説明

片手で操作可能なポンプ容器

【課題】軽い力で容易に操作することができ、衛生上の問題も何ら生じない片手で操作可能なポンプ容器を提供する。
【解決手段】容器2の口部20にポンプ装置3を装着し、口部より上方に延びるポンプ装置のステム頭部31に、横方向へ延びるノズル4を連設し、ノズル先端から容器内の内容物を吐出するものであり、口部よりノズルの延出方向と反対の背面側に向けて斜め上方に支持部材5を突設し、支持部材の上端部5aに、ステム又はノズル基端側部位41に途中部61が係止され且つノズル先端の吐出口40の下方に先端部60が位置される操作レバー6を枢支して構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片手で容易に操作できるポンプ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のポンプ容器としては、ポンプの頭部またはポンプの首部にこれらと連動する手押し板を設け、手押し板をポンプノズルより下に設けた片手で使える手押しポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、液体を収納する容器の口筒に組み付けられ、下部をピストン構造にしたステムを上下動することにより容器内の液体を前記ステムのノズルから注出させる液体注出装置にあって、ステムの上端を側方に屈曲すると共に、該ステムの上端に押圧板を乗載設置し、更に前記ステムの先端に、上方に反転湾曲・屈曲して先端ノズルが前記押圧板のほぼ中心方向に指向開口する導出管を組み付けたことを特徴とする液体収納容器の液体注出装置も提案されている(例えば、特許文献2乃至5参照。)。これらのポンプ容器はいずれもステム先端の押圧板を手の甲で押下するものであるが、手の甲は掌と違って力を入れにくいと同時に痛みも感じ易く、とくに内容物の粘度が高くなると相当な力が必要となり、痛みを感じる可能性がある。また、慣れない手の甲で強い力を加えると、力の加えすぎ等により滑り易い浴室等では容器を頻繁に倒してしまうことが予想される。
【0003】
一方、同じく片手で操作可能なポンプであって、梃の原理を利用したものとして、ノズルから吐出される内容物を受取ることのできる位置に操作者の手がある状態において操作可能な位置に設けられた操作部と、該押圧操作による押圧力により前記押し下げ部を押し下げる作用部と、動作中心である支軸部を有する支点部とからなる操作レバーと、該キャップに配設される固定部と、該操作レバーの該支点部を支持する支持部とからなる固定支持部とを設け、該キャップと該固定部とを一体化したことを特徴とするディスペンサーも提案されている(例えば、特許文献6参照。)。しかし、これはノズル付近を親指一本で押下する構造であり、梃の原理を用いているものの親指には相当な負担がかかり、とくに内容物の粘度が高い場合には操作の困難性が予想される。また、ノズル先端が掌に接触しやすく、ノズルの汚れや詰まりなどの可能性があり、衛生上の問題が生じる可能性がある。さらに、このような構造では、親指以外の掌の角度を自分で調節し、上手く内容物を受けなければならないが、慣れないと操作が難しく、内容物を床に落としてしまうことが多分に予想される
【0004】
また、同じく梃の原理を利用したものとして、ポンプの取付けキャップに組み付く組付片と、組付片から上方に延びる支持柱と、支持柱の上部に回動自在に取り付けられ、前記ポンプの頭部の上方を越えて延びる操作腕と、操作腕から頭部上面に向けられた押下棒と、吐出口に嵌合して操作腕の先端部に開口する連結管とからなり、操作腕の先端部を引き下げると押下棒が頭部を押し下げ前記連結管の開口より内容液が注出される操作機構を備えたポンプ付き容器も提案されている(例えば、特許文献7参照。)。これは上記特許文献6のように親指一本で操作するものとは異なり、逆に親指以外の4本の指で引き下げるように操作するものであり、内容物の粘度が高い場合など、操作性の向上が期待できるが、掌を上にしつつ中指と薬指の間にノズルが位置するように上手く操作腕の先端部を握るとともに、下方に間違いなく引き下げる必要があり、慣れないうちは操作が難しく、操作腕を手前に引いてしまうなどして容器を倒しかねない。また、上記特許文献6の場合と同じく、掌にノズル先端が接触しやすく、同様の衛生上の問題が生じる可能性がある。
【0005】
【特許文献1】特開平8−100762号公報
