物品監視装置の機能解除装置
【課題】盗難防止のために物品に取り付けられて使用される物品監視装置の解除装置が盗難等により不正に取得されたとしても、その解除装置を使用できないようにして物品の盗難を防止し、経済的な方法によってセキュリティを高める。
【解決手段】物品の盗難を防止するために物品に取り付けられて使用される物品監視装置(タグ)2の監視機能を解除する物品監視装置2の機能解除装置に関し、この機能解除装置は、少なくともハンディキー1を備え、ハンディキー1は、監視機能を解除する解除信号を物品監視装置2に対して発信する解除機能を有すると共に、ゲートからの信号を受信して解除機能を作動不可能とする解除不能化機能を有する。ゲートからの信号の受信によりハンディキー1の解機機能が作動不可能となるため、ハンディキー1が盗まれても物品監視装置2の監視機能が解除されない。
【解決手段】物品の盗難を防止するために物品に取り付けられて使用される物品監視装置(タグ)2の監視機能を解除する物品監視装置2の機能解除装置に関し、この機能解除装置は、少なくともハンディキー1を備え、ハンディキー1は、監視機能を解除する解除信号を物品監視装置2に対して発信する解除機能を有すると共に、ゲートからの信号を受信して解除機能を作動不可能とする解除不能化機能を有する。ゲートからの信号の受信によりハンディキー1の解機機能が作動不可能となるため、ハンディキー1が盗まれても物品監視装置2の監視機能が解除されない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種物品の盗難防止のために物品に取り付けられる物品監視装置の監視機能を解除する機能解除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品の販売店等では、物品の盗難防止のために、各物品にタグと呼ばれる物品監視装置が取り付けられる場合がある。この物品監視装置は、陳列される物品に取り付けられ、客が会計処理を済ませることなく物品監視装置が取り付けられたままの物品を店外に持ち出そうとすると、店舗の出入り口等に設置されたゲートを物品監視装置が通過しようとした時に、ゲートまたは物品監視装置が警報音を発して店員に知らせることにより、物品が盗難にあうのを防止している。また、物品監視装置が不正に物品から取り外された時にも、物品監視装置が警報音を発して店員に知らせることとしている。
【0003】
一方、客が購入等する物品について会計処理を済ませた場合には、レジ等で店員が物品監視装置の監視状態を解除して物品から取り外してから、代金と引き替えに物品のみを手渡し、購入された物品がゲートを通過する際にはゲートや物品監視装置が鳴らないようにしている。
【0004】
物品解除装置を物品から取り外す際には、専用の機能解除装置が用いられる。この機能解除装置は、警報音が鳴動している物品監視装置についてはその鳴動を停止し、警報音が鳴っていない物品監視装置については警報音が鳴らない状態とする機能を有している。そして、物品監視装置の監視機能が機能解除装置によって解除されると、その物品監視装置が物品から取り外されても警報音が鳴ることはない(例えば特許文献1、2、3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−200050号公報
【特許文献2】特開2000−339557号公報
【特許文献3】特開平8−212467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本来店員しか使用することができない機能解除装置が盗難等により第三者の手に渡ると、その機能解除装置を使用して物品監視装置の監視機能が解除されてしまうため、物品が容易に万引き可能となるという問題がある。
【0007】
また、上記のようにして不正に取得された機能解除装置は、その店舗だけでなく、同種の物品監視装置が使用されている他の店舗においても使用できるため、使用されなくなった中古の機能解除装置が市場に出回る等すると、その機能解除装置によっても物品解除装置の監視機能を解除可能になり、物品の盗難被害が拡大するおそれもある。
【0008】
一方、物品監視装置に対して個々にIDをつけておき、機能解除装置においてそのIDを指定しなければ機能の解除ができないように構成すれば、不正に取得された機能解除装置を他店で使用することはできなくなるが、物品監視装置を個別のID等で管理しようとすると、物品監視装置が高価になるという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、物品監視装置の機能解除装置を盗難等により第三者が不正に取得したとしても、その機能解除装置を使用できないようにして物品の盗難を防止し、経済的な方法によってセキュリティ性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、物品の盗難を防止するために物品に取り付けられて使用される物品監視装置の監視機能を解除する物品監視装置の機能解除装置に関するもので、監視機能を解除する解除信号を物品監視装置に対して発信する解除機能と、解除機能を作動不可能とする解除不能化機能とを有するハンディキーを少なくとも備え、解除不能化機能は、店舗に設置されたゲートからの信号を受信して作動するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
ハンディキーにタイマーを備えると、解除不能化機能は、ハンディキーの内部に備えたタイマーに設定されたタイムアウト時間の経過によっても作動するようにすることができる。
【0012】
ハンディキーは、ハンディキーIDの入力に用いる入力部及びハンディキーIDを記憶する記憶部を備え、記憶部に記憶されたハンディキーIDと入力部から入力されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有することが望ましい。
【0013】
本発明の物品監視装置の機能解除装置では、ハンディキーとは別に、物品監視装置に対して解除信号を発信する機能を有しないと共にハンディキーに対して使用許可信号を発信してハンディキーの解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有するマスターキーを備えてもよい。この場合、マスターキーにはハンディキーIDの入力に用いる入力部を備え、マスターキーからハンディキーに対し、入力部から入力されたハンディキーIDが転送され、ハンディキーでは、ハンディキーの記憶部に記憶されたハンディキーIDと転送されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記解除機能を作動可能とすることが望ましい。また、マスターキーには、マスターキーIDの入力に用いる入力部とマスターキーIDを記憶する記憶部とを備え、入力部から入力されたマスターキーIDと記憶部に記憶されたマスターキーIDとを照合し、両IDが一致するとマスターキーの解除可能化機能を作動可能とすることが望ましい。
【0014】
マスターキーには、ハンディキーの電池を充電する専用の充電部を備えることが望ましい。この場合、充電部には、ハンディキーに対して信号を発信するマスター信号発信部を備えることが望ましい。
【0015】
ハンディキーの解除不能化機能は、ハンディキーの電源オフ時や、ハンディキーの電池の電源容量が所定の値以下に低下したときにも作動するようにすることが望ましい。また、ハンディキーの解除可能化機能の作動時やハンディキーの解除不能化機能の作動時にブザーを鳴動させることが望ましい。この場合、ハンディキーの解除不能化機能の作動後、解除機能が作動可能となるまで、ブザーの鳴動を続けることが望ましい。
【0016】
更に、ハンディキーには、ゲートの通過時にゲートを感知させる内部アンテナを備えることが望ましい。
【0017】
本発明の物品監視装置の機能解除装置には、ハンディキーに加えて、またはハンディキー及びマスターキーに加えて、店舗の特定の場所に据え付けられ物品監視装置の監視機能を解除する解除信号を物品監視装置に対して発信する解除機能を有するデスクトップキーが含まれる場合もある。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、店舗に設置されたゲートからの信号を受信することによって解除不能化機能が作動するように構成したため、ハンディキーが店舗から持ち出された時または店舗に持ち込まれた時に、そのハンディキーの解除機能が作動不可能となり、そのハンディキーを使用して物品監視装置の監視機能を解除することはできなくなる。したがって、ハンディキーが不正に持ち出されたとしても、そのハンディキーによって物品監視装置の機能が解除され物品が盗難にあうのを防止することができる。また、個々の物品監視装置に個別にID等を付す必要もないため、経済的である。
【0019】
ハンディキーにタイマーを備え、ハンディキーの内部に備えたタイマーに設定されたタイムアウト時間の経過により解除不能化機能が作動するように構成すると、タイマーに所定のタイムアウト時間を設定しておけば、仮にハンディキーが店舗外に持ち出されたとしても、タイムアウト時間経過後に自動的にそのハンディキーの解除機能が作動不可能となるため、そのハンディキーを使用して物品監視装置の監視機能を解除することはできなくなる。
【0020】
ハンディキーが、ハンディキーIDの入力に用いる入力部及びハンディキーIDを記憶する記憶部を備え、記憶部に記憶されたハンディキーIDと有力部から入力されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有すると、ハンディキーが不正に持ち出されても、ハンディキーIDを知らないと解除機能を作動不可能な状態から作動可能な状態に移行させることができないため、安全性が高まる。
【0021】
ハンディキーとは別に、物品監視装置に対して解除信号を発信する機能を有しないと共にハンディキーに対して使用許可信号を発信してハンディキーの解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有するマスターキーを備えると、ハンディキーが不正に持ち出されたとしても、ハンディキーの解除機能を作動可能とするにはマスターキーが必要とされるため、よりセキュリティ性が高まる。
【0022】
マスターキーにハンディキーIDの入力に用いる入力部を備え、入力部から入力されたハンディキーIDがマスターキーからハンディキーに対して転送され、ハンディキーではハンディキーの記憶部に記憶されたハンディキーIDと転送されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると解除機能を作動可能とすると、作動不可能となった解除機能を作動可能とするには、マスターキーを使用しかつハンディキーIDを知っていることが必要となるため、よりセキュリティ性が高まる。
【0023】
マスターキーに、マスターキーIDの入力に用いる入力部と、マスターキーIDを記憶する記憶部とを備え、入力部から入力されたマスターキーIDと記憶部に記憶されたマスターキーIDとを照合し、両IDが一致するとマスターキーの解除可能化機能を作動可能とすると、マスターキーが不正に使用されるのを防止することができる。
【0024】
マスターキーに、ハンディキーの電池を充電する専用の充電部を備えると、ハンディキーの充電はマスターキーでしか行えないため、仮にハンディキーが不正に持ち出されたとしても、不正に充電されてハンディキーが使用されるのを防止することができる。
【0025】
充電部に、ハンディキーに対して信号を発信するマスター信号発信部を備えると、ハンディキーの充電と共にハンディキーへの信号の発信を行うことができ、操作性が向上する。
【0026】
ハンディキーの電源オフ時に解除不能化機能が作動するようにすると、何者かが、店員に気付かれずにゲートを通過してハンディキーを持ち出すためにハンディキーの電源をオフにしても、そのハンディキーを使用して物品監視装置の監視機能を解除することはできなくなる。
【0027】
ハンディキーの電池の電源容量低下時に解除不能化機能が作動するようにすると、仮にハンディキーが持ち出されたとしても、時間の経過によって物品監視装置の監視機能を解除することができなくなる。
【0028】
解除可能化機能の作動時にブザーを鳴動させると、ハンディキーから物品監視装置に対して解除信号が発信可能となったことを店員が容易に確認することができる。
【0029】
解除不能化機能の作動時にブザーを鳴動させると、ハンディキーが不正に持ち出されたり、不正な使用がなされたり、タイムアウト時間が経過したりしたことを店員が把握することができる。
【0030】
解除不能化機能の作動後、解除機能が作動可能となるまでブザーの鳴動を続けるようにすると、ハンディキーが不正に持ち出されたり不正な使用がなされたりしたことを店員がより把握しやすくなると共に、ハンディキーを店外に持ち出そうとした者を特定することができる。
【0031】
ハンディキーに、ゲートの通過時にゲートを感知させる内部アンテナを備えると、ハンディキーが不正に持ち出されようとする時にゲートを鳴動させることができ、店員に確実に知らせることができる。
【0032】
以上のように、本発明は、何重もの仕掛けを施すことにより、物品監視装置の監視機能が不正に解除されて物品が盗難にあうのを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(1)第一の形態
