説明

物品収納設備

【課題】出庫箇所に物品を出庫した後の物品に対する作業の簡素化を図ることができる物品収納設備を提供する。
【解決手段】順序指定手段にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在する場合は、それら属性情報が同じ物品のうち出庫順序が先の物品から優先的に搬送手段が搬送可能な物品の個数を限度として複数個の物品を引当物品として引き当て、それら複数個の引き当て済みの引当物品を纏めて搬送して出庫箇所に出庫させる複数出庫指令を前記出庫指令として指令する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出庫後の処理内容を示す属性情報が割り当てられた物品を上下方向及び棚横幅方向に並べた状態で収納する収納棚と、複数個の物品を纏めて搬送する形態で前記収納棚に収納されている物品を搬送して出庫箇所に出庫する搬送手段と、前記出庫箇所に出庫する物品を引当物品として引き当て、その引当物品を前記出庫箇所に出庫させる出庫指令を繰り返し指令する出庫指令手段と、前記出庫指令手段の前記出庫指令に基づいて前記引当物品を前記収納棚から前記出庫箇所に搬送するべく前記搬送手段の作動を制御する作動制御手段とが設けられている物品収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品収納設備は、搬送手段にて物品を収納棚から出庫箇所に搬送して出庫するものであり、搬送手段が搬送可能な物品の個数を限度として複数個の物品を引当物品として引き当て、それら複数個の引き当て済みの引当物品を搬送手段にて纏めて搬送する形態で収納棚に収納されている物品を出庫箇所に出庫させることで、物品の搬送効率が高められている。
【0003】
そして、このような物品収納設備の従来例として、出庫箇所に出庫する物品の種類(出庫後の処理内容を示す属性情報に相当)及びその種類の出庫順序を指定する種類指定手段が設けられており、出庫指令手段は、種類指定手段にて指定された種類の2個の物品を引当物品として引き当て、それら2個の引き当て済みの引当物品を収納棚から取り出した後に纏めて搬送して出庫箇所に出庫させる複数出庫指令を指令するように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−068411号公報
【0005】
特許文献1の収納棚には、複数個の種類Aの物品、複数個の種類Bの物品、複数個の種類Cの物品、複数個の種類Dの物品が収納されており、例えば、種類指定手段にて、種類Aの物品、種類Bの物品、種類Cの物品の順序で3つの物品を出庫箇所に出庫することを指定した場合、種類Aの物品と種類Bや種類Cの物品とでペア物品(搬送手段にて収納棚から同時に取り出せる物品)がなく、種類Bの物品と種類Cの物品とでペア物品があれば、出庫指令手段は、種類Bの物品と種類Cの物品との2個の物品を引当物品として引き当て、これら引き当て済みの引当物品を収納棚から同時に取り出した後に纏めて搬送して出庫箇所に出庫させる出庫指令を指令するように構成されている。また、このようにペア物品となる物品がなければ、出庫指令手段は、種類Aの物品と種類Bの物品との2個のツイン物品(出庫順序が最も先の種類の物品と出庫順序が2番目の種類の物品)を引当物品として引き当て、これら引き当て済みの引当物品を収納棚から順次取り出した後に纏めて搬送して出庫箇所に出庫させる出庫指令を指令するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の物品収納設備では、複数出庫指令の対象となる2個の物品が異なる種類である場合では、種類の異なる2個の物品が引当物品として引き当てられ、これら種類が異なる2個の引き当て済みの引当物品を纏めて搬送して出庫箇所に出庫される。よって、出庫箇所には種類が異なる物品が出庫箇所に出庫されることとなり、同じ種類の物品が出庫される場合に比べて、出庫後の物品に対する作業(例えば、出庫箇所に出庫された物品を搬送先に分岐搬送する作業)が煩雑になる。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、出庫箇所に物品を出庫した後の物品に対する作業の簡素化を図ることができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる物品収納設備は、出庫後の処理内容を示す属性情報が割り当てられた物品を上下方向及び棚横幅方向に並べた状態で収納する収納棚と、複数個の物品を纏めて搬送する形態で前記収納棚に収納されている物品を搬送して出庫箇所に出庫する搬送手段と、前記出庫箇所に出庫する物品を引当物品として引き当て、その引当物品を前記出庫箇所に出庫させる出庫指令を繰り返し指令する出庫指令手段と、前記出庫指令手段の前記出庫指令に基づいて前記引当物品を前記収納棚から前記出庫箇所に搬送するべく前記搬送手段の作動を制御する作動制御手段とが設けられているものであって、
その第1特徴構成は、前記出庫箇所に出庫する物品及びその物品の出庫順序を指定する順序指定手段が設けられ、前記出庫指令手段が、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在する場合は、それら属性情報が同じ物品のうち出庫順序が先の物品から優先的に前記搬送手段が搬送可能な物品の個数を限度として複数個の物品を前記引当物品として引き当て、それら複数個の引き当て済みの前記引当物品を纏めて搬送して前記出庫箇所に出庫させる複数出庫指令を前記出庫指令として指令し、且つ、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合は、その出庫順序が最も先の物品を前記引当物品として引き当て、その1個の引き当て済みの前記引当物品を搬送して前記出庫箇所に出庫させる単数出庫指令を前記出庫指令として指令するように構成されている点にある。
