説明

物品保管装置

【課題】周辺への悪影響がないようアンテナ出力し、またタグ情報の読み取り精度も向上させることが出来る冷蔵庫を提供する。
【解決手段】ドアスイッチにより冷蔵庫ドアの開閉を検出するドア開閉検出手段と、アンテナから電波を出力することにより物品に取付けられたタグの情報を読み取るタグデータ読取手段と、ドア開閉検出手段からの信号に従ってタグデータ読取手段に読み取り指令を出す第1の制御手段を設けることにより、冷蔵庫ドアが閉じられているときにアンテナから電波を出力することが容易にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍庫あるいは冷蔵庫、さらには他の類似保管装置における収納物品の在庫管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷蔵庫内に収納する物品の管理を自動的に行ない、食品の腐敗や使い忘れ防止する装置が多く発明されている。特に近年、無線通信によって情報の送受信を行ない、冷蔵庫に収納されている物品の在庫管理を行なう装置が提案されており、なかでも非接触ICタグ用リーダライタを冷蔵庫に設けた物品管理装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる管理装置は、冷蔵庫のドアを開いた状態でアンテナから電波を出力し、利用者が物品を出し入れする動作タイミングで前記非接触ICタグの情報を読み書きする制御となっている。
【特許文献1】特開2001−317862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の物品管理装置は、冷蔵庫のドアを開いた状態で管理情報を取得する電波を出力するため、周辺の機器に誤動作や悪影響を及ぼす可能性があり、また電波による人体への影響も考慮しなければならない。
【0005】
また、上記それぞれの悪影響を防ぐために、出力を抑えることも考えられるが、かかる対策は、前記非接触ICタグの読み取り精度が悪くなってしまう欠点がある。
【0006】
さらに、前記ドアが開いている限り前述の読取のために常にアンテナへの出力を行なうため、電力を必要以上に消費するものであった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、周辺への悪影響がないように電波等の無線媒体の出力を行ない、またタグ情報の読み取り精度も向上させる管理制御が行なえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決するために、本発明の物品保管装置は、物品保管装置に収納あるいは貯蔵されている物品情報の授受を無線媒体によって行なう管理制御手段を備え、開扉時に前記管理制御手段の授受動作を停止するものである。
【0009】
これにより、開扉時における電波漏洩等に起因した種々の弊害が防止あるいは抑制できるものである。
【0010】
また、本発明の物品保管装置は、前記タグデータ読取手段を、前記扉の閉扉動作に連動してもしくは閉扉動作後に作動させるもので、スイッチ手段等にて扉の開閉を容易に検出することが可能であり、前記タグデータ読取手段の作動の自動化が容易に行なえるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、物品保管装置の閉扉状態で物品情報の認識動作を行なうため、その認識のために出力する電波等の無線媒体が外部に洩れることがなく、前記無線媒体の外部への洩れに起因する不都合を解消することができるものである。
【0012】
また、本発明は、非接触ICタグの情報をタグデータ読取手段にて読み取るものであり、制御回路の電子化が容易で、その読み取り動作も扉の開閉と連動させることができ、自動化も容易で操作性および使い勝手が向上するものである。
【0013】
また、認識した物品情報を、庫外表示等の情報源として活用することができるため、用途に応じた展開を広げることもできるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
請求項1に記載の発明は、物品収納あるいは物品貯蔵を行なう物品保管装置本体と、前記物品保管装置本体に設けられた扉の閉動作に伴って、もしくは閉扉時に前記物品保管装置本体内に収納あるいは貯蔵されている物品情報の授受を無線媒体によって行なう管理制御手段を備えたものである。
