説明

物理的な手法による情報の表示の制限

【課題】 視野制限器を使用し、私的情報を対話型ディスプレイ上で特権ユーザだけが確実に見ることができ、特権を有さないユーザが見ることができないようにすること。
【解決手段】 ディスプレイ面上の視野制限器の場所および向きを検出することにより、ディスプレイ面の私的情報割当部を決定することができる。私的情報割当部は、特権を有さないユーザに見えない。次いで、私的情報は、特権ユーザに対してこの私的情報割当部で表示され、視野制限器は、特権を有さない閲覧者が前記私的情報を閲覧するのを阻止する。対話型ディスプレイは、ディスプレイ面からの視野制限器の除去を検出し、私的情報の表示に割り込む。他の実施形態において、私的情報は、カラーフィルタを含む表示現出器を介して特権閲覧者だけが閲覧することができるように、不明瞭化される。私的情報は、グラフィック画像またはテキストとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ上の私的データの閲覧を特権閲覧者(privileged viewer)だけに制限する方法およびシステムに関し、より詳細には、特権を有さないユーザが私的データを目で見る、または知覚することを妨げることによって、確実に、対話型ディスプレイ上で表示された私的データを特権閲覧者だけが見ることができるようにするための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、いくつかの対話型ディスプレイが知られている。例えば、Brygg UllmerとHiroshi Ishiiによって報告されているように、MIT Media Labは、所定のユーザインターフェースプラットフォームを開発した(非特許文献1参照)。この論文では、metaDESKが、2次元(2D)の地理的情報を表示するために使用される、ほぼ水平の(near−horizontal)グラフィカル面をどのように含むかについて説明されている。デスクユニット内側(例えば、グラフィカル面の下方)のコンピュータ視覚システムは、赤外線(IR)ランプ、IRカメラ、ビデオカメラ、ビデオプロジェクタ、鏡を含む。鏡は、プロジェクタによってグラフィカルディスプレイ面の下側に投影されたグラフィカル画像を反射し、グラフィカルディスプレイ面の上方からユーザの目に見える画像を提供する。さらに、この論文では、グラフィカル面上に配置された「ファイコン(phicon)」と呼ばれる受動物体(passive object)の下面に設けられた特徴のあるパターンを、IRカメラが検出することができることが示唆されている。したがって、IRカメラは、「Great Domeのファイコン」の底部に付けられた(可視光に対して透過である)IRパターンを検出し、グラフィカル面上にMITキャンパスの地図を表示することによって応答するが、この場合地図内のGreat Domeの実際の場所をGreat Domeのファイコンが位置するように位置決めがなされる。Great Domeのファイコンをディスプレイ上で移動することにより、ユーザはファイコンの移動に対応して地図を回転させ、または並進させることによって表示地図を操作する。明らかに、この従来技術の対話型ディスプレイ内で使用されているIR視覚検知システムは、IR反射材料から反射された光に基づいて、ファイコンのような物体を検出することが可能である。IR反射材料を使用することなしに物体を検出する上で、またはディスプレイ面から上方の物体の相対位置を決定する上で必要とされる詳細について議論されていない。
【0003】
ディスプレイ面上の物体を検知するための同様な技法は、他者と共同してJun Rekimotoによって出版された、いくつかの刊行物に開示されている(非特許文献2参照)。これらの刊行物では、「HoloWall」および「HoloTable」について簡単に述べられており、これらは共に、IR光を使用してディスプレイパネルに近接または接触する物体を検出し、ディスプレイパネル上で背面投影画像(rear−projected image)が見えるものである。HoloWall内では垂直、HoloTable内では水平である背面投影パネルは、半透明かつ拡散性があり、その結果、パネルを介してIR光を反射する物体は、パネルに接近していって接触すると、IRカメラにとって、より明瞭に見えるようになる。したがって、このシステムでは、ユーザの指もしくは手、または他の物体を検出することができる。この場合も、これらの刊行物は、概して、物体から反射されたIR光に基づいて物体を検出するために使用されるプロセスについては述べておらず、また物体とディスプレイ面との間の相対的な距離(separation)を決定することも論じられていない。
【0004】
どんなディスプレイもモニタも、情報を閲覧する位置にいる1人または複数のユーザに情報を表示することができる。ディスプレイ面が、ディスプレイ面から様々な方向にいるユーザにより様々な方向から閲覧可能、例えば、一般的な平面のディスプレイ面である場合、ディスプレイ面から見てある側にいるユーザが情報をより容易に閲覧することができる向きで情報を表示することができるが、その通常の好ましい向きでないときでも、他のユーザがその情報を見ることができることは明らかである。したがって、ディスプレイ面の所定の側にいるユーザに対して表示されると適正に表示されるテキストは、ディスプレイ面の他の側にいるユーザによって、容易に見、または読み取ることができ、この場合逆さまに、または両側からテキストを読むような形になる。あるいは、ディスプレイ面の各側にいるユーザによって閲覧される適正な向きで、情報を表示することができる。複数ユーザの共同作業を行う際に、表示された情報を閲覧または知覚できるようにすることは有利であろう。しかし、共同作業においてすら、または特定の応用分野において、ディスプレイ面上で提示された情報を目で知覚することができるのを何人かのユーザに限るほうが、望ましい場合がある。
【0005】
例えば、「Scrabble(商標)」、「Trivial Pursuit(商標)」、または「Clue(商標)」など多数のゲームでは、ある種の情報を一部分の競技者だけに伝えなければならず、一方ゲームに関連する大部分の情報は、ユーザまたは競技者全員に見えるようにしなければならない。明らかに、一定の数のユーザから何らかの情報について見えないようにすること、また逆に一定の数のユーザに何らかの情報を見せることが求められている。従来技術には、この目的を容易に達成するためのどんなデバイスも手順も開示されていない。
【0006】
【非特許文献1】Brygg Ullmer and Hiroshi Ishii, "The metaDESK: Models and Prototypes for Tangible User Interfaces," Proceedings of UIST 10/1997:14-17
【非特許文献2】Jun Rekimoto, Sony Computer Science Laboratory, Inc.によって出版された、いくつかの刊行物
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ゲームが、対話型ディスプレイ装置を使用して行われている場合、私的情報をどこに表示すべきか判定し、ユーザに対し適切な対応を行って、その時点で私的情報を閲覧すべきでないユーザがディスプレイ面のその部分を見ないようにするよう促すことが望ましいであろう。さらに、対話型ディスプレイテーブルを使用することにより、その時点で閲覧すべきでないと思われるどのユーザからも私的情報を遮蔽するように、物体が適正に位置決めまたは配向されているかどうか検出し、一方、私的情報の閲覧を可能とすべき特権ユーザが私的情報を目で見えるようにすることを妨げないことが望ましい。
【0008】
また、特権ユーザだけが見ることができるように、私的情報をどこに表示すべきか判定することも望ましいであろう。例えば、対話型ディスプレイシステムは、特権を有さないユーザが閲覧するのを阻止する物体の場所に対して情報をどこに表示すべきか、やはり特権ユーザおよび/または特権を有さないユーザの位置に基づいて検出できることが必要である。この場合も、対話型ディスプレイテーブルに関連する従来技術は、この機能について示唆または提案していない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、視野制限器をディスプレイ面上の第1の位置で位置決めすることを可能にする方法を目的とする。私的情報は、ディスプレイ面上の第2の位置で表示され、その結果、視野制限器は、実質的に特権を有さない閲覧者が私的情報を閲覧するのを阻止するが、特権閲覧者が私的情報を閲覧することを可能にする。この場合、第1の位置および第2の位置は予め定めることができ、あるいは、第1の位置(すなわち、視野制限器の場所)を検出し、私的情報が表示される第2の位置を決定することができる。
