説明

特に固形状またはペースト状の製品用の容器、その製造方法、およびこの容器とそれを受け入れる入れ物とからなる包装

【課題】消費者が内容物に容易にアクセスできる固形状またはペースト状の製品用の容器を提供する。
【解決手段】特に固形状またはペースト状の製品用の容器1は、底3と、底から延びて底に対して直立した姿勢を保持できる剛性保持手段4を組み込んだ側壁8とを有し、これら剛性保持手段は側壁を展開し、持ち上げるための柔軟手段5によって2つずつ一緒に接続されて側壁の周囲にわたって間隔を空け、柔軟手段は、少なくとも1つの柔軟なフィルム2の所定領域によって形成され直立姿勢から放射状に広がるように底を延ばした展開姿勢へ側壁を可逆的に移行させることができ、剛性保持手段は、熱可塑性樹脂を柔軟なフィルムの上に射出して剛性保持手段と随意の底とを形成するオーバーモールドにより柔軟手段に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、固形状またはペースト状の製品用の容器、その製造方法、およびそのような製品を支持する容器とこの容器を離脱可能に受け入れる入れ物とからなる包装に関する。一般に本発明は全ての固形状または半固形状の製品の包装に適用され、例示であって限定するものではないが特に熟していないチーズまたはチーズ特製品のような食品に適用される。
【背景技術】
【0002】
ケーキ容器に関する米国特許第6,089,446号に記載されているように、例えば紙で作られたような柔軟な容器で食品を包装することが長い間慣例として知られている。この容器は底と補強手段として設けられた蛇腹を備える側壁とを有し、蛇腹はこの側壁の周囲全体にわたって連続して延び、容器が開かないように直立の姿勢を維持する目的で設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,089,446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このタイプの容器の主な欠点は、側壁を底のラインに沿って開くことができないので、例えば製品を切り分けようとする消費者がその内容物に容易にアクセスできないことである。
【0005】
本発明の目的は、この欠点を改善できる固形状またはペースト状の製品用の容器を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、底と、底から延びて底に対して直立した姿勢を保持できる剛性保持手段を組み込んだ側壁とを有し、これら剛性保持手段は側壁を展開し/持ち上げるための柔軟手段によって2つずつ一緒に接続されて側壁の周囲にわたって間隔を空け、柔軟手段は、少なくとも1つの柔軟なフィルムの所定領域によって形成され、直立姿勢から放射状に広がるように底を延ばした展開姿勢へ、側壁を可逆的に移行させることができ、剛性保持手段は、熱可塑性樹脂を柔軟なフィルムの上に射出して剛性保持手段と随意の底とを形成するオーバーモールドにより柔軟手段に固定される容器を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、側壁を展開し/持ち上げる柔軟手段がこれら剛性保持手段と相互に作用してこの展開姿勢(すなわち底に対して展開、平坦または僅かに持ち上がった姿勢)を可逆的に達成することにより、消費者が製品を切り分けるために製品へ都合よくアクセスすることを許容しつつ、これら剛性保持手段によってこの製品が容器から脱落することを防止できる。特に、後者は、消費者が容器を保持しその手で容器を開く際に側壁が完全に開かないように、その展開して開いた姿勢で側壁を保持することも可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る穿孔された容器を上方からみた斜視図であり、配送用の平坦な状態を示している。
【図2】図1の容器を上方に持ち上げた中間姿勢の斜視図である。
【図3】図2の容器を側方からみた斜視図であり、最終的に安定した直立姿勢を示している。
