説明

物体検出装置

【課題】複数の超音波物体検出部により障害物検出を行う場合の、検出タイミングのばらつきを抑制する。
【解決手段】バンパ部11の長手方向の全域をカバーするように互いの間隔が略均等に配置された4つの超音波物体検出部CRL,CNL,CNR,CRRを駆動する際、左右何れか一端、例えば、左端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動する。次に右端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動する。つまり、超音波物体検出部CRL,CNL,CRR,CNRの順に駆動する。超音波物体検出部CNLおよびCNRはそれぞれ左端側から駆動した場合および右端側から駆動した場合の最後、つまり2番目に駆動されるため、走行車線の中央部付近の障害物検出は、超音波物体検出部CNLとCNRとにより、定周期で行われることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波の送受信を行って物体検出を行う車両用の物体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のバンパ部周辺を万遍なく検出する方法として、従来から、バンパ後部に複数の超音波物体検出手段を配置し、これら複数の超音波物体検出手段により障害物を検出する障害物検知装置が提案されている。この障害物検知装置としては、例えば複数の超音波物体検出手段を1つおきに選択して2つのグループに分類し超音波物体検出部どうしが干渉しないようにしたものが提案されている。すなわち、障害物の検出時には、超音波の出力および障害物から反射した反射波の受信を行う超音波物体検出手段を一方のグループ内で同時または1つずつ順次切り替えた後に、他方のグループ内で同様に超音波物体検出手段を同時または1つずつ順次切り替えるというものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−298266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の方法にあっては、以下の問題がある。すなわち、各超音波物体検出手段では一定間隔で物体検出を行ってはいる。しかしながら、グループ内で超音波物体検出手段を1つずつ順次切り替えた場合、バンパ中心付近で物体検出を行う複数の超音波物体検出手段の検出タイミングという観点でみると、バンパ中心付近で物体検出を行う複数の超音波物体検出手段の検出タイミングが偏っている。そのため、バンパ中心付近での検出タイミングにばらつきが生じる。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、複数の超音波物体検出手段が干渉することなく、かつ、検出タイミングのばらつきを抑制することの可能な物体検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る物体検出装置では、車両前方あるいは後方で、車幅方向に4つ以上の超音波物体検出部を有し、これら複数の超音波物体検出部を1つずつ切り替えて駆動する。このとき、超音波物体検出部を、列の一端の超音波物体検出部から中央の超音波物体検出部に向かって順に駆動した後、列の他端の超音波物体検出部から中央の超音波物体検出部に向かって順に駆動する。これを繰り返す。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、列の中央部付近の超音波物体検出部を、超音波物体検出部を列の一端から駆動したときの最後および他端から駆動したときの最後に駆動することによって、列の中央部付近の障害物の検出タイミングが偏ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の物体検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】超音波物体検出部の配置位置およびその検出範囲を示す説明図である。
【図3】自車両情報取得部および物体検出部の構成を示すブロック図である。
【図4】障害物検出判断処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】走行路外の物体であるか否かの判断方法を説明する図である。
【図6】第1の実施の形態における超音波物体検出部の駆動順序を示すタイムチャートである。
【図7】従来の超音波物体検出部の駆動順序を示すタイムチャートである。
【図8】第2の実施の形態における超音波物体検出部の配置位置およびその検出範囲を示す説明図である。
【図9】第2の実施の形態における超音波物体検出部の駆動順序を示すタイムチャートである。
【図10】第3の実施の形態における超音波物体検出部の配置位置およびその検出範囲を示す説明図である。
【図11】第3の実施の形態における超音波物体検出部の駆動順序を示すタイムチャートである。
【図12】第4の実施の形態における超音波物体検出部の配置位置およびその検出範囲を示す説明図である。
【図13】第4の実施の形態における超音波物体検出部の駆動順序を示すタイムチャートである。
【図14】第5の実施の形態の動作を説明するための説明図である。
【図15】第6の実施の形態における間接検出手段の検出範囲を示す説明図である。
【図16】第6の実施の形態における障害物検出判断処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】第6の実施の形態における超音波物体検出部の駆動順序を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明の物体検出装置1の概略構成を示すブロック図である。この物体検出装置1は、車両後方の物体を検出する装置である。
図1に示すように、物体検出装置1は、車輪速センサ2と、シフト位置センサ3と、加速度センサ4と、ステア角センサ5と、超音波物体検出装置6と、自車両情報取得部7と、物体検出部8とを備える。
車輪速センサ2、シフト位置センサ3、加速度センサ4およびステア角センサ5のそれぞれは、検出信号を自車両情報取得部7に出力する。
【0009】
超音波物体検出装置6は、図2に示すように、車両後部のバンパ部11の一方の端部から他方の端部に渡って車幅方向に一列に配置された4つの超音波物体検出部61を備えている。具体的には、バンパ部11の左右端部に、超音波物体検出部61としてCRLおよびCRRが配置され、バンパ部11の中央部付近のやや左端寄りに超音波物体検出部61としてCNLが配置され、中央部付近のやや右寄りに超音波物体検出部61としてCNRが配置され、これらはバンパ部11の長手方向の全域をカバーするように互いの間隔が略均等になるように配置されている。
【0010】
図2において、破線12および13を、自車両の走行車線14の左右の走行境界線としたとき、左端の超音波物体検出部CRLは、走行車線左寄りの領域および左側の走行境界線12の外側を含む領域を検出範囲とする。中央部付近左寄りに設けられた超音波物体検出部CNLは走行車線左半分および左側の走行境界線12を含む領域を検出範囲とする。中央部付近右寄りに設けられた超音波物体検出部CNRは走行車線右半分および右側の走行境界線13を含む領域を検出範囲とする。右側の超音波物体検出部CRRは、走行車線右寄りの領域および右側の走行境界線13の外側を含む領域を検出範囲とする。
【0011】
各超音波物体検出部CRL,CNL,CNR,CRRは、物体検出部8によって駆動制御され、物体検出部8から指示されるタイミングで超音波を発生し、その反射波を受信したタイミングで反射波の受信を物体検出部8に通知する。
自車両情報取得部7は、図3に示すように、自車速演算部21と、自車両移動距離演算部22と、シフト位置検出部23と、加減速度検出部24と、ステア角検出部25と、自車両情報出力部26と、を備える。
【0012】
自車速演算部21は、車輪速センサ2から車輪速に応じた車輪速信号を入力しこの車輪速信号に基づいて自車速を演算し、その演算結果を自車両情報出力部26に出力する。
自車両移動距離演算部22は、車輪速センサ2から車輪速に応じた車輪速信号を入力しこの車輪速信号に基づいて自車両の移動距離を演算し、その演算結果を自車両情報出力部26に出力する。
【0013】