【0010】
本発明の他の態様は、ディスプレイ面上に表示された私的情報の視点を特権閲覧者に制限するための方法を目的とし、ディスプレイ面の少なくとも一部分は、特権を有さない閲覧者が閲覧することができる。この方法は、ディスプレイ面の私的情報割当部の視点を特権閲覧者に制限するように、ディスプレイ面上に配置された視野制限器を検出するステップを含む。視野制限器は、ディスプレイ面の周りで他者によって見られないことが好ましい私的情報に関連付けられる。次いで、私的情報を表示すべきディスプレイ面上の私的情報割当部が決定され、私的情報がその私的情報割当部に表示される。例えば、電子ゲームが行われており、ある情報を競技者の1人にとってだけ見えるようにすべきである場合、視野制限器は、表示された私的情報を確実に他の競技者が見ることができないようにすることができる。
【0011】
視野制限器を検出するステップは、2つの異なる配置の1つから視野制限器に関連付けられた物理的性質を検出するステップを含む。これらの配置の1つは、ディスプレイ面の物体側と反対側である対話型ディスプレイ面の側であり、物体側は、視野制限器が配置されている所である。またはこれに代えて、例えば容量結合方式(capasitive)または他のタイプのタッチセンサディスプレイ面が使用されている対話型ディスプレイ面内に配置し、または例えば物理特性を検知するためにカメラを使用して対話型ディスプレイ面の上方に配置することができる。
【0012】
この方法はまた、視野制限器の向きを決定するステップと、場所と、ディスプレイ面上の視野制限器の向きとの少なくとも1つに対して私的情報割当部を決定するステップとを含む。視野制限器の向きを決定することは、視野制限器の配向特性を決定することを含む。そのような特性は、視野制限器の形状、視野制限器上の識別子の向き、視野制限器の色の変動、視野制限器から反射される光強度の変動、視野制限器の磁気極性、またはディスプレイ面上の視野制限器によって生成される圧力変動を含むことができる。
【0013】
また、この方法には、視野制限器が関連付けられた、また、私的情報を閲覧すべき特権閲覧者を識別するステップが含まれる。特権閲覧者の場所は、視野制限器に対して決定され、次いで、この方法は、私的情報割当部が特権閲覧者場所から閲覧可能であるように視野制限器が配向されているかどうか判定する。特権閲覧者の場所を決定することは、ディスプレイ面上の特権閲覧者トークンの場所を決定することによって、または、予め定められた特権閲覧者場所を、ディスプレイ面上で私的情報を表示するアプリケーションの状態に応じて決定することによって、または、対話型ディスプレイ面とのユーザ対話を決定することによって、または空間内でユーザの声の位置を突き止めることによって、または、コンピュータ視覚など任意の他の検知技術を使用し、特権閲覧者の場所を決定することによって行うことができる。
【0014】
視野制限器に対する特権を有さない閲覧者の場所もまた、任意選択で決定され、私的情報が特権を有さない閲覧者の場所から見えるのを視野制限器が妨げるように、ディスプレイ面の私的情報割当部の配置が調整される。
【0015】
ユーザ入力グラフィカル物体を私的情報内に含むことができる。次いで、この方法は、特権閲覧者がユーザ入力グラフィカル物体と対話した結果として、ユーザ入力に応答するステップを含むことができる。
【0016】
この方法のさらに他の諸ステップには、ディスプレイ面からの視野制限器の除去を検出すること、および、それに応答して、ディスプレイ面上の私的情報の表示に割り込むことが含まれる。
【0017】
本発明の他の態様は、概して上記で論じた方法の諸ステップに適合する諸ステップを実施するための機械命令が記憶されたメモリ媒体を対象とする。
【0018】
本発明のさらに他の態様は、表示された私的情報の視点を特権閲覧者に制限し、その私的情報が特権を有さない閲覧者によって閲覧されるのを妨げるためのシステムを目的とする。このシステムは、私的情報が表示されるディスプレイ面を含み、このディスプレイ面は、私的情報が閲覧される、物体をそれに隣接して配置することができる対話側を有し、ディスプレイ面の少なくとも一部分が特権を有さない閲覧者によって見られるものである。このシステムには、特権を有さない閲覧者による、ディスプレイ面上に表示される私的情報の閲覧を制限するため、ディスプレイ面上に配置されるようにサイズ決めされ、形作られる視野制限器が含まれる。光源は、対話する側からディスプレイ面の反対側に配置され、ディスプレイ面を介して、ディスプレイ面の対話側に送られる赤外光を放射する。光センサは、ディスプレイ面の反対側に配置され、ディスプレイ面を介して物体から反射される赤外光を感知する。プロセッサは、光センサと、またメモリと通信し、メモリは、データと、やはり一般的に上記で論じた方法の諸ステップに適合する複数の機能をプロセッサに実施させる機械命令とを記憶する。
【0019】
他の態様は、ディスプレイ面上で私的情報を見せるための方法を目的とし、ディスプレイ面の少なくとも一部分は、特権を有さない閲覧者が閲覧することができる。この方法は、ディスプレイ面上に表示された私的情報を不明瞭化するステップと、表示現出器が私的情報と閲覧者との間の見通し線内に配置されると、私的情報を閲覧することを可能にするステップとを含む。私的情報を不明瞭化するステップはまた、表示現出器無しで私的情報が閲覧されたとき私的情報が認識されるのを妨げるために、赤色または緑色のアナグリフ着色(anaglyph coloring)など、カラーマークを私的情報に適用するステップを含む。私的情報の閲覧を可能にするステップは、私的情報を認識することを可能にするために、カラーマークをフィルタして除去することができる光フィルタを備える表示現出器の使用を含む。
【0020】
本発明の他の態様は、ディスプレイ面上で私的情報の視点を制限するための視野制限器を目的とし、ディスプレイ面の少なくとも一部分は、特権を有さない閲覧者が閲覧することができる。視野制限器は、視野制限器をディスプレイ面上で支持するための支持表面を含む。視野制限器はまた、支持面によって支持された視点制限用構成要素を含み、視点制限用構成要素は、ディスプレイ面の一部分の視点を制限するように形作られ、サイズ決めされる。視野制限器はまた、視点制限用構成要素に対してディスプレイ面上の私的情報割当部に私的情報を表示するため、表示システムに対して視野制限器を識別する識別子を備える。視野制限器の識別子は、予め定められた形状、検出可能なコード、色、信号のうち少なくとも1つを備える。
【0021】
本発明の他の態様は、特権閲覧者によるディスプレイ面上の私的情報の閲覧を可能にするための表示現出器を目的とし、ディスプレイ面の少なくとも一部分は、特権を有さない閲覧者が閲覧することができる。表示現出器は、表示現出器をディスプレイ面上で支持するための支持面を含む。表示現出用構成要素がディスプレイ面に対して私的情報割当部に配置されると、表示現出用構成要素は、私的情報を閲覧可能にする。表示現出器はまた、表示現出用構成要素に対してディスプレイ面上の私的情報割当部で私的情報を表示するために、表示システムに対して表示現出器を識別する識別子を含む。表示現出器はまた、私的情報に適用されたカラーマーカをフィルタして除去するためのカラーフィルタを含む。
【0022】
本発明の前述の諸態様、および付随する利点の数々は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照することによって本発明がよりよく理解されたとき、より容易に理解されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための例示的なコンピューティングシステム
