説明

物品分配作業支援システム、及びプログラム

【課題】 多数の表示器を使用した場合における物品分配作業効率の低下を抑制する。
【解決手段】 表示手段11nは、対応付けられている分配部1nへの物品の分配の要求を表示する。通知手段12nは、対応付けられている表示手段11nでの分配要求に従った物品の分配の完了を通知する。監視手段13は、通知手段12nからの通知を監視する。表示制御手段14は、当該監視により当該通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段12nに対応付けられている表示手段11nによる当該分配要求の表示を切り替えさせる。監視制御手段15は、当該監視により当該通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段12nに対応付けられている分配部1nから所定の範囲内に並べられている分配部1nに対応付けられている通知手段12nに対する監視の頻度を、当該範囲外のものよりも増加させるように監視手段13を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理の技術に関し、特に、集荷されている物品の人手による分配作業を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集荷されている物品の人手による分配作業を支援する技術として、例えば特許文献1に開示されている技術がある。この技術について説明する。
この技術では、物品を分配するために、分配先毎に容器が用意される。容器は列状に多数並べられて通路を形成する。いわゆる種蒔き方式により物品を各容器へ分配する各作業者は、少品種・多量の物品を運搬しながらこの通路を移動する。
【0003】
通路の側の各容器の手前には各容器に対応付けられて表示器が置かれている。従来の表示器の構成を図14に示す。
表示器1000は表示部1010と申告部1020とを有している。
【0004】
作業者指示ランプ1011は、その点灯色(例えば赤緑の2色のいずれか)により、表示部1010での表示による分配要求の要求先を示すもの、すなわち、表示部1010での表示がどの作業者(例えば甲乙のいずれか)に対するものであるのかを示すものである。
【0005】
数量表示1012−1及び1012−2は、表示器1000に対応付けられている傍の容器へ分配すべき物品の要求個数を表示するものであり、この表示が2つ設けられているので、2品種の物品の要求を行うことができる。
【0006】
なお、容器への分配作業の要求が無い場合には、表示部1010のいずれの表示も点灯することはなく、消灯したままである。
申告部1020にはフットスイッチ1021が設けられている。フットスイッチ1021は、作業者指示ランプ1011で要求されている作業者が、数量表示1012−1及び1012−2の各々の表示に応じ、該当する品種の物品を要求数だけ傍の容器へ分配する作業を完了したときに足で踏まれて押下操作される。
【0007】
表示器1000を集中管理する制御部は、フットスイッチ1021に対する操作の有無を監視しており、当該操作が検出されると、当該操作が検出されたフットスイッチ1021を有している表示器1000における表示部1010の表示を全て消灯させる。
【0008】
上述した物品分配システムを運用している場合、作業者は、通路の側に並べられている表示器1000に注目し、そのうち表示部1010の作業者指示ランプ1011が自己を表す色に点灯しているものの傍の容器に対し表示部1010での表示に応じた物品の分配作業を行い、分配作業を終えたときにはフットスイッチ1021を操作して表示部1010を消灯させる。この作業を繰り返し行い、通路に並べられている全ての表示器1000の作業者指示ランプ1011の自己の点灯色を消灯させればその作業者によるその通路での分配作業は完了となる。
【0009】
以上のように、このようないわゆるデジタルピッキング方式による分配作業によれば、印刷された分配リストを参照しながら物品の分配作業を行う場合に比べ、作業効率を著しく向上させることができる。
【特許文献1】特開平6−259449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されているような技術では、分配先(容器)が増加すると多数の表示器1000が使用される。すると、表示器1000を集中管理する制御部の処理負担が増大するため、フットスイッチ1021に対する操作をしても対応する表示部1010の消灯が遅くなってしまい、結果として分配作業の作業効率を低下させてしまうことが考えられる。
【0011】
また、前述した技術では、多数の表示器1000が設置されると、作業者に対して分配要求を表示している表示器1000を探し出す作業や、その作業者による通路内での分配が完了したことを確認する作業(通路に並べられている全ての表示器1000の作業者指示ランプ1011で自己の点灯色が消灯していることを確認する作業)の負担が増加し、結果として分配作業の作業効率を低下させてしまうことも考えられる。
【0012】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、多数の表示器を使用した場合における物品分配作業効率の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
図1Aについて説明する。同図は本発明に係る物品分配作業支援システムの第一の原理構成を示している。
図1Aにおいて、物品分配作業支援システム10は、表示手段11a、11b、…、11n(以下、表示手段11nとする)、通知手段12a、12b、…、12n(以下、通知手段12nとする)、監視手段13、表示制御手段14、及び監視制御手段15を備えて構成されている。また、分配部1a、1b、…、1n(以下、分配部1nとする)は、物品が分配される分配先であって列に並べられて配置されている。
【0014】
表示手段11nは、分配部1nの各々に対応付けて設けられており、当該対応付けられている分配部1nへの物品の分配の要求を表示する。
通知手段12nは、表示手段11n及び分配部1nの各々に対応付けて設けられており、操作されることによって当該対応付けられている表示手段11nでの分配要求に従った物品の分配の完了の通知を行う。ここで、対応付けられている表示手段11nと通知手段12nとの組によって前述した表示器が構成される。
【0015】
監視手段13は、通知手段12nからの通知の監視を行う。
表示制御手段14は、監視手段13による監視により当該通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段12nに対応付けられている表示手段11nによる当該分配要求の表示を切り替えさせる。
【0016】
監視制御手段15は、監視手段13による監視により当該通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段12nに対応付けられている分配部1nから所定の範囲内に並べられている分配部1nに対応付けられている通知手段12nに対する監視の頻度を、当該範囲外に並べられている分配部1nについてのものよりも増加させるように監視手段13を制御する。
【0017】
このような構成を有する物品分配作業支援システム10によれば、この所定の範囲内に並べられていることで次に通知が検出される可能性の高い通知手段12nに対する監視手段13による監視の頻度が高められる結果、監視手段13による当該通知手段12nからの通知の検出が素早く行えるようになるので、この通知が発せられてから表示制御手段14により行われる表示手段11nでの分配要求の表示の切り替えまでの時間が短縮される。従って、物品分配作業の効率が向上し、前述した課題が解決される。
【0018】
なお、この物品分配作業支援システム10において、監視手段12による監視により通知が検出されたときに、監視制御手段14が、分配部1nの分配順序に基づき、当該通知が発せられた通知手段12nに対応付けられている分配部1n以前の分配順序である分配部1nに各々対応付けられている通知手段12nに対する監視手段12での監視を中止させるように構成してもよい。
【0019】
当該通知が発せられた通知手段12nに対応付けられている分配部1n以前の分配順序である分配部1nに対しては分配作業が既に完了した(若しくは分配要求が存在していない)とみなし得るので、物品分配作業の完了の通知がこのような分配部1nに対応付けられている通知手段12nから発せられることはない。そこで、上述したようにしてこれらの通知手段12nを監視手段13による監視対象から除外することにより、監視手段13の監視の負担が軽減されて高速化される結果、分配作業の効率が向上する。
【0020】
なお、このとき、分配部1nの列の両端に配置され、いずれか一方が操作されることによって物品の分配の開始の通知を行う開始通知手段を更に物品分配作業支援システム10に備えるようにし、監視制御手段15が、操作のされた開始通知手段の配置に基づいて分配部1nの分配順序の先後を判定するように構成してもよい。
【0021】
こうすることにより、列に並べられている分配部1nの先頭・最後のどちらから物品分配の作業を開始しても、当該作業の支援を適切に行うことができる。
また、この物品分配作業支援システム10において、表示手段11aが、前述した分配要求の要求先を示す表示を更に行うようにし、監視手段13が、通知の監視をこの要求先毎に別個に行い、監視制御手段15が、監視手段13による監視の制御を要求先毎に別個に行うように構成してもよい。
【0022】
こうすることにより、分配要求の要求先である物品分配作業の作業担当者が複数人同時に当該作業を行う場合であっても、当該作業の支援を適切に行うことができる。
