物品保管装置及びコンベア装置
【課題】配線工事が容易であり、且つ迅速な仕様変更が可能な物品保管装置の提供。
【解決手段】複数の保管区画A〜Eを有し、複数のパレット80を保管する物品保管装置1において、パレット80を搬送する搬送装置3を有し、搬送装置3は保管区画A〜Eごとに制御ゾーンA〜Eに分割されており、複数の制御ゾーンA〜E毎に制御装置101〜105を有し、少なくとも中間領域の制御ゾーンB〜Dが有する制御装置102〜104は、入荷検知手段を兼ねたモータ21と、RAMと、通信回路を備え、モータ21はパレット80が入ろうとしていることを検知可能であり、RAMはパレット80が存在するか否かを記憶可能であり、通信回路はパレット80が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、制御装置にはパレット80を物品排出側に詰めて保管するプログラムが内蔵されている。
【解決手段】複数の保管区画A〜Eを有し、複数のパレット80を保管する物品保管装置1において、パレット80を搬送する搬送装置3を有し、搬送装置3は保管区画A〜Eごとに制御ゾーンA〜Eに分割されており、複数の制御ゾーンA〜E毎に制御装置101〜105を有し、少なくとも中間領域の制御ゾーンB〜Dが有する制御装置102〜104は、入荷検知手段を兼ねたモータ21と、RAMと、通信回路を備え、モータ21はパレット80が入ろうとしていることを検知可能であり、RAMはパレット80が存在するか否かを記憶可能であり、通信回路はパレット80が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、制御装置にはパレット80を物品排出側に詰めて保管するプログラムが内蔵されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品保管装置に関し、さらに詳細には、直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置に関するものである。また本発明は、コンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流センターや大型倉庫等の施設では、大量の物品が日々取り扱われている。例えば大型倉庫であれば、大型の棚枠体が複数列に渡って配置されている。ここで各棚枠体は、全長が10メートル以上にも及ぶ細長いものであり、且つ複数段の棚板がある。
【0003】
そのような施設では、一般的に、パレット等に載せられた物品をフォークリフト等の自走搬送装置(自走機能を備えたマテリアルハンドリング機器)で、複数段の高さを有する棚枠体に入庫し、或いは出庫している。フォークリフトによる棚枠体への入庫可能な奥行きは、フォークリフトの爪の長さによって制限される。フォークリフトによる棚枠体への入庫可能な奥行きは、せいぜいパレット1個分である。そのため物品の棚枠体に対する搬入・排出は、棚枠体を長手方向に見て、正面側から行わざるを得ない。
【0004】
この様な理由から、棚枠体は、列を詰めて配置することができず、棚枠体同士の間にフォークリフトの移動が可能な通路が必要となる。そのため、従来技術の大型倉庫では、棚枠体と棚枠体の間には必ず通路を設ける必要があり、限られた面積しか有さない施設では、物品の取扱量にすぐに限界が生じてしまう。このような問題の対策として、特許文献1に開示されたような物品保管設備を用いることが考えられる。
【0005】
特許文献1には、棚枠体に複数の短尺コンベアがつなぎ合わされた物品保管設備が開示されている。特許文献1に開示された物品保管設備では、棚枠体の長手方向の一方側からフォークリフトで物品を入庫し、電動モータで駆動される各コンベアに物品を載せ、各コンベア間を搬送させることで、物品を棚枠体内にストレージ(保管)できる。そして、ストレージされた物品を、棚枠体の長手方向の他方側からフォークリフトで任意に出庫できる。つまり、棚枠体の奥行き方向(長手方向)に、複数の物品を直列に配列させることができるため、従来必須だった棚と棚の間の通路が不要となり、施設における対面積当たりの物品の占有率を高めることが可能である。すなわち、限られた面積しか有さない施設でも、多くの物品を取り扱うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−347914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示された物品保管設備では、複数の短尺コンベアそれぞれに在荷検知手段(センサ)が必須であり、配線工事に手間が掛かる。また、コンベアの追加や削除等の際にも、在荷検知手段の配線工事が必要となり、仕様変更(レイアウトの変更)を容易に行うことができない。
【0008】
上記した現状に鑑み、本発明は、配線工事が容易であり、且つ迅速な仕様変更(レイアウトの変更)が可能な物品保管装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、物品を搬送するコンベア装置を有し、前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、前記コンベア装置は、各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置である。
【0010】
本発明の物品保管装置では、物品を搬送するコンベア装置を備えている。このコンベア装置は、少なくとも物品搬入側(上流側)から物品排出側(下流側)に向かって走行するものである。またこのコンベア装置は、直列的に並んだ複数の保管区画ごとに、制御ゾーンに分けられている。このコンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーン(最上流に位置する制御ゾーン)と、物品排出側の端部の制御ゾーン(最下流に位置する制御ゾーン)は、在荷検知手段を備えている。一方、コンベア装置の中間領域の制御ゾーンには在荷検知手段を設ける必要がない。
これを可能にしたのが、中間領域の制御ゾーンが有する制御装置である。
【0011】
簡単に説明すると、中間領域の制御ゾーンを制御する制御装置は、入荷検知手段で物品が到着したことを検知可能であり、在荷記憶手段でその制御装置の在荷情報を記憶可能であり、通信手段でその制御装置の在荷情報を物品搬入側(進行方向後方)の制御装置に通信可能である。つまり、中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段で検知した情報を、在荷記憶手段で保持し続けることができる。その結果、中間領域の制御ゾーンは、「在荷検知手段」で物品の有無を監視し続ける必要がなく、「在荷検知手段」が不要となったものである。このため、従来と比べて在荷検知手段の数量が格段に減ることから、配線工事は容易となる。同様に、コンベアの追加や削除等の仕様変更(レイアウト変更)の際にも、配線工事に手間取ることがない。なお、物品を検知するための在荷検知手段は、物品保管装置の「入口と出口」に当たる、物品搬入側の端部(最上流)の制御ゾーンと物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンに設けるだけで良い。
【0012】
また、本発明の物品保管装置は、物品を物品排出側(進行方向前方)に詰めて保管する機能を有する。そのため、物品排出側(下流側)の制御ゾーンが「空」であることを物品搬入側(上流側)の制御ゾーンの制御装置の在荷記憶手段と通信手段信を活用して確認し、物品排出側の制御ゾーンが「空」の場合にのみ、物品を物品排出側の制御ゾーンへと自動で搬送させることが可能である。
【0013】
「詰めて保管」とは、搬入された物品を順次奥へ詰めて保管することである。本発明において、複数の物品を「詰めて保管」すると、物品は、物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンを先頭にして連続的に並ぶ。このとき、物品間に「空」の制御ゾーンは生じない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記コンベア装置は、モータとコロ又はプーリを有し、コロ又はプーリはモータに連動するものであり、入荷検知手段は、自己の制御ゾーンのコロ又はプーリが強制的に回転されたことを条件の1つとして、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知することを特徴とする請求項1に記載の物品保管装置である。
【0015】
本発明は、前記した発明をより具体化したものである。本発明では、コンベア装置は、モータとコロ又はプーリを有している。また、入荷検知手段は、自己の制御ゾーンのコロ又はプーリが強制的に回転されたことを条件の1つとして、自己の制御ゾーンに物品排出側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていると判定する。例えば、一般的なブラシレスモータは、モータ制御用として、ホール素子等の回転位置検出手段を備えている。つまり、コロ又はプーリはモータに連動するものであることから、コロ又はプーリが強制的に回転されることで、モータが備える回転位置検出手段から出力信号が発せられる。この出力信号を物品到着の検知信号とすることで、赤外線センサ等の検知センサを不要とするものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンは、外部装置である自走搬送装置の近接・離反を検知する搬送装置検知手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品保管装置である。
【0017】
本発明では、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンは、外部装置である自走搬送装置の近接・離反を検知する搬送装置検知手段を有している。「自走搬送装置」とは、自走機能を備えたマテリアルハンドリング機器の意味であり、一般的なフォークリフト等を指すものであり、物品保管装置とは別の外部装置である。つまり、フォークリフト等で物品を入庫する際や出庫する際に近接・離反を検知することで、コンベア装置の動作を禁止・解除することが可能となる。いわゆるインターロック回路と呼ばれる安全装置を構成できる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、物品排出側の制御ゾーンから排出されると、各制御ゾーンに保管されている物品を、前記コンベア装置の物品排出側の制御ゾーン側に自動的に詰めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0019】
物品排出側の端部の制御ゾーン(後端部の制御ゾーン)を先頭に自動的に詰められた物品は、物品排出側の端部の制御ゾーン側から見ると、入庫順(古いもの順)に並んでいる。本発明は、前記した発明をより発展させたものであり、「物品排出側の制御ゾーンから出庫されると、各制御ゾーンに保管されている物品を、物品排出側の制御ゾーンに自動的に詰める」動作は、一般的に「先入れ先出し」と呼ばれる在庫管理方法である。
本発明によれば、市場でよく用いられている「先入れ先出し」方法を、例えば、あらかじめ基本プログラムとして内蔵することにより、ユーザ側でプログラムを入力する手間を省くことが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、取出スイッチを有し、取出スイッチは、各制御ゾーンに保管されている物品を前記コンベア装置の物品搬入側の制御ゾーンへ搬送させる信号を、前記制御装置へ送信可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0021】
本発明では、取出スイッチを用いることにより、保管された物品を物品搬入側の制御ゾーン(前端部の制御ゾーン側)へ搬送させることができる。その結果、誤入庫した物品を取り出すことや、制御ゾーンに保管されている物品を入庫順とは反対の順番に出す「先入れ後出し」が可能となる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、中間領域の制御ゾーンに対応する制御装置は、電源投入時及び/又は停電復帰時にコンベア装置を駆動させ、各制御ゾーンが保管する物品を、物品排出側に位置する物品に押し当てることにより自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0023】
前述の通り、本発明では中間領域の制御ゾーンには在荷検知手段を設ける必要がない。そのため、予期せぬ電源ダウンや停電時に、中間領域の制御ゾーンの在荷情報が失われた場合、何らかの手段で在荷情報を入手する必要がある。
本発明では、電源投入時及び/又は停電復帰時にコンベア装置を駆動させ、中間領域の制御ゾーンが保管する物品を、物品排出側(進行方向前方)に位置する物品に押し当てる。すると、自己の制御ゾーンの物品は停止する。この時、コンベア装置は過負荷となり、制御装置に大電流が流れる。この大電流により、在庫有りと判断することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、物品を搬送するコンベア装置を有し、前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、前記コンベア装置は、少なくとも2個の制御装置によって制御され、各制御ゾーンは、それぞれの制御ゾーンを個別に動作させるモータを持ち、前記制御装置は、それぞれ1又は2以上の制御ゾーンを受持ち、前記制御装置は、受持ちの各制御ゾーンのモータを個別に起動及び停止することができ、少なくとも中間領域の各制御ゾーンを受け持つ制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、前記入荷検知手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知する機能であり、前記在荷記憶手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品が存在するか否かを記憶する機能であり、前記通信手段は、受持ちの制御ゾーンの内の最も物品搬入側のゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンを受け持つ制御装置に通信する機能及び/又は受持ちの制御ゾーンよりも物品排出側を受け持つ制御装置から物品が存在するか否かの情報を受信する機能であり、少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと物品排出側の端部の制御ゾーンを受け持つ制御装置は、在荷検知手段を備えており、物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置である。
【0025】
本発明の物品保管装置は、コンベア装置の構成が前述の物品保管装置と異なる。本発明では、コンベア装置が少なくとも2個の制御装置によって制御されている。そして、各制御ゾーンは、それぞれの制御ゾーンを個別に動作させるモータを持っている。そして、前記制御装置は、それぞれ1又はそれ以上の制御ゾーンを受持ち、前記制御装置は、受持ちの各制御ゾーンのモータを個別に起動及び停止することができる。本発明によれば、制御装置を制御ゾーン毎に設ける必要がない。
【0026】
請求項8に記載の発明は、 縦横高さの三方向にそれぞれ複数の保管区画を有するラック部材を複数有し、前記ラック部材は並列的に配置され、且つ一部のラック部材あるいは全部のラック部材が並列方向に移動可能であり、前記コンベア装置は、ラック部材の並列方向沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0027】
本発明は、移動ラックに上記した発明を応用したものである。本発明によると、移動ラックに対する物品の出し入れが容易となる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行するコンベア装置であって、直列的に並んだ複数の制御ゾーンに分割されており、前記複数の制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とするコンベア装置である。
【0029】
本発明はコンベア装置に係るものであり、上記した本発明の物品保管装置が備えるコンベア装置と同様の構成を有している。すなわち、本発明のコンベア装置では、中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段で検知した情報を、在荷記憶手段で保持し続けることができる。その結果、中間領域の制御ゾーンは、「在荷検知手段」で物品の有無を監視し続ける必要がなく、「在荷検知手段」が不要である。このため、従来と比べて在荷検知手段の数量が格段に減ることから、配線工事は容易となる。同様に、コンベアの追加や削除等の仕様変更(レイアウト変更)の際にも、配線工事に手間取ることがない。さらに、本発明のコンベア装置は、物品を物品排出側に詰めて保管する機能を有する。そのため、物品排出側(下流側)の制御ゾーンが「空」であることを物品搬入側(上流側)の制御ゾーンの制御装置の在荷記憶手段と通信手段信を活用して確認し、物品排出側の制御ゾーンが「空」の場合にのみ、物品を物品排出側の制御ゾーンへと自動で搬送させることが可能である