図1に示すハンディキー1は、図2に示す物品監視装置2に対してその監視機能を解除する解除信号を発信する解除機能を有すると共に、外部信号を受信して自身の解除機能を作動不可能とする解除不能化機能を有する装置であり、自身の電源のオン/オフを行う電源スイッチ101と、物品監視装置2に対して解除信号を発信する際に押される押しボタン102と、事象の発生に応じて点灯または消灯するLED等の発光部103と、電源となる電池を収容する電池収容部104と、電池収容部104に収容された電池を充電するための充電端子105と、内部のブザーから発せられる音を通過させる放音穴106とを備えている。
【0034】
図2に示す物品監視装置2は、店舗に陳列される物品の盗難防止のために物品に取り付けて使用されるもので、物品から不正に取り外されたり、店舗に設けられたゲートを通過する時にゲートからの信号を受信したりすることによって鳴動する監視機能を有する自鳴式物品監視装置であり、内部のブザーから発せられる音を通過させる放音穴201と、図1に示したハンディキー1から発信される解除信号を受信する受信部202とを備えている。ゲートから発信される信号の周波数は、例えば22kHz、31.5kHz、37.5kHz、8.2MHz、10.5MHz等である。また、磁気信号を使用することもできる。
【0035】
図3に示すデスクトップキー3は、店舗のレジ等の特定の場所に据え付けられて使用されるものであり、物品監視装置2に対して解除信号を発信することにより物品監視装置2の監視機能を解除する解除機能を有し、この解除機能によって物品から物品監視装置2を取り外す際に警報音が鳴らないようにすると共に警報音が鳴っているときにその警報音の鳴動を止めるようにする機能解除装置である。デスクトップキー3は、操作案内等を表示させる表示部301と、各種番号等の入力に用いる入力部302と、レジのカウンター等に固定される被固定部303と、物品監視装置2に対して解除信号を発信する解除信号発信部304とを備えている。デスクトップキー3の電源としては、商用電源を使用することができる。
【0036】
図4に示すマスターキー4は、店舗の事務所等の部外者が立ち入ることができない場所に置かれて使用されるもので、操作案内等を表示させる表示部401と、各種番号等の入力に用いる入力部402と、ハンディキー1を収容して充電するハンディキー1の充電に用いる専用の充電部403とを備えている。図5に示すように、充電部403には、複数のハンディキー1を収容して充電することができる。マスターキー4の電源としては、商用電源を使用することができる。マスターキー4は、デスクトップキー3とは異なり、物品監視装置2に対して解除信号を発信する機能を有しないが、ハンディキー1の解除機能を作動させるための使用許可信号を発信する解除可能化機能を有している。
【0037】
ここで説明する第一の形態においては、図1に示したハンディキー1と、図3に示したデスクトップキー3と、図4に示したマスターキー4とで物品監視装置の機能解除装置が構成される。但し、デスクトップキー3は必須ではない。ハンディキー1が有する解除機能は、マスターキー4から使用許可信号が与えられることにより作動可能となるが、ハンディキー1自身が解除機能を作動可能とする機能を持っていてもよい。
【0038】
図6に示すように、ハンディキー1には、図1に示した各部位に加えて、マスターキー4の充電部403に収容されて充電される電池111と、図1に示した電源スイッチ101の状態や電池111の電源容量を検出する電源検出部112と、各種制御を行うCPU等からなる制御部113と、各種情報を記憶するフラッシュメモリ等からなる記憶部114と、記憶された所定時間の経過を制御部113に通知するタイマー115と、マスターキー4から送信される信号を受信するマスター信号受信部116と、店舗に設置されたゲートから送信される信号(ゲート信号)を受信するゲート信号受信部117と、物品監視装置に対して解除信号を発信する解除信号発信部118と、所定の事象が生じると鳴動するブザー119とを備えている。電池111は、マスターキー4の充電部403によってのみ充電されるものである。また、マスター信号受信部116、ゲート信号受信部117、解除信号発信部118は、アンテナ、変調回路、復調回路等を有する。ゲート信号受信部117は、ゲート信号の周波数や磁気に対応している。ハンディキー1の内部のアンテナは、ハンディキー1が店舗のゲートを通過する際にゲートを感知させてゲートから警報音を鳴らす機能を有する。ハンディキー1が改造されるのを防止するために、内部の回路とアンテナ等とは一体構造とし、エポキシ樹脂等の充填により分解不可能な構造としておくことが望ましい。
【0039】
デスクトップキー3には、図3に示した各部位に加えて、電源スイッチ311と、各種制御を行うマイコン等からなる制御部312と、入力された情報を記憶する記憶部313とを備えている。
【0040】
マスターキー4には、図4及び図5に示した各部位に加えて、電源スイッチ411と、各種制御を行うマイコン等の制御部412と、各種情報を記憶するフラッシュメモリ等からなる記憶部413と、ハンディキー1に対して各種信号を発信するマスター信号発信部414とを備えている。マスター信号発信部414は、ハンディキー1のマスター信号受信部116と電気的に接続される構成としてもよいし、赤外線通信や無線等により非接触状態で接続されるようにしてもよい。図4及び図5に示した例では、充電部403にマスター信号発信部414を備えた構成となっており、この構成においては、ハンディキー1がマスターキー4の充電部403にセットされると、マスター信号発信部414とマスター信号受信部116との間で信号のやりとりが可能となる。
【0041】
図7に示す店舗5の例では、1つの出入口50に物品の盗難防止用の一対のゲート51が設置されており、客が出入りする際にはこの2つのゲート51の間を必ず通るように構成されている。ゲート51は、ハンディキー1のアンテナを感知して鳴動する機能を有する。
【0042】
出入り口50の一方の側方にはレジカウンタ52があり、レジカウンタ52にはデスクトップキー3がネジ止め等によって固定されている。一方、出入り口50のもう一方の側方には、店舗関係者のみが出入りできる事務所53があり、その中にはマスターキー4が設置されている。商品棚54に陳列された個々の物品には、例えば図2に示した物品監視装置2が取り付けられている。物品監視装置2は、物品に貼り付けるタイプ、物品に取り付けてロックするタイプ、ワイヤーを介して物品に取り付けるタイプ等、様々なタイプがある。
【0043】
図1に示したハンディキー1は、店内にいる店員が携帯している。レジカウンタ52を担当する店員がハンディキー1を携帯することもあり、この場合は、必ずしもデスクトップキー3がレジカウンタ52に設置されていなくてもよい。ハンディキー1は、通常は1つの店舗に複数台備えられており、マスターキー4は、1つの店舗に最低1台備えられている。マスターキー4は事務所53に設置されているため、盗難にあう可能性は極めて低いが、机等に固定しておくことが好ましい。
【0044】
以下では、図1〜図7を参照しながら、図8〜図11のフローチャートに沿って、ハンディキー1、デスクトップキー3及びマスターキー4の機能並びにその使用方法や、その使用に基づく物品の盗難を防止する方法について説明する。
【0045】
最初に、デスクトップキー3の機能及び動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。デスクトップキー3の電源を投入すると、最初にデスクトップキーの暗証番号(デスクトップキーID)の入力を促すメッセージが表示部301に表示される。ここで、入力部302からデスクトップキーIDを入力すると(ステップS11)、記憶部313に記憶されているデスクトップキーIDとの照合が行われ(ステップS12)、一致しない場合はエラーとなって再入力が要求され、一致するまではデスクトップキー3が使用不可能な状態となり、物品監視装置の監視機能を解除することはできない。なお、デスクトップキー3の出荷時には記憶部313に例えば0000というデスクトップキーIDが記憶されている。また、デスクトップキーIDを一定回数再入力しても一致しない場合には、デスクトップキー3が使用不可能になるようにしてもよい。
【0046】
ステップS12における照合の結果、入力されたデスクトップキーIDと記憶部313に記憶されたデスクトップキーIDとが一致すると、デスクトップキー3が解除可能な状態となり、表示部301にメニュー画面が表示される(ステップS13)。ここで、解除可能な状態とは、物品監視装置2に対して解除信号を発信できる状態、換言すれば、解除機能が作動可能な状態であり、使用不可能な状態とは、物品監視装置2に対して解除信号を発信できない状態、すなわち解除機能が作動不可能な状態である。
【0047】
メニュー画面では、「デスクトップキーID変更」、「機能解除」が表示され、いずれかを選択することができる。入力部302を操作して「デスクトップキーID変更」を選択すると、現在のデスクトップキーIDの入力を促す画面が表示部301に表示される。ここで現在のデスクトップキーIDを入力すると(ステップS14)、入力されたデスクトップキーIDと記憶部313に記憶されたデスクトップキーIDとが照合され(ステップS15)、両IDが一致しない場合は再入力を要求する画面が表示され、一致した場合は新しいデスクトップキーIDの入力を要求する画面が表示部301に表示される。そしてここで新しいデスクトップキーIDを入力すると、そのデスクトップキーIDが記憶部313に上書きして記憶される(ステップS16、S17)。
【0048】
一方、「機能解除」を選択した場合も、現在のデスクトップキーIDの入力を促す画面が表示部301に表示される。ここで現在のデスクトップキーIDを入力すると(ステップS18)、入力されたデスクトップキーIDと記憶部313に記憶されたデスクトップキーIDとが照合され(ステップS19)、両IDが一致しない場合は再入力を要求する画面が表示部301に表示される。一方、両IDが一致した場合は、客が会計を済ませるためにレジに持ってきた物品に取り付けられた物品監視装置に対して解除信号が発信される(ステップS20)。この信号を受信した物品監視装置2は、自身の監視機能を停止させる。これによって、物品から物品監視装置を取り外しても警報音が鳴らない状態となる。図7に示した例では、レジカウンタ52に固定されたデスクトップキー3の解除信号発信部304から購入対象の物品に取り付けられた物品監視装置2に対して解除信号が発信されることで、警報音を鳴らすことなく物品監視装置2を物品から取り外すことができる。
【0049】
次に、マスターキー4の機能及び動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。マスターキー4の電源をオンとすると、最初にマスターキーの暗証番号(マスターキーID)の入力を促すメッセージが表示部401に表示される。ここで、入力部402からマスターキーIDを入力すると(ステップS21)、記憶部413に記憶されているマスターキーIDとの照合が行われ(ステップS22)、一致しない場合はエラーとなって再入力が要求され、一致するまではマスターキー3が使用不可能な状態となる。なお、マスターキー4の出荷時には記憶部413に例えば0000というマスターキーIDが記憶されている。また、マスターキーIDを一定回数再入力しても一致しない場合には、マスターキー4が使用不可能になるようにしてもよい。
【0050】
ステップS22における照合の結果、入力されたマスターキーIDと記憶部413に記憶されたマスターキーIDとが一致すると、マスターキー4が使用可能な状態となり、表示部401にメニュー画面が表示される(ステップS23)。ここで、使用可能な状態とは、図9に示す「マスターキーID変更」、「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「ハンディキー使用許可」という各機能が作動可能な状態である。「ハンディキー使用許可」の機能が作動可能となることで、解除可能化機能が作動可能となる。
【0051】
ステップS23で表示されるメニュー画面では、「マスターキーID変更」、「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「ハンディキー使用許可」が表示され、いずれかを選択することができる。ここで、入力部402の操作により「マスターキーID変更」を選択すると、現在のマスターキーIDの入力を促す画面が表示部401に表示される。そして、入力部402から現在のマスターキーIDが入力されると(ステップS24)、制御部412において、入力されたマスターキーIDと記憶部413に記憶されたマスターキーIDとが照合され(ステップS25)、両IDが一致しない場合は、マスターキーIDを変更することはできない。一方、両IDが一致すると、表示部401に新しいマスターキーIDの入力を促す画面が表示され、ここで新しいマスターキーIDが入力部402から入力されると、そのマスターキーIDが記憶部413に記憶され、変更が完了する(ステップS26)。このように、マスターキーIDの変更操作の前に現在のマスターキーIDの入力を求め、入力されたマスターキーIDが設定済みのマスターキーIDと一致した場合に限りマスターキーIDの変更を認めるようにすることで、現在のマスターキーIDを知らないとマスターキーIDの変更を行うことができないため、マスターキーIDが不正に書き換えられて使用されるのを防止することができる。
【0052】