シフト位置検出部23は、シフト位置センサ3からシフト位置に応じたシフト位置信号を入力し、このシフト位置検出信号に基づいてシフト位置を特定し、特定したシフト位置を自車両情報出力部26に出力する。
加減速度検出部24は、加速度センサ4から自車両に発生する加速度に応じた加速度信号を入力し、この加速度信号に基づいて加速度を特定し、特定した加速度を自車両情報出力部26に出力する。
【0014】
ステア角検出部25は、ステア角センサ5からステアリングホイールの回転角度に応じたステア角信号を入力し、このステア角信号に基づいて自車両のステアリングホイールの操舵角を演算し、演算結果を自車両情報出力部26に出力する。
自車両情報出力部26は、自車速演算部21、自車両移動距離演算部22、シフト位置検出部23、加減速度検出部24、およびステア角検出部25から各種信号を入力し、これを物体検出部8に出力する。
物体検出部8は、例えばマイクロコンピュータなどで構成される演算処理部8aと情報提示装置8bとで構成される。
【0015】
演算処理部8aは、自車両情報出力部26から各種情報を入力し、これに基づいて障害物検出判断処理を実行し、超音波物体検出装置6を構成する各超音波物体検出部CRL,CNL,CNR,CRRを順次駆動し、その検出信号に基づいて物体の有無を検出する。また、演算処理部8aは、物体を検出したときには情報提示装置8bを制御し、例えば警報を発すること、あるいは、画面表示を行うことなどによりドライバに物体が存在することを通知する。
【0016】
(障害物検出判断処理の具体的な手順)
次に、物体検出部8で実行される障害物検出判断処理の処理手順を、図4のフローチャートを伴って説明する。
物体検出部8では、まずステップS1で、自車両情報出力部26から各種自車両情報を取得する。
次いでステップS2に移行し、例えば、特開平7-6291に示されているように、自車両の挙動情報として獲得した自車速、ヨーレートおよび操舵角を用いて自車両の走行路を推定する。
【0017】
次いで、ステップS3に移行し超音波出力を許可するか否かを判断する。
具体的には、自車両情報出力部26から取得したシフト位置が例えばPレンジの場合には、車両は停止状態を維持すると判断して超音波出力を不許可とする。また、自車両情報出力部26から取得した自車速が所定車速(例えば20km/h)以上の場合には、自車両がある程度の速度で走行しておりドライバに駐車する意思はなく、すなわち、後方物体を検出する必要はないとして超音波出力を非許可とする。同様に、単位時間当たりの自車移動距離がしきい値以上であるとき、また加速度がしきい値以上であるときなどにも、ドライバに駐車する意思はないとして超音波出力を非許可とする。
そして、超音波出力が非許可と判断されたときには、そのまま障害物検出判断処理を終了する。
【0018】
一方、超音波出力が許可されたときには、ステップS3からステップS4に移行し、駆動させる超音波物体検出部を特定する。
この判断は、ステップS2で推定した予測走行路に基づき行う。すなわち、予測走行路が直進路であれば、4つ全ての超音波物体検出部を選択する。一方、右旋回または左旋回の場合には、4つの超音波物体検出部のうち、その検出範囲が、自車両の予測走行路よりもある所定値以上(例えば、80%)外れている超音波物体検出部を特定する。そして、この特定した超音波物体検出部を除いた残りの超音波物体検出部を駆動させるべき超音波物体検出部として特定する。
【0019】
例えば、予め4つの超音波物体検出部の検出範囲のそれぞれについて、検出範囲が、予測走行路よりも所定値以上外れるときの操舵角を検出しておく。そして、操舵角と前進、後進などとに基づき、検出範囲が外れる超音波物体検出部を特定する。
そして、予測走行路に基づき、駆動すべき超音波物体検出部を特定したならばステップS5に移行し、特定した超音波物体検出部を駆動させる。この超音波物体検出部の駆動は、予め設定した超音波物体検出部の駆動順序にしたがって、超音波物体検出部を順次選択し、超音波の送信および受信処理を行わせる。この超音波物体検出部の駆動順序は後述する。
【0020】
次いでステップS6に移行し、いずれかの超音波物体検出部により物体を検出しないとき、すなわち反射波を受信しないときには、ステップS1に戻って再度自車両情報を取得し、自車両の走行路を推定する(ステップS2)。そして、超音波出力が可能な状態であれば、再度自車両の予測走行路に基づき超音波を出力してもよいか否かを判定する(ステップS3)。そして、超音波の発生が許可されたときにはステップS4に移行し、自車両の予測走行路に基づき駆動させる超音波物体検出部を特定し、特定した超音波物体検出部を順次駆動して超音波の送受信を行う(ステップS5)。
【0021】
そして、いずれかの超音波物体検出部で反射波を検出したときには(ステップS6)、超音波物体検出部が超音波を出力してから反射波を受信するまでの時間から、障害物までの距離を演算する(ステップS7)。
次いでステップS8に移行し、1または複数の超音波物体検出部の検出信号から得た障害物までの距離を用いて障害物の位置を推定する。さらに推定した障害物の位置と、ステップS2で推定した自車両の予測走行路とをもとに、ステップS7で得られた障害物が自車両の予測走行路の走行車線内の物体であるか走行車線外の物体であるかを判断する。
【0022】
この判断は、例えば、次の手順で行う。まず超音波物体検出部の検出信号に基づき障害物の位置演算を行う。このとき隣接する超音波物体検出部どうし或いは近傍の超音波物体検出部どうしなど複数の超音波物体検出部で検出されている場合には、複数の超音波物体検出部の検出信号に基づき位置演算を行う。このように複数の超音波物体検出部の検出信号に基づき位置演算を行うことにより位置検出精度を向上させることができる。
【0023】
また、物体が走行車線内であるか走行車線外であるかの判断は、端部の超音波物体検出部とその近傍の超音波物体検出部の検出情報を用いて行う。物体が走行車線内であるか走行車線外であるかの判断には精度が要求されるため、複数の超音波物体検出部の検出情報を用いて判断することは有効である。特に、超音波物体検出部を並び順にしたがって順に駆動しているため、同一の物体の検出情報の検出タイミングの時間差を、近傍の超音波物体検出部間で短くすることができるため、より位置検出精度を向上させることができる。
【0024】
ここで、前述のように、右端の超音波物体検出部CRRは、走行車線の右側の走行境界線13を挟んで走行車線の右端側および走行車線外側を含む領域を検出範囲としている。また、バンパ中央右寄りの超音波物体検出部CNRは、走行車線右半分を含み走行車線外の領域を多少含む領域を検出範囲としている。
走行車線の右端側の外側に障害物が存在するか否かの判断は、超音波物体検出部CNRおよびCRRの双方の検出信号に基づき判断する。
【0025】
ここで、図5に示すように、超音波物体検出部CNRおよびCRR双方の検出範囲に含まれかつ走行車線外の領域をa1とする。また、超音波物体検出部CRRの検出範囲のうち、超音波物体検出部CNRの検出範囲を除く領域であり、かつ、車両近傍の領域をa2とし、残りをa3とする。
領域a2は、車両に極近い範囲であって、走行車線内および走行車線外を含む領域である。領域a3は超音波物体検出部CRRのみが検出する走行車線外の領域のうち、領域a1およびa2を除いた領域であって、領域a2よりも車両から離れた領域である。
【0026】
そして、領域a2は、図5からも判るように、超音波物体検出部CRRのみが検出可能な領域であって、走行車線内の場合および走行車線外の場合があるが、走行車線内にあるものを走行車線外にあると誤判断するケースを避けるため、領域a2に障害物が存在する場合には全て走行車線内の障害物であると判断する。
【0027】
また、領域a3は、走行車線よりも領域a1を挟んで走行車線外側に存在する領域であるため、障害物は走行車線外に存在すると判断する。また、領域a1は、超音波物体検出部CNR,CRR双方の検出範囲に含まれることから、超音波物体検出部CNR,CRR双方の検出信号に基づき障害物の位置を特定する。そして、推定した予測走行路と照らし合わせることにより、障害物が走行車線の外側に存在するか否かを判定する。
同様の手順で左端側についても判断することができる。
そして、ステップS8で、障害物が走行車線外に存在すると判断されるとき、または、超音波物体検出部の検出情報が不足しており、障害物が走行車線内に存在すると判断することができない場合にはステップS1に戻る。