なお、この物品分配作業支援システム10における監視手段13、表示制御手段14、及び監視制御手段15の各々の機能をコンピュータに行わせるためのプログラムについても本発明に係るものであり、当該プログラムをコンピュータで実行させることによって前述した課題が解決される。
【0023】
次に図1Bについて説明する。同図は本発明に係る物品分配作業支援システムの第二及び第三の原理構成を示している。
図1Bにおいて、物品分配作業支援システム20は、表示手段21a、21b、…、21n(以下、表示手段21nとする)、通知手段22a、22b、…、22n(以下、通知手段22nとする)、及び表示制御手段23を備えて構成されている。
【0024】
まず、本発明に係る物品分配作業支援システムの第二の原理構成について説明する。なお、この第二の原理構成において、図1Bにおける分配部1a、1b、…、1n(以下、分配部1nとする)は、複数品種の物品が分配される分配先であって列に並べられて配置されているものである。
【0025】
表示手段21nは、分配部1nの各々に対応付けて設けられており、当該対応付けられている分配部1nへ分配する物品の品種及び個数の要求である分配要求が当該品種毎に表示される。
【0026】
通知手段22nは、表示手段21n及び分配部1nに各々対応付けて設けられており、操作されることによって当該対応付けられている表示手段21nでの分配要求に従った品種に係る物品の分配の完了の通知を行う。ここで、対応付けられている表示手段11nと通知手段12nとの組によって前述した表示器が構成される。
【0027】
表示制御手段23は、この通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段22nに対応付けられている表示手段21nによる分配要求の表示を、当該表示手段21nに対応付けられている分配部1nへ分配する物品における他の品種のものへと切り替える一方で、当該分配部1nへ分配する全ての品種の物品についての分配が完了となる場合には、当該完了となることを示す表示を当該表示手段21nに行わせる。
【0028】
このような構成を有する物品分配作業支援システム20によれば、表示手段21nで現在表示中の分配要求の表示が、当該表示手段21nに対応付けられている分配部1nへの最後の分配要求であること(当該分配要求の表示に応じた分配作業を済ませると当該分配部1nへの分配作業が完了となること)を表示手段21nに行わせることにより、以降の品種の物品についての分配要求の有無を1品種ずつ確認することなく直ちに分配作業の完了を作業者が認識できるようになる。その結果、物品分配作業の効率が向上し、前述した課題が解決される。
【0029】
なお、この物品分配作業支援システム20において、通知手段22nからの前述した通知が検出されたときに、列に並べられている全ての分配部1nへの物品の分配が全て完了した場合には、表示制御手段23が、当該完了を示す表示を表示手段21nに行わせるように構成してもよい。
【0030】
このようにすることにより、列に並べられている以降の順番の分配部1nへの分配要求の有無を確認することなく直ちに当該列での分配作業の終了を作業者が認識できるようになるので、分配作業の効率が更に向上する。
【0031】
なお、この物品分配作業支援システム20における表示制御手段23の機能をコンピュータに行わせるためのプログラムについても本発明に係るものであり、当該プログラムをコンピュータで実行させることによって前述した課題が解決される。
【0032】
次に、本発明に係る物品分配作業支援システムの第三の原理構成について説明する。なお、この第三の原理構成において、図1Bにおける分配部1a、1b、…、1n(以下、分配部1nとする)は、物品が分配される分配部であって列に並べられて配置されているものである。
【0033】
表示手段21nは、分配部1nの各々に対応付けて設けられ、当該対応付けられている分配部1nへの当該物品の分配の要求と当該分配要求の要求先とを表示する。
通知手段22nは、表示手段21n及び分配部1nの各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示手段21nでの分配要求に従った物品の分配の完了の通知を行う。ここで、対応付けられている表示手段11nと通知手段12nとの組によって前述した表示器が構成される。
【0034】
表示制御手段23は、この通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段22nに対応付けられている表示手段21nによる分配要求の表示を中止させると共に、分配部1nの列において、表示手段21nに対応付けられている分配部1nと分配順序において当該分配部1nに続く次の順序である分配部1nとの間に並べられている分配部1nに対応付けられている表示手段21nに対して、物品の分配が不要であることを示す分配不要表示を行わせる。
【0035】
このような構成を有する物品分配作業支援システム20によれば、物品分配作業の完了した分配部1nと分配順序において当該分配部1nに続く次の順序である分配部1nとの間に並べられている分配部1nに各々対応付けられている表示手段21nで分配不要表示を行わせることにより、作業者は、分配作業の完了した分配部1nに続く次の分配順である分配部1nの位置を、表示手段21nの列における分配不要表示の行われているものと行われていないものとの境界から素早く見つけ出すことができる。従って、分配作業の効率が向上し、前述した課題が解決される。
【0036】
なお、この物品分配作業支援システム20において、通知手段22nの通知が検出されたときに、表示制御手段23が、当該通知が検出される直前まで表示手段21nで行われていた分配不要表示を中止させるように構成してもよい。
【0037】
このようにして、次の分配順である分配部1nの位置を見つけるための利用の済んだ分配不要表示を中止させることにより、分配作業の完了した分配部1nに続く次の分配順である分配部1nの位置を、より素早く見つけ出すことができるようになる。
【0038】
なお、この物品分配作業支援システム20における表示制御手段23の機能をコンピュータに行わせるためのプログラムについても本発明に係るものであり、当該プログラムをコンピュータで実行させることによって前述した課題が解決される。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、以上のように構成されているので、多数の表示器を使用した場合における物品分配作業効率の低下が抑制されるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は本発明を実施する物品分配作業支援システムを使用して物品分配作業支援を行う作業場の構成を示している。
【0041】
同図に示すように、作業場には、通路100−1、100−2、100−3、100−4、…が形成される。このうち通路100−1に注目すると、通路100−1の両側には容器(分配部)200−1m(m=1,2,3,…)が一列に並べられて配置されている。
【0042】
通路100−1から見て容器200−1mの前には、表示器300−1m(m=1,2,3,…)が容器200−1mの各々に対応付けられて設置されている。
なお、以下の説明において特に支障のない場合には、簡単のため、「通路100」、「容器200」、「表示器300」の各符号も用いるものとする。
【0043】
図3は、図2における通路100−1の部分の拡大図である。なお、他の通路100−2、100−3、100−4、…の構成も図3に示した通路100−1の構成と同様である。
【0044】
図3において、容器200−101、200−102、200−103、200−104、…は、物品が分配される分配先であり、表示器300−101、300−102、300−103、300−104、…は、対応付けられている容器200−101、200−102、200−103、200−104、…への物品の分配の要求を表示する機能と、その分配要求に従った物品の分配の完了の通知を行う機能とを有している。
【0045】
なお、ここでは、図3に示すように、通路100−1についての一方の路側には容器200−101、200−103、…及び表示器300−101、300−103、…と奇数の枝番を付し、通路100−1についての他方の路側には容器200−102、200−104、…及び表示器300−102、300−104、…と偶数の枝番を付すものとする。
【0046】
次に図4について説明する。同図は、図2に示した表示器300の構成を示している。
表示器アドレス表示部301は、作業場内に多数設置される表示器300を識別する表示器アドレスを表示する。
【0047】
作業者指示ランプ302は、後述する要求表示部303で表示される分配要求の要求がどの作業者に対してのものであるかを色により表示するものである。例えば、作業者が甲、乙、丙、丁の4人である場合に、甲に赤、乙に緑、丙に青、丁に白の各色を一対一で予め割り当てておく。このとき、作業者指示ランプ302が赤色の点灯をしている場合には、その表示器300の要求表示部303で表示されている分配要求の要求は甲に対してのものであることを各人は認識することができる。
【0048】
要求表示部303は、例えば5桁のLED(発光ダイオード)表示素子であり、表示器300に対応付けられている容器200に対して分配する物品の要求、より具体的には、分配する物品の品種(アイテム)及びその品種の物品個数の要求を表示する。要求表示部303には、アイテム表示部303−1、アイテム最終表示部303−2、及び数量表示部303−3が設けられているが、これらの表示の詳細については後述する。
【0049】