【図4】図3に示される容器がこの容器を受け入れるように設計された剛直な容器に側壁を追従させながら直立姿勢で挿入される様子を示す斜視図である。
【図5】図2および3の変形例に係る本発明による穿孔されていない容器が完全に挿入された図4の入れ物を上方からみた斜視図である。
【図6】食品が入れられた図5の容器付き入れ物を上方からみた斜視図である。
【図7】入れ物から引き抜かれ折りたたみ姿勢となった図6の食品入り容器を上方からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明による容器は、底と、底から延びて底に対して直立した姿勢を保持できる剛性保持手段を組み込んだ側壁とを有し、これら剛性保持手段は側壁を展開し/持ち上げるための柔軟手段によって2つずつ一緒に接続されて側壁の周囲にわたって間隔を空け、柔軟手段は、少なくとも1つの柔軟なフィルムの所定領域によって形成され、直立姿勢から放射状に広がるように底を延ばした展開姿勢へ、側壁を可逆的に移行させることができ、剛性保持手段は、熱可塑性樹脂を柔軟なフィルムの上に射出して剛性保持手段と随意の底とを形成するオーバーモールドにより柔軟手段に固定されることを特徴とする。
【0010】
本明細書において「容器」(receptacle)とは、前述の製品を収容できる中空の用具を意味し、この容器はこれらの製品を支持するか(すなわち、その底を下方にむけて)、或いは上下逆さにしてクローシュのようにそれらを囲むのに用いられる(すなわち、その底を上に向けて容器の上部を形成する)。
【0011】
なお、これら剛性保持手段(rigid retention means)によって、容器の底と実質的に直角または僅かに鈍角をなすようにその側壁を補強することにより本発明の容器にその直立姿勢(すなわち、引き上げられるか、或いは折りたたまれた姿勢)で自立する特性を与えることが可能になる点に留意されるであろう。
【0012】
柔軟手段(展開/持ち上げ手段(unfolding/uplifting means))については、それらがこれら剛性保持手段と相互に作用してこの展開姿勢(すなわち底に対して展開、平坦または僅かに持ち上がった姿勢)を可逆的に達成することにより、消費者が製品を切り分けるために製品へ都合よくアクセスすることを許容しつつ、これら剛性保持手段によってこの製品が容器から脱落することを防止できる。特に、後者は、消費者が容器を保持しその手で容器を開く際に側壁が完全に開かないように、その展開して開いた姿勢で側壁を保持することも可能にする。
【0013】
クローシュ(cloche)のように容器が上下逆さの姿勢で使用される場合、この容器は製品を収容するために任意にプレートまたはベースと相互に作用する。この場合、柔軟手段によって展開姿勢を達成することは、消費者が前記側壁を実質的に前記底に沿って底から離れるように上方へ移動させることにより側方から製品にアクセスし、側壁を折りたたんで容器を直立姿勢にすることによりこの製品の回収を可能にする点に留意されるであろう。特にチーズのような製品の場合には、そのようなクローシュはこの製品を仕上げる(refining)役割を果たすのにも適用され得ることが留意されるであろう。
【0014】
また、この容器は、前記柔軟手段の利点により各使用後にその直立姿勢に容易に折りたため、容器をそこに保持する他の外的な容器または入れ物を用いることなくこの姿勢に安定して留めることができる点にも留意されるであろう。
【0015】
また、容器の側壁は1つまたはより多くのフラップ、或いは少なくとも容器を部分的に閉じる蓋のようなものによって上方へ延びることができ、これにより製品を支持するだけでなく、密封または密封しない方法により容器で包むことができる。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、剛性保持手段は、側壁の周囲にわたって柔軟手段と交互に延びる剛性ラス(rigid laths)により形成され、少なくとも1つの柔軟なフィルムは底に接触する2つの隣接する剛性ラスの間に延びこれら剛性ラスの自由端と交互に側壁の自由端を形成できる。