【0028】
一方、ステップS8で、自車両の走行車線内の障害物であると判断されたときには、ステップS9に移行し、ステップS7で得られた障害物までの距離と、1周期前の同じ超音波物体検出部で検出した障害物までの距離とを比較し、例えば、1周期前の同じ超音波物体検出部で検出した障害物までの距離と、今回の検出周期における障害物までの距離との差が所定値以内(例えば、15cm程度以内)であるときには、それら二回の検出は同じ障害物を連続して検出したものであると判断し、誤検出の可能性は低いと考え、障害物を検出したということを確定する。
【0029】
つまり、1周期前の検出距離をL_z、今回の検出周囲における検出距離をL、前回検出時から今回検出するまでの時間内に自車両が移動した距離をΔX、前記所定値をDthとしたとき、次式(1)を満足するときに、障害物を検出したと確定する。
|(L_z-ΔX)-L|≦Dth ……(1)
【0030】
前記所定値Dthは例えば15cmとする。つまり、1つの超音波物体検出部あたりの処理時間を例えば25msecとすると、超音波物体検出部を4つ備える場合、1周期前は100msec前の時点となる。障害物の移動を考慮して、例えば障害物が5km/hで移動しているものとすると、5km/h×100msec=13.88cmとなる。したがって、所定値Dthは例えば15cmとする。なお、所定値は前記(1)式を満足するように任意に設定すればよい。
そして、情報提示装置8bを制御して警報を発することなどにより、ドライバに障害物の存在を通知する。
一方、ステップS7で得られた障害物までの距離と、1周期前の同じ超音波物体検出部で検出した障害物までの距離との差が所定値以内ではないときには障害物ではないと判断し、特に警報などは発せずに今回の処理を終了する。
【0031】
(超音波物体検出部の駆動順序)
次に、前記ステップS5における超音波物体検出部の駆動順序を説明する。
図6は、図2に示すように超音波物体検出部を4つ備える場合の、超音波物体検出部の駆動順序を示したタイムチャートである。
これら超音波物体検出部は、左右いずれか一方の端部の超音波物体検出部から中央の超音波物体検出部に向かって順に駆動し、次に、他方の端部の超音波物体検出部から中央の超音波物体検出部に向かって順に駆動する。つまり、まず例えばバンパ部左端の超音波物体検出部CRLを駆動し、次にバンパ中心よりやや左寄りの超音波物体検出部CNLを駆動する。次にバンパ部右端の超音波物体検出部CRRを駆動し、次にバンパ中心よりやや右寄りの超音波物体検出部CNRの順に駆動する。
【0032】
(動作)
次に、超音波物体検出部を上述のように駆動した場合の動作を説明する。
図6において、1つの超音波物体検出部を駆動する処理時間は、t1(例えば、25msec)である。そして、互いに超音波物体検出部どうしが干渉しないように、時間t1毎に駆動する超音波物体検出部を切り替え、全ての超音波物体検出部を駆動させる処理が終了するまでが、超音波物体検出周期の1周期となる。
つまり、図6に示すように、時点m1で1番目の超音波物体検出部CRLを駆動し、続いて時点m2で超音波物体検出部CNL,時点m3で超音波物体検出部CRR,時点m4で超音波物体検出部CNRを駆動する。そして、時点m5で超音波物体検出部CNRの駆動が終了するまでが超音波物体検出周期の1周期となる。
【0033】
図6に示すように、各超音波物体検出部をCRL,CNL,CRR、CNRの順に繰り返し駆動している。そのため、各超音波物体検出部は定周期で駆動される。さらに、バンパ中央寄りに存在する2つの超音波物体検出部CNLおよびCNRに着目すると、前記超音波物体検出周期の1周期において、超音波物体検出部CNLとCNRとはそれぞれ交互に定周期で駆動される。つまり、バンパ左端、バンパ中央、バンパ右端の3つの領域について障害物検出を行うという観点からみると、バンパ左端、バンパ右端の領域は超音波物体検出周期で障害物検出が行われるとともに、バンパ中央の領域では、2つの超音波物体検出部CNLとCNRとにより、超音波物体検出周期の1/2の定周期(t2)で障害物検出が行われることになる。
【0034】
ここで、4つの超音波物体検出部を、例えば図7に示す従来のように、1つおきにCRL,CNR,CNL,CRRの順に繰り返し駆動した場合、各超音波物体検出部はそれぞれ定周期で駆動される。しかしながら、バンパ左端、バンパ中央、バンパ右端の3つの領域の障害物検出を行うという観点からみると、図7に示すように、バンパ中央の領域において障害物検出を行う超音波物体検出部CNRおよびCNLは、超音波物体検出部CNRの次に超音波物体検出部CNLが駆動される。そのため、バンパ左端、バンパ右端の領域は、超音波物体検出周期で障害物検出が行われるが、バンパ中央の領域については、超音波物体検出周期の1周期において超音波物体検出部CNR,CNLの駆動タイミングが偏ることになる。すなわち、バンパ中央の領域の障害物検出は定周期で行われず、偏ったタイミングで検出されることになる。
【0035】
つまり、図7に示すように、バンパ中央の領域の障害物検出は、時点m11で超音波物体検出部CNRにより検出が行われ、続いて時点m12で超音波物体検出部CNLにより検出が行われる。続いて、超音波物体検出部CRR(時点m13),CRL(時点m14)が駆動され、その後、時点m15で超音波物体検出部CNRにより検出が行われ、時点m16でCNLにより検出が行われることになる。すなわち、バンパ左端およびバンパ右端の領域を検出する超音波物体検出部CRRおよびCRLを連続して駆動し、バンパ中央の領域を検出する超音波物体検出部CNL、CNRを連続して駆動している。
【0036】
ここで、バンパ中央の領域を検出する超音波物体検出部CNRにより検出(時点m12)した後、超音波物体検出部CNLにより検出(時点m13)を行うタイミングとの間の所要時間をt3(例えば25msec)とする。超音波物体検出部CNLにより検出(時点m13)した後、超音波物体検出部CNRにより検出(時点m16)を行うまでの所要時間は前記t3よりも長いt4(例えば75msec)となる。
【0037】
そのため、バンパ中央の領域を検出する超音波物体検出部CNLと超音波物体検出部CNRとの検出タイミングの間隔は、t3とこれよりも長いt4となり、すなわち偏ったタイミングで障害物検出が行われることになる。
これはすなわち、バンパ中央の領域の障害物検出が偏ったタイミングで行われることになる。
【0038】
これに対し、図6のように各超音波物体検出部をCRL,CNL,CRR、CNRの順に駆動した場合には、前述のように、超音波物体検出部CNLとCNRとにより、バンパ中央の領域の検出は定周期(t2:例えば50msec)で行われる。したがって、バンパ中央の障害物検出を定期的に行うことができすなわち効率よく超音波物体検出部を駆動することができ障害物の検出精度を向上させることができる。
【0039】
また、障害物の位置を検出するためには、複数の超音波物体検出部の検出信号を用いた方が推定精度は向上する。特に、超音波物体検出部CNRとCRRとの検出範囲に含まれる領域は、障害物の位置情報から走行車線の走行境界線の外側に存在するか内側に存在するかを判断するため、精度が高いことが望ましい。そして、位置の推定精度を高めるためには、超音波物体検出部CRRとCNRとにより得られる検出情報の時間差が小さいことが望ましい。これは超音波物体検出部CNLとCRLとについても同様である。
【0040】
図6に示すように、各超音波物体検出部をCRL,CNL,CRR、CNRの順に駆動した場合には、隣接する超音波物体検出部CRRとCNRとは続いて駆動されるため、超音波物体検出部CRRとCNRとにより得られる検出情報の時間差t5(例えば25msec)は比較的小さい。
これに対し、図7に示すように、1つおきにCRL,CNR,CNL,CRRの順に駆動した場合、超音波物体検出部CNRとCRRとの間に、超音波物体検出部CNLを駆動している。そのため、超音波物体検出部CNRとCRRとの検出情報に時間差t6(例えば50msec)が生じる。つまり、超音波物体検出部CNLを駆動するだけ時間差が長くなってしまう。
【0041】