図1を参照すると、本発明の様々な部分を実施するのに適した例示的なシステムが示されている。このシステムは、処理装置21、システムメモリ22、システムバス23を備えた、従来のPC20の形態として汎用コンピューティングデバイスを含む。システムバスは、システムメモリを含む様々なシステム構成要素を処理装置21に結合し、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺機器バス、および様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスを含め、いくつかの種類のバス構造のいずれかとすることができる。システムメモリは、読出し専用メモリ(ROM)24およびランダムアクセスメモリ(RAM)25を含む。起動中などにPC20内の要素間で情報を転送するのを支援する基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)26は、ROM24内に記憶されている。PC20はさらに、ハードディスク(図示せず)との間で読出しまたは書込みをするハードディスクドライブ27、取外し式磁気ディスク29との間で読出しまたは書込みをする磁気ディスクドライブ28、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)または他の光媒体など取外し式光ディスク31との間で読出しまたは書込みをする光ディスクドライブ30を含む。ハードディスクドライブ27、磁気ディスクドライブ28、光ディスクドライブ30は、それぞれハードディスクドライブインターフェース32、磁気ディスクドライブインターフェース33、光ディスクドライブインターフェース34によってシステムバス23に接続される。ドライブとそれらの関連コンピュータ読取可能な媒体は、PC20のためのコンピュータ読取可能機械命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性記憶を実現する。本明細書に述べられている例示的な環境は、ハードディスク、取外し式磁気ディスク29、および取外し式光ディスク31を使用するが、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)、ベルヌーイカートリッジ、RAM、ROMなど、コンピュータによってアクセス可能なデータおよび機械命令を記憶することができる他のタイプのコンピュータ読取可能な媒体もまた、この例示的な動作環境内で使用することができることを、当業者なら理解するであろう。
【0024】
いくつかのプログラムモジュールは、ハードディスク、磁気ディスク29、光ディスク31、ROM24、またはRAM25に記憶することができ、オペレーティングシステム35、1つまたは複数のアプリケーションプログラム36、他のプログラムモジュール37、およびプログラムデータ38を含む。ユーザは、キーボード40およびポインティングデバイス42など入力デバイスを介して、PC20にコマンドおよび情報を入力することができる。ポインティングデバイス42は、マウス、スタイラス、無線遠隔制御、または他のポインタを含むことができるが、本発明に関連して、ユーザは、入力および制御のために対話型ディスプレイを使用することができるため、そのような従来のポインティングデバイスは省略する可能性がある。以下、本明細書では、「マウス」という用語は、画面上のカーソルの位置を制御するのに有用である事実上どのようなポインティングデバイスをも包含するものとする。他の入力デバイス(図示せず)は、マイクロフォン、ジョイスティック、ハプティックジョイスティック、ヨーク、フットペダル、ゲームパッド、衛星パラボラアンテナ、スキャナなどを含むことができる。これら、および他の入出力(I/O)デバイスは、しばしば、システムバス23に結合されるI/Oインターフェース46を介して処理装置21に接続される。I/Oインターフェースという用語は、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、キーボードポート、および/またはユニバーサルシリアルバス(USB)のために特に使用される各インターフェースを包含するものとする。システムバス23はまた、カメラインターフェース59に接続され、カメラインターフェース59は、下記で論じるように、対話型ディスプレイ60に結合され、そこに含まれるデジタルビデオカメラから信号を受信する。デジタルビデオカメラは、その代わりにUSBバージョン2.0ポートなど適切なシリアルI/Oポートに結合することができる。任意選択で、モニタ47を、ビデオアダプタ48など適切なインターフェースを介してシステムバス23に接続することができるが、本発明の対話型ディスプレイテーブルは、はるかに豊かな表示を実現し、情報の入力、およびソフトウェアアプリケーションの制御のためにユーザと対話することができ、したがって、ビデオアダプタに結合されることが好ましい。PCは、(図示しないサウンドカードまたは他のオーディオインターフェースを介した)スピーカおよびプリンタなど、他の周辺出力デバイス(図示せず)に結合されることを理解されたい。
【0025】
本発明は、単一のコンピューティングデバイスを使用して実施することができるが、PC20は、遠隔コンピュータ49など、1つまたは複数の遠隔コンピュータとの論理接続を使用して、ネットワーク環境内で動作することもできる。遠隔コンピュータ49は、別のPC、(一般に概してPC20とほぼ同様に構成される)サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または衛星もしくは他の共通ネットワークノードとすることができ、図1には外部メモリ記憶デバイス50が示されているだけであるが、一般に、PC20に関連して上述した要素の多数または全部を含む。図1に示されている論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)51および広域ネットワーク(WAN)52を含む。そのようなネットワーク環境は、事務所、全社コンピュータネットワーク、イントラネットおよびインターネットで普通である。
【0026】
PC20は、LANネットワーク環境内で使用されるとき、ネットワークインターフェースまたはアダプタ53を介してLAN51に接続される。PC20は、WANネットワーク環境内で使用されるとき、一般に、インターネットなどWAN52を介して通信を確立するためのモデム54、または、ケーブルモデム、デジタル加入者回線(DSL)インターフェース、もしくは総合デジタル通信網(ISDN)インターフェースなど他の手段を含む。モデム54は、内部にあっても外部にあってもよく、I/Oデバイスインターフェース46を介して、すなわちシリアルポートを介してシステムバス23に接続される、またはバスに結合される。ネットワーク環境では、PC20によって使用されるプログラムモジュール、またはその一部分は、遠隔メモリ記憶デバイスに記憶することができる。図のネットワーク接続は例示的なものであり、無線通信、および広帯域ネットワークリンクなど、コンピュータ間で通信リンクを確立する他の手段を使用することができることを理解されたい。
【0027】
例示的な対話型の表面部
図2では、PC20をフレーム62内に含み、そのコンピュータ用の光入力デバイスとしてもビデオディスプレイ装置としても働く例示的な対話型ディスプレイテーブル60が示されている。対話型ディスプレイテーブルのこの切断図では、テキスト/グラフィック画像を表示するために使用される光線が、一般に点線を使用して示されており、一方、対話型ディスプレイテーブルのディスプレイ面64a上の、またはそのすぐ上方の物体を検知するために使用される赤外光線(IR)が、破線を使用して示されている。ディスプレイ面64aは、対話型ディスプレイテーブルの上面部64内に設定されている。テーブル表面の周囲は、ディスプレイ面64a上で表示されるグラフィック画像または仮想環境と対話するために使用することができる物体を含めて、ユーザの腕または他の物体を支えるのに有用である。
【0028】
IR光源66は、複数のIR発光ダイオードを備え、フレーム62の内側上に取り付けられることが好ましい。IR光源66によって生成されるIR光は、破線78a、78b、78cによって示されているように、ディスプレイ面64aの下側に向かって上向きに送られる。IR光源66からのIR光は、ベラム、または光拡散特性を有する他の好適な半透明材料のシートを備えるテーブルの半透明層64bを通過した後に、ディスプレイ面の頂部の、またはそこに近接した任意の物体から反射される。IR源66が1つだけ示されているが、ディスプレイ面64aの均一な照明を実証するために、複数のそのようなIR源を、フレーム62の内側の周りで、離隔された場所に取り付けることができることを理解されたい。IR源によって生成される赤外光は、
・ 破線78aによって示されるように、どの物体を照らすことなくテーブル表面を介して出る、
・ 破線78bによって示されるように、テーブル表面上の物体を照らす、または、
・ 破線78cによって示されるように、テーブル表面の短い距離だけ上方の、しかしテーブル表面に触れていない物体を照らす。
【0029】
ディスプレイ面64aの上方の物体は、ディスプレイ面の頂部で止まる「接触(touch)」物体64aと、ディスプレイ面に近接するが、実際には接触していない「空中(hover)」物体76bとを備える。ディスプレイ面の下の半透明層64bを使用し、ディスプレイ面を通過するIR光を拡散する結果として、物体がディスプレイ面64aの上部に接近するにつれて、物体によって反射されるIR光の量は、物体が実際にディスプレイ面と接触したとき達成される最大レベルに増大する。
