される。調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度を−15〜−1.8℃に調整することにより、該凍結発泡体の泡持ちが持続し、爽快な食感を有し、泡沫注出口などの注出口から滑らかに該凍結発泡体を注出することができる。
【0043】
穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段を、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率により制御する場合は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が、1.3〜3.5に調整され、より好ましくは1.5〜3.5に調整され、更に好ましくは2〜3.5に調整され、より一層好ましくは2〜3に調整され、更により一層好ましくは2〜2.5に調整される。調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率を1.3〜3.5に調整することにより、該凍結発泡体の泡持ちが持続し、爽快な食感を有し、泡沫注出口などの注出口から滑らかに該凍結発泡体を注出することができる。
【0044】
穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段を、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度により制御する場合は、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度が、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差ΔLが、8〜45に調整され、より好ましくは30〜45に調整され、更に好ましくは40〜45に調整され、より一層好ましくは41〜44に調整される。該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差ΔLを8〜45に調整することにより、該凍結発泡体の泡持ちが持続し、爽快な食感を有し、泡沫注出口などの注出口から滑らかに該凍結発泡体を注出することができる。
【0045】
本発明のより好ましい態様によれば、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の上記粘度、温度、体積膨張率、および明度差(ΔL)の物性を適宜組み合わせて規定することができるが、例えば、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度が、2〜3pa・sであり、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が2〜2.5である凍結発泡体を挙げることができる。本発明のより好ましい別の態様によれば、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度が2〜3pa・sであり、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度が−4.5〜−3.5℃であり、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が2〜2.5であり、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が41〜44である凍結発泡体を挙げることができる。
【0046】
本発明の泡沫ディスペンス手段により、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を形成する処理において、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理は、外気として、大気又は該大気の一部或いは全部を窒素ガスで置換した外気を用いることができる。該窒素含有割合は、外気において、1〜100%の割合で用いることができるが、好ましくは70〜100%の割合で用いる。外気に、窒素を含有させることにより、形成される穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫の泡持ちをより向上することができる。
【0047】
本発明のより好ましい別の態様によれば、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製の際に用いられる外気ガスは、二酸化炭素を含んでいてもよいが、外気ガス中の二酸化炭素含有割合を、100%未満とすることが好ましく、90%未満とすることがより好ましい。外気ガス中の二酸化炭素含有割合を100%未満、好ましくは90%未満とすることにより、形成される穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫の泡持ちをより向上させることができる。
【0048】
本発明の泡沫ディスペンス手段により、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を形成する処理の実施の態様について例示すると:攪拌羽根を備えた泡沫(フローズン泡)ディスペンス装置により、穀類分解物含有発泡性飲料を凍結発泡体とする工程が行われる。例えば、泡沫ディスペンス装置は、冷却ユニットと加圧タンクとを備えた穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の泡沫(フローズン泡)のディスペンス装置であって、冷却及び攪拌チャンバーには、冷却ユニットと組み合わせた冷却シリンダが内蔵され、冷却シリンダには円筒状のエバポレータと、エバポレータに配置したスクリュー式攪拌羽根が設置されている。冷却シリンダのエバポレータの表面で凍結する工程と、凍結した穀類分解物含有発泡性飲料をスクリュー式攪拌羽根で削ぎ落す工程により、穀類分解物含有発泡性飲料の冷却及び攪拌が行われ、まず、エキス凍結微粒を含むスラリーが形成される。該スラリーを更に冷却及び攪拌すると、該スラリーの粘度の上昇が起こり、外気ガスの巻き込みが起こる。該冷却及び攪拌及び外気ガスの巻き込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)のクリーミーな泡沫が形成される。該冷却及び攪拌及び外気ガスの巻き込み処理においては、その処理の全てにおいて、好ましくは、窒素含有割合が1〜100%の気体中、好ましくは70〜100%の気体中で行うことが好ましい。窒素含有割合が70〜100%の気体中で行う好ましい態様として、例えば、大気と同一組成(大気)または大気に近い組成(大気と同一組成とは、窒素が約76〜80%、酸素が約19〜23%、その他アルゴン、二酸化炭素など)中で行うこともでき、より好ましくは大気および/または窒素により0.01〜0.5MPa、さらに好ましくは0.01〜0.1MPa、中でも0.02〜0.07MPaで加圧して行うことが好ましい。ここで、大気に近い組成とは、気体中の窒素含有割合が、例えば70〜99%(酸素含有割合が約1〜29%)、好ましくは70〜95%(酸素含有割合が約4〜29%)、より好ましくは70〜85%(酸素含有割合が約14〜29%)、さらに好ましくは70〜80%(酸素含有割合が約19〜29%)、より一層好ましくは70〜75%(酸素含有割合が約24〜29%)であり、少なくとも窒素と酸素が含まれた組成である。本発明のディスペンス方法を、大気と同一組成中で行うことにより、窒素ガスを供給するための窒素ガスボンベ等が不要であり、コストも大幅に削減できることから有利である。
