説明

物品取出管理装置

【課題】ピッキングの作業効率を向上させることができる物品取出管理装置を提供する。
【解決手段】物品取出管理装置100であって、品種ごとの物品の容積を記憶している記憶部110と、取り出される予定の物品の品種及び数量が示される取出情報を取得する取得部120と、品種ごとの物品の容積から、取出情報で示される品種を容積の大きい順に並び替える並替部130と、並び替え結果に従って、容積の大きい品種の物品から順に容積を積算する積算部140と、積算後の容積が取出可能容積を超えるか否かを判断する判断部150と、当該積算後の容積が取出可能容積を超えていると判断された場合に、積算部140が積算した物品を積算部140が積算した順に取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する取出順序決定部160と、取出物品と取出順序とを示す情報を出力する出力部180とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の品種の物品の中から、取り出す物品と当該物品を取り出す順序とを決定する物品取出管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配送センタなどで物品を保管して配送する作業を行う際には、棚に保管された複数の物品の中から、予め定められたオーダに基づいて、必要な物品を取り出し、カートに収納する。このような作業においては、効率よく必要な物品を棚から取り出してカートに収納するという、ピッキングの作業効率を向上させることが求められている。
【0003】
このため、従来、棚の配置を模擬的に変更して、物品を棚から取り出す効率を上げることが可能かを確認する物品取出管理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、季節変動等の要因により取り出す物品が変動しても、物品を棚から移動させることなく取り出し時点に応じたよりよい棚の配置を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−100386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の物品取出管理装置では、ピッキングの作業効率を向上させることができない場合があるという問題がある。
【0006】
つまり、従来の物品取出管理装置では、物品を取り出してカートに収納する際に、効率よく物品を取り出すことはできるが、当該物品を効率よくカートに収納するものではない。そして、物品を効率よくカートに収納できなければ、効率よく物品を取り出したとしても、全体のピッキングの作業効率を向上させることはできない。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ピッキングの作業効率を向上させることができる物品取出管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る物品取出管理装置は、複数の品種の物品の中から、取り出す物品である取出物品と当該取出物品を取り出す順序である取出順序とを決定する物品取出管理装置であって、品種ごとの物品の容積を記憶している記憶部と、取り出される予定の物品の品種及び数量が示される取出情報を取得する取得部と、前記記憶部が記憶している品種ごとの物品の容積から、前記取出情報で示される品種を容積の大きい順に並び替える並替部と、前記並替部が並び替えた結果に従って、容積の大きい品種の物品から順に容積を積算する積算部と、前記積算部による積算後の容積が、物品を取り出すことができる総容積である取出可能容積を超えるか否かを判断する判断部と、前記積算部による積算後の容積が前記取出可能容積を超えていると判断された場合に、前記積算部が積算した物品を前記積算部が積算した順に取り出すように、前記取出物品と前記取出順序とを決定する取出順序決定部と、決定された前記取出物品と前記取出順序とを示す情報を出力する出力部とを備える。
【0009】
これによれば、積算後の容積が取出可能容積を超えていると判断されるまで、容積の大きい品種の物品から順に容積を積算し、当該容積を積算した物品を積算順に取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する。ここで、容積の大きい物品を収納するには大きい収納スペースが必要になるため、容積の小さい物品から先にカートに収納していくと、当該大きい収納スペースを確保するために、カートへの収納作業が煩雑になる。このため、容積の大きい物品から順に収納することにより、カートへの収納作業が容易になるので、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【0010】
また、好ましくは、前記積算部は、積算後の値である第一積算値に第一容積を加算した値が前記取出可能容積を超えると判断された場合、前記取出情報で示される品種の容積の中で前記第一容積の次に大きい容積である第二容積を前記第一積算値に加算して第二積算値を算出し、前記取出順序決定部は、前記第二積算値が前記取出可能容積を超えないと判断された場合、前記第一容積の品種の物品の次に前記第二容積の品種の物品を取り出すように、前記取出物品と前記取出順序とを決定する。
