説明

物品

本物品は、裏当て材(16)上に保持され、ネスト状形態、好ましくは円筒形態を形成することができる、食器洗い機用洗剤の固形スティックのラック(12)を含む。ネスト状物品は、プラスチックボディの、硬い、丈夫なホルダの中に挿入される。ホルダは、使用中、食器洗い機の中に配置された恒久的な物品であるが、本物品は詰替え品である。使い尽くしたとき、材料の廃物は最小である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品洗浄機械、例えば、食器洗い機あるいは洗濯機用の、洗浄組成物の複数の1回分量要素を含む詰替え品として働く物品に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の第1の側面によれば、固形洗浄組成物の1回分量要素のラックを含む物品が提供され、1回分量要素のラックは、裏当て材上に保持されて、ネスト状形態を形成できる。
【0003】
ラックは、細長い固形の1回分量要素の平行アレイの形態であるのがよい。
【0004】
物品は、平らな形態に作られ、ネスト状形態を形成し、物品洗浄機械の中に配置された、あるいは配置されることになっている、ホルダの中に挿入される。
【0005】
好ましくは、ネスト状形態は、ほぼ円筒形である。
【0006】
好ましくは、ネスト状形態では、裏当て材が外側にあり、従って、1回分量要素は、内方に突出する。しかしながら、ネスト状形態で、裏当て材が内側にあり、従って、1回分量要素が外方に突出する実施形態、例えば、裏当て材の中央芯に1回分量要素が取付けられて、外方に突出する実施形態は排除されない。
【0007】
好ましくは1回分量要素は、ロッドあるいはスティックの形態であり、裏当て材上に互いに実質的に平行に保持される。
【0008】
好ましくは、物品は、少なくとも6個の、より好ましくは少なくとも8個の、最も好ましくは少なくとも10個の1回分量要素を収容する。
【0009】
好ましくは、物品は、20個まで、より好ましくは18個まで、最も好ましくは16個までの1回分量要素を収容する。
【0010】
好ましくは、裏当て材は、シートであり、あるいは、ネスト状形態を達成するように、互いに関節連結された一連の部分、例えばパネルで作られる。裏当て材がシートのとき、物品は、裏当て材を、好ましくは一端が他端に触れ、あるいは重なるまで、丸めることによってネスト状形態を形成することができる。裏当て材が互いに関節連結された一連の部分であるとき、物品は、裏当て材を、好ましくは一端が他端に到達する、あるいは重なるまで、まるめ、あるいは折り曲げることによって、ネスト状形態を形成することができる。
【0011】
好ましくは、ネスト状形態は、裏当て材の一部分を他の部分に、好ましくは一端を他端に固着することによって維持される。固着手段は、便利には、場合によっては物品が広がる、あるいは開くのを防止するように配置された接着テープあるいは他の固定手段であるのがよい。
【0012】
好ましくは、1回分量要素を、障害なしに、そのネスト状位置に形成することができるように、非ネスト状位置の1回分量要素間に小さな隙間がある。
【0013】
好ましくは各1回分量要素は、例えばプラスチック材料のスリーブの中に保持される。変形例では、(特に耐水性材料によって覆われた)ボール紙主体の材料のようなどんな他の適当な材料をも用いることができる。適当な積層を有する積層ボール紙は、用いることができる1つの材料である。各スリーブは、使用中、1回分量要素を流失させる、少なくとも1つの孔を有するのがよい。好ましくは、各スリーブは、両端に2つの孔を有するので、水が一端(使用中の上端)に入り、溶解したあるいは崩れ去った洗浄組成物を水とともに運んで、他端(使用中の下端)を去る。上孔は、適当には、少なくとも10mm2、好ましくは少なくとも30mm2、最も好ましくは少なくとも60mm2の面積のものがよい。適当には、前記上孔は、約50mm2のものがよい。適当には、200mm2まで、好ましくは160mm2まで、最も好ましくは120mm2までのものがよい。スリーブの上面は、適当には、完全に開放されたままであるのがよい。下孔は、適当には、少なくとも3mm2、好ましくは少なくとも6mm2、最も好ましくは少なくとも10mm2の面積のものであるのがよい。適当には、それは、200mm2まで、好ましくは60mm2まで、最も好ましくは20mm2までの面積のものであるのがよい。スリーブの下面は、好ましくは、完全に開放したままではないので、使用中、1回分量要素が溶解するまで、これを所定位置に保持する。1つ以上の中間孔がスリーブの側面、すなわち、上孔と下孔との間にあってもよく、そのサイズは、好ましくは下孔に与えられた上記定義に従う。
