説明

物品を互いに結合する方法、及び該方法により形成された物品

少なくとも2つの物品を互いに結合する方法であって、少なくとも部分的に物品から形成されている鋳型を形成する工程と、鋳型内に硬化性組成物を堆積させる工程であって、硬化性組成物がメタセシス重合により重合して、2つの物品を互いに結合する成形ポリマージョイントを形成する工程と、を含む方法、及び該方法により形成された物品。第1の部分と、第2の部分と、成形ポリマージョイントと、を含む物品であって、成形ポリマージョイントが第1の部分を第2の部分に結合し、成形ポリマージョイントが少なくとも約1.3mmの厚さを有し、成形ポリマージョイントがメタセシスポリマーを含み、第1の部分及び第2の部分の両方が、成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する、物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年12月21日に出願された米国特許仮出願第61/288,404号の利益を主張し、その開示内容の全体を参照として本明細書に援用する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、メタセシス重合を用いて物品を結合する方法と、該方法により形成された物品とに関する。
【背景技術】
【0003】
特定の基材を互いに結合する際、多くの事柄が考慮され得る。基材の材料、必要な表面の準備、結合材料の費用及び結合の強度は、全て結合方法の選択に重要な役割を有し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、多様な基材のための、安価かつ良好な結合強度を提供する結合の更なる方法が常に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書には、少なくとも2つの物品を互いに結合する方法を開示し、該方法は、少なくとも部分的に物品から形成されている鋳型を形成する工程と、鋳型内に硬化性組成物を堆積させる工程であって、硬化性組成物がメタセシス重合により重合して、少なくとも2つの物品を互いに結合する成形ポリマージョイントを形成する工程と、を含む。
【0006】
本明細書には、第1の部分と、第2の部分と、成形ポリマージョイントと、を含む物品も開示し、成形ポリマージョイントが第1の部分を第2の部分に結合し、成形ポリマージョイントが少なくとも約1.3ミリメートル(mm)の厚さを有し、成形ポリマージョイントがメタセシスポリマーを含む。
【0007】
本開示の様々な実施形態についての以下の詳細説明を添付の図面と共に検討することで、本開示はより完全に理解され得る。
【0008】
図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中で用いられる類似の数字は、類似の構成要素を示す。しかし、所与の図中の構成要素を意味する数字の使用は、同一数字でラベル付けされた別の図中の構成要素を制約するものではないことは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】開示した例示的な物品の概略図。
【図1B】開示した例示的な物品の概略図。
【図1C】開示した例示的な物品の概略図。
【図1D】開示した例示的な物品の概略図。
【図1E】開示した例示的な物品の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の記述において、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照し、いくつかの特定の実施形態を例として示す。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が検討され、作製され得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定する意味で理解すべきではない。
【0011】
本発明で使用する全ての科学用語及び専門用語は、特に指示がない限り、当該技術分野において一般的に使用される意味を有する。本明細書において与えられる定義は、本明細書でたびたび用いられている特定の用語の理解を容易にするものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【0012】
他に指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される特徴サイズ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。
【0013】
数値の範囲を端点によって列挙したものは、その範囲に包含される全ての数値(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)及びその範囲内の任意の範囲を含む。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するとき、その内容に別段の明確な指示がない限り、「a」、「an」、及び「その(the)」という単数形には、複数の指示物を有する実施形態が包含される。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するとき、その内容に別段の明確な指示がない限り、「又は」という用語は概して、「及び/又は」を含めた意味で用いられている。
【0015】
本明細書には、少なくとも2つの物品を互いに結合する方法と、該方法により形成された物品とを開示する。本明細書に開示する例示的な物品は、第1の部分、第2の部分、及び第1の部分を第2の部分に結合する(又はその逆)成形ポリマージョイントを含む。図1Aは、本明細書に開示する物品の一実施例を提供する。図1Aに示すように、物品100は、第1の部分105、第2の部分110、及びこれら2つの部分を互いに結合する成形ポリマージョイント115を含む。
【0016】
本明細書に記載される物品は、第1の部分及び第2の部分を含んでもよく、又は2つを越える「部分」を含んでもよい。本明細書で使用される物品の「部分」とは、成形ポリマージョイントの不在下では独立した別個の物品である物品を指し、又は換言すれば、成形ポリマージョイントが第1の部分(第1の独立物品)を第2の部分(第2の独立物品)に結合し、若しくはその逆である。これは図1Aに例示することができ、図から理解されるように、第1の部分105と第2の部分110とは、成形ポリマージョイント115が存在しない場合、独立した別個の物品であろう。「第1の部及び第2の部分」の説明は、物品に含まれる更なる部分(例えば、第3の部分、第4の部分及び第5の部分)にも同等に適用されることが理解されるであろう。第1の部分及び第2の部分は、一般に、任意の形状又は形態を有し得る。
【0017】
一般に、第1の部分、第2の部分、又は第1の部分及び第2の部分の両方は、成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する。実施形態では、第1の部分及び第2の部分の両方は、成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、成形ポリマージョイントの材料又は組成物とは異なる同一の材料から形成され、又は同一の組成物を有する。実施形態では、第1の部分は第2の部分とは異なる組成物を有し(又は異なる材料から形成され)、第1の部分及び第2の部分の両方は、成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する(又は異なる材料から形成されている)。物品が2つを越える部分を含む実施形態では、全部の部分の材料又は組成物は同一でも又は異なっていてもよいが、第1の部分及び第2の部分の最低限は、成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する(即ち、第3の部分及び続く任意の部分は成形ポリマージョイントと同一であってもよい)。
【0018】