ステップS23で表示されたメニュー画面において「ハンディキーID変更」を選択すると、充電部403へのハンディキー1のセットとハンディキー1の電源の投入を指示するメッセージが表示部401に表示され、ここでハンディキー1を充電部403にセットしハンディキー1の電源スイッチ101をオンとすると(ステップS27)、現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示される。そして、現在のハンディキーIDを入力部402から入力すると、制御部412による制御の下でそのハンディキーIDがマスター信号発信部414からハンディキー1に送信される(ステップS28)。ハンディキーIDは、個々のハンディキーごとに個別に付してもよいし、すべてのハンディキーに同一のハンディキーIDを付してもよい。ハンディキー1では、図10に示すように、マスターキー4から入力され送信されたハンディキーID情報を受信し(ステップS50)、ハンディキー1の記憶部114に記憶されたハンディキーIDと照合する(ステップS51)。そして、両IDが一致していればOKメッセージ情報を作成し(ステップS52)、一致していなければNGメッセージ情報を作成し(ステップS53)、いずれかのメッセージ情報をマスターキー4に送信する(ステップS54)。マスターキー4ではこのメッセージ情報を受信してOKメッセージかNGメッセージかを判断し(ステップS29、S30)、NGメッセージであればエラーである旨を表示部401に表示させる(ステップS31)。一方、OKメッセージであれば、新しいハンディキーIDの入力を促す画面を表示部401に表示させ、新しいハンディキーIDが入力部402から入力されると、そのハンディキーIDをハンディキー1に送信する(ステップS32)。このように、ハンディキーIDを変更するにあたっては、現在のハンディキーIDを知っていることが条件となるため、ハンディキーIDの不正な書き換えを防止することができる。なお、ハンディキー1におけるハンディキーID変更処理については後述する。
【0053】
ステップS23で表示されたメニュー画面において「タイムアウト時間設定」を選択すると、充電部403へのハンディキー1のセットとハンディキー1の電源の投入を指示するメッセージが表示部401に表示され、ここでハンディキー1を充電部403にセットすると共にハンディキー1の電源スイッチ101をオンとすると(ステップS33)、現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示される。そして、現在のハンディキーIDを入力部402から入力すると、制御部412による制御の下でそのハンディキーIDがマスター信号発信部414からハンディキー1に送信される(ステップS34)。そしてハンディキーにおいては、図10に示した前述のステップS50〜S54の処理がなされ、マスターキー4ではハンディキー1から送信されたメッセージを受信してOKメッセージかNGメッセージかを判断し(ステップS35、S36)、NGメッセージである場合はエラーである旨を表示部401に表示させる(ステップS37)。一方、OKメッセージである場合は、表示部401にタイムアウト時間の入力を促す画面を表示させる。このタイムアウト時間は、ハンディキー1の電源を自動的にオフにするか、または、解除信号の発信機能(解除機能)を作動不可能とする機能(解除不能化機能)を作動させるまでの所定時間のことであり、入力部402からタイムアウト時間が入力されると、マスターキー4からハンディキー1に対し、そのタイムアウト時間情報を含むタイムアウト時間設定信号がハンディキー1に送信される(ステップS38)。その後のハンディキー1における処理については後述する。
【0054】
メニュー画面において「ハンディキー使用許可」を選択すると、充電部403へのハンディキー1のセットとハンディキー1の電源の投入を指示するメッセージが表示部401に表示される。そして、ハンディキー1を充電部403にセットすると共にハンディキー1の電源スイッチ101をオンとすると(ステップS39)、現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示される。そして、現在のハンディキーIDを入力部402から入力すると、マスターキー4の制御部412による制御の下でそのハンディキーIDがマスター信号発信部414からハンディキー1に転送される(ステップS40)。そしてハンディキーにおいては、図10のステップS50〜S54の処理がなされ、マスターキー4ではハンディキー1から送信されたメッセージを受信してOKメッセージかNGメッセージかを判断し(ステップS41、S42)、NGメッセージである場合はエラーである旨を表示部401に表示させる(ステップS43)。一方、OKメッセージである場合は、制御部412の制御の下でマスター信号発信部414からハンディキー1に対して使用許可信号を送信する(ステップS44)。ハンディキー1におけるその後の処理については後述する。
【0055】
なお、ハンディキーID変更、タイムアウト時間設定、ハンディキー使用許可に関する処理は、マスターキー4とハンディキー1との間での信号のやりとりが可能な状態であれば、ハンディキー1を充電部403にセットせずに行うようにすることもできる。
【0056】
次に、ハンディキー1の機能及び動作について説明する。図11に示すように、ハンディキー1は、電源が投入されている状態において何らかの事象が発生すると、例えば制御部113に対する割り込み処理によって個々の事象に対応する処理を行う(ステップS51)。
【0057】
図9のステップS28に示したように、ハンディキーID変更のためにマスターキー4から現在のハンディキーIDが送信されると、ハンディキー1では、図10に示したステップS50〜S54のID照合処理を行う(ステップS52)。そして、照合処理においてハンディキーIDが一致した場合は、マスターキー4から新しいハンディキーIDが送信されるため(ステップS32)、ハンディキー1ではこれを受信し記憶部114に上書き記憶し、ハンディキーID変更処理が完了する(ステップS53)。
【0058】
図9のステップS34に示したように、タイムアウト時間の設定のためにマスターキー4から現在のハンディキーIDが送信されると、ハンディキー1では、図10に示したステップS50〜S54のID照合処理を行う(ステップS54)。そして、照合処理においてハンディキーIDが一致した場合は、マスターキー4からタイムアウト時間設定信号が送信されるため(ステップS38)、ハンディキー1ではそのタイムアウト時間設定信号を受信し(ステップS55)、その信号に含まれるタイムアウト時間情報をタイマー115に記憶する(ステップS56)。このタイムアウト時間情報がタイマー115に設定されることによりタイマー115が作動し、そのタイムアウト時間経過後に、ハンディキー1が有する解除不能化機能が自動的に作動する。
【0059】
図9のステップS40に示したように、ハンディキーを解除可能状態とするためにマスターキー4から現在のハンディキーIDが送信されると、ハンディキー1では、図10に示したステップS50〜S54のID照合処理を行う(ステップS57)。そして、照合処理においてハンディキーIDが一致した場合は、マスターキー4から使用許可信号が送信されるため(ステップS44)、ハンディキー1ではこの使用許可信号を受信する(ステップS58)。そして、この信号を受信すると、ハンディキー1は、解除信号発信部118から物品監視装置2に対して解除信号を発信できる状態、すなわち解除機能を作動可能な状態(解除可能状態)とする(ステップS59)。これが解除可能化機能である。このとき、解除可能化機能が作動して解除可能状態となったことを店員に知らせるため、制御部113は発光部103を点灯させると共にブザー119を鳴動させる(ステップS60、S61)。一方、ステップS57のID照合処理においてIDが一致しなかった場合はマスターキー4から使用許可信号が発信されないため、解除機能が作動不可能となった状態(解除不可能状態)のままとなる。なお、解除可能状態または解除不可能状態は、例えば記憶部114に設けたフラグの値によって設定することができるが、この方法には限定されない。
【0060】
図1に示した押しボタン102が押されると、制御部113では、ハンディキー1が解除可能状態な状態かどうかを判断する(ステップS62)。そして、解除可能状態であれば解除信号を発信して解除機能を作動させ(ステップS63)、物品監視装置2の監視機能を解除する。また、制御部113は、解除信号が発信されたことを店員に知らせるために、発光部103を点灯させると共にブザー119を鳴動させる(ステップS64、S65)。一方、ハンディキー1が使用不可能状態であれば、解除信号を送信しない。
【0061】
このようにしてハンディキー1が解除可能状態となっている場合でも、電源スイッチ101をオフにする操作、電池111の容量切れ、タイムアウト時間の経過、ゲートからの信号の受信という要因によって、ハンディキー1は自動的に解除可能状態となる。そして、解除不可能状態において押しボタン102が押されても、解除信号が発信されることはない。以下にその詳細を説明する。
【0062】
例えば、ハンディキー1を何者かが店外に持ち出そうとすると、そのハンディキー1は、図7に示したゲート51から外部信号であるゲート信号を受信する。そうすると、ハンディキー1では、解除不能化機能を作動させて、具体的には例えば制御部113が記憶部114に設けたフラグの値を書き換えることによって、ハンディキー1を使用不可能状態とし(ステップS66)、発光部103を発光させると共に(ステップS67)、ブザー119から警報音を鳴動させる(ステップS68)。このように、ゲート信号の受信によりすぐにハンディキー1が使用不可能となり、しかも解除可能状態にすることができるのはマスターキー4だけであるため、そのハンディキー1が不正に利用されるのを防止することができる。また、この警報音は、そのハンディキー1に対してマスターキー4から使用許可信号を送ってハンディキー1の解除機能が作動可能となるまで鳴り続けるため、ハンディキー1が持ち出されようとしたことを店員が確実に把握することができる。このときにゲート51がハンディキー1の内部アンテナを感知してゲート51から警報音を発するようにしてもよい。
【0063】
また、ステップS56においてタイムアウト時間が設定されると、そのタイムアウト時間の経過後に、ハンディキー1は、自動的に使用不可能状態となる(ステップS66)。具体的には、上記のように解除可能状態と解除不可能状態とがフラグによって制御されている場合は、タイムアウト時間の経過により、タイマー115が制御部113に対して割り込みをかけることにより、解除不可能状態をあらわす値にフラグをセットする。解除不可能状態となると、制御部113は、発光部103を発光させると共に(ステップS67)、ブザー119を鳴動させる(ステップS68)。このようにしてタイムアウト時間経過後にハンディキー1を解除不可能とすることにより、仮にハンディキー1がゲート信号を受信せずに持ち出されてしまったとしても、例えば店舗が開く前に所定のタイムアウト時間をタイマー115にセットしておけば、ハンディキー1が盗難にあったとしても、タイムアウト時間経過後に解除不可能状態となり、しかもハンディキー1を解除可能状態にすることができるのはマスターキー4のみであるため、そのハンディキー1が他店に持ち込まれて使用されるのを防止することができる。
【0064】
図1に示したハンディキー1の電源スイッチ101をオフにすると、そのことを図6に示した電源検出部112が検知し、例えば記憶部114のフラグの値を書き換え解除不能化機能を作動させて解除不可能状態とする(ステップS66)。ハンディキー1の電池111の電源容量が低下して予め設定された所定の値以下となった場合も同様である(ステップS66)。いずれの場合も、次に電源を投入した際に、発光部103を発光させると共に(ステップS67)、ブザー119から警報音を鳴動させる(ステップS68)。この警報音は、マスターキー4から使用許可信号を受信するか電源をオフにしないかぎりは鳴り続ける。電源をオフとした後に電源を投入しても、解除不可能状態となったままであり、マスターキー4から使用許可信号を送信しないかぎりは解除可能状態にすることはできない。
【0065】
以上のように、本発明では、ハンディキー1が解除可能な状態であっても、一定の要因により使用不可能な状態になるため、ハンディキー1が不正に持ち出されたとしても、物品監視装置の監視機能が解除されてしまうのを防止することができる。
【0066】
(2)第二の形態
図12に示すハンディキー6は、基本的には図1、6に示したハンディキー1と同様の機能を有するものであるが、テンキーを含む複数のボタンからなる入力部60及び表示部61を備えており、入力部60をハンディキーID及びタイムアウト時間の入力並びに使用許可の操作に用いることができる。また、ハンディキー6は、ハンディキー1における押しボタン102を有していないが、入力部60を構成する複数のボタンのうちの一つ、例えばボタン60aは、物品監視装置に対して解除信号を発信するための解除ボタンとして機能する。なお、図12のハンディキー6において、図1及び図6に示したハンディキー1と共通する部位については同一の符号を付し、その説明は省略することとする。
【0067】
ハンディキー6は、入力部60及び表示部61を有するため、図9に示したマスターキー4の「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という機能をハンディキー6自身で行うことができ、必ずしもマスターキー4は必須とはならない。すなわちその場合は、ハンディキー6が単体で物品監視装置の機能解除装置となる。但し、ハンディキー6が入力部60及び表示部61を有していても、図6のハンディキー1と同様にマスター信号受信部116を有していれば、図9に示したようにマスターキー4の操作によって「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という機能を実現することもできる。また、これらの機能の一部をマスターキー4において行い、その一部以外をハンディキー6において行うこともできる。「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という機能をハンディキー6自身ですべて行う場合は、ハンディキー6にマスター信号受信部116を備える必要はない。以下では、これらの機能をすべてハンディキー6において行う場合について、図6、図12及び図13を参照して説明する。