【特許文献2】特開2002−249186号公報
【特許文献3】特開平7−251855号公報
【特許文献4】特開2001−39447号公報
【特許文献5】特開平11−171230号公報
【特許文献6】特開2000−335618号公報
【特許文献7】特開2005−313124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、軽い力で容易に操作することができ、衛生上の問題も何ら生じない片手で操作可能なポンプ容器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、容器口部にポンプ装置を装着し、該ポンプ装置のステム頭部に、横方向へ延びるノズルを連設し、該ノズル先端から容器内の内容物を吐出してなるポンプ容器であって、前記口部より前記ノズルの延出方向と反対の背面側に向けて斜め上方に支持部材を突設し、該支持部材の上端部に、前記ステム又はノズル基端側部位に途中部が係止され且つ前記ノズル先端の吐出口の下方に先端部が位置される操作レバーを枢支し、該操作レバーの先端部を下方に押圧操作する操作者の手の上に向けて、前記先端部に加えられる力が前記途中部を介してポンプ装置のステムに作用することにより前記ノズルより内容物を供給してなることを特徴とする片手で操作可能なポンプ容器を構成した。
【0008】
ここで、前記ノズルが、前記ステム頭部から略くの字状に屈曲して横方向に延びているものが好ましい。
【0009】
また、前記操作レバーの途中部に前記ステム又はノズル基端側部位が挿通される開口溝を形成するとともに、前記ステム又はノズル基端側部位に、前記開口溝の縁部に下方から当接する突起を設け、該突起を介して前記ステム又はノズル基端側部位と操作レバー途中部とを係止してなるものが好ましい。
【0010】
とくに、前記突起を互いに反対の位置に一対設け、前記開口溝の互いに対向する縁部にそれぞれ当接してなるものが好ましい。
【0011】
さらに、前記開口溝を操作レバーの長手方向に長い長孔とし、前記突起が当接する縁部からなる巾狭部、および前記突起を挿通できる巾広部を設けてなるものが好ましい。
【0012】
前記ステム又はノズル基端側部位における前記操作レバーの開口溝の縁部に対応する部位に平坦部を形成してなるものが好ましい。
【0013】
また、前記ステム又はノズル基端側部位に、前記開口溝の縁部に上方から当接する第2の突起を設けてなるものが好ましい。
【0014】
また、前記操作レバーの先端部を、長手方向に沿って下が凸となる緩やかな湾曲形状に構成したものが好ましい。
【0015】
また、前記操作レバーの途中部を、長手方向に沿って上が凸となる緩やかな湾曲形状に構成してなるものが好ましい。
【0016】
また、前記支持部材を、前記容器口部のキャップと一体化されるキャップ部と、該キャップ部から斜め上方に延出した支持腕とよりなるものが好ましい。
【0017】
また本発明は、容器口部にポンプ装置を装着し、該ポンプ装置のステム頭部に、上方向へ延びるノズルを連設し、該ノズル先端から容器内の内容物を吐出してなるポンプ容器であって、前記ノズルの基端側にフランジ部を設け、前記ノズルのフランジ部より上方の所定長さの領域を把持部として構成するとともに、前記ノズルの先端に吐出部を設け、前記把持部を握ってノズル全体を下方に押下操作する操作者の手の親指及び人差し指の上に、前記ノズル先端の吐出部より内容物を供給してなることを特徴とする片手で操作可能なポンプ容器をも構成した。
【0018】
ここで、前記吐出部が、ノズル先端において一旦内容物を側方に導出した後、周囲の壁に沿って上方の開口に導いて吐出する縦断面視略L字状の吐出路を設けてなるものが好ましい。
【0019】
特に、前記ノズル先端において内容物を側方に導出する導出口を全周にわたり等間隔に複数形成してなるものが好ましい。
【0020】
また、前記把持部の外周面が、ノズル先端に向けて縮径した段差を有してなるものが好ましい。
【0021】