第1の部分及び第2の部分は、一般に、任意の材料を含むことができる。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、メタセシスポリマー(以下に記載する)ではない材料から形成されている。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、独立してポリオレフィンであってもよい。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、ポリプロピレン、ポリエチレン及びSANTOPRENE(商標)熱可塑性エラストマー(Exxon Mobil Chemical Company,Houston TX)から独立して選択されてもよい。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、同一の材料から形成されてもよい。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、異なる材料から形成されてもよい。
【0019】
第1の部分及び第2の部分は、一般に、任意の厚さを有することができる。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、少なくとも約約1mm(40mil)の厚さを有してもよい。本明細書で使用される用語milは、0.001インチ(0.025mm)を指す。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、少なくとも約60mil(1.53mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、少なくとも約1/16インチ(約0.0625インチ、1.6mm、即ち62mil)の厚さを有してもよい。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、少なくとも約120mil(3.04mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、少なくとも約1/8インチ(0.125インチ、3.2mm、即ち約125mil)の厚さを有してもよい。
【0020】
本明細書に記載する物品は、成形ポリマージョイントも含む。成形ポリマージョイントは、物品の第1の部分と第2の部分とを互いに結合する。成形ポリマージョイントは、メタセシスポリマーを含む。メタセシスポリマーは、(例えば硬化性組成物から)メタセシス重合により重合されたポリマーである。
【0021】
メタセシス重合は、環二重結合の開環と、隣接するモノマー単位に対する不飽和結合の形成とを含む。例として、ジシクロペンタジエン(DCPD)のポリジシクロペンタジエン(pDCPD)へのメタセシス重合を以下に示す。
【化1】

【0022】
DCPDのメタセシス重合は、多くの場合、開環メタセシス重合、又は「ROMP」と称される。一般に、重合反応中に架橋が生じて、熱硬化性ポリマーがもたらされ得る。架橋は、(DCPDの場合)比較的反応性が低いシクロペンテン環の部位における第2のメタセシス反応による可能性がある。代替的に、架橋は、ペンダントシクロペンテン基の付加重合により生じる可能性がある。
【0023】
成形ポリマージョイントは、メタセシス重合により重合された任意のポリマーを含むことができる。メタセシス重合により重合され得る例示的なモノマーには、歪んだシクロオレフィン(strained cycloolefin)が挙げられる。歪んだシクロオレフィンは、環歪み及び二重結合を有する少なくとも1つの環を有する。歪んだシクロオレフィンは、場合により追加の環及び二重結合を含んでもよい。これらの環は、縮合又は非縮合、スピロ又は架橋環であってもよく、より大きい環系の一部であってもよい。例示的な歪んだシクロオレフィンには、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロドデセン、ノルボルネン、シクロオクタジエン、シクロノナジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、7−オキソノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4,9−ジエン、及びそれらのアルキル誘導体が挙げられる。
【0024】
成形ポリマージョイントは、一般に少なくとも約0.05インチ(約1.3mm)の厚さを有することができる。成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.058インチ(約1.5mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.1インチ(約2.5mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.2インチ(約5.0mm)の厚さを有してもよい。
【0025】
成形ポリマージョイントは、任意の有用な結合範囲を有することができる。本明細書で使用されるフレーズ「結合範囲」は、成形ポリマージョイントと、第1の部分及び第2の部分との間の全接触範囲を指す。一般に、成形ポリマージョイントの結合範囲は、少なくとも部分的に、例えば第1の部分及び第2の部分の独自性(identity)、第1の部分及び第2の部分の厚さ、第1の部分及び第2の部分の全体のサイズ、成形ポリマージョイントを形成しているメタセシスポリマーの独自性、成形ポリマージョイントの材料中に存在し得る若しくは存在し得ない他の構成部分、成形ポリマージョイントの厚さ(結合線)、又はそれらの組み合わせを含む、多数の要素に基づいて選択され得る。実施形態では、結合破壊(結合破壊とは、成形ポリマージョイント/部分の境界面が第1の部分又は第2の部分のいずれか自体が破壊される前に破壊される状態を指す)に必要な力を増大させるために結合範囲を増大させることができる。
【0026】
成形ポリマージョイントの形状は多様であってもよく、また少なくとも部分的に、共に結合される物品に依存し得る。実施形態では、成形ポリマージョイントの形状は、成形ポリマージョイントを創作するために形成され得る鋳型にも少なくとも部分的に依存し得る。実施形態では、成形ポリマージョイントは、典型的なタイプのジョイントを形成してもよく、例えば成形ポリマージョイントは、突き合わせジョイント又はパッチジョイントと類似していてもよい。
【0027】
図1B及び1Cは、開示した物品の更なる実施例を示す。図1Bに示す物品101は、第1の部分106、第2の部分111及び成形ポリマージョイント116を含む。この実施形態における成形ポリマージョイント116は、突き合わせジョイントと類似すると見なすことができる。図1Cに示す物品102は、第1の部分107、第2の部分112及び成形ポリマージョイント117を含む。この実施形態における成形ポリマージョイント117は、パッチジョイントと類似すると見なすことができる。図1B及び1Cの物品から理解し得るように、ここに示される物品の2つの部分は、成形ポリマージョイントがなければ連結されないであろう。
【0028】
図1Dは、開示した物品の一実施例を示す。図1Dに示す物品150は、第1の部分151、第2の部分152、第3の部分153及び成形ポリマージョイント154を含む。この実施例は、成形ポリマージョイント154が、2つを越える部分を互いに結合して1つの物品を形成するのに使用されてもよい、(可能な多数の他の構成のうちの)1つの構成を図示する。
【0029】
また、成形ポリマージョイント又は物品の部分のいずれも矩形の形状である必要はないことに留意するべきである。図1Eは、矩形ではない成形ポリマージョイントを有する、開示した物品の一実施例を示す。図1Eに示す物品125は、第1の部分126、第2の部分127及び成形ポリマージョイント128を含む。図1Eから理解されるように、成形ポリマージョイント128は矩形の形状を有さず、代わりに三角柱の形状を有する。成形ポリマージョイント128の厚さは、ポリマージョイントの最大表面に直交し、かつ完全にポリマージョイントの容積内にある最長の線の長さによって記述することができる。成形ポリマージョイントは、本明細書に示されるもの以外の構成も有し得る。