【0068】
ハンディキー1は、電源が投入されている状態において何らかの事象が発生すると、例えば制御部113に対する割り込み処理によって個々の事象に対応する処理を行う(ステップS71)。表示部61には、例えばメニューとして「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という項目が表示されている。これらの項目から「ハンディキーID変更」を選択すると、表示部61に現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示され、入力部60からハンディキーIDを入力すると(ステップS72)、入力されたハンディキーIDと記憶部114に記憶されたハンディキーIDとが照合され(ステップS73)、一致しない場合はエラーである旨が表示され(ステップS74)、一致した場合は新しいハンディキーIDの入力を促す画面が表示部61に表示される。そして、新しいハンディキーIDを入力部60から入力すると、そのハンディキーIDが記憶部114に記憶されハンディキーIDの変更処理が完了する(ステップS75)。
【0069】
メニュー画面において「タイムアウト時間設定」を選択すると、表示部61に現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示され、入力部60からハンディキーIDを入力すると(ステップS76)、入力されたハンディキーIDと記憶部114に記憶されたハンディキーIDとが照合され(ステップS77)、一致しない場合はエラーである旨が表示され(ステップS78)、一致した場合はタイマーに設定する時間の入力を促す画面が表示部61に表示される。このタイムアウト時間は、ハンディキー6の電源を自動的にオフにするか、または、解除信号の発信機能(解除機能)を作動不可能とする機能(解除不能化機能)を作動させるまでの所定時間のことであり、タイムアウト時間を入力部60から入力すると(ステップS79)、そのタイムアウト時間情報がタイマー115に記憶される(ステップS80)。このタイムアウト時間情報がタイマー115に設定されることによりタイマー115が作動し、そのタイムアウト時間が経過することによって、ハンディキー1が有する解除不能化機能が自動的に作動する。
【0070】
メニュー画面において「使用許可」を選択すると、表示部61に現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示され、入力部60からハンディキーIDを入力すると(ステップS81)、入力されたハンディキーIDと記憶部114に記憶されたハンディキーIDとが照合され(ステップS82)、一致しない場合はエラーである旨が表示され(ステップS83)、一致した場合は、例えば制御部412が記憶部114に設けたフラグの値を書き換えることによって、ハンディキー6の解除機能を作動可能とする(解除可能化機能、ステップS84)。そして、ハンディキー6が解除可能となったことを店員に知らせるために、発光部103を点灯させ(ステップS85)、ブザー119を鳴動させる(ステップS86)。
【0071】
入力部60を構成するボタンのうち解除ボタン60aが押されると、制御部113では、ハンディキー6が解除可能状態な状態かどうかを判断する(ステップS87)。そして、解除可能状態であれば解除信号を発信し(ステップS88)、物品監視装置2の監視機能を解除する。また、制御部113は、解除信号が発信されたことを店員に知らせるために、発光部103を点灯させ(ステップS89)、ブザー119を鳴動させる(ステップS90)。一方、ハンディキー1が解除不可能状態であれば、解除信号を発信しない。このとき、解除信号が発信されなかった旨を表示部61に表示させるようにしてもよい。
【0072】
このようにしてハンディキー1が解除可能状態となっている場合において、電源スイッチ101をオフにする操作、電池111の電源容量が所定の値以下となったこと、タイムアウト時間の経過、ゲート信号の受信という要因によって、解除不能化機能が作動すると、ハンディキー1は自動的に解除不可能状態となる(ステップS91)。具体的には、これらのいずれかの要因によって、例えば制御部113が記憶部114に設けたフラグの値を書き換えることによって、ハンディキー1を解除不可能状態とし、発光部103を発光させると共に(ステップS92)、ブザー119から警報音を鳴動させる(ステップS93)。この警報音は、ハンディキー1の解除機能が作動可能となるまで鳴り続ける。解除不可能状態において解除ボタン60aが押されても、解除信号が発信されることはない。ゲート信号の受信を要因とする場合は、ゲート51がハンディキー6の内部アンテナを感知してゲート51から警報音を発するようにしてもよい。
【0073】
ゲート信号の受信によりハンディキー6が解除不可能状態になると、そのハンディキーが持ち出されても使用することができず、しかもハンディキーIDを知らないと解除可能状態にすることができないため、そのハンディキー6が他店に持ち込まれて使用されるのを防止することができる。
【0074】
タイムアウト時間経過によりハンディキー6が解除不可能状態になると、仮にハンディキー6がゲート信号を受信せずに持ち出されてしまったとしても、所定のタイムアウト時間をタイマー115にセットしておけば、ハンディキー6が盗難にあったとしても、タイムアウト時間経過後に使用不可能状態となり、ハンディキーIDを知らないと解除可能状態にすることができないため、そのハンディキー6が他店に持ち込まれて使用されるのを防止することができる。
【0075】
電源のオフまたは電池111の容量切れによりハンディキー6が解除不可能状態になると、その後に電源を投入しても、解除不可能状態となったままであり、ハンディキーIDを知らないと解除可能状態にすることはできない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、マスターキーがハンディキーを制御し、ハンディキーが物品監視装置を制御するか、またはマスターキーなしにハンディキーが物品監視装置を制御するように構成されるものであり、ハンディキーが不正に取得されると物品監視装置の機能を解除する解除機能が作動しなくなるため、物品監視装置の監視機能が不正に解除されるのを防止することができ、物品の盗難防止に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】ハンディキーの一例を示す斜視図である。
【図2】物品監視装置の一例を示す斜視図である。
【図3】デスクトップキーの一例を示す斜視図である。
【図4】マスターキーの一例を示す斜視図である。
【図5】充電部にハンディキーが収容された状態を示す斜視図である。
【図6】物品監視装置の機能解除装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】店舗レイアウトの一例を示す平面図である。
【図8】デスクトップキーにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】マスターキーにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】ハンディキーIDの照合処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】ハンディキーにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】ハンディキーの第二の例を示す斜視図である。
【図13】ハンディキーにおける処理の第二の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1:ハンディキー
101:電源スイッチ 102:押しボタン 103:発光部 104:電池収容部
105:充電端子 106:放音穴
111:電池 112:電源検出部 113:制御部 114:記憶部
115:タイマー 116:マスター信号受信部 117:ゲート信号受信部
118:解除信号発信部 119:ブザー
2:物品監視装置
201:放音穴 202:受信部
3:デスクトップキー
301:表示部 302:入力部 303:被固定部 304:解除信号発信部
311:電源スイッチ 312:制御部 313:記憶部
4:マスターキー
401:表示部 402:入力部 403:充電部
411:電源スイッチ 412:制御部 413:記憶部
414:マスター信号発信部
5:店舗
50:出入口 51:ゲート 52:レジカウンタ 53:事務所 54:商品棚
6:ハンディキー
60:入力部 61:表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種物品の盗難防止のために物品に取り付けられる物品監視装置の監視機能を解除する機能解除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品の販売店等では、物品の盗難防止のために、各物品にタグと呼ばれる物品監視装置が取り付けられる場合がある。この物品監視装置は、陳列される物品に取り付けられ、客が会計処理を済ませることなく物品監視装置が取り付けられたままの物品を店外に持ち出そうとすると、店舗の出入り口等に設置されたゲートを物品監視装置が通過しようとした時に、ゲートまたは物品監視装置が警報音を発して店員に知らせることにより、物品が盗難にあうのを防止している。また、物品監視装置が不正に物品から取り外された時にも、物品監視装置が警報音を発して店員に知らせることとしている。
【0003】
一方、客が購入等する物品について会計処理を済ませた場合には、レジ等で店員が物品監視装置の監視状態を解除して物品から取り外してから、代金と引き替えに物品のみを手渡し、購入された物品がゲートを通過する際にはゲートや物品監視装置が鳴らないようにしている。
【0004】
物品解除装置を物品から取り外す際には、専用の機能解除装置が用いられる。この機能解除装置は、警報音が鳴動している物品監視装置についてはその鳴動を停止し、警報音が鳴っていない物品監視装置については警報音が鳴らない状態とする機能を有している。そして、物品監視装置の監視機能が機能解除装置によって解除されると、その物品監視装置が物品から取り外されても警報音が鳴ることはない(例えば特許文献1、2、3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−200050号公報
【特許文献2】特開2000−339557号公報
【特許文献3】特開平8−212467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本来店員しか使用することができない機能解除装置が盗難等により第三者の手に渡ると、その機能解除装置を使用して物品監視装置の監視機能が解除されてしまうため、物品が容易に万引き可能となるという問題がある。
【0007】
また、上記のようにして不正に取得された機能解除装置は、その店舗だけでなく、同種の物品監視装置が使用されている他の店舗においても使用できるため、使用されなくなった中古の機能解除装置が市場に出回る等すると、その機能解除装置によっても物品解除装置の監視機能を解除可能になり、物品の盗難被害が拡大するおそれもある。
【0008】
一方、物品監視装置に対して個々にIDをつけておき、機能解除装置においてそのIDを指定しなければ機能の解除ができないように構成すれば、不正に取得された機能解除装置を他店で使用することはできなくなるが、物品監視装置を個別のID等で管理しようとすると、物品監視装置が高価になるという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、物品監視装置の機能解除装置を盗難等により第三者が不正に取得したとしても、その機能解除装置を使用できないようにして物品の盗難を防止し、経済的な方法によってセキュリティ性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、物品の盗難を防止するために物品に取り付けられて使用される物品監視装置の監視機能を解除する物品監視装置の機能解除装置に関するもので、監視機能を解除する解除信号を物品監視装置に対して発信する解除機能と、解除機能を作動不可能とする解除不能化機能とを有するハンディキーを少なくとも備え、解除不能化機能は、店舗に設置されたゲートからの信号を受信して作動するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
ハンディキーにタイマーを備えると、解除不能化機能は、ハンディキーの内部に備えたタイマーに設定されたタイムアウト時間の経過によっても作動するようにすることができる。
【0012】
ハンディキーは、ハンディキーIDの入力に用いる入力部及びハンディキーIDを記憶する記憶部を備え、記憶部に記憶されたハンディキーIDと入力部から入力されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有することが望ましい。
【0013】