【発明の効果】
【0030】
本発明の物品保管装置によれば、配線工事が容易であり、且つ迅速な仕様変更が可能である。
【0031】
本発明のコンベア装置についても同様であり、配線工事が容易であり、且つ迅速な仕様変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る物品保管装置を示す斜視図である。
【図2】物品保管装置に用いられる搬送装置を平面視した説明図である。
【図3】図2の搬送装置の入庫ゾーンを制御する制御装置のブロック図である。
【図4】図2の搬送装置の保管ゾーンを制御する制御装置のブロック図である。
【図5】図2の搬送装置の出庫ゾーンを制御する制御装置のブロック図である。
【図6】搬送装置の前詰め動作の状態を示す説明図であり、(a)〜(e)は制御ゾーンA〜Eへとパレットが搬送されていく動作を示す。
【図7】搬送装置の先入れ先出し動作の状態を示す説明図であり、(a)〜(f)は出庫ゾーンからパレットが出庫された後、制御ゾーンA〜Dのパレットが順次前方へ搬送されていく動作を示す。
【図8】搬送装置の他の例を示す説明図である。
【図9】搬送装置のさらに他の例を示す説明図である。
【図10】物品保管装置に用いられる搬送装置の斜視図である。
【図11】図10の搬送装置の1ゾーンの斜視図である。
【図12】図10の搬送装置の駆動コンベア側の要部の分解斜視図である。
【図13】図10の搬送装置の従動コンベア側の要部の分解斜視図である。
【図14】図10の搬送装置で採用するモータ内蔵ローラの断面図である。
【図15】図10の搬送装置で採用するローラ本体回転型空転ローラの断面図である。
【図16】図10の搬送装置で採用する本体・支持軸一体型空転ローラの断面図である。
【図17】搬送装置の斜視図であり、全幅を広げた態様を示す。
【図18】搬送装置の斜視図であり、全幅を狭めた態様を示す。
【図19】搬送装置の他の例を示す斜視図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係る物品保管装置を示す斜視図である。
【図21】図20の物品保管装置における一つのラック部材を示す斜視図である。
【図22】図20に示す物品保管装置において、搬送装置の先入れ先出し動作の状態を示す説明図である。
【図23】図20に示す物品保管装置の2個のラック部材に跨がって、特定の横1列に物品が満載された状態を示す説明図である。
【図24】図23に示す状態から、特定の物品を取り出す際の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下は、本発明の実施形態に係る物品保管装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本発明が制限して理解されるべきではない。また、公知のものについては、説明を省略する。
【0034】
本実施形態の物品保管装置1は、図1に示すように、ラックを構成する2段の保管棚2に、2つの搬送装置3(コンベア装置)がそれぞれ上下段に設けられたものである。
保管棚2は、後述するパレット(物品)80を保管可能な枠体であり、高い剛性を有しており、耐荷重性に優れた材質で構成されることが好ましい。
搬送装置3は、後述するパレット80を搬送可能ないわゆるコンベア装置である。本実施形態の物品保管装置1で採用する搬送装置3の詳しい機械構成等については後述することとし、以降のコンベア装置3の機械的な構成等は、簡素なコンベアモデルとして説明する。
【0035】
ここで、本実施形態の物品保管装置1で採用する搬送装置3の特徴である電気的な構成等について説明する。
物品保管装置1は、直列的に並んだ複数の保管区画A〜Eを有している。図2に示すように、搬送装置3は、保管区画A〜Eに跨って設置されている。
保管区画A〜Eは、それぞれパレット80を1つ保管できる区画であり、合計5つのパレット80を直列に保管可能である。
【0036】
本実施形態では、保管区画A〜Eそのものを制御ゾーンA〜Eとして利用しており、物品搬入側から物品排出側に向かう方向X、すなわち、制御ゾーンAから制御ゾーンEへとパレット80が流れる方向Xを、進行方向としている。つまり、パレット80が制御ゾーンAに入庫され、制御ゾーンB〜Dを順に進んで、制御ゾーンEから出庫されることを基本の流れとしている。制御ゾーンAは、物品搬入側の端部(最上流)の制御ゾーンであり、「入庫ゾーン」として機能する。制御ゾーンB〜Dは、中間領域の制御ゾーンであり、「保管ゾーン」として機能する。制御ゾーンEは、物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンであり、「出庫ゾーン」として機能する。
【0037】
制御ゾーンA〜Eは、後述するモータ21(モータ内蔵ローラ7)と、制御装置101〜105をそれぞれ有している。制御ゾーンA〜Eが有するモータ21には、それぞれ制御装置101〜105が接続されている。制御装置101〜105同士は、数珠つなぎに接続されている。
なお、制御ゾーンAの近傍には、近接スイッチ111(搬送装置検知手段)と、赤外線センサ112(在荷検知手段)と、取出スイッチ113が設けられており、これらが制御装置101に接続されている。また、制御ゾーンEの近傍には、近接スイッチ111と赤外線センサ112が設けられており、これらが制御装置105に接続されている。
【0038】
「入庫ゾーン」に設けられた制御装置101は、図3に示すように、マイクロコントローラ120と、モータ駆動回路121と、I/O回路122と、通信回路123と、ディップスイッチ127を有している。
マイクロコントローラ120は、従来公知のCPU124と、ROM125と、RAM(在荷記憶手段)126等を備えた集積回路である。
CPU124は制御プログラムや命令等を実行可能な中央処理装置であり、いわゆるプロセッサである。
【0039】
ROM125は、EEPROMやフラッシュメモリ等で構成される保存装置であり、制御プログラム等を保存可能である。
【0040】
RAM126は、SRAMやDRAM等で構成される記憶装置であり、いわゆるメインメモリである。RAM126には、前述の「在荷情報」等が記憶される。詳細には、RAM126は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を記憶可能である。
【0041】
ROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンA)にパレット80が到着したことを確認すると、進行方向Xにおける物品排出側(下流側)の制御ゾーン(制御ゾーンB)にパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を確認し、パレット80が無い場合(空の場合)に、パレット80を物品搬入側(上流側)の制御ゾーン(制御ゾーンB)に搬送する」プログラムが、基本プログラムとして保存されている。
【0042】
また、ROM125には、「進行方向Xにおける物品排出側の制御ゾーンが「空」となった情報を受信すると、自己の制御ゾーンにパレット80がある場合には、パレット80を物品排出側の制御ゾーンに搬送する」プログラムが保存されている。いわゆる、「先入れ先出し」プログラムである。
【0043】
なお、制御装置101の安全回路として、ROM125に、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンA)に、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が近接したことを検知すると、制御ゾーンAのモータ21を操作不能とする」プログラムが保存されている。つまり、フォークリフト等による作業中に、誤ってパレット80が動くことを防止できる。いわゆる、インターロック回路である。また、ROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンA)から、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が離反したことを検知すると、制御ゾーンAのモータ21を操作可能とする」プログラムが保存されている。つまり、フォークリフト等が離れたことを確認することで、インターロック回路を解除し、「先入れ先出し」を再開している。
【0044】
モータ駆動回路121は、モータ21(モータ内蔵ローラ7)を制御可能な従来公知のドライバ回路であり、モータ21のON/OFF、速度調整等が可能である。
I/O回路122は、外部装置と信号を送受信するためのインターフェース回路である。I/O回路122には、近接スイッチ111と、赤外線センサ112と、取出スイッチ113が接続されている。
【0045】
近接スイッチ111は、非接触型の磁気センサであり、金属の近接・離反を検知するものである。近接スイッチ111は、自己の制御ゾーンに、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が近接・離反したことを検知できる。
赤外線センサ112は、非接触で物品等の有無を検知可能なセンサである。赤外線センサ112は、発光部と受光部を有し、発光部から放出した赤外線が、物品等に反射して受光することで、物品の有無を検出するものである。
取出スイッチ113は、従来公知の押しボタンスイッチであり、パレット80の搬送方向を進行方向Xとは逆向きに反転する信号を送信できる。
【0046】
通信回路123は、他の制御装置と通信するための回路である。通信回路123は、進行方向Xにおける物品排出側の制御装置102と接続されており、進行方向Xにおける物品排出側の制御ゾーンBにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を、制御ゾーンBを制御する制御装置102から受信可能である。
【0047】
ディップスイッチ127は、設定切替用の手動スイッチである。本実施形態では、ディップスイッチ127の操作により、パレット80の保管方法を「先入れ先出し」と他の方法とに切り替えることや、搬送方向の切り替え、搬送速度の切り替え等を行うことが可能である。また、ディップスイッチ127の切り替えにより、制御装置101を「保管ゾーン」制御用の制御装置として用いることが可能となる。さらに、ディップスイッチ127の切り替えにより、制御装置101を「出庫ゾーン」制御用の制御装置として用いることも可能である。
【0048】
つぎに、「保管ゾーン」に設けられた制御装置102〜104は、図4に示すように、それぞれ、マイクロコントローラ120と、モータ駆動回路121と、I/O回路122と、通信回路123と、ディップスイッチ127を有している。つまり、制御装置102〜104は、前述の制御装置101と基本構成が同一であり、説明を一部省略する。
【0049】
制御装置102〜104が備える通信回路123は、自己の制御ゾーンから見て進行方向Xにおける物品排出側と物品搬入側の両方の制御装置に接続されている。そして制御装置102〜104は、物品排出側の制御装置から、当該物品排出側の制御ゾーンにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を受信可能である。一方、制御装置102〜104は、自己の制御ゾーンにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を、物品搬入側の制御装置へ送信可能である。
【0050】
図2に示したように、制御装置102(制御ゾーンB)の物品排出側は制御装置103(制御ゾーンC)であり、物品搬入側は制御装置101(制御ゾーンA)である。同様に、制御装置103(制御ゾーンC)の物品排出側は制御装置104(制御ゾーンD)、物品搬入側は制御装置102(制御ゾーンB)である。さらに、制御装置104(制御ゾーンD)の物品排出側は制御装置105(制御ゾーンE)、物品搬入側は制御装置103(制御ゾーンC)である。
【0051】
制御装置102〜104では、I/O回路122には何も接続されていない。つまり、制御装置102〜104は、制御装置101のように、赤外線センサ112(在荷検知手段)を備えていない。制御装置102〜104においては、自己の制御ゾーン(制御ゾーンB〜D各々)にパレット80が存在するか否かは、パレット80の挙動をモータ21で検知することで可能にしている。
【0052】
詳述すると、パレット80が物品搬入側の制御ゾーンから送られてくると、自己の制御ゾーンが有するモータ21が強制的に回転力を受ける。この時、モータ21内部では、モータ21制御用として内蔵しているホールIC(図示省略)が、モータ21の回転を検知してパルス電圧を発生する。このパルス電圧(出力信号)をモータ駆動回路121を経由して、マイクロコントローラ120で受信することで、自己の制御ゾーンにパレット80が到着したことを検知する。これはモータ21を「入荷検知手段」として利用したものであり、モータ21が入荷検知手段を兼ねているとも言える。
或いは、モータ21が回転力を受けた際に生じる逆起電力を、検知信号として利用しても構わない。
【0053】
前述の検知情報をRAM126に記憶させることで、「在荷情報」として保持できる。そして、RAM126に保管した「在荷情報」を物品搬入側の制御装置へ送信するため、制御装置102〜104では、ROM125に「自己の制御ゾーンにパレット80が到着したことを確認すると、物品搬入側の制御ゾーンに自己の制御ゾーンの「在荷情報」を送信する」プログラムが保存されている。なお、制御装置102〜104においても、制御装置101と同様の基本プログラムや「先入れ先出し」プログラムも保存されている。
【0054】
また、制御装置102〜104は、赤外線センサ112等を備えていない。そのため、予期せぬ電源ダウンや停電時に、自己の制御ゾーンの「在荷情報」が失われた際の対策として、対応プログラムがROM125に予め保存されている。対応プログラムでは、「電源投入時や停電復帰時に、自己の制御ゾーンのモータ21を駆動させ、自己の制御ゾーンが保管するパレット80を物品排出側に搬送させる。そして、モータ21が過負荷となると、自己の制御ゾーンにパレット80が有ると判断する」動作を行う。つまり、自己の制御ゾーンが保管するパレット80が、物品排出側の制御ゾーンが保管するパレット80に当接した際に、モータ21が過負荷となり、モータ駆動回路121に大電流が流れることで、在荷有りと判断するものである。
【0055】
或いは、モータ21を過負荷とさせる代わりに、モータ21を寸動させた際や、モータ21を低速で回転させた際の電流値を測定し、その電流値によりパレット80が有ると判断しても構わない。
なお、自己の制御ゾーンが保管するパレット80を、物品排出側の制御ゾーンが保管するパレット80に当接させた後、モータ21を少しだけ逆回転させて、パレット80同士の間に隙間を設ける制御を行っても構わない。
【0056】
つぎに、「出庫ゾーン」に設けられた制御装置105は、図5に示すように、マイクロコントローラ120と、モータ駆動回路121と、I/O回路122と、通信回路123と、ディップスイッチ127を有している。つまり、制御装置105も、前述の制御装置101と基本構成が同一であり、説明を一部省略する。
I/O回路122には、制御装置101と同様に、近接スイッチ111と、赤外線センサ112が接続されている。
【0057】
制御装置105は、進行方向Xにおける最下流(物品排出側の端部)である「出庫ゾーン」に設けられた制御装置であり、その下流には制御装置がない。そのため、制御ゾーンEに物品搬入側(上流側)からパレット80が搬送されてくると、パレット80を自己の制御ゾーンで停止させ、保管する必要がある。そのため、制御装置105では、ROM125に「自己の制御ゾーン(制御ゾーンE)にパレット80が到着したことを確認すると、モータ21を停止する」プログラムが、基本プログラムとして保存されている。つまり、何らかの誤作動でモータ21が回転してパレット80が搬送装置3の外へ飛び出すことを防止している。なお、パレット80到着の確認は、赤外線センサ112により行う。
【0058】
また、制御装置105のROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンE)に、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が近接したことを検知すると、物品搬入側の制御装置に停止信号を送信する」プログラムが保存されている。つまり、物品搬入側の制御装置に停止信号を送信するで、フォークリフト等による作業中に、誤って物品搬入側の制御ゾーンから自己の制御ゾーンにパレット80が搬送されることを防止できる。いわゆる、インターロック回路である。
【0059】
さらに、制御装置105のROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンE)から、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が離反したことを検知し、さらにパレット80がないことを検知すると、自己の制御ゾーンが「空」であることを物品搬入側の制御装置に送信する」プログラムが保存されている。つまり、フォークリフト等が離れたことを確認することで、インターロック回路を解除し、「先入れ先出し」を再開している。
【0060】