【0017】
本明細書において「ラス」とは、互いに同一または異なる細長い外形(例えば長方形だが他のいかなる形状であってもよい)を有し、表面が平坦または湾曲(例えばそれらの高さ及び/又は幅方向に丸められるか、或いは、曲げられた)した枝状または棒状のものを意味する。それゆえ、これらの剛性ラスは互いに異なる高さ、幅または厚さを有することができ、剛性ラスの厚さは例えば0.3mmから数mmの範囲で変化できる。
【0018】
前記柔軟手段は、内側へ折りたたまれると剛性ラスが実質的に接触する前記直立姿勢になり、外側へ展開すると剛性ラスが互いに間隔を空ける前記展開姿勢になるところの、蛇腹を形成する隣接した剛性ラスに取り付けられるのが有利である。
【0019】
これら蛇腹の変形例としては、前記柔軟手段は、それらが剛性ラスの方へ部分的に引っ込んだ直立姿勢から、それらがこれら剛性ラスから部分的に引き出された展開姿勢へ移動できるように、これらの隣接した剛性ラスに配置されたスロット(slot)に移動可能に取り付けられることができる。
【0020】
本発明の別の特徴によれば、前記柔軟手段は、好ましくは紙、布、不織布または変形可能な熱可塑性樹脂からなる柔軟なフィルムにより形成されて2つの隣接した剛性ラスの間で可逆的に折りたため、かつ、側壁の周囲全体にわたって延びこれら剛性ラスへ一定の間隔で固定されることができる。また、前記柔軟なフィルムはこれら剛性ラスの各内面へ固定され、これら剛性ラスの幾つかまたは各々は底へ繋がれるか、或いはこの柔軟なフィルムによって底から離れるのが有利である。後者の場合、この柔軟なフィルムは底へ繋がれることによりそれ自体がヒンジの作用を果たす。
【0021】
これら剛性ラスの各々は底辺を有し、底辺はその中央に配置された関節部によって底の周縁へつながれ、前記柔軟なフィルムはこの底と各剛性ラスに接触する各関節部の両側に延びるのが有利である。
【0022】
好ましくは、この底とこれら剛性ラスの両方は、上述のオーバーモールドで射出される、例えばポリスチレンまたはポリプロピレンのような1つの同じ硬質熱可塑性樹脂から形成される。しかしながら、底は、他の半剛体またはこの発明の趣旨から外れない柔軟な材料で作られてもよいことに留意されるであろう。
【0023】
本発明の別の特徴によれば、容器は側壁の周囲の好ましくは対向した少なくとも2つの剛性ラスの各自由端によって形成された把持手段を備えるのが有利である。これらの把持手段は、例えば取っ手を形成するか、或いは互いに繋がれてかごのようなアーチ状の1つまたはより多くの輪を形成できる。
【0024】
例示であって限定するものではないが、底は、展開姿勢において容器が開いた花冠の形状を有するように実質的に円形または方形の形状を有することができる。しかしながら、長円形、楕円形、多角形(例えば正方形)または他の形状もこの底の形状として考えられる。
【0025】
本発明による、熟していないチーズまたはチーズ特製品のような固形状またはペースト状の食品の包装は、上述されたこの食品を支持する容器と、この容器を離脱可能に受け入れる例えば鉢状の剛性の入れ物(rigid container)とを備え、容器の側壁は直立姿勢において入れ物の側壁の形状に実質的に一致し、この容器は食品が入れ物の内側へ排液できるように、好ましくは多孔質及び/又は穿孔された材料からなる。
【0026】
剛性保持手段は、前記柔軟手段と交互に側壁の周囲にわたって延びる穿孔された剛性ラスによって形成され、前記柔軟手段は少なくとも1つの多孔質の柔軟なフィルムによって形成されて底の周囲全体にわたって延び、一定の間隔で前記剛性ラスへ固定されるのが有利である。
【0027】
前記把持手段は容器を保持するための剛性手段によって単一の片として形成されることができ、容器を取り扱うか、或いは容器の内容物を消費する際に入れ物から容器を容易に引き抜くことを可能にする点に留意されるであろう。