【0015】
かかる構成とすることにより、物品保管装置の閉扉状態で物品情報の認識動作を行なうため、その認識のために出力する電波等の無線媒体が外部に洩れることがなく、前記無線媒体の外部への洩れに起因する不都合を解消することができるものである。また、前記物品情報の認識動作における精度向上のために、電波等の前記無線媒体の出力を大きくすることも可能であり、かかる場合においても外部への影響は解消されるものである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記管理制御手段を、前記物品に取付けられ、該物品の情報を保持したタグと、前記タグが保持する物品情報を前記無線媒体を介して読み取るタグデータ読取手段と、前記無線媒体の出力を制御する出力制御手段を有するものとしたものである。
【0017】
かかる構成とすることにより、前記出力制御手段の動作によって物品情報の認識動作が行なえ、物品の収納あるいは貯蔵状況を、電子情報として取得、保管できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記タグデータ読取手段を、前記扉の閉扉動作に連動してもしくは閉扉動作後に作動させるものである。
【0019】
かかる構成とすることにより、前記物品情報の認識動作が自動化でき、操作性、使い勝手が向上できるものである。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記管理制御手段に、前記無線媒体の出力時間を所定時間に規制するタイマ手段を設けたものである。
【0021】
かかる構成とすることにより、不必要に物品情報の認識動作が行なわれることもなく、節電効果が図れるものである。
【0022】
請求項5に記載の発明は、前記扉開閉前後の庫内の物品情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段の物品情報を入力として閉扉後における物品情報を所定処理する処理手段を備えたものである。
【0023】
かかる構成とすることにより、前記記憶手段の物品情報を入力として収納あるいは貯蔵物品のリスト管理が可能となり、物品補充あるいは物品入替え等のユーザ管理行為の一助に加え、電子情報であることから、例えば、外部への表示情報として利用できる等、物品情報の処理を幅広い用途に利用、活用することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、前記タグデータ読取手段に、前記無線媒体を出力するアンテナを設け、前記アンテナを、前記物品保管装置本体内部を複数段もしくは複数列に仕切る棚に設けたものである。
【0025】
かかる構成とすることにより、前記棚を挟む両空間の収納、貯蔵物品の情報を読み取ることができ、量空間が異なる収納、貯蔵環境であっても物品管理が可能となる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明における物品保管装置の実施の形態1を示す冷蔵庫の扉の一部を開放した斜視図、図2は、同冷蔵庫における異なる扉の一部を開放した縦断面図、図3は、同冷蔵庫における制御ブロック図、図4は、同制御ブロックによる冷蔵庫の動作内容を示すフローチャートである。
【0028】
図1において、冷蔵庫本体1は、周知の如く断熱筐体で構成され、内部に冷蔵室2、野菜室3、冷凍室4を備えている。冷蔵室2は、周知の如く内部が棚板(図示せず)により複数段に区画されて使用されるもので、冷蔵室2の前面には、冷蔵庫本体1の一側端で上下に設けられたヒンジ5に軸支された冷蔵室扉6が回動自在に設けられている。また、野菜室2および冷凍室4には、それぞれ箱状の容器7、8と一体化された野菜室扉9、冷凍室扉10が設けられている。その結果、野菜室3、冷凍室4は、引出し式の開閉構造となっている。さらに、冷蔵室2の前面には、冷蔵室扉6の開閉に伴いON・OFF動作するドアスイッチ11が設けられ、また、野菜室3、冷凍室4の各前面についても同様に、野菜室扉9、冷凍室扉10の開閉(引出し、押込み)操作に伴ってON・OFF動作するドアスイッチ12、13がそれぞれ設けられている。
【0029】
上記構成からなる冷蔵庫は、周知の構成であり、また本発明の制御と直接関連するものではないため、詳細な説明を省略する。