【0049】
本発明の実施の態様において、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料のディスペンス手段と、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に泡沫成分として供給する泡沫ディスペンス手段とにおいて、穀類分解物含有発泡性飲料は、同じ穀類分解物含有発泡性飲料を用いることができるが、容器に注出する冷却飲料のディスペンス手段と、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に泡沫成分として供給する泡沫ディスペンス手段とにおいて、異なる穀類分解物含有発泡性飲料を用いることもできる。
【0050】
[穀類分解物含有発泡性飲料ディスペンサー]
【0051】
本発明は、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料を、冷却手段によって冷却し、容器に注出する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーにおいて、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料ディスペンス装置と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理し、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成する手段、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段、該スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段、及び、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給する手段を設けた泡沫ディスペンス装置とを設けた雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーからなる。
【0052】
本発明のディスペンサー(ディスペンス装置)を、図6に示す本願発明の概略図で説明すると、図6に示されるように、本発明のディスペンサーは、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料ディスペンス装置(A)と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理及び冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)を調製し、該凍結発泡体を容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給する泡沫ディスペンス装置(B)から構成される。
【0053】
冷却飲料ディスペンス装置(A)は、例えば、冷却コイルのような冷却手段を備えた冷却器7を装備し、該装置は、例えば、ビール樽1のような発泡性飲料搬送容器から導出した発泡性飲料を、冷却器7で冷却し、容器注出口へ送るビールディスペンサー冷却槽9のような冷却槽を装備し、該冷却槽で冷却した発泡性飲料を、ビールディスペンサー冷却ビール注出口25のような注出口から、ジョッキa12のような容器に注出する。該発泡性飲料の注出は、ビールディスペンサー冷却ビール注出レバー26のようなレバーによって操作される。
【0054】
泡沫ディスペンス装置(B)は、冷却シリンダ27及びスクリュー式攪拌羽15のような攪拌羽根からなる冷却及び攪拌チャンバー14を装備した泡沫ディスペンス装置冷却槽のような冷却槽を設置し、該装置は、ビール樽1のような発泡性飲料搬送容器から導出した発泡性飲料を、冷却及び攪拌チャンバー14で、冷却及び攪拌処理及び冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)を形成し、該凍結発泡体の泡沫を泡沫ディスペンス装置泡沫注出口28のような注出口から、冷却飲料ディスペンス装置(A)で容器に注出された発泡性飲料を収容したジョッキb13のような容器に泡沫成分として供給する。該凍結発泡体の泡沫の注出は、泡沫ディスペンス装置泡沫注出レバー29のようなレバーによって操作される。
【0055】
泡沫ディスペンス装置(B)においては、冷却及び攪拌チャンバー14に、窒素ガスボンベ23に連通する手段を設け、該チャンバー14の外気の一部或いは全部を窒素ガスで置換した外気とすることができる。また、冷却及び攪拌チャンバー14には、粘度確認冷却センサ21のようなスラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段を設け、発泡性飲料の冷却及び攪拌チャンバー14における、冷却及び攪拌処理及び冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体(フローズン泡)の形成を制御することができる。冷却及び攪拌チャンバー14には、該チャンバー14の外気を加圧するための加圧手段(図示せず)を設けることができる。
【0056】
本発明の穀類分解物含有発泡性飲料ディスペンサーは、以上のような構成を有し、冷却飲料ディスペンス装置(A)から、冷却された穀類分解物含有発泡性飲料を、容器に注出し、該容器に収容された冷却された発泡性飲料に、泡沫ディスペンス装置(B)から、該装置で調製された凍結発泡体(フローズン泡)の泡沫を注出して、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供することができる。本発明のディスペンサーにおいては、冷却飲料ディスペンス装置(A)と、泡沫ディスペンス装置(B)とで、導出する発泡性飲料搬送容器を同一のものとして、容器に注出された冷却された穀類分解物含有発泡性飲料と凍結発泡体(フローズン泡)の泡沫とを同じ発泡性飲料から調製することができ、冷却飲料ディスペンス装置(A)と、泡沫ディスペンス装置(B)とで、導出する発泡性飲料搬送容器を別個のものとして、容器に注出された冷却された穀類分解物含有発泡性飲料と凍結発泡体(フローズン泡)の泡沫とを、別種の発泡性飲料で調製することができる。