さらに、前記ポンプ装置が、内容物の液体に気体を混合して泡状に吐出するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、口部よりノズルの延出方向と反対の背面側に向けて斜め上方に支持部材を突設し、該支持部材の上端部に、ステム又はノズル基端側部位に途中部が係止され且つノズル先端の吐出口の下方に先端部が位置される操作レバーを枢支し、該操作レバーの先端部を下方に押圧操作する操作者の手の上に向けて、前記先端部に加えられる力が前記途中部を介してポンプ装置のステムに作用することにより前記ノズルより内容物を供給するので、梃の原理により手の甲により軽い力で操作レバーを押し下げることができ、その掌に対してノズル先端の吐出口から確実に内容物を供給することができ、操作方法は簡単明瞭であり、初めての操作者も内容物を床に落としたりする虞がなく、内容物の粘度が高い場合であっても手の甲に痛みを感じることなく、過剰な力を加える必要もなく、滑りやすい浴室内においても容器を倒してしまうといった虞もない。
【0023】
また、容器口部にポンプ装置を装着し、該ポンプ装置のステム頭部に、上方向へ延びるノズルを連設し、該ノズル先端から容器内の内容物を吐出してなるポンプ容器であって、前記ノズルの基端側にフランジ部を設け、前記ノズルのフランジ部より上方の所定長さの領域を把持部として構成するとともに、前記ノズルの先端に吐出部を設け、前記把持部を握ってノズル全体を下方に押下操作する操作者の手の親指及び人差し指の上に、前記ノズル先端の吐出部より内容物を供給してなることを特徴とする片手で操作可能なポンプ容器を構成したので、手指の不自由な身障者や力の弱い子供、高齢者であっても、ノズルを握って下方に押し下げるだけの簡単な操作で、内容物を親指及び人差し指の上に供給できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
図1は、第1実施形態に係るポンプ容器の全体構成を示す説明図、図4は第2実施形態に係るポンプ容器の全体構成を示す説明図であり、図1〜3は第1実施形態、図4〜7は第2実施形態を示し、図中符号1A,1Bはポンプ容器、2は容器、3はポンプ装置、4はノズルをそれぞれ示している。
【0026】
先ず、図1〜3に基づき、本発明の第1実施形態について説明する。
【0027】
第1実施形態に係る片手で操作可能なポンプ容器1Aは、図1及び図2に示すように、容器2の口部20にポンプ装置3を装着し、該口部20より上方に延びる前記ポンプ装置3のステム頭部31に、横方向へ延びるノズル4を連設し、該ノズル4先端から容器2内の内容物を吐出するものであり、特に、前記口部20より前記ノズル4の延出方向と反対の背面側に向けて斜め上方に支持部材5を突設し、該支持部材5の上端部5aに、前記ステム又はノズル基端側部位41に途中部61が係止され且つ前記ノズル4先端の吐出口40の下方に先端部60が位置される操作レバー6を枢支して構成されている。
【0028】
そして、このようなポンプ容器1Aは、使用の際、図3に示すように操作レバー6の先端部60を下方に押圧操作する操作者の手の上に向けて、前記先端部60に加えられる力が前記途中部61を介してポンプ装置3のステムに作用することにより前記ノズル4先端より内容物7を供給するものであり、梃子の原理により手の甲で軽く先端部60を押し下げることで当該手の掌に内容物7を容易に受け取ることができ、手の甲に痛みを感じることなく片手で容易に操作可能な容器として構成されている。
【0029】
ポンプ装置3は、従来からのシャンプーボトル等に用いられている公知のポンプ装置を用いることができる。本例では、図示しないが内容物を吸引して吐出させるピストンを内挿したシリンダと、シリンダ内に設けられた逆止弁と、シリンダの吸い込み部に連結される吸込パイプと、ピストンに連結して内容物を前記ノズル4に供給するステムと、これら装置を容器口部20に装着するための取付キャップとを備えている。
【0030】
また、容器2に装填される内容物7としては、当該ポンプ容器の用途に応じて、シャンプーやリンス、ボディソープ、ヘアートリートメント、化粧料、整髪料、薬剤、洗剤など、様々な液体を採用でき、上記ポンプ装置3も、用途に応じて内容物の液体に気体を混合して泡状に吐出するポンプ装置や、液体をそのまま吐出するポンプ装置を構成することができる。
【0031】
ノズル4は、ステム頭部31に連続して、上方向に延びてから略くの字状に屈曲して横方向に延びており、ステムと同様、内部を内容物が流通する筒状部材で構成され、先端部には下向きに吐出口40が形成されている。なお、本例ではノズル4が横方向にやや上向きに延びているが、水平、または下向きであってもよく、吐出口40についても、下向き以外に、ノズル延出方向に沿った横向きに吐出するものでもよい。