【0030】
本明細書に開示した物品は、第1の部分及び第2の部分の成形ポリマージョイントに関連した配向及び構成を記述することによっても、更に記述することができる。これは例えば、第1の部分及び第2の部分に関連した第1の部分及び第2の部分の位置、又は成形ポリマージョイントの位置を記述することにより達成することができる。図1A、1B、1C及び1Dに示した例示的な物品における第1の部分及び第2の部分は、反対方向において成形ポリマージョイント(又は成形ポリマージョイントと接触している第1の部分及び第2の部分の領域)を越えて延びる。図1Dの例示的な物品では、第1の部分、第2の部分及び第3の部分が、成形ポリマージョイントを越えて延びている。それらの物品は、互いに結合されている物品をポリマー材料が実質的に全部、又は全部を覆う物品とは異なっている。
【0031】
図1A、1B及び1Cに示した物品は、成形ポリマージョイントの第1の部分及び第2の部分に関連した位置を記述することによっても、更に記述することができる。第1の部分又は第2の部分の結合表面(1つ又は複数)は、成形ポリマージョイントと接触している特定の部分である。本明細書で第1の部分又は第2の部分の主表面というフレーズが使用されているため、第1の部分又は第2の部分の主表面とは、その範囲が、その部分の全表面積の少なくとも1/6である表面を指す。本明細書で第1の部分又は第2の部分の副表面というフレーズが使用されているため、第1の部分又は第2の部分の副表面とは、その範囲が、その部分の全表面積の1/6以下である表面を指す。したがって、結合された主表面は、成形ポリマージョイントにより接触されることによって第2の部分に結合された第1の部分の主表面を指し、又はその逆を指す。したがって、結合された副表面は、成形ポリマージョイントにより接触されることによって第2の部分に結合された第1の部分の副表面を指し、又はその逆を指す。本明細書に開示した物品は、成形ポリマージョイントを越えて延びる、第1の部分及び第2の部分の主表面の少なくとも一部を有する。換言すれば、第1の部分及び第2の部分の主表面は、成形ポリマージョイントにより完全には覆われないか、又は接触されない。
【0032】
例えば、図1A及び1Bに示した物品では、成形ポリマージョイント(115及び116)は殆ど第1の部分と第2の部分との間に配置されている。実施形態において、成形ポリマージョイントは、実質的に完全に、又は完全に第1の部分と第2の部分との間に配置されていてもよい。図1Aに示した物品では、成形ポリマージョイント115は、殆ど第1の部分及び第2の部分の主表面の間に配置されている。実施形態において、成形ポリマージョイントは、実質的に完全に、又は完全に第1の部分及び第2の部分の主表面の間に配置されていてもよい。図1Bに示した物品では、成形ポリマージョイント116は、殆ど第1の部分及び第2の部分の副表面の間に配置されている。実施形態において、成形ポリマージョイントは、実質的に完全に、又は完全に第1の部分及び第2の部分の副表面の間に配置されていてもよい。
【0033】
図1Cに示した物品では、成形ポリマージョイントは、殆ど完全に第1の部分及び第2の部分の表面上に配置されている。図1Cに示した特定の実施形態では、成形ポリマージョイント117は、殆ど完全に第1の部分107及び第2の部分112の主表面上に配置されている。図1Cに示した物品内の成形ポリマージョイント117は、成形ポリマージョイント117の単一の表面が第1の部分107及び第2の部分112の両方と接触するよう構成されている。成形ポリマージョイント117下の第1の部分107及び第2の部分112の副表面は、互いに接触してもよいが、接触している必要がないことに留意するべきである。これらの副表面が互いに接触していない、又は互いに完全には接触していない実施形態では、成形ポリマージョイントは2つの物品の間の間隙内に前進してもよい。
【0034】
図1Dに示した物品では、物品150は、第1の部分151及び第2の部分152の主表面が、第3の部分153の副表面に結合されている構成を例示している。第3の部分153は、第3の部分153の主表面が第1の部分151及び第2の部分152のそれぞれの主表面に結合され得るように、別様に配置されてもよいことに留意するべきである。3つの部分の他の構成も可能であり、本明細書にて検討される。
【0035】
図1Eに示した物品では、物品125は、第1の部分126及び第2の部分127の主表面が互いに結合されている形態を例示している。物品は、他の構成及び又は更なる部分を含み得ることに留意するべきである。
【0036】
本明細書には、2つ以上の物品を互いに結合する方法も開示する。本明細書に開示した例示的な方法は、鋳型を形成する工程と、鋳型内に硬化性組成物を堆積させる工程と、を含む。本明細書に開示した例示的な別の方法は、第1の組成物及び第2の組成物を混合して硬化性組成物を形成する工程と、第1の物品及び第2の物品の少なくとも一部分を加熱する工程と、第1の物品及び第2の物品の少なくとも一部分に硬化性組成物を接触させる工程と、を含む。両方の方法は硬化性組成物を含むため、硬化性組成物に関する詳細を最初に説明する。
【0037】
本明細書で硬化性組成物というフレーズが使用されているため、硬化性組成物とは一般に、メタセシス重合により重合され得る組成物を指す。硬化性組成物は、一般に、一種以上のモノマー及びメタセシス触媒を含むことができる。一般に、モノマーは、メタセシス重合により重合し得る任意のモノマーであってもよい。上記に説明したようなモノマーを、硬化性組成物に使用することができる。ある実施形態では、硬化性組成物は1種類のみのモノマーを含み、ある実施形態では、硬化性組成物は2種類以上の異なるモノマーを含む。2種以上のモノマーの独自性及び量は、少なくとも部分的に、最終的な成形ポリマージョイントの所望の特性に基づいて選択され得る。
【0038】
硬化性組成物は、1種又は2種以上のメタセシス触媒を含有してもよい。メタセシス触媒又はメタセシス触媒系は、2つの別個の構成成分、触媒前駆体部分及び触媒活性剤部分から形成されもよい。そのようなメタセシス触媒を使用する際、触媒は2つの部分が一緒にされる迄、活性を有さない。そのような2成分型メタセシス触媒系は、反応射出成形(RIM)法を用いる場合に有利に使用され、これは触媒前駆体部分(第1の組成物)を含有する1つのモノマー流と触媒活性剤部分(第2の組成物)を含有する第2のモノマー流とが接触され得、重合は、2つの組成物が混合される迄、起こらないためである。
【0039】
実施形態において、1成分型メタセシス触媒、例えばルテニウムカルベン触媒(例えば、Grubbs I又はGrubbs II)は、本明細書では使用されない。2成分型メタセシス触媒は、2成分型触媒の高い反応速度により、重合中に硬化性組成物をより高い温度に到達させることができると考えられるが、これに依存するものではない。発熱と称してもよいそのようなより高い温度は、基材(結合される物品)中のポリマー鎖をより移動性とし、該ポリマー鎖の、成形ポリマージョイント中に形成されたポリマー鎖とのより強い相互作用を可能にし得る。そのような相互作用は、成形ポリマージョイントと、結合される物品との間の結合強度を高めることができる。
【0040】
通常知られている触媒前駆体部分を、本明細書に開示した第1の組成物中に使用することができる。例示的な触媒前駆体部分には、タングステン(W)又はモリブデン(Mo)及びそれらのハロゲン化物、酸化ハロゲン化物又は酸化物を挙げることができる。使用され得る例示的な触媒前駆体部分には、六塩化タングステン(WCl)が挙げられる。
【0041】
通常知られている触媒活性剤部分を、本明細書に開示した第2の組成物中に使用することができる。例示的な触媒活性剤部分には、トリアルキルアルミニウム化合物、ハロゲン化ジアルキルアルミニウム、又は二ハロゲン化アルキルアルミニウム;有機スズ及び有機鉛化合物;並びにテトラアルキルスズ化合物及びハロゲン化アルキルスズを挙げることができる。使用され得る例示的な触媒活性剤部分には、塩化ジエチルアルミニウム(EtAlCl又は(CAlCl)が挙げられる。
【0042】