つぎに、本実施形態の搬送装置3による「前詰め」動作について、図6(a)〜(e)を用いて説明する。
図6(a)では、パレット80が「入庫ゾーン」である制御ゾーンAに入庫されている。この時、金属製の爪141を備えたフォークリフト140は、制御ゾーンAから離反しているため、近接スイッチ111は働かず、インターロック回路は解除されている。
制御装置101は、内蔵プログラムに基づいて、動作を開始する。制御装置101は、赤外線センサ112で制御ゾーンAにパレット80が入庫されたことを検知する。
【0061】
制御装置101は、物品排出側(下流側)の制御ゾーンBの「在荷情報」を、制御装置102から受信する。この時、制御ゾーンBは「空」であるので、制御装置102から制御装置101へは「空」という「在荷情報」が送信されている。その結果、制御装置101は、「先入れ先出し」プログラムに基づいて、制御ゾーンAから物品排出側の制御ゾーンBへ、パレット80を搬送する。
【0062】
図6(b)では、制御ゾーンAから搬送されたパレット80で制御ゾーンBのモータ21が回転し、モータ21で発生した逆起電力により、制御装置102が制御ゾーンBにパレット80が到着したことを検知する。この時、制御装置102内部では、RAM126に「在荷情報」が記憶される。
そして、制御装置102は、物品排出側の制御ゾーンCの「在荷情報」を、制御装置103から受信する。この時、制御ゾーンCは「空」であるので、制御装置103から制御装置102へは「空」という「在荷情報」が送信されている。その結果、制御装置102は、基本プログラムに基づいて、制御ゾーンBから進行方向Xの前方である制御ゾーンCへ、パレット80を搬送する。
【0063】
図6(c)〜(d)では、制御装置103,104は、前述の制御装置102と同様の動作を行う。その結果、パレット80は、制御ゾーンCから制御ゾーンDを経由して、制御ゾーンEへと搬送される。
【0064】
図6(e)では、制御装置105が、赤外線センサ112で制御ゾーンEにパレット80が入庫されたことを検知する。制御ゾーンEは物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンであるため、制御装置105は内蔵プログラムに基づいて、モータ21を停止させ、パレット80を制御ゾーンEに保管する。
【0065】
以上の通り、制御ゾーンAにパレット80を置くだけで、制御装置101〜105が内蔵プログラムに基づいて、パレット80を制御ゾーンAから制御ゾーンEへと自動で搬送し、制御ゾーンEに保管することができた。つまり、パレット80が搬送装置3内で「前詰め」が行われたのである。
なお、制御ゾーンE以外の制御ゾーンA〜Dにパレット80を前詰めで保管する場合にでも、同様にして、パレット80を制御ゾーンAに置くだけで自動的に行われる。
【0066】
以上説明した実施形態では、制御装置101〜105にプログラムされた指令において、「搬送する」と記述しただけであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、モータ21への指令を、数値(搬送距離)で指令しても構わない。或いは、モータ21の回転角度で指令しても良く、又はパルス数で指令しても構わない。
【0067】
つぎに、本実施形態の搬送装置3による「先入れ先出し」動作について、図7(a)〜(f)を用いて説明する。
【0068】
図7(a)では、制御ゾーンA〜Eの全てにパレット80が保管された状態である。この時、「出庫ゾーン」である制御ゾーンEでは、パレット80がフォークリフト140で出庫されようとしている。つまり、フォークリフト140が、制御ゾーンEに近接しているため、近接スイッチ111が検知する。この検知信号を受けた制御装置105は、内部プログラムに基づき、物品搬入側(上流側)の制御装置104に停止信号を送信する。
【0069】
制御装置104が前記停止信号を受信すると、制御装置104は制御ゾーンDにおける搬送動作を停止する(すなわち、動作させない、停止状態を維持する)。この時、制御ゾーンDにはパレット80があることから、制御ゾーンDの「在荷情報」は「有」のまま保持され、物品搬入側(上流側)の制御装置103に送信される。そして、制御装置103では、物品排出側(下流側)の制御装置104の「在荷情報」が「有」であるため、自己の制御ゾーンCのパレット80を搬送することができない。以降の制御ゾーンB,Aについても同様である。つまり、制御装置105から発せられた停止信号により、制御ゾーンA〜Dのパレット80が停止した状態となる。
【0070】
なお、制御ゾーンA〜Dの「在荷情報」が「空」である場合には、「入庫ゾーン」から送られてくるパレット80は、「空」の制御ゾーンまで搬送が可能である。つまり、「出庫ゾーン」から出庫中であっても、「空」の制御ゾーンまでは「入庫ゾーン」から入庫可能であり、出庫と入庫の別々の動作を同時に行うことが可能である。
【0071】
図7(b)は、制御ゾーンEは、パレット80がフォークリフト140で出庫された後の状態である。つまり、制御ゾーンEからフォークリフト140が離反したことを、近接スイッチ111が検知する。さらに、赤外線センサ112が、制御ゾーンEにパレット80が無いことを検知する。これらの検知信号を制御装置105が受けると、制御装置105から制御装置104に送信されていた停止信号が解除される。すなわち、インターロック回路が解除される。さらに、制御装置105から制御装置104に、「空」の在荷情報が送信される。
【0072】
「空」の在荷情報を制御装置105から受信した制御装置104は、内蔵の「先入れ先出し」プログラムに基づいて、制御ゾーンDから物品排出側の制御ゾーンEへ、パレット80を搬送する。その結果、搬送装置3は、図7(c)に示す通りとなる。
【0073】
図7(c)〜(f)では、制御装置103,102,101の順番で、前述の制御装置104と同様の動作を行う。その結果、各々の制御ゾーンC,B,Aに保管されたパレット80は、物品排出側の制御ゾーンへ1つ1つ順番に搬送される。
【0074】
以上の通り、制御ゾーンEからパレット80が出庫されると、制御装置104,103,102,101は、内蔵の「先入れ先出し」プログラムに基づいて、それぞれの制御ゾーンD,C,B,Aが保管するパレット80を、1つ1つ順番に、物品排出側へと搬送することができた。つまり、パレット80が搬送装置3内で「先入れ先出し」されたのである。
【0075】
なお、図7(f)の状態において、「入庫ゾーン」である制御ゾーンAに設けられた取出スイッチ113を押すと、制御ゾーンBに保管されたパレット80は、制御ゾーンA側へ搬送される。つまり、パレット80を入庫順とは反対の順番に出す「先入れ後出し」が可能となる。この態様は、誤って入庫したパレット80を入庫ゾーンから取り出すことを可能にする。
【0076】
以上説明した実施形態では、制御ゾーンD,C,B,Aが保管するパレット80を、1つ1つ順番に、物品排出側へ搬送する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、制御ゾーンEからパレット80が出庫された際に、制御装置105の「空」の在荷情報を、全ての制御装置101〜104に送信することにより、制御ゾーンD,C,B,Aが保管するパレット80を一斉に同時に物品排出側の制御ゾーンへ搬送しても構わない。
【0077】
本実施形態では、制御ゾーンEは、シンプルなコンベア装置としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、制御ゾーンEに機械的なストッパ等の安全装置を設けても良い。或いは、制御ゾーンEに設けたストッパにパレット80を当接させることで、「前詰め」の最終地点としても良い。
【0078】
以上説明した実施形態では、1つの制御装置が、それぞれ1つの制御ゾーンを受け持つ構成を説明した。即ち、先に示した実施形態では、制御ゾーンの数と、制御装置の数は相等しく、一対一に対応している。しかしながら、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、2以上の制御ゾーンを受け持つ制御装置を含んでいてもよく、2以上の制御ゾーンを制御する制御装置だけで構成されていてもよい。
【0079】
例えば図8に示す実施形態では、2番目の制御ゾーンBを受け持つ制御装置102の機能と、3番目の制御ゾーンCを受け持つ制御装置103の機能とを備えた制御装置200を有している。ただし制御装置200は、1つの制御装置であるから、2番目の制御ゾーンBの情報と3番目の制御ゾーンCの情報の両方を保有しており、前記した様な制御装置102と制御装置103の間の通信機能は必要ない。
制御装置200についても、他の制御装置と通信するための通信回路123を備える。この通信回路123は、物品排出側の制御装置104と物品搬入側の制御装置101に接続されている。
物品排出側の制御装置104からは、制御ゾーンDにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を得る。また物品搬入側の制御装置101に対しては、自己が受け持つ制御ゾーンBにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を送信する。
【0080】
また図9に示す様に、端部の制御ゾーンを含む複数の制御ゾーンを受け持つ制御装置201,202が混在していてもよい。この例では、制御装置201は制御ゾーンAとBを受け持つ。制御装置202は制御ゾーンC,D,Eを受け持つ。
【0081】
つぎに、本発明の実施形態で採用する搬送装置3の機械的な構成等について、詳述する。
搬送装置3は、図10に示すように、2個のローラコンベア4,5を間隔Wを開けて平行に並べたものである。
2個のローラコンベア4,5の内、一方のローラコンベア4は、モータ内蔵ローラ7を有するものであり、駆動源を有していて自走可能な「駆動コンベア」である。また他方のローラコンベア5は、駆動源を有しない「従動コンベア」である。
【0082】
駆動コンベア4は、公知のそれと同様に、平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものである。また、駆動コンベア4は、搬送方向(矢印X方向)に複数のゾーンA〜Eに分かれており、各ゾーンには、図11の様に8本のローラが配されている。そして各ゾーンには、1本ずつモータ内蔵ローラ7が設けられている。
即ち駆動コンベア4の各ゾーンの内、1本だけがモータ内蔵ローラ7であり、他のローラ10〜16は、いずれも空転ローラである。
【0083】
ここでモータ内蔵ローラ7は、例えば図14の様な構造を有するものであり、ローラ本体20内にモータ21と減速機22が内蔵されたものである。そして減速機22の出力軸28は、ローラ本体20の内面と係合しており、モータ21の回転力が減速機22で減速されてローラ本体20を回転させる。
【0084】
またローラ本体20の両端からは、支持軸23,25が突出している。2つの支持軸23.25は、いずれも軸受け26,27を介してローラ本体20に取り付けられている。そのためローラ本体20は支持軸23,25に対して回転可能である。また一方の支持軸23は、中空であり中空部30の内部に給電線31等が挿通されている。そしてモータ21は、この給電線31によって外部から給電を受ける。
【0085】
ローラ本体20は、中空のローラであるが、表面にベルト53を係合させるための溝35が環状に2条設けられている。
またローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0086】
空転ローラ10〜16の内、6本の空転ローラ10〜15は、図15の様な構造のローラ本体回転型空転ローラである。
ローラ本体回転型空転ローラ10〜15は、ローラ本体20の中にモータ等を有しないものである。
即ちローラ本体回転型空転ローラ10〜15は、ローラ本体20を有し、ローラ本体20の両端からは、支持軸40,41が突出している。2つの支持軸40,41は、いずれも軸受け43,45を介してローラ本体20に取り付けられている。
【0087】
そのためローラ本体20は支持軸40,41に対して回転可能である。即ちローラ本体回転型空転ローラ10〜15では、ローラ本体20は両端の支持軸40,41の双方に対して回転可能である。
ローラ本体20の構造は、モータ内蔵ローラ7と同一であり、表面にベルトを係合させるための溝35が環状に2条設けられている。
またローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0088】
空転ローラ10〜16の内、1本の空転ローラ16は、図16の様な構造の本体・支持軸一体型空転ローラである。
本体・支持軸一体型空転ローラ16と前記したローラ本体回転型空転ローラ10〜15の相違点は、ローラ本体回転型空転ローラ10〜15のローラ本体20が双方の支持軸40,41対して回転可能であるのに対し、本体・支持軸一体型空転ローラ16では、ローラ本体20は一方の支持軸46に対してのみ回転可能である。即ち本体・支持軸一体型空転ローラ16は、他方の支持軸50は、ローラ本体20と一体であり、支持軸50はローラ本体20に対して相対回転ができない。
また他方の支持軸(以下、一体回転側支持軸と称する)50は先端部分51の断面形状が多角形である。即ち一体回転側支持軸50の先端部分51は四角形であり、他の部材と係合可能な形状となっている。
【0089】
駆動コンベア4は、前記した様に、平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものであるが、モータ内蔵ローラ7及びローラ本体回転型空転ローラ10〜15は、フレーム部材6に両端の支持軸23,25,40,41が回転不能な状態に取り付けられている。ただし、支持軸23,25,40,41に対してローラ本体20が回転可能であるので、ローラ本体20は、フレーム部材6に対して回転可能である。
【0090】
これに対して本体・支持軸一体型空転ローラ16は、図12の様にローラ本体20と一体側の一体回転側支持軸50が軸受け52を介してフレーム部材6に取り付けられている。他方の支持軸46は、フレーム部材6に回転不能な状態に取り付けられている。
そのため本体・支持軸一体型空転ローラ16は、ローラ本体20がフレーム部材6に対して回転可能であるが、一方の一体回転側支持軸50は、ローラ本体20と一体的に回転する。
【0091】
また各ローラ7,10〜16は、隣接するローラ7,10〜16との間でベルト53が懸架されている。即ち各ローラ5,10〜16の表面には、2条の溝35が設けられており、1つの溝35と、隣接する位置にあるローラ5,10〜16の溝35との間にベルト53が懸架されている。従って各ローラ7,10〜16は全てが連動し、いずれか1つのローラ7,10〜16が回転すると、他のローラ7,10〜16も回転する。
【0092】
次に従動コンベア5について説明する。
従動コンベア5についても、平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものである。また、従動コンベア5についても、複数のゾーンA’〜E’に分かれており、各ゾーンには、図11の様に8本のローラが配されている。ただし従動コンベア5には、モータ内蔵ローラ7はなく、全てが空転ローラ60〜67である。
【0093】
また空転ローラ60〜67の内、7本の空転ローラ60〜66は、図15の様な構造のローラ本体回転型空転ローラ60〜66である。
ローラ本体回転型空転ローラ60〜66は、前記したローラ本体回転型空転ローラ10〜15と同一の構造であり、ローラ本体20の中にモータ等を有しない。またローラ本体20の両端からは、支持軸40,41が突出しており、ローラ本体20は両端の支持軸40,41の双方に対して回転可能である。
またローラ本体20の表面にベルトを係合させるための溝35が環状に2条設けられており、ローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0094】
また空転ローラ60〜67の内、1本の空転ローラ67は、図16の様な構造の本体・支持軸一体型空転ローラ67である。
本体・支持軸一体型空転ローラ67は、前記した本体・支持軸一体型空転ローラ16と同一の構造であり、一方の支持軸46に対してのみローラ本体20が回転可能である。即ち本体・支持軸一体型空転ローラ67は、一体回転側支持軸50がローラ本体20と一体であり、両者の間で相対回転はできない。
またローラ本体20の表面にベルトを係合させるための溝35が環状に2条設けられており、ローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0095】
従動コンベア5についても、駆動コンベア4と同様に平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものである。ただし従動コンベア5にはモータ内蔵ローラが無く、ローラ本体回転型空転ローラに置き代わっている。また従動コンベア5は、駆動コンベア4とは勝手違いの位置関係にあり、フランジ36の位置と一体回転側支持軸50の位置が駆動コンベア4と左右逆転している。
従動コンベア5についても、駆動コンベア4と同様に1本だけ本体・支持軸一体型空転ローラ67を有するが、本体・支持軸一体型空転ローラ67の位置は、駆動コンベア4の本体・支持軸一体型空転ローラ16と同じである。
【0096】
