説明

物品搬送装置

【課題】コンベヤにおける各仕切り部材の間に搬入された物品が跳ね返って収容区画外に飛び出してしまうことがなく、物品を各仕切り部材の間に確実に収容して搬送し得る物品搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送コンベヤ1の歯付ベルト10に設けた仕切り部材11は、先端部において搬送方向前方に向けて張り出す第1案内部11bを備えており、収容区画へ搬入された物品Wの前端が、各仕切り部材11間の収容区画の底部16に到るまでに、仕切り部材11を前進移動して第1案内部11bで物品Wの重心Wpより後方を歯付ベルト10の走行方向前方へ押して物品Wの前方を仕切り部材11の移動方向後方に向けて傾動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端索条体に設けた複数の仕切り部材の間に物品を受け入れて搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の物品搬送装置として、例えば、特許文献1は、物品の前後を区画する仕切り部材を備えた物品保持部材を備え、物品保持部材がコンベヤの下方から上方へ旋回する途中で、仕切り部材の前後に順次物品を受け入れて排出位置まで搬送し、包装機などの処理機に向けて供給するために、前記排出位置において複数個ずつの物品を一括して排出する物品搬送装置において、仕切り部材に受け入れた物品を排出位置に向けて搬送する際に仕切り部材から物品が飛び出すのを防止することを目的としている。
【0003】
この引用文献1に開示の物品搬送装置では、物品保持部材が受け入れ位置で各仕切り部材間の保持空間に搬入コンベヤから物品を受け入れる期間中は、各仕切り部材が下方から上方へ旋回する途中のほぼ水平状態になったときに、各仕切り部材の間に搬入コンベヤからの物品を受け入れ、所定数の物品の最後の物品が保持空間に搬入されたときに、ほぼ水平状態で物品を受け入れた仕切り部材が斜め上向きの姿勢になるまで低速移動して一旦停止した後に、所定の搬送速度で下流側に移動するように、搬送手段を駆動している。
このように、ほぼ水平状態で最後の物品を受け入れた仕切り部材が、所定の傾斜姿勢になった後に、物品保持部材は物品の受け入れ期間中の速度より、高速で移動させることで、高速搬送時においても、搬送装置の旋回時に物品に作用する遠心力に対抗する物品に作用する重力の反遠心力方向の成分によって、物品保持部材からの物品の飛び出しを防止できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−91160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、搬送手段の搬送速度が、例えば、500個/分以上の極めて高速での搬送処理を要求する場合において、物品が搬送手段の各仕切り部材間に搬入された際に、物品が仕切り部材間の物品支持底部に衝突して、搬入方向に跳ね返って、各仕切り部材間に受け入れた物品が、受入れ空間から飛び出し、排出位置まで良好に搬送し得ないという問題があった。このような問題点に対する有効な解決策は、従来、提案されていない。
【0006】
そこで本発明は、前記従来技術に内在した問題に鑑み、コンベヤにおける各仕切り部材の間に搬入された物品が跳ね返って収容区画外に飛び出してしまうことがなく、物品を各仕切り部材の間に確実に収容して搬送し得る物品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係る物品搬送装置によれば、上下方向に巻き掛け案内される無端索条体10の走行方向に向けて所定間隔ごとに配設した各仕切り部材11を間欠的に前進移動し、受入位置P1で各仕切り部材11間の収容区画に順次受け入れた物品Wを、排出位置P2まで移動して各収容区画から取り出す搬送コンベヤ1を設け、仕切り部材11は、その先端部において搬送方向前方に向けて張り出す第1案内部11bを備え、収容区画へ搬入された物品Wの前端が、該収容区画の底部16に到るまでに仕切り部材11を前進移動して第1案内部11bで物品Wの重心Wpより後方を無端索条体10の走行方向前方へ向けて押して物品Wの前方を仕切り部材11の移動方向後方に向けて傾動させるようにした。
