説明

物品取出管理装置

【課題】物品を棚から移動させることなく取出時点に応じたよりよい棚の配置を得ることができるようにする。
【解決手段】物品取出管理装置20は、配置情報記憶手段50と、保管情報記憶手段51と、取出情報受付手段52と、配置変更手段53と、取出時間演算手段54と、変更時間演算手段55と、要否判断手段56と、を備えている。この装置20では、取出情報を受け付けると、記憶された複数の棚の配置情報と物品の保管情報とに基づいて、取出情報に対応するように棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更し、配置の変更前及び変更後の物品の取出時間と棚位置変更時間を演算する。そして変更前後の取出時間と、棚配置変更時間とにより複数の棚の配置の変更の要否を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、特に、移動可能な複数の棚に保管された物品の棚からの取出を管理する物品取出管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配送センタなどの物品を保管して配送する部署では、棚に保管された物品を予め設定された出荷日時より前の取出時点で作業者が各棚に移動して物品を取り出している。物品は、折りたたみ可能なコンテナに入れられた状態で棚に保管されている。作業者は、取出伝票等を見ながら必要な物品を各棚から必要な個数取り出して取出用の別のコンテナ内に入れる。
【0003】
このような配送センタ内において、入出庫作業をシミュレーションして作業時間を短縮する技術が従来知られている(たとえば、特許文献1参照)。従来の技術では、棚配置のレイアウトをフロアに配置し、作業者の動線を入力して入出庫作業をシュミレーションしている。
【特許文献1】特開2008−94553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の技術では、いったん最適と思われる棚の配置が決定されると、その配置に基づいて作業をシミュレーションするだけであり、よりよい棚の配置を考慮していない。
本発明の課題は、取出時点に応じたよりよい棚の配置を得ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る物品取出管理装置は、移動可能な複数の棚に保管された物品の棚からの取出を管理する装置である。物品取出管理装置は、配置情報記憶手段と、保管情報記憶手段と、取出情報受付手段と、配置変更手段と、取出時間演算手段と、変更時間演算手段と、要否判断手段と、を備えている。配置情報記憶手段は、複数の棚の配置情報を記憶する。保管情報記憶手段は、各棚に保管された物品の保管情報を記憶する。取出情報受付手段は、物品の複数の取出情報を受け付ける。配置変更手段は、取出情報を受け付けると、取出情報に対応するように棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更する。取出時間演算手段は、棚の配置の変更前及び変更後の物品の取出時間を演算する。変更時間演算手段は、棚の配置の変更に要する棚配置変更時間を演算する。要否判断手段は、変更前の取出時間と、変更後の取出時間及び棚配置変更時間とにより複数の棚の配置の変更の要否を判断する。
【0006】
この物品取出管理装置では、配置情報記憶手段で複数の棚の実際の配置情報を記憶する。また、保管情報記憶手段で各棚に配置された物品の保管情報を記憶する。そして、取出情報を受け付けると、記憶された複数の棚の配置情報及び物品の保管情報に基づいて、取出情報に対応するように棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更する。そして、変更前の取出時間と変更後の取出時間とが演算されるとともに、棚の配置の変更に要する棚配置変更時間が演算される。そして、変更前の取出時間と、変更後の取出時間及び棚配置変更時間と、により配置の変更の要否を判断する。たとえば、変更前の取出時間と、変更後の取出時間及び棚配置変更時間とを加算した時間と、を比較し、変更後の取出時間と棚配置変更時間とを加算した時間のほうが変更前の取出時間より短い場合は、棚の配置を変更した方がよいと判断する。そして、棚の配置を変更した方がよい場合は、変更する配置等の表示及び印刷等の適宜の報知手段によりその旨を報知し、変更しない方がよい場合は表示や印刷等の適宜の報知手段によりその旨を報知する。なお、変更しない方がよい場合は、その旨を表示しないことにより変更しない方が良いことを報知してもよい。
【0007】
ここでは、物品保管用の棚を移動可能とし、取出情報に合わせて棚の配置を変更した場合と変更しない場合とで、それぞれの取出時間に棚配置変更時間を加味して変更の要否を判断している。このため、季節変動等の特定の要因により取出情報が変動しても、物品を棚から移動させることなく取出時点毎によりよい棚の配置を得ることができるようになる。
【0008】