【0028】
また、製品を収容した容器を受け入れるこの入れ物は、入れ物の上縁に離脱可能に載せられる蓋のような密封または密封しない閉塞部材と共に提供され得ることにも留意されるであろう。
【0029】
本発明による、上述の容器の製造方法は、剛性保持手段によって前記柔軟手段をオーバーモールドする工程を備え、好ましくはこのオーバーモールドする工程は:
a)前記柔軟手段を局部的に形成するように設計された金型の底に好ましくは紙、布、不織布または変形可能な熱可塑性樹脂からなる柔軟なフィルムを配置し、
b)この柔軟なフィルムの上に底および剛性保持手段を形成するように設計された少なくとも1つの硬質熱可塑性樹脂を射出して柔軟なフィルムを底およびこれら剛性保持手段に密着させ、
c)冷却後に金型から引き抜いて容器を得る
ことにより実施される。
【0030】
この方法は「IML」(In Mold Labeling)という種類のもので、この例でオーバーモールドされたラベルの役割は、前記柔軟手段の形成を許容するために柔軟なフィルムの全ての表面が剛性保持手段に固定されない点を除き、柔軟なフィルムによってなされることに留意されるであろう。
【0031】
本発明の他の特徴、利点および詳細は、本発明の幾つかの模範的な実施形態の以下の説明と、限定するものではない図面により明らかにされるであろう。
【0032】
本発明の好ましい実施形態において、図1〜3の容器1は柔軟な部分と剛性の部分を交互にした複合構造を有し、例えば、布、紙またはその他の柔軟な材料からなる柔軟なフィルム2によって形成されて変形および折りたたみ可能である。柔軟なフィルム2はオーバーモールドにより一方では底3の内面(この具体的な実施例では円形)に、他方では底3の周囲に星状に配置され、かつ、蛇腹を形成する柔軟な展開/持ち上げ領域5により2つずつ互いに分離した剛性ラス4(図1および2において符号6および8で示される長方形)の各内面に固定される。
【0033】
このオーバーモールドは、まず射出成形金型の底にフィルム2を配置し、続いてフィルム2の上に底3および剛性ラス4を形成するように設計された硬質熱可塑性樹脂(例えば、ポリスチレンまたはポリプロピレンからなる)を射出してこのフィルム2を底3と剛性ラス4へ密着させ、冷却後に金型から容器1を引き抜くことにより実施される。フィルム2は無色または着色された材料からなっていてもよいし、或いは、ラベルのように印刷された材料であってもよく、剛性ラス4を形成する熱可塑性樹脂は広範なバラエティの色および/またはクリームホワイトのような緩和効果を有していてもよいし、金型をエッチングして得られた木目調であってもよく、特に限定されない。
【0034】
フィルム2および剛性ラス4に用いられる材料は大いに変更でき、底2や剛性ラス4と接触する例えば熟していないチーズまたはチーズ特製品のような製品の良好な保存に適したものが有利に選択されることに留意されるであろう。
【0035】
図1〜3の例において、剛性ラス4はヒンジを形成する関節部6によって底3に接続される。関節部6は、好ましくはこれら剛性ラス4が実質的に底3の接線となるように剛性ラス4の底辺4aの中心に配され、柔軟なフィルム2は各剛性ラス4のまわりに横方向に延び、必要であれば底3に接触する各関節部6の両側に延びる。
【0036】
この実施形態において、各剛性ラス4は、容器1内に配置された熟していないチーズのような食品に含まれる滲出物または乳清の流出を許容するように設計された穿孔4bを有し、例えば、容器1は、容器1を受け入れるように設計された鉢状の入れ物10に挿入された際に食品からの排液のための排液かごの役割を果たす(図4参照)。フィルム2については、チーズまたはチーズ特製品から放出された乳清の一部をその賞味期限(フランス語で「DLUO」)またはその販売期限(フランス語で「DLV」)まで吸収するために、多孔質または所定の領域において穿孔されたものが容器1に収容される製品に応じて選択される。フィルム2のこの任意の透水性によって乳清は入れ物10の底に運び去られる。
