説明

物品管理ボード

【課題】 背板等にRF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナが配置されていない書棚等の収納部材に収納される物品をRF−IDメディアを用いて管理する。
【解決手段】 棚部を有する収納部材に収納される物品を、該物品の棚部への載置面に取り付けられたRF−IDメディアを用いて管理するための物品管理ボードであって、棚部上に載置可能な形状を有する板状筐体10と、板状筐体10に取り付けられ、RF−IDメディアから情報を読み出すためのアンテナ21−1〜21−8と、板状筐体10に取り付けられ、アンテナ21−1〜21−8を介してRF−IDメディアから情報を読み出す情報読出部42と、板状筐体10に取り付けられ、アンテナ21−1〜21−8のうち情報読出部42にてRF−IDメディアから情報を読み出すためのアンテナを切り替えるアンテナ切替部41とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF−IDメディアを用いて物品を管理するための物品管理ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図書館等において棚に収納された書籍を管理する場合、バーコードや識別番号等のような書籍を管理するための識別情報を書籍の表紙あるいは裏表紙に記載したり、あるいは、該識別情報が印字されたラベルを書籍の表紙あるいは裏表紙に貼付したりしている。このバーコードや識別番号等の識別情報を書籍名と対応づけて管理しておき、書棚の保管場所において、書籍からバーコードや識別番号等の識別情報を読み取ることにより、書籍の在庫管理を行っている。
【0003】
また、近年、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能な非接触型ICタグや非接触型ICラベルといったRF−IDメディアを書籍に貼付しておき、また、書籍が収納される棚の背板に、RF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナを配置しておき、このアンテナを介してRF−IDメディアから情報を読み取り、書籍の在庫管理を行う技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−72919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように、書籍が収納される棚の背板にRF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナを配置しておき、このアンテナを介して、書籍に貼付されたRF−IDメディアから情報を読み取ることにより書籍の在庫管理を行うものにおいては、背板にアンテナが配置された棚を用いてしか、RF−IDメディアが貼付された書籍等の物品を管理することができず、アンテナが配置されていない一般の書棚やキャビネットに収納される物品を管理することができないという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、背板等にRF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナが配置されていない書棚やキャビネット等の収納部材に収納される物品をRF−IDメディアを用いて管理することができる物品管理ボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
棚部を有する収納部材に収納される物品を、該物品の前記棚部への載置面に取り付けられたRF−IDメディアを用いて管理するための物品管理ボードであって、
前記棚部上に載置可能な形状を有する板状筐体と、
前記板状筐体に取り付けられ、前記RF−IDメディアから情報を読み出すための複数のアンテナと、
前記板状筐体に取り付けられ、前記アンテナを介して前記RF−IDメディアから情報を読み出す情報読出手段と、
前記板状筐体に取り付けられ、前記複数のアンテナのうち前記情報読出手段にて前記RF−IDメディアから情報を読み出すためのアンテナを切り替えるアンテナ切替手段とを有する。
【0007】
また、前記板状筐体は、前記アンテナを任意の位置に着脱可能に構成された取り付け部を有することを特徴とする。
【0008】
また、前記板状筐体は、前記取り付け部にて取り付けられたアンテナの位置が外部から認識可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記複数のアンテナのそれぞれに接続された複数の発光手段を有し、
前記板状筐体は、前記アンテナが前記取り付け部に取り付けられた場合に該アンテナに接続された発光手段の駆動状態が外部から視認可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記アンテナと前記板状筐体の前記棚部への載置面との間に、磁性層が設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記のように構成された本発明においては、収納部材の棚部上に物品管理ボードを載置し、その上に、RF−IDメディアが取り付けられた物品を、RF−IDメディアが取り付けられた面を載置面として載置すると、板状筐体に取り付けられた情報読出手段と物品に取り付けられたRF−IDメディアとが、板状筐体に取り付けられた複数のアンテナを介して通信し、情報読出手段においてアンテナを介してRF−IDメディアから情報が読み出される。