【0009】
すなわち、順序指定手段にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在する場合は、それら属性情報が同じ物品のうち出庫順序が先の物品から優先的に搬送手段が搬送可能な物品の個数を限度として複数個の物品を引当物品として引き当てられ、それら複数個の引き当て済みの引当物品が搬送手段にて纏めて搬送されて出庫箇所に出庫される。また、順序指定手段にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合は、その出庫順序が最も先の物品を引当物品として引き当てられ、その1個の引き当て済みの引当物品が搬送手段にて搬送されて出庫箇所に出庫される。
【0010】
具体例を例示すると、搬送手段が搬送可能な物品の個数が2個であり、出庫指令手段にて、属性情報Aの物品a1,属性情報Bの物品b1,属性情報Aの物品a2,属性情報Aの物品a3,属性情報Bの物品b2の順序で物品が指定された場合、出庫順序が最も先の物品a1の他にこの物品a1と同じ属性情報Aが割り当てられた物品a2,物品a3が存在するので、出庫指令手段により、それら属性情報が同じ物品a1,物品a2,物品a3のうち出庫順序が最も先の物品から優先的に物品a1と物品a2との2個の物品が引当物品として引き当てられ、それら物品a1と物品a2とを纏めて搬送して出庫箇所に出庫される複数出庫指令が指令される。そして、このように複数出庫指令が指令されると、作業制御手段にて、物品a1と物品a2とを纏めて搬送して出庫箇所に出庫させるべく搬送手段の作動が制御されて、出庫箇所には物品a1,物品a2の順序で出庫される。
【0011】
そして、上述の如く物品a1と物品a2とが引当物品として引き当てられると、順序指定手段にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品は、属性情報Bの物品b1,属性情報Aの物品a3,属性情報Bの物品b2となる。出庫順序が最も先の物品b1の他にこの物品b1と同じ属性情報Bが割り当てられた物品b2が存在するので、出庫指令手段により、それら属性情報が同じ物品である物品b1と物品b2との2個の物品が引当物品として引き当てられ、それら物品b1と物品b2とを纏めて搬送して出庫箇所に出庫される複数出庫指令が指令される。そして、このように複数出庫指令が指令されると、作業制御手段にて、物品b1と物品b2とを纏めて搬送して出庫箇所に出庫させるべく搬送手段の作動が制御されて、出庫箇所には物品a1,物品a2の後に、物品b1,物品b2の順序で出庫される。
【0012】
そして、上述の如く物品b1と物品b2とが引当物品として引き当てられると、順序指定手段にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品は、属性情報Aの物品a3のみとなる。出庫順序が最も先の物品a3の他にこの物品a3と同じ属性情報Aが割り当てられた物品は存在しないので、出庫指令手段により、この出庫順序が最も先の物品a3が引当物品として引き当てられ、その1個の物品a3を搬送して出庫箇所に出庫される単数出庫指令が指令される。そして、このように単数出庫指令が指令されると、作業制御手段にて、物品a3を搬送して出庫箇所に出庫させるべく搬送手段の作動が制御されて、出庫箇所には物品a1,物品a2,物品b1,物品b2の後に、物品a3が出庫される。
【0013】
このように、複数個の物品を纏めて搬送して出庫箇所に出庫する場合は、搬送される複数個の物品は全て同じ属性情報であるため、出庫した後の作業の簡素化を図ることができる。具体例を例示すれば、属性情報を出庫箇所から搬送される物品の搬送先を示す情報とした場合では、出庫箇所に出庫された複数個の物品を全て同じ搬送先に搬送すればよく、これら複数個の物品を搬送先に分岐搬送させる作業の簡素化を図ることができる。
【0014】
従って、出庫箇所に物品を出庫した後の物品に対する作業の簡素化を図ることができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【0015】
本発明にかかる物品収納設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記出庫指令手段が、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合、出庫順序が最も先の物品が前記順序指定手段にて指定されてから当該物品を前記引当物品として引き当てるまでに前記物品待機用の設定時間が経過しているときは、出庫順序が最も先の物品を前記引当物品として引き当てて前記単数出庫指令を指令し、且つ、前記物品待機用の設定時間が経過していないときは、前記単数出庫指令を指令しないように構成されている点にある。
【0016】
すなわち、具体例を例示すると、搬送手段が搬送可能な物品の個数が2個であり、順序指定手段にて、属性情報Aの物品a1のみが指定された場合、出庫順序が最も先の物品a1の他にこの物品a1と同じ属性情報Aが割り当てられた物品は存在しない。そして、物品a1が順序指定手段にて指定されてから当該物品を前記引当物品として引き当てるまでに物品待機用の設定時間が経過しているときは、この物品a1を出庫させる単数出庫指令が出庫指令手段にて指令される。そして、このように単数出庫指令が指令されると、作業制御手段にて、物品a1を搬送して出庫箇所に出庫させるべく搬送手段の作動が制御されて、物品a1が出庫箇所に出庫される。