【0057】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例】
【0058】
[実施例1]
【0059】
[泡持ち時間の評価試験1]
300mLのグラスにビール、非アルコール麦芽飲料、その他の醸造酒(コーンタンパクを含む、CP)、及び酎ハイのサンプルを220mL注ぎ、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。また、300mLのグラスにビール、非アルコール麦芽飲料、その他の醸造酒(コーンタンパクを含む、CP)、および酎ハイのサンプルを220mL注ぎ、その上から図6に示された泡沫ディスペンス装置(エア加圧なし)を用いて各サンプルを凍結発泡させ、凍結発泡体としたもの40gを、該凍結発泡体と同じ由来の飲料に入れ、攪拌して、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。結果を図1に示す。
【0060】
[泡持ち時間の評価試験2]
300mLのグラスに−1℃のビールを220mL注ぎ、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。また、300mLのグラスに−1℃のビールを220mL注ぎ、その上から、同じビールを凍結させ、細かく砕いたもの40gを入れ、攪拌後、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した(CF)。更に、300mLのグラスに−1℃のビールを220mL注ぎ、その上から、図6に示された泡沫ディスペンス装置(エア加圧なし)を用いて同じビールを凍結発泡させ、凍結発泡体としたもの40gを入れ、攪拌後、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した(F)。結果を図2に示す。
【0061】
[凍結発泡体製造条件探索試験]
泡沫ディスペンス装置内のタンク中のガスの条件が異なることにより、泡高さが異なるかを確認した。具体的には以下の5つの条件の違いにより、泡高さが異なるかを確認した。以下の5つの条件により作成した泡の泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。その結果を図3に示す。
【0062】
1.図6に示された泡沫ディスペンス装置内のタンクに、エアで0.05MPaの圧力にてガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、凍結発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した凍結発泡体40gを入れ、攪拌した(凍結発泡体(エア加圧))。
【0063】
2.図6に示された泡沫ディスペンス装置内のタンクに、エアで加圧せずにガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、凍結発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した凍結発泡体40gを入れ、攪拌した(凍結発泡体(エア加圧なし))。
【0064】
3.図6に示された泡沫ディスペンス装置内のタンクに、エアで0.05MPaの圧力にてCOガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、凍結発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した凍結発泡体40gを入れ、攪拌した(凍結発泡体(CO2加圧))。
【0065】
4.図6に示された泡沫ディスペンス装置内のタンクに、エアで0.05MPaの圧力にてNガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、凍結発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した凍結発泡体40gを入れ、攪拌した(凍結発泡体(N2加圧))。
【0066】
5.300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、満量まで泡を注いだ(ビール)。
【0067】
[実施例2]
【0068】
[冷却及び攪拌と凍結発泡体(泡沫)の物性変化]
【0069】
<試験方法>
発泡性飲料の冷却及び攪拌と凍結発泡体の生成及び物性変化について試験した。発泡性飲料として、市販ビールを用い、冷却器に初期ビール投入量として、温度5℃のビール3Lを投入した。外気温度は26.0℃、冷却器の冷媒温度−15〜−12℃、攪拌速度30rpmで冷却及び攪拌した。凍結発泡体の作製に際しての外気は、大気で行った。物性変化の測定において、「粘度」の測定には、粘度計(単一円筒形回転粘度計:東機産業((株):型番TVB10M:スピンドルM4×30rpm)、「明度差」の測定には、色差計(コニカミノルタ(社):型番CR400)を用いた。
【0070】
<結果>
測定結果を表1に示す。下記表1中、冷却および撹拌時間が25分辺りから凍結発泡体の体積膨張率が増加し始め、冷却および撹拌により飲料外部の外気をエキス凍結微粒間に巻き込み始めていることがわかる。
【0071】
【表1】

【0072】
[実施例3]
【0073】
[凍結ビール泡の泡持ち試験]
【0074】
<試験方法>
ビール泡を凍結して調整した凍結泡沫と、ビールを冷却及び攪拌及び外気ガスを巻き込み処理を行うことにより形成した凍結泡沫(凍結発泡体の泡沫)との泡持ちを調べるために試験を行った。「ビール泡の凍結」試料は、ステンレスジョッキの中央部に、半分に切ったアルミ缶を入れ、該アルミ缶にビールを泡立たせ、その周囲に液体窒素を入れ、ビール泡を凍結させることにより調製した。「ビールの冷却及び攪拌及び外気ガス巻き込み処理により形成した凍結泡沫(凍結微粒子の泡沫)」試料は、図6に示す本発明の装置を用いて調製した。
【0075】
<結果>
結果を図5(写真)に示す。図5−1、5−2は、ビール泡を凍結した試料の写真を示し、図5−3は、ビールの冷却及び攪拌及び外気ガス巻き込み処理により形成した凍結泡沫(凍結発泡体の泡沫)試料の写真を示す。ビール泡を凍結した試料のものは、シャーベット状のものとなり、できた凍結品は泡持ちの持続効果はない。一方、ビールの冷却及び攪拌及び外気ガス巻き込み処理により形成した凍結泡沫試料(凍結発泡体の泡沫)は、雪状の泡沫となり、該凍結品は持続する泡持ちを有していた。