【0030】
また、冷蔵室2の内部背面には、後述するタグデータ読取手段を構成する冷蔵室アンテナ14が設けられ、さらに野菜室3についても内部天面に、後述するタグデータ読取手段を構成する野菜室アンテナ15が設けられている。冷蔵室アンテナ14、野菜室アンテナ15についても周知の構成でよいため、詳細な説明は省略する。
【0031】
そして、冷蔵庫本体1には、冷蔵室2内および野菜室3内に収納されている貯蔵物(図示せず)の在庫状況を管理する管理制御手段(図示せず)が設けられている。
【0032】
次に、図3により前記管理制御手段の構成について説明する。ここでは、冷蔵室2、野菜室3に貯蔵される貯蔵物に、それぞれの物品情報である識別情報(例えば、品種、品名、重量、賞味期限等)が書き込まれた周知の構成からなる非接触ICタグ(以下、タグと称す)が取付けられていることを前提に説明する。
【0033】
図3において、管理制御手段21は、ドアスイッチ11、12の開閉信号(ON・OFF信号)を入力し、少なくとも扉が開放であることを判別する開閉判別手段22と、開閉判別手段22の判別信号を入力し、タグ23の識別情報(物品情報であって、以下、タグ情報と称す)を読み取る動作を開始するタグデータ読取手段24と、タグデータ読取手段24の読み取り信号の出力・停止を制御する出力制御手段25と、出力制御手段25の出力信号により所定周波数の電波を冷蔵室2内あるいは野菜室3内へ発生するアンテナ14、15を備えている。
【0034】
ここで、前記所定周波数の電波を生成、出力する具体的な回路等については周知の構成でよいため、説明を省略する。また、タグデータ読取手段24によるタグ情報の具体的な認識処理プロセス、内容等についても周知の範囲でよいため、説明を省略する。
【0035】
次に、図4によりタグデータ読取手段24が前記タグ情報を読み取る制御内容について説明する。ここでは、説明の便宜上、冷蔵室2内における貯蔵物品の出し入れに伴うタグ情報処理について説明する。
【0036】
冷蔵室扉6が開放され(Step1)、冷蔵室2内での物品の出し入れが終了し(Step2)、冷蔵室扉6が閉塞されると、開閉判別手段22により扉が「閉」であることを判別し(Step3)、タグデータ読取手段24がタグ情報を読み取る動作を開始する。
【0037】
すなわち、出力制御手段25がアンテナ14へ読み取り信号を出力し、アンテナ14から冷蔵室2内へ電波が出力される(Step4)。この電波の影響を受けてタグ23の情報が読み取られ、タグデータ読取手段24は、タグ情報を記憶する(Step5)。
【0038】
そして、タグデータ読取手段24によるタグ情報の処理が完了すると、その信号を受けて出力制御手段25は、アンテナ14の動作を停止し(Step6)、これで一通りのタグ情報処理が終了し、以下、冷蔵室扉6の開放に伴って前述の動作が行なわれる。
【0039】
なお、タグデータ読取手段25により処理されたタグ情報の用途としては、前記タグ情報の内容に応じて表示あるいは警告等に活用できる。例えば、表示であれば品種、品名表示が行なえ、また警告であれば、賞味期限をユーザに促すことができる。
【0040】
さらに、先の説明では、冷蔵室2内での管理制御について説明したが、野菜室3についても同様の処理フローで制御されるものである。また、必要に応じて冷凍室4にもアンテナを設け、同様に管理制御することも当業者であれば容易に実施でき得ることである。
【0041】
したがって、庫内の物品管理状況を掌握するためのタグ情報の授受制御は、冷蔵室扉6あるは野菜室扉9等が閉塞された状態で行なわれるため、授受制御の無線媒体である電波が冷蔵庫本体1の外部へ影響することはなく、周辺機器への悪影響が解消でき、また人体への影響を考慮する必要もなくなるものである。
【0042】
しかも、扉が閉塞されてから一括してタグ23のデータを読み書きするため、必要以上の電力を消費することなく省エネを図ることができる。
【0043】
さらに、無線媒体である電波の外部への漏洩の心配がないため、これらの影響を考慮して前記タグ情報の読取のための強度(アンテナ出力)を下げる必要性もなく、その結果、前記読み取り精度が向上でき、信頼性を損なうこともない。
【0044】