【0017】
また、物品a1が順序指定手段にて指定されてから当該物品を前記引当物品として引き当てるまでに物品待機用の設定時間が経過していない場合は、この物品a1のみを出庫させる単数出庫指令は直ちに指令されず、物品待機用の設定時間が経過するまでに順序指定手段にて属性情報Aの物品の出庫が新たに指定されないときに、物品a1を出庫させる単数出庫指令が指令され、物品待機用の設定時間が経過するまでに順序指定手段にて属性情報Aの物品a2の出庫が新たに指定されたときは、物品a1と物品a2とを出庫させる複数出庫指令が指令される。このように複数出庫指令が指令されると、作業制御手段にて、物品a1と物品a2とを纏めて搬送して出庫箇所に出庫させるべく搬送手段の作動が制御されて、物品a1と物品a2とが出庫箇所に出庫される。
【0018】
従って、順序指定手段にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合、物品待機用の設定時間が経過するまで単数出庫指令を指令することを待機することによって、複数出庫指令を指令する機会を増やして属性情報が同じ複数個の物品を纏めて搬送させることができる。しかも、物品待機用の設定時間以上経過した場合は、単数出庫指令を指令して1個の物品を出庫させるので、指定された物品の出庫が必要以上に遅れることを回避することができる。
【0019】
本発明にかかる物品収納設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記出庫指令手段が、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合、前記物品待機用の設定時間が経過するまでに出庫順序が2番目以降の物品に同じ属性情報が割り当てられた物品が複数存在する場合は、それら属性情報が同じ複数の物品のうち出庫順序が先の物品から優先的に前記搬送手段が搬送可能な物品の個数を限度として複数個の物品を前記引当物品として引き当て、それら複数個の引き当て済みの物品を纏めて搬送して出庫順序が最も先の物品より先に前記出庫箇所に出庫させる繰上げ複数出庫指令を前記出庫指令として指令するように構成されている点にある。
【0020】
すなわち、具体例を例示すると、搬送手段が搬送可能な物品の個数が2個であり、出庫指令手段にて、属性情報Aの物品a1,属性情報Bの物品b1,属性情報Bの物品b2の順序で指定された場合、出庫順序が最も先の物品a1の他にこの物品a1と同じ属性情報Aが割り当てられた物品は存在しない。そして、出庫順序が2番目以降の物品に同じ属性情報Bが割り当てられた物品b1,b2が存在するので、物品a1が順序指定手段にて指定されてから当該物品を前記引当物品として引き当てるまでに物品待機用の設定時間が経過していない場合は、これら物品b1,b2を出庫させる繰上げ複数出庫指令が指令される。このように繰上げ複数出庫指令が指令されると、作業制御手段にて、物品b1と物品b2とを纏めて搬送して出庫箇所に出庫させるべく搬送手段の作動が制御されて、出庫箇所には、出庫順序が最も先の物品a1より先に物品b1と物品b2とが出庫される。
【0021】
従って、出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在せず、且つ、その出庫順序が最も先の物品が順序指定手段にて指定されてから当該物品を前記引当物品として引き当てるまでに物品待機用の設定時間が経過していない場合において、出庫順序が最も先の物品の属性情報と異なる属性情報の物品が複数個存在する場合は、出庫順序が最も先の物品を出庫する単数出庫指令を指令するまで(物品待機用の設定時間が経過するまで)に繰上げ出庫指令を指令することで、単数出庫指令を待機している間に繰上げ複数出庫指令を指令して、繰上げ出庫指令の対象の物品を効率よく出庫させることができる。
【0022】
本発明にかかる物品収納設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記収納棚が前記属性情報に対応して複数のエリアに分割されて、物品が前記収納棚における自己の属性情報に対応する前記エリアに収納されている点にある。
【0023】
すなわち、同じ属性情報が割り当てられた物品は同じエリアに収納されているため、同じ属性情報の物品同士は収納棚に互いに近い箇所に収納され易い。従って、複数出庫指令が指令されて複数個の物品を収納棚から取り出して出庫箇所に向けて搬送するときに、複数個の物品は互いに近い箇所に収納されているため複数個の物品を効率よく収納棚から取り出すことができ、搬送手段による物品の出庫作業を効率よく行うことができる。
【0024】
本発明にかかる物品収納設備の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記属性情報が、前記出庫箇所から搬送される物品の搬送先を示す情報である点にある。
【0025】
すなわち、移載装置にて属性情報が同じ物品が複数個纏めて搬送されて出庫箇所に出庫された場合は、これら複数個の物品の搬送先はすべて同じであるので、出庫後に複数個の物品を属性情報に応じた搬送先に仕分ける仕分け作業を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】物品収納設備の平面図