フットスイッチ304は、表示器300に対応付けられている容器200への、要求表示部303で表示されている分配要求に従った物品の分配作業(いわゆる種蒔き方式による分配作業)が完了したときに、作業者指示ランプ302によって表示されている作業者によって押下操作されるものであり、この押下操作によって当該分配作業の完了を、後述する中央制御装置へ通知するものである。
【0050】
次に図5について説明する。同図は、本発明を実施する物品分配作業支援システムの構成を示す図である。このシステムは、図2に示した作業場での物品分配作業の支援を行うものである。
【0051】
図5において、表示器300−101、300−102、300−103、…、300−1mは、図2に示した通路100−1の両側に設置されるものである。同様に、表示器300−201、300−202、300−203、…、300−2mは、通路100−1の両側に設置されるものであり、表示器300−n01、300−n02、300−n03、…、300−nmは、通路100−n(n=1,2,3,…)の両側に設置されるものである。なお、通路に設置されるこれらの表示器の個数(すなわち通路に並べられる容器の数)は、各通路で異なっていてもよい。
【0052】
表示器制御装置310−1、310−2、…、310−nは、各通路に並べられている表示器300と中央制御装置400との間での各種のデータの授受の管理を行う。なお、以下の説明において特に支障のない場合には、簡単のため、「表示器制御装置310」の符号も用いるものとする。
【0053】
中央制御装置400は、ホストシステム500から送られてくる分配要求情報に基づいた物品分配作業の支援を行うものである。
中央制御装置400は、同図に示されているように、CPU401、ROM402、RAM403、記憶部404、入力部405、及びI/F部406を備えている。
【0054】
CPU401は、図5に示した物品分配作業支援システム全体の動作管理を司る中央演算装置である。
ROM(Read Only Memory)402は、CPU401によって実行される基本制御プログラムが予め格納されているメモリであり、この中央制御装置400の起動時にCPU401がこの基本制御プログラムを実行することによってこの中央制御装置400全体の動作の基本的な制御がCPU401によって行えるようになる。
【0055】
RAM(Random Access Memory)403は、各種の制御プログラムをCPU401が実行するときにワークメモリとして使用され、また各種のデータの一時的な格納領域として必要に応じて用いられるメインメモリとしても使用されるメモリである。
【0056】
記憶部404は、例えばHDD(Hard Disk Drive )装置であり、後述する制御処理を中央制御装置400に行わせるためにCPU401で実行させる制御プログラムや、ホストシステム500から送られてくる分配要求情報や表示器300の管理情報(各通路100と通路100に設置されている各表示器300のアドレスとの関係など)等の各種のデータが格納されて保存される。
【0057】
入力部405は、例えばキーボードやマウス等といった、このシステムの管理者からの指示を中央制御装置400が取得するための装置と、CD−ROMドライブやDVD−ROMドライブといった、各種の制御プログラムやデータを中央制御装置400が読み込むための装置とを必要に応じて有している。
【0058】
出力部406は、例えば液晶ディスプレイ装置であり、中央制御装置400がこのシステムの管理者へ各種の情報を提示する。
I/F部407は、ホストシステム500や表示制御装置310と中央制御装置400との間での各種のデータの授受を管理するインタフェース装置である。
【0059】
なお、この中央制御装置400が有している上述した構成は、標準的な構成のコンピュータであれば大概備えているものであるので、このようなコンピュータを用いて中央制御装置400を構成することも可能である。
【0060】
図5に示した物品分配作業支援システムは以上のように構成されている。
次に図6について説明する。同図は、図5におけるホストシステム500から中央制御装置400へと送られてくる、分配要求情報の一例を示している。
【0061】
同図に示す表において、縦行は、作業担当者及び担当アイテムを示している。本実施例においては、各作業担当者が最大9アイテム(品種)の物品の分配作業を担当するものとする。すなわち、例えば、作業者甲は、A1、A2、…、A9の9アイテムの物品の分配作業を担当し、作業者乙は、B1、B2、…、B9の9アイテムの物品の分配作業を担当するものとする。
【0062】
また、同図に示す表において、横列は、分配先である容器200に対応付けられている表示器300の表示器アドレス表示部301に示されるアドレスを表わしており、これはすなわち分配先の容器200を特定する情報である。
【0063】
図6において、例えばアイテム「A1」についての行を参照すると、A1、A2、…、A9の各アイテムの物品の分配作業を担当する作業者は、アイテムA1の物品を、容器200−101へ5個分配し、容器200−102へ0個分配し(分配しない)、容器200−103へ7個分配し、そして容器200−104へ3個分配することの要求がされていることが分かる。
【0064】
ホストシステム500は、上述したような分配要求情報を、顧客からの受注データ等に基づいて生成する。
次に、表示器300の要求表示部303の表示内容と、フットスイッチ304への操作に応じた要求表示部303の表示内容の変化について、図7A、図7B、図7C、及び図7Dを参照しながら説明する。
【0065】
図7Aは、要求表示部303での分配要求表示の変化の基本例を示している。同図に示されている分配要求表示例は、図6に示した分配要求情報に基づいたものであって、アドレスが「101」である表示器300−101で表示されるもの(容器200−101を分配先とするもの)である。なお、図7Aの表示例は、作業者Aに対する分配要求(アイテムA1、A2、A3、…についての分配要求)を表示しているものとする。
【0066】
図6の表では、A1、A2、A3、…、A9の各アイテムの物品の分配作業を担当する作業者Aに対し、容器200−101へ、アイテムA1の物品を5個、アイテムA2の物品を15個、そしてアイテムA3の物品を100個分配することが要求されている。図7Aに示す分配要求表示は、この要求を表示している。
【0067】
図7Aの(1)において、要求表示部303のアイテム表示部303−1に示されている数字は、分配要求の対象である物品のアイテム(品種)を表わしており、同図における「1」の数字によりアイテムA1が示されている。また、数量表示部303−3は、アイテム表示部303−1で示されているアイテムの物品に対して要求されている分配個数を表わしており、同図における「5」の数字によりアイテムA1の物品を5個分配することが要求されている。なお、アイテム最終表示部303−2の「−」(ハイフン)の表示は、特に意味を有するものではない。
【0068】
この(1)の分配要求表示に応じて担当作業者AがアイテムA1の物品を容器200−101へ5個分配する作業を行い、表示器300−101のフットスイッチ304を押下操作して当該作業の完了を通知すると、要求表示部303の表示は図7Aの(2)に示されているものへと変化する。この表示は、作業者Aに対してアイテムA2の物品を15個分配することの要求が示されている。
【0069】
この(2)の分配要求表示に応じて担当作業者AがアイテムA2の物品を容器200−101へ15個分配する作業を行い、表示器300−101のフットスイッチ304を押下操作して当該作業の完了を通知すると、要求表示部303の表示は図7Aの(3)に示されているものへと変化する。この表示は、作業者Aに対してアイテムA3の物品を100個分配することの要求が示されている。
【0070】
以降、同様に、担当作業者Aによる要求表示部303での分配要求表示に応じた分配作業及び表示器300−101のフットスイッチ304の押下操作による当該分配作業の完了通知と、当該完了通知に応じた要求表示部303での分配要求表示とが繰り返されることにより、担当作業者Aによる容器200−101に対する分配作業が進められる。
【0071】
次に、アイテム最終表示について、図7Bを用いて説明する。
同図に示されている分配要求表示例も、図6に示した分配要求情報に基づいたものであって、アドレスが「101」である表示器300−101で表示されるもの(容器200−101を分配先とするもの)である。但し、図7Bの表示例は、作業者Bに対する分配要求(アイテムB1、B2、B3、…についての分配要求)を表示しているものとする。
【0072】
図6の表では、B1、B2、B3、…、B9の各アイテムの物品の分配作業を担当する作業者Bに対し、容器200−101へ、アイテムB1の物品を5個、アイテムB2の物品を0個(すなわち分配しない)、そしてアイテムB3の物品を15個分配することが要求されている。なお、この表には明示されていないが、B4、…、B9の各アイテムの物品の容器200−101への分配要求個数はいずれも0個(すなわち分配しない)であるものとする。
【0073】
図7Bに示す分配要求表示は、上述した要求を表示している。すなわち、図7Bの(1)における分配要求表示では、担当作業者Bに対してアイテムB1の物品を5個分配することの要求が示されている。
【0074】
この(1)の分配要求表示に応じて担当作業者BがアイテムB1の物品を容器200−101へ5個分配する作業を行い、表示器300−101のフットスイッチ304を押下操作して当該作業の完了を通知すると、要求表示部303の表示は図7Bの(2)に示されているものへと変化する。この表示は、作業者Bに対してアイテムB3の物品を15個分配することの要求が示されている。ここで、図6の表では、作業者Bに対するアイテムB2の物品についての容器200−101への分配要求が無いので(分配要求個数が0個であるので)、要求表示部303の表示は、アイテムB2の物品についての表示を行うことなく、アイテムB3の物品についての表示へと変化する。このように、分配要求が無いアイテムについての分配要求表示を行わないようにすることにより、分配作業の効率が向上する。