本発明の物品監視装置の機能解除装置では、ハンディキーとは別に、物品監視装置に対して解除信号を発信する機能を有しないと共にハンディキーに対して使用許可信号を発信してハンディキーの解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有するマスターキーを備えてもよい。この場合、マスターキーにはハンディキーIDの入力に用いる入力部を備え、マスターキーからハンディキーに対し、入力部から入力されたハンディキーIDが転送され、ハンディキーでは、ハンディキーの記憶部に記憶されたハンディキーIDと転送されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記解除機能を作動可能とすることが望ましい。また、マスターキーには、マスターキーIDの入力に用いる入力部とマスターキーIDを記憶する記憶部とを備え、入力部から入力されたマスターキーIDと記憶部に記憶されたマスターキーIDとを照合し、両IDが一致するとマスターキーの解除可能化機能を作動可能とすることが望ましい。
【0014】
マスターキーには、ハンディキーの電池を充電する専用の充電部を備えることが望ましい。この場合、充電部には、ハンディキーに対して信号を発信するマスター信号発信部を備えることが望ましい。
【0015】
ハンディキーの解除不能化機能は、ハンディキーの電源オフ時や、ハンディキーの電池の電源容量が所定の値以下に低下したときにも作動するようにすることが望ましい。また、ハンディキーの解除可能化機能の作動時やハンディキーの解除不能化機能の作動時にブザーを鳴動させることが望ましい。この場合、ハンディキーの解除不能化機能の作動後、解除機能が作動可能となるまで、ブザーの鳴動を続けることが望ましい。
【0016】
更に、ハンディキーには、ゲートの通過時にゲートを感知させる内部アンテナを備えることが望ましい。
【0017】
本発明の物品監視装置の機能解除装置には、ハンディキーに加えて、またはハンディキー及びマスターキーに加えて、店舗の特定の場所に据え付けられ物品監視装置の監視機能を解除する解除信号を物品監視装置に対して発信する解除機能を有するデスクトップキーが含まれる場合もある。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、店舗に設置されたゲートからの信号を受信することによって解除不能化機能が作動するように構成したため、ハンディキーが店舗から持ち出された時または店舗に持ち込まれた時に、そのハンディキーの解除機能が作動不可能となり、そのハンディキーを使用して物品監視装置の監視機能を解除することはできなくなる。したがって、ハンディキーが不正に持ち出されたとしても、そのハンディキーによって物品監視装置の機能が解除され物品が盗難にあうのを防止することができる。また、個々の物品監視装置に個別にID等を付す必要もないため、経済的である。
【0019】
ハンディキーにタイマーを備え、ハンディキーの内部に備えたタイマーに設定されたタイムアウト時間の経過により解除不能化機能が作動するように構成すると、タイマーに所定のタイムアウト時間を設定しておけば、仮にハンディキーが店舗外に持ち出されたとしても、タイムアウト時間経過後に自動的にそのハンディキーの解除機能が作動不可能となるため、そのハンディキーを使用して物品監視装置の監視機能を解除することはできなくなる。
【0020】
ハンディキーが、ハンディキーIDの入力に用いる入力部及びハンディキーIDを記憶する記憶部を備え、記憶部に記憶されたハンディキーIDと有力部から入力されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有すると、ハンディキーが不正に持ち出されても、ハンディキーIDを知らないと解除機能を作動不可能な状態から作動可能な状態に移行させることができないため、安全性が高まる。
【0021】
ハンディキーとは別に、物品監視装置に対して解除信号を発信する機能を有しないと共にハンディキーに対して使用許可信号を発信してハンディキーの解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有するマスターキーを備えると、ハンディキーが不正に持ち出されたとしても、ハンディキーの解除機能を作動可能とするにはマスターキーが必要とされるため、よりセキュリティ性が高まる。
【0022】
マスターキーにハンディキーIDの入力に用いる入力部を備え、入力部から入力されたハンディキーIDがマスターキーからハンディキーに対して転送され、ハンディキーではハンディキーの記憶部に記憶されたハンディキーIDと転送されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると解除機能を作動可能とすると、作動不可能となった解除機能を作動可能とするには、マスターキーを使用しかつハンディキーIDを知っていることが必要となるため、よりセキュリティ性が高まる。
【0023】
マスターキーに、マスターキーIDの入力に用いる入力部と、マスターキーIDを記憶する記憶部とを備え、入力部から入力されたマスターキーIDと記憶部に記憶されたマスターキーIDとを照合し、両IDが一致するとマスターキーの解除可能化機能を作動可能とすると、マスターキーが不正に使用されるのを防止することができる。
【0024】
マスターキーに、ハンディキーの電池を充電する専用の充電部を備えると、ハンディキーの充電はマスターキーでしか行えないため、仮にハンディキーが不正に持ち出されたとしても、不正に充電されてハンディキーが使用されるのを防止することができる。
【0025】
充電部に、ハンディキーに対して信号を発信するマスター信号発信部を備えると、ハンディキーの充電と共にハンディキーへの信号の発信を行うことができ、操作性が向上する。
【0026】
ハンディキーの電源オフ時に解除不能化機能が作動するようにすると、何者かが、店員に気付かれずにゲートを通過してハンディキーを持ち出すためにハンディキーの電源をオフにしても、そのハンディキーを使用して物品監視装置の監視機能を解除することはできなくなる。
【0027】
ハンディキーの電池の電源容量低下時に解除不能化機能が作動するようにすると、仮にハンディキーが持ち出されたとしても、時間の経過によって物品監視装置の監視機能を解除することができなくなる。
【0028】
解除可能化機能の作動時にブザーを鳴動させると、ハンディキーから物品監視装置に対して解除信号が発信可能となったことを店員が容易に確認することができる。
【0029】
解除不能化機能の作動時にブザーを鳴動させると、ハンディキーが不正に持ち出されたり、不正な使用がなされたり、タイムアウト時間が経過したりしたことを店員が把握することができる。
【0030】
解除不能化機能の作動後、解除機能が作動可能となるまでブザーの鳴動を続けるようにすると、ハンディキーが不正に持ち出されたり不正な使用がなされたりしたことを店員がより把握しやすくなると共に、ハンディキーを店外に持ち出そうとした者を特定することができる。
【0031】
ハンディキーに、ゲートの通過時にゲートを感知させる内部アンテナを備えると、ハンディキーが不正に持ち出されようとする時にゲートを鳴動させることができ、店員に確実に知らせることができる。
【0032】
以上のように、本発明は、何重もの仕掛けを施すことにより、物品監視装置の監視機能が不正に解除されて物品が盗難にあうのを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(1)第一の形態
図1に示すハンディキー1は、図2に示す物品監視装置2に対してその監視機能を解除する解除信号を発信する解除機能を有すると共に、外部信号を受信して自身の解除機能を作動不可能とする解除不能化機能を有する装置であり、自身の電源のオン/オフを行う電源スイッチ101と、物品監視装置2に対して解除信号を発信する際に押される押しボタン102と、事象の発生に応じて点灯または消灯するLED等の発光部103と、電源となる電池を収容する電池収容部104と、電池収容部104に収容された電池を充電するための充電端子105と、内部のブザーから発せられる音を通過させる放音穴106とを備えている。
【0034】
図2に示す物品監視装置2は、店舗に陳列される物品の盗難防止のために物品に取り付けて使用されるもので、物品から不正に取り外されたり、店舗に設けられたゲートを通過する時にゲートからの信号を受信したりすることによって鳴動する監視機能を有する自鳴式物品監視装置であり、内部のブザーから発せられる音を通過させる放音穴201と、図1に示したハンディキー1から発信される解除信号を受信する受信部202とを備えている。ゲートから発信される信号の周波数は、例えば22kHz、31.5kHz、37.5kHz、8.2MHz、10.5MHz等である。また、磁気信号を使用することもできる。
【0035】
図3に示すデスクトップキー3は、店舗のレジ等の特定の場所に据え付けられて使用されるものであり、物品監視装置2に対して解除信号を発信することにより物品監視装置2の監視機能を解除する解除機能を有し、この解除機能によって物品から物品監視装置2を取り外す際に警報音が鳴らないようにすると共に警報音が鳴っているときにその警報音の鳴動を止めるようにする機能解除装置である。デスクトップキー3は、操作案内等を表示させる表示部301と、各種番号等の入力に用いる入力部302と、レジのカウンター等に固定される被固定部303と、物品監視装置2に対して解除信号を発信する解除信号発信部304とを備えている。デスクトップキー3の電源としては、商用電源を使用することができる。
【0036】
図4に示すマスターキー4は、店舗の事務所等の部外者が立ち入ることができない場所に置かれて使用されるもので、操作案内等を表示させる表示部401と、各種番号等の入力に用いる入力部402と、ハンディキー1を収容して充電するハンディキー1の充電に用いる専用の充電部403とを備えている。図5に示すように、充電部403には、複数のハンディキー1を収容して充電することができる。マスターキー4の電源としては、商用電源を使用することができる。マスターキー4は、デスクトップキー3とは異なり、物品監視装置2に対して解除信号を発信する機能を有しないが、ハンディキー1の解除機能を作動させるための使用許可信号を発信する解除可能化機能を有している。
【0037】
ここで説明する第一の形態においては、図1に示したハンディキー1と、図3に示したデスクトップキー3と、図4に示したマスターキー4とで物品監視装置の機能解除装置が構成される。但し、デスクトップキー3は必須ではない。ハンディキー1が有する解除機能は、マスターキー4から使用許可信号が与えられることにより作動可能となるが、ハンディキー1自身が解除機能を作動可能とする機能を持っていてもよい。
【0038】
図6に示すように、ハンディキー1には、図1に示した各部位に加えて、マスターキー4の充電部403に収容されて充電される電池111と、図1に示した電源スイッチ101の状態や電池111の電源容量を検出する電源検出部112と、各種制御を行うCPU等からなる制御部113と、各種情報を記憶するフラッシュメモリ等からなる記憶部114と、記憶された所定時間の経過を制御部113に通知するタイマー115と、マスターキー4から送信される信号を受信するマスター信号受信部116と、店舗に設置されたゲートから送信される信号(ゲート信号)を受信するゲート信号受信部117と、物品監視装置に対して解除信号を発信する解除信号発信部118と、所定の事象が生じると鳴動するブザー119とを備えている。電池111は、マスターキー4の充電部403によってのみ充電されるものである。また、マスター信号受信部116、ゲート信号受信部117、解除信号発信部118は、アンテナ、変調回路、復調回路等を有する。ゲート信号受信部117は、ゲート信号の周波数や磁気に対応している。ハンディキー1の内部のアンテナは、ハンディキー1が店舗のゲートを通過する際にゲートを感知させてゲートから警報音を鳴らす機能を有する。ハンディキー1が改造されるのを防止するために、内部の回路とアンテナ等とは一体構造とし、エポキシ樹脂等の充填により分解不可能な構造としておくことが望ましい。
【0039】
デスクトップキー3には、図3に示した各部位に加えて、電源スイッチ311と、各種制御を行うマイコン等からなる制御部312と、入力された情報を記憶する記憶部313とを備えている。
【0040】
マスターキー4には、図4及び図5に示した各部位に加えて、電源スイッチ411と、各種制御を行うマイコン等の制御部412と、各種情報を記憶するフラッシュメモリ等からなる記憶部413と、ハンディキー1に対して各種信号を発信するマスター信号発信部414とを備えている。マスター信号発信部414は、ハンディキー1のマスター信号受信部116と電気的に接続される構成としてもよいし、赤外線通信や無線等により非接触状態で接続されるようにしてもよい。図4及び図5に示した例では、充電部403にマスター信号発信部414を備えた構成となっており、この構成においては、ハンディキー1がマスターキー4の充電部403にセットされると、マスター信号発信部414とマスター信号受信部116との間で信号のやりとりが可能となる。
【0041】
図7に示す店舗5の例では、1つの出入口50に物品の盗難防止用の一対のゲート51が設置されており、客が出入りする際にはこの2つのゲート51の間を必ず通るように構成されている。ゲート51は、ハンディキー1のアンテナを感知して鳴動する機能を有する。
【0042】
出入り口50の一方の側方にはレジカウンタ52があり、レジカウンタ52にはデスクトップキー3がネジ止め等によって固定されている。一方、出入り口50のもう一方の側方には、店舗関係者のみが出入りできる事務所53があり、その中にはマスターキー4が設置されている。商品棚54に陳列された個々の物品には、例えば図2に示した物品監視装置2が取り付けられている。物品監視装置2は、物品に貼り付けるタイプ、物品に取り付けてロックするタイプ、ワイヤーを介して物品に取り付けるタイプ等、様々なタイプがある。