【0011】
これによれば、第一容積を加算した値が取出可能容積を超えると判断された場合で、第一容積の次に大きい第二容積を加算した値が取出可能容積を超えないと判断された場合には、第一容積の品種の物品の次に第二容積の品種の物品を取り出すように、取出物品と前記取出順序とを決定する。つまり、第一容積の品種の物品がカートに収納できなくなれば、次に容積の大きい第二容積の品種の物品をカートに収納する。これにより、取出可能容積(カートの収納能力)に余裕があるのに、物品を収納できなくなるということを防ぐことができ、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【0012】
また、好ましくは、さらに、前記記憶部が記憶している品種ごとの物品の容積から、容積の大きさの順に品種ごとの物品が配列されるように、品種ごとに物品の保管位置を決定する保管位置決定部を備え、前記出力部は、決定された物品の保管位置を示す情報を出力する。
【0013】
これによれば、容積の大きさの順に品種ごとの物品が配列されるように、品種ごとに物品の保管位置を決定する。つまり、棚に保管されている物品が容積の大きさの順に並んでいるので、容積が大きい物品から順に取り出す際に、棚まで物品を取りに行く作業動線を短くすることができる。このため、効率よく物品を取り出すことができるので、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る物品取出管理装置によれば、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における物品取出管理装置を備えるピッキングシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における物品取出管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における容積データの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における物品取出管理装置が取出物品と取出順序とを決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における取得部が取得する取出情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における並替部が並び替えた後のデータの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における出力部が出力する取出順序情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における物品取出管理装置が物品の保管位置を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における出力部が出力する保管位置情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における物品取出管理装置100を備えるピッキングシステム10の構成を示す図である。
【0018】
同図に示すように、ピッキングシステム10は、物品取出管理装置100の指示に従って、棚200に保管された複数の品種の物品の中から、必要な品種の物品を必要数量取り出し、カート300に収納するシステムである。
【0019】
ここで、物品取出管理装置100は、複数の品種の物品の中から、取り出す物品である取出物品と当該取出物品を取り出す順序である取出順序とを決定する装置である。
【0020】
そして、物品取出管理装置100が決定した取出物品と取出順序とに従って、棚200に保管された物品を取り出してカート300に収納するピッキング作業が行われる。なお、このピッキング作業は、作業者によって行われてもよいし、自動で行われてもよい。
【0021】
また、このピッキング作業は、出荷先ごとに注文された品種と数量の物品をピッキングするオーダピッキング方式、または、複数の出荷先の注文を品種ごとに合計して、品種ごとに合計された数量の物品をピッキングするトータルピッキング方式によって行われる。
【0022】
次に、物品取出管理装置100の詳細な構成について、説明する。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態における物品取出管理装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
同図に示すように、物品取出管理装置100は、記憶部110、取得部120、並替部130、積算部140、判断部150、取出順序決定部160、保管位置決定部170及び出力部180を備えている。
【0025】
記憶部110は、品種ごとの物品の容積を記憶しているメモリである。ここで、記憶部110は、品種ごとの物品の容積を示す容積データ111を記憶している。この容積データ111の詳細については、後述する。
【0026】
取得部120は、取り出される予定の物品の品種及び数量が示される取出情報を取得する。例えば、取得部120は、作業者からの入力により、取出情報を取得したり、外部のコンピュータから自動で取出情報を取得したりする。なお、この取出情報の詳細については、後述する。