また、前記タグ情報を電子情報として取得、管理できるため、その電子情報を周知の表示制御回路の情報源として利用し、表示機能等を付加することへの活用用途が広まり、ユーザへの利便性を高めることができる。
【0045】
さらに、前記タグデータ読取手段は、冷蔵庫扉6等の扉の開閉に連動し、閉扉動作後に行なうため、無線媒体の外部への漏洩がなく、しかも手を煩わすこともないため、使い勝手のよいものとなる。
【0046】
なお、管理制御手段21は、マイクロコンピュータを主体とする電子制御回路にて構成されるもので、具体的な構成内容は周知のものから容易に具現化できることは言うまでもない。
【0047】
(実施の形態2)
次に、本発明における実施の形態2について説明する。なお、ここでは説明の便宜上物品保管装置を先の実施の形態1で説明した冷蔵庫とし、先の実施の形態1と異なる制御内容について説明する。
【0048】
図5は、同実施の形態2における制御ブロック図を示し、図6は同制御ブロックによる冷蔵庫の動作内容を示すフローチャートである。
【0049】
図5において、先の実施の形態1と相違する点は、管理制御手段21に、タグデータ読取手段24の停止動作タイミングを制御するタイマ手段26を設けた点である。
【0050】
したがって、タグデータ読取手段24は、タグ情報の処理後から所定時間(例えば3秒)後に動作を停止し、同時にアンテナへの出力も停止される。
【0051】
次に、図6を用いてタグデータ読取手段24が前記タグ情報を読み取る制御内容について説明する。ここについても、説明の便宜上、冷蔵室2内における貯蔵物品の出し入れに伴うタグ情報処理について説明する。
【0052】
図6において、冷蔵室扉6が開放され(Step1)、冷蔵室2内での物品の出し入れが終了し(Step2)、冷蔵室扉6が閉塞されると、開閉判別手段22により扉が「閉」であることを判別し(Step3)、タグデータ読取手段24がタグ情報を読み取る動作を開始する。
【0053】
すなわち、出力制御手段25がアンテナ14へ読み取り信号を出力し、アンテナ14から冷蔵室2内へ電波が出力される(Step4)。この電波の影響を受けてタグ23の情報が読み取られ(Step5)、タグデータ読取手段24は、タグ情報を記憶する(Step6)。
【0054】
そして、タグデータ読取手段24によるタグ情報の処理が完了すると、その信号を受けてタイマ手段26が所定時間をカウントし(Step7)、出力制御手段25は、アンテナ14の動作を停止し(Step8)、これで一通りのタグ情報処理が終了し、以下、冷蔵室扉6の開放に伴って前述の動作が行なわれる。
【0055】
したがって、本実施の形態2では、先の実施の形態1による作用効果に加えて、タグデータ読取手段24によるタグ情報の処理が完了すると、所定時間経過後にアンテナ14の動作を停止するため、必要以上に電力消費することがなく、省エネ効果を得ることができる。
【0056】
なお、野菜室3あるいは冷凍室4についても同様に実施できることは言うまでもない。また、管理制御手段21についても、先の実施の形態1と同様にマイクロコンピュータを主体とする電子制御回路にて構成されるもので、具体的な構成内容は周知のものから容易に具現化できることは言うまでもない。
【0057】
(実施の形態3)
次に、本発明における実施の形態3について説明する。なお、本実施の形態3についても、説明の便宜上物品保管装置を先の実施の形態1で説明した冷蔵庫とし、先の実施の形態1および実施の形態2と異なる制御内容について説明する。
【0058】
図7は、同実施の形態3における制御ブロック図を示し、図8は同制御ブロックによる冷蔵庫の動作内容を示すフローチャートである。
【0059】
図7において、先の実施の形態1と異なる点は、管理制御手段21に、タグデータ読取手段24によるタグ情報処理に、例えば冷蔵室2内における収納物品の変更内容をリスト管理する記憶手段27を設けた点である。
【0060】
記憶手段27は、タグデータ読取手段24から読み取られたタグ情報を、記憶するもので、冷蔵室2内から取出された物品、および冷蔵室2に収納された各物品のタグ情報をリスト管理するもので、例えば収納物品の出し入れ日時、品種、重量、賞味期限等の管理に必要なタグ情報を記憶する。
【0061】
さらに詳述すると、記憶手段27は、冷蔵室扉6の開扉前の収納物品リストAを備えており、冷蔵室扉6の閉扉後には、別途収納物品リストBを作成し、最終は、収納物品リストA、Bを比較し、取出し物品および新たに収納した物品を精査して、収納物品リストAが更新される。