図6に示すように、各超音波物体検出部を、CRL,CNL,CRR、CNRの順に駆動すること、すなわち、まず一方の端部側において、最端部の超音波物体検出部から中央寄りの超音波物体検出部に向かって順に駆動した後、他方の端部側において最端部の超音波物体検出部から中央寄りの超音波物体検出部に向かって順に駆動する。このように駆動することによって、走行車線の走行境界線近傍を検出領域として含む隣接する複数の超音波物体検出部を続けて駆動することができる。そのため、走行車線の走行境界線近傍を検出領域として含む複数の超音波物体検出部からの検出信号の時間差を抑制することができその結果、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
【0042】
また、4つの超音波物体検出部を、左右何れか一端の超音波物体検出部から中央に向かって順に起動した後、他端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動する。そのため、バンパ中心部近傍に配置された超音波物体検出部CNL,CNRの駆動タイミングは、それぞれ左端側から駆動した場合の最後、右端側から駆動した場合の最後となり、すなわち共に2番目となる。つまり、バンパ中心部近傍に配置された超音波物体検出部CNL,CNRは、それぞれ左端側から駆動する場合および右端側から駆動する場合のそれぞれ2番目毎に駆動される。そのため、バンパ中心部近傍の障害物検出を、バンパ中心部近傍に配置された超音波物体検出部CNLとCNRとにより定周期で行うことができる。
ここで、上記第1の実施の形態において、物体検出部8の演算処理部8aが駆動制御部に対応している。
また、図4のステップS8の処理が障害物位置推定部に対応し、ステップS2の処理が走行路予測部に対応している。
【0043】
(第1の実施の形態の効果)
(1)物体検出部8では、4つの超音波物体検出部を、左右何れか一端の超音波物体検出部から中央に向かって順に起動した後、他端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動する。つまり、超音波物体検出部CRL,CNL,CRR,CNRの順に駆動する。
その結果、バンパ中心部近傍に配置された超音波物体検出部CNLとCNRとは、左端側から駆動された場合と右端側から駆動された場合の最後にそれぞれ駆動され、すなわち共に2番目に駆動される。よって、バンパ中心部近傍の障害物検出を、バンパ中心部近傍に配置された超音波物体検出部CNLとCNRとにより定周期で行うことができる。
【0044】
(2)物体検出部8では、超音波物体検出部を端部から順に駆動する。
そのため、隣接する複数の超音波物体検出部で同一の障害物を検出した場合の、検出情報の時間差を短縮することができる。その結果、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
(3)走行車線内の物体であるか走行車線外の物体であるかの判断を端部の超音波物体検出部およびその近傍の超音波物体検出部の検出情報に基づき行う。前述のように近傍の超音波物体検出部どうしの間の検出情報の時間差を短縮することができるため、走行車線外の物体であるか否かの判断をより高精度に行うことができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を説明する。
(構成)
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、超音波物体検出部の数が異なり、超音波物体検出部の駆動順序が異なること以外は、上記第1の実施の形態と同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図8は、第2の実施の形態における超音波物体検出部の配置位置を示したものである。
第2の実施の形態における超音波物体検出装置6は、3つの超音波物体検出部61を備えている。これら3つの超音波物体検出部61は、図8に示すようにバンパ部11に設けられ、超音波物体検出部CRLはバンパ部左端に設けられている。超音波物体検出部CRRはバンパ部右端に設けられている。超音波物体検出部CNはバンパ部中央に設けられている。
【0046】
超音波物体検出部CNは、図8に示すように自車両の走行車線全域を検出範囲とする。超音波物体検出部CRLは、自車両の走行車線左半分を含み左側の走行境界線12を挟んで走行車線外側を含む領域を検出範囲とする。超音波物体検出部CRRは、自車両の走行車線右半分を含み右側の走行境界線13を挟んで走行車線外側を含む領域を検出範囲とする。
【0047】
(超音波物体検出部の駆動順序)
次に、超音波物体検出部の駆動順序を説明する。
図9は、図8に示すように、超音波物体検出部を3つ備える場合の超音波物体検出部の駆動順序を示したタイムチャートである。
この第2の実施の形態においても、3つの超音波物体検出部を、左右何れか一端の超音波物体検出部から中央に向かって駆動し、次に他端の超音波物体検出部から中央に向かって駆動する。
つまり、まず例えば左端の超音波物体検出部CRLを駆動し、次に、中央に配置された超音波物体検出部CNを駆動する。次に右端の超音波物体検出部CRRを駆動し、次に中央の超音波物体検出部CNを駆動する。以後、この処理を繰り返す。
【0048】
(動作)
次に、超音波物体検出部を上述のように駆動した場合の動作を説明する。
図9に示すように、時点m21において、超音波物体検出部CRLを駆動してから、時点m22で超音波物体検出部CNを駆動し、時点m23で超音波物体検出部CRRを駆動する。ここまでが1周期となる。続いて、2周期目は、時点m24で超音波物体検出部CNを駆動した後、超音波物体検出部CRL,超音波物体検出部CNの順に駆動する。次いで3周期目は、時点m25で超音波物体検出部CRRを駆動した後、超音波物体検出部CN,超音波物体検出部CRLを駆動する。さらに4周期めは、時点m26で超音波物体検出部CNを駆動した後、超音波物体検出部CRR,超音波物体検出部CNを駆動する。そして、次の周期は1周期めと同様に、時点m27で超音波物体検出部CRLを駆動し、続いて超音波物体検出部CNを駆動し、以後、上記と同様に繰り返す。
【0049】
ここで、図9に示すように、超音波物体検出部をCRL,CN,CRR,CNの順に駆動している。そのため、各超音波物体検出部は定周期で駆動される。さらにバンパ中央に存在する超音波物体検出部CNに着目すると、定周期(t7:例えば50msec)で駆動される。つまり、バンパ左端、バンパ中央、バンパ右端の3つの領域の障害物検出を行うという観点からみると、バンパ左端、バンパ右端の領域は定周期(t7′)で障害物検出が行われる。また、バンパ中央の領域では、バンパ左端やバンパ右端の領域の障害物検出周期(t7′)よりも短い定周期(t7)で障害物検出が行われることになる。すなわち、バンパ中央の領域では、バンパ左端、バンパ右端の領域に対して1/2の定周期で障害物検出が行われることになる。
【0050】
また、バンパ左端の超音波物体検出部CRLとバンパ中央の超音波物体検出部CNとを連続して駆動し、かつバンパ中央の超音波物体検出部CNとバンパ左端の超音波物体検出部CRRとを連続して駆動している。そのため、同一の障害物を隣接する2つの超音波物体検出部(CRLとCN、またはCRRとCN)で検出したときの検出情報の時間差(t8:例えば25msec)を小さくすることができる。
【0051】
したがって、この場合も上記第1の実施の形態と同様に、バンパ中央の領域における障害物検出を定周期で行うことができる。したがって、効率よく超音波物体検出部を駆動させることで障害物の検出精度を向上させることができるとともに、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
ここで、上記第2の実施の形態において、物体検出部8の演算処理部8aが駆動制御部に対応している。
また、図4のステップS8の処理が障害物位置推定部に対応し、ステップS2の処理が走行路予測部に対応している。
【0052】
(第2の実施の形態の効果)
(1)物体検出部8では、3つの超音波物体検出部を、左右一端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動し、次に他端の超音波物体検出部から中央に向かって駆動し、且つこのとき、左端から駆動する場合と右端から駆動する場合とで同数の超音波物体検出部を駆動する。つまり、左端の超音波物体検出部CRLを駆動した後、中央の超音波物体検出部CNを駆動し、次に右端の超音波物体検出部CRRを駆動した後、再度中央の超音波物体検出部CNを駆動する。