【0027】
並替部130は、記憶部110が記憶している品種ごとの物品の容積から、取出情報で示される品種を容積の大きい順に並び替える。つまり、並替部130は、記憶部110に記憶されている容積データ111を参照して、当該品種を並び替える。
【0028】
積算部140は、並替部130が並び替えた結果に従って、容積の大きい品種の物品から順に容積を積算する。
【0029】
判断部150は、積算部140による積算後の容積が、物品を取り出すことができる総容積である取出可能容積を超えるか否かを判断する。この取出可能容積は、例えば、記憶部110に記憶された情報であり、判断部150は、記憶部110から取出可能容積を取得して、当該判断を行う。
【0030】
ここで、取出可能容積は、棚200から物品を取り出すことができる総容積であり、ここでは、カート300の収納可能量である。なお、取出可能容積は、カート300の収納可能量に限定されず、例えば作業者によって定められた任意の数値であってもよい。
【0031】
取出順序決定部160は、判断部150が積算部140による積算後の容積が取出可能容積を超えていると判断した場合に、積算部140が積算した物品を積算部140が積算した順に取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する。
【0032】
ここで、取出物品とは、棚200に載置されている複数の品種の物品の中から、カート300に移載するために取り出す物品である。また、取出順序とは、当該取出物品を棚200から取り出す順序である。つまり、当該取出物品は、この取出順序に従って、カート300に移載される。
【0033】
保管位置決定部170は、記憶部110が記憶している品種ごとの物品の容積から、容積の大きさの順に品種ごとの物品が配列されるように、品種ごとに物品の保管位置を決定する。つまり、保管位置決定部170は、記憶部110に記憶されている容積データ111を参照して、物品の保管位置を決定する。
【0034】
出力部180は、取出順序決定部160が決定した取出物品と取出順序とを示す情報である取出順序情報を出力する。また、出力部180は、保管位置決定部170が決定した物品の保管位置を示す情報である保管位置情報を出力する。同図では、この取出順序決定部160が出力する取出順序情報及び保管位置情報を、出力情報として示している。なお、この取出順序情報及び保管位置情報の詳細については、後述する。
【0035】
また、物品取出管理装置100は、物品取出管理装置100と作業者とが対話するためのキーボードやマウス等の入力部、及びCRT(Cathode−Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部を、さらに備えていてもよい。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態における容積データ111の一例を示す図である。
【0037】
同図に示すように、容積データ111は、品種及び容積から構成されたデータの集まりである。ここで、品種は、物品の品種であり、例えば、「洗剤」や「ティッシュペーパー」などの品種である。また、容積は、当該品種ごとの容積であり、例えば、品種が洗剤であれば、洗剤が梱包された箱の容積が表示される。
【0038】
なお、同図では、簡略的に、例えば品種が「P1」の物品の容積は「V1」であることを示している。
【0039】
この容積データ111は、作業者によって予め記憶部110に記憶されていてもよいし、ピッキング作業の過程で作業者によって入力され更新されてもよい。
【0040】
次に、物品取出管理装置100が取出物品と取出順序とを決定する処理について、詳細に説明する。
【0041】
図4は、本発明の実施の形態における物品取出管理装置100が取出物品と取出順序とを決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
なお、前提として、記憶部110に、品種ごとの物品の容積を示す容積データ111が記憶されていることとする。
【0043】
まず、同図に示すように、取得部120は、取出情報を取得する(S102)。そして、例えば、取得部120は、取得した取出情報を、記憶部110に記憶させる。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態における取得部120が取得する取出情報の一例を示す図である。
【0045】
同図に示すように、取出情報は、棚200から取り出される予定の物品の品種及び数量が示される情報の集まりであり、品種及び数量から構成されている。例えば、オーダピッキング方式の場合、取出情報は、出荷先ごとに注文された物品の品種と数量であり、トータルピッキング方式の場合、取出情報は、複数の出荷先の注文を品種ごとに合計した場合の物品の品種と数量である。
【0046】
ここで、品種は、棚200から取り出される物品の品種であり、例えば、「洗剤」や「ティッシュペーパー」などの品種である。また、数量は、棚200から取り出される当該品種ごとの物品の数量であり、例えば、品種が洗剤であれば、棚200から取り出される洗剤が梱包された箱の数量が表示される。