【0076】
[実施例4]
【0077】
[凍結発泡体の官能試験]
300mLのグラスにビールを注ぎ、図6に示された泡沫ディスペンス装置(エア加圧なし)を用いて該ビールから調製した凍結発泡体又は該ビールを凍らせて粗く砕
いた氷を加えて、そのそれぞれについて12名のパネラーにより官能評価を行った。
【0078】
凍結発泡体を加えたビールと比較して、ビールを凍らせて粗く砕いた氷を加えたビールでは、泡の消失速度が速く、その泡も粗く、ビール自体が冷えすぎて、冷たすぎるとの評価となり、クリーミーな食感の、泡持ちの良いビールは得られなかった。一方、本発明の方法で調製した凍結発泡体(フローズン泡)の泡沫を加えたビールは、雪のような爽快な食感であるとの評価をえた。また、クリーミーな泡を有し、しかも泡持ちが格段に向上しており、新食感の泡が形成されたビールであるとの官能評価結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、ビール、発泡酒、又は、その他の雑酒からなる発酵アルコール飲料や、非アルコール麦芽飲料のような穀類分解物含有発泡性飲料において、その飲用に際して、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供する。また、本発明は、かかる爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの嗜好性の高い新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料を提供する発泡性飲料のディスペンス方法、及びディスペンサーを提供する。
【符号の説明】
【0080】
A.冷却飲料ディスペンス装置
B.泡沫ディスペンス装置
1.ビール樽
2.炭酸ガスボンベ
3.炭酸ガス供給ライン
4.ディスペンスヘッド
5.ビール供給ライン
6.3方弁1
7.冷却器
8.3方弁2
9.ビールディスペンサー冷却槽
10.泡沫ディスペンス装置冷却槽
11.飲料通路
12.ジョッキa
13.ジョッキb
14.冷却及び攪拌チャンバー
15.スクリュー式攪拌羽根
16.冷却ユニット
17.ベントステージ1
18.ベントステージ2
19.制御ボックス
20.タッチパネル
21.凍結微粒子の調製検知手段(粘度確認冷却制御センサ)
22.投入量制御センサ
23.窒素ガスボンベ
24.窒素供給ライン
25.ビールディスペンサー冷却ビール注出口
26.ビールディスペンサー冷却ビール注出レバー
27.冷却シリンダ
28.泡沫ディスペンス装置泡沫注出口
29.泡沫ディスペンス装置泡沫注出レバー
30.コンプレッサー
31.細穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀類分解物含有発泡性飲料を冷却し、容器に注出して提供する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法において、穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理することにより、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製し、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給することを特徴とする、雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項2】
穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理によりエキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理を、冷却シリンダ及び攪拌羽根を備えた、冷却及び攪拌手段により行うことを特徴とする請求項1に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項3】
穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理が、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度、温度、体積膨張率、又は、明度により制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項4】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度が、0.4〜30pa・sに調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項5】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度が、1.5〜9pa・sに調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項6】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度が、−15〜−1.8℃に調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項7】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の温度が、−8〜−2.5℃に調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項8】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が、1.3〜3.5に調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項9】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の体積膨張率が、2〜3.5に調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項10】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度が、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差ΔLが、8〜45に調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項11】