【0032】
支持部材5は、前記容器口部20のキャップと一体化されており、ポンプ装置3を口部20に取り付けるためのキャップ部50と、該キャップ部50から斜め上方に延出した支持腕51とより構成されている。このキャップ部50は、より具体的にはポンプ装置3の取付キャップを兼ねる構造としてもよいし、あるいはポンプ装置3の取付キャップに対して取着される別途のキャップ部50として構成してもよい。前記支持腕51の先端に設けた回転軸を介して前記操作レバー6の基端部が回動可能に支持されている。
【0033】
操作レバー6は、その途中部61に前記ノズル基端側部位41を挿通する開口溝63が形成されており、該ノズル基端側部位41の側には、前記開口溝63の縁部63aに下方から当接する突起42が設けられ、該突起42を介して前記ノズル基端側部位41と操作レバー途中部61とが係止されて、互いに一体化されて下方に移動される。この突起42は、具体的には互いに反対の位置に一対設けられ、開口溝63の互いに対向する縁部63a,63aにそれぞれ当接しており、操作レバーの開口溝63から加えられる力をこれら二つの突起42で安定して受け、ノズル基端側部位41およびステムが下方に押し下げられる。
【0034】
なお、前記開口溝63は、操作レバー6の長手方向に長い長孔とされており、前記突起42が当接する縁部63aからなる巾狭部64、および前記突起42を挿通できる巾広部65が設けられ、前記巾広部65を通じてノズル4を容易に脱着することができる。また、ノズル基端側部位41には、前記開口溝の縁部63aに上方から当接する第2の突起43が設けられており、縁部63aは前記突起43と突起42によって上下から挟まれるように構成され、操作レバー6の跳ね上がりを防止し、操作レバー6とノズル4の衝突による破損を回避するとともに、突起42と縁部63aが常に適切な位置関係を保つようにしている。
【0035】
さらに、ノズル基端側部位41の前記操作レバーの縁部63a,63aに対応する部位には、操作レバーの動作時の揺動範囲に合わせて上下所定の領域に平坦部44、44が形成され、操作レバー6がノズル基端側部位41に対してスムーズに揺動できるとともに、該平坦部44と縁部63aとの当接により操作時のノズル4の垂直方向を軸とした回転を規制することができ、ノズル4の吐出口の位置を設定された位置に規制し、吐出される内容物が確実に掌にのるように構成されている。本実施形態ではノズル基端側部位41に突起42等を設けて操作レバー途中部61が係止されるが、ステム頭部31の側に係止するように構成してもよい。
【0036】
操作レバーの途中部61は、長手方向に沿って上が凸となる緩やかな湾曲形状に構成され、同じく操作レバーの先端部60は、長手方向に沿って下が凸となる緩やかな湾曲形状に構成されている。これにより操作者は先端部60の上に手の甲を違和感なく載せることができるとともに、やや上方に延設されているノズル4の吐出口40と操作者の手が載置される先端部60との間には、掌の上に内容物7を確実に受けることができる程度の適当な離間距離が確保される。また、操作レバー6の周縁部には、下方に補強用のリブ66が突設されている。
【0037】
次に、図4〜7に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。
【0038】
第2実施形態に係る片手で操作可能なポンプ容器1Bは、図4及び図5に示すように、容器口部20にポンプ装置3を装着し、該ポンプ装置3のステム頭部31に、上方向へ延びるノズル4を連設し、該ノズル4先端から容器2内の内容物7を吐出してなり、特に、前記ノズル4の基端側にフランジ部81を設け、前記ノズル4のフランジ部81より上方の所定長さの領域を把持部82として構成するとともに、前記ノズル4の先端に吐出部80を設け、前記把持部82を手で握ってノズル4全体を下方に押下操作する操作者の手の親指及び人差し指の上に、前記ノズル4先端の吐出部80より内容物7を供給してなることを特徴とする。
【0039】
前記ポンプ装置3は、従来からのシャンプーボトル等に用いられている公知のポンプ装置を用いることができる。本例では、図5に示すように、内容物を吸引して吐出させるピストンを内挿したシリンダ32と、シリンダ32内に設けられた図示しない逆止弁と、シリンダ32の吸い込み部に連結される吸込パイプ33と、ピストンに連結して内容物を前記ノズル4に供給するステム34と、これら装置を容器口部20に装着するための取付キャップ35とを備えている。