【0037】
さらに、これら剛性ラス4の幾つか(これらの図において正反対に対向した2つの剛性ラス4)は、それらの頂辺4cに容器1をつかむための手段7が都合よく設けられ、フラップの端が剛性ラス4に延びるこの例において前記手段は容器1の内側へ折り重ねられた単一の片として形成され、それによってかごのようなものを形成する。これらフラップ7は入れ物10(図4参照)への挿入と抜き取りを容易にする。成形により得られた容器1は重ねられて平らな状態(図1参照)で配送され、フラップ7は全て同じ方向に向けられることに留意されるであろう。
【0038】
図1および2の例において、フィルム2は一定の間隔で剛性ラス4の各内面に固定されつつ容器1の側壁8の周囲全体にわたって延び、剛性ラス4の頂辺4cから底辺4aに向かうに従って間隔が短くなっている。
【0039】
図2の展開姿勢と図3の直立姿勢を参照すると、フィルム2によって形成された蛇腹5は、展開姿勢では外側に展開し(ほぼ平ら)、反対に直立姿勢では容器1の内側へ向かって折りたたまれて剛性ラス4がほぼ接触し、2つの剛性ラス4の間で可逆的に曲げられることが見てとれるであろう。これらの剛性ラス4はそれら自体が容器1を図3の直立姿勢に保持することを可能にし自立していることに留意されるであろう(この例においてその側壁8は僅かに円錐状の形状を有している)。
【0040】
図5は、図4の容器10の底に入れられた本発明による他の容器1'を示し、この容器1'は直立姿勢において入れ物10の側壁10a(この例において円筒状または僅かに円錐状)と、必要であれば底10b(例えば、食品11から生ずる排液を集めるために、容器1'の底3とこの底10bとの間に配置され得る所定の上下空間)に追従する。図6はこの食品11を計量して容器1'に入れた結果を示し、この後、容器1'は食品11の適切な保存のために蓋または他の手段によって閉じられる。チーズの場合、用いられたチーズ製造技術により例えば4℃から85℃の間で計り出される。
【0041】
図7に示されるように、まず、入れ物10の縁10cと同じ高さにあるか、或いは縁10cから突き出た把持手段7によって入れ物10から容器1'を抜き取り、その後、図7の展開姿勢を得るため、例えばこれら把持手段7を互いに離すように引っ張って容器1'の側壁8を広げることにより食品11へアクセスできる。その後、消費者は都合よく食品11をつかむか、或いは、側壁8が完全に開かないように抵抗する剛性ラス4のおかげで、開かれていても食品11が容器1'によって保護されることを確かなものにしながら満足できる方法で切り分けることができる。
【0042】
一般に、本発明による容器1,1'はそれを受け入れる外側の入れ物10なしで使用されてもよく、柔軟なフィルム2の有効表面領域の利点により熟していないチーズ以外の例えばソフトチーズのようなチーズを包装するように設計されてもよく、フィルム2の使用されていない上部はチーズの上面へ包みのように折りたためることに留意すべきである(このフィルム2はチーズの適切な保管のために十分な多孔性/通気性を有するように選択される)。
【0043】
最後に、この説明の最初で述べたように、本発明による容器は食べられるか否か、或いは予め包装されているか否かに係わらず、実用品や装飾品も含め全ての種類の製品を支持するために使用でき、図1〜7を参照して説明した容器の形状は数あるなかの1つの例に過ぎず、包装される製品の特性や寸法に応じて大きく変更できる。
【符号の説明】
【0044】
1,1' 容器
2 フィルム
3,10b 底
4 剛性ラス
4a 底辺
4b 穿孔
4c 頂辺
5 蛇腹
6 関節部
7 フラップ
8,10a 側壁
10 入れ物
10c 縁