代替的に、適切な発熱(結合される物品中のポリマー鎖が、成形ポリマージョイント中に形成されたポリマー鎖と強力に相互作用することを可能にする)に到達し得ることを条件として、1成分型メタセシス触媒を、硬化性組成物を得るのに使用することができる。一般に、そのような1成分型メタセシス触媒には、W又はMo含有触媒が挙げられる。
【0043】
特定のメタセシス触媒(触媒前駆体部分及び触媒活性剤部分)の選択と使用される量とは、使用されているモノマーの量及び/又は独自性、所望の反応条件、所望の硬化速度等に依存し得る。実施形態では、メタセシス触媒(触媒前駆体部分及び触媒活性剤部分)は、モノマーの総重量に対して約0.001重量%(重量パーセント)〜約10重量%含まれてもよい。実施形態では、メタセシス触媒(触媒前駆体部分及び触媒活性剤部分)は、モノマーの総重量に対して約0.01重量%〜約2重量%含まれてもよい。
【0044】
触媒前駆体部分及び触媒活性剤部分の全部でなくともいくつかが、環境湿度及び酸素に感受性であるため、実施形態では、反応溶液は不活性条件下で維持される。混合後、重合が急速で空気への暴露が最小である限り、硬化性組成物を空気で満たされた鋳型内に注入してもよい。実施形態では、硬化性組成物を導入するのに先だって鋳型を窒素等の不活性ガスでパージしてもよい。重合は室温で起こることができ、又は重合を加速するのに熱を使用してもよい。
【0045】
硬化性組成物は、場合により他の構成成分を含有してもよい。そのような場合による構成成分は、第1の組成物、第2の組成物、又は両方に導入されてもよい。添加剤としては、キレート化剤、ルイス塩基、可塑剤、無機充填剤、及び抗酸化剤、例えばフェノール性抗酸化剤を挙げることができる。
【0046】
実施形態では、例えば少量の水、アルコール、酸素、又は任意の酸素含有化合物を加えて触媒前駆体の活性を増大させてもよい。
【0047】
触媒前駆体部分を含有する第1の組成物は、触媒活性剤部分を含有する第2の組成物と混合される前に重合され得る。キレート化剤又はルイス塩基安定剤の添加は、この可能性を最小限にし得る。例示的な安定剤としては、2,4−ペンタンジオン又はベンゾニトリルが挙げられる。安定剤が添加される場合、安定剤は、触媒前駆体部分に対して50mol%(モルパーセント)〜300mol%、実施形態では、触媒前駆体部分に対して100mol%〜200mol%添加されてもよい。
【0048】
第2の組成物は、場合による添加剤も含有し得る。第2の組成物にルイス塩基を添加することにより、硬化性組成物のゲル化が遅延し、それにより作業時間を延長することができる。硬化性組成物のゲル化の遅延は、シクロオレフィン系モノマーが基材表面に浸透し、成形ポリマージョイント材料と第1の部分及び第2の部分のポリマーとの間の相互作用を増大させる追加の時間を提供することもできる。この目的のための1つの例示的なルイス塩基は、ブチルエーテルである。成形ポリマージョイント中に重合することができるために有利に使用され得る例示的な別のルイス塩基は、ノルボルン−2−エン−5−カルボン酸ブチルエステルである。可塑剤として作用するために有利に使用され得る例示的なルイス塩基の別のクラスには、フタル酸アルキルが挙げられる。ルイス塩基の量は、硬化性組成物のゲル化を遅延させるのに十分であるが、急速な発熱硬化を妨げないよう選択される必要がある。ルイス塩基が含まれる場合、ルイス塩基は、触媒活性剤部分に対して約0mol%〜1000mol%、実施形態では、触媒活性剤部分に対して約200mol%〜500mol%添加されてもよい。
【0049】
場合によりハロゲン含有添加剤も含まれ得る。そのような添加剤は、重合中、モノマーの転換を増大させ得る。例示的なハロゲン含有添加剤は、トリクロロ酢酸エチルである。ハロゲン含有添加剤が使用される場合、ハロゲン含有添加剤は、触媒前駆体部分に対して約0mol%〜5000mol%、実施形態では、触媒前駆体部分に対して約500mol%〜2000mol%含まれ得る。
【0050】
場合による他の添加剤には、可塑剤、有機又は無機充填剤及び抗酸化剤(例えばフェノール性抗酸化剤)を挙げることができる。そのような任意の更なる添加剤は、通常使用される量にて使用されてもよい。一般に、それらの添加剤は、硬化性組成物の総量に対して10重量%未満の量で使用される。
【0051】
第1の組成物及び第2の組成物は、場合により溶媒を含有してもよく、及び/又は溶媒を使用して調製されてもよい。溶媒は、組成物の混合、及び/又は構成成分の溶解を補助するために含まれ得る。実施形態では、硬化性組成物中には溶媒が実質的に含まれないことが望ましい。溶媒が第1の組成物の形成のために、例えば触媒前駆体部分等の触媒系の構成成分を最初に溶解するのを補助するために使用された場合、硬化性組成物を形成する前に溶媒を真空除去することが望ましい。
【0052】
硬化性組成物が重合した後、該組成物は、メタセシス触媒により形成された材料を含む成形ポリマージョイントを形成する。実施形態では、成形ポリマージョイントの材料は、メタセシスポリマー及び触媒の残渣(及び/又は残りの触媒)を含む。実施形態では、例えば、成形ポリマージョイントの材料は、メタセシスポリマーと、触媒由来の残留W又はMoとを含み得る。
【0053】
本明細書に開示した例示的な方法は、第1の組成物及び第2の組成物を混合することにより硬化性組成物を形成する工程を含む。第1の組成物及び第2の組成物の混合は、硬化性組成物を鋳型に加える前に、又は硬化性組成物が鋳型内に堆積されている間に、又はそれらの組み合わせにて達成されてもよい。混合は、例えば第1の組成物及び第2の組成物を(別々に)ミキサーに加えることにより達成されてもよい。実施形態では、例えば衝突ミキサー(impingement mixer)又は静的ミキサーを使用してもよい。
【0054】
硬化性組成物は、混合された後、又は混合されている間、鋳型内に堆積され、硬化性組成物が、重合して成形ポリマージョイントを形成する。実施形態では、硬化性組成物は、鋳型内に注入されてもよい。ミキサーを使用して第1の組成物及び第2の組成物を混合する実施形態では、ミキサーは、鋳型と「インライン」であってもよく、硬化性組成物はミキサーから直接、鋳型内に堆積されてもよい。RIMに通常使用されているシステム及び装置を使用して、硬化性組成物の混合と、硬化性組成物の鋳型内への堆積(注入)を達成することができる。
【0055】
本明細書に開示した方法は、鋳型の形成工程を含んでもよい(又は鋳型を使用してもよい)。本明細書で使用される鋳型は、少なくとも部分的に、結合される物品から形成される。結合される物品は、場合により該物品が鋳型に形成される前又は後に改変又は処理され得る。例えば、物品は洗浄され、又は表面処理され、又はその両方であり得る。実施形態では、物品は研磨され、例えば紙やすりで磨かれ、溶媒で洗浄され得る。物品を処理する他の方法も使用することができる。
【0056】
鋳型は、互いに結合される物品から形成され、また場合により、結合されない他の物品から形成される。本明細書に記載されるように、鋳型の形成は、結合される物品を、結合されない他の構成成分と組み合わせて、内部に硬化性組成物が堆積され得る間隙又は画定されたキャビティを形成する工程を含んでもよい。間隙又は画定されたキャビティは、成形ポリマージョイントを最終的に形成する鋳型である。他の構成成分はシムとして記載されてもよく、単にキャビティの開放末端部を閉鎖し得る。
【0057】
鋳型は成形ポリマージョイントの所望の寸法を提供するよう形成され得る。例えば、鋳型は成形ポリマージョイントの所望の厚さを得ることができるよう形成され得る。結合される物品は、鋳型の少なくとも1つの内面を形成し得る。実施形態では、結合される物品は、鋳型の少なくとも2つの内面を形成し得る。
【0058】
図1Aに示した物品は、鋳型の2つの末端部を形成する、第1の部分105及び第2の部分110を示す。シムを使用して3つの他の末端部を閉鎖し、1つの末端部のみを残して硬化性組成物の堆積を可能にし得る。例えば、矢印121、122及び123で示される表面を、シム(図示せず)を使用して閉鎖し、表面122の反対側のみを開放したまま残して硬化性組成物を堆積させてもよい。表面122の反対側以外の1つの表面を開放したまま残して硬化性組成物を堆積させてもよいことに留意するべきである。