【0075】
ところで、この(2)の分配要求表示においては、アイテム最終表示部303−2に「E」なる表示がなされている。この表示をアイテム最終表示という。
前述したように、図6の表では、B4、…、B9の各アイテムの物品の容器200−101への分配要求個数はいずれも0個(すなわち分配しない)であるので、この(2)の表示で示されているアイテムB3についての分配要求が、担当作業者Bに対する容器200−101への最後の分配要求であることを、このアイテム最終表示は表わしている。
【0076】
ここで、この(2)の分配要求表示に応じて担当作業者BがアイテムB3の物品を容器200−101へ15個分配する作業を行い、表示器300−101のフットスイッチ304を押下操作して当該作業の完了を通知すると、要求表示部303は、図7Bの(3)に示されているように、表示が消灯して担当作業者Bに対する容器200−101への物品分配作業の完了が示される。
【0077】
このように、要求表示部303で現在表示中の分配要求表示が、担当作業者に対するその容器200への最後の分配要求であること(当該分配要求表示に応じた分配作業を済ませると当該担当作業者による当該容器200への分配作業が完了となること)をアイテム最終表示によって示すことにより、以降のアイテムの物品についての分配要求の有無をアイテム1つずつ確認することなく直ちに分配作業の完了を作業者が認識できるので、分配作業の効率が向上する。
【0078】
次に、通路内分配作業終了表示について、図7Cを用いて説明する。
同図に示されている分配要求表示例は、図6に示した分配要求情報に基づいたものであって、アドレスが「104」である表示器300−104で表示されるもの(容器200−104を分配先とするもの)である。但し、図7Cの表示例は、作業者Cに対する分配要求(アイテムC1、C2、C3、…についての分配要求)を表示しているものとする。
【0079】
図6の表では、C1、C2、C3、…の各アイテムの物品の分配作業を担当する作業者Cに対し、容器200−104へ、アイテムC1の物品を30個、アイテムC2の物品を1個、そしてアイテムC3の物品を3個分配することが要求されている。なお、この表には明示されていないが、C4、…、C9の各アイテムの物品の容器200−104への分配要求個数はいずれも0個(すなわち分配しない)であるものとし、更に、容器200−104への分配作業が完了することにより、作業者Cによる通路100−1での分配作業が終了するものとする。
【0080】
図7Cの(1)は、作業者Cによる容器200−104への分配作業が進み、作業者Cに対してアイテムC3の物品を3個分配することの要求と、分配要求が担当作業者に対するその容器200−104への最後の分配要求であることを示すアイテム最終表示とが表示器300−104の要求表示部303で表示されている状態を示している。
【0081】
ここで、この(1)の分配要求表示に応じて担当作業者CがアイテムC3の物品を容器200−104へ3個分配する作業を行い、表示器300−104のフットスイッチ304を押下操作して当該作業の完了を通知すると、要求表示部303には、図7Cの(2)に示されているように、「End」なる表示がなされる。この表示を通路内分配作業終了表示という。
【0082】
前述したように、図6の表では、作業者Cによる通路100−1での分配作業は、容器200−104への分配作業が完了することにより終了する。通路内分配作業終了表示はこのことを表わしている。
【0083】
ここで、この(2)の通路内分配作業終了表示を確認した作業者Cが表示器300−101のフットスイッチ304を押下操作して当該表示を確認したことを通知すると、要求表示部303は、図7Cの(3)に示されているように、表示が消灯して担当作業者Cによる通路100−1での物品分配作業が終了する。
【0084】
このように、通路100に並べられている全ての容器200への物品の分配作業が全て完了した場合に、当該完了を示す通路内分配作業終了表示を表示器300の要求表示部303で表示することにより、通路100に並べられている以降の順番の容器200への分配要求の有無を確認することなく直ちに当該通路100での分配作業の終了を作業者が認識できるので、分配作業の効率が向上する。
【0085】
次に、進入確認表示について説明する。
図2に示した作業場において、各通路100へ進入口は、同図における左端若しくは右端の2つがある。各作業者は、原則として通路100における進入した端の方に配置されている容器200からその進行方向に沿って順に分配作業を進めるのであるが、例えば、複数の作業者が同一の通路100内に同時に進入して個々の分配作業を行う場合などを考慮すると、作業者が、この2つの進入口のどちらから通路100内に進入しても分配作業を進めることができる方が便利である。但し、この場合には、作業者がどちらの進入口から通路100に進入したのかを物品分配作業支援システムが認識できると便利である。
【0086】
作業者の通路100への進入を検出する手法は様々なものがある。例えば、作業要求の存在する通路100の両端に配置されている表示器300(図3の例で説明すると、通路100−1の端に設置されている表示器300−101)の作業者指示ランプ302を所定の点灯色で予め点灯させておくようにし、この点灯色に対応付けられている作業者が通路100への進入時に当該表示器300のフットスイッチ304を押下操作して通路100への進入を中央制御装置400へ通知するようにすればよい。
【0087】
なお、この押下操作に応じ、当該表示器300の要求表示部303の表示を、図7Dに示すように、(1)の消灯状態から(2)の「Good」なる文字を所定時間表示させて当該通知を中央制御装置400が受け取ったことを示す表示(進入確認表示)へと変化させるようにしてもよい。
【0088】
なお、作業場で複数人が同時に作業する場合には、例えば、通路100の端近傍に配置されている複数の表示器300を通路100への進入確認のための表示器として作業者毎に割り当てるようにすればよい。具体的には、例えば、甲(割り当て色:赤)、乙(割り当て色:緑)、丙(割り当て色:青)、丁(割り当て色:白)の4人が同時に作業する場合には、図3において、表示器300−101の作業者指示ランプ302を赤色点灯させて甲の進入確認用とし、表示器300−102の作業者指示ランプ302を緑色点灯させて乙の進入確認用とし、表示器300−103の作業者指示ランプ302を青色点灯させて丙の進入確認用とし、表示器300−104の作業者指示ランプ302を白色点灯させて丁の進入確認用とすればよい。
【0089】
また、このようにする代わりに、通路100の端に配置されている単一の表示器300を用い、その作業者指示ランプ302の点灯色を所定の時間間隔で変化させるようにし、各作業者は、自身に割り当てられている色が点灯している間にフットスイッチ304を押下操作して通路100への進入を中央制御装置400へ通知するようにしてもよい。具体的には、例えば、甲(割り当て色:赤)、乙(割り当て色:緑)、丙(割り当て色:青)、丁(割り当て色:白)の4人が同時に作業する場合に、図3において、表示器300−101の作業者指示ランプ302の点灯色を例えば1秒間隔で赤、緑、青、白の順に繰り返し変色させるようにし、各作業者は自身に割り当てられている色が点灯している間にフットスイッチ304を押下操作するようにすればよい。
【0090】
次に、図5に示した物品分配作業支援システムの表示器300で上述したような各種の動作を行わせて物品分配作業の支援を行わせるために、中央処理装置400のCPUが行う物品分配作業支援処理について説明する。なお、この処理は、中央処理装置400の記憶部404に予め格納されている制御プログラムをCPU401に読み込ませて実行させることによって実現される。
【0091】
なお、以下の処理では、簡単のため、1名の作業者に対しての物品分配作業支援処理を説明する。ここで、作業者が複数の場合には、この物品分配作業支援処理を作業者人数分並列してCPU401に行わせればよい。
【0092】
図8について説明する。同図は物品分配作業支援処理の処理内容をフローチャートで示したものである。この処理は、物品分配作業支援システムの管理者が入力部405を操作する等して行われる開始指示をCPU401が取得すると開始される。
【0093】
なお、この処理の開始時において、各通路100の全ての表示器300の表示は消灯状態にあるものとする。また、各処理ステップにおける表示器300を制御する処理とは、より正確には、表示器制御装置310に指示を与えて当該指示に係る表示器300の制御を表示器制御装置310に行わせる処理である。また、表示器300を監視する処理とは、より正確には、表示器300に設けられているフットスイッチ304に対する押下操作の有無を監視する処理である。
【0094】
まず、S101では、ホストシステム500から送られてくる図6に例示したような分配要求情報を、I/F部407を介して取得して記憶部404に記憶させておく処理が行われる。
【0095】
S102では、取得した分配要求情報において分配要求が存在する通路100(分配要求において分配先の容器200が配置されている通路100)両端の表示器300の作業者指示ランプ302を作業支援対象の作業者に割り当てられている点灯色で点灯させる処理が行われる。
【0096】