【0012】
このように、RF−IDメディアが取り付けられた物品が収納される収納部材の棚部上に物品管理ボードを載置することにより、物品に取り付けられたRF−IDメディアから情報が読み出され、読み出された情報を用いて物品が管理されることになるので、背板等にRF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナが配置されていない書棚やキャビネット等の収納部材に収納される物品についても、物品に取り付けられたRF−IDメディアを用いて管理することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明においては、RF−IDメディアが取り付けられた物品が収納される収納部材の棚部上に物品管理ボードを載置することにより、物品に取り付けられたRF−IDメディアから情報が読み出される構成としたため、背板等にRF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナが配置されていない書棚やキャビネット等の収納部材に収納される物品についても、物品に取り付けられたRF−IDメディアを用いて管理することができる。
【0014】
また、板状筐体が、アンテナを任意の位置に着脱可能に構成された取り付け部を有するものにおいては、RF−IDメディアが取り付けられた物品の大きさや収納位置に応じて、物品が物品管理ボード上に載置された場合にRF−IDメディアと対向する位置にアンテナを取り付けることができ、それにより、アンテナの電力を、対向する領域のみにて通信するようなものとすることができ、RF−IDメディアから情報を確実に読み出すことができながらもアンテナどうしの干渉を防止することができる。
【0015】
また、板状筐体が、取り付け部にて取り付けられたアンテナの位置が外部から認識可能に構成されているものにおいては、RF−IDメディアがアンテナと対向するように物品を載置することができる。
【0016】
また、複数のアンテナのそれぞれに接続された複数の発光手段を有し、板状筐体が、アンテナが取り付け部に取り付けられた場合にそのアンテナに接続された発光手段の駆動状態が外部から視認可能に構成されているものにおいては、複数のアンテナのうち電流が流れているアンテナに接続された発光手段を駆動させることにより、物品の収納位置を検出するために電流が流れているアンテナを示したり、物品の収納位置を示したりすることができる。
【0017】
また、アンテナと板状筐体の棚部への載置面との間に、磁性層が設けられているものにおいては、この物品管理ボードを金属製の棚部上に載置した場合であっても、磁束の発生が阻害されて通信ができなくなってしまう可能性を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の物品管理ボードの実施の一形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は内部構造を示す図である。
【0020】
本形態は図1に示すように、板状筐体10内に8つのアンテナ基板20−1〜20−8が取り付けられて構成されている。
【0021】
アンテナ基板20−1〜20−8のそれぞれには、RF−IDメディアと共振することによりRF−IDメディアから情報を読み出すためのコイル状のアンテナ21−1〜21−8が形成されるとともに、アンテナ21−1〜21−8に電流が流れた場合に点灯する発光手段であるLED23−1〜23−8が接続されている。
【0022】
板状筐体10には、その上面に、アンテナ基板20−1〜20−8を取り付けるための取り付け部となる取り付け穴13が設けられており、アンテナ基板20−1〜20−8は、この取り付け穴13にて取り付け用ビス22を用いてそれぞれ板状筐体10に取り付けられている。なお、取り付け穴13は、取り付け用ビス22を用いてアンテナ基板20−1〜20−8を板状筐体10に取り付けた場合に取り付け用ビス22の一部が板状筐体10の上面から突出しないように段差を有する構造となっていることが好ましい。また、板状筐体10の前面には、取り付け穴13によるアンテナ基板20−1〜20−8の取り付け位置に対応して窓12−1〜12−8が設けられており、アンテナ基板20−1〜20−8に接続されたLED23−1〜23−8が点灯した場合、この窓12−1〜12−8を介してその点灯状態を確認できるようになっている。また、板状筐体10の上面のうち、窓12−1〜12−8が設けられた前面側は、一部が透明部11となっており、透明部11を介してアンテナ基板20−1〜20−8の一部が外部から視認可能となり、それにより、アンテナ基板20−1〜20−8が取り付けられた位置が外部から認識可能となっている。なお、この領域は、アンテナ基板20−1〜20−8が取り付けられた位置が外部から認識可能であれば、透明ではなく半透明であってもよい。
【0023】