また、取出情報を受け付けたとき、複数の棚の配置を取出情報に応じて模擬的に少なくとも1回変更している。このため、模擬的な配置が取出情報に応じて自動的に変更されるので、作業者の手を煩わすことなく棚の配置の変更のシミュレーションを行える。
【0009】
取出時点の前に、次の取出時点の取出情報を取出情報受付手段が受け付けると、配置変更手段は、取出時点及び次の取出時点の取出情報に対応するように棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更し、取出時間演算手段は、取出時点及び次の取出時点の2つの取出情報を加味して棚の配置の変更前及び変更後の物品の取出時間を演算し、変更時間演算手段は、2つの取出情報に対応した棚配置変更時間を演算し、要否判断手段は、演算された変更前及び変更後の取出時間と棚配置変更時間とにより複数の棚の配置の変更の要否を判断してもよい。
【0010】
この場合には、複数の取出時点を考慮して棚の変更の要否を判断できるので、物品を棚から移動させることなく複数の取出時点に応じたよりよい棚の配置を得ることができるようになる。
【0011】
配置情報記憶手段は、棚の位置情報及び識別情報を発信する情報発信部から送信された位置情報及び識別情報により配置情報を記憶するようにしてもよい。この場合には、複数の棚の実際の配置を得ることができるので、棚の配置情報の入力作業を行うことなく配置情報を得ることができる。
【0012】
この発明に係る物品取出管理プログラムは、移動可能な複数の棚に保管された物品の棚からの取出を管理するコンピュータで動作可能なプログラムである。物品取出管理プログラムは、配置情報受付機能と、保管情報受付機能と、取出情報受付機能と、配置変更機能と、取出時間演算機能と、変更時間演算機能と、要否判断機能と、を備えている。配置情報受付機能は、複数の棚の配置情報を受け付ける。保管情報受付機能は、各棚に保管された物品の保管情報を受け付ける。取出情報受付機能と、物品の複数の取出情報を受け付ける。配置変更機能は、取出情報を受け付けると、取出情報に対応するように棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更する。取出時間演算機能は、棚の配置の変更前及び変更後の物品の取出時間を演算する。変更時間演算機能は、棚の配置の変更に要する棚配置変更時間を演算する。要否判断機能は、変更前の取出時間と、変更後の取出時間及び棚配置変更時間と、により複数の棚の配置の変更の要否を判断する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、季節変動等の特定の要因により取出情報が変動しても、物品を棚から移動させることなく取出時点に応じたよりよい棚の配置を得ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
1.棚のレイアウト
図1において、配送センタの倉庫の保管エリア10内には、移動可能な手段が設けられた複数(たとえば20)の棚12が配置されている。保管エリア10内には、物品を取り出す作業者が配置される管理エリア14が設けられている。管理エリア14には、本発明の一実施形態による物品取出管理装置20が設置されている。また、保管エリア10には、棚12を配置するための複数(たとえば4行8列の32)の棚配置場所を有する棚配置エリア18が設定されている。棚配置場所には、この実施形態では、たとえば、行番号と列番号とからなる位置情報(行番号−列番号)が付されている。それぞれの場所には、位置情報を示す文字が床面に表示されているとともに、位置情報を発信可能な位置情報発信手段(たとえば、ICタグ)が床面に埋め込まれている。
棚12の配置は、基本的には、入出庫の回数が多い物品を管理エリア14の近くの棚12に収納している。
【0015】
2.棚の構成
棚12は、図2に示すように、物品を収納可能な折りたたみ可能なコンテナ22を載置可能なものである。棚12は、天板12aと、底板12bと、天板12aと底板12bとの間に設けられた複数(たとえば3枚)の棚板12cと、を有している。棚12は、底板12b及び棚板12cにコンテナ22を載置可能である。作業者は、取出用のコンテナ(図示せず)を載置可能な台車を押しながら棚12のコンテナ22から物品を取り出し、取り出した物品を台車上の取出用のコンテナ内に後述する注文情報単位で入れる。
【0016】
底板12bの下面の四隅には、移動用のキャスタ23が設けられている。下面の中央前部には、各棚12の識別情報(たとえば、A−T)及びその位置情報(たとえば、(1−1)−(4−8))を、たとえば無線により発信可能な情報発信部24が設けられている。情報発信部24は、棚配置場所に設けられた位置情報発信手段からの位置情報を受信するとともに、受信した位置情報と、自身の識別情報と、を含む配置情報を物品取出管理装置20からの送信要求により発信する。なお、情報発信部24の前面には識別情報を示す文字が表示されている。
【0017】