調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度が、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の明度と、凍結発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差ΔLが、30〜45に調整されることを特徴とする請求項3に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項12】
穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理により形成された、エキス凍結微粒を含むスラリーを、冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理により、エキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する処理において、外気として、大気又は該大気の一部或いは全部を窒素ガスで置換した外気を用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項13】
穀類分解物含有発泡性飲料が、ビール、発泡酒、又は、その他の醸造酒からなる発酵アルコール飲料、或いは、非アルコール麦芽飲料からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンス方法。
【請求項14】
穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料を、冷却手段によって冷却し、容器に注出する穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサーにおいて、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却し、容器に注出する冷却飲料ディスペンス装置と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌処理し、エキス凍結微粒を含むスラリーを形成する手段、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段、該スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段、及び、該調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を、容器に注出された穀類分解物含有発泡性飲料に、泡沫成分として供給する手段を設けた泡沫ディスペンス装置とを設けたことを特徴とする雪のような爽快な食感とクリーミーで、持続する泡持ちの新食感の泡を形成した穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。
【請求項15】
泡沫ディスペンス装置における、穀類分解物含有発泡性飲料液の冷却及び攪拌処理によりエキス凍結微粒を含むスラリーを形成し、該スラリーを冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によりエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体を調製する手段が、冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーからなることを特徴とする請求項14に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。
【請求項16】
冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーの攪拌羽根が、スクリュー式攪拌羽根からなることを特徴とする請求項15に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。
【請求項17】
冷却シリンダ及び攪拌羽根を装備した冷却及び攪拌チャンバーに、窒素ガスボンベに連通する窒素ガス吹込み手段を設けたことを特徴とする請求項15に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。
【請求項18】
スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の調製を検知する検知手段が、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度、温度、体積膨張率、又は、明度を検知する検知手段であることを特徴とする請求項14に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。
【請求項19】
スラリーの冷却及び攪拌及び外気ガス巻込み処理によるエキス凍結微粒と微細気泡とを含有する穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度を検知する検知手段が、穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体の粘度を検出するための粘度検出センサーからなることを特徴とする請求項18に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。
【請求項20】
泡沫ディスペンス装置における、調製された穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を、容器に注出する注出ノズルの注出口を断面複数の細穴開口形状としたことを特徴とする請求項14に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。
【請求項21】
穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料を、冷却手段によって冷却し、容器に注出する穀類分解物含有発泡性飲料の冷却飲料ディスペンス装置と、穀類分解物含有発泡性飲料搬送容器から導出した穀類分解物含有発泡性飲料液を冷却及び攪拌、外気ガス巻込み処理によって穀類分解物含有発泡性飲料の凍結発泡体からなる泡沫を容器に注出する泡沫ディスペンス装置において、穀類分解物含有発泡性飲料を、同一の搬送容器から導出するか、或いは、それぞれ別個に設けた搬送容器から導出することを特徴とする請求項14に記載の穀類分解物含有発泡性飲料のディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−14382(P2013−14382A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−130146(P2012−130146)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】