従動コンベア5においても、ローラ本体回転型空転ローラ60〜66は、フレーム部材6に両端の支持軸40,41が回転不能な状態に取り付けられている。
これに対して本体・支持軸一体型空転ローラ67は、図13の様にローラ本体20と一体側の一体回転側支持軸50が軸受け55を介してフレーム部材6に取り付けられている。なお他方の支持軸46は、フレーム部材6に回転不能な状態に取り付けられている。
そのため本体・支持軸一体型空転ローラ67では、ローラ本体20がフレーム部材6に対して回転可能であるが、一方の一体回転側支持軸50は、ローラ本体20と一体的に回転する。
また各ローラ60〜67は、隣接するローラ60〜67との間でベルト53が懸架されており、各ローラ60〜67は全てが連動し、いずれか1つのローラ60〜67が回転すると、他のローラ60〜67も回転する。
【0097】
前記した様に、駆動コンベア4と、従動コンベア5が間隔Wを開けて平行に並べられている。
また駆動コンベア4と、従動コンベア5は勝手違いの位置関係にあり、各ローラのフランジ36が外側にあり、本体・支持軸一体型空転ローラ16,67のローラ本体20と一体的に回転する側の一体回転側支持軸50は、いずれも駆動コンベア4と、従動コンベア5の中心側に向かって突出している。
【0098】
そして各ゾーンA〜E,A’〜E’では、それぞれ1本ずつ本体・支持軸一体型空転ローラ16,67があり、本体・支持軸一体型空転ローラ16,67の位置も同じである。
そのため駆動コンベア4の本体・支持軸一体型空転ローラ16の一体回転側支持軸50と、従動コンベア5の本体・支持軸一体型空転ローラ67の一体回転側支持軸50とが向き合う位置にある。
そして、駆動コンベア4の一体回転側支持軸50と、従動コンベア5の一体回転側支持軸50とが一体的に回転する様に両者がシャフト70で連結されている。
【0099】
シャフト70は、丸棒であり、両端部71,74が四角形に成形されている。そしてシャフト70の両端部71,74が軸継ぎ手72,73を介してそれぞれの一体回転側支持軸50に接続されている。
即ち軸継ぎ手72,73は、中心に四角形の貫通孔75が設けられた筒体であり、貫通孔75の一方の端部に一体回転側支持軸50を挿通し、他方の端部にシャフト70を挿入している。
【0100】
そして一体回転側支持軸50の断面形状と、軸継ぎ手72の貫通孔75の断面形状と、シャフト70の端部71,74の断面形状が共に四角形であるから、これら三者は、相対回転を許さず、一体的に回転する。即ち一方の一体回転側支持軸50の回転力が他方の一体回転側支持軸50に伝動される。
【0101】
次に搬送装置3の作用について説明する。
搬送装置3は、大型で四角形のパレット80を搬送物とするものである。そしてパレット80を搬送する際には、駆動コンベア4側のモータ内蔵ローラ7を回転させる。モータ内蔵ローラ7は、前記した様に同一のゾーン内の他の空転ローラと直接的に又は他の空転ローラを介して間接的にベルトで連結されているから、モータ内蔵ローラ7が回転すると、同一のゾーン内の他の空転ローラ10〜16も回転を開始する。
【0102】
そのため空転ローラ10〜16の1つたる本体・支持軸一体型空転ローラ16のローラ本体20が回転し、ローラ本体20の回転に伴って、本体・支持軸一体型空転ローラ16の一体回転側支持軸50が回転する。そして一体回転側支持軸50に軸継ぎ手72を介して接続されたシャフト70が回転し、シャフト70の他端に接続された軸継ぎ手73を介して従動コンベア5側の一体回転側支持軸50が回転する。
【0103】
その結果、従動コンベア5側の本体・支持軸一体型空転ローラ67が回転する。そして本体・支持軸一体型空転ローラ67のローラ本体20は、ベルト53を介して他の空転ローラ60〜66と連動させられているから、本体・支持軸一体型空転ローラ67のローラ本体20の回転に伴って、同一ゾーン内の他の空転ローラ60〜66も回転する。
そしてこれらすべてのローラ5,10〜16,60〜67の回転は、駆動コンベア4のモータ内蔵ローラ7の回転と同期しているから、すべてのローラ7,10〜16,60〜67は同期的に回転する。そのためパレット80は、真っ直ぐに搬送されてゆく。
【0104】
搬送装置3では、搬送物(パレット80)の大きさに合わせて、簡単に搬送幅を変更することができる。即ち搬送物(パレット80)の大きさが大きい場合は、駆動コンベア4と従動コンベア5の間隔Wを広げ、図17の様により長いシャフト81で両者を繋ぐ。逆に即ち搬送物(パレット80)の大きさが小さい場合は、図18の様に駆動コンベア4と従動コンベア5の間隔Wを狭め、短いシャフト82で両者を繋ぐ。
【0105】
以上説明した実施形態では、筒に四角形の孔が設けられた単純な構造の軸継ぎ手を採用したが、孔の形状は任意であり、六角形であってもよく、三角形や「D」字状であってもよい。さらに軸継ぎ手の構造自体も任意であり、公知のあらゆる軸継ぎ手を使用することができる。例えば、ユニバーサル軸継ぎ手や、弾性軸継ぎ手等を採用することもできる。
【0106】
本実施形態では、2列のコンベアを並列的に並べたが、3列以上のコンベアを並べてもよい。例えば、図19に示す様に、コンベアを3列並べ、中央のコンベア85を駆動コンベアとし、両端のコンベア86,87を従動コンベアとすることができる。
【0107】
以上説明した実施形態では、隣接するローラをベルトで連結して各ローラに動力を伝動したが、1本のチェーンを複数のローラ間に懸架して各ローラを同期回転させてもよい。また、ローラコンベアだけでなく、ベルトコンベアにも応用することができる。
【0108】
また以上説明した実施形態では、空転ローラたる本体・支持軸一体型空転ローラ16,67をシャフト70で連結した。この理由は、駆動ローラたるモータ内蔵ローラ7は、給電線31等が端部から露出しており、支持軸23からの動力取り出しが困難であるためであるが、本発明は、駆動ローラたるモータ内蔵ローラ7から動力を取り出すことを否定するものではない。
【0109】
図1に示した実施形態は、固定ラックと称される物品保管装置であるが、いわゆる移動ラックに本発明を適用することもできる。
図20に示す物品保管装置300は4本のラック部材301,302,303,304によって構成されている。各ラック部材301,302,303,304は、図の様に並列的に配列さている。
また各ラック部材301,302,303,304の下には、ラック部材301,302,303,304の並列方向に自由回転するローラからなる軌道305が配されており、各ラック部材301,302,303,304は並列方向に移動する。
なお各ラック部材301,302,303,304を移動させるために、各ラック部材301,302,303,304にはモータが搭載されているが、モータの図示は省略している。
【0110】
物品保管装置300の各ラック部材301,302,303,304間の隙間は小さいが、いずれか一か所だけに大きな隙間がある。例えば、図20では、ラック部材302とラック部材303の間の隙間306が大きく、他の隙間は小さい。
そして物品を出し入れする際には、各ラック部材301,302,303,304を移動させて載置されているラックに隣接する隙間を広げる。
【0111】
各ラック部材301,302,303,304は、図20,図21の様に、縦方向(各ラック部材301,302,303,304の長手方向)と、横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)及び高さ方向に複数の保管区画を有している。
本実施形態では、縦方向(各ラック部材301,302,303,304の長手方向)に7区画、横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)に3区画、高さ方向に2区画の保管区画があり、合計42の保管区画がある。
【0112】
そして本実施形態では、図の様に、横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)に跨がって搬送装置310(コンベア装置)が配置されている。
各搬送装置310(コンベア装置)は、先の実施形態の駆動コンベア4に相当するものであり、平行に配されたフレーム部材に複数のローラが平行に取り付けられたものである。また、駆動コンベア4は、搬送方向(矢印X方向)にA,B,Cの3ゾーンに分かれており、各ゾーンが保管区画となる。
【0113】
各搬送装置310に付属する制御装置、センサー、スイッチ等は、先の実施形態と同一である。
そのため制御ゾーンAにパレットを置くだけで、制御装置の内蔵プログラムに基づいて、パレットを制御ゾーンAから制御ゾーンCへと自動で搬送し、制御ゾーンCに保管することができる。つまり、パレットが搬送装置3内で「前詰め」が行われる。また「先入れ先出し」動作が実行される。
【0114】
例えば、ラック部材303にパレット(物品)を保管したい場合には、図20に示すように、ラック部材302とラック部材303の間の隙間306を大きくし、この隙間306に図示しないフォークリフト等を走行されてラック部材303のいずれかの制御ゾーンAにパレットを載置する。
載置されたパレットは、自動的に「前詰め」され、制御ゾーンCに至る。即ちパレットはラック部材303を横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)に進み、「前詰め」される。
【0115】
ラック部材303から物品を取り出す場合には、ラック部材303とラック部材304の間の隙間を広げ、この隙間に図示しないフォークリフト等を走行されてラック部材303の制御ゾーンCからパレットを取り出す。
【0116】
また更に上記した構成を進化させ、各ラック部材301,302,303,304間で物品を自動的に受け渡す構成を採用してもよい。
例えば、図20の構成であるならば、仮に図22の様に物品を端のラック部材301のAエリアに搭載すると、物品は、ラック部材301のCエリアに至り、さらに隣接するラック部材302に進行する。そしてラック部材302においても、自動的に「前詰め」される。最終的に隣接するラック部材302のCエリアに保管される。
【0117】
そして例えば、図23の様に、ラック部材301とラック部材302の横列に物品が満載された状態で、ラック部材301のCエリアの物品320を取り出す場合には、ラック部材301,302,303,304を移動させ、図24の様に、ラック部材301とラック部材302の間に隙間307を作る。そして当該隙間に図示しないフォークリフト等を走行されてラック部材301の制御ゾーンCからパレットを取り出す。
【0118】
本発明を移動ラックに適用する場合は、各ラック部材の横列の保管区画は3以上であることが望ましい。
【符号の説明】
【0119】
1,300 物品保管装置
3 搬送装置(コンベア装置)
10〜15 ローラ本体回転型空転ローラ
16 本体・支持軸一体型空転ローラ
20 ローラ本体
21 モータ(入荷検知手段)
60〜66 ローラ本体回転型空転ローラ
67 本体・支持軸一体型空転ローラ
80 パレット(物品)
101〜105,200〜202 制御装置
111 近接スイッチ(搬送装置検知手段)
113 取出スイッチ
123 通信回路(通信手段)
126 RAM(在荷記憶手段)
140 フォークリフト(自走搬送装置)
301〜304 ラック部材
A〜E 保管区画(制御ゾーン)
X 進行方向
【技術分野】
【0001】
本発明は物品保管装置に関し、さらに詳細には、直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置に関するものである。また本発明は、コンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流センターや大型倉庫等の施設では、大量の物品が日々取り扱われている。例えば大型倉庫であれば、大型の棚枠体が複数列に渡って配置されている。ここで各棚枠体は、全長が10メートル以上にも及ぶ細長いものであり、且つ複数段の棚板がある。
【0003】
そのような施設では、一般的に、パレット等に載せられた物品をフォークリフト等の自走搬送装置(自走機能を備えたマテリアルハンドリング機器)で、複数段の高さを有する棚枠体に入庫し、或いは出庫している。フォークリフトによる棚枠体への入庫可能な奥行きは、フォークリフトの爪の長さによって制限される。フォークリフトによる棚枠体への入庫可能な奥行きは、せいぜいパレット1個分である。そのため物品の棚枠体に対する搬入・排出は、棚枠体を長手方向に見て、正面側から行わざるを得ない。
【0004】
この様な理由から、棚枠体は、列を詰めて配置することができず、棚枠体同士の間にフォークリフトの移動が可能な通路が必要となる。そのため、従来技術の大型倉庫では、棚枠体と棚枠体の間には必ず通路を設ける必要があり、限られた面積しか有さない施設では、物品の取扱量にすぐに限界が生じてしまう。このような問題の対策として、特許文献1に開示されたような物品保管設備を用いることが考えられる。
【0005】
特許文献1には、棚枠体に複数の短尺コンベアがつなぎ合わされた物品保管設備が開示されている。特許文献1に開示された物品保管設備では、棚枠体の長手方向の一方側からフォークリフトで物品を入庫し、電動モータで駆動される各コンベアに物品を載せ、各コンベア間を搬送させることで、物品を棚枠体内にストレージ(保管)できる。そして、ストレージされた物品を、棚枠体の長手方向の他方側からフォークリフトで任意に出庫できる。つまり、棚枠体の奥行き方向(長手方向)に、複数の物品を直列に配列させることができるため、従来必須だった棚と棚の間の通路が不要となり、施設における対面積当たりの物品の占有率を高めることが可能である。すなわち、限られた面積しか有さない施設でも、多くの物品を取り扱うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−347914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示された物品保管設備では、複数の短尺コンベアそれぞれに在荷検知手段(センサ)が必須であり、配線工事に手間が掛かる。また、コンベアの追加や削除等の際にも、在荷検知手段の配線工事が必要となり、仕様変更(レイアウトの変更)を容易に行うことができない。
【0008】
上記した現状に鑑み、本発明は、配線工事が容易であり、且つ迅速な仕様変更(レイアウトの変更)が可能な物品保管装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、物品を搬送するコンベア装置を有し、前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、前記コンベア装置は、各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置である。
【0010】
本発明の物品保管装置では、物品を搬送するコンベア装置を備えている。このコンベア装置は、少なくとも物品搬入側(上流側)から物品排出側(下流側)に向かって走行するものである。またこのコンベア装置は、直列的に並んだ複数の保管区画ごとに、制御ゾーンに分けられている。このコンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーン(最上流に位置する制御ゾーン)と、物品排出側の端部の制御ゾーン(最下流に位置する制御ゾーン)は、在荷検知手段を備えている。一方、コンベア装置の中間領域の制御ゾーンには在荷検知手段を設ける必要がない。
これを可能にしたのが、中間領域の制御ゾーンが有する制御装置である。
【0011】
簡単に説明すると、中間領域の制御ゾーンを制御する制御装置は、入荷検知手段で物品が到着したことを検知可能であり、在荷記憶手段でその制御装置の在荷情報を記憶可能であり、通信手段でその制御装置の在荷情報を物品搬入側(進行方向後方)の制御装置に通信可能である。つまり、中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段で検知した情報を、在荷記憶手段で保持し続けることができる。その結果、中間領域の制御ゾーンは、「在荷検知手段」で物品の有無を監視し続ける必要がなく、「在荷検知手段」が不要となったものである。このため、従来と比べて在荷検知手段の数量が格段に減ることから、配線工事は容易となる。同様に、コンベアの追加や削除等の仕様変更(レイアウト変更)の際にも、配線工事に手間取ることがない。なお、物品を検知するための在荷検知手段は、物品保管装置の「入口と出口」に当たる、物品搬入側の端部(最上流)の制御ゾーンと物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンに設けるだけで良い。
【0012】
また、本発明の物品保管装置は、物品を物品排出側(進行方向前方)に詰めて保管する機能を有する。そのため、物品排出側(下流側)の制御ゾーンが「空」であることを物品搬入側(上流側)の制御ゾーンの制御装置の在荷記憶手段と通信手段信を活用して確認し、物品排出側の制御ゾーンが「空」の場合にのみ、物品を物品排出側の制御ゾーンへと自動で搬送させることが可能である。
【0013】