【0059】
図1Bに示した物品は、鋳型の2つの末端部を形成する第1の部分106及び第2の部分111を示す。シムを使用して3つの他の末端部を閉鎖し、1つの末端部のみを残して硬化性組成物の堆積を可能にし得る。例えば、矢印131、132及び133で示される表面を、シム(図示せず)を使用して閉鎖し、表面132の反対側のみを開放したまま残して硬化性組成物を堆積させてもよい。表面132の反対側以外の1つの表面を開放したまま残して硬化性組成物を堆積させてもよいことに留意するべきである。
【0060】
図1Cに示した物品は、鋳型の1つの末端部を形成する第1の部分107及び第2の部分112を示す。シムを使用して4つの他の末端部を閉鎖し、1つの末端部のみを残して硬化性組成物の堆積を可能にし得る。例えば、矢印141、142、143及び144で示される表面を、シム(図示せず)を使用して閉鎖し、表面144の反対側のみを開放したまま残して硬化性組成物を堆積させてもよい。表面144の反対側以外の1つの表面を開放したまま残して硬化性組成物を堆積させてもよいことに留意するべきである。
【0061】
図1D及び1Eに示した物品も、シムを使用して1つの末端部以外を全部閉鎖して形成される鋳型から形成することができる。図1A、1B、1C、1D及び1Eに示した物品はまた、1つ以上の小開口部を除いた全部の末端部を閉鎖するシムを使用して形成されてもよく、該小開口部を通って硬化性組成物又は空気が流れてもよい。そのような鋳型を形成する任意の構成を使用することができ、本明細書にて検討される。
【0062】
成形ポリマージョイントによって結合されていない鋳型の部分が、互いに結合される物品が内部に配置されて鋳型を形成する構造の一部であり得ることを理解するべきである。成形ポリマージョイントによって結合されていない鋳型の部分は、硬化性組成物に強力に結合しない材料から形成され得る。例示的な材料としては、金属及びガラス、並びに例えば、シリコーン、フルオロポリマー及びポリエステル等のいくつかの高分子材料が挙げられる。鋳型は、第1の部分及び第2の部分に加えて、全部が鋳型を作製するために組み立てられる多数の部品を含んでもよい。代替的に、鋳型は、鋳型を作製するために第1の部分及び第2の部分と共に組み立てられる単一の部品を含んでもよい。
【0063】
鋳型又はその一部は、形成された後、場合により硬化性組成物を内部に堆積させる前に加熱されてもよい。実施形態では、結合される物品から形成されている鋳型の少なくとも一部分が加熱され得る。鋳型は、結合される物品を熱損傷させる程高くはない温度で加熱され得る。実施形態では、鋳型(又はその一部分)は、室温(約25℃)を越える温度に加熱されてもよい。実施形態では、鋳型(又はその一部分)は、少なくとも約50℃の温度に加熱されてもよい。実施形態では、鋳型(又はその一部分)は、少なくとも約75℃に加熱されてもよい。鋳型(又はその一部分)は、ヒートガン、オーブン、誘導加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱を用いて、又は直接接触加熱により加熱されてもよい。
【0064】
場合により加熱される、成形ポリマージョイントの形成方法では、成形ポリマージョイント(又は結合線)の厚さは、結合される物品を加熱しないで形成される成形ポリマージョイントと比較して低下され得る。実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.03インチ(約0.76mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.05インチ(約1.27mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.1インチ(約2.54mm)の厚さを有してもよい。
【0065】
場合により少なくとも約50℃(実施形態では、約75℃)に加熱される、成形ポリマージョイントの形成方法では、成形ポリマージョイント(又は結合線)の厚さは、結合される物品を加熱しないで形成される成形ポリマージョイントと比較して低下され得る。少なくとも約50℃(実施形態では、約75℃)に加熱されている間に成形ポリマージョイントが形成された実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.03インチ(約0.76mm)の厚さを有してもよい。少なくとも約50℃(実施形態では、約75℃)に加熱されている間に成形ポリマージョイントが形成された実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.05インチ(約1.27mm)の厚さを有してもよい。少なくとも約50℃(実施形態では、約75℃)に加熱されている間に成形ポリマージョイントが形成された実施形態では、成形ポリマージョイントは、少なくとも約0.1インチ(約2.54mm)の厚さを有してもよい。
【0066】
硬化性組成物が硬化した後、(少なくとも2つの)物品は互いに結合され、硬化した硬化性組成物が物品を互いに結合するよう機能している。2つの又は2つを越える物品は、本明細書に開示した方法を用いて互いに結合されることができる。一般に、硬化性組成物の硬化は、鋳型内の硬化性組成物の堆積後に比較的急速に起こるであろう。実施形態では、硬化性組成物は、約10分以内に実質的に硬化するであろう。
【0067】
本明細書に開示した方法は、硬化性組成物が実質的に硬化した後、鋳型の少なくとも一部分を取り外す工程も含み得る。例えば、結合される物品以外の鋳型部分を、成形ポリマージョイントから除去してもよい。結合される物品が、他の鋳型部分を含む構造内に配置される実施形態では、この取り外しは、結合された物品(第1の部分、第2の部分、及び成形ポリマージョイントを含む)を除去することにより達成され得る。
【0068】
本明細書に開示した例示的な別の方法は、第一の組成物及び第2の組成物を混合して硬化性組成物を形成する工程と、第1の物品及び第2の物品の少なくとも一部分を加熱する工程と、硬化性組成物を第1の物品及び第2の物品の少なくとも一部分と接触させて、2つの物品を互いに結合する結合ポリマージョイントを形成する工程と、を含む。第1の組成物、第2の組成物及び硬化性組成物は、上記に説明した通りであり得る。本方法は、第1の物品と第2の物品とを互いに結合するよう機能する。第1の物品及び第2の物品は、上記に説明した互いに結合される物品と同様であってもよい。
【0069】
そのような方法は、第1の物品及び第2の物品の少なくとも一部分を、室温を超える温度に加熱する工程を含む。実施形態では、第1の物品及び第2の物品の、少なくとも硬化性組成物と接触する領域を、室温(約25℃)を越える温度に加熱する。実施形態では、第1の物品及び第2の物品の、少なくとも硬化性組成物と接触する領域を、少なくとも50℃に加熱する。実施形態では、第1の物品及び第2の物品の、少なくとも硬化性組成物と接触する領域を、少なくとも75℃に加熱する。第1の物品及び第2の物品の部分は、ヒートガン、オーブン、誘導加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱を用いて、又は直接接触加熱により加熱されてもよい。
【0070】
そのような方法は、硬化性組成物を第1の物品及び第2の物品の少なくとも一部分と接触させて、結合ポリマージョイントを形成する工程も含む。上記に説明した方法とは異なり、この工程には鋳型を必要としないが、鋳型を用いてもよい。この工程は、硬化性組成物を第1の物品と接触させた後、第2の物品を硬化性組成物と接触させることにより、又は硬化性組成物を第2の物品と接触させた後、第1の物品を硬化性組成物と接触させることにより、又は硬化性組成物を第1の物品及び第2の物品の両方と接触させた後、第1の物品及び第2の物品の硬化性組成物を互いに接触させることにより、達成され得る。
【0071】
結合される物品は、場合により、硬化性組成物と接触させる前に改変又は処理されてもよい。例えば、物品は洗浄され、又は表面処理され、又はその両方であり得る。実施形態では、物品は研磨され、例えば紙やすりで磨かれ、溶媒で洗浄され得る。物品を処理する他の方法も使用することができる。