【図2】物品収納設備の側面図
【図3】制御ブロック図
【図4】出庫処理のフローチャート
【図5】出庫順序を示す作用図
【図6】出庫順序を示す作用図
【図7】出庫順序を示す作用図
【図8】出庫順序を示す作用図
【図9】出庫順序を示す作用図
【図10】出庫順序を示す作用図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、物品収納設備には、物品1を上下方向及び棚横幅方向に並べた状態で収納する収納棚2と、2個の物品1を纏めて搬送可能なスタッカークレーン(搬送手段に相当)3と、物品入庫用の入庫用コンベア4と、物品出庫用の出庫用コンベア5とが設けられている。そして、物品収納設備は、入庫用コンベア4にて外部から搬入されてきた物品1をスタッカークレーン3にて収納棚2に収納し、スタッカークレーン3にて物品1を収納棚2から取り出して出庫用コンベア5に出庫され、出庫用コンベア5にて搬送先15(第1搬送先15aや第2搬送先15b)に搬送するように構成されている。
【0028】
図1に示すように、収納棚2は対向する状態で一対設けられており、このように一対の収納棚2を設けることにより、一対の収納棚2の夫々の前方に移動用経路6が形成されている。そして、スタッカークレーン3は、移動用経路6をその長手方向に沿って走行するように設けられている。ちなみに、移動用経路6の長手方向と収納棚2の棚横幅方向は同じ方向となっている。
【0029】
収納棚2に収納される物品1の夫々には、出庫後の処理内容を示す属性情報が割り当てられており、一対の収納棚2の夫々は、後述する総括制御装置H1にて属性情報に対応して棚横幅方向に並ぶエリアAとエリアBとの2つのエリアに仮想的に分割されて管理されて、物品1は収納棚2における自己の属性情報に対応するエリアに収納されている。具体的には、属性情報は、出庫箇所5aから搬送される物品1の搬送先15を示す情報であり、第1搬送先15aに搬送される物品1は属性情報Aが割り当てられ、第2搬送先15bに搬送される物品1は属性情報Bが割り当てられている。そして、属性情報Aの物品1は収納棚2のエリアAに収納され、属性情報Bの物品1は収納棚2のエリアBに収納されている。尚、図1や図2では、収納棚2に収納されている物品1の色を属性情報Aの物品1と属性情報Bの物品1とで変えて図示している。
【0030】
入庫用コンベア4は、一方の収納棚2の棚横幅方向の一方側(図1及び図2における右側)に隣接する状態に設けられており、棚横幅方向の一方側から収納棚2が存在する他方側(図1及び図2における左側)に向けて物品1を搬送するように構成されている。また、出庫用コンベア5は、他方の収納棚2の棚横幅方向の一方側に隣接する状態で設けられており、収納棚2が存在する棚横幅方向の他方側から棚横幅方向の一方側に向けて物品1を搬送するように構成されている。
【0031】
図2に示すように、スタッカークレーン3は、移動用経路6をその長手方向に沿って走行移動する走行台車9と、走行台車9に立設された昇降マストに昇降自在に案内支持された昇降台10と、昇降台10に支持されたフォーク式の移載装置11とを備えて構成されている。そして、スタッカークレーン3は、昇降台10に棚横幅方向に沿って並ぶ状態でフォーク式の移載装置11を一対備えたツインフォーク式に構成されており、昇降台10は、一対の移載装置11の夫々に物品1を載置支持する形態で2個の物品1を棚横幅方向に並べた状態で載置支持できるように構成されている。ちなみに、移載装置11は、一対の収納棚2の両方との間で物品1を移載可能で且つ入庫用コンベア4及び出庫用コンベア5との間で物品1を移載可能に構成されている。
【0032】
そして、スタッカークレーン3は、走行台車9の走行移動、昇降台10の昇降移動、及び、移載装置11の作動により、入庫箇所4a(入庫用コンベア4の搬送下手側端部)に位置する1個又は2個の物品1を収納棚2に搬送し、且つ、収納棚2に収納されている1個又は2個の物品1を出庫箇所5a(出庫用コンベア5の搬送上手側端部)に搬送するように構成されている。このように、スタッカークレーン3は、搬送可能な物品1の最大個数が2個であり、2個の物品1を纏めて搬送する形態で収納棚2に収納されている物品1を搬送して出庫箇所5aに出庫する搬送手段として機能している。
【0033】
また、スタッカークレーン3は、収納棚2に収納されている2個の物品1を出庫箇所5aに移載するときに一対の移載装置11を同時に作動させることにより、2個の物品1を同時に出庫箇所5aに移載できるように構成されている。そして、このように2個の物品1を同時に出庫箇所5aに移載することで、スタッカークレーン3の昇降台10に支持されていた2個の物品1は、棚横幅方向の一方側の物品1が出庫用コンベア5の搬送方向の下手側に、棚横幅方向の他方側の物品1が出庫用コンベア5の搬送方向の上手側に位置するように出庫箇所5aに出庫され、搬送用コンベア5にて一方側の物品1が他方側の物品1よりも先行して搬送されるように構成されている。つまり、スタッカークレーン3にて纏めて搬送された2個の物品1のうち、棚横幅方向の一方側の物品1が他方側の物品1より先に搬送先15に搬送されるようになっている。尚、出庫箇所5aに同時に移載された2個の物品の出庫順序については、先に搬送先15に搬送されるように出庫箇所5aに出庫される棚横幅方向の一方側の物品1、後に搬送先15に搬送されるように出庫箇所5aに出庫される棚横幅方向の他方側の物品1の順序で出庫されるものとしている。
【0034】