【0030】
デジタルビデオカメラ68は、ディスプレイ面64aの上方に配置された任意の接触物体または空中物体から反射されるIR光を受けるために適切な位置で、ディスプレイ面64aの下方でフレーム62に取り付けられる。デジタルビデオカメラ68は、IR光だけを透過し、点線84aに沿ってディスプレイ面64aを介して移動する周囲可視光を遮断するIR通過フィルタ(IR pass filter)86aを備える。バッフル79は、IR源から直接放射されたIR光がデジタルビデオカメラに入るのを防止するために、IR源66とデジタルビデオカメラとの間に配置される。というのは、このデジタルビデオカメラは、ディスプレイ面64aの短い距離だけ上方の、またはディスプレイ面64aに接触する物体から反射されたIR光だけに応答し、およびディスプレイ面上の、またはその上方の物体から反射されたIR光の画像に対応する出力信号を生成することが好ましいからである。デジタルビデオカメラ68は、上方から、対話型ディスプレイの内部にディスプレイ面64aを通過する周囲光に含まれるどんなIR光(例えば、やはり点線84aによって示されている経路に沿って移動する周囲IR光)にも応答することになることが理解されよう。
【0031】
テーブル表面上の、またはその上方の物体から反射されたIR光は、
・ 破線80aおよび80bによって示されるように、半透明層64bを介し、またIR通過フィルタ86aを介し、デジタルビデオカメラ68のレンズ内に反射される、または
・ 破線80cによって示されるように、デジタルビデオカメラ68のレンズに入らずに、対話型ディスプレイ内の他の内部表面によって反射または吸収される可能性がある。
【0032】
半透明層64bは、入射IR光と反射IR光を共に拡散する。したがって、上述のように、ディスプレイ面64aに近接する「空中」物体は、ディスプレイ面から、より遠く離れている同じ反射率の物体より多くのIR光をデジタルビデオカメラ68に反射することになる。デジタルビデオカメラ68は、その撮像領域内で「接触」物体および「空中」物体から反射されたIR光を検知し、反射IR光の画像に対応するデジタル信号を生成し、デジタル信号は、そのような各物体の場所、また任意選択で物体のサイズ、向き、形状を決定する処理のためにPC20に入力される。(ユーザの前腕など)物体のある部分がテーブルの上方にある一方、(ユーザの指など)別の部分がディスプレイ面と接触する可能性があることを留意されたい。さらに、物体は、その物体特有の、またはその物体がメンバである関連物体のクラス特有のIR光反射パターンまたはコード化識別子(例えば、バーコード)をその底面上に含むことができる。したがって、デジタルビデオカメラ68からの撮像信号はまた、本発明に従って、その反射パターンから反射されたIR光に基づいて、そのような各特定の物体を検出する、ならびにその向きを決定するために使用することもできる。この機能を実施するために実施される論理ステップについては、以下で述べる。
【0033】
PC20は、図2に示されているように、対話型ディスプレイテーブル60に一体とすることができ、あるいは、その代わりに、図3の実施形態に示されているように、対話型ディスプレイテーブルの外部にあるものとすることができる。図3では、対話型ディスプレイテーブル60’が、データケーブル63を介して(上述のように、任意選択のモニタ47を含む)外部PC20に接続される。また、この図に示されているように、「0」によって示されている原点に加えて、1組の直行するX軸とY軸が、ディスプレイ面64aに関連付けられる。具体的に示されてはいないが、各直行軸に沿った複数の座標位置を使用し、ディスプレイ面64a上の任意の場所を示すことができることを理解されたい。
【0034】
対話型ディスプレイテーブルが、(図3のように)外部PC20に、あるいは、セットトップボックス、ビデオゲーム、ラップトップコンピュータ、またはメディアコンピュータ(図示せず)など、何らかの他のタイプの外部コンピューティングデバイスに接続される場合には、対話型ディスプレイテーブルは、入出力デバイスを備える。対話型ディスプレイテーブル用電力は、従来の交流(AC)ライン電源(図示せず)に結合される電力リード61を介して供給される。対話型ディスプレイテーブル60’に接続するデータケーブル63は、PC20上のUSB2.0ポート、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1397(またはFirewire)ポート、またはイーサネット(登録商標)ポートに結合することができる。また、無線接続の速度が引き続き向上したとき、対話型ディスプレイテーブルはまた、そのような高速無線接続を介して、または何らかの他の有線または無線データ通信リンクを介して、PC20などコンピューティングデバイスに接続することができることも企図されている。PC20は、対話型ディスプレイの一体部分として内蔵されていようと、外部で含まれていようと、デジタルビデオカメラ68からのデジタル画像を処理するためのアルゴリズムを実行し、また、対話型ディスプレイテーブル60のより直観的なユーザインターフェース機能を十分に活用するように設計されたソフトウェアアプリケーションを実行し、さらに、そのような機能を利用するように特に設計されていないが、依然として対話型ディスプレイテーブルの入力/出力機能を有効に利用することができる他のソフトウェアアプリケーションを実行する。さらにまたはこれに代えて、対話型ディスプレイは、外部コンピューティングデバイスに結合し、しかし一方では、画像処理や、その外部PCによって行われない他のタスクを行うために内部コンピューティングデバイスを含むことができる。
【0035】
対話型ディスプレイテーブル(すなわち、上記で論じたいずれかの実施形態のもの)の重要かつ強力な特徴は、ゲームまたは他のソフトウェアアプリケーションのためにグラフィック画像または仮想環境を表示すること、およびディスプレイ面64a上で見えるグラフィック画像または仮想環境と、物体76aなどディスプレイ面の頂部で止まっている物体、または物体76bなど、そのすぐ上方で浮いている物体との間の対話を可能にすることが可能なことである。そのような物体、ならびにユーザの指またはユーザによって移動される他の物体を視覚的に検出する対話型ディスプレイテーブルの能力こそ、この豊かな対話を非常に円滑にする。
【0036】
再び図2を参照すると、対話型ディスプレイテーブル60は、グラフィック画像、仮想環境、またはテキスト情報をディスプレイ面64a上で表示するために使用されるビデオプロジェクタ70を備える。ビデオプロジェクタは、少なくとも640×480画素の解像度を有する液晶ディスプレイ(LCD)またはデジタル光プロセッサ(DLP)タイプ、あるいはLCoS(liquid crystal on silicon)ディスプレイタイプのものであることが好ましい。IRカットフィルタ(IR cut filter)86bがビデオプロジェクタ70の投影レンズの正面に取り付けられ、ビデオプロジェクタによって放射されたIR光が、ディスプレイ面64a上の、またはその上方の物体から反射されたIR光と干渉する可能性がある対話型ディスプレイテーブルの内部に入るのを防止する。第1の鏡部材72aは、投影レンズから移動する投影光を、フレーム62内で、点線経路82aに沿って透明開口90aを介して導き、その結果、投影光は、第2の鏡部材72b上に入射する。第2の鏡部材72bは、投影光を経路82bに沿って、投影レンズの焦点部にある半透明層64b上に反射し、その結果、投影像を目で見ることができ、閲覧するためにディスプレイ面64a上で投影像が合焦する。
【0037】
位置合わせデバイス74aおよび74bが設けられ、ディスプレイ面上に投影画像がディスプレイ面と確実に位置合わせされるように、第1および第2の鏡部材の角度を調整するためのねじ棒と回転可能な調整ナット74cを備える。投影画像を所望の方向で導くことに加えて、これらの2つの鏡部材を使用することは、プロジェクタ70と半透明層64bの間の経路を長くし、より重要なことには、対話型ディスプレイテーブルが大きすぎず、ユーザがその横に心地よく腰掛けることができるようにサイズ決めされ、形作られるように対話型ディスプレイテーブルの所望のサイズおよび形状を達成する上で助けとなる。
【0038】
仮想私的データの視点を制限すること