【0062】
次に、図8を用いてタグデータ読取手段24がタグ情報を読み取り、記憶手段27にてリスト管理される制御内容について説明する。ここについても、説明の便宜上、冷蔵室2内における貯蔵物品の出し入れに伴うタグ情報処理について説明する。
【0063】
図8において、冷蔵室扉6が開放され(Step1)、冷蔵室2内での物品の出し入れが終了し(Step2)、冷蔵室扉6が閉塞されると、開閉判別手段22により扉が「閉」であることを判別し(Step3)、タグデータ読取手段24がタグ情報を読み取る動作を開始する。
【0064】
すなわち、出力制御手段25がアンテナ14へ読み取り信号を出力し、アンテナ14から冷蔵室2内へ電波が出力される(Step4)。この電波の影響を受けてタグ23の情報が読み取られ(Step5)、出力制御手段25によってアンテナ14の動作を停止する(Step6)。
【0065】
その後、管理制御手段21では、タグデータ読取手段24の読み取り情報を基に物品収納リストBが作成され(Step7)、既に作成している冷蔵室扉6解放前の物品収納リストAとの比較が行なわれ(Step8)、相違するデータ即ち、出し入れされた物品が精査、識別され(Step9)、最終の物品収納リストAが作成、記憶される(Step10)。これで管理制御手段21による一通りのタグ情報処理が終了し、以下、冷蔵室扉6の開放に伴って前述の動作が行なわれる。
【0066】
したがって、本実施の形態3では、先の実施の形態1による作用効果に加えて、タグデータ読取手段24によるタグ情報の読み取り処理が完了すると、冷蔵室2内の在庫状況(物品収納状況)を最新の内容に更新、管理するため、例えばその最新情報をユーザが必要なときに確認することができ、利便性の向上を図ることができる。ここで、その確認手段としては、前述の管理内容を電子データにて行なうことから、その電子データを利用し、表示スイッチの操作によって表示パネルに表示する等、周知の手段でもって容易に実施できることは言うまでもない。
【0067】
また、必要に応じて、Step6のアンテナ出力停止を先の実施の形態2で示すように時間制限するように構成すれば、同様の省エネ効果が得られ、かかる構成とすることも当業者であれば容易であることは言うまでもない。
【0068】
なお、野菜室3あるいは冷凍室4についても同様に実施できることは言うまでもない。また、管理制御手段21についても、先の実施の形態1と同様にマイクロコンピュータを主体とする電子制御回路にて構成されるもので、具体的な構成内容は周知のものから容易に具現化できることは言うまでもない。
【0069】
(実施の形態4)
次に、図9に基づき本発明における実施の形態4について説明する。なお、本実施の形態4については、説明の便宜上物品保管装置を冷蔵庫とし、特に構成を要旨とする関係から、制御内容については説明を省略する。また、先の実施の形態1と同一の構成要件については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
図9は、同実施の形態4における冷蔵庫の冷蔵室の扉を開放した状態を示す正面図である。
【0071】
図9において、冷蔵室2の内部は、室内を複数に区画する複数の棚板31、32が設けられている。特に、下段の棚板32下面には、先の実施の形態1と同様の構成、機能をもつ専用温度帯室アンテナ33が設けられている。そして、専用室アンテナ33は、一部が棚板32より冷蔵室内に突出して臨むように取付けられている。
【0072】
また、下段の棚板32により区画形成された冷蔵室2の最下段には、周知の如く独自の冷気供給制御により、内部をパーシャル等の専用温度帯に維持した引出し式の専用室34が設けられている。
【0073】
したがって、専用室アンテナ33は、専用室34内に収納された生鮮食品等の収納物に設けられたタグ(図示せず)のタグ情報を読み取ることができることに加えて、一部が冷蔵室2内に臨んでいることから、閉扉時において、棚板32に載置された収納物品、あるいは冷蔵室扉6の背面(冷蔵室2内側)に設けられた収納棚35の一部の収納物品のタグ情報をも読み取ることができる。
【0074】
なお、棚板32の上面にもアンテナ(図示せず)を取付けることにより、棚板32上に載置された収納物品のタグ情報を読み取ることができることは言うまでもない。