【0047】
なお、同図では、簡略的に、例えば品種が「P2」の物品の数量は「N2」であることを示している。
【0048】
図4に戻り、次に、並替部130は、記憶部110に記憶されている容積データ111を参照して、取出情報で示される品種を容積の大きい順に並び替える(S104)。
【0049】
つまり、取出情報が記憶部110に記憶されている場合、並替部130は、記憶部110から容積データ111と取出情報とを読み出して、当該並び替えを行い、並び替えた後のデータを例えば記憶部110に記憶させる。
【0050】
図6は、本発明の実施の形態における並替部130が並び替えた後のデータの一例を示す図である。
【0051】
同図では、品種「P5」が最大容積「V5」の品種であり、次いで品種「P2」、品種「P7」の順に容積が小さくなっていくことを示している。このようにして、並替部130は、取出情報で示される品種を容積の大きい順に並び替える。
【0052】
図4に戻り、次に、取出情報で示される全ての物品に対して、以下の処理が繰り返し行われる(ループ1:S106〜S124)。
【0053】
まず、積算部140は、並替部130が並び替えた結果に従って、容積の大きい品種の物品から順に容積を積算する。
【0054】
具体的には、積算部140は、まず、取出順序が決定されていない物品のうち、最大容積の品種を取得する(S108)。
【0055】
つまり、並替部130が並び替えた後のデータが記憶部110に記憶されている場合、積算部140は、記憶部110から当該並び替えた後のデータを読み出して、最大容積の品種を取得する。例えば、初期状態では、取出順序が決定された物品は無いので、取出情報で示される全ての物品の中から、最大容積の品種として、図6に示された容積「V5」の品種「P5」を取得する。
【0056】
そして、積算部140は、当該最大容積の品種の物品の容積を加算する(S110)。具体的には、積算部140は、当該最大容積の品種「P5」の物品の容積「V5」を加算する。つまり、積算部140は、初期値を0として、0+V5=V5と加算する。
【0057】
次に、判断部150は、積算部140による積算後の容積が、物品を取り出すことができる総容積である取出可能容積を超えるか否かを判断する(S112)。
【0058】
判断部150は、当該積算後の容積が取出可能容積を超えていないと判断した場合(S112でNO)、積算対象の品種の物品が全て積算されたか否かを判断する(S114)。
【0059】
そして、判断部150が、積算対象の品種の物品についてまだ物品が全て積算されていないと判断した場合(S114でNO)、積算部140は、当該積算対象の品種の物品の容積を加算する(S110)。つまり、積算部140は、前回の積算値V5にさらにV5を加算する。
【0060】
また、判断部150は、積算後の容積が取出可能容積を超えていると判断した場合(S112でYES)、または、積算対象の品種の物品が全て積算されたと判断した場合(S114でYES)は、積算対象の品種が最小容積の品種か否かを判断する(S116)。
【0061】
積算対象の品種が図6に示された品種「P5」であれば、当該品種は最小容積の品種ではないので、判断部150は、積算対象の品種が最小容積の品種でないと判断し(S116でNO)、積算部140は、次に大きい容積の品種を取得する(S118)。具体的には、積算部140は、図6に示された品種「P2」を取得する。
【0062】
そして、積算部140は、当該品種の物品の容積を加算する(S110)。具体的には、積算部140は、品種「P2」の物品の容積「V2」を加算する。つまり、積算後の容積が取出可能容積を超える前までの積算後の値を第一積算値とした場合、積算部140は、第一積算値に容積「V2」を加算して、積算後の値である第二積算値を算出する。
【0063】
そして、容積「V2」の品種「P2」の物品について、以降の処理(S112〜S118)が繰り返し行われる。
【0064】
また、判断部150が、積算対象の品種が最小容積の品種であると判断した場合(S116でYES)、取出順序決定部160は、積算部140が積算した物品を積算部140が積算した順に取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する(S120)。
【0065】
例えば、積算部140が、品種「P5」の物品について数量「N5a」の量を積算し、また品種「P2」の物品について数量「N2a」の量を積算した場合、取出順序決定部160は、品種「P5」、品種「P2」の順に、それぞれ数量「N5a」、「N2a」の物品を取り出すとして、取出物品と取出順序とを決定する。
【0066】
このように、積算部140は、積算後の値である第一積算値に第一容積を加算した値が取出可能容積を超えると判断された場合、取出情報で示される品種の容積の中で第一容積の次に大きい容積である第二容積を第一積算値に加算して第二積算値を算出する。
【0067】
そして、取出順序決定部160は、第二積算値が取出可能容積を超えないと判断された場合、第一容積の品種の物品の次に第二容積の品種の物品を取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する。なお、第二積算値が取出可能容積を超えると判断された場合は、取出順序決定部160は、第二容積の品種の物品の次に大きい容積の品種の物品を取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する。