図4では、概略図100は、例示的な形で、本発明をどのように使用して、特定のユーザだけが仮想私的データを目で見ることができるように仮想私的データの視点を制限するかを示す。物理構成要素(physical components)も仮想構成要素も共にディスプレイ面64aに表示される。仮想構成要素106a〜106eは、ディスプレイ面の周りで位置に着いたユーザに画像およびテキスト情報を提示する。対話型ディスプレイテーブルを用いて行われる電子ゲームのこの例では、ゲーム中に実行されるソフトウェアが、例示的な仮想情報カード106aを表示する。このカードは、質問カテゴリ106b内にあり、質問106cと、質問の基となったイラスト106dと、質問に対する別のユーザの応答が正しいかどうか示すようにユーザを導く、ユーザに対する使用説明106eとを含む。
【0039】
この例のための物理構成要素は、ユーザトークン102を含み、ユーザトークン102には、ゲーム内の各ユーザまたは競技者に割り当てられたトークンの場所を対話型テーブルで決定できるようにするため、およびディスプレイ面64a上の各トークンの配置に基づいて、そのトークンが配置されている場所に隣接する位置で、そのトークンに関連付けられた競技者を物理的に突き止めるため、それらの底面にIR反射コードが付けられている(その結果、反射コードは、この図で見えない)。この図の例では、トークン102aは、特権ユーザ112、すなわち仮想情報カード106a上で提示される質問106cについて尋ねられるユーザに割り当てられる。これとは対照的に、トークン102bは、この図の例では質問に回答する特権を有さないユーザ114に割り当てられる。トークン102aと102bとは、ディスプレイ面の反対側に配置されているため、この特権ユーザとこの特権を有さないユーザもまた、対話型ディスプレイテーブルの反対側で配置されていることが明らかになる。
【0040】
視野制限器(view restrictor)104は、トークン102aと102bの間、したがってまた、特権ユーザと特権を有さないユーザとの間で、ディスプレイ面上のある位置で示されている。視野制限器104は、視野制限パネル104aと支持体104bを備える。支持体104bの下側には、対話型テーブル内のIRビデオカメラによって検出可能であり、PC20で視野制限器の物理的な場所および向きを決定することを可能にするIR反射識別(ID)コードが付けられている。またはこれに代えて、このIDコードは特定の色とすることができ、適切なセンサを含む異なるタイプのディスプレイ面と共に使用される場合、このIDコードは、磁気コード、RF信号源、容量結合コード、圧力共鳴(pressure resonance)、または、視野制限パネル104に関連付けられる他の識別可能な信号もしくは特性とすることができる。
【0041】
対話型テーブルがディスプレイ面64a上で視野制限器の存在を検知したとき、仮想私的データ110が、ディスプレイ面上で、視野制限器104の場所および向きに対して適切な位置で表示される。仮想私的データの場所は、その仮想私的データが特権ユーザ112の位置からだけ閲覧できるが特権を有さないユーザ114の位置からは閲覧できないように、特権ユーザのトークンに関して、視野制限器の場所および向きに対して選択される。仮想情報カード106aは、(特権ユーザだけに情報を見せる物理的なトリビアカードのように)特権ユーザは物理的に拾い上げてめくることができないため、本発明は、視野制限パネル104を使用し、特権を有さないユーザ114が質問106cに対する回答を見るのを阻止するが、特権ユーザ112は回答を見ることができ、したがって、特権を有さないユーザ114が質問106cに正しく回答するかどうか判定することができる。
【0042】
対話型テーブルが視野制限器の存在を検知すると、特権ユーザに入力を求めるグラフィック物体108aおよび108bなど他の仮想物体が表示される。この例では、特権ユーザは、特権を有さないユーザが質問106cに回答するのを待ち、次いで、特権を有さないユーザ114によって与えられた回答を、仮想私的データ110として示されている正しい回答と比較する。図4に示されるように、質問106cは、特権ユーザによって、より容易に読み取られるように表示される(oriented)が、通常は、質問に回答することを必要とする特権を有さないユーザによって、より容易に読み取られるように表示されることになる。またはこれに代えて、質問106cは、最初に、特権を有さないユーザが質問をより容易に読み取ることができる向きで、予め定められた時間間隔の間、例えば20秒間表示し、次いで、特権ユーザが質問をより容易に読み取ることができるように変化することができる。与えられた回答が正しい、すなわち仮想私的データに合致する場合、特権ユーザ112は、「正解(yes)」入力を示すグラフィック物体108aを選択するが、与えられた回答が仮想私的データに合致しない場合、特権ユーザは、「不正解(no)」、すなわち正しくない回答が特権を有さないユーザによって与えられたことを示すために、グラフィック物体108bを選択する。当然ながら、視野制限器104が共に使用されるソフトウェアアプリケーションに応じて、特権ユーザまたは特権を有さないユーザ(あるいはその両方)によって入力される他のタイプのユーザ対話プロンプトおよびオプションを、ディスプレイ面上の仮想私的データの表示と共に提供することができる。
【0043】
仮想私的データの表示を明らかにすること
図5では、別の実施形態120を使用し、仮想私的データは特権を有さない他のユーザが閲覧するようにディスプレイ面64a上で表示されているが、その仮想私的データを特権ユーザの視点126だけに見せている。この第2の実施形態において、この場合も、物理構成要素も仮想構成要素も共にディスプレイ面64a上で示されている。この実施形態において、仮想私的データ122aは、ディスプレイ面上に領域122内で投影され、領域122は、仮想私的データが特権を有さないユーザにとって見ることができないように構成される。特権を有さないユーザが領域122内で表示された仮想私的データを目で知覚しないようにするため、領域122に色が付けられ、その色は、仮想私的データを意図的にわかりにくくするように選択される。
【0044】
特権ユーザが領域122内の仮想私的データを目で見えるようにするため、表示現出器(view revealer)124が設けられる。表示現出器は、表示現出(view revealing)パネル124aと支持体(またはベース)124bを備える。対話型ディスプレイテーブルによって検出可能であり、表示現出器124の物理的な場所および向きを決定するため使用されるIDコードが、支持体に関連付けられる。表示現出パネル124aは、領域122内の仮想私的データ122bを不明瞭にする不明瞭化用の色をフィルタし、特権ユーザの見通し線が表示現出パネル124aを介し領域122に向かうような位置に着いた特権ユーザによって、仮想私的データが目で見ることができるようにするフィルタである。これにより、特権を有さないユーザはいずれも表示現出パネル124aを介して領域122を閲覧する位置にいないことになるので、仮想私的データ122bを見ることができないのである。支持体124bの場所および向きは、IDコードに応答してPC20によって決定され、ユーザの位置が、表示現出器を使用するソフトウェアアプリケーションを開始する際の所期セットアップに基づいて、またはユーザトークンがディスプレイ面64a上で検出された結果として決定されるため、システムは、特権ユーザだけが表示現出パネル124aを介して仮想私的データを見ることができるように、仮想私的データ122bを有する領域122をディスプレイ面のどこに表示するか決定することができる。またはこれに代えて、特権ユーザの位置は、オーディオ検出方式を使用し、ユーザの声を突き止めることによって、またはビデオ検出技法を使用することによって検出することができる。
【0045】
任意選択で、表示現出パネル124aは、特権を有さないユーザによって表示現出パネルを介して領域122が閲覧されることを制限する側部128を有するように構成することができる。側部128の使用により、表示現出パネルを介して領域122を見ることができる角度が制限される。
【0046】
視野制限器の位置を予め定めるプロセス
図6は、例示的な形で、予め定められた視野制限器の位置の処理を示す。この手順では、予め定められた閲覧場所を特権ユーザだけが確実に見ることができるように、視野制限器がユーザによって位置決めされることを仮定している。この論理では、ソフトウェアアプリケーションが常に私的情報をディスプレイ面上の同じ場所で表示すること、および、したがってユーザが、その場所を保護するため、指示されたように視野制限器を位置決めすることが仮定される。
【0047】