出庫用コンベア5にて搬送された物品1は、分岐コンベア12にて第1搬送コンベア13又は第2搬送コンベア14に分岐搬送され、第1搬送コンベア13に分岐搬送された物品1は第1搬送コンベア13にて第1搬送先15aに搬送され、第2搬送コンベア14に分岐搬送された物品1は第2搬送コンベア14にて第2搬送先15bに搬送されるように構成されている。ちなみに、属性情報Aの物品1は分岐コンベア12にて第1搬送コンベア13に分岐搬送されて第1搬送先15aに搬送され、属性情報Bの物品1は分岐コンベア12にて第2搬送コンベア14に分岐搬送されて第2搬送先15bに搬送される。
【0035】
次に、物品収納設備の制御構成について説明する。図3に示すように、物品収納設備には、順序指定手段としての総括制御装置H1、出庫指令手段としての搬送制御装置H2、及び、作動制御手段としてのクレーン制御装置H3が設けられている。
【0036】
総括制御装置H1は、図2に示すように収納棚2を棚横幅方向に並ぶエリアAとエリアBとの2つのエリアに仮想的に分割して管理するとともに収納棚2に収納されている物品1の在庫を管理するように構成されている。また、総括制御装置H1は、入庫対象の物品1にその物品1の出庫後に搬送される搬送先15(第1搬送先15a又は第2搬送先15b)に応じた属性情報(属性情報A又は属性情報B)を割り当て、次に、収納棚2に入庫する入庫対象の物品1及びその入庫対象の物品1の入庫順序を指定するように構成されている。また、総括制御装置H1は、収納棚2から出庫する出庫対象の物品1及びその出庫対象の物品1の出庫順序を指定するように構成されている。ちなみに、入庫対象の物品1の指定により、その入庫対象の物品1の属性情報が対応するエリア(例えば、入庫対象の物品1が属性情報AであればエリアA)から選択された収納部が併せて指定され、また、出庫対象の物品1の指定により、その出庫対象の物品1が収納されている収納部が併せて指定されるように構成されている。
【0037】
搬送制御装置H2は、総括制御装置H1からの入庫対象の物品1及びその入庫対象の物品1の出庫順序の指定に基づいて、スタッカークレーン3による入庫搬送作業が効率よく行えるようにクレーン制御装置H3に入庫指令を繰り返し指令する入庫処理を実行し、総括制御装置H1からの出庫対象の物品1及びその出庫対象の物品1の出庫順序の指定に基づいて、スタッカークレーン3による出庫搬送作業が効率よく行えるようにクレーン制御装置H3に出庫指令を繰り返し指令する出庫処理を実行するように構成されている。また、搬送制御装置H2は、入庫用コンベア4、出庫用コンベア5及び分岐コンベア12等の作動も制御するように構成されている。
【0038】
クレーン制御装置H3は、搬送制御装置H2からの入庫指令に基づいて、入庫対象の物品1を入庫箇所4aから収納棚2に搬送し、搬送制御装置H2からの出庫指令に基づいて、出庫対象の物品1を収納棚2から出庫箇所5aに搬送するべく、スタッカークレーン3の作動を制御するように構成されている。ちなみに、クレーン制御装置H3は、スタッカークレーン3にて2個の物品1を纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫させる場合は、総括制御装置H1にて指定された出庫順序が先の物品1を昇降台10の棚横幅方向の一方側に支持し且つ出庫順序が後の物品1を昇降台10の棚横幅方向の他方側に支持するように2個の物品1を収納棚2から取り出し、それら2個の物品1を纏めて搬送して出庫箇所5aに同時に移載して出庫するべく、スタッカークレーン3の作動を制御するように構成されている。
【0039】
〔出庫処理〕
まず、搬送制御装置H2の出庫処理について図4のフローチャートに基づいて説明する。
総括制御装置H1にて指定された物品1で且つ引当物品として引き当てていない物品1に、出庫順序が最も先の物品1の他にこの出庫順序が最も先の物品1と同じ属性情報が割り当てられた物品1が存在する場合(S1→Yes)は、それら属性情報が同じ物品1のうち出庫順序が先の物品1から優先的に2個の物品1を引当物品として引き当てる複数引当処理を実行(S2)して、それら2個の引き当て済みの引当物品を纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫させる複数出庫指令を出庫指令として指令(S3)するようになっている。
【0040】
また、総括制御装置H1にて指定された物品1で且つ引当物品として引き当てていない物品1に、出庫順序が最も先の物品1の他にこの出庫順序が最も先の物品1と同じ属性情報が割り当てられた物品1が存在しない場合(S1→No)、出庫順序が最も先の物品1が総括制御装置H1にて指定されてから当該物品を前記引当物品として引き当てるまでに物品待機用の設定時間が経過しているとき(S4→Yes)は、出庫順序が最も先の物品1を引当物品として引き当てる単数引当処理を実行(S5)して、その1個の引き当て済みの引当物品を搬送して出庫箇所5aに出庫させる単数出庫指令を出庫指令として指令(S6)し、且つ、物品待機用の設定時間が経過していないとき(S4→No)は、単数出庫指令を指令しないようになっている。
【0041】
そして、総括制御装置H1にて指定された物品1で且つ引当物品として引き当てていない物品1に、出庫順序が最も先の物品1の他にこの出庫順序が最も先の物品1と同じ属性情報が割り当てられた物品1が存在しない場合(ステップ1→No)、物品待機用の設定時間が経過するまでに出庫順序が2番目以降の物品1に同じ属性情報が割り当てられた物品1が複数存在する場合(ステップ4→No,ステップ7→Yes)は、それら属性情報が同じ複数の物品1のうち出庫順序が先の物品1から優先的に2個の物品1を引当物品として引き当てる繰上げ複数引当処理を実行(ステップ8)し、それら複数個の引き当て済みの物品1を纏めて搬送して出庫順序が最も先の物品1より先に出庫箇所5aに出庫させる繰上げ複数出庫指令を出庫指令として指令(ステップ9)するようになっている。