そのため、中央の超音波物体検出部CNは、左端または右端の超音波物体検出部が駆動された後、駆動されることになる。その結果、中央の超音波物体検出部CNを定周期で駆動することができる。すなわちバンパ中心部近傍の障害物検出を定周期で行うことができる。
【0053】
(2)物体検出部8では、左端の超音波物体検出部CRLと中央の超音波物体検出部CNとを続けて駆動し、また、右端の超音波物体検出部CRRと中央の超音波物体検出部CNとを続けて駆動する。
そのため、隣接する超音波物体検出部で同一の障害物を検出した場合の、検出情報の時間差を短縮することができる。そのため、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
【0054】
(3)走行車線内の物体であるか走行車線外の物体であるかの判断を端部の超音波物体検出部およびその近傍の超音波物体検出部の検出情報に基づき行う。前述のように近傍の超音波物体検出部どうしの間の検出情報の時間差を短縮することができるため、走行車線外の物体であるか否かの判断をより高精度に行うことができる。
【0055】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を説明する。
(構成)
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、超音波物体検出部の数が異なり、超音波物体検出部の駆動順序が異なること以外は、上記第1の実施の形態と同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図10は、第3の実施の形態における超音波物体検出部の配置位置を示したものである。
第3の実施の形態における超音波物体検出装置6は、5つの超音波物体検出部61を備えている。これら5つの超音波物体検出部61は、図10に示すようにバンパ部11に略均等の間隔で配置されている。
【0056】
超音波物体検出部CRLはバンパ部左端に設けられている。超音波物体検出部CRRはバンパ部右端に設けられている。超音波物体検出部CNはバンパ部中央に設けられている。超音波物体検出部CNLは超音波物体検出部CRLとCNとの間に設けられている。超音波物体検出部CNRは超音波物体検出部CRRとCNとの間に設けられている。
【0057】
超音波物体検出部CNは、図10に示すように自車両の走行車線の中央の領域を検出範囲とする。超音波物体検出部CRLは、自車両の走行車線左側の走行境界線12を挟んで走行車線外側および内側を含む領域を検出範囲とする。超音波物体検出部CRRは、自車両の走行車線右側の走行境界線13を挟んで走行車線外側および走行車線内側を含む領域を検出範囲とする。超音波物体検出部CNLは、走行車線左半分の領域および左側の走行境界線12を含む領域を検出範囲とする。超音波物体検出部CNRは、走行車線右半分の領域および右側の走行境界線13を含む領域を検出範囲とする。
【0058】
(超音波物体検出部の駆動順序)
次に、超音波物体検出部の駆動順序を説明する。
図11は、図10に示すように、超音波物体検出部を5つ備える場合の超音波物体検出部の駆動順序を示したタイムチャートである。
この第3の実施の形態においても、5つの超音波物体検出部を、左右何れか一端の超音波物体検出部から中央に向かって駆動し、次に他端の超音波物体検出部から中央に向かって駆動する。このとき左端および右端側から駆動した場合の超音波物体検出部の数が同数となるように駆動する。
【0059】
つまり、まず例えば左端の超音波物体検出部CRLを駆動し、次に超音波物体検出部CNLを駆動し、次に、中央に配置された超音波物体検出部CNを駆動し、ここで一つの区切りとする。即ち、超音波物体検出部CNを駆動した後には、その隣ではなく右端の超音波物体検出部CRRを駆動し、次に超音波物体検出部CNRを駆動し、次に中央の超音波物体検出部CNを駆動し、ここで一つの区切りとする。以後、この処理を繰り返す。
【0060】
(動作)
次に、超音波物体検出部を上述のように駆動した場合の動作を説明する。
図11に示すように、時点m31において左端の超音波物体検出部CRLを駆動、時点m32で超音波物体検出部CNLを駆動、時点m33で中央の超音波物体検出部CNを駆動する。続いて時点m34で超音波物体検出部CRRを駆動、時点m35で超音波物体検出部CNRを駆動するまでが1周期となる。そして、次の周期では、時点m36でまず中央の超音波物体検出部CNを駆動し、次に時点m37で左端の超音波物体検出部CRLを駆動し、以後、上記と同様の順番で駆動する。
【0061】
ここで、図11に示すように、超音波物体検出部をCRL,CNL,CN,CRR,CNR,CNの順に駆動している。そのため、各超音波物体検出部は定周期で駆動される。さらにバンパ中央に存在する超音波物体検出部CNに着目すると、超音波物体検出部CNは定周期(t9:例えば75msec)で駆動される。つまり、バンパ左端、バンパ中央、バンパ右端の3つの領域の障害物検出を行うという観点からみると、バンパ左端、バンパ右端の領域は定周期(t9′)で障害物検出が行われるのに対し、バンパ中央の領域では、左端側から駆動した場合、および右端側から駆動した場合の最後に超音波物体検出部CNを駆動するため、バンパ左端、バンパ右端の領域における障害物検出周期(t9′)よりも短い定周期(t9)で障害物検出が行われることになる。
【0062】
また、検出領域が重なる隣接する超音波物体検出部を続けて駆動しているため、同一の障害物を隣接する2つの超音波物体検出部で検出したときの検出情報の時間差(t10:例えば25msec)を小さくすることができる。したがって、この場合も上記第1の実施の形態と同様に、バンパ中央の領域における障害物検出を定期的に行うことができる。このため、効率よく超音波物体検出部を駆動することができ障害物の検出精度を向上させることができるとともに、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
ここで、上記第3の実施の形態において、物体検出部8の演算処理部8aが駆動制御部に対応している。
また、図4のステップS8の処理が障害物位置推定部に対応し、ステップS2の処理が走行路予測部に対応している。
【0063】
(第3の実施の形態の効果)
(1)物体検出部8では、5つの超音波物体検出部を、左端の超音波物体検出部から中央に向かってCRL,CNL,CNの順に駆動し、次に右端の超音波物体検出部から中央に向かってCRR,CNR,CNの順に駆動する。
そのため、中央の超音波物体検出部CNは、左端側および右端側から駆動される場合の最後、すなわち3番目に駆動されることになる。その結果、中央の超音波物体検出部CNを定周期で駆動させることができ、すなわちバンパ中心部近傍の障害物検出を定周期で行うことができる。
【0064】
(2)物体検出部8では、左右端部から中央に向かって順に超音波物体検出部を駆動する。そのため、隣接する超音波物体検出部で同一の障害物を検出した場合の、検出情報の時間差を短縮することができる。その結果、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
(3)走行車線内の物体であるか走行車線外の物体であるかの判断を端部の超音波物体検出部およびその近傍の超音波物体検出部の検出情報に基づき行う。前述のように近傍の超音波物体検出部どうしの間の検出情報の時間差を短縮することができるため、走行車線外の物体であるか否かの判断をより高精度に行うことができる。
【0065】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態を説明する。
(構成)
この第4の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、超音波物体検出部の数が異なり、超音波物体検出部の駆動順序が異なること以外は、上記第1の実施の形態と同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図12は、第4の実施の形態における超音波物体検出部61の配置位置を示したものである。
【0066】