図6のフローチャート130に示すように、ステップ132では、画像処理モジュール(IPM)が、仮想私的データが表示される私的閲覧場所を予め定める。好ましくは、この私的閲覧場所は、ディスプレイ面上の画定された領域である。ステップ134で、ユーザは、グラフィック画像、または線、あるいはディスプレイ面上に表示されたテキストでマークすることができる予め定められた視野制限器の位置に、視野制限器を配置する。したがって、アプリケーションは、ディスプレイ面上での視野制限器を位置決めすべき場所を定める。この論理により、ディスプレイ面上の予め定められた場所で物体が検出さると、IPMは他のアクションまたは機能を開始する。
【0048】
ステップ136で、IPMは、ディスプレイ面上において、予め定められた視野制限器の位置で物体を検出する。物体が視野制限器であること、またそれが適正な場所で、かつ所望の向きで配置されていることを仮定することができるが、任意選択のステップ138では、実際に、物体が本当に視野制限器であることを、予め定められた場所で検出される視野制限器に関連付けられたIDコードに基づいて確認することができる。さらに、任意選択のステップ138では、IPMは、ステップ136で検出された物体の形状および/または向きを決定する。したがって、このステップは、予め定められた私的閲覧場所で表示される私的情報を、特権を有さないユーザが目でみえることから保護するため、必要に応じて視野制限器を確実に位置決めする。ステップ140で、IPMは、私的情報を予め定められた私的閲覧場所で表示する。
【0049】
可動視野制限器のプロセス
図7は、例示的な形で、可動視野制限器に応答するために使用される論理を示すフローチャート150を含む。ステップ152で、ユーザは、視野制限器をディスプレイ面上の任意の場所に配置する。先に論じたように、視野制限器の支持体は、PC20で視野制限器の物理的な場所および向きを決定することが可能になる、対話型テーブルによって識別可能なIDコードを含む。このコードは、IR反射マークまたはカラーマーク、あるいは異なる形状または視覚的パターンであることが好ましいが、またはこれに代えて、他のタイプのディスプレイ面の場合には、RF信号または容量結合信号(または他のタイプの電気特性)、あるいは圧力共鳴信号をIDコードとして使用し、視野制限器を識別することができる。
【0050】
ステップ154で、IPMは、ディスプレイ面上の物体を検出し、その物体のIDコードに基づいて、その物体が視野制限器であることを検証する。ステップ156で、IPMは、視野制限器の位置および向きを検出する。視野制限器の向きは、支持体の形状に基づいて、あるいは、IDコードの特性、または視野制限器の他の検出可能な特性に基づいて決定することができる。
【0051】
ステップ158で、IPMは、実行されるソフトウェアアプリケーションと通信し、ソフトウェアアプリケーションの状態に応じて、現時点で表示すべき私的データを決定する。IPMは、判断ステップ160で、ユーザとの対話を円滑にするためユーザ入力またはグラフィック物体の表示の必要性についてテストする。ユーザ入力または他の物体が必要とされる場合、プロセスは、ステップ162で続行し、IPMは、ユーザ入力と任意の他のグラフィック物体を私的データを表示する際に一体化する。そうでない場合には、プロセスは、ステップ164で続行する。
【0052】
ステップ164に示すように、IPMは、私的情報を表示すべき私的情報割当位置を決定する。私的情報割当位置は、視野制限器配向、特権ユーザの位置、特権を有さないユーザの位置、他の表示データ画像との考えられる重なり合いの考察に関連して決定されることが好ましい。
【0053】
ステップ166、168、170は、特権を有さないユーザによる閲覧から適切に保護されない可能性のある表示される私的データに関して、警告メッセージの発行を容易にするために、任意選択で実行される。したがって、ステップ166で、IPMは、(例えば、ユーザトークンを使用することに応答して、またはアプリケーション状態に基づいて、あるいは、所期セットアップ条件に基づいて)視野制限器に関連付けられた特権ユーザの位置を決定する。次に、ステップ168では、視野制限器の位置および向きに対して、各特権を有さないユーザの位置を決定することができる。これらの最後の諸ステップは、対話型ディスプレイの周りで各ユーザの位置を決定するためにユーザトークンが検出されている場合、あるいは、ビデオもしくはオーディオ処理、または対話型ディスプレイ面とのユーザの対話に基づくものなど、ユーザの位置を識別するために他の技法が使用されている場合、容易に使用される。判断ステップ170は、私的データが特権を有さないユーザによって閲覧されないように、私的データの視点を十分に制限することができるかどうか判定する。
【0054】
私的データの視点を特権を有さないユーザによって見られることから十分に制限することができない場合、プロセスは、任意選択でステップ172に進み、IPMは、私的データを安全に表示することができないという警告メッセージを表示する。しかし、特権を有さないユーザが私的データを閲覧しないように私的データの表示を十分に制限することができる場合(または、任意選択のステップ166、168、170が実行されない場合)には、プロセスは、ステップ174で続行し、IPMは、私的データを、視野制限器によって保護された私的情報割当位置で表示する。
【0055】
可動表示現出器のプロセス
図8は、可動表示現出器の処理を示すフローチャート180である。プロセスが開始した後に、ステップ182は、IPMが視覚的不明瞭化を私的データに適用することを示す。例えば、私的データは、特権のないユーザに対して私的データを不明瞭にするため、赤色および緑色のアナグリフ着色を使用して所定の領域内で表示される。ステップ184で、IPMは、不明瞭化された私的データを、予め定められた位置に表示する。この位置は、特権ユーザの位置に対して、特権を有さないユーザの位置に対して、他の表示データとの重なり合いを回避するように選択し、かつ/またはアプリケーション状態に応じて決定することができる。
【0056】
ステップ186で、ユーザは、表示現出器を、特権ユーザと、私的データの予め定められた位置との間に配置する。さらにまたはこれに代えて、表示現出器のディスプレイ面上の位置および向き、ならびに特権ユーザおよび/または特権を有さないユーザの相対位置を検出し、不明瞭化された私的データをどこに表示するか判定することができる。
【0057】
任意選択で、ステップ188は、ディスプレイ面上に配置された物体に対して実行され、検出された物体のIDコードに基づいて、その物体が表示現出器であることを検証する。表示現出器が特定のユーザまたはユーザ群に関連付けられていることを検証することにより、アプリケーションは、特権ユーザだけが表示現出器を介して私的データを確実に閲覧することができるように、私的データが、適切な場所で、不明瞭化された形態で確実に表示されるようにすることができる。
【0058】
ステップ190で、特権ユーザは、表示現出器を介して私的データを閲覧する。この時点で、特権ユーザは、私的データの知識を必要とする質問を尋ねることなど、何らかの他のアクションまたは機能を実施することができる。任意選択で、ステップ192において、IPMは、不明瞭化を取り除き、ユーザ全員が(もはや私的でない)私的データを目で知覚することを可能にする。このステップは、例えば、質問に対する応答が特権を有さないユーザによって与えられた後で行い、ユーザ全員が見るように私的データを表示することによって、正しい応答を見せることができる。
【0059】
私的データを取り除くプロセス
特権ユーザだけ私的データを閲覧することを可能にすることは、私的データが特権を有さないユーザによって閲覧されないようにすることを意味する。対話型ディスプレイテーブルとの動的対話中に私的データを取り除くことは、確実に私的データが不注意によって特権を有さないユーザにさらされないようにする。
【0060】
図9は、例示的な形で、私的データをディスプレイ面から取り除く処理を行うための諸ステップを含むフローチャート200を示す。ステップ202に示されているように、ユーザは、視野制限器を対話型テーブル表面から取り除く。明らかに、視野制限器を取り除くことにより、ディスプレイ面の周りのユーザ全員が私的データを容易に見ることが可能になるはずである。そうした結果を防止するため、ステップ204は、IPMが次のディスプレイ処理フレーム中に視野制限器が除去されたことを検出することを示す。視野制限器の支持体が対話型ディスプレイテーブルから取り除かれたとき、視野制限器のIDコードはもはや検出されなくなり、IPMがそのアクションを検出することが可能になる。例えば、視野制限器の単純な除去は、その視野制限器用の支持体の下側から反射されるIRの変化だけに基づいて検出することができる。