また、板状筐体10の内部には、8つのアンテナ21−1〜21−8を介してのRF−IDメディアからの情報の読み出しを制御するための制御基板40が取り付けられており、制御基板40には、アンテナ21−1〜21−8を介してRF−IDメディアから情報を読み出す情報読出部42と、アンテナ21−1〜21−8への電流の供給を切り替えることにより、情報読出部42にてRF−IDメディアから情報を読み出すためのアンテナを切り替えるアンテナ切替器41と、外部に設けられたパソコン等の制御機器との通信を制御したり、制御基板40への電源供給を制御したりする制御部43とが設けられている。また、アンテナ基板20−1〜20−8と板状筐体10の下面との間には、磁性層30が設けられている。この磁性層30は、板状筐体10の下面の内部側に、公知の磁性シートを貼付したり、磁性体を塗布したりすることによって設けることが考えられる。また、本形態においては、アンテナ基板20−1〜20−8と板状筐体10の下面との間にそれぞれ磁性層30が設けられているが、アンテナ基板20−1〜20−8が設けられた面の全面と板状筐体10の下面との間に1つの磁性層を設けることも考えられる。また、板状筐体10の下面の内部側ではなく外部側に磁性層を設けることも考えられる。
【0024】
なお、図1においては、板状筐体10に取り付け可能なアンテナ基板20−1〜20−8の数及び板状筐体10に設けられた窓12−1〜12−8の数をそれぞれ8つとしたが、本発明はこれらの数を8つに限定するものではない。
【0025】
以下に、上記のように構成された物品管理ボード1の使用方法について説明する。
【0026】
図2は、図1に示した物品管理ボード1が収納部材に載置された状態を示す図であり、図3は、図2に示した収納部材2に収納される書類ボックスの構造例を示す図である。
【0027】
図2に示すように、図1に示した物品管理ボード1は、図3に示す書類ボックス4のような物品が載置される棚部3a〜3cを有する収納部材2の棚部3a〜3c上に載置可能な形状であって、この棚部3a〜3c上に載置されて使用される。
【0028】
収納部材2に収納される書類ボックス4は、開口部から書類を収納可能に構成され、収納部材2の棚部3a〜3cへの載置面にはRF−IDメディアである非接触型ICラベル5が貼付され、また、収納部材2に収納された場合に手前側となる面にはバーコード情報6が記載されている。なお、非接触型ICラベル5を書類ボックス4に貼付する位置は書類ボックス4の内側面であってもよく、また、RF−IDメディアとして非接触型ICラベル5を書類ボックス4に貼付するのではなく、RF−IDメディアを書類ボックス4自体に組み込んだり、フィルムケース等によって書類ボックス4に挿入部を設けてそこに収納したりしてもよい。
【0029】
以下に、上述した収納部材2に物品管理ボード1を載置した状態で収納部材2に収納された書類ボックス4を管理する方法について説明する。
【0030】
図4は、図1に示した物品管理ボード1が図2に示した収納部材2に載置された状態で図3に示した書類ボックス4を収納部材2に収納した場合に書類ボックス4を管理する方法を説明するための図である。
【0031】
図4に示すように、図1に示した物品管理ボード1が収納部材2の棚部3a〜3c上に載置され、その物品管理ボード1上に書類ボックス4が載置される。ここで、図4に示した収納部材2の棚部3a,3bにおいては、物品管理ボード1の板状筐体10に設けられた取り付け穴13によって取り付けられたアンテナ基板20−1〜20−8のそれぞれに対向するように8つの書類ボックス4が載置され、それにより、アンテナ基板20−1〜20−8に形成されたアンテナ21−1〜21−8と8つの書類ボックス4にそれぞれ貼付された非接触型ICラベル5とが対向しているが、収納部材2の棚部3cにおいては、取り付け穴13によって8つのアンテナ基板が取り付け可能となる位置のうち、3つの位置のみに対向するように書類ボックス4が載置されている。このため、棚部3c上に載置される物品管理ボード1においては、書類ボックス4が載置される位置に対向する領域、すなわち、窓12−1,12−4,12−7に対応する領域のみの取り付け穴13にて3つのアンテナ基板が取り付けられ、この3つのアンテナ基板に形成されたアンテナと3つの書類ボックス4に貼付された非接触型ICラベル5とがそれぞれ対向するようになっている。このように、物品管理ボード1の板状筐体10に設けられた取り付け穴13によってアンテナ基板が取り付け可能な領域のうち、この物品管理ボード1上に載置される書類ボックス4と対向する領域のみに取り付け穴13にてアンテナ基板を取り付けることにより、書類ボックス4に貼付された非接触型ICラベル5と対向する領域のみにアンテナが設けられることになる。このような構成とすることにより、アンテナの電力を、対向する領域のみにて共振するようなものとすることができ、非接触型ICラベル5から情報を確実に読み出すことができながらもアンテナどうしの干渉を防止することができる。
【0032】