第4の実施の形態における超音波物体検出装置6は、6つの超音波物体検出部61を備えている。これら6つの超音波物体検出部61は、図12に示すようにバンパ部11に略均等に設けられ、超音波物体検出部CRLはバンパ部左端に設けられている。超音波物体検出部CRRはバンパ部右端に設けられている。超音波物体検出部CNLはバンパ部中央やや左寄りに設けられている。超音波物体検出部ICRLは超音波物体検出部CRLとCNLとの間に設けられている。超音波物体検出部CNRはバンパ部中央やや右寄りに設けられている。超音波物体検出部ICRRは超音波物体検出部CRRとCNRとの間に設けられている。
【0067】
超音波物体検出部CNLは、図12に示すように自車両の走行車線やや左寄りの部分を含む領域を検出範囲とし、超音波物体検出部CNRは、自車両の走行車線やや右寄りの部分を含む領域を検出範囲とする。超音波物体検出部ICRLは、自車両の走行車線左寄りの領域および走行境界線12を含む領域を検出範囲とする。超音波物体検出部ICRRは、自車両の走行車線右寄りの領域および走行境界線13を含む領域を検出範囲とする。超音波物体検出部CRRは自車両の走行車線の右端および右側の走行境界線13を挟んで外側の領域を検出範囲とする。
【0068】
(超音波物体検出部の駆動順序)
次に、超音波物体検出部の駆動順序を説明する。
図13は、図12に示すように、超音波物体検出部を6つ備える場合の超音波物体検出部の駆動順序を示したタイムチャートである。
この第4の実施の形態においても、左右何れか一端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動し、次に他端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動する。
すなわち、図13に示すように、バンパ部左端の超音波物体検出部CRL,これに隣接するICRL,バンパ中央左寄りのCNLを駆動する。次に、バンパ部右端の超音波物体検出部CRR,これに隣接するICRR,バンパ中央右寄りのCNRの順に駆動する。
【0069】
(動作)
次に、超音波物体検出部を上述のように駆動した場合の動作を説明する。
図13に示すように、時点m41において左端の超音波物体検出部CRLを駆動、時点m42で次の超音波物体検出部ICRLを駆動、時点m43で中央左寄りの超音波物体検出部CNLを駆動する。続いて、時点m44で右端の超音波物体検出部CRRを駆動、時点m45で超音波物体検出部ICRRを駆動し、時点m46で中央右寄りの超音波物体検出部CNRを駆動し終えるまでが1周期となる。
【0070】
図13に示すように、超音波物体検出部をCRL,ICRL,CNL,CRR,ICRR,CNRの順に繰り返し駆動している。そのため、各超音波物体検出部は定周期(t11′)で駆動される。さらにバンパ中央付近に存在する超音波物体検出部CNL,CNRに着目すると、バンパ中央部近傍では、超音波物体検出部CNLとCNRとにより超音波物体検出周期(t11′)よりも短い定周期(t11:例えば75msec)で障害物検出が行われることになる。
【0071】
また、検出範囲が重なる隣接する超音波物体検出部を続けて駆動しているため、同一の障害物を隣接する2つの超音波物体検出部で検出したときの検出情報の時間差(t12:例えば25msec)を小さくすることができ、すなわち検出精度を向上させることができる。したがって、この場合も上記第1の実施の形態と同様に、バンパ中央の領域における障害物検出を定期的に行うことができる。そのため、効率よく超音波物体検出部を駆動することができ障害物の検出精度を向上させることができるとともに、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
【0072】
したがって、この第4の実施の形態においても、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
ここで、上記第4の実施の形態において、物体検出部8の演算処理部8aが駆動制御部に対応している。
また、図4のステップS8の処理が障害物位置推定部に対応し、ステップS2の処理が走行路予測部に対応している。
【0073】
(第4の実施の形態の効果)
(1)物体検出部8では、6つの超音波物体検出部を、左右何れか一端の超音波物体検出部から中央に向かって駆動し、次に他端の超音波物体検出部から中央に向かって駆動する。つまり、超音波物体検出部CRL,ICRL,CNL,CRR,ICRR,CNRの順に駆動する。
バンパ中心部近傍に配置された超音波物体検出部CNLとCNRとは、左端側から駆動された場合および右端側から駆動された場合の最後に駆動され且つ共に3番目に駆動される。その結果、バンパ中心部近傍の障害物検出を、バンパ中心部近傍に配置された超音波物体検出部CNLとCNRとにより定周期で行うことができる。
【0074】
(2)左右何れかの端部から中央に向かって順に超音波物体検出部を駆動する。
そのため、隣接する複数の超音波物体検出部で同一の障害物を検出した場合の、検出情報の時間差を短縮することができる。その結果、障害物の位置検出精度を向上させることができる。
(3)走行車線内の物体であるか走行車線外の物体であるかの判断を端部の超音波物体検出部およびその近傍の超音波物体検出部の検出情報に基づき行う。前述のように近傍の超音波物体検出部どうしの間の検出情報の時間差を短縮することができるため、走行車線外の物体であるか否かの判断をより高精度に行うことができる。
【0075】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態を説明する。
(構成)
この第5の実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、4つの超音波物体検出部61を備えている。
前述の図2に示すように、予測される走行路が直進路であるときに、左端の超音波物体検出部CRLは、走行車線左寄りの領域および左側の走行境界線12の外側を含む領域を検出範囲とする。中央部付近左寄りに設けられた超音波物体検出部CNLは走行車線左側半分および左側の走行境界線12を含む領域を検出範囲とする。中央部付近右寄りに設けられた超音波物体検出部CNRは走行車線右側半分および右側の走行境界線13を含む領域を検出範囲とする。右側の超音波物体検出部CRRは、走行車線右寄りの領域および右側の走行境界線13の外側を含む領域を検出範囲とする。
そして、物体検出部8では、カーブ路の場合など、超音波物体検出部の検出範囲が、予測した自車両の走行車線に対して所定値以上外れているときには、この超音波物体検出部を駆動せず、残りの超音波物体検出部のみを駆動して障害物検出を行う。
【0076】
(動作)
次に、超音波物体検出部の検出範囲が予測した自車両の走行車線に対して所定値以上外れるときの動作について説明する。
自車両の予測走行路がカーブ路であると推測される場合には、図14に示すように、各超音波物体検出部の走行車線に対する検出範囲がずれる。
この場合には、図4のステップS4の処理において、自車両の予測走行路と各超音波物体検出部の検出範囲との関係から、超音波物体検出部のうち、その検出範囲の所定値(80%)以上が自車両の走行車線外側となるものが特定される。そして、特定された超音波物体検出部は駆動されず、残りの超音波物体検出部のみが駆動される。
【0077】
例えば、図14に示すように、右旋回の走行路においては、バンパ部左端の超音波物体検出部CRLの検出範囲は、大部分が走行車線から外れることになる。この走行車線から外れる領域が所定値以上であるときには、超音波物体検出部CRLを駆動しない。残りの超音波物体検出部CNL、CNR,CRRの3つのみを駆動する。
【0078】
そして、3つの超音波物体検出部を駆動する場合には、前記第2の実施の形態における、超音波物体検出部を3つ備える場合の駆動順序にしたがって駆動する。すなわち、バンパ部中央右寄りの超音波物体検出部CNRをバンパ中心に位置する超音波物体検出部とみなし、バンパ部中央左寄りの超音波物体検出部CNLを左端の超音波物体検出部とみなす。そして、超音波物体検出部CNL,CNR,CRRを図9の順序にしたがって駆動する。つまり、超音波物体検出部CNL(CRLに対応),CNR(CNに対応),CRR,CNR(CNに対応)の順に駆動する。
【0079】