【0042】
次に、搬送制御装置H2の出庫処理について図5〜図10に示す具体例に基づいて説明する。尚、搬送制御装置H2の出庫処理を具体例に基づいて説明するにあたり、例えば属性情報Aの物品については物品a1というように、符号として属性情報に対応する英字と出庫順序に対応する数字とを付して説明する。また、図5〜図10では、物品の色を属性情報Aの物品と属性情報Bの物品とで変えて図示している。
【0043】
まず、図5に示すように、総括制御装置H1にて、属性情報Aの物品a1,属性情報Aの物品a2,属性情報Bの物品b1,属性情報Aの物品a3,属性情報Bの物品b2、属性情報Bの物品b3の順序で収納棚2から出庫する物品が指定された場合について説明する。このように総括制御装置H1にて出庫箇所5aに出庫する物品及びその物品の出庫順序が指定されると、総括制御装置H1にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品である物品a1,物品a2,物品b1,物品a3,物品b2,物品b3に、出庫順序が最も先の物品a1の他にこの物品a1と同じ属性情報Aが割り当てられた物品として物品a2と物品a3とが存在する。このような場合、属性情報が同じ物品a1,物品a2,物品a3のうち出庫順序が先の物品から優先的に2個の物品(物品a1と物品a2)を引当物品として引き当てる複数引当処理が実行される。次に、それら2個の引き当て済みの引当物品である物品a1と物品a2とを纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫させる複数出庫指令が指令される。尚、このように複数出庫指令が指令されることにより、スタッカークレーン3にて物品a1と物品a2とが纏めて搬送されて、出庫箇所5aには物品a1,物品a2の順序で出庫される。
【0044】
そして、上述のように物品a1と物品a2とを出庫する複数出庫指令が指令されると、総括制御装置H1にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品は、図6に示すように、物品b1,物品a3,物品b2,物品b3となる。出庫順序が最も先の物品b1の他にこの物品b1と同じ属性情報Bが割り当てられた物品として物品b2と物品b3とが存在する。このような場合、まず、属性情報が同じ物品b1,物品b2,物品b3のうち出庫順序が先の物品から優先的に2個の物品(物品b1と物品b2)を引当物品として引き当てる複数引当処理を実行する。次に、それら2個の引き当て済みの引当物品である物品b1と物品b2とを纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫させる複数出庫指令を指令する。尚、このように複数出庫指令が指令されることにより、スタッカークレーン3により物品b1と物品b2とが纏めて搬送されて、出庫箇所5aには物品a1,物品a2の後に物品b1,物品b2の順序で出庫される。
【0045】
そして、上述のように物品b1と物品b2とを出庫する複数出庫指令が指令されると、総括制御装置H1にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品は、図7に示すように、物品a3,物品b3となる。出庫順序が最も先の物品a3の他にこの物品a3と同じ属性情報Aが割り当てられた物品が存在しない。この場合、総括制御装置H1にて物品a3が指定されてから物品待機用の設定時間が経過するまでに、総括制御装置H1にて属性情報Aが割り当てられた物品が指定されないときは、物品a3を引当物品として引き当てる単数引当処理を実行する。そして、この1個の引当済みの引当物品である物品a3を搬送して出庫箇所5aに出庫させる単数出庫指令を指令する。尚、このように単数引当指令が指令されることにより、スタッカークレーン3により物品a3が搬送されて、出庫箇所5aには物品a1,物品a2,物品b1,物品b2の後に、物品a3が出庫される。
【0046】
そして、上述のように物品a3を出庫する単数出庫指令が指令されると、総括制御装置H1にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品は、図8に示すように、物品b3のみとなる。出庫順序が最も先の物品b3の他にこの物品b3と同じ属性情報Bが割り当てられた物品が存在しない。この場合、総括制御装置H1にて物品b3が指定されてから物品待機用の設定時間が経過するまでに、総括制御装置H1にて属性情報Bが割り当てられた物品が指定されないときは、物品b3を引当物品として引き当てる単数引当処理を実行する。次に、この1個の引当済みの引当物品である物品b3を搬送して出庫箇所5aに出庫させる単数出庫指令を指令する。尚、このように単数引当指令が指令されることにより、スタッカークレーン3により物品b3が搬送されて、出庫箇所5aには物品a1,物品a2,物品b1,物品b2,物品a3の後に、物品b3が出庫される。
【0047】