【0072】
硬化性組成物が硬化した後、結合ポリマージョイントが形成される。結合ポリマージョイントは、2つの物品を互いに結合するよう機能する。結合ポリマージョイントは、一般に、硬化性組成物のメタセシス重合により形成されたポリマーを含む。
【0073】
結合ポリマージョイントは、一般に、第1の物品及び第2の物品の少なくとも一部分が加熱されるため、成形ポリマージョイントの厚さよりも小さい厚さを有する。そのような加熱は、結合される物品のポリマーを結合ポリマージョイントのポリマーと絡ませることができるため、ジョイントの結合強度に寄与し得る。実施形態では、結合ポリマージョイントは、少なくとも約0.005インチ(約0.13mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、結合ポリマージョイントは、少なくとも約0.01インチ(約0.25mm)の厚さを有してもよい。実施形態では、結合ポリマージョイントは、少なくとも約0.03インチ(約0.76mm)の厚さを有してもよい。
【0074】
結合方法と物品とを含む様々な項目を提供する。
【0075】
少なくとも2つの物品を互いに結合する方法である、第一の項目を提供する。方法は、少なくとも部分的に物品から形成されている鋳型を形成する工程と、鋳型内に硬化性組成物を堆積させる工程であって、硬化性組成物がメタセシス重合により重合して、2つの物品を互いに結合する成形ポリマージョイントを形成する工程と、を含む。
【0076】
第1の項目の変形であってもよい第2の項目を提供する。第2の項目では、硬化性組成物は第1の組成物及び第2の組成物の混合物を含み、第1の組成物は、第1のモノマー及び触媒前駆体部分を含み、第2の組成物は、第2のモノマー及び触媒活性剤部分を含み、触媒前駆体部分及び触媒活性剤部分は一緒にメタセシス触媒を形成し、第1のモノマー及び第2のモノマーは、同一でも又は異なっていてもよい。
【0077】
第2の項目の変形であってもよい第3の項目を提供する。第3の項目では、第1の組成物及び第2の組成物は、硬化性組成物が鋳型内に堆積される前、又は硬化性組成物が鋳型内に堆積されている間のいずれかに混合される。
【0078】
第1〜第3の項目の任意の1つの変形であってもよい第4の項目を提供する。第4の項目では、方法は、硬化性組成物を鋳型内に堆積させる前に、鋳型の少なくとも一部分を加熱する工程を更に含む。
【0079】
第1〜第4の項目の任意の1つの変形であってもよい第5の項目を提供する。第5の項目では、方法は、硬化性組成物を鋳型内に堆積させる前に、鋳型の少なくとも一部分を少なくとも約50℃の温度に加熱する工程を更に含む。
【0080】
第1〜第5の項目の任意の1つの変形であってもよい第6の項目を提供する。第6の項目では、方法は、硬化性組成物を鋳型内に堆積させる前に、鋳型の少なくとも一部分を少なくとも約75℃の温度に加熱する工程を更に含む。
【0081】
第1〜第6の項目の任意の1つの変形であってもよい第7の項目を提供する。第7の項目では、鋳型を形成する工程は、少なくとも約1.3mmの厚さを有するキャビティを形成する工程を含む。
【0082】
第1〜第7の項目の任意の1つの変形であってもよい第8の項目を提供する。第8の項目では、鋳型を形成する工程は、物品を使用して鋳型の少なくとも1つの内面を形成する工程を含む。
【0083】
第1〜第8の項目の任意の1つの変形であってもよい第9の項目を提供する。第9の項目では、鋳型を形成する工程は、物品を使用して鋳型の少なくとも2つの内面を形成する工程を含む。
【0084】
第1〜第9の項目の任意の1つの変形であってもよい第10の項目を提供する。第10の項目では、鋳型の少なくとも一部分を成形ポリマージョイントから取り外す工程を更に含む。
【0085】
第1〜第10の項目の任意の1つの変形であってもよい第11の項目を提供する。第11の項目では、鋳型は、第1の部分及び第2の部分がキャビティを越えて延びて、反対方向において成形ポリマージョイントを形成するよう構成されている。
【0086】
第1〜第11の項目の任意の1つの変形であってもよい第12の項目を提供する。第12の項目では、第1の部分及び第2の部分の両方が少なくとも1つの主表面を有し、第1の部分及び第2の部分の主表面は、成形ポリマージョイントによって完全には覆われていない。
【0087】
物品である、第13の項目を提供する。物品は、第1の部分、第2の部分及び成形ポリマージョイントを含む。成形ポリマージョイントは第1の部分を第2の部分に結合し、成形ポリマージョイントは少なくとも約1.3mmの厚さを有し、成形ポリマージョイントはメタセシスポリマーを含み、第1の部分及び第2の部分の両方は、成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する。
【0088】
第13の項目の変形であってもよい第14の項目を提供する。第13の項目では、成形ポリマージョイントは、ポリジシクロペンタジエン(pDCPD)を含む。
【0089】
第13又は第14の項目の変形であってもよい第15の項目を提供する。第15の項目では、第1の部分及び第2の部分は、反対側において成形ポリマージョイントを越えて延びる。
【0090】
第13〜第15の項目の任意の1つの変形であってもよい第16の項目を提供する。第16の項目では、第1の部分及び第2の部分はポリオレフィンである。
【0091】
第13〜第16の項目の任意の1つの変形であってもよい第17の項目を提供する。第17の項目では、第1の部分及び第2の部分は、それぞれ独立して、ポリプロピレン、ポリエチレン及び熱可塑性エラストマーから選択される。
【0092】
第13〜第17の項目の任意の1つの変形であってもよい第18の項目を提供する。第18の項目では、成形ポリマージョイントは、完全に第1の部分と第2の部分の間とに配置されている。
【0093】
第13〜第18の項目の任意の1つの変形であってもよい第19の項目を提供する。第19の項目では、成形ポリマージョイントは、完全に第1の部分及び第2の部分の主表面の間に配置されている。
【0094】
第13〜第19の項目の任意の1つの変形であってもよい第20の項目を提供する。第20の項目では、成形ポリマージョイントは、完全に第1の部分及び第2の部分の副表面の間に配置されている。
【0095】
第13〜第20の項目の任意の1つの変形であってもよい第21の項目を提供する。第21の項目では、成形ポリマージョイントは第1の表面を有し、成形ポリマージョイントの第1の表面は、第1の部分及び第2の部分の両方と接触する。
【0096】
第13〜第21の項目の任意の1つの変形であってもよい第22の項目を提供する。第22の項目では、成形ポリマージョイントは、タングステン、モリブデン、又は両方を更に含む。
【0097】
第13〜第22の項目の任意の変形1つであってもよい第23の項目を提供する。第23の項目では、第1の部分及び第2の部分の両方は少なくとも1つの主表面を有し、第1の部分及び第2の部分の少なくとも1つの主表面は、成形ポリマージョイントによって完全には覆われていない。
【0098】
第13〜第23の項目の任意の1つの変形であってもよい第24の項目を提供する。第24の項目では、第1の部分は、第2の部分とは異なる組成物を有し、第1の部分及び第2の部分の両方は、成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する。
【実施例】
【0099】
特に記載がない限り、実施例及びこれ以降の明細書における部、割合、比率等はいずれも重量基準である。
【0100】
結合試験
自己締め付けグリップと22,000N最大荷重セルとを備えたSINTECH荷重枠(MTS Systems Corporation,Eden Prairie,MNから市販)を使用して試験を行った。試料をグリップ内に配置して、試料が破壊する迄、グリップを2インチ(51mm)/分で分離した。試料破壊前のピーク荷重を記録した。矩形結合範囲の長さ及び幅を測定した。ピーク荷重をこの範囲で除算して、結合強度を与えた。それぞれの試料の組に関して、少なくとも3つの複製物を試験して、試料の組の平均結果を報告する。