【0061】
ステップ206で、IPMは、ディスプレイ面上の私的データの表示に割り込み、したがって、特権を有さないユーザが私的データを閲覧しないようにすることによって、視野制限器の除去に対応する。
【0062】
本発明について、それを実施する好ましい形態と、それに対する修正に関連して述べたが、特許請求の範囲の範囲内で、多数の他の修正を本発明に加えることができることを、当業者なら理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によって決して限定されず、添付の特許請求の範囲を参照することによって全体的に決定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明を実施する際に使用される対話型テーブル用画像処理に適した、概して従来のコンピューティングデバイスまたはパーソナルコンピュータ(PC)の機能ブロック図である。
【図2】内部構成要素を示す対話型テーブルの横断面図である。
【図3】対話型テーブルの等角投影図である。
【図4】仮想構成要素の視点を制限する物理構成要素を示す対話型テーブルの図である。
【図5】仮想構成要素の視点を見せる物理構成要素を示す対話型テーブルの図である。
【図6】予め定められた視野制限器の位置を処理するためのプロセスのフローチャートである。
【図7】可動視野制限器を処理するためのプロセスのフローチャートである。
【図8】可動表示現出器を処理するためのプロセスのフローチャートである。
【図9】表示現出器が除去されたことに応答して、ディスプレイ面からの私的データの除去を処理するためのプロセスのフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
21 処理装置
22 システムメモリ
23 システムバス
32 ハードディスクドライブインターフェース
33 磁気ディスクドライブインターフェース
34 光ディスクドライブインターフェース
35 オペレーティングシステム
36 アプリケーションプログラム
37 他のプログラムモジュール
38 プログラムデータ
40 キーボード
46 I/Oデバイスインターフェース(例えば、シリアル)
47 モニタ
48 ビデオアダプタ
49 遠隔コンピュータ
53 ネットワークインターフェース
54 モデム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ面上に表示された私的情報の観察を特権閲覧者に制限する方法であって、
(a)視野制限器を前記ディスプレイ面上の第1の位置で位置決めすることを可能にするステップと、
(b)前記視野制限器が、実質的に、特権を有さない閲覧者が前記私的情報を閲覧するのを阻止するが、前記特権閲覧者が前記私的情報を閲覧することを可能にするように、前記私的情報を前記ディスプレイ面上の第2の位置で表示するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の位置および前記第2の位置は、予め定められることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)前記第1の位置を決定するため、前記視野制限器の位置を検知するステップと、
(b)前記決定された第1の位置に応じて前記第2の位置を決定するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ディスプレイ面上に表示された私的情報の観察を特権閲覧者に制限する方法であって、前記ディスプレイ面の少なくとも一部分は、特権を有さない閲覧者が閲覧することができ、
(a)前記ディスプレイ面上に配置され、前記ディスプレイ面の私的情報割当部の観察を特権閲覧者に制限する視野制限器を検出するステップと、
(b)前記視野制限器を前記私的情報に関連付けるステップと、
(c)前記私的情報を表示すべき前記ディスプレイ面上の前記私的情報割当部を決定するステップと、
(d)前記私的情報を前記私的情報割当部で表示するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記視野制限器を検出するステップは、
(a)前記ディスプレイ面の、視野制限器が配置されている物体側と反対側である前記ディスプレイ面の側から、および、
(b)前記ディスプレイ面内から
の2つの異なる配置のうち1つから、前記視野制限器に関連付けられた物理特性を検出するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
(a)前記ディスプレイ面上の前記視野制限器の位置および向きのうち少なくとも1つを決定するステップと、
(b)前記ディスプレイ面上の前記視野制限器の前記位置および前記向きのうち少なくとも1つに対して前記私的情報割当部を決定するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記視野制限器の前記向きを決定するステップは、
(a)前記視野制限器の形状、
(b)前記視野制限器上の識別子の向き、
(c)前記物体の色の変動、
(d)前記視野制限器から反射される光強度の変動、
(e)前記視野制限器の磁気極性、
(f)前記ディスプレイ面上の前記視野制限器によって生成される圧力変動、および、
(g)前記視野制限器の電気特性
のうち少なくとも1つを含む配向特性を決定するステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(a)前記視野制限器が関連付けられ、および前記私的情報を閲覧すべきとされる前記特権閲覧者を識別するステップと、
(b)前記視野制限器に対して前記特権閲覧者の位置を決定するステップと、
(c)前記私的情報割当部が前記特権閲覧者の位置から閲覧可能であるように前記視野制限器が配向されているかどうか判定するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記特権閲覧者の場所を決定するステップは、
(a)前記ディスプレイ面上の特権閲覧者トークンの場所を決定するステップ、
(b)前記予め定められた特権閲覧者の位置を、前記ディスプレイ面上で前記私的情報を表示するアプリケーションの状態に応じて決定するステップ、および、
(c)前記予め定められた特権閲覧者の位置を、前記ディスプレイ面上のユーザ入力に基づいて決定するステップ
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(a)前記視野制限器に対して前記特権を有さない閲覧者の位置を決定するステップと、
(b)前記私的情報が前記特権を有さない閲覧者の位置から見えるのを前記視野制限器が妨げるように、前記ディスプレイ面の前記私的情報割当部の配置を調整するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項11】
(a)前記表示される私的情報を使用して、対話式で入力をするように前記特権閲覧者を促すステップと、
(b)前記特権閲覧者が前記ディスプレイ面と対話した結果として前記特権閲覧者による入力を検出するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項12】
(a)前記ディスプレイ面からの前記視野制限器の除去を検出するステップと、
(b)前記視野制限器が前記ディスプレイ面から除去されたことに応答して、前記ディスプレイ面上の前記私的情報の表示に割り込むステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項13】
請求項4に記載のステップを実施するための命令が記憶されていることを特徴とするメモリ媒体。
【請求項14】
表示された私的情報の観察を特権閲覧者に制限し、前記私的情報が特権を有さない閲覧者によって閲覧されるのを妨げるためのシステムであって、
(a)前記私的情報が表示されるディスプレイ面であって、前記私的情報を閲覧することが可能で、物体を配置することができる対話側を有し、ディスプレイ面の少なくとも一部分が特権を有さない閲覧者によって見られるディスプレイ面と、
(b)前記私的情報が特権を有さない閲覧者によって見られないように前記ディスプレイ面上に表示される前記私的情報の観察を制限するため、前記ディスプレイ面上に配置されるようにサイズ決めされ、形作られる視野制限器と、
(c)前記対話側から前記ディスプレイ面の反対側に配置され、前記ディスプレイ面を介して、前記ディスプレイ面の前記対話側に送られる赤外光を放射する光源と、
(d)前記ディスプレイ面の前記反対側に配置され、前記ディスプレイ面を介して物体から反射される赤外光を感知する光センサと、