そして、自車両の予測走行路が直進状態に移行すると、駆動させていない左端の超音波物体検出部CRLの検出範囲と走行車線とが重なる領域が大きくなり、超音波物体検出部CRLの検出範囲が走行車線から外れる領域が所定値より小さくなる。この時点で、超音波物体検出部CRLも駆動対象となり、以後は、4つの超音波物体検出部を、前記第1の実施の形態における図6のタイムチャートにしたがって駆動する。
【0080】
このように、検出範囲の大部分が走行車線外の領域となる超音波物体検出部は駆動しないようにすることによって、不要な超音波物体検出部を駆動することを回避することができる。また、不要な超音波物体検出部を駆動しない分、他の超音波物体検出部をより早い周期で駆動することができる。そのため、他の超音波物体検出部による障害物検出のタイミングが増えるため、障害物件検出を的確に行うことができる。
ここで、上記第5の実施の形態において、物体検出部8の演算処理部8aが駆動制御部に対応している。
また、図4のステップS8の処理が障害物位置推定部に対応し、ステップS2の処理が走行路予測部に対応している。
【0081】
(第5の実施の形態の効果)
自車両の予測走行路において、複数の超音波物体検出部のうち、検出範囲内に走行車線外の領域を所定値以上含む超音波物体検出部が存在するときには、この超音波物体検出部は駆動せず、残りの超音波物体検出部のみを駆動する。そのため、不要な超音波物体検出部を駆動することを回避することができ、且つ残りの超音波物体検出部を駆動する回数が増えるため、障害物検出を的確に行うことができる。
【0082】
(変形例)
なお、第5の実施の形態においては、超音波物体検出部を4つ備えている場合について説明したが、これに限るものではなく、複数の超音波物体検出部を備えている場合であれば適用することができる。要は、複数の超音波物体検出部のうち、その検出範囲と予測される走行車線との重なる領域が所定値より小さいときに、該当する超音波物体検出部を駆動しないようにすればよい。また、例えば、比較的急なカーブ路である場合など複数の超音波物体検出部を駆動しない場合には、残りの超音波物体検出部のみを駆動する場合と同様に駆動順序を決定し、これに基づき駆動すればよい。
【0083】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態を説明する。
(構成)
この第6の実施の形態の構成は、上記第1の実施の形態において、超音波物体検出部61の駆動方法が異なること以外は同様であるので同一部の詳細な説明は省略する。
この第6の実施の形態では、物体検出部8は、図15に示すように、超音波物体検出部を駆動する際に、障害物が走行車線外に存在し、且つ、この障害物がバンパ部中央付近の2つの超音波物体検出部CNLまたはCNRの検出範囲内に存在する場合に、超音波物体検出部CNLおよびCNRによって間接検出駆動処理を実施する。
障害物が走行車線外に存在しないとき、または、障害物が走行車線外に存在する場合であっても、この障害物がバンパ部中央付近の2つの超音波物体検出部CNLまたはCNRの検出範囲外に存在する場合には、上記第1の実施の形態と同様に図6のタイムチャートに示す手順で、超音波物体検出部を順次駆動する。
【0084】
(障害物検出判断処理の具体的な手順)
次に、物体検出部8で実行される第6の実施の形態における障害物検出判断処理の処理手順を、図16のフローチャートを伴って説明する。なお、前記図4の障害物検出判断処理の処理手順と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
物体検出部8では、自車両情報出力部26から各種自車両情報を取得し(ステップS1)、自車両の走行路を推定するとともに(ステップS2)、超音波出力を許可するか否かを判断する(ステップS3)。
【0085】
ステップS3で超音波出力が非許可と判断されたときには、そのまま障害物検出判断処理を終了し、超音波出力が許可されたときには複数の超音波物体検出部のうち駆動させる超音波物体検出部を特定する(ステップS4)。
次に、ステップS11に移行し後述の間接検出フラグFがF=1に設定されているか否かを判断する。間接検出フラグがF=1でなければステップS5に移行し、駆動すべき超音波物体検出部を特定してこれを駆動させ、反射波を受信しないときにはステップS1に戻り、いずれかの超音波物体検出部で反射波を検出したときには障害物までの距離を演算する(ステップS7)。
【0086】
次いで、1または複数の超音波物体検出部の検出信号から得た障害物までの距離を用いて、障害物が自車両の予測走行路の走行車線内の物体であるか走行車線外の物体であるかを判断する(ステップS8)。そして、障害物が走行車線内に存在すると判断することができない場合にはステップS1に戻る。
一方、ステップS8で、自車両の走行車線内または外に障害物が検出されたときにはステップS12に移行し、検出された障害物が走行車線内に存在するか否かを判断する。そして、障害物が走行車線内に存在するときにはステップS9に移行し、上記第1の実施の形態と同様の手順で検出された障害物が、障害物であるかと確定できるか否かを判定する。
【0087】
一方、ステップS12において、障害物が走行車線外に存在するときにはステップS13に移行し、間接検出フラグFをF=1に設定した後、ステップS1に戻る。
そして、ステップS11において、間接検出フラグFがF=1に設定されているときにはステップS11からステップS14に移行し、各超音波物体検出部を順次選択して駆動させる。このとき、超音波物体検出部CNLとCNRとを、一方の超音波物体検出部により超音波の送信を行い他方の超音波物体検出部により超音波の受信を行う間接検出手段として駆動させるための間接検出駆動処理を行う。そして、ステップS6に移行する。
【0088】
図17は、間接検出駆動処理を行う場合の、超音波物体検出部の駆動タイミングを示すタイムチャートである。
この間接検出駆動処理でも、上記第1の実施の形態と同様に、超音波物体検出部を左右いずれか一端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動した後、他端の超音波物体検出部から中央に向かって順に駆動する。つまり、例えばまず左端の超音波物体検出部CRLから中央に向かって順に駆動し、次に、右端の超音波物体検出部CRRから中央に向かって順に駆動する。
【0089】
すなわち、まず、時点m51で左端の超音波物体検出部CRLを駆動し、超音波の送受信を行う。次に、時点m52で超音波物体検出部CNLおよびCNRからなる間接検出手段を駆動する。つまり、時点m52で超音波物体検出部CNLを駆動して超音波を送信させるとともに、超音波物体検出部CNRを駆動して超音波物体検出部CNLで送信した超音波の反射波の受信を行う。
次いで、時点m53で右端の超音波物体検出部CRRを駆動して超音波の送受信を行う。次に時点m54で間接検出手段を駆動し、超音波物体検出部CNRを駆動して超音波を送信させるとともに超音波物体検出部CNLを駆動して超音波を受信させる。
【0090】
(動作)
次に、上記第6の実施の形態の動作を説明する。
図15に示すように、例えば自車両の走行車線の右外側に障害物が存在する場合、超音波物体検出部CNRの検出範囲は、走行車線の右側の走行境界線13を挟んで走行車線外を含む走行車線右半分側の領域であるため、超音波物体検出部CNRは走行車線外の障害物を検出することになる。
図15に示すように、自車両の走行車線の内側と外側との両方に障害物が存在する場合には、超音波物体検出部CNRの検出範囲に、走行車線外の障害物と走行車線内の障害物とが存在することになる。そのため、超音波物体検出部CNRで受信した反射波が走行車線外の障害物と走行車線内の障害物とのいずれか一方に対応する場合には、他方の障害物の反射波を獲得することが困難となる。つまり、走行車線外の障害物に対応している場合には、走行車線内の障害物に対応する反射波を獲得することが困難となる。
【0091】
しかしながら、図17のタイムチャートに示すように、走行車線外に障害物が存在し、且つこの障害物が自車両の走行車線の車線中央部近傍の障害物を検出する超音波物体検出部CNL,CNRの検出範囲内に存在する場合には、超音波物体検出部CNLとCNRとを間接検出手段として駆動する。これによって、超音波物体検出部CNLとCNRとによる検出範囲a15を、図15に示すように走行車線内のみとすることができる。そのため、超音波物体検出部CNRが、走行車線外に存在する障害物を検出することを回避することができる。したがって、超音波物体検出部CNLおよびCNRを走行車線内の障害物検出用として動作させることができ、走行車線外に障害物が存在する場合であっても、走行車線内の障害物の検出精度の低下を回避することができる。