【0008】
このように、物品Wの前端が、該収容区画の底部16に到る前に、仕切り部材11を前進して物品Wの重心Wpより後方を押して物品Wの前方を傾動させるので、収容区画へ搬入される物品Wの搬入方向に向けて前進する運動エネルギーが吸収され、物品前端が収容区画の底部16に衝突して跳ね返って収容区画から飛び出してしまうようなことがなく、確実な物品搬送を行うことができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る物品搬送装置によれば、収容区画へ向けた物品Wの受入位置P1の上流側に近接する位置に、物品Wを検知するセンサSを設け、該センサSの検出結果によって、物品Wが収容区画の底部16に到るまでに前記無端索条体10の移動を行うようにした。これにより、物品Wの収容区画への正確な送り込み時期を判断できる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る物品搬送装置によれば、搬送コンベヤ1における物品Wの受入位置P1は、無端索条体10の上流側転向部L2に設定され、受入位置P1に物品Wを所定間隔毎に搬入する供給コンベヤ20を接続するとともに、供給コンベヤ20の走行量を検出する検出手段を設け、該検出手段と前記センサSとから得られる物品Wの収容区画への送り込みタイミングに応じて仕切り部材11を前進移動するよう無端索条体10を間欠走行するようにした。このため、物品Wが収容区画へ送り込まれる時期を精度よく把握することができ、仕切り部材11の移動時期を正確に動作させることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明に係る物品搬送装置によれば、前記仕切り部材11は、板状材が折り曲げ形成され、基部11a側から無端索条体10の走行方向と交差して延出する第3案内部11dと、該第3案内部11dの終端から搬送方向前方に向けて傾斜する第2案内部11cと、先端部に形成され、第2案内部11cの終端に接続して第3案内部11dと平行に延在する第1案内部11bとを備えている。このため、この仕切り部材11は、アルミニウム、ステンレスその他の各種金属材料を折り曲げ加工処理などによって簡便に形成でき、また、安価なコストで製作できる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明に係る物品搬送装置によれば、無端索条体10は、第1の仕切り部材群110を有する第1の索条体100と、第2の仕切り部材群111を有する第2の索条体101とを物品搬送路の左右へ並列に設けて、第1の索条体100と第2の索条体101を、それぞれ個別の駆動手段14、14によって独立して走行するように構成し、前記第1の仕切り部材群110と、前記第2の仕切り部材群111とを、前記物品搬送路における搬送方向の前後に位置し、前記第1の仕切り部材群110が、前記受入位置P1で間欠移動して各物品Wを前記各収容区画に順次受け入れた後、前記排出位置P2まで移動するように第1の索条体100を連続走行する一方、前記第2の仕切り部材群111が続いて前記受入位置P1において物品Wを順次受け入れて間欠移動するように第2の索条体101を間欠走行するので、単位時間当たりの物品Wの搬送処理量が増大し、生産性を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、物品に反遠心力方向の成分が発生するので、物品の仕切り部材間からの飛び出しを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】物品搬送装置の平面図である。
【図2】物品搬送装置の側面図である。
【図3】搬送コンベヤの下流側から見た一部破断概略正面図である。
【図4】(a)は転向部における受入位置の部分拡大概略側面図,(b)は仕切り部材の側面図である。
【図5】歯付ベルトへ仕切り部材を取り付ける別実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例)