上述したように物品管理ボード1を収納部材2の棚部3a〜3c上に載置した状態で収納部材2に収納された書類ボックス4を管理する場合、まず、管理用パソコン7において、書類ボックス4に収納される書類名と書類ボックス4に記載されたバーコード情報6とを対応づけてデータベース8に登録して管理しておく。これは、例えば、管理用パソコン7に書類ボックス4に収納される書類名を入力するとともに、この書類ボックス4に記載されたバーコード情報を管理用パソコン7に接続されたバーコードリーダー(不図示)にて読み取り、これらを対応づけることや、管理用パソコン7に書類ボックス4に収納される書類に予め書類名と対応づけられたバーコード情報が記載されたバーコードラベルを貼付しておき、このバーコードラベルに記載されたバーコード情報と書類ボックス4に記載されたバーコード情報とをバーコードリーダーにて読み取ってこれらを対応づけること等が考えられる。また、書類ボックス4に記載されたバーコード情報6と書類ボックス4に貼付された非接触型ICラベル5のシリアル番号とを対応づけてデータベース8に登録して管理しておく。
【0033】
その後、書類を検索する場合、検索対象となる書類名を管理用パソコン7に入力すると、まず、管理用パソコン7において、入力された書籍名に対応づけられたバーコード情報がデータベース8から検索され、さらに、このバーコード情報に対応づけられたシリアル番号がデータベース8から検索される。
【0034】
また、管理用パソコン7の制御によって棚部3aに載置された物品管理ボード1に電流が供給され、さらに、アンテナ切替器41の制御によってアンテナ基板20−1〜20−8に形成されたアンテナ21−1〜21−8に高周波電流が順次供給される。この際、アンテナ基板20−1〜20−8には、アンテナ21−1〜21−8と並列にLED23−1〜23−8が接続されているため、アンテナ21−1〜21−8に供給された高周波電流によってLED23−1〜23−8が点灯することになる。すなわち、高周波電流が流れているアンテナ21−1〜21−8に対応するLED23−1〜23−8が順次点灯することになる。なお、LED23−1〜23−8を点灯させるために、アンテナ21−1〜21−8に供給する高周波電流を用いる他にも、アンテナ21−1〜21−8に供給する高周波電流に直流成分を重畳し、この直流成分の電流によってLED23−1〜23−8を点灯させることも考えられる。
【0035】
次に、管理用パソコン7の制御によって棚部3bに載置された物品管理ボード1に電流が供給され、さらに、アンテナ切替器41の制御によってアンテナ基板20−1〜20−8に形成されたアンテナ21−1〜21−8に高周波電流が順次供給される。その後、同様に、管理用パソコン7の制御によって棚部3cに載置された物品管理ボード1に電流が供給され、さらに、アンテナ切替器41の制御によって3つのアンテナ基板に形成されたアンテナにそれぞれ高周波電流が順次供給される。
【0036】
このように、棚部3a〜3cに載置された物品管理ボード1のアンテナにそれぞれ高周波電流が供給されると、情報読出部42において、高周波電流が供給されたアンテナに対向する非接触型ICラベル5からシリアル番号が読み出され、制御部43を介して管理用パソコン7に送信される。
【0037】
管理用パソコン7においては、物品管理ボード1から送信されてきたシリアル番号と、管理用パソコン7に入力された書籍名によってデータベース8から検索されたシリアル番号とが比較され、両者が一致した場合、そのシリアル番号を読み出したアンテナに電流を供給し続け、それにより、そのアンテナが形成されたアンテナ基板に接続されたLEDを点灯させる。これにより、検索対象となる書籍の収納位置が明示されることになる。
【0038】
ここで、収納部材2の棚部3a〜3cが金属製のものである場合、物品管理ボード1を棚部3a〜3c上に載置すると、物品管理ボード1内のアンテナ21−1〜21−8が金属製の棚部3a〜3cと対向することになるため、電磁誘導方式を用いた場合に磁束の発生が阻害され、通信ができなくなる虞れがある。そこで、本形態のように、アンテナ基板20−1〜20−8と板状筐体10の下面との間に磁性層30を設けておけば、金属製の棚部3a〜3c上に物品管理ボード1を載置した場合に、磁束の漏れが小さくなり、通信ができなくなってしまう可能性を低減することができる。なお、棚部3a〜3cが金属製のものではない場合や、アンテナ21−1〜21−8と板状筐体10の下面との距離が長い場合は、磁性層30を必ずしも設ける必要はない。
【0039】
なお、図4に示した例においては、1つの収納部材2に収納された書籍ボックス4を1つの管理用パソコン7にて管理しているが、複数の収納部材2に収納された書籍ボックス4を1つの管理用パソコンにて管理することも考えられる。その場合、1つの収納部材2毎にその収納部材2に設けられる物品管理ボードに電源を供給するための電源及びハブを設けてそれらをLANで接続し、ハブを介して無線あるいは有線LANで1つの管理用パソコン7に接続することになる。
【0040】
また、本形態においては、収納部材2に収納される物品として書類ボックス4を例に挙げて説明したが、収納部材2に収納される物品としては、収納部材2の棚部への載置面に非接触型ICラベル5が貼付されたものであれば書類ボックスに限らない。
【0041】
(他の実施の形態)
図5は、本発明の物品管理ボードの他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【0042】
本形態は図5に示すように、図1に示したものに対して、アンテナ基板20−1〜20−3を取り付けるための取り付け穴113が長穴となっている点と、アンテナ基板20−1〜20−3に接続されたLED23−1〜23−3が点灯した場合にその点灯状態を確認するための窓112が長窓となっている点のみが異なるものである。