S103では、前ステップの処理によって作業者指示ランプ302を点灯させた表示器300を各々監視する(ポーリングする)処理が行われる。
S104では、このS103の処理により、表示器300に対する操作が検出されたか否かを判定する処理が行われ、当該操作が検出されるまで(判定結果がYesとなるまで)このS104の処理が繰り返される。
【0097】
ここで、表示器300に対する操作が検出されるとS105へと処理が進み、前述したS103の処理によって点灯させた全ての作業者指示ランプ302を消灯させる処理が行われる。なお、このS105の処理において、操作が検出された表示器300の要求表示部303で進入確認表示(図7D(2)に示した「Good」)を所定時間表示させる処理を併せて行うようにしてもよい。
【0098】
S106では、操作が検出された表示器300が設置されている通路100を物品分配作業支援の対象として選択する処理が行われる。
S107では、通路内分配作業支援処理が行われる。この処理は、前ステップの処理によって選択された通路100内での分配作業を支援するための処理であり、その処理の詳細は後述する。
【0099】
S108では、S101の処理によって取得されている分配要求情報を参照し、この分配要求情報において分配要求が存在する通路100(分配要求において分配先の容器200が配置されている通路100)のうち、分配作業の完了していない通路100が残っているか否かを判定する処理が行われる。ここで、残っていると判定されたとき(判定結果がYesのとき)は、S109において、当該分配要求の完了していない通路100両端の表示器300の作業者指示ランプ302を作業支援対象の作業者に割り当てられている点灯色で点灯させる処理が行われ、その後はS103へと処理を戻す。一方、残っていないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)は、この図8の処理を終了する。
【0100】
以上までの処理が物品分配作業支援処理である。
次に図9について説明する。同図は、図8におけるS107の処理である、通路内分配作業支援処理の処理内容をフローチャートで示したものである。
【0101】
まず、S201において、図8のS101の処理によって取得された分配要求情報に応じ、直近のS106(図8)の処理によって選択されている通路100の各表示器300の作業者指示ランプ302及び分配要求要求表示部303を点灯させて、各容器200についての最初の分配要求を一斉に表示させる処理が行われる。
【0102】
続くS202では、直近のS104(図8)の処理によって操作が検出された表示器300から、先頭の分配順の表示器300までの間に配置されている各表示器300の作業者指示ランプ302を作業支援対象の作業者に割り当てられている点灯色で点灯させる処理が行われる。
【0103】
このS201及びS202の処理による作業者指示ランプ302の動作について、図10(1)を用いて説明する。
図10(1)に例示する通路100に並べられている各表示器300において、表示器300−101に対する操作が図8のS104の処理によって検出されたとすると、S201の処理により、表示器300−105、300−110、及び300−113の作業者指示ランプ302が分配要求表示部303と共に分配要求情報に基づいて点灯し、通路100の両側に並べられている各容器200についての最初の分配要求が一斉に表示される。そして続くS202の処理により、当該操作の検出された表示器300−101から先頭の分配順序である表示器300−105までの間に配置されている、表示器300−1、300−102、300−103、300−104、300−105の各々の作業者指示ランプ302が作業支援対象の作業者に割り当てられている点灯色で点灯する。
【0104】
このようにして作業者指示ランプ302のみが点灯しており分配要求要求表示部303が消灯している表示器300−101、300−102、300−103、300−104は、物品の分配が不要であることを示している。このような表示を分配不要表示と称することとする。
【0105】
図9の説明へ戻る。
S203では監視処理が行われる。この処理は、S106(図8)の処理によって選択されている通路100に設置されている各表示器300に対する操作の有無を監視し(ポーリングし)、操作された表示器300を検出する処理であり、その処理の詳細は後述する。
【0106】
S204では、取得済みの分配要求情報を参照し、前ステップの処理によって操作が検出された表示器300で次に表示すべき分配要求(作業支援対象の作業者が分配すべき次のアイテムの物品についての分配要求)が存在するか否かを判定する処理が行われる。ここで、そのような分配要求が存在すると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS205に処理を進め、そのような分配要求が存在しないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS208に処理を進める。
【0107】
S205では、S203の監視処理によって操作が検出された表示器300の要求表示部303で、次に表示すべき分配要求を表示させる処理が行われる。
S206では、前ステップの処理によって表示器300で表示させた分配要求が、表示器300で表示すべき最後の分配要求(当該表示器300に対応している容器200へ作業支援対象の作業者が分配すべき最後のアイテムの物品についての分配要求)であるか否かを判定する処理が行われ、当該分配要求が最後の分配要求であると判定したとき(判定結果がYesのとき)にのみ、S207において、その表示器300のアイテム最終表示部303−2でアイテム最終表示(図7B(2)に例示した「E」表示)を表示させる処理が行われる。
【0108】
その後はS203へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
ところで、S204の判定結果がNoのときには、S208において、S203の監視処理によって操作が検出された表示器300での全ての表示(作業者指示ランプ302及び分配要求表示部303の表示)を消灯させる処理が行われる。
【0109】
S209では、S106(図8)の処理によって選択されている通路100において、直近のS203の監視処理で操作が検出された表示器300の位置から見て作業者の進行方向とは逆の方向(直近のS104(図8)の処理によって操作が検出された表示器300の位置している方向)に配置されている表示器300で点灯中の作業者指示ランプ302を消灯させる処理が行われる。
【0110】
S210では、S106(図8)の処理によって選択されている通路100において、直近のS203の監視処理で操作が検出された表示器300に続く次の分配順の分配要求を表示している表示器300が作業者の進行方向に存在しているか否かを判定する処理が行われ、このような表示器300が存在しているとき(判定結果がYesのとき)にはS211に処理を進め、このような表示器300が存在していないとき(判定結果がNoのとき)にはS212に処理を進める。
【0111】
S211では、直近のS203の監視処理で操作が検出された表示器300から、次の分配順の表示器300までの間に配置されている各表示器300の作業者指示ランプ302を作業支援対象の作業者に割り当てられている点灯色で点灯させる処理が行われ、その後はS203へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
【0112】
以上のS208からS211にかけての処理による作業者指示ランプ302の動作について、図10を用いて説明する。
例えば、通路100の各表示器300の表示が図10の(1)に示すような状態にあるものとする。ここで、表示器300−105に基づく物品の分配作業が完了して表示器300−105を操作すると、まず、S208の処理により、表示器300−105での全ての表示(作業者指示ランプ302及び分配要求表示部303の表示)が消灯する。そして、続くS209の処理により、表示器300−105の位置から見て通路100の進行方向とは逆の方向(すなわち表示器300−101が位置している方向)に配置されている表示器300のうち、作業者指示ランプ302が点灯中である表示器300−101、300−102、300−103、300−104の各々の作業者指示ランプ302が消灯する。
【0113】
ここで、S210の判定処理では、通路100において表示器300−105に続く次の分配順の分配要求を表示している表示器300−110が作業者の進行方向に存在しているので、判定結果はYesとなる。すると、S211の処理により、表示器300−105から表示器300−110までの間に配置されている表示器300−107、300−108、300−110の各々の作業者指示ランプ302が作業支援対象の作業者に割り当てられている点灯色で点灯し、前述した分配不要表示がなされる。この結果、通路100の各表示器300の表示は、図10の(1)から図10の(2)に示すような状態へと変化する。
【0114】
この(2)の状態の下で、表示器300−110に基づく物品の分配作業が完了して表示器300−110を操作すると、S208の処理により、表示器300−110での全ての表示が消灯する。そして、続くS209の処理により、表示器300−110の位置から見て通路100の進行方向とは逆の方向に配置されている表示器300のうち、作業者指示ランプ302が点灯中である表示器300−107、300−108の各々の作業者指示ランプ302が消灯する。
【0115】