「詰めて保管」とは、搬入された物品を順次奥へ詰めて保管することである。本発明において、複数の物品を「詰めて保管」すると、物品は、物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンを先頭にして連続的に並ぶ。このとき、物品間に「空」の制御ゾーンは生じない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記コンベア装置は、モータとコロ又はプーリを有し、コロ又はプーリはモータに連動するものであり、入荷検知手段は、自己の制御ゾーンのコロ又はプーリが強制的に回転されたことを条件の1つとして、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知することを特徴とする請求項1に記載の物品保管装置である。
【0015】
本発明は、前記した発明をより具体化したものである。本発明では、コンベア装置は、モータとコロ又はプーリを有している。また、入荷検知手段は、自己の制御ゾーンのコロ又はプーリが強制的に回転されたことを条件の1つとして、自己の制御ゾーンに物品排出側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていると判定する。例えば、一般的なブラシレスモータは、モータ制御用として、ホール素子等の回転位置検出手段を備えている。つまり、コロ又はプーリはモータに連動するものであることから、コロ又はプーリが強制的に回転されることで、モータが備える回転位置検出手段から出力信号が発せられる。この出力信号を物品到着の検知信号とすることで、赤外線センサ等の検知センサを不要とするものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンは、外部装置である自走搬送装置の近接・離反を検知する搬送装置検知手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品保管装置である。
【0017】
本発明では、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンは、外部装置である自走搬送装置の近接・離反を検知する搬送装置検知手段を有している。「自走搬送装置」とは、自走機能を備えたマテリアルハンドリング機器の意味であり、一般的なフォークリフト等を指すものであり、物品保管装置とは別の外部装置である。つまり、フォークリフト等で物品を入庫する際や出庫する際に近接・離反を検知することで、コンベア装置の動作を禁止・解除することが可能となる。いわゆるインターロック回路と呼ばれる安全装置を構成できる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、物品排出側の制御ゾーンから排出されると、各制御ゾーンに保管されている物品を、前記コンベア装置の物品排出側の制御ゾーン側に自動的に詰めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0019】
物品排出側の端部の制御ゾーン(後端部の制御ゾーン)を先頭に自動的に詰められた物品は、物品排出側の端部の制御ゾーン側から見ると、入庫順(古いもの順)に並んでいる。本発明は、前記した発明をより発展させたものであり、「物品排出側の制御ゾーンから出庫されると、各制御ゾーンに保管されている物品を、物品排出側の制御ゾーンに自動的に詰める」動作は、一般的に「先入れ先出し」と呼ばれる在庫管理方法である。
本発明によれば、市場でよく用いられている「先入れ先出し」方法を、例えば、あらかじめ基本プログラムとして内蔵することにより、ユーザ側でプログラムを入力する手間を省くことが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、取出スイッチを有し、取出スイッチは、各制御ゾーンに保管されている物品を前記コンベア装置の物品搬入側の制御ゾーンへ搬送させる信号を、前記制御装置へ送信可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0021】
本発明では、取出スイッチを用いることにより、保管された物品を物品搬入側の制御ゾーン(前端部の制御ゾーン側)へ搬送させることができる。その結果、誤入庫した物品を取り出すことや、制御ゾーンに保管されている物品を入庫順とは反対の順番に出す「先入れ後出し」が可能となる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、中間領域の制御ゾーンに対応する制御装置は、電源投入時及び/又は停電復帰時にコンベア装置を駆動させ、各制御ゾーンが保管する物品を、物品排出側に位置する物品に押し当てることにより自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0023】
前述の通り、本発明では中間領域の制御ゾーンには在荷検知手段を設ける必要がない。そのため、予期せぬ電源ダウンや停電時に、中間領域の制御ゾーンの在荷情報が失われた場合、何らかの手段で在荷情報を入手する必要がある。
本発明では、電源投入時及び/又は停電復帰時にコンベア装置を駆動させ、中間領域の制御ゾーンが保管する物品を、物品排出側(進行方向前方)に位置する物品に押し当てる。すると、自己の制御ゾーンの物品は停止する。この時、コンベア装置は過負荷となり、制御装置に大電流が流れる。この大電流により、在庫有りと判断することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、物品を搬送するコンベア装置を有し、前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、前記コンベア装置は、少なくとも2個の制御装置によって制御され、各制御ゾーンは、それぞれの制御ゾーンを個別に動作させるモータを持ち、前記制御装置は、それぞれ1又は2以上の制御ゾーンを受持ち、前記制御装置は、受持ちの各制御ゾーンのモータを個別に起動及び停止することができ、少なくとも中間領域の各制御ゾーンを受け持つ制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、前記入荷検知手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知する機能であり、前記在荷記憶手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品が存在するか否かを記憶する機能であり、前記通信手段は、受持ちの制御ゾーンの内の最も物品搬入側のゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンを受け持つ制御装置に通信する機能及び/又は受持ちの制御ゾーンよりも物品排出側を受け持つ制御装置から物品が存在するか否かの情報を受信する機能であり、少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと物品排出側の端部の制御ゾーンを受け持つ制御装置は、在荷検知手段を備えており、物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置である。
【0025】
本発明の物品保管装置は、コンベア装置の構成が前述の物品保管装置と異なる。本発明では、コンベア装置が少なくとも2個の制御装置によって制御されている。そして、各制御ゾーンは、それぞれの制御ゾーンを個別に動作させるモータを持っている。そして、前記制御装置は、それぞれ1又はそれ以上の制御ゾーンを受持ち、前記制御装置は、受持ちの各制御ゾーンのモータを個別に起動及び停止することができる。本発明によれば、制御装置を制御ゾーン毎に設ける必要がない。
【0026】
請求項8に記載の発明は、 縦横高さの三方向にそれぞれ複数の保管区画を有するラック部材を複数有し、前記ラック部材は並列的に配置され、且つ一部のラック部材あるいは全部のラック部材が並列方向に移動可能であり、前記コンベア装置は、ラック部材の並列方向沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の物品保管装置である。
【0027】
本発明は、移動ラックに上記した発明を応用したものである。本発明によると、移動ラックに対する物品の出し入れが容易となる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行するコンベア装置であって、直列的に並んだ複数の制御ゾーンに分割されており、前記複数の制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とするコンベア装置である。
【0029】
本発明はコンベア装置に係るものであり、上記した本発明の物品保管装置が備えるコンベア装置と同様の構成を有している。すなわち、本発明のコンベア装置では、中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段で検知した情報を、在荷記憶手段で保持し続けることができる。その結果、中間領域の制御ゾーンは、「在荷検知手段」で物品の有無を監視し続ける必要がなく、「在荷検知手段」が不要である。このため、従来と比べて在荷検知手段の数量が格段に減ることから、配線工事は容易となる。同様に、コンベアの追加や削除等の仕様変更(レイアウト変更)の際にも、配線工事に手間取ることがない。さらに、本発明のコンベア装置は、物品を物品排出側に詰めて保管する機能を有する。そのため、物品排出側(下流側)の制御ゾーンが「空」であることを物品搬入側(上流側)の制御ゾーンの制御装置の在荷記憶手段と通信手段信を活用して確認し、物品排出側の制御ゾーンが「空」の場合にのみ、物品を物品排出側の制御ゾーンへと自動で搬送させることが可能である
【発明の効果】
【0030】
本発明の物品保管装置によれば、配線工事が容易であり、且つ迅速な仕様変更が可能である。
【0031】
本発明のコンベア装置についても同様であり、配線工事が容易であり、且つ迅速な仕様変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る物品保管装置を示す斜視図である。
【図2】物品保管装置に用いられる搬送装置を平面視した説明図である。
【図3】図2の搬送装置の入庫ゾーンを制御する制御装置のブロック図である。
【図4】図2の搬送装置の保管ゾーンを制御する制御装置のブロック図である。
【図5】図2の搬送装置の出庫ゾーンを制御する制御装置のブロック図である。
【図6】搬送装置の前詰め動作の状態を示す説明図であり、(a)〜(e)は制御ゾーンA〜Eへとパレットが搬送されていく動作を示す。
【図7】搬送装置の先入れ先出し動作の状態を示す説明図であり、(a)〜(f)は出庫ゾーンからパレットが出庫された後、制御ゾーンA〜Dのパレットが順次前方へ搬送されていく動作を示す。
【図8】搬送装置の他の例を示す説明図である。
【図9】搬送装置のさらに他の例を示す説明図である。
【図10】物品保管装置に用いられる搬送装置の斜視図である。
【図11】図10の搬送装置の1ゾーンの斜視図である。
【図12】図10の搬送装置の駆動コンベア側の要部の分解斜視図である。
【図13】図10の搬送装置の従動コンベア側の要部の分解斜視図である。
【図14】図10の搬送装置で採用するモータ内蔵ローラの断面図である。
【図15】図10の搬送装置で採用するローラ本体回転型空転ローラの断面図である。
【図16】図10の搬送装置で採用する本体・支持軸一体型空転ローラの断面図である。
【図17】搬送装置の斜視図であり、全幅を広げた態様を示す。
【図18】搬送装置の斜視図であり、全幅を狭めた態様を示す。
【図19】搬送装置の他の例を示す斜視図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係る物品保管装置を示す斜視図である。
【図21】図20の物品保管装置における一つのラック部材を示す斜視図である。
【図22】図20に示す物品保管装置において、搬送装置の先入れ先出し動作の状態を示す説明図である。
【図23】図20に示す物品保管装置の2個のラック部材に跨がって、特定の横1列に物品が満載された状態を示す説明図である。
【図24】図23に示す状態から、特定の物品を取り出す際の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下は、本発明の実施形態に係る物品保管装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本発明が制限して理解されるべきではない。また、公知のものについては、説明を省略する。
【0034】
本実施形態の物品保管装置1は、図1に示すように、ラックを構成する2段の保管棚2に、2つの搬送装置3(コンベア装置)がそれぞれ上下段に設けられたものである。
保管棚2は、後述するパレット(物品)80を保管可能な枠体であり、高い剛性を有しており、耐荷重性に優れた材質で構成されることが好ましい。
搬送装置3は、後述するパレット80を搬送可能ないわゆるコンベア装置である。本実施形態の物品保管装置1で採用する搬送装置3の詳しい機械構成等については後述することとし、以降のコンベア装置3の機械的な構成等は、簡素なコンベアモデルとして説明する。
【0035】
ここで、本実施形態の物品保管装置1で採用する搬送装置3の特徴である電気的な構成等について説明する。
物品保管装置1は、直列的に並んだ複数の保管区画A〜Eを有している。図2に示すように、搬送装置3は、保管区画A〜Eに跨って設置されている。
保管区画A〜Eは、それぞれパレット80を1つ保管できる区画であり、合計5つのパレット80を直列に保管可能である。
【0036】
本実施形態では、保管区画A〜Eそのものを制御ゾーンA〜Eとして利用しており、物品搬入側から物品排出側に向かう方向X、すなわち、制御ゾーンAから制御ゾーンEへとパレット80が流れる方向Xを、進行方向としている。つまり、パレット80が制御ゾーンAに入庫され、制御ゾーンB〜Dを順に進んで、制御ゾーンEから出庫されることを基本の流れとしている。制御ゾーンAは、物品搬入側の端部(最上流)の制御ゾーンであり、「入庫ゾーン」として機能する。制御ゾーンB〜Dは、中間領域の制御ゾーンであり、「保管ゾーン」として機能する。制御ゾーンEは、物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンであり、「出庫ゾーン」として機能する。
【0037】
制御ゾーンA〜Eは、後述するモータ21(モータ内蔵ローラ7)と、制御装置101〜105をそれぞれ有している。制御ゾーンA〜Eが有するモータ21には、それぞれ制御装置101〜105が接続されている。制御装置101〜105同士は、数珠つなぎに接続されている。
なお、制御ゾーンAの近傍には、近接スイッチ111(搬送装置検知手段)と、赤外線センサ112(在荷検知手段)と、取出スイッチ113が設けられており、これらが制御装置101に接続されている。また、制御ゾーンEの近傍には、近接スイッチ111と赤外線センサ112が設けられており、これらが制御装置105に接続されている。
【0038】
「入庫ゾーン」に設けられた制御装置101は、図3に示すように、マイクロコントローラ120と、モータ駆動回路121と、I/O回路122と、通信回路123と、ディップスイッチ127を有している。
マイクロコントローラ120は、従来公知のCPU124と、ROM125と、RAM(在荷記憶手段)126等を備えた集積回路である。
CPU124は制御プログラムや命令等を実行可能な中央処理装置であり、いわゆるプロセッサである。
【0039】
ROM125は、EEPROMやフラッシュメモリ等で構成される保存装置であり、制御プログラム等を保存可能である。
【0040】
RAM126は、SRAMやDRAM等で構成される記憶装置であり、いわゆるメインメモリである。RAM126には、前述の「在荷情報」等が記憶される。詳細には、RAM126は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を記憶可能である。
【0041】
ROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンA)にパレット80が到着したことを確認すると、進行方向Xにおける物品排出側(下流側)の制御ゾーン(制御ゾーンB)にパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を確認し、パレット80が無い場合(空の場合)に、パレット80を物品搬入側(上流側)の制御ゾーン(制御ゾーンB)に搬送する」プログラムが、基本プログラムとして保存されている。
【0042】
また、ROM125には、「進行方向Xにおける物品排出側の制御ゾーンが「空」となった情報を受信すると、自己の制御ゾーンにパレット80がある場合には、パレット80を物品排出側の制御ゾーンに搬送する」プログラムが保存されている。いわゆる、「先入れ先出し」プログラムである。
【0043】
なお、制御装置101の安全回路として、ROM125に、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンA)に、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が近接したことを検知すると、制御ゾーンAのモータ21を操作不能とする」プログラムが保存されている。つまり、フォークリフト等による作業中に、誤ってパレット80が動くことを防止できる。いわゆる、インターロック回路である。また、ROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンA)から、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が離反したことを検知すると、制御ゾーンAのモータ21を操作可能とする」プログラムが保存されている。つまり、フォークリフト等が離れたことを確認することで、インターロック回路を解除し、「先入れ先出し」を再開している。