【0043】
図1に示したハンディキー1は、店内にいる店員が携帯している。レジカウンタ52を担当する店員がハンディキー1を携帯することもあり、この場合は、必ずしもデスクトップキー3がレジカウンタ52に設置されていなくてもよい。ハンディキー1は、通常は1つの店舗に複数台備えられており、マスターキー4は、1つの店舗に最低1台備えられている。マスターキー4は事務所53に設置されているため、盗難にあう可能性は極めて低いが、机等に固定しておくことが好ましい。
【0044】
以下では、図1〜図7を参照しながら、図8〜図11のフローチャートに沿って、ハンディキー1、デスクトップキー3及びマスターキー4の機能並びにその使用方法や、その使用に基づく物品の盗難を防止する方法について説明する。
【0045】
最初に、デスクトップキー3の機能及び動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。デスクトップキー3の電源を投入すると、最初にデスクトップキーの暗証番号(デスクトップキーID)の入力を促すメッセージが表示部301に表示される。ここで、入力部302からデスクトップキーIDを入力すると(ステップS11)、記憶部313に記憶されているデスクトップキーIDとの照合が行われ(ステップS12)、一致しない場合はエラーとなって再入力が要求され、一致するまではデスクトップキー3が使用不可能な状態となり、物品監視装置の監視機能を解除することはできない。なお、デスクトップキー3の出荷時には記憶部313に例えば0000というデスクトップキーIDが記憶されている。また、デスクトップキーIDを一定回数再入力しても一致しない場合には、デスクトップキー3が使用不可能になるようにしてもよい。
【0046】
ステップS12における照合の結果、入力されたデスクトップキーIDと記憶部313に記憶されたデスクトップキーIDとが一致すると、デスクトップキー3が解除可能な状態となり、表示部301にメニュー画面が表示される(ステップS13)。ここで、解除可能な状態とは、物品監視装置2に対して解除信号を発信できる状態、換言すれば、解除機能が作動可能な状態であり、使用不可能な状態とは、物品監視装置2に対して解除信号を発信できない状態、すなわち解除機能が作動不可能な状態である。
【0047】
メニュー画面では、「デスクトップキーID変更」、「機能解除」が表示され、いずれかを選択することができる。入力部302を操作して「デスクトップキーID変更」を選択すると、現在のデスクトップキーIDの入力を促す画面が表示部301に表示される。ここで現在のデスクトップキーIDを入力すると(ステップS14)、入力されたデスクトップキーIDと記憶部313に記憶されたデスクトップキーIDとが照合され(ステップS15)、両IDが一致しない場合は再入力を要求する画面が表示され、一致した場合は新しいデスクトップキーIDの入力を要求する画面が表示部301に表示される。そしてここで新しいデスクトップキーIDを入力すると、そのデスクトップキーIDが記憶部313に上書きして記憶される(ステップS16、S17)。
【0048】
一方、「機能解除」を選択した場合も、現在のデスクトップキーIDの入力を促す画面が表示部301に表示される。ここで現在のデスクトップキーIDを入力すると(ステップS18)、入力されたデスクトップキーIDと記憶部313に記憶されたデスクトップキーIDとが照合され(ステップS19)、両IDが一致しない場合は再入力を要求する画面が表示部301に表示される。一方、両IDが一致した場合は、客が会計を済ませるためにレジに持ってきた物品に取り付けられた物品監視装置に対して解除信号が発信される(ステップS20)。この信号を受信した物品監視装置2は、自身の監視機能を停止させる。これによって、物品から物品監視装置を取り外しても警報音が鳴らない状態となる。図7に示した例では、レジカウンタ52に固定されたデスクトップキー3の解除信号発信部304から購入対象の物品に取り付けられた物品監視装置2に対して解除信号が発信されることで、警報音を鳴らすことなく物品監視装置2を物品から取り外すことができる。
【0049】
次に、マスターキー4の機能及び動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。マスターキー4の電源をオンとすると、最初にマスターキーの暗証番号(マスターキーID)の入力を促すメッセージが表示部401に表示される。ここで、入力部402からマスターキーIDを入力すると(ステップS21)、記憶部413に記憶されているマスターキーIDとの照合が行われ(ステップS22)、一致しない場合はエラーとなって再入力が要求され、一致するまではマスターキー3が使用不可能な状態となる。なお、マスターキー4の出荷時には記憶部413に例えば0000というマスターキーIDが記憶されている。また、マスターキーIDを一定回数再入力しても一致しない場合には、マスターキー4が使用不可能になるようにしてもよい。
【0050】
ステップS22における照合の結果、入力されたマスターキーIDと記憶部413に記憶されたマスターキーIDとが一致すると、マスターキー4が使用可能な状態となり、表示部401にメニュー画面が表示される(ステップS23)。ここで、使用可能な状態とは、図9に示す「マスターキーID変更」、「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「ハンディキー使用許可」という各機能が作動可能な状態である。「ハンディキー使用許可」の機能が作動可能となることで、解除可能化機能が作動可能となる。
【0051】
ステップS23で表示されるメニュー画面では、「マスターキーID変更」、「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「ハンディキー使用許可」が表示され、いずれかを選択することができる。ここで、入力部402の操作により「マスターキーID変更」を選択すると、現在のマスターキーIDの入力を促す画面が表示部401に表示される。そして、入力部402から現在のマスターキーIDが入力されると(ステップS24)、制御部412において、入力されたマスターキーIDと記憶部413に記憶されたマスターキーIDとが照合され(ステップS25)、両IDが一致しない場合は、マスターキーIDを変更することはできない。一方、両IDが一致すると、表示部401に新しいマスターキーIDの入力を促す画面が表示され、ここで新しいマスターキーIDが入力部402から入力されると、そのマスターキーIDが記憶部413に記憶され、変更が完了する(ステップS26)。このように、マスターキーIDの変更操作の前に現在のマスターキーIDの入力を求め、入力されたマスターキーIDが設定済みのマスターキーIDと一致した場合に限りマスターキーIDの変更を認めるようにすることで、現在のマスターキーIDを知らないとマスターキーIDの変更を行うことができないため、マスターキーIDが不正に書き換えられて使用されるのを防止することができる。
【0052】
ステップS23で表示されたメニュー画面において「ハンディキーID変更」を選択すると、充電部403へのハンディキー1のセットとハンディキー1の電源の投入を指示するメッセージが表示部401に表示され、ここでハンディキー1を充電部403にセットしハンディキー1の電源スイッチ101をオンとすると(ステップS27)、現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示される。そして、現在のハンディキーIDを入力部402から入力すると、制御部412による制御の下でそのハンディキーIDがマスター信号発信部414からハンディキー1に送信される(ステップS28)。ハンディキーIDは、個々のハンディキーごとに個別に付してもよいし、すべてのハンディキーに同一のハンディキーIDを付してもよい。ハンディキー1では、図10に示すように、マスターキー4から入力され送信されたハンディキーID情報を受信し(ステップS50)、ハンディキー1の記憶部114に記憶されたハンディキーIDと照合する(ステップS51)。そして、両IDが一致していればOKメッセージ情報を作成し(ステップS52)、一致していなければNGメッセージ情報を作成し(ステップS53)、いずれかのメッセージ情報をマスターキー4に送信する(ステップS54)。マスターキー4ではこのメッセージ情報を受信してOKメッセージかNGメッセージかを判断し(ステップS29、S30)、NGメッセージであればエラーである旨を表示部401に表示させる(ステップS31)。一方、OKメッセージであれば、新しいハンディキーIDの入力を促す画面を表示部401に表示させ、新しいハンディキーIDが入力部402から入力されると、そのハンディキーIDをハンディキー1に送信する(ステップS32)。このように、ハンディキーIDを変更するにあたっては、現在のハンディキーIDを知っていることが条件となるため、ハンディキーIDの不正な書き換えを防止することができる。なお、ハンディキー1におけるハンディキーID変更処理については後述する。
【0053】
ステップS23で表示されたメニュー画面において「タイムアウト時間設定」を選択すると、充電部403へのハンディキー1のセットとハンディキー1の電源の投入を指示するメッセージが表示部401に表示され、ここでハンディキー1を充電部403にセットすると共にハンディキー1の電源スイッチ101をオンとすると(ステップS33)、現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示される。そして、現在のハンディキーIDを入力部402から入力すると、制御部412による制御の下でそのハンディキーIDがマスター信号発信部414からハンディキー1に送信される(ステップS34)。そしてハンディキーにおいては、図10に示した前述のステップS50〜S54の処理がなされ、マスターキー4ではハンディキー1から送信されたメッセージを受信してOKメッセージかNGメッセージかを判断し(ステップS35、S36)、NGメッセージである場合はエラーである旨を表示部401に表示させる(ステップS37)。一方、OKメッセージである場合は、表示部401にタイムアウト時間の入力を促す画面を表示させる。このタイムアウト時間は、ハンディキー1の電源を自動的にオフにするか、または、解除信号の発信機能(解除機能)を作動不可能とする機能(解除不能化機能)を作動させるまでの所定時間のことであり、入力部402からタイムアウト時間が入力されると、マスターキー4からハンディキー1に対し、そのタイムアウト時間情報を含むタイムアウト時間設定信号がハンディキー1に送信される(ステップS38)。その後のハンディキー1における処理については後述する。
【0054】
メニュー画面において「ハンディキー使用許可」を選択すると、充電部403へのハンディキー1のセットとハンディキー1の電源の投入を指示するメッセージが表示部401に表示される。そして、ハンディキー1を充電部403にセットすると共にハンディキー1の電源スイッチ101をオンとすると(ステップS39)、現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示される。そして、現在のハンディキーIDを入力部402から入力すると、マスターキー4の制御部412による制御の下でそのハンディキーIDがマスター信号発信部414からハンディキー1に転送される(ステップS40)。そしてハンディキーにおいては、図10のステップS50〜S54の処理がなされ、マスターキー4ではハンディキー1から送信されたメッセージを受信してOKメッセージかNGメッセージかを判断し(ステップS41、S42)、NGメッセージである場合はエラーである旨を表示部401に表示させる(ステップS43)。一方、OKメッセージである場合は、制御部412の制御の下でマスター信号発信部414からハンディキー1に対して使用許可信号を送信する(ステップS44)。ハンディキー1におけるその後の処理については後述する。
【0055】
なお、ハンディキーID変更、タイムアウト時間設定、ハンディキー使用許可に関する処理は、マスターキー4とハンディキー1との間での信号のやりとりが可能な状態であれば、ハンディキー1を充電部403にセットせずに行うようにすることもできる。
【0056】
次に、ハンディキー1の機能及び動作について説明する。図11に示すように、ハンディキー1は、電源が投入されている状態において何らかの事象が発生すると、例えば制御部113に対する割り込み処理によって個々の事象に対応する処理を行う(ステップS51)。
【0057】
図9のステップS28に示したように、ハンディキーID変更のためにマスターキー4から現在のハンディキーIDが送信されると、ハンディキー1では、図10に示したステップS50〜S54のID照合処理を行う(ステップS52)。そして、照合処理においてハンディキーIDが一致した場合は、マスターキー4から新しいハンディキーIDが送信されるため(ステップS32)、ハンディキー1ではこれを受信し記憶部114に上書き記憶し、ハンディキーID変更処理が完了する(ステップS53)。
【0058】
図9のステップS34に示したように、タイムアウト時間の設定のためにマスターキー4から現在のハンディキーIDが送信されると、ハンディキー1では、図10に示したステップS50〜S54のID照合処理を行う(ステップS54)。そして、照合処理においてハンディキーIDが一致した場合は、マスターキー4からタイムアウト時間設定信号が送信されるため(ステップS38)、ハンディキー1ではそのタイムアウト時間設定信号を受信し(ステップS55)、その信号に含まれるタイムアウト時間情報をタイマー115に記憶する(ステップS56)。このタイムアウト時間情報がタイマー115に設定されることによりタイマー115が作動し、そのタイムアウト時間経過後に、ハンディキー1が有する解除不能化機能が自動的に作動する。