ここで、S210の判定処理では、通路100において表示器300−110に続く次の分配順の分配要求を表示している表示器300−113が作業者の進行方向に存在しているので、判定結果はYesとなる。すると、S211の処理により、表示器300−110から表示器300−113までの間に配置されている表示器300−111及び300−112の各々の作業者指示ランプ302が作業支援対象の作業者に割り当てられている点灯色で点灯し、前述した分配不要表示がなされる。この結果、通路100の各表示器300の表示は、図10の(2)から図10の(3)に示すような状態へと変化する。
【0116】
このように、分配作業の完了した容器200と分配順序においてその容器200に続く次の順序である容器200との間に並べられている容器200に各々対応付けられている表示部300で作業者指示ランプ302のみを点灯させて分配不要表示を行わせることにより、作業者は、分配作業の完了した容器200に続く次の分配順である容器200の位置を、表示器300の列における作業者指示ランプ302の点灯しているものと消灯しているものとの境界から素早く見つけ出すことができるようになるので、分配作業の効率が向上する。
【0117】
図9の説明へ戻る。
S210の判定結果がNoのときには、S212において、直近のS203の監視処理で操作が検出された表示器300の分配要求表示部303で通路内分配作業終了表示(図7C(2)に例示した「End」表示)を表示させる処理が行われる。
【0118】
S213では、前ステップの処理によって通路内分配作業終了表示を表示させた表示器300を監視する処理が行われる。
続くS214では、前ステップの処理により、この表示器300に対する操作が検出されたか否かを判定する処理が行われ、当該操作が検出されるまで(判定結果がYesとなるまで)このS214の処理が繰り返される。
【0119】
ここで、表示器300に対する操作が検出されるとS215へと処理が進み、前述したS213の処理によって表示させた通路内分配作業終了表示を消灯させる処理が行われ、その後はこの通路内分配作業支援処理を終了し、図8へと処理を戻す。
【0120】
以上までの処理が通路内分配作業支援処理である。
次に図11について説明する。同図は、図9におけるS203の処理である、監視処理の処理内容をフローチャートで示したものである。
【0121】
まず、S301において、記憶部404に予め記憶されている表示器300の管理情報を参照し、S106(図8)の処理によって選択されている通路100に設置されている全ての表示器300(のアドレス)を監視対象として一旦抽出する処理が行われる。
【0122】
S302では、現在の分配順である表示器300から見て、通路100の進入側(すなわち、図8のS104の処理によって操作が検出された表示器300が配置されている側)に配置されている配置されている表示器300を、前ステップでの監視対象の抽出結果から除外する処理が行われる。
【0123】
S303では、前ステップの除外の処理によっても依然として抽出されている各表示器300に対する操作の有無を一巡監視(各表示器300を1回だけポーリングする)処理が行われる。従って、S302の処理によって抽出から除外された表示器300は監視されない。これは、S302の処理によって除外された表示器300についての分配作業は既に完了した(若しくは分配要求が存在していない)とみなし得るので、分配作業の完了の通知する操作をこれらの表示器300に対して行うことはないから、これらの表示器300を監視対象から除外したものである。この処理により、監視処理の処理負担が軽減されて処理が高速化する結果、分配作業の効率が向上する。
【0124】
S304では、このS303の処理により、表示器300に対する操作が検出されたか否かを判定する処理が行われ、当該操作が検出されたと判定したとき(判定結果がYesのとき)はS305に処理を進め、当該操作が検出されなかったと判定したとき(判定結果がNoのとき)はS306に処理を進める。
【0125】
S305では、前ステップの処理によって操作が検出された表示器300の要求表示部303で分配要求を表示していたか否かを判定する処理が行われる。ここで、当該分配要求を表示していたと判定したとき(判定結果がYesのとき)は、この監視処理を終了し、図9の処理へ戻る。なお、このとき、図9の通路内分配作業支援処理に対し、S304の処理によって操作が検出された表示器300を特定する情報(この表示器300に割り当てられているアドレスなど)を渡す。
【0126】
一方、S305の判定処理において、当該分配要求を表示していなかったと判定したとき(判定結果がNoのとき)は、S304の処理によって検出された操作は誤操作であったとみなし、S306に処理を進める。
【0127】
S306では、直近に操作が検出された表示器300から見て所定の範囲外の表示器300を現在の監視対象の抽出結果から更に除外する処理が行われる。
S307では、変数Nに初期値「1」を代入する処理が行われる。
【0128】
S308では、S306での更なる除外の処理によっても依然として抽出されている各表示器300に対する操作の有無を一巡監視(各表示器300を1回だけポーリングする)処理が行われる。従って、S302及びS306の処理によって抽出から除外された表示器300は監視されない。
【0129】
S309では、このS308の処理により、表示器300に対する操作が検出されたか否かを判定する処理が行われ、当該操作が検出されたと判定したとき(判定結果がYesのとき)はS310に処理を進め、当該操作が検出されなかったと判定したとき(判定結果がNoのとき)はS311に処理を進める。
【0130】
S310では、前ステップの処理によって操作が検出された表示器300の要求表示部303で分配要求を表示していたか否かを判定する処理が行われる。ここで、当該分配要求を表示していたと判定したとき(判定結果がYesのとき)は、この監視処理を終了し、図9の処理へ戻る。なお、このとき、図9の通路内分配作業支援処理に対し、S309の処理によって操作が検出された表示器300を特定する情報(この表示器300に割り当てられているアドレスなど)を渡す。
【0131】
一方、S310の判定処理において、当該分配要求を表示していなかったと判定したとき(判定結果がNoのとき)は、S309の処理によって検出された操作は誤操作であったとみなし、S311に処理を進める。
【0132】
S311では、変数Nの値をインクリメントする(1だけ増加させる)処理が行われる。
S312では、変数Nの現在の値が「9」よりも大きいか否かを判定する処理が行われ、大きいと判定されたとき(判定結果がYesのとき)はS301へと処理を戻して上述した処理が繰り返され、小さいと判定されたとき(判定結果がNoのとき)はS308へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
【0133】
以上のS307からS312にかけての処理により、S302及びS306の処理によっても抽出から除外されていない表示器300、すなわち、現在の分配順である表示器300から見て、通路100上での作業者の進行側(すなわち、通路100への進入口とは反対の側)に配置されており、且つ、直近に操作が検出された表示器300から見て所定の範囲内に配置されている表示器300については、一巡監視が9回行われる。従って、この図11の監視処理により、監視対象である表示器300のうち、直近に操作が検出された表示器300から見て所定の範囲内に配置されている表示器300については、当該範囲外に配置されているものよりも高い頻度(10倍の頻度)で監視(ポーリング)がなされる。
【0134】
この監視頻度の軽重について、図12を用いて説明する。
表示器300に対する操作が検出された場合には、作業者は当該操作が検出された表示器300の位置に在ると考えることができる。この場合、作業者が次に操作する表示器300は、当該操作が検出されたものの周辺(所定の範囲内)に配置されている表示器300であることが多い。そこで、この範囲内の表示器300(図12の例における(a)の範囲の表示器300)を、その範囲外の表示器300(図12の例における(b)の範囲の表示器300)よりも高い頻度で重点的に監視するようにする。こうすることにより、この範囲内の表示器300への操作に対する応答処理、すなわち要求表示部303での現在の表示を中止して次のものを表示させるための処理の開始までの時間が短縮されるので、作業完了の通知のための操作を行った作業者が次の指示を物品分配作業支援システムから受け取るまでの時間が短くなり、結果として分配作業の効率が向上する。
【0135】
なお、例えば、物品分配作業支援システムの管理者が入力部405を操作する等して、高い頻度で監視する表示器300の範囲を変更できるようにしてもよく、また、ホストシステム500から送られてくる分配要求情報に基づき、現在の分配順に係る表示器300と次の分配順に係る表示器300との位置関係に応じて高い頻度で監視する表示器300の範囲を変更するようにしてもよい。更に、例えば、物品分配作業支援システムの管理者が入力部405を操作する等して、S312の処理において変数Nの現在の値と比較する数値を「9」から変更できるようにして、直近に操作が検出された表示器300から見て所定の範囲内に配置されている表示器300に対する監視の頻度を変化できるようにしてもよい。
【0136】
以上までの処理が監視処理である。
中央制御装置400のCPU401が以上の処理を行うことにより、図5に示した物品分配作業支援システムによる物品分配作業の支援が行われる。
【0137】
なお、図5における中央制御装置400を、標準的な構成のコンピュータで構成する場合には、図8、図9、図11にフローチャートで示した各処理をこのコンピュータに行わせる制御プログラムを作成してコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させ、その制御プログラムを記録媒体からコンピュータに読み出させて実行させるようにすればよい。