【0040】
また、容器2に装填される内容物7は、上記第1実施形態と同様、当該ポンプ容器の用途に応じて、シャンプーやリンス、ボディソープ、ヘアートリートメント、化粧料、整髪料、薬剤、洗剤など、様々な液体を採用でき、上記ポンプ装置3も、用途に応じて内容物の液体に気体を混合して泡状に吐出するポンプ装置や、液体をそのまま吐出するポンプ装置を構成することができるが、本実施形態では、とくに内容物の液体に気体を混合して泡状に吐出するものが採用され、シリンダ32には外気と液体とを混合する機構が設けられているほか、ステム先端に更に網状の流路を設け、シリンダ32内で形成された泡状の内容物を更に細かい泡状にするための網状部材36が装着されている。
【0041】
ノズル4先端の吐出部80は、図5に示すように、内容物を導出口84から一旦側方に導出した後、周囲の壁に沿って上方の開口に導いて吐出する縦断面視略L字状の吐出路83を設けたものであり、前記導出口84は全周にわたって等間隔に複数形成されている。なお、吐出部80は、例えば前記導出口84を省略して内容物をノズル4の長手方向に沿って直接上方に吐出する吐出口のみ設けたものや、前記上方に導く壁を省略して側方へそのまま吐出するものなど様々な構造を採用できる。但し、L字状にせずに、そのまま真上に向けて吐出路を設けた場合は、泡状の内容物(大抵は粘度の低いシャバシャバの液体)は、真上に勢い良く飛び出し、上手く親指と人指し指に液体がのらない可能性があると同時に、保管時などの時に埃等が容易にノズル内部に侵入する可能性がある。また、L字状にせずに真横に向けて吐出路を設けた場合、泡状の内容物は真横に勢い良く飛び出し、親指と人指し指の範囲内で液体が受け止められない可能性がある。よって、本実施形態のような上記縦断面視略L字状の吐出路83を設け、これらの飛び出しを防止するものがより好ましい実施例である。
【0042】
フランジ部81は、把持部82を握った手の小指側がフィットするように基端側に向けて滑らかに拡径する略円錐台形に形成されているが、その他の形状であっても勿論よい。ノズル4の基端側には、前記フランジ部81よりも下方に突出して前記ステム頭部31に連結される筒状の連結部85が設けられ、該連結部85を前記ステム頭部31に外嵌することにより一体化されている。
【0043】
ポンプ装置3の取付キャップ35には、前記ノズル基端側の連結部85を内部に遊嵌する筒状部37が延設されており、また、ノズル4側のフランジ部81の下面側には、前記筒状部37を同じく内部に遊嵌してノズル4の下降を許容する周溝81aが形成されており、力が集中して作用するノズル基端部を安定してスライド案内できるように構成されている。
【0044】
ノズル4の把持部82は、外周面がノズル先端に向けて縮径した段差を有し、その長さは先端の吐出部83が親指と人差し指の位置となり、吐出した内容物がスムーズに前記各指の上に載るように設定されているが、より短く構成したり、より長く構成することも勿論可能である。ノズルの段差は子供が操作する際にフランジ部81の代わりに小指側を支持する段差として機能し、子供は縮径したノズル先端側の部位を握って容易に操作でき、吐出部83は大人の場合と同じく、親指と人差し指の位置となるように構成されている。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施形態に係るポンプ容器を示す正面図。
【図2】同じくポンプ容器の斜視図。
【図3】同じく使用状態を示す斜視図。
【図4】本発明の第2実施形態に係るポンプ容器を示す正面図。
【図5】同じくポンプ容器の縦断面図。
【図6】同じく斜視図。
【図7】同じく使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0047】
1A ポンプ容器
1B ポンプ容器
2 容器
3 ポンプ装置
4 ノズル
5 支持部材
5a 上端部
6 操作レバー
7 内容物
20 口部
31 ステム頭部
32 シリンダ
33 吸込パイプ
34 ステム
35 取付キャップ
36 網状部材
37 筒状部
40 吐出口
41 ノズル基端側部位
42 突起
43 突起
44 平坦部
50 キャップ部
51 支持腕
60 先端部
61 途中部