また、図7に示すように、総括制御装置H1にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品が、物品a3,物品b3となっている状態で、総括制御装置H1にて物品a3が指定されてから物品待機用の設定時間が経過するまでに、図9に示すように、総括制御装置H1にて属性情報Aが割り当てられた物品a4が指定される場合がある。このような場合、出庫順序が最も先の物品a3の他にこの物品a3と同じ属性情報Aが割り当てられた物品a4が存在するため、まず、属性情報が同じ物品a3と物品a4とを引当物品として引き当てる複数引当処理を実行する。次に、それら2個の引き当て済みの引当物品である物品a3と物品a4を纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫させる複数出庫指令を指令する。尚、このように複数引当指令が指令されることにより、スタッカークレーン3により物品a3と物品a4とが纏めて搬送されて、出庫箇所5aには物品a1,物品a2,物品b1,物品b2の後に、物品a3,物品a4の順序で出庫される。
【0048】
また、図7に示すように、総括制御装置H1にて指定された物品で且つ引当物品として引き当てていない物品が、物品a3,物品b3となっている状態で、総括制御装置H1にて物品a3が指定されてから物品待機用の設定時間が経過するまでに、図10に示すように、総括制御装置H1にて属性情報Bが割り当てられた物品b4が指定される場合がある。このような場合、出庫順序が最も先の物品a3の他にこの物品a3と同じ属性情報Aが割り当てられた物品が存在せず、出庫順序が2番目以降の物品に同じ処理情報Bが割り当てられた物品が複数存在するため、まず、属性情報が同じ物品b3とb4とを引当物品として引き当てる繰上げ複数引当処理を実行する。次に、それら2個の引き当て済みの引当物品である物品b3と物品b4とを纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫させる繰上げ複数出庫指令を指令する。尚、このように繰上げ複数引当指令が指令されることにより、スタッカークレーン3により物品b3と物品b4とが纏めて搬送されて、出庫箇所5aには物品a1,物品a2,物品b1,物品b2の後に、物品b3,物品b4の順序で出庫される。
【0049】
ちなみに、総括制御装置H1にて物品が指定されてから当該物品の出庫順序が最も先となるまでの時間が物品待機用の設定時間より長い場合、当該物品が出庫順序が最も先になった時点で物品待機用の設定時間が経過している場合がある。この場合、図7に示すように、出庫順序が最も先の物品a3の他に同じ属性情報の物品が他になければ、当該物品a1を引当物品として引き当てて単数出庫指令を指令する。また、図6に示すように、出庫順序が最も先の物品b1の他に同じ属性情報の物品b2,物品b3があれば、同じ属性情報で出庫順序が先の物品から優先的に2個の物品を引当物品として引き当てて複数出庫指令を指令するようになっている。尚、物品待機用の設定時間は、搬送制御装置H2に備えられた設定時間変更手段により適宜変更可能に構成されている。
【0050】
要するに、スタッカークレーン3にて2個の物品1を纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫するときは、複数個の同じ属性情報の物品1の中から出庫順序が先の物品1から優先的に引当物品として引き当て、それら引当物品として引き当てた2個の物品1をスタッカークレーン3にて纏めて搬送して出庫箇所5aに出庫させるため、総括制御装置H1にて指定された出庫順序に応じて、属性情報が同じ物品1については総括制御装置H1にて指定された出庫順序通りに出庫箇所5aに出庫させることができ、また、纏めて搬送される2個の物品1を同じ属性情報の物品1として、出庫箇所5aに物品1を出庫した後の物品1に対する作業の簡素化が図られている。
【0051】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、搬送制御装置H2を、出庫順序が最も先の物品1の他にこの出庫順序が最も先の物品1と同じ処理情報が割り当てられた物品1が存在しない場合、出庫順序が最も先の物品1が総括制御装置H1にて指定されてから物品待機用の設定時間が経過していないときは、単数出庫指令を指令しないように構成したが、物品待機用の設定時間を設定せず、搬送制御装置H2を、出庫順序が最も先の物品1の他にこの出庫順序が最も先の物品1と同じ処理情報が割り当てられた物品1が存在しない場合は、速やかに単数出庫指令を指令するように構成してもよい。
【0052】
(2) 上記実施形態では、搬送制御装置H2を、繰上げ複数出庫指令を出庫指令として指令するように構成して、出庫順序が最も先の物品1より先に出庫順序が2番目以降の物品1を引当物品として引き当て、出庫順序が最も先の物品1より先に出庫順序が2番目以降の物品1を搬送して出庫箇所5aに出庫させるようにしたが、搬送制御装置H2を、繰上げ複数出庫指令を出庫指令として指令しないようにして、常に、出庫順序が最も先の物品1を最も先に引当物品として引き当て、出庫順序が最も先の物品1が最も先に出庫箇所5aに出庫させるようにしてもよい。
【0053】
(3) 上記実施形態では、収納棚2を属性情報に対応して棚横幅方向に並ぶ複数のエリアに分割したが、収納棚2を属性情報に対応して上下方向に並ぶ複数のエリアに分割してもよく、収納棚2を属性情報に対応してマトリックス状に複数のエリアに分割してもよい。また、収納棚2を複数個のエリアに分割しなくてもよい。
【0054】