【0138】
記録させた制御プログラムをコンピュータで読み取ることの可能な記録媒体の例を図13に示す。
同図に示すように、記録媒体としては、例えば、コンピュータ601に内蔵若しくは外付けの付属装置として備えられるRAM若しくはROM又はハードディスク装置などのメモリ602、あるいはFD(フレキシブルディスク)、MO(光磁気ディスク)、CD−ROM、DVD−ROMなどといった可搬型記録媒体603等が利用できる。また、記録媒体は回線604を介してコンピュータ601と接続される、プログラムサーバ605として機能するコンピュータが備えている記憶装置606であってもよい。この場合には、制御プログラムを表現するデータ信号で搬送波を変調して得られる伝送信号を、プログラムサーバ605から伝送媒体である回線604を通じて伝送するようにし、コンピュータ601では受信した伝送信号を復調して制御プログラムを再生することで当該制御プログラムを実行できるようになる。
【0139】
その他、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の改良・変更が可能である。
なお、上述した実施の形態から次のような構成の技術的思想が導かれる。
【0140】
(付記1) 物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられ、当該対応付けられている分配部への当該物品の分配の要求を表示する表示手段と、
前記表示手段及び前記分配部の各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示手段での前記分配要求に従った前記物品の分配の完了の通知を行う通知手段と、
前記通知手段からの前記通知の監視を行う監視手段と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている表示手段による前記分配要求の表示を切り替えさせる表示制御手段と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている分配部から所定の範囲内に並べられている分配部に対応付けられている通知手段に対する監視の頻度を、当該範囲外に並べられている分配部についてのものよりも増加させるように前記監視手段を制御する監視制御手段と、
を有することを特徴とする物品分配作業支援システム。
【0141】
(付記2) 前記監視制御手段は、前記監視により前記通知が検出されたときに、前記分配部の分配順序に基づき、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている分配部以前の分配順序である分配部に各々対応付けられている通知手段に対する前記監視手段での前記監視を中止させることを特徴とする付記1に記載の物品分配作業支援システム。
【0142】
(付記3) 前記分配部の列の両端に配置され、いずれか一方が操作されることによって前記物品の分配の開始の通知を行う開始通知手段を更に有し、
前記監視制御手段は、操作がされた開始通知手段の配置に基づいて前記分配部の分配順序の先後を判定する、
ことを特徴とする付記2に記載の物品分配作業支援システム。
【0143】
(付記4) 前記表示手段は、前記分配要求の要求先を示す表示を更に行い、
前記監視手段は、前記監視を前記要求先毎に別個に行い、
前記監視制御手段は、前記監視の制御を前記要求先毎に別個に行う、
ことを特徴とする付記1から3までのうちのいずれか1項に記載の物品分配作業支援システム。
【0144】
(付記5) 複数品種の物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられ、当該対応付けられている分配部へ分配する物品の品種及び個数の要求である分配要求を当該品種毎に表示する表示手段と、
前記表示手段及び前記分配部に各々対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示手段での前記分配要求に従った品種に係る前記物品の分配の完了の通知を行う通知手段と、
前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている表示手段による前記分配要求の表示を、当該表示手段に対応付けられている分配部へ分配する物品における他の品種のものへと切り替える一方で、当該分配部へ分配する全ての品種の物品についての分配が完了となる場合には、当該完了となることを示す表示を当該表示手段に行わせる表示制御手段と、
を有することを特徴とする物品分配作業支援システム。
【0145】
(付記6) 前記表示制御手段は、前記通知が検出されたときに、前記列に並べられている全ての分配部への前記物品の分配が全て完了した場合には、当該完了を示す表示を当該表示手段に行わせることを特徴とする付記5に記載の物品分配作業支援システム。
【0146】
(付記7) 物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられ、当該対応付けられている分配部への当該物品の分配の要求と当該分配要求の要求先とを表示する表示手段と、
前記表示手段及び前記分配部の各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示手段での前記分配要求に従った前記物品の分配の完了の通知を行う通知手段と、
前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている表示手段による前記分配要求の表示を中止させると共に、前記分配部の列において、当該表示手段に対応付けられている分配部と分配順序において当該分配部に続く次の順序である分配部との間に並べられている分配部に対応付けられている表示手段に対して、物品の分配が不要であることを示す分配不要表示を行わせる表示制御手段と、
を有することを特徴とする物品分配作業支援システム。
【0147】
(付記8) 前記表示制御手段は、前記通知が検出されたときに、当該通知が検出される直前まで前記表示手段で行われていた前記分配不要表示を中止させることを特徴とする付記7に記載の物品分配作業支援システム。
【0148】
(付記9) 物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられる表示器であって、当該対応付けられている分配部への当該物品の分配の要求を表示する表示部と、当該表示部及び当該分配部の各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示部での分配要求に従った当該物品の分配の完了の通知を行う通知部とを有する当該表示器の制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記通知部からの前記通知の監視を行う監視処理と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知部に対応付けられている表示部による前記分配要求の表示を切り替えさせる表示制御処理と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知部に対応付けられている分配部から所定の範囲内に並べられている分配部に対応付けられている通知部に対する監視の頻度を、当該範囲外に並べられている分配部についてのものよりも増加させるように前記監視処理による通知の監視を制御する監視制御処理と、
をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【0149】
(付記10) 複数品種の物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられる表示器であって、当該対応付けられている分配部へ分配する物品の品種及び個数の要求である分配要求を当該品種毎に表示する表示部と、当該表示部及び当該分配部に各々対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示部での当該分配要求に従った品種に係る当該物品の分配の完了の通知を行う通知部とを有する当該表示器の制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記通知を検出する検出処理と、
前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知部に対応付けられている表示部による前記分配要求の表示を、当該表示部に対応付けられている分配部へ分配する物品における他の品種のものへと切り替える一方で、当該分配部へ分配する全ての品種の物品についての分配が完了となる場合には、当該完了となることを示す表示を当該表示部に行わせる表示制御処理と、
をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【0150】
(付記11) 物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられる表示器であって、当該対応付けられている分配部への当該物品の分配の要求と当該分配要求の要求先とを表示する表示部と、当該表示部及び当該分配部の各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示部での当該分配要求に従った当該物品の分配の完了の通知を行う通知部とを有する当該表示器の制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記通知を検出する検出処理と、