3.物品取出管理装置の構成
物品取出管理装置20は、複数の棚12に保管された物品の棚12からの取出を管理する。物品取出管理装置20は、たとえば、パーソナルコンピュータを用いており、図3に示すように、たとえば、マイクロコンピュータを含む制御部30を備えている。制御部30には、キーボード32、マウス34、たとえば液晶ディスプレイからなる表示部36、たとえばハードディスクからなる記憶部(棚記憶部の一例)38、プリンタ40、位置・識別情報受信部42、及びLAN(Local Area Network)45に接続するためのLAN接続部44が接続されている。また、制御部30は、LAN接続部44及びLAN45を介して入出庫管理装置46と接続されている。
【0018】
入出庫管理装置46は、各棚12の物品の保管情報である入出庫情報を管理している。入出庫管理装置46は、外部ネットワークを介して顧客からの注文情報を受信する。入出庫情報には、各棚12の物品の識別情報と、その数量(在庫)と、その入庫日及び出庫日と、入出庫の数量と、が含まれる。また、顧客から物品の注文情報を受け付けると、それを取出情報として所定のタイミングで物品取出管理装置20に送信する。取出情報は、顧客の識別情報と、物品の識別情報と、その個数と、出荷日時情報と、を含んでいる。また、操作者の入力等により在庫が変動すると、入出庫情報を所定のタイミングで物品取出管理装置20に送信する。
【0019】
注文情報で受注した物品は、顧客毎に予め設定された時刻毎に出荷する。たとえば、ある顧客では、午前12時と午後6時とに注文された物品を出荷する。この場合、入出庫管理装置46は、出荷日時のたとえば1時間前(たとえば、午前11時及び午後5時)までに受信した注文情報の中からその出荷日時情報がある注文情報により取出情報を生成する。そして生成した取出情報を物品取出管理装置20に送信する。したがって、この実施形態では、出荷日時の1時間前を取出時点に設定している。
【0020】
制御部30は、取出管理プログラムにより動作する。制御部30は、機能構成として、図4に示すように、配置情報記憶手段50と、保管情報記憶手段51と、取出情報受付手段52と、配置変更手段53と、取出時間演算手段54と、変更時間演算手段55と、要否判断手段56と、を有している。配置情報記憶手段50は、複数の棚12の配置情報(位置情報及び識別情報)を記憶するものであり、取出情報を受け付けると位置・識別情報受信部42で受信した配置情報を記憶する。保管情報記憶手段51は、各棚12に保管された物品の保管情報を記憶する。具体的には、保管情報記憶手段51は、取出情報を受け付けると、LAN接続部44及びLAN45を介して入出庫管理装置46から送信された入出庫情報により保管情報を記憶する。これらの記憶手段50,51は、実際には記憶部38により構成される。取出情報受付手段52は、取出時点が異なる物品の取出情報を受け付ける。配置変更手段53は、取出情報を受け付けると、取出情報に対応するように棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更する。具体的には、取出情報で取り出す物品を管理エリア14の近くに移動させるとともに、ショートカットの経路を考慮して作業者が移動する動線の長さが可及的に短く、かつ棚12の移動距離が可及的に短くなるように変更する。
【0021】
取出時間演算手段54は、棚12の配置の変更前及び変更後の物品の取出時間ta,tbを演算する。変更時間演算手段55は、棚12の配置の変更に要する棚配置変更時間tcを演算する。要否判断手段56は、変更前の取出時間taと、変更後の取出時間tb及び棚配置変更時間tcと、により複数の棚の配置の変更の要否を判断する。具体的には、変更前の取出時間taが変更後の取出時間tbと棚配置変更時間tcを超えるとき、棚位置を変更する必要があると判断する。
【0022】
4.物品取出管理装置の動作例
次に、制御部30の具体的な動作について図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0023】
図5のステップS1では、取出情報を受け付けたか否かを判断する。取出情報は、この実施形態では、出荷日時の1時間前までに受注しかつ出荷日時が1時間後である注文情報を入出庫管理装置46が集約して送信する。ただし、入出庫管理装置46が、出荷日時が次の出荷タイミングである注文情報を受け付けた都度それを取出情報として出力するようにしてもよい。
【0024】
取出情報を受け付けると、ステップS1からステップS2に移行する。ステップS2では、位置・識別情報受信部42で受信した棚12の配置情報を取り込み、配置情報に応じて棚12の配置を図1に示すように表示する。ステップS3では、各棚12に保管された物品の保管情報を取り込む。保管情報は、入出庫管理装置46から取り込む。ステップS4では、取り込んだ保管情報及び配置情報を記憶部38に記憶する。
【0025】