【0014】
好ましくは、スリーブは、ワンピースに形成される。そのピースは、1回分量要素が配置される、多区画室を有する成形あるいは熱成形トレイの形態であるのがよい。裏当て材が、1回分量要素を捕捉するために、トレイに固着されるのがよい。そのような実施形態では、トレイおよび裏当て材は、一緒になってスリーブを形成する。
【0015】
1回分量要素は、固形洗浄組成物のものであり、使用中、材料が流失されるまで、材料が、例えば、上述したようにスリーブの中に保持されるならば、そのようなものとして、微粒子材料、例えば、粉末あるいは顆粒のものであってもよい。しかしながら、好ましくは、1回分量要素は、流動できないという意味で、固形洗浄組成物のものである。好ましくは、それらは凝集性の塊のものであり、好ましくは、モールド成形あるいは成形工程、例えば、射出成形、押出し成形、鋳造、あるいは圧縮成形によって形成される。変形例では、1回分量要素は、粘性ゲルあるいはペーストの形態であるのがよく、そのようなゲルあるいはペーストは、好ましくは、それが水と接触して、容器から洗い流されるようなときまで、容器内にとどまる十分粘性である。
【0016】
好ましくは、1回分量要素は、互いに同一である。
【0017】
好ましくは、1回分量要素は、それらの長さに沿った実質的に同じ断面のものであり、特に、好ましくは、テーパしない。
【0018】
本発明の1回分量要素は、好ましくは、一体であるが、ある実施形態では、1回分量要素は、洗浄作業中、洗浄組成物の単一の投入量として働くことができる、端と端を突き合わせられた2つ以上のピースによって構成され、例えば、そのようなピースは、例えば、前述したようなスリーブの保持部分の中に端と端を突き合わせて一緒に保持される。そのような部分は、勿論、また、一体の1回分量要素を保持する。
【0019】
好ましい細長い1回分量要素を更に定義するに当たって、我々は、割合すなわち幅に対する長さを意味するアスペクト比に言及することができる。幅(あるいは厚さ)は、長さに垂直な寸法を意味する。しかしながら、そのような定義は、本発明の1回分量要素は、規則的な形状のものでなくてもよいという事実によって潜在的に複雑になる。例えば、それは、1つあるいは2つの傾斜端を有するかもしれないので、「長さ」は、更なる定義を必要とし、および/または、断面がでこぼこかもしれないので、「幅」は、更なる定義を必要とする。平均値の観点で長さおよび幅を定めるのは論理的かもしれないが、平均値は決定するのが難しく、結局、当業者にとって値の実際の測定以外の数学的な構成となる。
【0020】
前述のコメントを考慮して、我々は、以下のパラメータを用いて細長い1回分量要素を更に定義することを選択した。
最小長さ、最大幅、最大断面積(すなわち、長さに垂直な最も広い面積)、全表面積、および、体積。
平均値を用いるのがより論理的であると考えられるかもしれないとしても、我々は、計算を要求せず測定のみを要求する、これらの最大および最小パラメータを用いることを選ぶ。我々は、それによって、実用的且つ分析できる定義を確実に提供する。ここに表現された全ての数字の定義は、そのようなパラメータに基づく。かくして、例えば、アスペクト比は、最小長さと最大幅の比である。
【0021】
本発明の好ましい1回分量要素の以下の定義は、一体である細長い1回分量要素、および、端と端を突き合わせた2つ以上のピースによって構成された細長い1回分量要素の両方に適用される。後者の実施形態では、以下の定義は、そのような1回分量要素を、それらが一体であるかのように扱い、例えば、長さは、統合された長さを示し、表面積は、端と端を突き合わせた1回分量要素の表面積を示し、分離されたピースの合計された表面積ではない。
【0022】
好ましくは、細長い1回分量要素の長さ(すなわち最小長さ。上記を参照せよ)は、少なくとも4cm、好ましくは少なくとも5cm、好ましくは少なくとも6cmである。
【0023】
好ましくは、細長い1回分量要素の長さは、14cmまで、好ましくは12cmまで、より好ましくは10cmまでである。
【0024】
好ましくは、細長い1回分量要素の厚さ(すなわち最大厚さ。上記を参照せよ)は、少なくとも0.8cm、好ましくは少なくとも1.4cm、好ましくは少なくとも1.8cmである。
【0025】
好ましくは、細長い1回分量要素の厚さは、5cmまで、より好ましくは3.5cmまで、より好ましくは2.5cmまでである。
【0026】
好ましくは、細長い1回分量要素の断面積(すなわち最大断面積。上記を参照せよ)は、少なくとも0.6cm2、好ましくは少なくとも1cm2、好ましくは少なくとも1.5cm2である。
【0027】