【0101】
調製実施例1:
W触媒溶液の調製
オーブン乾燥した500mLのフラスコに、窒素下でWCl(2.00g、Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)及びトルエン(EMD/Merck,Darmstadt Germany)約100mLを入れた。この混合物を窒素でパージしながら1時間攪拌した。ノニルフェノール(1.1グラム、Sigma−Aldrich)をシリンジで加え、溶液を窒素パージ下で4時間攪拌した。次に、注射器を使用して2,4−ペンタンジオン(0.77グラム、Acros Organics,Geel,Belgium)を加え、この溶液を窒素パージ下で17時間撹拌した。ジシクロペンタジエン(250mL、TCI America,Portland,OR製、4重量%のエチリデンノルボルネンを含み、モレキュラーシーブ上で乾燥)を加えた。フラスコを60℃の油浴内に配置し、真空を1.5時間適用してトルエン(及びいくつかのジシクロペンタジエン等のその他の揮発物)を除去した。この時点で、追加のジシクロペンタジエン106mLを加えて、溶液の総重量を最大247gまで戻し、2,4−ペンタンジオンの追加充填分(0.77グラム)を加えた。
【0102】
調製実施例2:
ジシクロペンタジエン反応性樹脂
オーブン乾燥した三角フラスコを隔壁で塞ぎ、窒素でパージした。注射器を使用してジシクロペンタジエン223mLをフラスコに移動した。次に、トリクロロ酢酸エチル(2.1mL、Sigma−Aldrich)及び調製実施例1の触媒溶液75mLを加えた。
【0103】
ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)(1.90グラム、Sigma−Aldrich)及びトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(3.86グラム、TCI America)を別個のオーブン乾燥三角フラスコ内に配置した後、これを隔壁で塞ぎ、窒素でパージした。ジシクロペンタジエン(216.2mL)及びSANTICIZER261A(50mL、Ferro Corporation,Bridgeport,NJ製のフタル酸エステル系可塑剤)を加えた。この混合物を数分撹拌して固形物を溶解した。塩化ジエチルアルミニウム(Sigma−Aldrich)のジシクロペンタジエン中の10容積%(容積パーセント)溶液28mLを加えた。
【0104】
調製実施例3:
ジシクロペンタジエン反応性樹脂
オーブン乾燥した三角フラスコを隔壁で塞ぎ、窒素でパージした。注射器を使用してジシクロペンタジエン18.7mLをフラスコに移動した。次に、トリクロロ酢酸エチル(0.25mL)及び調製実施例1の触媒溶液6.1mLを加えた。
【0105】
ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)(0.25グラム)を別個のオーブン乾燥三角フラスコ内に配置した後、これを隔壁で塞ぎ、窒素でパージした。ジシクロペンタジエン(22.2mL)及びブチルエーテル(0.19mL、TCI America)を加えた。この混合物を数分撹拌して固形物を溶解した。塩化ジエチルアルミニウムのジシクロペンタジエン中の10容積%溶液2.3mLを加えた。
【0106】
(実施例1)
ポリプロピレンによる重なり剪断力(OverlapShear)
ポリプロピレンシート(7インチ×4インチ×1/4インチ(180mm×100mm×6mm)、Plastics International,Eden Prairie,MN)を180グリットのサンドペーパーで磨き、イソプロパノールで拭った。2つのシートをシムシステムと共に組み立てて、部分的に重なるシート縁の間に、画定されたキャビティを創作した。表1に示すように、様々なサイズのキャビティを試験した。等容積の調製実施例2の2つの樹脂を、静的ミキサーを介してキャビティ内に注入し(室温(RT)で)、硬化させた。次に、シートを鋸で切って、ポリプロピレンの1インチ×4インチ(25mm×100mm)切り取り試片の対を与え、前記切り取り試片は、それらの範囲の一部分が重なり、メタセシスポリマーの層により連結されていた。試料を破壊される迄試験した。結果を表1に示す。
【0107】
(実施例2)
加熱されたポリプロピレン基材による重なり剪断力
実施例1の手順を繰り返したが、樹脂を加える前に、基材を50℃又は75℃に加熱した。結果を以下の表1にまとめる。
【0108】
【表1】

【0109】
(実施例3)
他の基材による重なり剪断力
実施例1の一般的手順を、磨かれていない、厚さ1/8インチ(3.2mm)のLDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、UHMW−PE(超高分子量ポリエチレン)及びSANTOPRENE基材(全てK−Mac Plastics,Wyoming,MI製)と共に用いた。調製実施例3の樹脂を使用した。全ての場合において、メタセシスポリマーの厚さ(即ち結合線)は0.12インチ(3mm)であり、重なり範囲は公称1インチ×1/2インチ(25mm×13mm)であり、試料はRTで調製した。結果を表2にまとめる。
【0110】
【表2】

【0111】
(実施例4)
LDPE及びより短い結合線による重なり剪断力
実施例3を繰り返したが、メタセシスポリマーの厚さ(即ち、結合線)を0.06インチ(1.5mm)に低下させた。この場合、OLS(重なり剪断力)は1.1MPaであり、試料は接着破壊により破壊された。
【0112】
比較例5−
ポリプロピレン及びルテニウム触媒による重なり剪断力
実施例1aを繰り返したが、トルエン0.5mLとの溶液中の0.05グラムのGrubbs第1世代触媒(Sigma−Aldrich)を、DCPD 22.5mL、SANTICIZER 261a 2.5mL、ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)0.08グラム及びトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.17gを含有する溶液に加えることにより樹脂を調製した。平均剪断強度は1.1MPaであり、試料は接着破壊を受けた。
【0113】
(実施例6)
突き合わせジョイント
ポリプロピレンシート(7インチ×4インチ×1/4インチ(180mm×100mm×6mm))の1つの7インチ×1/4インチ(180mm×6mm)縁を180グリットのサンドペーパーで磨き、イソプロパノールで拭った。ガラス板及びシリコーンシートを使用して、磨かれた2つのポリプロピレンシート縁の間に約6インチ×0.5インチ×1/4インチ(約150mm×13mm×6mm)のキャビティを創作した。次に、等容積の調製実施例2の2つの樹脂構成成分を、静的ミキサーを介してキャビティ内に注入した。樹脂が硬化した後、ガラス及びシリコーンを除去した。試料を幅1インチ(25mm)の細長片に切った。この最終的な試験標本は、長さ0.5インチ(13mm)のメタセシスポリマー区分により連結されて、ほぼ8.5インチ×1インチ×1/4インチ(220mm×25mm×6mm)の平坦な組立品を創作する2つの1インチ×4インチ(25mm×100mm)ポリプロピレン切り取り試片であった。試料を破壊される迄試験し、12個の標本の平均ピーク荷重は1700Nであった。試料は接着破壊を受けた。
【0114】
(実施例7)
ポリプロピレンによるパッチジョイント
ポリプロピレンシート(7インチ×4インチ×1/8インチ(180mm×100mm×6mm))の表面を、180グリットのサンドペーパーで磨き、イソプロパノールで拭った。2つのポリプロピレンシートを、7インチ(180mm)の縁に沿って、縁対縁にて配置した。ガラス板及びシリコーンシートを使用して、2つのシートの継ぎ目を架橋する約6インチ×1インチ×1/8インチ(約150mm×25mm×3mm)のキャビティを創作した。次に、等容積の調製実施例2の2つの樹脂構成成分を、静的ミキサーを介してキャビティ内に注入した。樹脂が硬化した後、ガラス及びシリコーンを除去した。試料を幅1インチ(25mm)の細長片に切った。この最終的な試験標本は、同一平面上にある2つの1インチ×4インチ×1/8インチ(25mm×100mm×3mm)ポリプロピレン切り取り試片であり、2つのポリプロピレン切り取り試片の上面に1インチ×1インチ×1/8インチ(25mm×25mm×3mm)のメタセシスポリマー層が結合されていた。試料を破壊される迄試験し、11個の標本の平均ピーク荷重は1000Nであった。試料は接着破壊を受けた。