ステップS5では、取出情報に応じて棚位置を模擬的に変更する。たとえば、図1に黒丸で示す棚12(C棚,D棚,F棚,T棚)にある物品を取出情報が示している場合、図1に示した配置を図6に示した配置に変更する。具体的には、C,D,I,J棚と、O,P,S,T棚を1つだけ配置場所を模擬的にずらして表示部36に表示する。
【0026】
ステップS6では、変更前及び変更後の取出時間を算出する。取出時間ta,tbの算出では、変更前の図7及び変更後の図8に細線で示す物品取出のための動線ML1,ML2を決定する。動線ML1,ML2は、管理エリア14から物品を取り出すための棚12を回って管理エリア14に戻るまでの経路である。そして、動線ML1,ML2の長さを作業者の歩行速度で除算した時間と、棚12の前に作業者が停止して物品を取り出す時間と、により変更前後の取出時間ta,tbを演算する。
【0027】
なお、このステップS6では、経路を複数の作業者がすれ違うことができるか、作業者の通過順序、棚間をショートカットして通ることができるか等を考慮して動線を決定している。
【0028】
ステップS7では、棚配置変更時間tcを演算する。棚配置変更時間tcは、作業者が棚12を移動させる距離により算出する。この場合、8つの棚12を作業者が移動させるが、2つの棚を同時に移動させることが可能である。したがって、4つの棚の移動距離を作業者の作業速度で除算して棚配置変更時間tcを演算する。
【0029】
なお、このステップS7では、一人の作業者の棚移動にかかる延べ時間の他に、複数の作業者が一斉移動した場合の必要時間を演算しても良い。
【0030】
ステップS8では、棚12の配置を変更する必要があるか否かを判断する。この判断は、前述したように、配置変更前の取出時間taが配置変更後の取出時間tbと棚配置変更時間tcとの和を超えている(ta>tb+tc)か否かにより判断する。変更前の取出時間taが変更後の取出時間tb+棚配置変更時間tcを超えていないと判断すると、ステップS8からステップS9に移行する。ステップS9では、図7に示す変更前の棚位置及び動線ML1を表示部36に表示するとともに変更不要の旨の表示を表示部36に表示する。ステップS10では、変更前の図7に示す棚12の配置と取出作業の動線ML2が描かれた図面と取出情報とをプリンタ40から出力する。作業者は、台車上に物品取出用のコンテナを注文情報単位で載置し、出力された図面の動線ML1に沿って移動する。そして、取出情報により物品の取り出しを行い、注文情報に応じた個別のコンテナに物品を入れる。
【0031】
変更前の取出時間taが変更後の取出時間tb+棚配置変更時間tcを超えていると判断すると、ステップS8からステップS11に移行する。ステップS11では、変更後の図8に示す棚12の配置と取出作業の動線ML2が描かれた図面と取出情報とをプリンタ40から出力する。作業者は、台車上に物品取出用のコンテナを注文情報単位で載置し、出力された図面により棚12の配置を変更する。そして、出力された図面の動線ML1に沿って移動する。そして、取出情報にしたがって物品の取り出しを行い、注文情報に応じた個別のコンテナに物品を入れる。
【0032】
5.特徴
(1)
物品保管用の棚12を移動可能とし、取出情報に合わせて棚12の配置を変更した場合と変更しない場合とで、それぞれの取出時間ta,tbと棚配置変更時間tcを加味して棚12の配置の変更の要否を判断している。このため、季節変動等の特定の要因により取出情報が変動しても、物品を棚から移動させることなく取出時点毎によりよい棚の配置を得ることができるようになる。
【0033】
(2)
取出情報を受け付けたとき、複数の棚12の配置を取出情報に応じて模擬的に少なくとも1回変更している。このため、模擬的な配置が取出情報に応じて自動的に変更されるので、作業者の手を煩わすことなく棚の配置の変更のシミュレーションを行える。
【0034】
(3)
情報発信部24から送信される配置情報を受信する位置・識別情報受信部42を設けたので、複数の棚12の実際の配置を得ることができる。このため、棚の配置情報の入力作業を行うことなく配置情報を得ることができる。
【0035】
6.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0036】
(1)
前記実施形態では、出荷日時の1時間前までの注文情報の中から同じ出荷日時情報の注文情報を集約した取出情報により取出時間及び棚配置変更時間を演算したが、本発明はこれに限定されない。
【0037】
次の出荷日時の取出情報が前の出荷日時の取出時点より前に確定している場合、たとえば、午後6時の出荷日時の物品の取出情報が午前12時より1時間前の取出時点の前に確定している場合には、次の出荷日時の取出情報と前の出荷日時の取出情報を加味して取出時間ta,tb及び棚配置変更時間tcを演算してもよい。さらにその次の出荷日時の取出情報が前の出荷日時の取出時点より前に確定している場合は、その取出情報も加味して取出時間ta,tb及び棚配置変更時間tcを演算してもよい。
【0038】