(e)前記光センサと通信するプロセッサと、
(f)前記プロセッサと通信するメモリであって、データと、
(i)前記ディスプレイ面の私的情報割当部の観察を制限するために前記ディスプレイ面上に配置されると前記視野制限器を検出し、前記私的情報が特権を有さない閲覧者に見えないようにするステップ、
(ii)前記視野制限器を前記私的情報に関連付けるステップ、
(iii)前記私的情報を表示すべき前記ディスプレイ面上の前記私的情報割当部を決定するステップ、および、
(iv)前記私的情報を前記私的情報割当部で表示するステップ
を含む複数の機能を前記プロセッサに実施させる命令とを記憶するメモリと
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記光センサは、前記視野制限器から反射される赤外線に応答することによって、前記ディスプレイ面の前記反対側から前記視野制限器を検出し、前記プロセッサに供給される、対応する信号を生成することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記命令は、さらに前記プロセッサに、
(a)前記光センサからの前記信号を処理させて、前記ディスプレイ面上の前記視野制限器の位置および向きのうち少なくとも1つを決定し、
(b)前記ディスプレイ面上の前記視野制限器の前記位置および前記向きのうち少なくとも1つに対して前記私的情報割当部を決定させることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記命令は、前記プロセッサに前記光センサからの前記信号をさらに処理させて、
(a)前記視野制限器の形状、
(b)前記視野制限器上の識別子の向き、
(c)前記視野制限器の色の変動、
(d)前記視野制限器から反射される前記赤外線の光強度の変動
のうち少なくとも1つを含む配向特性を決定することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記命令は、さらに前記プロセッサに、
(a)前記視野制限器が関連付けられ、および前記私的情報を閲覧すべきとされる前記特権閲覧者を識別させ、
(b)前記視野制限器に対して前記特権閲覧者の位置を決定させ、
(c)前記私的情報割当部が前記特権閲覧者の位置から閲覧可能であるように前記視野制限器が配向されているかどうか判定させることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
特権閲覧者トークンをさらに備え、前記特権閲覧者の位置を決定するために、前記命令は、さらに前記プロセッサに、
(a)前記光センサを使用させて、前記ディスプレイ面上に配置されると前記特権閲覧者トークンから反射された光を検知し、前記プロセッサによって処理される信号を生成して前記ディスプレイ面上の前記特権閲覧者トークンの場所を決定し、
(b)前記私的情報を前記ディスプレイ面上に表示するアプリケーションの状態に応じて、前記予め定められた特権閲覧者の位置を決定させることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記命令は、さらに前記プロセッサに、
(a)前記視野制限器に対して前記特権を有さない閲覧者の位置を決定させ、
(b)前記私的情報が前記特権を有さない閲覧者の位置から見えるのを前記視野制限器が妨げるように、前記ディスプレイ面の前記私的情報割当部の配置を調整させることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記命令は、さらに前記プロセッサに、
(a)表示される前記私的情報を使用させて、特権閲覧者による対話式入力を促し、
(b)前記特権閲覧者が前記私的情報と対話した結果として入力を検出させることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記命令は、さらに前記プロセッサに、
(a)前記光センサを使用させて、前記ディスプレイ面からの前記視野制限器の除去を検出し、
(b)前記視野制限器が前記ディスプレイ面から除去されたことに応答して、前記ディスプレイ面上の前記私的情報の表示に割り込ませることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
ディスプレイ面上で私的情報を見せるための方法であって、前記ディスプレイ面の少なくとも一部分は、特権を有さない閲覧者が閲覧することができ、
(a)前記ディスプレイ面上に表示された前記私的情報を不明瞭化するステップと、
(b)前記私的情報と閲覧者との間の見通し線内に配置された表示現出器を介して前記私的情報が閲覧されることを可能にするステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記私的情報を不明瞭化するステップは、カラーマークを前記私的情報に適用して、前記私的情報が前記表示現出器を介し閲覧されない限り、前記カラーマークを除き前記私的情報が見られないようにするステップを含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記表示現出器は、前記カラーマークを除き前記私的情報を見えるようにすることを可能にする前記カラーマークをフィルタにかけて除去する光フィルタを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記私的情報を不明瞭化することなしに前記私的情報を選択的に表示して、それを見る全員に開示することを可能にするステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
ディスプレイ面上で私的情報の観察を制限する視野制限器であって、前記ディスプレイ面の少なくとも一部分は、特権を有さない閲覧者が閲覧することができ、
(a)少なくとも1つの方向から前記ディスプレイ面の私的情報割当部の観察を制限するように形作られ、サイズ決めされる視野制限パネルと、
(b)前記視野制限パネルを前記ディスプレイ面の上方で直立に支持する、前記視野制限パネルに結合された支持体と、
(c)前記視野制限器に関連付けられた識別子であって、前記視野制限器に関連する私的情報が、前記ディスプレイ面の前記私的情報割当部で表示され、所望の位置から閲覧可能であり、少なくとも前記1つの方向からは閲覧できないように、前記視野制限器をディスプレイシステムに対して識別する識別子と
を備えたことを特徴とする視野制限器。
【請求項28】
前記識別子は、予め定められた形状、検出可能なマーカコード、色、電気特性、視覚的パターン、信号のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項27に記載の視野制限器。
【請求項29】
ディスプレイ面上に表示される私的情報を、前記ディスプレイ面を閲覧する特権閲覧者だけによって閲覧されることを可能にする表示現出器であって、前記私的情報が表示される前記ディスプレイ面の少なくとも一部分が視覚的に不明瞭にされ、その結果、特権を有さない閲覧者が閲覧すると前記特権を有さない閲覧者は前記私的情報を見ることができず、
(a)前記特権閲覧者と前記ディスプレイ面との間の見通し線内に配置されると、前記私的情報を特権閲覧者が知覚することが可能となる表示現出構成要素と、
(b)前記表示現出構成要素を、前記私的情報と、前記特権閲覧者の見通し線との間で支持するために、前記表示現出構成要素に結合される支持体と
を備えたことを特徴とする表示現出器。
【請求項30】
前記表示現出器と、前記私的情報とに関連付けられた識別子をさらに備え、前記識別子がディスプレイシステムに対して前記表示現出器を識別し、その結果、前記識別子と、前記表示現出器とに関連付けられた前記私的情報が、前記ディスプレイ面上で視覚的に不明瞭にされた形で表示され、前記表示現出構成要素を介して見られると特権閲覧者が見ることが可能であることを特徴とする請求項29に記載の表示現出器。
【請求項31】
前記表示現出構成要素は、前記私的情報が表示されると前記私的情報に適用されたカラーマーカをフィルタかけて除去し、前記私的情報がカラーフィルタを介して閲覧されない限り前記私的情報を視覚的に不明瞭にするカラーフィルタを含むことを特徴とする請求項29に記載の表示現出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−53525(P2006−53525A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−150935(P2005−150935)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】