好ましくは、細長い1回分量要素の断面積は、5cm2まで、好ましくは3.5cm2まで、より好ましくは2.5cm2までである。
【0028】
好ましくは、細長い1回分量要素の表面積は、少なくとも30cm2、好ましくは少なくとも35cm2、好ましくは少なくとも40cm2である。
【0029】
好ましくは、細長い1回分量要素の表面積は、60cm2まで、好ましくは55cm2まで、好ましくは50cm2までである。
【0030】
好ましくは、細長い1回分量要素の体積は、少なくとも6ml、好ましくは少なくとも9ml、好ましくは少なくとも12mlである。
【0031】
好ましくは、細長い1回分量要素の体積は、25mlまで、好ましくは20mlまで、好ましくは16mlまでである。
【0032】
好ましくは、細長い1回分量要素の重量は、少なくとも8g、好ましくは少なくとも12g、好ましくは少なくとも15gである。
【0033】
好ましくは、細長い1回分量要素の重量は、32gまで、好ましくは26gまで、好ましくは24gまでである。
【0034】
好ましくは、細長い1回分量要素は、少なくとも2:1、好ましくは少なくとも2.5:1、好ましくは少なくとも3:1のアスペクト比(すなわち、最小長さと最大厚さの比、上記を参照せよ)を有する。
【0035】
好ましくは、細長い1回分量要素は、12:1まで、好ましくは8:1まで、好ましくは6:1までのアスペクト比を有する。
【0036】
好ましくは、細長い1回分量要素は、少なくとも2:1、好ましくは少なくとも2.5:1、好ましくは少なくとも3:1の長さ対断面積の比を有する(長さ-1の単位)。
【0037】
好ましくは、細長い1回分量要素は、12:1まで、好ましくは8:1まで、好ましくは6:1までの長さ対断面積の比を有する(長さ-1の単位)。
【0038】
好ましくは、細長い1回分量要素は、少なくとも1.5:1、好ましくは少なくとも2:1、好ましくは少なくとも3:1の表面積対体積の比を有する(長さ-1の単位)。
【0039】
好ましくは、細長い1回分量要素は、8:1まで、好ましくは6:1まで、好ましくは4:1までの表面積対体積の比を有する(長さ-1の単位)。
【0040】
好ましくは、物品は、ネスト状形態において、1回分量要素の各対が、少なくとも1回分量要素の深さの一部、間隙によって分離される。間隙は、好ましくは、裏当てに向って途中まで、例えば、裏当てまでの距離の3分の1と3分の2との間に及ぶ。使用中、ネスト状物品が配置される別々のホルダは、好ましくは、ハブから四方に広がる壁のアレイを有し、物品がホルダの中に配置されるとき、間隙が分割壁と合致しなければならない。間隙と分割壁との間は、一対一対応であるが、好ましくは、分割壁よりも多くの間隙がある。3つあるいは4つの分割壁が、物品をホルダの中に正しく配置させるのにほぼ十分であろう。一般的に、好ましくは3−8個、好ましくは4−6個の分割壁があるということができる。
【0041】
ホルダは、通常、プラスチックボディで、硬く、丈夫であるが、物品は、一旦1回分量要素が無くなってしまうと、軽く、むしろもろくさえある。ホルダは、適当には、裏当て材と、スリーブ(軽い熱成形シートあるいはフィルムであるのがよい)とからなる。物品は、ホルダに保持される詰替え品のつもりである。物品が使い尽くされたとき、材料の廃物は、非常に小さい。かくして、本発明は、望ましい人間工学的な解決手段として理解することができる。
【0042】
本発明のこの第1の側面では、ホルダは本発明の一部ではない。本発明の第2の側面によれば、上述したように、ホルダ内に保持された、上に記載されたような物品をネスト状形態で含む、多回分量の、物品洗浄製品が提供される。
【0043】
好ましくは、ホルダは、ホルダを物品洗浄機械の中に解放可能に保持するための手段を有する。例えば、それは、食器洗い機のラックからホルダを吊るすことができるフック、あるいは、食器洗い機のラックにクランプすることができるクランプを有してもよいし、あるいは、食器洗い機のラックの区画室中に嵌まるように設計されてもよいし、あるいは、食器洗い機あるいは洗濯機の壁、あるいは、洗濯機の窓に解放可能に嵌まることができるようにする手段を有してもよい。
【0044】
好ましくは、ホルダは、水を、選択された1回分量要素に送出するようになっている蓋を有する。好ましくは、ホルダは、洗浄毎に1つずつ、次々と1回分量要素に水を送出する手段を有する。そのような手段は、洗浄が開始される前に、自動的に作動され、あるいは使用者がそれを作動する。
【0045】
本発明の第3の側面によれば、第1の側面による物品を作る方法が提供され、該方法は、キャビティのラックを含むトレイを形成するステップと、洗浄組成物をキャビティ中に導入するステップと、キャビティを前記裏当てシートで密封するステップと、物品を前記ネスト状形態に形成するステップと、を含む。