【0075】
さらに、上記各実施の形態1から実施の形態4においては、タグデータ読取手段が読み取り動作を行なうための物品情報の授受を行なう無線媒体を、電波を例にして説明したが、前記電波の授受方式としては、電磁誘導方式、電磁結合方式、静電誘導方式、あるいはこれらの複合方式が好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明の物品保管装置は、保管室内部の物品収納状況を、非接触ICタグの情報を読み取り管理するもので、その用途は冷蔵庫に限るものではなく、前記被接触ICタグを取付けた収納物品であれば、その収納保管装置として、ショーケース、自動販売機、箪笥等の用途にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の扉の一部を開放した斜視図
【図2】同実施の形態1における冷蔵庫の異なる扉の一部を開放した縦断面図
【図3】同実施の形態1における冷蔵庫の制御ブロック図
【図4】同実施の形態1における冷蔵庫の動作内容を説明するフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2における冷蔵庫の制御ブロック図
【図6】同実施の形態2における冷蔵庫の動作内容を説明するフローチャート
【図7】本発明の実施の形態3における冷蔵庫の制御ブロック図
【図8】同実施の形態3における冷蔵庫の動作内容を説明するフローチャート
【図9】本発明の実施の形態4における冷蔵室扉を開放した冷蔵庫の冷蔵室部分の斜視図
【符号の説明】
【0078】
1 冷蔵庫本体
2 冷蔵室
3 野菜室
4 冷凍室
5 ヒンジ
6 冷蔵室扉
9 野菜室扉
10 冷凍室扉
11 ドアスイッチ
12 ドアスイッチ
13 ドアスイッチ
14 冷蔵室アンテナ
15 野菜室アンテナ
21 管理制御手段
22 開閉判別手段
23 タグ
24 タグデータ読取手段
25 出力制御手段
26 タイマ手段
27 記憶手段
31 棚板
32 棚板
33 専用室アンテナ
34 専用室
35 収納棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収納あるいは物品貯蔵を行なう物品保管装置本体と、前記物品保管装置本体に設けられた扉の閉動作に伴って、もしくは閉扉時に前記物品保管装置本体内に収納あるいは貯蔵されている物品情報の授受を無線媒体によって行なう管理制御手段を備えた物品保管装置。
【請求項2】
前記管理制御手段を、前記物品に取付けられ、該物品の情報を保持したタグと、前記タグが保持する物品情報を、前記無線媒体を介して読み取るタグデータ読取手段と、前記無線媒体の出力を制御する出力制御手段を有するものとした請求項1に記載の物品保管装置。
【請求項3】
前記タグデータ読取手段を、前記扉の閉扉動作に連動してもしくは閉扉動作後に作動させる請求項1または2に記載の物品保管装置(自動化で容易)。
【請求項4】
前記管理制御手段に、前記無線媒体の出力時間を所定時間に規制するタイマ手段を設けた請求項1から3のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項5】
前記扉開閉前後の庫内の物品情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段の物品情報を入力として閉扉後における物品情報を所定処理する処理手段を備えた請求項1から4のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項6】
前記タグデータ読取手段に、前記無線媒体を出力するアンテナを設け、前記アンテナを、前記物品保管装置本体内部を複数段もしくは複数列に仕切る棚に設けた請求項1から5のいずれか一項に記載の物品保管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−137553(P2007−137553A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331088(P2005−331088)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】