【0059】
図9のステップS40に示したように、ハンディキーを解除可能状態とするためにマスターキー4から現在のハンディキーIDが送信されると、ハンディキー1では、図10に示したステップS50〜S54のID照合処理を行う(ステップS57)。そして、照合処理においてハンディキーIDが一致した場合は、マスターキー4から使用許可信号が送信されるため(ステップS44)、ハンディキー1ではこの使用許可信号を受信する(ステップS58)。そして、この信号を受信すると、ハンディキー1は、解除信号発信部118から物品監視装置2に対して解除信号を発信できる状態、すなわち解除機能を作動可能な状態(解除可能状態)とする(ステップS59)。これが解除可能化機能である。このとき、解除可能化機能が作動して解除可能状態となったことを店員に知らせるため、制御部113は発光部103を点灯させると共にブザー119を鳴動させる(ステップS60、S61)。一方、ステップS57のID照合処理においてIDが一致しなかった場合はマスターキー4から使用許可信号が発信されないため、解除機能が作動不可能となった状態(解除不可能状態)のままとなる。なお、解除可能状態または解除不可能状態は、例えば記憶部114に設けたフラグの値によって設定することができるが、この方法には限定されない。
【0060】
図1に示した押しボタン102が押されると、制御部113では、ハンディキー1が解除可能状態な状態かどうかを判断する(ステップS62)。そして、解除可能状態であれば解除信号を発信して解除機能を作動させ(ステップS63)、物品監視装置2の監視機能を解除する。また、制御部113は、解除信号が発信されたことを店員に知らせるために、発光部103を点灯させると共にブザー119を鳴動させる(ステップS64、S65)。一方、ハンディキー1が使用不可能状態であれば、解除信号を送信しない。
【0061】
このようにしてハンディキー1が解除可能状態となっている場合でも、電源スイッチ101をオフにする操作、電池111の容量切れ、タイムアウト時間の経過、ゲートからの信号の受信という要因によって、ハンディキー1は自動的に解除可能状態となる。そして、解除不可能状態において押しボタン102が押されても、解除信号が発信されることはない。以下にその詳細を説明する。
【0062】
例えば、ハンディキー1を何者かが店外に持ち出そうとすると、そのハンディキー1は、図7に示したゲート51から外部信号であるゲート信号を受信する。そうすると、ハンディキー1では、解除不能化機能を作動させて、具体的には例えば制御部113が記憶部114に設けたフラグの値を書き換えることによって、ハンディキー1を使用不可能状態とし(ステップS66)、発光部103を発光させると共に(ステップS67)、ブザー119から警報音を鳴動させる(ステップS68)。このように、ゲート信号の受信によりすぐにハンディキー1が使用不可能となり、しかも解除可能状態にすることができるのはマスターキー4だけであるため、そのハンディキー1が不正に利用されるのを防止することができる。また、この警報音は、そのハンディキー1に対してマスターキー4から使用許可信号を送ってハンディキー1の解除機能が作動可能となるまで鳴り続けるため、ハンディキー1が持ち出されようとしたことを店員が確実に把握することができる。このときにゲート51がハンディキー1の内部アンテナを感知してゲート51から警報音を発するようにしてもよい。
【0063】
また、ステップS56においてタイムアウト時間が設定されると、そのタイムアウト時間の経過後に、ハンディキー1は、自動的に使用不可能状態となる(ステップS66)。具体的には、上記のように解除可能状態と解除不可能状態とがフラグによって制御されている場合は、タイムアウト時間の経過により、タイマー115が制御部113に対して割り込みをかけることにより、解除不可能状態をあらわす値にフラグをセットする。解除不可能状態となると、制御部113は、発光部103を発光させると共に(ステップS67)、ブザー119を鳴動させる(ステップS68)。このようにしてタイムアウト時間経過後にハンディキー1を解除不可能とすることにより、仮にハンディキー1がゲート信号を受信せずに持ち出されてしまったとしても、例えば店舗が開く前に所定のタイムアウト時間をタイマー115にセットしておけば、ハンディキー1が盗難にあったとしても、タイムアウト時間経過後に解除不可能状態となり、しかもハンディキー1を解除可能状態にすることができるのはマスターキー4のみであるため、そのハンディキー1が他店に持ち込まれて使用されるのを防止することができる。
【0064】
図1に示したハンディキー1の電源スイッチ101をオフにすると、そのことを図6に示した電源検出部112が検知し、例えば記憶部114のフラグの値を書き換え解除不能化機能を作動させて解除不可能状態とする(ステップS66)。ハンディキー1の電池111の電源容量が低下して予め設定された所定の値以下となった場合も同様である(ステップS66)。いずれの場合も、次に電源を投入した際に、発光部103を発光させると共に(ステップS67)、ブザー119から警報音を鳴動させる(ステップS68)。この警報音は、マスターキー4から使用許可信号を受信するか電源をオフにしないかぎりは鳴り続ける。電源をオフとした後に電源を投入しても、解除不可能状態となったままであり、マスターキー4から使用許可信号を送信しないかぎりは解除可能状態にすることはできない。
【0065】
以上のように、本発明では、ハンディキー1が解除可能な状態であっても、一定の要因により使用不可能な状態になるため、ハンディキー1が不正に持ち出されたとしても、物品監視装置の監視機能が解除されてしまうのを防止することができる。
【0066】
(2)第二の形態
図12に示すハンディキー6は、基本的には図1、6に示したハンディキー1と同様の機能を有するものであるが、テンキーを含む複数のボタンからなる入力部60及び表示部61を備えており、入力部60をハンディキーID及びタイムアウト時間の入力並びに使用許可の操作に用いることができる。また、ハンディキー6は、ハンディキー1における押しボタン102を有していないが、入力部60を構成する複数のボタンのうちの一つ、例えばボタン60aは、物品監視装置に対して解除信号を発信するための解除ボタンとして機能する。なお、図12のハンディキー6において、図1及び図6に示したハンディキー1と共通する部位については同一の符号を付し、その説明は省略することとする。
【0067】
ハンディキー6は、入力部60及び表示部61を有するため、図9に示したマスターキー4の「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という機能をハンディキー6自身で行うことができ、必ずしもマスターキー4は必須とはならない。すなわちその場合は、ハンディキー6が単体で物品監視装置の機能解除装置となる。但し、ハンディキー6が入力部60及び表示部61を有していても、図6のハンディキー1と同様にマスター信号受信部116を有していれば、図9に示したようにマスターキー4の操作によって「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という機能を実現することもできる。また、これらの機能の一部をマスターキー4において行い、その一部以外をハンディキー6において行うこともできる。「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という機能をハンディキー6自身ですべて行う場合は、ハンディキー6にマスター信号受信部116を備える必要はない。以下では、これらの機能をすべてハンディキー6において行う場合について、図6、図12及び図13を参照して説明する。
【0068】
ハンディキー1は、電源が投入されている状態において何らかの事象が発生すると、例えば制御部113に対する割り込み処理によって個々の事象に対応する処理を行う(ステップS71)。表示部61には、例えばメニューとして「ハンディキーID変更」、「タイムアウト時間設定」、「使用許可」という項目が表示されている。これらの項目から「ハンディキーID変更」を選択すると、表示部61に現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示され、入力部60からハンディキーIDを入力すると(ステップS72)、入力されたハンディキーIDと記憶部114に記憶されたハンディキーIDとが照合され(ステップS73)、一致しない場合はエラーである旨が表示され(ステップS74)、一致した場合は新しいハンディキーIDの入力を促す画面が表示部61に表示される。そして、新しいハンディキーIDを入力部60から入力すると、そのハンディキーIDが記憶部114に記憶されハンディキーIDの変更処理が完了する(ステップS75)。
【0069】
メニュー画面において「タイムアウト時間設定」を選択すると、表示部61に現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示され、入力部60からハンディキーIDを入力すると(ステップS76)、入力されたハンディキーIDと記憶部114に記憶されたハンディキーIDとが照合され(ステップS77)、一致しない場合はエラーである旨が表示され(ステップS78)、一致した場合はタイマーに設定する時間の入力を促す画面が表示部61に表示される。このタイムアウト時間は、ハンディキー6の電源を自動的にオフにするか、または、解除信号の発信機能(解除機能)を作動不可能とする機能(解除不能化機能)を作動させるまでの所定時間のことであり、タイムアウト時間を入力部60から入力すると(ステップS79)、そのタイムアウト時間情報がタイマー115に記憶される(ステップS80)。このタイムアウト時間情報がタイマー115に設定されることによりタイマー115が作動し、そのタイムアウト時間が経過することによって、ハンディキー1が有する解除不能化機能が自動的に作動する。
【0070】
メニュー画面において「使用許可」を選択すると、表示部61に現在のハンディキーIDの入力を促す画面が表示され、入力部60からハンディキーIDを入力すると(ステップS81)、入力されたハンディキーIDと記憶部114に記憶されたハンディキーIDとが照合され(ステップS82)、一致しない場合はエラーである旨が表示され(ステップS83)、一致した場合は、例えば制御部412が記憶部114に設けたフラグの値を書き換えることによって、ハンディキー6の解除機能を作動可能とする(解除可能化機能、ステップS84)。そして、ハンディキー6が解除可能となったことを店員に知らせるために、発光部103を点灯させ(ステップS85)、ブザー119を鳴動させる(ステップS86)。
【0071】
入力部60を構成するボタンのうち解除ボタン60aが押されると、制御部113では、ハンディキー6が解除可能状態な状態かどうかを判断する(ステップS87)。そして、解除可能状態であれば解除信号を発信し(ステップS88)、物品監視装置2の監視機能を解除する。また、制御部113は、解除信号が発信されたことを店員に知らせるために、発光部103を点灯させ(ステップS89)、ブザー119を鳴動させる(ステップS90)。一方、ハンディキー1が解除不可能状態であれば、解除信号を発信しない。このとき、解除信号が発信されなかった旨を表示部61に表示させるようにしてもよい。
【0072】
このようにしてハンディキー1が解除可能状態となっている場合において、電源スイッチ101をオフにする操作、電池111の電源容量が所定の値以下となったこと、タイムアウト時間の経過、ゲート信号の受信という要因によって、解除不能化機能が作動すると、ハンディキー1は自動的に解除不可能状態となる(ステップS91)。具体的には、これらのいずれかの要因によって、例えば制御部113が記憶部114に設けたフラグの値を書き換えることによって、ハンディキー1を解除不可能状態とし、発光部103を発光させると共に(ステップS92)、ブザー119から警報音を鳴動させる(ステップS93)。この警報音は、ハンディキー1の解除機能が作動可能となるまで鳴り続ける。解除不可能状態において解除ボタン60aが押されても、解除信号が発信されることはない。ゲート信号の受信を要因とする場合は、ゲート51がハンディキー6の内部アンテナを感知してゲート51から警報音を発するようにしてもよい。
【0073】
ゲート信号の受信によりハンディキー6が解除不可能状態になると、そのハンディキーが持ち出されても使用することができず、しかもハンディキーIDを知らないと解除可能状態にすることができないため、そのハンディキー6が他店に持ち込まれて使用されるのを防止することができる。
【0074】
タイムアウト時間経過によりハンディキー6が解除不可能状態になると、仮にハンディキー6がゲート信号を受信せずに持ち出されてしまったとしても、所定のタイムアウト時間をタイマー115にセットしておけば、ハンディキー6が盗難にあったとしても、タイムアウト時間経過後に使用不可能状態となり、ハンディキーIDを知らないと解除可能状態にすることができないため、そのハンディキー6が他店に持ち込まれて使用されるのを防止することができる。
【0075】