前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知部に対応付けられている表示部による前記分配要求の表示を中止させると共に、前記分配部の列において、当該表示部に対応付けられている分配部と分配順序において当該分配部に続く次の順序である分配部との間に並べられている分配部に対応付けられている表示部に対して、物品の分配が不要であることを示す分配不要表示を行わせる表示制御処理と、
をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1A】本発明に係る物品分配作業支援システムの第一の原理構成を示す図である。
【図1B】本発明に係る物品分配作業支援システムの第二及び第三の原理構成を示す図である。
【図2】本発明を実施する物品分配作業支援システムを使用して物品分配作業支援を行う作業場の構成を示す図である。
【図3】図2における通路の部分の拡大図である。
【図4】図2に示した表示器の構成を示す図である。
【図5】本発明を実施する物品分配作業支援システムの構成を示す図である。
【図6】分配要求情報の一例を示す図である。
【図7A】要求表示部での分配要求表示の変化の基本例を示す図である。
【図7B】アイテム最終表示の表示例を示す図である。
【図7C】通路内分配作業終了表示の表示例を示す図である。
【図7D】進入確認表示の表示例を示す図である。
【図8】物品分配作業支援処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】通路内分配作業支援処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】作業者指示ランプによる分配不要表示の動作を説明する図である。
【図11】監視処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】表示器に対する監視頻度の軽重を説明する図である。
【図13】記録させた制御プログラムをコンピュータで読み取ることの可能な記録媒体の例を示す図である。
【図14】従来の表示器の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0152】
1a、1b、1n 分配部
11a、11b、11n、21a、21b、21n 表示手段
12a、12b、12n、22a、22b、22n 通知手段
13 監視手段
14、23 表示制御手段
15 監視制御手段
100、100−n 通路
200、200−1m 容器
300、300−1m、300−2m、300−nm、1000 表示器
301 表示器アドレス表示部
302、1011 作業者指示ランプ
303 要求表示部
303−1 アイテム表示部
303−2 アイテム最終表示部
303−3 数量表示部
304、1021 フットスイッチ
310、310−n 表示器制御装置
400 中央制御装置
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 記憶部
405 入力部
406 出力部
407 I/F部
500 ホストシステム
601 コンピュータ
602 メモリ
603 可搬型記録媒体
604 回線
605 プログラムサーバ
606 記憶装置
1010 表示部
1012−1、1012−2 数量表示
1020 申告部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられ、当該対応付けられている分配部への当該物品の分配の要求を表示する表示手段と、
前記表示手段及び前記分配部の各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示手段での前記分配要求に従った前記物品の分配の完了の通知を行う通知手段と、
前記通知手段からの前記通知の監視を行う監視手段と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている表示手段による前記分配要求の表示を切り替えさせる表示制御手段と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている分配部から所定の範囲内に並べられている分配部に対応付けられている通知手段に対する監視の頻度を、当該範囲外に並べられている分配部についてのものよりも増加させるように前記監視手段を制御する監視制御手段と、
を有することを特徴とする物品分配作業支援システム。
【請求項2】
複数品種の物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられ、当該対応付けられている分配部へ分配する物品の品種及び個数の要求である分配要求を当該品種毎に表示する表示手段と、
前記表示手段及び前記分配部に各々対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示手段での前記分配要求に従った品種に係る前記物品の分配の完了の通知を行う通知手段と、
前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている表示手段による前記分配要求の表示を、当該表示手段に対応付けられている分配部へ分配する物品における他の品種のものへと切り替える一方で、当該分配部へ分配する全ての品種の物品についての分配が完了となる場合には、当該完了となることを示す表示を当該表示手段に行わせる表示制御手段と、
を有することを特徴とする物品分配作業支援システム。
【請求項3】
物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられ、当該対応付けられている分配部への当該物品の分配の要求と当該分配要求の要求先とを表示する表示手段と、
前記表示手段及び前記分配部の各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示手段での前記分配要求に従った前記物品の分配の完了の通知を行う通知手段と、
前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知手段に対応付けられている表示手段による前記分配要求の表示を中止させると共に、前記分配部の列において、当該表示手段に対応付けられている分配部と分配順序において当該分配部に続く次の順序である分配部との間に並べられている分配部に対応付けられている表示手段に対して、物品の分配が不要であることを示す分配不要表示を行わせる表示制御手段と、
を有することを特徴とする物品分配作業支援システム。
【請求項4】
物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられる表示器であって、当該対応付けられている分配部への当該物品の分配の要求を表示する表示部と、当該表示部及び当該分配部の各々に対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示部での分配要求に従った当該物品の分配の完了の通知を行う通知部とを有する当該表示器の制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記通知部からの前記通知の監視を行う監視処理と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知部に対応付けられている表示部による前記分配要求の表示を切り替えさせる表示制御処理と、
前記監視により前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知部に対応付けられている分配部から所定の範囲内に並べられている分配部に対応付けられている通知部に対する監視の頻度を、当該範囲外に並べられている分配部についてのものよりも増加させるように前記監視処理による通知の監視を制御する監視制御処理と、
をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【請求項5】
複数品種の物品が分配される分配先である分配部であって列に並べられて配置されている当該分配部の各々に対応付けて設けられる表示器であって、当該対応付けられている分配部へ分配する物品の品種及び個数の要求である分配要求を当該品種毎に表示する表示部と、当該表示部及び当該分配部に各々対応付けて設けられ、操作されることによって当該対応付けられている表示部での当該分配要求に従った品種に係る当該物品の分配の完了の通知を行う通知部とを有する当該表示器の制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記通知を検出する検出処理と、
前記通知が検出されたときに、当該通知が発せられた通知部に対応付けられている表示部による前記分配要求の表示を、当該表示部に対応付けられている分配部へ分配する物品における他の品種のものへと切り替える一方で、当該分配部へ分配する全ての品種の物品についての分配が完了となる場合には、当該完了となることを示す表示を当該表示部に行わせる表示制御処理と、
をコンピュータに行わせるためのプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図3】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−225134(P2006−225134A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42879(P2005−42879)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237156)株式会社エフ・エフ・シー (100)
【Fターム(参考)】