【0092】
また、超音波物体検出部CNLおよびCNRを走行車線内の障害物検出用として動作させた場合、超音波物体検出部CNRによる走行車線外の障害物の検出は行われない。しかしながら、右端の超音波物体検出部CRRの検出範囲は、走行車線の走行境界線を挟んで走行車線外側の領域である。そのため、超音波物体検出部CNRを走行車線内の障害物検出用として動作させた場合であっても、走行車線外側の障害物の検出は、引き続き行うことができる。なお、走行車線の左側に障害物がある場合には、超音波物体検出部CNLとCNRとを間接検出手段として駆動すればよい。
【0093】
ここで、上記第6の実施の形態において、物体検出部8の演算処理部8aが駆動制御部に対応している。
また、図16のステップS8の処理が障害物位置推定部に対応し、ステップS2の処理が走行路予測部に対応している。
また、超音波物体検出部CNRが第1の超音波物体検出部に対応し、超音波物体検出部CNLが第2の超音波物体検出部に対応している。
【0094】
(第6の実施の形態の効果)
走行車線外に障害物が検出されるときには、走行車線中央近傍の超音波物体検出部CNLおよびCNRを間接検出手段として駆動させ、走行車線内のみを検出範囲としている。
そのため、走行車線中央近傍の障害物検出を行う、走行車線中央近傍の超音波物体検出部CNLおよびCNRが、走行車線外の障害物の反射波を受信することを抑制することができる。その結果、走行車線外に障害物が存在する場合であっても、走行車線内の障害物の検出精度の低下を抑制することができる。
【0095】
(変形例)
なお、上記第6の実施の形態は、超音波物体検出部を4つ備える場合について説明したが、これに限るものではなく、超音波物体検出部を5以上備える場合であっても適用することができる。
また、必ずしも隣接する超音波物体検出部どうしを間接検出手段として駆動させる必要はない。例えば超音波物体検出部を4以上備える場合には、隣接する超音波物体検出部どうしではなく、間に1つ超音波物体検出部を挟んだ2つの超音波物体検出部どうしを間接検出手段として駆動させてもよい。
【0096】
また、上記各実施の形態は、車両後方のバンパ部11に超音波物体検出部を配置した場合について説明したが、これに限るものではなく、車両前方のバンパ部に超音波物体検出部を複数配置する場合であっても適用することができる。
また、上記各実施の形態は、超音波物体検出部を3〜6個備える場合について説明したが、これに限るものではなく、7個以上の超音波物体検出部を備える場合であっても適用することができる。
【0097】
また、上記各実施の形態では、左端側から駆動する場合および右端側から駆動する場合においてそれぞれ同数の超音波物体検出部を駆動する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、超音波物体検出部の数が多い場合、例えば、15個備える場合には、左端側から6個、右端側から7個ずつ繰り返し駆動するようにしたとしても、中央位置にある超音波物体検出部の駆動周期の偏りを相当程度抑制することができる。したがって、左端側から駆動する場合と右端側から駆動する場合とで駆動する超音波物体検出部の数は完全に同数である必要はない。
【0098】
列の一端の超音波物体検出部から駆動して中央の超音波物体検出部に至るまでの間に駆動する超音波物体検出部の個数と、列の他端の超音波物体検出部から駆動して中央の超音波物体検出部に至るまでの間に駆動する超音波物体検出部の個数とを、同数とした場合には、中央位置にある超音波物体検出部の駆動周期の偏りを効率的になくすことができる。
また、上記各実施の形態においては、車両後方のバンパ部11に超音波物体検出部を配置した場合について説明したが、これに限るものではなく、車両前方のバンパ部に超音波物体検出部を複数配置する場合であっても適用することができる。また、バンパ部に限らず、バンパ部上方の車体本体部分に直接配置する場合であっても適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 物体検出装置
2 車輪速センサ
3 シフト位置センサ
4 加速度センサ
5 ステア角センサ
6 超音波物体検出装置
7 自車両情報取得部
8 物体検出部
61 超音波物体検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方あるいは後方で、車幅方向に一列に配置された4以上の超音波物体検出部と、
当該超音波物体検出部を1つずつ切り替えて駆動する駆動制御部と、を備えた物体検出装置において、
前記駆動制御部は、
前記複数の超音波物体検出部を、前記列の一端の超音波物体検出部から中央の超音波物体検出部に向かって順に駆動した後、前記列の他端の超音波物体検出部から中央の超音波物体検出部に向かって順に駆動することを繰り返すことを特徴とする物体検出装置。
【請求項2】
前記超音波物体検出部が4個あるときには、前記複数の超音波物体検出部を、前記列の一端の超音波物体検出部から前記列の中央に相当する2つの超音波物体検出部のうちの前記列の一端側の超音波物体検出部に向かって順に駆動した後、前記列の他端の超音波物体検出部から前記列の中央に相当する2つの超音波物体検出部のうちの前記列の他端側の超音波物体検出部に向かって順に駆動することを繰り返すことを特徴とする請求項1記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記複数の超音波物体検出部は車両のバンパ部に配置され、
端部の超音波物体検出部および当該超音波物体検出部に隣接する超音波物体検出部の2つの超音波物体検出部の検出情報に基づき、走行境界線内側および外側のいずれに障害物が存在するかを推定する障害物位置推定部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の物体検出装置。
【請求項4】
前記端部の超音波物体検出部に隣接する超音波物体検出部は、自車両の走行車線の走行境界線内側および外側の領域を検出範囲に含む超音波物体検出部であることを特徴とする請求項3記載の物体検出装置。
【請求項5】
前記複数の超音波物体検出部は車両のバンパ部に配置され、
自車両の挙動に基づいて走行路を予測する走行路予測部を備え、
前記駆動制御部は、前記走行路予測部で予測した走行路の走行車線に対する超音波物体検出部の検出範囲が閾値以上離れている超音波物体検出部を特定し、前記複数の超音波物体検出部のうち前記特定した超音波物体検出部を除く超音波物体検出部を駆動することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物体検出装置。
【請求項6】
前記複数の超音波物体検出部は車両のバンパ部に配置され、
前記駆動制御部は、端部の超音波物体検出部を超音波送信用として駆動し且つ中央の前記超音波物体検出部を反射波受信用として駆動する間接検出駆動処理を実施することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の物体検出装置。
【請求項7】
前記駆動制御部は、自車両の走行車線の走行境界線外側に障害物が検出されるとき、前記間接検出駆動処理を実施することを特徴とする請求項6記載の物体検出装置。
【請求項8】
前記端部の超音波物体検出部は、前記走行車線の走行境界線内側および外側の領域を検出範囲に含む第1の超音波物体検出部であり、前記中央の超音波物体検出部は、前記第1の超音波物体検出部を挟んで前記走行境界線と逆側に配置された前記走行境界線内側の領域を検出範囲に含む第2の超音波物体検出部であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の物体検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−2955(P2013−2955A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134334(P2011−134334)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】