63 開口溝
63a 縁部
64 巾狭部
65 巾広部
66 リブ
80 吐出部
81 フランジ部
81a 周溝
82 把持部
83 吐出路
84 導出口
85 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口部にポンプ装置を装着し、該ポンプ装置のステム頭部に、横方向へ延びるノズルを連設し、該ノズル先端から容器内の内容物を吐出してなるポンプ容器であって、前記口部より前記ノズルの延出方向と反対の背面側に向けて斜め上方に支持部材を突設し、該支持部材の上端部に、前記ステム又はノズル基端側部位に途中部が係止され且つ前記ノズル先端の吐出口の下方に先端部が位置される操作レバーを枢支し、該操作レバーの先端部を下方に押圧操作する操作者の手の上に向けて、前記先端部に加えられる力が前記途中部を介してポンプ装置のステムに作用することにより前記ノズル先端より内容物を供給してなることを特徴とする片手で操作可能なポンプ容器。
【請求項2】
前記ノズルが、前記ステム頭部から略くの字状に屈曲して横方向に延びている請求項1記載のポンプ容器。
【請求項3】
前記操作レバーの途中部に前記ステム又はノズル基端側部位が挿通される開口溝を形成するとともに、前記ステム又はノズル基端側部位に、前記開口溝の縁部に下方から当接する突起を設け、該突起を介して前記ステム又はノズル基端側部位と操作レバー途中部とを係止してなる請求項1又は2記載のポンプ容器。
【請求項4】
前記突起を互いに反対の位置に一対設け、前記開口溝の互いに対向する縁部にそれぞれ当接してなる請求項3記載のポンプ容器。
【請求項5】
前記開口溝を操作レバーの長手方向に長い長孔とし、前記突起が当接する縁部からなる巾狭部、および前記突起を挿通できる巾広部を設けてなる請求項3又は4記載のポンプ容器。
【請求項6】
前記ステム又はノズル基端側部位における前記操作レバーの開口溝の縁部に対応する部位に平坦部を形成してなる請求項3〜5の何れか1項に記載のポンプ容器。
【請求項7】
前記ステム又はノズル基端側部位に、前記開口溝の縁部に上方から当接する第2の突起を設けてなる請求項3〜6の何れか1項に記載のポンプ容器。
【請求項8】
前記操作レバーの先端部を、長手方向に沿って下が凸となる緩やかな湾曲形状に構成してなる請求項1〜7の何れか1項に記載のポンプ容器。
【請求項9】
前記操作レバーの途中部を、長手方向に沿って上が凸となる緩やかな湾曲形状に構成してなる請求項1〜8の何れか1項に記載のポンプ容器。
【請求項10】
前記支持部材を、前記容器口部のキャップと一体化されるキャップ部と、該キャップ部から斜め上方に延出した支持腕とよりなる請求項1〜9の何れか1項に記載のポンプ容器。
【請求項11】
容器口部にポンプ装置を装着し、該ポンプ装置のステム頭部に、上方向へ延びるノズルを連設し、該ノズル先端から容器内の内容物を吐出してなるポンプ容器であって、前記ノズルの基端側にフランジ部を設け、前記ノズルのフランジ部より上方の所定長さの領域を把持部として構成するとともに、前記ノズルの先端に吐出部を設け、前記把持部を握ってノズル全体を下方に押下操作する操作者の手の親指及び人差し指の上に、前記ノズル先端の吐出部より内容物を供給してなることを特徴とする片手で操作可能なポンプ容器。
【請求項12】
前記吐出部が、ノズル先端において一旦内容物を側方に導出した後、周囲の壁に沿って上方の開口に導いて吐出する縦断面視略L字状の吐出路を設けてなる請求項11記載のポンプ容器。
【請求項13】
前記ノズル先端において内容物を側方に導出する導出口を全周にわたり等間隔に複数形成してなる請求項12記載のポンプ容器。
【請求項14】
前記把持部の外周面が、ノズル先端に向けて縮径した段差を有してなる請求項11〜13の何れか1項に記載のポンプ容器。
【請求項15】
前記ポンプ装置が、内容物の液体に気体を混合して泡状に吐出するものである請求項11〜14の何れか1項に記載のポンプ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−230619(P2008−230619A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68441(P2007−68441)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】