【0044】
モータ駆動回路121は、モータ21(モータ内蔵ローラ7)を制御可能な従来公知のドライバ回路であり、モータ21のON/OFF、速度調整等が可能である。
I/O回路122は、外部装置と信号を送受信するためのインターフェース回路である。I/O回路122には、近接スイッチ111と、赤外線センサ112と、取出スイッチ113が接続されている。
【0045】
近接スイッチ111は、非接触型の磁気センサであり、金属の近接・離反を検知するものである。近接スイッチ111は、自己の制御ゾーンに、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が近接・離反したことを検知できる。
赤外線センサ112は、非接触で物品等の有無を検知可能なセンサである。赤外線センサ112は、発光部と受光部を有し、発光部から放出した赤外線が、物品等に反射して受光することで、物品の有無を検出するものである。
取出スイッチ113は、従来公知の押しボタンスイッチであり、パレット80の搬送方向を進行方向Xとは逆向きに反転する信号を送信できる。
【0046】
通信回路123は、他の制御装置と通信するための回路である。通信回路123は、進行方向Xにおける物品排出側の制御装置102と接続されており、進行方向Xにおける物品排出側の制御ゾーンBにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を、制御ゾーンBを制御する制御装置102から受信可能である。
【0047】
ディップスイッチ127は、設定切替用の手動スイッチである。本実施形態では、ディップスイッチ127の操作により、パレット80の保管方法を「先入れ先出し」と他の方法とに切り替えることや、搬送方向の切り替え、搬送速度の切り替え等を行うことが可能である。また、ディップスイッチ127の切り替えにより、制御装置101を「保管ゾーン」制御用の制御装置として用いることが可能となる。さらに、ディップスイッチ127の切り替えにより、制御装置101を「出庫ゾーン」制御用の制御装置として用いることも可能である。
【0048】
つぎに、「保管ゾーン」に設けられた制御装置102〜104は、図4に示すように、それぞれ、マイクロコントローラ120と、モータ駆動回路121と、I/O回路122と、通信回路123と、ディップスイッチ127を有している。つまり、制御装置102〜104は、前述の制御装置101と基本構成が同一であり、説明を一部省略する。
【0049】
制御装置102〜104が備える通信回路123は、自己の制御ゾーンから見て進行方向Xにおける物品排出側と物品搬入側の両方の制御装置に接続されている。そして制御装置102〜104は、物品排出側の制御装置から、当該物品排出側の制御ゾーンにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を受信可能である。一方、制御装置102〜104は、自己の制御ゾーンにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を、物品搬入側の制御装置へ送信可能である。
【0050】
図2に示したように、制御装置102(制御ゾーンB)の物品排出側は制御装置103(制御ゾーンC)であり、物品搬入側は制御装置101(制御ゾーンA)である。同様に、制御装置103(制御ゾーンC)の物品排出側は制御装置104(制御ゾーンD)、物品搬入側は制御装置102(制御ゾーンB)である。さらに、制御装置104(制御ゾーンD)の物品排出側は制御装置105(制御ゾーンE)、物品搬入側は制御装置103(制御ゾーンC)である。
【0051】
制御装置102〜104では、I/O回路122には何も接続されていない。つまり、制御装置102〜104は、制御装置101のように、赤外線センサ112(在荷検知手段)を備えていない。制御装置102〜104においては、自己の制御ゾーン(制御ゾーンB〜D各々)にパレット80が存在するか否かは、パレット80の挙動をモータ21で検知することで可能にしている。
【0052】
詳述すると、パレット80が物品搬入側の制御ゾーンから送られてくると、自己の制御ゾーンが有するモータ21が強制的に回転力を受ける。この時、モータ21内部では、モータ21制御用として内蔵しているホールIC(図示省略)が、モータ21の回転を検知してパルス電圧を発生する。このパルス電圧(出力信号)をモータ駆動回路121を経由して、マイクロコントローラ120で受信することで、自己の制御ゾーンにパレット80が到着したことを検知する。これはモータ21を「入荷検知手段」として利用したものであり、モータ21が入荷検知手段を兼ねているとも言える。
或いは、モータ21が回転力を受けた際に生じる逆起電力を、検知信号として利用しても構わない。
【0053】
前述の検知情報をRAM126に記憶させることで、「在荷情報」として保持できる。そして、RAM126に保管した「在荷情報」を物品搬入側の制御装置へ送信するため、制御装置102〜104では、ROM125に「自己の制御ゾーンにパレット80が到着したことを確認すると、物品搬入側の制御ゾーンに自己の制御ゾーンの「在荷情報」を送信する」プログラムが保存されている。なお、制御装置102〜104においても、制御装置101と同様の基本プログラムや「先入れ先出し」プログラムも保存されている。
【0054】
また、制御装置102〜104は、赤外線センサ112等を備えていない。そのため、予期せぬ電源ダウンや停電時に、自己の制御ゾーンの「在荷情報」が失われた際の対策として、対応プログラムがROM125に予め保存されている。対応プログラムでは、「電源投入時や停電復帰時に、自己の制御ゾーンのモータ21を駆動させ、自己の制御ゾーンが保管するパレット80を物品排出側に搬送させる。そして、モータ21が過負荷となると、自己の制御ゾーンにパレット80が有ると判断する」動作を行う。つまり、自己の制御ゾーンが保管するパレット80が、物品排出側の制御ゾーンが保管するパレット80に当接した際に、モータ21が過負荷となり、モータ駆動回路121に大電流が流れることで、在荷有りと判断するものである。
【0055】
或いは、モータ21を過負荷とさせる代わりに、モータ21を寸動させた際や、モータ21を低速で回転させた際の電流値を測定し、その電流値によりパレット80が有ると判断しても構わない。
なお、自己の制御ゾーンが保管するパレット80を、物品排出側の制御ゾーンが保管するパレット80に当接させた後、モータ21を少しだけ逆回転させて、パレット80同士の間に隙間を設ける制御を行っても構わない。
【0056】
つぎに、「出庫ゾーン」に設けられた制御装置105は、図5に示すように、マイクロコントローラ120と、モータ駆動回路121と、I/O回路122と、通信回路123と、ディップスイッチ127を有している。つまり、制御装置105も、前述の制御装置101と基本構成が同一であり、説明を一部省略する。
I/O回路122には、制御装置101と同様に、近接スイッチ111と、赤外線センサ112が接続されている。
【0057】
制御装置105は、進行方向Xにおける最下流(物品排出側の端部)である「出庫ゾーン」に設けられた制御装置であり、その下流には制御装置がない。そのため、制御ゾーンEに物品搬入側(上流側)からパレット80が搬送されてくると、パレット80を自己の制御ゾーンで停止させ、保管する必要がある。そのため、制御装置105では、ROM125に「自己の制御ゾーン(制御ゾーンE)にパレット80が到着したことを確認すると、モータ21を停止する」プログラムが、基本プログラムとして保存されている。つまり、何らかの誤作動でモータ21が回転してパレット80が搬送装置3の外へ飛び出すことを防止している。なお、パレット80到着の確認は、赤外線センサ112により行う。
【0058】
また、制御装置105のROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンE)に、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が近接したことを検知すると、物品搬入側の制御装置に停止信号を送信する」プログラムが保存されている。つまり、物品搬入側の制御装置に停止信号を送信するで、フォークリフト等による作業中に、誤って物品搬入側の制御ゾーンから自己の制御ゾーンにパレット80が搬送されることを防止できる。いわゆる、インターロック回路である。
【0059】
さらに、制御装置105のROM125には、「自己の制御ゾーン(制御ゾーンE)から、外部装置であるフォークリフト等の自走搬送装置の一部(金属製の爪等)が離反したことを検知し、さらにパレット80がないことを検知すると、自己の制御ゾーンが「空」であることを物品搬入側の制御装置に送信する」プログラムが保存されている。つまり、フォークリフト等が離れたことを確認することで、インターロック回路を解除し、「先入れ先出し」を再開している。
【0060】
つぎに、本実施形態の搬送装置3による「前詰め」動作について、図6(a)〜(e)を用いて説明する。
図6(a)では、パレット80が「入庫ゾーン」である制御ゾーンAに入庫されている。この時、金属製の爪141を備えたフォークリフト140は、制御ゾーンAから離反しているため、近接スイッチ111は働かず、インターロック回路は解除されている。
制御装置101は、内蔵プログラムに基づいて、動作を開始する。制御装置101は、赤外線センサ112で制御ゾーンAにパレット80が入庫されたことを検知する。
【0061】
制御装置101は、物品排出側(下流側)の制御ゾーンBの「在荷情報」を、制御装置102から受信する。この時、制御ゾーンBは「空」であるので、制御装置102から制御装置101へは「空」という「在荷情報」が送信されている。その結果、制御装置101は、「先入れ先出し」プログラムに基づいて、制御ゾーンAから物品排出側の制御ゾーンBへ、パレット80を搬送する。
【0062】
図6(b)では、制御ゾーンAから搬送されたパレット80で制御ゾーンBのモータ21が回転し、モータ21で発生した逆起電力により、制御装置102が制御ゾーンBにパレット80が到着したことを検知する。この時、制御装置102内部では、RAM126に「在荷情報」が記憶される。
そして、制御装置102は、物品排出側の制御ゾーンCの「在荷情報」を、制御装置103から受信する。この時、制御ゾーンCは「空」であるので、制御装置103から制御装置102へは「空」という「在荷情報」が送信されている。その結果、制御装置102は、基本プログラムに基づいて、制御ゾーンBから進行方向Xの前方である制御ゾーンCへ、パレット80を搬送する。
【0063】
図6(c)〜(d)では、制御装置103,104は、前述の制御装置102と同様の動作を行う。その結果、パレット80は、制御ゾーンCから制御ゾーンDを経由して、制御ゾーンEへと搬送される。
【0064】
図6(e)では、制御装置105が、赤外線センサ112で制御ゾーンEにパレット80が入庫されたことを検知する。制御ゾーンEは物品排出側の端部(最下流)の制御ゾーンであるため、制御装置105は内蔵プログラムに基づいて、モータ21を停止させ、パレット80を制御ゾーンEに保管する。
【0065】
以上の通り、制御ゾーンAにパレット80を置くだけで、制御装置101〜105が内蔵プログラムに基づいて、パレット80を制御ゾーンAから制御ゾーンEへと自動で搬送し、制御ゾーンEに保管することができた。つまり、パレット80が搬送装置3内で「前詰め」が行われたのである。
なお、制御ゾーンE以外の制御ゾーンA〜Dにパレット80を前詰めで保管する場合にでも、同様にして、パレット80を制御ゾーンAに置くだけで自動的に行われる。
【0066】
以上説明した実施形態では、制御装置101〜105にプログラムされた指令において、「搬送する」と記述しただけであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、モータ21への指令を、数値(搬送距離)で指令しても構わない。或いは、モータ21の回転角度で指令しても良く、又はパルス数で指令しても構わない。
【0067】
つぎに、本実施形態の搬送装置3による「先入れ先出し」動作について、図7(a)〜(f)を用いて説明する。
【0068】
図7(a)では、制御ゾーンA〜Eの全てにパレット80が保管された状態である。この時、「出庫ゾーン」である制御ゾーンEでは、パレット80がフォークリフト140で出庫されようとしている。つまり、フォークリフト140が、制御ゾーンEに近接しているため、近接スイッチ111が検知する。この検知信号を受けた制御装置105は、内部プログラムに基づき、物品搬入側(上流側)の制御装置104に停止信号を送信する。
【0069】
制御装置104が前記停止信号を受信すると、制御装置104は制御ゾーンDにおける搬送動作を停止する(すなわち、動作させない、停止状態を維持する)。この時、制御ゾーンDにはパレット80があることから、制御ゾーンDの「在荷情報」は「有」のまま保持され、物品搬入側(上流側)の制御装置103に送信される。そして、制御装置103では、物品排出側(下流側)の制御装置104の「在荷情報」が「有」であるため、自己の制御ゾーンCのパレット80を搬送することができない。以降の制御ゾーンB,Aについても同様である。つまり、制御装置105から発せられた停止信号により、制御ゾーンA〜Dのパレット80が停止した状態となる。
【0070】
なお、制御ゾーンA〜Dの「在荷情報」が「空」である場合には、「入庫ゾーン」から送られてくるパレット80は、「空」の制御ゾーンまで搬送が可能である。つまり、「出庫ゾーン」から出庫中であっても、「空」の制御ゾーンまでは「入庫ゾーン」から入庫可能であり、出庫と入庫の別々の動作を同時に行うことが可能である。
【0071】
図7(b)は、制御ゾーンEは、パレット80がフォークリフト140で出庫された後の状態である。つまり、制御ゾーンEからフォークリフト140が離反したことを、近接スイッチ111が検知する。さらに、赤外線センサ112が、制御ゾーンEにパレット80が無いことを検知する。これらの検知信号を制御装置105が受けると、制御装置105から制御装置104に送信されていた停止信号が解除される。すなわち、インターロック回路が解除される。さらに、制御装置105から制御装置104に、「空」の在荷情報が送信される。
【0072】
「空」の在荷情報を制御装置105から受信した制御装置104は、内蔵の「先入れ先出し」プログラムに基づいて、制御ゾーンDから物品排出側の制御ゾーンEへ、パレット80を搬送する。その結果、搬送装置3は、図7(c)に示す通りとなる。
【0073】
図7(c)〜(f)では、制御装置103,102,101の順番で、前述の制御装置104と同様の動作を行う。その結果、各々の制御ゾーンC,B,Aに保管されたパレット80は、物品排出側の制御ゾーンへ1つ1つ順番に搬送される。
【0074】
以上の通り、制御ゾーンEからパレット80が出庫されると、制御装置104,103,102,101は、内蔵の「先入れ先出し」プログラムに基づいて、それぞれの制御ゾーンD,C,B,Aが保管するパレット80を、1つ1つ順番に、物品排出側へと搬送することができた。つまり、パレット80が搬送装置3内で「先入れ先出し」されたのである。
【0075】
なお、図7(f)の状態において、「入庫ゾーン」である制御ゾーンAに設けられた取出スイッチ113を押すと、制御ゾーンBに保管されたパレット80は、制御ゾーンA側へ搬送される。つまり、パレット80を入庫順とは反対の順番に出す「先入れ後出し」が可能となる。この態様は、誤って入庫したパレット80を入庫ゾーンから取り出すことを可能にする。
【0076】
以上説明した実施形態では、制御ゾーンD,C,B,Aが保管するパレット80を、1つ1つ順番に、物品排出側へ搬送する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、制御ゾーンEからパレット80が出庫された際に、制御装置105の「空」の在荷情報を、全ての制御装置101〜104に送信することにより、制御ゾーンD,C,B,Aが保管するパレット80を一斉に同時に物品排出側の制御ゾーンへ搬送しても構わない。
【0077】
本実施形態では、制御ゾーンEは、シンプルなコンベア装置としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、制御ゾーンEに機械的なストッパ等の安全装置を設けても良い。或いは、制御ゾーンEに設けたストッパにパレット80を当接させることで、「前詰め」の最終地点としても良い。
【0078】
以上説明した実施形態では、1つの制御装置が、それぞれ1つの制御ゾーンを受け持つ構成を説明した。即ち、先に示した実施形態では、制御ゾーンの数と、制御装置の数は相等しく、一対一に対応している。しかしながら、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、2以上の制御ゾーンを受け持つ制御装置を含んでいてもよく、2以上の制御ゾーンを制御する制御装置だけで構成されていてもよい。