【0043】
上記のように構成された物品管理ボード101においては、図1に示したものと比べて、載置される物品の大きさや載置位置に応じてさらに任意の位置にアンテナ基板を取り付けることができる。
【0044】
なお、上述した実施の形態においては、アンテナ基板20−1〜20−8にコイル状のアンテナ21−1〜21−8を形成し、このアンテナ21−1〜21−8と書類ボックス4に貼付された非接触型ICラベル5とを共振させることにより非接触型ICラベル5から情報を読み出す電磁方式によるものを例に挙げて説明したが、アンテナ基板20−1〜20−8にダイポール形態等のアンテナを形成しておき、電波方式によって情報を読み出すことも考えられる。
【0045】
また、板状筐体10,110に取り付け部として取り付け穴13,113を設け、この取り付け穴13,113に取り付け用ビス22を用いてアンテナ基板20−1〜20−8を取り付けているが、板状筐体10,110へのアンテナ基板20−1〜20−8の取り付けはこれに限定されず、公知の手段を用いて行うことも考えられる。
【0046】
また、上述した2つの実施の形態における物品管理ボード1,101においては、収納部材の棚部上に載置した場合に棚部に収納される物品の収納スペースができるだけ狭くならないようにすることが好ましく、そのために、厚さはできるだけ薄い方が好ましい。そのため、例えば、物品管理ボード1,101の大きさとして、幅80cm、奥行き30cm、厚さ2cmのものが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の物品管理ボードの実施の一形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は内部構造を示す図である。
【図2】図1に示した物品管理ボードが収納部材に載置された状態を示す図である。
【図3】図2に示した収納部材に収納される書類ボックスの構造例を示す図である。
【図4】図1に示した物品管理ボードが図2に示した収納部材に載置された状態で図3に示した書類ボックスを収納部材に収納した場合に書類ボックスを管理する方法を説明するための図である。
【図5】本発明の物品管理ボードの他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1,101 物品管理ボード
2 収納部材
3a〜3c 棚部
4 書類ボックス
5 非接触型ICラベル
6 バーコード情報
7 管理用パソコン
8 データベース
10 板状筐体
11 透明部
12−1〜12−8,112 窓
13,113 取り付け穴
20−1〜20−8 アンテナ基板
21−1〜21−8 アンテナ
22 取り付け用ビス
23−1〜23−8 LED
30 磁性層
40 制御基板
41 アンテナ切替器
42 情報読出部
43 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚部を有する収納部材に収納される物品を、該物品の前記棚部への載置面に取り付けられたRF−IDメディアを用いて管理するための物品管理ボードであって、
前記棚部上に載置可能な形状を有する板状筐体と、
前記板状筐体に取り付けられ、前記RF−IDメディアから情報を読み出すための複数のアンテナと、
前記板状筐体に取り付けられ、前記アンテナを介して前記RF−IDメディアから情報を読み出す情報読出手段と、
前記板状筐体に取り付けられ、前記複数のアンテナのうち前記情報読出手段にて前記RF−IDメディアから情報を読み出すためのアンテナを切り替えるアンテナ切替手段とを有する物品管理ボード。
【請求項2】
請求項1に記載の物品管理ボードにおいて、
前記板状筐体は、前記アンテナを任意の位置に着脱可能に構成された取り付け部を有することを特徴とする物品管理ボード。
【請求項3】
請求項2に記載の物品管理ボードにおいて、
前記板状筐体は、前記取り付け部にて取り付けられたアンテナの位置が外部から認識可能に構成されていることを特徴とする物品管理ボード。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の物品管理ボードにおいて、
前記複数のアンテナのそれぞれに接続された複数の発光手段を有し、
前記板状筐体は、前記アンテナが前記取り付け部に取り付けられた場合に該アンテナに接続された発光手段の駆動状態が外部から視認可能に構成されていることを特徴とする物品管理ボード。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物品管理ボードにおいて、
前記アンテナと前記板状筐体の前記棚部への載置面との間に、磁性層が設けられていることを特徴とする物品管理ボード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−56607(P2006−56607A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215833(P2004−215833)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】