本発明の物品搬送装置における好適な実施形態について、先ず、搬送コンベヤ1の基本的構成について概説する。なお、搬送コンベヤ1は、直線走行部と転向部とを含む搬送経路を形成する無端索条体10と、該無端策条体10に並設されて搬送経路上を走行する複数の仕切り部材11とを有するものであって、これら基本的構成は下記で説明する実施形態に限定されず、公知の装置を広く採用することができる。
【0016】
図1〜図3に示すように、搬送コンベヤ1は、直線走行部L1と転向部L2とを含む搬送経路に上下方向に巻き掛けられた無端索条体としての歯付ベルト10と、当該歯付ベルト10の搬送方向に沿って設けられ搬送経路上を走行する複数の仕切り部材11とを有する。歯付ベルト10は、上流側に配された駆動歯付プーリ12と下流側に配された従動歯付プーリ13との間に巻き掛けられている。歯付ベルト10が各歯付プーリ12、13に巻き掛けられる部分が転向部L2となり、上下流の転向部L2、L2の間が上下流の直線走行部L1、L1となる。駆動歯付プーリ12は、機枠の側壁15の外側に配設したサーボモータ14によって、下方から上方に向けて時計方向に回転駆動される。後述の受入位置P1から排出位置P2にかけて物品Wの載置面を漸次増高する案内レール16が、搬送経路に沿って設けられている。また、歯付ベルト10には、仕切り部材11が所定の間隔で着脱可能に固着されている。
【0017】
搬送コンベヤ1には、これに接続された無端ベルトなどからなる供給コンベヤ20によって、煎餅やビスケット、その他の薄肉厚の物品Wが順次供給されてくる。供給コンベヤ20の先端は搬送コンベヤ1における上流側の転向部L2に臨んでおり、当該転向部L2にある受入位置P1において、物品Wが各仕切り部材11で画成される収容区画に順次受け入れられる。尚、供給コンベヤ20の下流側には、前記受入位置P1に向けて搬送される物品Wの通過を検出する光電センサなどのセンサSが配設されている。
【0018】
また、供給コンベヤ20には、該供給コンベヤ20の走行量を検出するエンコーダ等からなる検出手段が設けられており、前記センサSの物品Wの通過後に検出手段から得たコンベヤの走行量に基づき、受入位置P1においては、1個の物品Wが1つの収容区画に順次送り込まれるタイミングで歯付ベルト10を停止するよう間欠走行する。仕切り部材群の全ての収容区画のそれぞれに物品Wが受け入れられると、各物品Wの前後が各仕切り部材11によって支持され、転向部L2を経た直線走行部L1の排出位置P2まで連続走行する。各物品Wは、転向部L2を越えた直線走行部L1において案内レール16によって徐々に各仕切り部材11の上方へ突出するように持ち上げられる。そして、直線走行部L1の終端部にある排出位置P2へ到達すると、図示していない排出プッシャによって、仕切り部材群の全ての物品Wを一括して直線走行部L1の一側方へ押し出す。全ての物品Wが排出されると、歯付ベルト10及び仕切り部材11は、再度高速で受入位置P1まで連続走行する。このように、歯付ベルト10が間欠走行することで、所定個数の物品の受け入れ、搬送、排出が繰り返される。
【0019】
歯付ベルト10は、搬送経路の左右に第1の歯付ベルト(第1の索条体)100と第2の歯付ベルト(第2の索条体)101が並行に設けられており、各歯付ベルト100、101が巻き掛けられた駆動歯付プーリ12、12の各々に、個別で連結されたサーボモータ14で、各歯付ベルト100、101が独立して走行するよう駆動制御される。そして、第1の歯付ベルト100と第2の歯付ベルト101の双方に、それぞれ同数の仕切り部材11が設けられている。そのうえで、第1の歯付ベルト100に設けられた第1の仕切り部材群110と、第2の歯付ベルト101に設けられた第2の仕切り部材群111とは、搬送経路を共有しながら搬送方向に前後して位置している。
【0020】
前述の如く第1の仕切り部材群110が受入位置P1で物品Wを順次受け入れて排出位置P2まで移動するように第1の歯付ベルト100を連続走行する一方、第2の仕切り部材群111が続いて第1の仕切り部材群110と同様にして前記受け入れ位置P1において物品を順次受け入れて間欠移動するように第2の歯付ベルト101を間欠走行する。このように、第1の仕切り部材群110と第2の仕切り部材群111で交互に受け入れ、搬送、排出が行われることで、単位時間あたりの搬送処理量が増大される。