【0079】
例えば図8に示す実施形態では、2番目の制御ゾーンBを受け持つ制御装置102の機能と、3番目の制御ゾーンCを受け持つ制御装置103の機能とを備えた制御装置200を有している。ただし制御装置200は、1つの制御装置であるから、2番目の制御ゾーンBの情報と3番目の制御ゾーンCの情報の両方を保有しており、前記した様な制御装置102と制御装置103の間の通信機能は必要ない。
制御装置200についても、他の制御装置と通信するための通信回路123を備える。この通信回路123は、物品排出側の制御装置104と物品搬入側の制御装置101に接続されている。
物品排出側の制御装置104からは、制御ゾーンDにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を得る。また物品搬入側の制御装置101に対しては、自己が受け持つ制御ゾーンBにパレット80が存在するか否かの「在荷情報」を送信する。
【0080】
また図9に示す様に、端部の制御ゾーンを含む複数の制御ゾーンを受け持つ制御装置201,202が混在していてもよい。この例では、制御装置201は制御ゾーンAとBを受け持つ。制御装置202は制御ゾーンC,D,Eを受け持つ。
【0081】
つぎに、本発明の実施形態で採用する搬送装置3の機械的な構成等について、詳述する。
搬送装置3は、図10に示すように、2個のローラコンベア4,5を間隔Wを開けて平行に並べたものである。
2個のローラコンベア4,5の内、一方のローラコンベア4は、モータ内蔵ローラ7を有するものであり、駆動源を有していて自走可能な「駆動コンベア」である。また他方のローラコンベア5は、駆動源を有しない「従動コンベア」である。
【0082】
駆動コンベア4は、公知のそれと同様に、平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものである。また、駆動コンベア4は、搬送方向(矢印X方向)に複数のゾーンA〜Eに分かれており、各ゾーンには、図11の様に8本のローラが配されている。そして各ゾーンには、1本ずつモータ内蔵ローラ7が設けられている。
即ち駆動コンベア4の各ゾーンの内、1本だけがモータ内蔵ローラ7であり、他のローラ10〜16は、いずれも空転ローラである。
【0083】
ここでモータ内蔵ローラ7は、例えば図14の様な構造を有するものであり、ローラ本体20内にモータ21と減速機22が内蔵されたものである。そして減速機22の出力軸28は、ローラ本体20の内面と係合しており、モータ21の回転力が減速機22で減速されてローラ本体20を回転させる。
【0084】
またローラ本体20の両端からは、支持軸23,25が突出している。2つの支持軸23.25は、いずれも軸受け26,27を介してローラ本体20に取り付けられている。そのためローラ本体20は支持軸23,25に対して回転可能である。また一方の支持軸23は、中空であり中空部30の内部に給電線31等が挿通されている。そしてモータ21は、この給電線31によって外部から給電を受ける。
【0085】
ローラ本体20は、中空のローラであるが、表面にベルト53を係合させるための溝35が環状に2条設けられている。
またローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0086】
空転ローラ10〜16の内、6本の空転ローラ10〜15は、図15の様な構造のローラ本体回転型空転ローラである。
ローラ本体回転型空転ローラ10〜15は、ローラ本体20の中にモータ等を有しないものである。
即ちローラ本体回転型空転ローラ10〜15は、ローラ本体20を有し、ローラ本体20の両端からは、支持軸40,41が突出している。2つの支持軸40,41は、いずれも軸受け43,45を介してローラ本体20に取り付けられている。
【0087】
そのためローラ本体20は支持軸40,41に対して回転可能である。即ちローラ本体回転型空転ローラ10〜15では、ローラ本体20は両端の支持軸40,41の双方に対して回転可能である。
ローラ本体20の構造は、モータ内蔵ローラ7と同一であり、表面にベルトを係合させるための溝35が環状に2条設けられている。
またローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0088】
空転ローラ10〜16の内、1本の空転ローラ16は、図16の様な構造の本体・支持軸一体型空転ローラである。
本体・支持軸一体型空転ローラ16と前記したローラ本体回転型空転ローラ10〜15の相違点は、ローラ本体回転型空転ローラ10〜15のローラ本体20が双方の支持軸40,41対して回転可能であるのに対し、本体・支持軸一体型空転ローラ16では、ローラ本体20は一方の支持軸46に対してのみ回転可能である。即ち本体・支持軸一体型空転ローラ16は、他方の支持軸50は、ローラ本体20と一体であり、支持軸50はローラ本体20に対して相対回転ができない。
また他方の支持軸(以下、一体回転側支持軸と称する)50は先端部分51の断面形状が多角形である。即ち一体回転側支持軸50の先端部分51は四角形であり、他の部材と係合可能な形状となっている。
【0089】
駆動コンベア4は、前記した様に、平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものであるが、モータ内蔵ローラ7及びローラ本体回転型空転ローラ10〜15は、フレーム部材6に両端の支持軸23,25,40,41が回転不能な状態に取り付けられている。ただし、支持軸23,25,40,41に対してローラ本体20が回転可能であるので、ローラ本体20は、フレーム部材6に対して回転可能である。
【0090】
これに対して本体・支持軸一体型空転ローラ16は、図12の様にローラ本体20と一体側の一体回転側支持軸50が軸受け52を介してフレーム部材6に取り付けられている。他方の支持軸46は、フレーム部材6に回転不能な状態に取り付けられている。
そのため本体・支持軸一体型空転ローラ16は、ローラ本体20がフレーム部材6に対して回転可能であるが、一方の一体回転側支持軸50は、ローラ本体20と一体的に回転する。
【0091】
また各ローラ7,10〜16は、隣接するローラ7,10〜16との間でベルト53が懸架されている。即ち各ローラ5,10〜16の表面には、2条の溝35が設けられており、1つの溝35と、隣接する位置にあるローラ5,10〜16の溝35との間にベルト53が懸架されている。従って各ローラ7,10〜16は全てが連動し、いずれか1つのローラ7,10〜16が回転すると、他のローラ7,10〜16も回転する。
【0092】
次に従動コンベア5について説明する。
従動コンベア5についても、平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものである。また、従動コンベア5についても、複数のゾーンA’〜E’に分かれており、各ゾーンには、図11の様に8本のローラが配されている。ただし従動コンベア5には、モータ内蔵ローラ7はなく、全てが空転ローラ60〜67である。
【0093】
また空転ローラ60〜67の内、7本の空転ローラ60〜66は、図15の様な構造のローラ本体回転型空転ローラ60〜66である。
ローラ本体回転型空転ローラ60〜66は、前記したローラ本体回転型空転ローラ10〜15と同一の構造であり、ローラ本体20の中にモータ等を有しない。またローラ本体20の両端からは、支持軸40,41が突出しており、ローラ本体20は両端の支持軸40,41の双方に対して回転可能である。
またローラ本体20の表面にベルトを係合させるための溝35が環状に2条設けられており、ローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0094】
また空転ローラ60〜67の内、1本の空転ローラ67は、図16の様な構造の本体・支持軸一体型空転ローラ67である。
本体・支持軸一体型空転ローラ67は、前記した本体・支持軸一体型空転ローラ16と同一の構造であり、一方の支持軸46に対してのみローラ本体20が回転可能である。即ち本体・支持軸一体型空転ローラ67は、一体回転側支持軸50がローラ本体20と一体であり、両者の間で相対回転はできない。
またローラ本体20の表面にベルトを係合させるための溝35が環状に2条設けられており、ローラ本体20の外周側の一端には、フランジ36が設けられている。
【0095】
従動コンベア5についても、駆動コンベア4と同様に平行に配されたフレーム部材6に複数のローラが平行に取り付けられたものである。ただし従動コンベア5にはモータ内蔵ローラが無く、ローラ本体回転型空転ローラに置き代わっている。また従動コンベア5は、駆動コンベア4とは勝手違いの位置関係にあり、フランジ36の位置と一体回転側支持軸50の位置が駆動コンベア4と左右逆転している。
従動コンベア5についても、駆動コンベア4と同様に1本だけ本体・支持軸一体型空転ローラ67を有するが、本体・支持軸一体型空転ローラ67の位置は、駆動コンベア4の本体・支持軸一体型空転ローラ16と同じである。
【0096】
従動コンベア5においても、ローラ本体回転型空転ローラ60〜66は、フレーム部材6に両端の支持軸40,41が回転不能な状態に取り付けられている。
これに対して本体・支持軸一体型空転ローラ67は、図13の様にローラ本体20と一体側の一体回転側支持軸50が軸受け55を介してフレーム部材6に取り付けられている。なお他方の支持軸46は、フレーム部材6に回転不能な状態に取り付けられている。
そのため本体・支持軸一体型空転ローラ67では、ローラ本体20がフレーム部材6に対して回転可能であるが、一方の一体回転側支持軸50は、ローラ本体20と一体的に回転する。
また各ローラ60〜67は、隣接するローラ60〜67との間でベルト53が懸架されており、各ローラ60〜67は全てが連動し、いずれか1つのローラ60〜67が回転すると、他のローラ60〜67も回転する。
【0097】
前記した様に、駆動コンベア4と、従動コンベア5が間隔Wを開けて平行に並べられている。
また駆動コンベア4と、従動コンベア5は勝手違いの位置関係にあり、各ローラのフランジ36が外側にあり、本体・支持軸一体型空転ローラ16,67のローラ本体20と一体的に回転する側の一体回転側支持軸50は、いずれも駆動コンベア4と、従動コンベア5の中心側に向かって突出している。
【0098】
そして各ゾーンA〜E,A’〜E’では、それぞれ1本ずつ本体・支持軸一体型空転ローラ16,67があり、本体・支持軸一体型空転ローラ16,67の位置も同じである。
そのため駆動コンベア4の本体・支持軸一体型空転ローラ16の一体回転側支持軸50と、従動コンベア5の本体・支持軸一体型空転ローラ67の一体回転側支持軸50とが向き合う位置にある。
そして、駆動コンベア4の一体回転側支持軸50と、従動コンベア5の一体回転側支持軸50とが一体的に回転する様に両者がシャフト70で連結されている。
【0099】
シャフト70は、丸棒であり、両端部71,74が四角形に成形されている。そしてシャフト70の両端部71,74が軸継ぎ手72,73を介してそれぞれの一体回転側支持軸50に接続されている。
即ち軸継ぎ手72,73は、中心に四角形の貫通孔75が設けられた筒体であり、貫通孔75の一方の端部に一体回転側支持軸50を挿通し、他方の端部にシャフト70を挿入している。
【0100】
そして一体回転側支持軸50の断面形状と、軸継ぎ手72の貫通孔75の断面形状と、シャフト70の端部71,74の断面形状が共に四角形であるから、これら三者は、相対回転を許さず、一体的に回転する。即ち一方の一体回転側支持軸50の回転力が他方の一体回転側支持軸50に伝動される。
【0101】
次に搬送装置3の作用について説明する。
搬送装置3は、大型で四角形のパレット80を搬送物とするものである。そしてパレット80を搬送する際には、駆動コンベア4側のモータ内蔵ローラ7を回転させる。モータ内蔵ローラ7は、前記した様に同一のゾーン内の他の空転ローラと直接的に又は他の空転ローラを介して間接的にベルトで連結されているから、モータ内蔵ローラ7が回転すると、同一のゾーン内の他の空転ローラ10〜16も回転を開始する。
【0102】
そのため空転ローラ10〜16の1つたる本体・支持軸一体型空転ローラ16のローラ本体20が回転し、ローラ本体20の回転に伴って、本体・支持軸一体型空転ローラ16の一体回転側支持軸50が回転する。そして一体回転側支持軸50に軸継ぎ手72を介して接続されたシャフト70が回転し、シャフト70の他端に接続された軸継ぎ手73を介して従動コンベア5側の一体回転側支持軸50が回転する。
【0103】
その結果、従動コンベア5側の本体・支持軸一体型空転ローラ67が回転する。そして本体・支持軸一体型空転ローラ67のローラ本体20は、ベルト53を介して他の空転ローラ60〜66と連動させられているから、本体・支持軸一体型空転ローラ67のローラ本体20の回転に伴って、同一ゾーン内の他の空転ローラ60〜66も回転する。
そしてこれらすべてのローラ5,10〜16,60〜67の回転は、駆動コンベア4のモータ内蔵ローラ7の回転と同期しているから、すべてのローラ7,10〜16,60〜67は同期的に回転する。そのためパレット80は、真っ直ぐに搬送されてゆく。
【0104】
搬送装置3では、搬送物(パレット80)の大きさに合わせて、簡単に搬送幅を変更することができる。即ち搬送物(パレット80)の大きさが大きい場合は、駆動コンベア4と従動コンベア5の間隔Wを広げ、図17の様により長いシャフト81で両者を繋ぐ。逆に即ち搬送物(パレット80)の大きさが小さい場合は、図18の様に駆動コンベア4と従動コンベア5の間隔Wを狭め、短いシャフト82で両者を繋ぐ。
【0105】
以上説明した実施形態では、筒に四角形の孔が設けられた単純な構造の軸継ぎ手を採用したが、孔の形状は任意であり、六角形であってもよく、三角形や「D」字状であってもよい。さらに軸継ぎ手の構造自体も任意であり、公知のあらゆる軸継ぎ手を使用することができる。例えば、ユニバーサル軸継ぎ手や、弾性軸継ぎ手等を採用することもできる。
【0106】
本実施形態では、2列のコンベアを並列的に並べたが、3列以上のコンベアを並べてもよい。例えば、図19に示す様に、コンベアを3列並べ、中央のコンベア85を駆動コンベアとし、両端のコンベア86,87を従動コンベアとすることができる。
【0107】
以上説明した実施形態では、隣接するローラをベルトで連結して各ローラに動力を伝動したが、1本のチェーンを複数のローラ間に懸架して各ローラを同期回転させてもよい。また、ローラコンベアだけでなく、ベルトコンベアにも応用することができる。
【0108】
また以上説明した実施形態では、空転ローラたる本体・支持軸一体型空転ローラ16,67をシャフト70で連結した。この理由は、駆動ローラたるモータ内蔵ローラ7は、給電線31等が端部から露出しており、支持軸23からの動力取り出しが困難であるためであるが、本発明は、駆動ローラたるモータ内蔵ローラ7から動力を取り出すことを否定するものではない。
【0109】
図1に示した実施形態は、固定ラックと称される物品保管装置であるが、いわゆる移動ラックに本発明を適用することもできる。
図20に示す物品保管装置300は4本のラック部材301,302,303,304によって構成されている。各ラック部材301,302,303,304は、図の様に並列的に配列さている。
また各ラック部材301,302,303,304の下には、ラック部材301,302,303,304の並列方向に自由回転するローラからなる軌道305が配されており、各ラック部材301,302,303,304は並列方向に移動する。
なお各ラック部材301,302,303,304を移動させるために、各ラック部材301,302,303,304にはモータが搭載されているが、モータの図示は省略している。
【0110】
物品保管装置300の各ラック部材301,302,303,304間の隙間は小さいが、いずれか一か所だけに大きな隙間がある。例えば、図20では、ラック部材302とラック部材303の間の隙間306が大きく、他の隙間は小さい。
そして物品を出し入れする際には、各ラック部材301,302,303,304を移動させて載置されているラックに隣接する隙間を広げる。
【0111】
各ラック部材301,302,303,304は、図20,図21の様に、縦方向(各ラック部材301,302,303,304の長手方向)と、横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)及び高さ方向に複数の保管区画を有している。
本実施形態では、縦方向(各ラック部材301,302,303,304の長手方向)に7区画、横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)に3区画、高さ方向に2区画の保管区画があり、合計42の保管区画がある。
【0112】
そして本実施形態では、図の様に、横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)に跨がって搬送装置310(コンベア装置)が配置されている。
各搬送装置310(コンベア装置)は、先の実施形態の駆動コンベア4に相当するものであり、平行に配されたフレーム部材に複数のローラが平行に取り付けられたものである。また、駆動コンベア4は、搬送方向(矢印X方向)にA,B,Cの3ゾーンに分かれており、各ゾーンが保管区画となる。