【0046】
トレイは、プラスチック材料からなるのがよく、好ましくは、成形工程によって成形され、好ましくは熱成形される。
【0047】
洗浄組成物は、既に成形された1回分量要素として、キャビティの中に流し込まれ、あるいはキャビティの中に導入される。それらは、射出成形あるいは押出し成形によって適当に成形されるのがよい。
【0048】
洗浄組成物を、いかなる適当な方法、例えば、完全に自動的にあるいは半自動的な方法によって、あるいは、手動で、キャビティの中に導入することができる。もし裏当て材が、1回分量要素が外方に突出するように、固形の1回分量要素を含むラックのネスト状形態の内側にあるならば、1回分量要素を、いかなる適当な手段、例えば、接着剤、弾性バンドなどによって、ネスト状形態に維持することができる。
【0049】
本発明の第4の側面によれば、物品洗浄機械で洗浄を実行する方法が提供され、該方法は、X個の複数の1回分量要素を収容する第1の側面の物品を、前記ホルダ中に挿入するステップと、物品洗浄機械をXサイクル作動させるステップと、消費した物品を取り出すステップと、新しい物品を挿入するステップと、物品洗浄機械を更なるサイクル作動させるステップと、を含む。
【0050】
本発明の第5の側面によれば、物品洗浄機械で洗浄を実行する際の、第1の側面による物品の使用、あるいは、第2の側面による多回分量の、物品洗浄製品の使用が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明を、一例として添付図面を参照して、更に記載する。
【0052】
図1の物品は、熱成形プラスチックトレイからなる、図3に示す細長いブリスターポケット2の平らなプラスチックトレイとして製造される。各ブリスターポケット2の開放端の外辺部のまわり全部に、エンドレスフランジ4が形成される(図2で見ることができる)。洗浄組成物の固形ロッドあるいはスティック6(本実施形態では、自動食器洗い機の洗浄に用いるようになっている)が、ブリスターポケットの中に導入される。これは、異なる方法でなすことができる。例えば、一実施形態では、洗浄組成物をポケットに注入あるいは流し込むことができる。しかしながら、本実施形態では、ロッドあるいはスティックは、射出成形あるいは押出し成形によってあらかじめ形成され、それから、長さに切られ、次いで、ポケットの中に導入される。それらは、ポケットの中に導入されて各ポケットを底端8まで満たすが、頂端に空間10を残すことに気付く。この空間10は、ポケットの上端壁の孔12を通して、水がポケットに入ることができるように、残される。本実施形態では、そのような各孔12は、円形で、直径が8mmである。同一の孔(図示せず)が、物品の下端壁に形成され、水および同伴されたあるいは溶解した洗浄組成物をポケットから出させる。
【0053】
各ロッドあるいはスティックの物理的パラメータは、以下の通りである。
長さ: 80mm
厚さ(最大値): 22mm
断面積: 2cm2
表面積: 40cm2
重量: 18.5g
体積: 14.8cm3
【0054】
一旦、ポケットの全てが、洗浄組成物のロッドあるいはスティックを(どのような手段によってでも)備えると、裏当てシート14が、開放端を覆って置かれ、フランジ4に固着される。裏当ては、都合のよいいかなる手段、例えば、熱あるいは接着剤によって、フランジに接着される。
【0055】
次に、今や、ロッドまたはスティックのラックあるいは直線アレイの形態の平らな物品が、図1に示すネスト状形態にカールされる。本実施形態では、ネスト状形態は、ほぼ円筒形アレイである。それは、1枚の接着テープ16によってネスト状形態に保持されるのがよい。
【0056】
裏当てには、その外に向いた側に情報、例えば、商標が、商品体裁が、および/または使用情報が印刷されるのがよい。
【0057】
図4に示すように、各ロッドあるいはスティック、およびそれに対応する各ブリスターは、裏当てシート14に当接する平らなベース壁18を有する。ベース壁18から、各ロッドあるいはスティック、および各ブリスターが、より狭い遠位端壁20まで全体的にテーパする。側壁は、22、24におけるように最初徐々にテーパし、それから、幾分急な内方転位26を受け、次いで、27で、中間の割合(側壁部分22の割合と転位26の割合との間)で遠位端壁20に到達するまでテーパする。
【0058】
ロッドあるいはスティックは、三角柱(すなわち三角形)の全体形状を有すると見なすことができる。より正確には、上述したように、側壁は、不連続な方法でテーパする。
【0059】