【0021】
次に、前記仕切り部材11について図4(b)を参照して説明する。仕切り部材11は、アルミニウム、ステンレス等の金属材料の平板が折り曲げ形成され、基部11a、第1案内部11b、第2案内部11c、第3案内部11dとで構成されている。
基部11aが、前記歯付ベルト10における各山型歯部10aの上部に形成された基台10bの上面に載置されてネジ止めされ、前記第2案内部11cが基部11aから歯付ベルト10の走行方向と交差する方向に延びるよう形成され、また、前記第1案内部11bは、仕切り部材11の先端部において、第2案内部11cの延出位置より歯付ベルト10の搬送方向前方(歯付ベルト10の走行方向前方に向けて張り出した位置)に形成され、第2案内部11cと平行に所定長さに亘り延在している。また、前記第3案内部11dは、第2案内部11cの終端から搬送方向前方に向けて傾斜し、第1案内部11bの一端部に接続するよう構成されている。
【0022】
前記仕切り部材11は、図3に示すように、左右の歯付ベルト100、101へ、前記各案内部11b、11c、11dが搬送経路の搬送ライン中心に合致するように基部11aから一側方に突出した状態で位置決めされて固着される。これにより、左右の歯付ベルト100、101に設けられた第1、第2の仕切り部材群110、111が、1つの搬送経路を走行するよう位置付けることができる。
【0023】
このような仕切り部材11を設けた搬送コンベヤ1を備えた物品搬送装置において、図4(a)に示したように、供給コンベヤ20で搬送される物品Wは、センサSで検出されて、搬送コンベヤ1における各仕切り部材11で画成される収容区画に順次搬入される。搬送コンベヤ1はサーボモータ14の駆動によって物品Wが所定間隔毎に搬送されてくる度に前記収容区画を順送りするように間欠走行するとともに、前記センサSと供給コンベヤ20の走行量を検出する検出手段とから得られる前記収容区画への物品Wの搬入タイミングに合わせて以下のように動作するよう走行駆動される。
【0024】
すなわち、搬送コンベヤ1における仕切り部材11が下方から上方に向かう転向部L2において、前記供給コンベヤ20によって水平搬送されて、受入位置P1に到来した物品Wは、搬送方向前方が下方へ傾斜した姿勢となるように前記収容区画へ送り込まれる。そのとき、物品Wの下方に臨む仕切り部材11における第1案内部11bが物品の下面を支持して案内する。
前記収容区画に搬入された物品Wの重心Wpが、前記第1案内部11bを越えて基部11a側に寄った位置まで送り込まれ、物品Wの先端が収容区画の底部となる前記案内レール16に当接する前に、前記サーボモータ14の駆動によって搬送コンベヤ1が走行されて、仕切り部材11は搬送方向へ前進移動すべく転向部から上方に向けて移動する。
【0025】
この仕切り部材11の前進移動によって、物品Wの重心Wpより送り込み後方側は前記第3案内部11dによって搬送コンベヤ1の搬送方向前方となる上方へ向けて物品の下面から押される。ここで、前記仕切り部材11は、基部11aに直交して形成された第1案内部11bに接続され搬送方向前方に向けて傾斜する第2案内部11cが形成されているので、収容区画の底部側を指向する物品の送り方向前方が第1案内部11bに近接するよう搬送コンベヤ1の搬送方向後方側となる下方に向けて傾動する。このようにして、物品Wの搬送方向前端が収容区画の底部となる案内レール16に至るまでに仕切り部材11の移動によって物品Wを押して傾動し、供給コンベヤ20から前記収容区画に向けた物品Wの送り方向への運動エネルギーを吸収するようにしたので、供給コンベヤ20で高速で搬送されてきた物品Wが、案内レール16に衝突して跳ね返り収容区画から跳びだすのを防止することができ、受入位置P1で個々の物品Wを確実に受入れて排出位置P2に向けて円滑に搬送することができる。
【0026】
図5は、前記仕切り部材11を歯付ベルト10へ取り付ける別実施例を示し、前記歯付ベルト10における基台10bと仕切り部材11における基部11aとの間に台座30を取着している。各台座30は、夫々の仕切り部材11とともに基台10bに対して着脱可能にネジ止めされている。