この演算結果により前記実施形態と同様に棚配置の変更の要否を判断すればよい。
この場合、それぞれの出荷日時毎の取出情報により棚位置を変更して各時間ta,tb,tcを演算してもよいし、確定した取出情報を合計した取出情報により棚位置を変更して各時間ta,tb,tcを演算してもよい。
【0039】
この場合には、複数の取出時点を考慮して棚の配置の変更の要否を判断できるので、物品を棚12から移動させることなく複数の取出時点に応じたよりよい棚の配置を得ることができるようになる。
【0040】
(2)
前記実施形態では、取出時点を出荷日時の1時間前に設定したが、本発明はこれに限定されない。取出時点は物品の種類や大きさにより出庫日時より前の適宜の時点に設定すればよい。
【0041】
(3)
図6に示した棚の配置の変更例は一例であり、変更例は図6に限定されず、所定のアルゴリズムにより適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、取出情報に応じて物品を出庫する物品取出管理装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態が採用される倉庫の棚レイアウトを示す平面模式図。
【図2】その棚の斜視図。
【図3】本発明の一実施形態による物品取出管理装置の構成を示すブロック図。
【図4】その制御部の機能構成を示すブロック図。
【図5】制御部の動作を示すフローチャート。
【図6】棚の配置を変更した場合の変更例の一例を示す図1に相当する図。
【図7】動線を追加した図1に相当する図。
【図8】動線を追加した図6に相当する図。
【符号の説明】
【0044】
12 棚
20 物品取出管理装置
50 配置情報記憶手段
51 保管情報記憶手段
52 取出情報受付手段
53 配置変更手段
54 取出時間演算手段
55 変更時間演算手段
56 要否判断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な複数の棚に保管された物品の前記棚からの取出を管理する物品取出管理装置であって、
前記複数の棚の配置情報を記憶する配置情報記憶手段と、
前記各棚に保管された物品の保管情報を記憶する保管情報記憶手段と、
前記物品の複数の取出情報を受け付ける取出情報受付手段と、
前記取出情報を受け付けると、前記取出情報に対応するように前記棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更する配置変更手段と、
前記棚の配置の変更前及び変更後の前記物品の取出時間を演算する取出時間演算手段と、
前記棚の配置の変更に要する棚配置変更時間を演算する変更時間演算手段と、
前記変更前の前記取出時間と、変更後の前記取出時間及び前記棚配置変更時間と、により前記複数の棚の配置の変更の要否を判断する要否判断手段と、
を備えた物品取出管理装置。
【請求項2】
前記取出時点の前に、取出時点が異なる次の取出時点の取出情報を前記取出情報受付手段が受け付けると、
前記配置変更手段は、前記取出時点及び前記次の取出時点の2つの取出情報に対応するように前記棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更し、
前記取出時間演算手段は、前記取出時点及び前記次の取出時点の2つの取出情報を加味して変更前及び変更後の前記物品の取出時間を演算し、
前記変更時間演算手段は、前記2つの取出情報に対応した前記棚配置変更時間を演算し、
前記要否判断手段は、演算された変更前及び変更後の前記取出時間と前記棚配置変更時間とにより前記複数の棚の配置の変更の要否を判断する、請求項1に記載の物品取出管理装置。
【請求項3】
前記配置情報記憶手段は、前記棚の位置情報及び識別情報を発信する情報発信部から送信された前記位置情報及び前記識別情報により前記配置情報を記憶する、請求項1又は2に記載の物品取出管理装置。
【請求項4】
移動可能な複数の棚に保管された物品の前記棚からの取出を管理するコンピュータで動作可能な物品取出管理プログラムであって、
前記複数の棚の配置情報を受け付ける配置情報受付機能と、
前記各棚に保管された物品の保管情報を受け付ける保管情報受付機能と、
前記物品の複数の取出情報を受け付ける取出情報受付機能と、
前記取出情報を受け付けると、前記取出情報に対応するように前記棚の配置を少なくとも1回模擬的に変更する配置変更機能と、
前記棚の配置の変更前及び変更後の前記物品の取出時間を演算する取出時間演算機能と、
前記棚の配置の変更に要する棚配置変更時間を演算する変更時間演算機能と、
前記変更前の前記取出時間と、変更後の前記取出時間及び前記棚配置変更時間と、により前記複数の棚の配置の変更の要否を判断する要否判断機能と、
を備えた物品取出管理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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