ロッドあるいはスティックは、それらのベース壁18で、ロッドあるいはスティック間に間隔28をもって裏当てシート上に配置されることに気付くであろう。
【0060】
ロッドあるいはスティックは、ネスト状形態にあるとき、それらの遠位端領域で、ロッドあるいはスティック間に間隙30を有することに更に気付くかもしれない。
【0061】
裏当てシートは、製造中、裏当てシートを熱成形するモールドの結果として、優先的な折れ線32を有する。これらの折れ線32は、ロッドあるいはスティックの間の間隔28と整合される。
【0062】
これらの特徴の最終結果は、以下の通りであり、図1で明らかに分かる。物品がネスト形状に形成されるとき、裏当てシートは、関節方法で、折れ線32を中心に変位される。このネスティングあるいは折り曲げは、間隔28および30によって可能にされ、もしスティックあるいはロッドが、単に互いに当接されるならば、物理的障害のために、そのような作業は許されないであろう。図1で分かるように、遠位端領域の間隔30は、(明らかに狭くなるが)ネスト状形態ででも残る。
【0063】
使用中、本発明の物品は、図1および図5Aにも示すネスト状形態で供給される詰替え品である。それは、そのネスト状形態で、図5Bに示すホルダの中に挿入される。ホルダは、円筒形の桶型容器であり、桶型容器の実質的に軸線方向全長、ベースから上方に延びるハブ状の軸線方向突出部40を有する。90°間隔に設定された4つのフィン42が突出部40から外方に突出する。フィンは、ホルダの半径距離の約10分の4延びる。
【0064】
ホルダは、ぶら下がりハンドル44を有する。
【0065】
ホルダの底壁は、大きな開口部(図示せず)である。
【0066】
ホルダは、図5Cに示す蓋を有する。蓋は、微粒子の無い水をホルダに入れるために、ふるい48によって囲まれた中央割出しデバイス46を有する。中央割出しデバイスは、押しボタン50と、その周りに、洗浄組成物のロッドあるいはスティックの番号と等しい番号を有するダイヤル54とを有する。食器洗い機が使用される毎に、使用者は、ボタンを押して、1つの番号だけ制御ダイヤルを進め、次の洗浄のロッドあるいはスティックを使い始める。これは、蓋内の有孔ディスクを1つの位置だけ回転させ、ホルダに入る水が、今や、次のロッドあるいはスティックと整合した孔を通らなければならないようにすることによってなされる。水は、蓋内の孔と整合された孔12を通して適切なブリスターに入る。水は、ロッドあるいはスティックの上の空間10を満たす。ロッドあるいはスティックは、水に浸され、溶解し、および/または崩れ去り、底孔を通してブリスターを去る。
【0067】
幾分驚くべきことに、我々は、本方法によって、ロッドあるいはスティックの優れた溶解を達成することができることを見出した。水を、軸線方向あるいは長さ方向に洗浄組成物の1回分量要素の一端に差し向けることによって、洗浄組成物の1回分量要素を溶解することは、効率の悪い方法であるかもしれないことが予期されていたかもしれなかった。実際には、溶解あるいは分散は優れており、その構造は、食器洗い機内で利用できる「フットプリント領域」のあまり多くを塞がない点で、非常に空間効率が良い。
【0068】
図6で分かるように、物品がホルダの桶型容器内に配置されるとき、フィン42は、ネスト状物品の間隙30内に配置される。間隙30内のフィンの許容差は大きくなく、このようにして、ロッドあるいはスティックおよび上孔12を、蓋内の孔と整合させるように正しい向きにすることが確保される。
【0069】
図7は、完全に組み立てられたデバイスを示す。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】ネスト状形態の本発明の物品をほぼ上方からの斜視図で示す。
【図2】ネスト状形態の図1の物品を側面図で示す。
【図3】平面形態で図1の物品を示す。
【図4】図3の1回分量要素を平面図で示す。
【図5A】図5Aは、図5Cのように1回分量要素選択デバイスを収容するキャップを取り外して示し、図5Bのホルダ中に導入されることになる図1の物品を示す。
【図5B】ホルダを示す。
【図5C】ホルダのキャップを示す。
【図6】図5Bのホルダ内に配置された図1の物品を示す。
【図7】図5Cのキャップが図6のホルダおよび物品組立体上に配置された、完全に組み立てられたデバイスを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形洗浄組成物の1回分量要素のラックを含む物品であって、
1回分量要素のラックは、裏当て材上に保持され、ネスト状形態を形成することができる、
ことを特徴とする物品。
【請求項2】