(4) 上記実施形態では、属性情報を、出庫箇所5aから搬送される物品1の搬送先15を示す情報としたが、例えば、出庫箇所5aから搬送された物品1に対して貼付されるラベルの種類を示す情報等、属性情報は、出庫後の処理内容に応じた情報であればよい。また、物品1の種類に応じて物品1に対する処理内容が異なる場合は、属性情報を、物品の種類を示す情報としてもよい。
【0055】
(5) 上記実施形態では、スタッカークレーン3を、昇降台10に棚横幅方向に沿って並ぶ状態でフォーク式の移載装置11を一対備えたツインフォーク式に構成して、2個の物品1を纏めて搬送可能に構成したが、スタッカークレーン3を、1台のフォーク式の移載装置11にその出退方向に一対の物品1を載置支持可能に構成されたダブルディープ式に構成してもよい。また、スタッカークレーン3を、昇降台10に棚横幅方向に沿って並ぶ状態でフォーク式の移載装置11を3台備えたトリプルフォーク式に構成する等により、3個以上の物品1を纏めて搬送可能に構成してもよい。
【0056】
(6) 上記実施形態では、クレーン制御装置H3を、一対の移載装置11を同時に作動させることで2個の物品1を同時に出庫箇所5aに移載して出庫させるべく、スタッカークレーン3の作動を制御するように構成したが、クレーン制御装置H3を、一対の移載装置11をタイミングをずらして作動させることで2個の物品1を出庫箇所5aに出庫順序が先の物品1から順番に移載して出庫させるべく、スタッカークレーン3の作動を制御するように構成してもよい。
【0057】
(7) 上記実施形態では、属性情報の種類を2種類としたが、搬送先15が3箇所ある場合等、属性情報の種類を3種類以上としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 物品
2 収納棚
3 搬送手段
5a 出庫箇所
15 搬送先
H1 順序指定手段
H2 出庫指令手段
H3 作動制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出庫後の処理内容を示す属性情報が割り当てられた物品を上下方向及び棚横幅方向に並べた状態で収納する収納棚と、
複数個の物品を纏めて搬送する形態で前記収納棚に収納されている物品を搬送して出庫箇所に出庫する搬送手段と、
前記出庫箇所に出庫する物品を引当物品として引き当て、その引当物品を前記出庫箇所に出庫させる出庫指令を繰り返し指令する出庫指令手段と、
前記出庫指令手段の前記出庫指令に基づいて前記引当物品を前記収納棚から前記出庫箇所に搬送するべく前記搬送手段の作動を制御する作動制御手段とが設けられている物品収納設備であって、
前記出庫箇所に出庫する物品及びその物品の出庫順序を指定する順序指定手段が設けられ、
前記出庫指令手段が、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在する場合は、それら属性情報が同じ物品のうち出庫順序が先の物品から優先的に前記搬送手段が搬送可能な物品の個数を限度として複数個の物品を前記引当物品として引き当て、それら複数個の引き当て済みの前記引当物品を纏めて搬送して前記出庫箇所に出庫させる複数出庫指令を前記出庫指令として指令し、且つ、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合は、その出庫順序が最も先の物品を前記引当物品として引き当て、その1個の引き当て済みの前記引当物品を搬送して前記出庫箇所に出庫させる単数出庫指令を前記出庫指令として指令するように構成されている物品収納設備。
【請求項2】
前記出庫指令手段が、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合、出庫順序が最も先の物品が前記順序指定手段にて指定されてから当該物品を前記引当物品として引き当てるまでに物品待機用の設定時間が経過しているときは、出庫順序が最も先の物品を前記引当物品として引き当てて前記単数出庫指令を指令し、且つ、前記物品待機用の設定時間が経過していないときは、前記単数出庫指令を指令しないように構成されている請求項1記載の物品収納設備。
【請求項3】
前記出庫指令手段が、前記順序指定手段にて指定された物品で且つ前記引当物品として引き当てていない物品に、出庫順序が最も先の物品の他にこの出庫順序が最も先の物品と同じ属性情報が割り当てられた物品が存在しない場合、前記物品待機用の設定時間が経過するまでに出庫順序が2番目以降の物品に同じ属性情報が割り当てられた物品が複数存在する場合は、それら属性情報が同じ複数の物品のうち出庫順序が先の物品から優先的に前記搬送手段が搬送可能な物品の個数を限度として複数個の物品を前記引当物品として引き当て、それら複数個の引き当て済みの物品を纏めて搬送して出庫順序が最も先の物品より先に前記出庫箇所に出庫させる繰上げ複数出庫指令を前記出庫指令として指令するように構成されている請求項2記載の物品収納設備。
【請求項4】
前記収納棚が前記属性情報に対応して棚横幅方向に並ぶ複数のエリアに分割されて、物品が前記収納棚における自己の属性情報に対応する前記エリアに収納されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品収納設備。
【請求項5】
前記属性情報が、前記出庫箇所から搬送される物品の搬送先を示す情報である請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品収納設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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