【0068】
次に、出力部180は、取出順序決定部160が決定した取出物品と取出順序とを示す取出順序情報を出力する。
【0069】
図7は、本発明の実施の形態における出力部180が出力する取出順序情報の一例を示す図である。
【0070】
同図に示すように、取出順序情報は、棚200から取り出される物品の取出順序、品種及び数量が示される情報の集まりである。つまり、取出順序情報は、ピッキング作業において、棚200から取り出されてカート300に収納されるピッキング対象の物品の取出順序を示す情報である。
【0071】
同図では、品種が「P5」の物品が数量「N5a」取り出された後に、品種が「P2」の物品が数量「N2a」取り出され、次いで品種が「P7」の物品が数量「N7a」取り出されることを示している。
【0072】
つまり、取出順序決定部160は、図7に示されたように物品を取り出すように、取出物品と取出順序とを決定し、出力部180は、当該取出物品と取出順序とを示す取出順序情報を出力する。
【0073】
そして、引き続き、積算部140が、取出順序が決定されていない物品のうち、最大容積の品種を取得して(S108)、以降の処理(S110〜S122)を行う(ループ1:S106〜S124)。
【0074】
例えば、図7に示した取出順序情報が出力された場合であって、品種「P5」の物品の数量「N5a」が「N5」よりも小さい場合は、品種「P5」の物品のうち取出順序が決定されていない物品が残っているので、積算部140は、品種「P5」を取得する。また、品種「P5」の物品の数量「N5a」が「N5」と等しければ、品種「P5」の物品の全ての取出順序が決定されたので、積算部140は、次に大きい品種「P2」を取得する。
【0075】
そして、取出情報内の全物品について取出順序が決定されれば、処理を終了する(ループ1:S106〜S124)。
【0076】
以上により、物品取出管理装置100が取出物品と取出順序とを決定する処理は、終了する。なお、取出情報が複数存在すれば、全ての取出情報について、上記の処理が繰り返し行われる。
【0077】
次に、物品取出管理装置100が物品の保管位置を決定する処理について、詳細に説明する。
【0078】
図8は、本発明の実施の形態における物品取出管理装置100が物品の保管位置を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
なお、前提として、記憶部110に、品種ごとの物品の容積を示す容積データ111が記憶されていることとする。
【0080】
まず、同図に示すように、保管位置決定部170は、記憶部110に記憶されている容積データ111を参照して、容積の大きさの順に品種ごとの物品が配列されるように、品種ごとに物品の保管位置を決定する(S202)。
【0081】
また、出力部180は、保管位置決定部170が決定した物品の保管位置を示す保管位置情報を出力する(S204)。
【0082】
図9は、本発明の実施の形態における出力部180が出力する保管位置情報の一例を示す図である。
【0083】
同図に示すように、保管位置情報は、棚200に収納される物品の保管位置と、当該保管位置に対応した物品の品種とが示される情報の集まりである。
【0084】
同図では、棚200の保管位置「T1」の場所に品種が「P5」の物品が収納され、保管位置「T2」の場所に品種が「P2」の物品が収納され、保管位置「T3」の場所に品種が「P7」の物品が収納されることを示している。
【0085】
ここで、品種「P5」は最大容積の品種であり、品種が「P2」、「P7」の順に容積が小さくなる。また、物品の保管位置は、保管位置「T1」、「T2」、「T3」の順に並んでいる。つまり、容積の大きさの順に品種ごとの物品が配列される。
【0086】
このように、保管位置決定部170は、図9に示されたように品種ごとに物品の保管位置を決定し、出力部180は、当該保管位置を示す保管位置情報を出力する。
【0087】
以上により、物品取出管理装置100が物品の保管位置を決定する処理は、終了する。
【0088】
以上のように本発明に係る物品取出管理装置100によれば、積算後の容積が取出可能容積を超えていると判断されるまで、容積の大きい品種の物品から順に容積を積算し、当該容積を積算した物品を積算順に取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する。ここで、容積の大きい物品を収納するには大きい収納スペースが必要になるため、容積の小さい物品から先にカート300に収納していくと、当該大きい収納スペースを確保するために、カート300への収納作業が煩雑になる。このため、容積の大きい物品から順に収納することにより、カート300への収納作業が容易になるので、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【0089】