電源のオフまたは電池111の容量切れによりハンディキー6が解除不可能状態になると、その後に電源を投入しても、解除不可能状態となったままであり、ハンディキーIDを知らないと解除可能状態にすることはできない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、マスターキーがハンディキーを制御し、ハンディキーが物品監視装置を制御するか、またはマスターキーなしにハンディキーが物品監視装置を制御するように構成されるものであり、ハンディキーが不正に取得されると物品監視装置の機能を解除する解除機能が作動しなくなるため、物品監視装置の監視機能が不正に解除されるのを防止することができ、物品の盗難防止に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】ハンディキーの一例を示す斜視図である。
【図2】物品監視装置の一例を示す斜視図である。
【図3】デスクトップキーの一例を示す斜視図である。
【図4】マスターキーの一例を示す斜視図である。
【図5】充電部にハンディキーが収容された状態を示す斜視図である。
【図6】物品監視装置の機能解除装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】店舗レイアウトの一例を示す平面図である。
【図8】デスクトップキーにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】マスターキーにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】ハンディキーIDの照合処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】ハンディキーにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】ハンディキーの第二の例を示す斜視図である。
【図13】ハンディキーにおける処理の第二の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1:ハンディキー
101:電源スイッチ 102:押しボタン 103:発光部 104:電池収容部
105:充電端子 106:放音穴
111:電池 112:電源検出部 113:制御部 114:記憶部
115:タイマー 116:マスター信号受信部 117:ゲート信号受信部
118:解除信号発信部 119:ブザー
2:物品監視装置
201:放音穴 202:受信部
3:デスクトップキー
301:表示部 302:入力部 303:被固定部 304:解除信号発信部
311:電源スイッチ 312:制御部 313:記憶部
4:マスターキー
401:表示部 402:入力部 403:充電部
411:電源スイッチ 412:制御部 413:記憶部
414:マスター信号発信部
5:店舗
50:出入口 51:ゲート 52:レジカウンタ 53:事務所 54:商品棚
6:ハンディキー
60:入力部 61:表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の盗難を防止するために物品に取り付けられて使用される物品監視装置の監視機能を解除する物品監視装置の機能解除装置であって、
前記監視機能を解除する解除信号を前記物品監視装置に対して発信する解除機能と、前記解除機能を作動不可能とする解除不能化機能とを有するハンディキーを少なくとも備え、
前記解除不能化機能は、店舗に設置されたゲートからの信号を受信して作動する
物品監視装置の機能解除装置。
【請求項2】
前記ハンディキーにタイマーを備え、
前記解除不能化機能は、前記ハンディキーの内部に備えたタイマーに設定されたタイムアウト時間の経過によっても作動する
請求項1に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項3】
前記ハンディキーは、ハンディキーIDの入力に用いる入力部及び前記ハンディキーIDを記憶する記憶部を備え、
前記記憶部に記憶されたハンディキーIDと前記入力部から入力されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有する
請求項1または2に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項4】
前記ハンディキーとは別に、
前記物品監視装置に対して解除信号を発信する機能を有しないと共に、前記ハンディキーに対して使用許可信号を発信して前記ハンディキーの解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有するマスターキーを備えた
請求項1乃至3のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項5】
前記マスターキーには、ハンディキーIDの入力に用いる入力部を備え、
前記マスターキーから前記ハンディキーに対し、前記入力部から入力されたハンディキーIDが転送され、前記ハンディキーでは、前記ハンディキーの記憶部に記憶されたハンディキーIDと前記転送されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記解除機能を作動可能とする
請求項4に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項6】
前記マスターキーには、マスターキーIDの入力に用いる入力部と、マスターキーIDを記憶する記憶部とを備え、前記入力部から入力されたマスターキーIDと前記記憶部に記憶されたマスターキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記マスターキーの解除可能化機能を作動可能とする請求項4または5に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項7】
前記マスターキーには、前記ハンディキーの電池を充電する専用の充電部を備えた
請求項4乃至6のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項8】
前記充電部には、前記ハンディキーに対して信号を発信するマスター信号発信部を備えた
請求項7に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項9】
前記ハンディキーの解除不能化機能は、前記ハンディキーの電源オフ時にも作動する
請求項1乃至8のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項10】
前記ハンディキーの解除不能化機能は、前記ハンディキーの電池の電源容量が所定の値以下に低下したときにも作動する
請求項1乃至9のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項11】
前記ハンディキーの解除可能化機能の作動時にブザーを鳴動させる
請求項3乃至10のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項12】
前記ハンディキーの解除不能化機能の作動時にブザーを鳴動させる
請求項1乃至11のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項13】
前記ハンディキーの解除不能化機能の作動後、前記解除機能が作動可能となるまで、前記ブザーの鳴動を続ける請求項12に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項14】
前記ハンディキーには、前記ゲートの通過時に前記ゲートを感知させる内部アンテナを備えた請求項1乃至13のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項15】
店舗の特定の場所に据え付けられ前記物品監視装置の監視機能を解除する解除信号を前記物品監視装置に対して発信する解除機能を有するデスクトップキーが含まれる請求項1乃至14のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項1】
物品の盗難を防止するために物品に取り付けられて使用される物品監視装置の監視機能を解除する物品監視装置の機能解除装置であって、
前記監視機能を解除する解除信号を前記物品監視装置に対して発信する解除機能と、前記解除機能を作動不可能とする解除不能化機能とを有するハンディキーを少なくとも備え、
前記解除不能化機能は、店舗に設置されたゲートからの信号を受信して作動する
物品監視装置の機能解除装置。
【請求項2】
前記ハンディキーにタイマーを備え、
前記解除不能化機能は、前記ハンディキーの内部に備えたタイマーに設定されたタイムアウト時間の経過によっても作動する
請求項1に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項3】
前記ハンディキーは、ハンディキーIDの入力に用いる入力部及び前記ハンディキーIDを記憶する記憶部を備え、
前記記憶部に記憶されたハンディキーIDと前記入力部から入力されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有する
請求項1または2に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項4】
前記ハンディキーとは別に、
前記物品監視装置に対して解除信号を発信する機能を有しないと共に、前記ハンディキーに対して使用許可信号を発信して前記ハンディキーの解除機能を作動可能とする解除可能化機能を有するマスターキーを備えた
請求項1乃至3のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項5】
前記マスターキーには、ハンディキーIDの入力に用いる入力部を備え、
前記マスターキーから前記ハンディキーに対し、前記入力部から入力されたハンディキーIDが転送され、前記ハンディキーでは、前記ハンディキーの記憶部に記憶されたハンディキーIDと前記転送されたハンディキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記解除機能を作動可能とする
請求項4に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項6】
前記マスターキーには、マスターキーIDの入力に用いる入力部と、マスターキーIDを記憶する記憶部とを備え、前記入力部から入力されたマスターキーIDと前記記憶部に記憶されたマスターキーIDとを照合し、両IDが一致すると前記マスターキーの解除可能化機能を作動可能とする請求項4または5に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項7】
前記マスターキーには、前記ハンディキーの電池を充電する専用の充電部を備えた
請求項4乃至6のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項8】
前記充電部には、前記ハンディキーに対して信号を発信するマスター信号発信部を備えた
請求項7に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項9】
前記ハンディキーの解除不能化機能は、前記ハンディキーの電源オフ時にも作動する
請求項1乃至8のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項10】
前記ハンディキーの解除不能化機能は、前記ハンディキーの電池の電源容量が所定の値以下に低下したときにも作動する
請求項1乃至9のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項11】
前記ハンディキーの解除可能化機能の作動時にブザーを鳴動させる
請求項3乃至10のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項12】
前記ハンディキーの解除不能化機能の作動時にブザーを鳴動させる
請求項1乃至11のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項13】
前記ハンディキーの解除不能化機能の作動後、前記解除機能が作動可能となるまで、前記ブザーの鳴動を続ける請求項12に記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項14】
前記ハンディキーには、前記ゲートの通過時に前記ゲートを感知させる内部アンテナを備えた請求項1乃至13のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【請求項15】
店舗の特定の場所に据え付けられ前記物品監視装置の監視機能を解除する解除信号を前記物品監視装置に対して発信する解除機能を有するデスクトップキーが含まれる請求項1乃至14のいずれかに記載の物品監視装置の機能解除装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−169903(P2009−169903A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10371(P2008−10371)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(598129934)エム・ケー・パビック株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(598129934)エム・ケー・パビック株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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