【0113】
各搬送装置310に付属する制御装置、センサー、スイッチ等は、先の実施形態と同一である。
そのため制御ゾーンAにパレットを置くだけで、制御装置の内蔵プログラムに基づいて、パレットを制御ゾーンAから制御ゾーンCへと自動で搬送し、制御ゾーンCに保管することができる。つまり、パレットが搬送装置3内で「前詰め」が行われる。また「先入れ先出し」動作が実行される。
【0114】
例えば、ラック部材303にパレット(物品)を保管したい場合には、図20に示すように、ラック部材302とラック部材303の間の隙間306を大きくし、この隙間306に図示しないフォークリフト等を走行されてラック部材303のいずれかの制御ゾーンAにパレットを載置する。
載置されたパレットは、自動的に「前詰め」され、制御ゾーンCに至る。即ちパレットはラック部材303を横方向(各ラック部材301,302,303,304の並列方向)に進み、「前詰め」される。
【0115】
ラック部材303から物品を取り出す場合には、ラック部材303とラック部材304の間の隙間を広げ、この隙間に図示しないフォークリフト等を走行されてラック部材303の制御ゾーンCからパレットを取り出す。
【0116】
また更に上記した構成を進化させ、各ラック部材301,302,303,304間で物品を自動的に受け渡す構成を採用してもよい。
例えば、図20の構成であるならば、仮に図22の様に物品を端のラック部材301のAエリアに搭載すると、物品は、ラック部材301のCエリアに至り、さらに隣接するラック部材302に進行する。そしてラック部材302においても、自動的に「前詰め」される。最終的に隣接するラック部材302のCエリアに保管される。
【0117】
そして例えば、図23の様に、ラック部材301とラック部材302の横列に物品が満載された状態で、ラック部材301のCエリアの物品320を取り出す場合には、ラック部材301,302,303,304を移動させ、図24の様に、ラック部材301とラック部材302の間に隙間307を作る。そして当該隙間に図示しないフォークリフト等を走行されてラック部材301の制御ゾーンCからパレットを取り出す。
【0118】
本発明を移動ラックに適用する場合は、各ラック部材の横列の保管区画は3以上であることが望ましい。
【符号の説明】
【0119】
1,300 物品保管装置
3 搬送装置(コンベア装置)
10〜15 ローラ本体回転型空転ローラ
16 本体・支持軸一体型空転ローラ
20 ローラ本体
21 モータ(入荷検知手段)
60〜66 ローラ本体回転型空転ローラ
67 本体・支持軸一体型空転ローラ
80 パレット(物品)
101〜105,200〜202 制御装置
111 近接スイッチ(搬送装置検知手段)
113 取出スイッチ
123 通信回路(通信手段)
126 RAM(在荷記憶手段)
140 フォークリフト(自走搬送装置)
301〜304 ラック部材
A〜E 保管区画(制御ゾーン)
X 進行方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、
物品を搬送するコンベア装置を有し、
前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、
前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、
前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、
前記コンベア装置は、各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、
前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、
前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、
前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、
前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、
少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、
物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置。
【請求項2】
前記コンベア装置は、モータとコロ又はプーリを有し、コロ又はプーリはモータに連動するものであり、
入荷検知手段は、自己の制御ゾーンのコロ又はプーリが強制的に回転されたことを条件の1つとして、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知することを特徴とする請求項1に記載の物品保管装置。
【請求項3】
前記コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンは、外部装置である自走搬送装置の近接・離反を検知する搬送装置検知手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品保管装置。
【請求項4】
物品排出側の制御ゾーンから排出されると、各制御ゾーンに保管されている物品を、前記コンベア装置の物品排出側の制御ゾーン側に自動的に詰めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項5】
取出スイッチを有し、取出スイッチは、各制御ゾーンに保管されている物品を前記コンベア装置の物品搬入側の制御ゾーンへ搬送させる信号を、前記制御装置へ送信可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項6】
中間領域の制御ゾーンに対応する制御装置は、電源投入時及び/又は停電復帰時にコンベア装置を駆動させ、各制御ゾーンが保管する物品を、物品排出側に位置する物品に押し当てることにより自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項7】
直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、
物品を搬送するコンベア装置を有し、
前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、
前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、
前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、
前記コンベア装置は、少なくとも2個の制御装置によって制御され、
各制御ゾーンは、それぞれの制御ゾーンを個別に動作させるモータを持ち、
前記制御装置は、それぞれ1又は2以上の制御ゾーンを受持ち、
前記制御装置は、受持ちの各制御ゾーンのモータを個別に起動及び停止することができ、
少なくとも中間領域の各制御ゾーンを受け持つ制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、
前記入荷検知手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知する機能であり、
前記在荷記憶手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品が存在するか否かを記憶する機能であり、
前記通信手段は、受持ちの制御ゾーンの内の最も物品搬入側のゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンを受け持つ制御装置に通信する機能及び/又は受持ちの制御ゾーンよりも物品排出側を受け持つ制御装置から物品が存在するか否かの情報を受信する機能であり、
少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと物品排出側の端部の制御ゾーンを受け持つ制御装置は、在荷検知手段を備えており、
物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置。
【請求項8】
縦横高さの三方向にそれぞれ複数の保管区画を有するラック部材を複数有し、前記ラック部材は並列的に配置され、且つ一部のラック部材あるいは全部のラック部材が並列方向に移動可能であり、前記コンベア装置は、ラック部材の並列方向沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項9】
少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行するコンベア装置であって、
直列的に並んだ複数の制御ゾーンに分割されており、
前記複数の制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、
各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、
前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、
前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、
前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、
前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、
少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、
物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とするコンベア装置。
【請求項1】
直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、
物品を搬送するコンベア装置を有し、
前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、
前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、
前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、
前記コンベア装置は、各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、
前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、
前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、
前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、
前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、
少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、
物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置。
【請求項2】
前記コンベア装置は、モータとコロ又はプーリを有し、コロ又はプーリはモータに連動するものであり、
入荷検知手段は、自己の制御ゾーンのコロ又はプーリが強制的に回転されたことを条件の1つとして、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知することを特徴とする請求項1に記載の物品保管装置。
【請求項3】
前記コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンは、外部装置である自走搬送装置の近接・離反を検知する搬送装置検知手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品保管装置。
【請求項4】
物品排出側の制御ゾーンから排出されると、各制御ゾーンに保管されている物品を、前記コンベア装置の物品排出側の制御ゾーン側に自動的に詰めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項5】
取出スイッチを有し、取出スイッチは、各制御ゾーンに保管されている物品を前記コンベア装置の物品搬入側の制御ゾーンへ搬送させる信号を、前記制御装置へ送信可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項6】
中間領域の制御ゾーンに対応する制御装置は、電源投入時及び/又は停電復帰時にコンベア装置を駆動させ、各制御ゾーンが保管する物品を、物品排出側に位置する物品に押し当てることにより自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項7】
直列的に並んだ複数の保管区画を有し、複数の物品を一時的に保管する物品保管装置において、
物品を搬送するコンベア装置を有し、
前記コンベア装置は少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行し、
前記コンベア装置は保管区画に跨がって設置されており、且つ前記保管区画ごとに制御ゾーンに分割されており、
前記制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、
前記コンベア装置は、少なくとも2個の制御装置によって制御され、
各制御ゾーンは、それぞれの制御ゾーンを個別に動作させるモータを持ち、
前記制御装置は、それぞれ1又は2以上の制御ゾーンを受持ち、
前記制御装置は、受持ちの各制御ゾーンのモータを個別に起動及び停止することができ、
少なくとも中間領域の各制御ゾーンを受け持つ制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、
前記入荷検知手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知する機能であり、
前記在荷記憶手段は、受持ちの制御ゾーンのいずれかに物品が存在するか否かを記憶する機能であり、
前記通信手段は、受持ちの制御ゾーンの内の最も物品搬入側のゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンを受け持つ制御装置に通信する機能及び/又は受持ちの制御ゾーンよりも物品排出側を受け持つ制御装置から物品が存在するか否かの情報を受信する機能であり、
少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと物品排出側の端部の制御ゾーンを受け持つ制御装置は、在荷検知手段を備えており、
物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とする物品保管装置。
【請求項8】
縦横高さの三方向にそれぞれ複数の保管区画を有するラック部材を複数有し、前記ラック部材は並列的に配置され、且つ一部のラック部材あるいは全部のラック部材が並列方向に移動可能であり、前記コンベア装置は、ラック部材の並列方向沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の物品保管装置。
【請求項9】
少なくとも物品搬入側から物品排出側に向かって走行するコンベア装置であって、
直列的に並んだ複数の制御ゾーンに分割されており、
前記複数の制御ゾーンは、物品搬入側の端部の制御ゾーンと、中間領域の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンとからなり、
各々の制御ゾーン毎に制御装置を有し、
前記制御ゾーンの内、少なくとも中間領域の制御ゾーンが有する制御装置は、入荷検知手段と、在荷記憶手段と、通信手段を備え、
前記入荷検知手段は、自己の制御ゾーンに物品搬入側の制御ゾーンから物品が入ろうとしていることを検知可能であり、
前記在荷記憶手段は、自己の又は他の制御ゾーンに物品が存在するか否かを記憶可能であり、
前記通信手段は、自己の制御ゾーンに物品が存在するか否かの情報を物品搬入側の制御ゾーンの制御装置に通信可能であり、
少なくとも、コンベア装置の物品搬入側の端部の制御ゾーンと、物品排出側の端部の制御ゾーンには、在荷検知手段を備えており、
物品を物品排出側に詰めて保管するものであることを特徴とするコンベア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−148894(P2012−148894A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244532(P2011−244532)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(592026819)伊東電機株式会社 (71)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(592026819)伊東電機株式会社 (71)
【Fターム(参考)】
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