台座30は、搬送方向の前後いずれか一方(本実施例では前方)から水平に突出形成した突出部30aと、他方(本実施例では後方)に凹設した凹部30bとを有する。突出部30aの突出寸法と凹部30bの凹み寸法はほぼ同一寸法であり、突出部30aと凹部30bとが搬送方向前後で相互に係合する。なお、突出部30aの先端部上面は、円弧状に形成された曲面に形成されている。
【0027】
このように台座30を取着した仕切り部材11を歯付ベルト10の各山型歯部10aに対応して搬送方向へ連続的に配設して、隣り合う仕切り部材11同士において、一方(後方)の仕切り部材11の台座30の突出部30aが、他方(前方)の仕切り部材11の台座30の凹部30bへ収容されるようにして係合する。それにより歯付ベルト10が各歯付プーリ12、13に巻き掛けられた転向部L2及び各転向部L2を結ぶ直線走行部L1において、突出部30aの上面と凹部30bの天面とが、上下方向(内外方向)で互いに重なって突出部30aと凹部30bとが当接して係合する。また、搬送方向に向けて並ぶ先頭の仕切り部材11に取着した台座30の前方には、該台座30の突出部30aに係合するストッパ31が配設される。ストッパ31は、前記台座30の凹部30bと同一の凹部31aが形成されたストッパ31が係合している。ストッパ31の凹部31aは、先頭の仕切り部材11に取着した台座30の突出部30aに係合し、先頭の仕切り部材11を取着した基台10bの前側に配設した基台10bにネジ止めされている。
【0028】
このように構成することで、転向部L2においては、各仕切り部材11は先端が八字状に拡がって並ぶ。このとき、各突出部30aの前端部上面が、凹部30bの天面に局部的に当接し、またその当接面が曲面となっていることで、突出部30aと凹部30bとが円滑に摺動しながら互いの係合状態が維持される。また、直線走行部L1では、各仕切り部材11で画成される収容区画は、物品Wの前後幅より僅かに広い寸法に設定され、台座30の前後面同士、及び突出部30aの先端と、その先端に対向する凹部30bの奥面とは接触せずに、一定のクリアランスを有している。各仕切り部材11の歯付ベルト10への組み付け精度や使用環境の温度差などで生じる歯付ベルト10の伸縮をクリアランスによって許容することができる。また、転向部L2において巻き掛けられた歯付ベルト10が歯付プーリ12に馴染んで走行でき、歯飛びなどの走行の障害を生ずるようなことがない。
【0029】
この実施例によれば、隣り合う各仕切り部材11は、物品の受入位置P1に設定された歯付ベルト10の転向部L2において、各台座30の突出部30aと凹部30bとが局部的に当接して係合し、互いに二点で支え合うように支持されて各仕切り部材11の前後への振れが抑止される。これにより、歯付ベルト10を高速で間欠走行する場合であっても、供給されてくる物品Wが各仕切り部材11間へ搬入される際に、仕切り部材11が搬送方向前後へ振れて収容区画の入り口が狭まって物品Wの搬入を阻害することなく、物品Wの収容区画への搬入を円滑且つ確実に行うことができる。
【0030】
また、各仕切り部材11の凹部30bの天面は、転向部L2の曲面に沿って傾斜させておくことが好ましい。これにより、軟質の歯付ベルト10においても、転向部L2において、突出部30aと凹部30bとの係合状態を確実に維持することができる。
【0031】
前記各実施例では、無端索条体は、歯付ベルトとして例示したが、チェーンを採用してもよい。又、搬送コンベヤの上流側転向部に対して、物品を供給コンベヤに載置して水平に送り込む形態としたが、搬送コンベヤの物品受け入れ位置は、斜め上方からコンベヤ又はシュートなどによって送り込む形態や、上方から落下供給する各種の送り込み形態を採用することもできる。
又、仕切り部材は、板状材を折り曲げ形成するように構成した、少なくとも、天端部に前記第2案内部を備えたものであれば、適宜の形状の仕切り部材を採用することができる。
前記実施例における搬送コンベヤでは、2つの無端索条体を併設して、それぞれ別のサーボモータで走行駆動する構成であるが、1又は3以上の複数の無端索条体を採用するものでもよい。