また、第一容積を加算した値が取出可能容積を超えると判断された場合で、第一容積の次に大きい第二容積を加算した値が取出可能容積を超えないと判断された場合には、第一容積の品種の物品の次に第二容積の品種の物品を取り出すように、取出物品と取出順序とを決定する。つまり、第一容積の品種の物品がカート300に収納できなくなれば、次に容積の大きい第二容積の品種の物品をカート300に収納する。これにより、取出可能容積(カート300の収納能力)に余裕があるのに、物品を収納できなくなるということを防ぐことができ、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【0090】
また、容積の大きさの順に品種ごとの物品が配列されるように、品種ごとに物品の保管位置を決定する。つまり、棚200に保管されている物品が容積の大きさの順に並んでいるので、容積が大きい物品から順に取り出す際に、棚200まで物品を取りに行く作業動線を短くすることができる。このため、効率よく物品を取り出すことができるので、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【0091】
以上、本発明に係る物品取出管理装置100について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0092】
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0093】
例えば、上記実施の形態では、例えば3個の同一品種の物品が出荷予定であった場合で、3個分の物品の容積を積算した値が取出可能容積を超えている場合でも、2個分の物品の容積を積算した値が取出可能容積を超えていない場合には、2個の物品を取り出すように、取出物品と取出順序とを決定することとした。しかし、上記の場合であって、当該3個の物品をまとめて出荷するように予定されている場合は、当該2個の物品は取り出すことなく、次に大きい容積の品種の物品を取り出すように、取出物品と取出順序とを決定することにしてもよい。これにより、同一品種の物品を複数個まとめてカートに収納するようなオーダに対応することができる。なお、この場合は、上記実施の形態において、当該3個の物品の容積の合計を第一容積として、取出物品と取出順序とを決定することにすれば、当該物品を3個単位でカートに収納することができる。
【0094】
また、本発明は、このような物品取出管理装置として実現することができるだけではなく、物品取出管理装置に含まれる特徴的な処理をステップとする物品取出管理方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、ピッキングの作業効率を向上させることができる物品取出管理装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0096】
10 ピッキングシステム
100 物品取出管理装置
110 記憶部
111 容積データ
120 取得部
130 並替部
140 積算部
150 判断部
160 取出順序決定部
170 保管位置決定部
180 出力部
200 棚
300 カート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の品種の物品の中から、取り出す物品である取出物品と当該取出物品を取り出す順序である取出順序とを決定する物品取出管理装置であって、
品種ごとの物品の容積を記憶している記憶部と、
取り出される予定の物品の品種及び数量が示される取出情報を取得する取得部と、
前記記憶部が記憶している品種ごとの物品の容積から、前記取出情報で示される品種を容積の大きい順に並び替える並替部と、
前記並替部が並び替えた結果に従って、容積の大きい品種の物品から順に容積を積算する積算部と、
前記積算部による積算後の容積が、物品を取り出すことができる総容積である取出可能容積を超えるか否かを判断する判断部と、
前記積算部による積算後の容積が前記取出可能容積を超えていると判断された場合に、前記積算部が積算した物品を前記積算部が積算した順に取り出すように、前記取出物品と前記取出順序とを決定する取出順序決定部と、
決定された前記取出物品と前記取出順序とを示す情報を出力する出力部と
を備える物品取出管理装置。
【請求項2】
前記積算部は、積算後の値である第一積算値に第一容積を加算した値が前記取出可能容積を超えると判断された場合、前記取出情報で示される品種の容積の中で前記第一容積の次に大きい容積である第二容積を前記第一積算値に加算して第二積算値を算出し、
前記取出順序決定部は、前記第二積算値が前記取出可能容積を超えないと判断された場合、前記第一容積の品種の物品の次に前記第二容積の品種の物品を取り出すように、前記取出物品と前記取出順序とを決定する
請求項1に記載の物品取出管理装置。
【請求項3】
さらに、
前記記憶部が記憶している品種ごとの物品の容積から、容積の大きさの順に品種ごとの物品が配列されるように、品種ごとに物品の保管位置を決定する保管位置決定部を備え、
前記出力部は、決定された物品の保管位置を示す情報を出力する
請求項1または2に記載の物品取出管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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