【0115】
(実施例8)
LDPEによるパッチジョイント
ポリプロピレンの代わりにLDPEを使用し、調製実施例3の樹脂を使用して、実施例7のプロセスを繰り返した。3つの標本の平均ピーク荷重は、790Nであった。試料は、LDPEの基材破壊を受けた。
【0116】
このように、物品を結合する方法と、該方法により形成された物品との実施形態が開示されている。本開示が、開示されたもの以外の実施形態で実施され得ることは当業者には理解されよう。開示された実施形態は、図示の目的のために示され、制限のために示されてはおらず、本開示は以下の「特許請求の範囲」によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの物品を互いに結合する方法であって、
少なくとも部分的に前記物品から形成されている鋳型を形成する工程と、
前記鋳型内に硬化性組成物を堆積させる工程であって、前記硬化性組成物がメタセシス重合により重合して、前記2つの物品を互いに結合する成形ポリマージョイントを形成する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記硬化性組成物が第1の組成物及び第2の組成物の混合物を含み、前記第1の組成物が第1のモノマー及び触媒前駆体部分を含み、前記第2の組成物が第2のモノマー及び触媒活性剤部分を含み、前記触媒前駆体部分及び前記触媒活性剤部分が一緒にメタセシス触媒を形成し、前記第1のモノマー及び前記第2のモノマーが同一でも又は異なっていてもよい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の組成物及び前記第2の組成物が、前記硬化性組成物が前記鋳型内に堆積される前、又は前記硬化性組成物が前記鋳型内に堆積されている間のいずれかに混合される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記鋳型内に前記硬化性組成物を堆積させる前に、前記鋳型の少なくとも一部分を加熱する工程を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鋳型内に前記硬化性組成物を堆積させる前に、前記鋳型の少なくとも一部分を少なくとも約50℃の温度に加熱する工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記鋳型内に前記硬化性組成物を堆積させる前に、前記鋳型の少なくとも一部分を少なくとも約75℃の温度に加熱する工程を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記鋳型を形成する前記工程が、少なくとも約1.3mmの厚さを有するキャビティを形成する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記鋳型を形成する前記工程が、前記物品を使用して、前記鋳型の少なくとも1つの内面を形成する工程を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記鋳型を形成する前記工程が、前記物品を使用して、前記鋳型の少なくとも2つの内面を形成する工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記成形ポリマージョイントから前記鋳型の少なくとも一部分を取り外す工程を更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記鋳型が、前記第1の部分及び前記第2の部分が前記キャビティを越えて延びて、反対方向において前記成形ポリマージョイントを形成するよう構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の部分及び第2の部分の両方が、少なくとも1つの主表面を有し、前記第1の部分及び第2の部分の前記主表面が、前記成形ポリマージョイントによって完全には覆われていない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第1の部分と、
第2の部分と、
成形ポリマージョイントと、を含む物品であって、
前記成形ポリマージョイントが前記第1の部分を前記第2の部分に結合し、前記成形ポリマージョイントが少なくとも約1.3mmの厚さを有し、前記成形ポリマージョイントがメタセシスポリマーを含み、前記第1の部分及び前記第2の部分の両方が、前記成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する、物品。
【請求項14】
前記成形ポリマージョイントが、ポリジシクロペンタジエン(pDCPD)を含む、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記第1の部分及び前記第2の部分が、反対方向において前記成形ポリマージョイントを越えて延びる、請求項13又は14に記載の物品。
【請求項16】
前記第1の部分及び前記第2の部分がポリオレフィンである、請求項13〜15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記第1の部分及び前記第2の部分がそれぞれ独立して、ポリプロピレン、ポリエチレン及び熱可塑性エラストマーから選択される、請求項13〜16のいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
前記成形ポリマージョイントが、前記第1の部分と第2の部分との間に完全に配置されている、請求項13〜17のいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
前記成形ポリマージョイントが、前記第1の部分及び第2の部分の主表面の間に完全に配置されている、請求項13〜18のいずれか一項に記載の物品。
【請求項20】
前記成形ポリマージョイントが、前記第1の部分及び第2の部分の副表面の間に完全に配置されている、請求項13〜19のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
前記成形ポリマージョイントが第1の表面を有し、前記成形ポリマージョイントの前記第1の表面が、前記第1の部分及び第2の部分の両方と接触する、請求項13〜20のいずれか一項に記載の物品。
【請求項22】
前記成形ポリマージョイントが、タングステン、モリブデン、又は両方を更に含む、請求項13〜21のいずれか一項に記載の物品。
【請求項23】
前記第1の部分及び第2の部分の両方が、少なくとも1つの主表面を有し、前記第1の部分及び第2の部分の前記少なくとも1つの主表面が、前記成形ポリマージョイントによって完全には覆われていない、請求項13〜22のいずれか一項に記載の物品。
【請求項24】
前記第1の部分が、前記第2の部分とは異なる組成物を有し、前記第1の部分及び第2の部分の両方が、前記成形ポリマージョイントとは異なる組成物を有する、請求項13〜23のいずれか一項に記載の物品。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【公表番号】特表2013−515140(P2013−515140A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546030(P2012−546030)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/060269
【国際公開番号】WO2011/084418
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】