尚、各具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態を採用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 搬送コンベヤ
10 歯付ベルト(無端索条体)
11 仕切り部材
11a 基部
11b 第1案内部
11c 第2案内部
11d 第3案内部
12 駆動歯付プーリ
13 従動歯付プーリ
14 サーボモータ(駆動手段)
16 案内レール(収容区画の底部)
20 供給コンベヤ
100 第1の波付ベルト(第1の索条体)
101 第2の波付ベルト(第2の索条体)
110 第1の仕切り部材群
111 第2の仕切り部材群
L2 転向部
P1 受入位置
P2 排出位置
S センサ
W 物品
Wp 重心


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に巻き掛け案内される無端索条体の走行方向に向けて所定間隔ごとに配設した各仕切り部材を間欠的に前進移動し、受入位置で仕切り部材間の各収容区画に順次受け入れた物品を、排出位置まで移動して各収容区画から取り出す搬送コンベヤを設け、
前記仕切り部材は、その先端部において搬送方向前方に向けて張り出す第1案内部を備え、
前記収容区画へ搬入された物品の前端が、該収容区画の底部に到るまでに前記仕切り部材を前進移動して前記第1案内部で物品の重心より後方を無端索条体の走行方向前方へ押して、物品の前方を仕切り部材の移動方向後方に向けて傾動させることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
前記収容区画へ向けた物品の受入位置の上流側に近接する位置に、物品を検知するセンサを設け、該センサの検出結果によって、前記物品が物品収容区画の底部に到るまでに前記無端索条体の移動を行うことを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記搬送コンベヤにおける物品の受入位置は、前記無端索条体の上流側転向部に設定され、受入位置に物品を所定間隔毎に搬入する供給コンベヤを接続するとともに、供給コンベヤの走行量を検出する検出手段を設け、該検出手段と前記センサとから得られる物品の収容区画への送り込みタイミングに応じて前記仕切り部材を前進移動するよう前記無端索条体を間欠走行することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記仕切り部材は、板状材が折り曲げ形成され、基部側から無端索条体の走行方向と交差して延出する第3案内部と、該第3案内部の終端から搬送方向前方に向けて傾斜する第2案内部と、先端部に形成され、第2案内部の終端に接続して第3案内部と平行に延在する第1案内部とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記無端索条体は、第1の仕切り部材群を有する第1の索条体と、第2の仕切り部材群を有する第2の索条体とを物品搬送路の左右へ並列に設けて、第1の索条体と第2の索条体を、それぞれ個別の駆動手段によって独立して走行するように構成し、
前記第1の仕切り部材群と、前記第2の仕切り部材群とを、前記物品搬送路における搬送方向の前後に位置し、前記第1の仕切り部材群が、前記受入位置で間欠移動して各物品を前記各収容区画に順次受け入れた後、前記排出位置まで移動するように第1の索条体を連続走行する一方、前記第2の仕切り部材群が続いて前記受入位置において物品を順次受け入れて間欠移動するように第2の索条体を間欠走行することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の物品搬送装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−51663(P2012−51663A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193873(P2010−193873)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】