1回分量要素は、ロッドあるいはスティックの形態であり、裏当て材上に互いにほぼ平行に保持される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
ネスト状形態で、裏当て材は外側にあり、1回分量要素は内方に突出する、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
物品は、6乃至20個の1回分量要素を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物品。
【請求項5】
ネスト状でない位置において、1回分量要素の間の隙間は、1回分量要素間に妨害なしに、物品をネスト状位置に形成することができるのに十分であり、好ましくは、ネスト状形態において、1回分量要素の各対の少なくとも遠位端は、間隙によって分離されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物品。
【請求項6】
物品は、1回分量要素を保持するためのスリーブを含み、スリーブは、熱成形を含む成形トレイによって形成され、1回分量要素が配置される多区画室を有し、前記裏当て材によって閉じられる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の物品。
【請求項7】
各スリーブは、両端に2つの孔を有し、水が一端(使用中の上端)に入り、溶解したあるいは崩れ去った洗浄組成物を水とともに運んで、他端(使用中の下端)を去ることができる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の物品。
【請求項8】
使用中、ネスト状形態で、食器洗い機の中に配置されるホルダ内に詰替え品として保持される、請求項1乃至7に記載の物品を含む、
ことを特徴とする多回分量の、物品洗浄製品。
【請求項9】
ホルダは、ハブを有し、数が、好ましくは、3から物品内の1回分量要素の数までのフィンのアレイがハブから四方に広がる、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
ホルダは、物品洗浄機械内に、ホルダを解放可能に保持するための手段を有する、請求項8または9に記載の製品。
【請求項11】
ホルダは、水を選択された1回分量要素まで送出するようになっている蓋を有する、請求項8または9に記載の製品。
【請求項12】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の物品を作る方法であって、
キャビティのラックを含むトレイを形成するステップと、
洗浄組成物をキャビティの中に導入するステップと、
キャビティを前記裏当てシートで密封するステップと、
物品を前記ネスト状形態に形成するステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
物品洗浄機械の中で洗浄を実行する方法であって、
X個の複数の1回分量要素を収容する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の物品を前記ホルダの中に挿入するステップと、
物品洗浄機械をXサイクル作動させるステップと、
消費した物品を取り出すステップと、
新しい物品を挿入するステップと、
物品洗浄機械を更なるサイクル作動させるステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
物品洗浄機械の中で洗浄を実行する際の、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の物品の使用、あるいは、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の、多回分量の、物品洗浄製品の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−523667(P2009−523667A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550848(P2008−550848)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000175
【国際公開番号】WO2007/083139
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(506429673)レキット ベンキサー ナムローゼ フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】