11 食品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底(3)と、底(3)から延びて底(3)に対して直立した姿勢を保持できる剛性保持手段(4)を組み込んだ側壁(8)とを有し、これら剛性保持手段(4)は側壁(8)を展開し/持ち上げるための柔軟手段(5)によって2つずつ一緒に接続されて側壁(8)の周囲にわたって間隔を空け、柔軟手段(5)は、少なくとも1つの柔軟なフィルム(2)の所定領域によって形成され、直立姿勢から放射状に広がるように底(3)を延ばした展開姿勢へ、側壁(8)を可逆的に移行させることができ、剛性保持手段(4)は、熱可塑性樹脂を柔軟なフィルム(2)の上に射出して剛性保持手段(4)と随意の底(3)とを形成するオーバーモールドにより柔軟手段(5)に固定される、特に固形状またはペースト状の製品用の容器(1,1')。
【請求項2】
剛性保持手段(4)は、側壁(8)の周囲にわたって柔軟手段(5)と交互に延びる多数の剛性ラス(4)により形成され、少なくとも1つの柔軟なフィルム(2)は底(3)に接触する2つの隣接する剛性ラス(4)の間に延びこれら剛性ラス(4)の自由端(4c)と交互に側壁(8)の自由端を形成する請求項1に記載の容器(1,1')。
【請求項3】
柔軟手段(5)は、直立姿勢において内側へ折りたたまれて蛇腹を形成し折りたたみ姿勢において外側へ展開する隣接した剛性ラス(4)に取り付けられる請求項2に記載の容器(1,1')。
【請求項4】
柔軟手段(5)は、好ましくは紙、布、不織布または変形可能な熱可塑性樹脂からなる柔軟なフィルム(2)により形成されて2つの隣接した剛性ラス(4)の間で可逆的に折りたため、かつ、側壁(8)の周囲全体にわたって延び剛性ラス(4)へ一定の間隔で固定される請求項2または3に記載の容器(1,1')。
【請求項5】
柔軟なフィルム(2)は剛性ラス(4)の各内面へ固定され、剛性ラス(4)の各々または幾つかは底(3)へ繋がれるか或いは柔軟なフィルム(2)によって底(3)から離れる請求項4に記載の容器(1,1')。
【請求項6】
剛性ラス(4)の各々は底辺(4a)を有し、底辺(4a)はその中央に配置された関節部(6)によって底(3)へつながれ、柔軟なフィルム(2)は底(3)と各剛性ラス(4)に接触する各関節部(6)の両側に延びる請求項3〜5のいずれか1つに記載の容器(1,1')。
【請求項7】
容器(1,1')は、側壁(8)の周囲の好ましくは対向した少なくとも2つの剛性ラス(4)の各自由端によって形成された把持手段を備える請求項2〜6のいずれか1つに記載の容器(1,1')。
【請求項8】
底(3)は、展開姿勢において容器(1,1')が開いた花冠の形状を有するように実質的に円形または方形の形状を有する先の請求項いずれかに記載の容器(1,1')。
【請求項9】
熟していないチーズまたはチーズ特製品のような固形状またはペースト状の食品(11)の包装であって、この食品(11)を支持する容器(1,1')と、容器(1,1')を離脱可能に受け入れる剛性の入れ物(10)とを備え、容器(1,1')の側壁(8)は直立姿勢において入れ物(10)の側壁(10a)の形状に実質的に一致し、この容器(1,1')は先の請求項のいずれか1つに記載の容器(1,1')からなり食品(11)が入れ物(10)の内側へ排液できるように好ましくは多孔質及び/又は穿孔された材料からなる包装。
【請求項10】
剛性保持手段(4)は、柔軟手段(5)と交互に側壁(8)の周囲にわたって延びる穿孔された剛性ラス(4)によって形成され、柔軟手段(5)は少なくとも1つの多孔質の柔軟なフィルム(2)によって形成されて底(3)の周囲全体にわたって延び一定の間隔で前記剛性ラス(4)へ固定される請求項9に記載の包装。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の容器(1,1')の製造方法であって、剛性保持手段(4)によって柔軟手段(5)をオーバーモールドする工程を備え、好ましくはこのオーバーモールドする工程は:
a)柔軟手段(5)を局部的に形成するように設計された金型の底に好ましくは紙、布、不織布または変形可能な熱可塑性樹脂からなる柔軟なフィルム(2)を配置し、
b)柔軟なフィルム(2)の上に底(3)および剛性保持手段(4)を構成する剛性ラス(4)を形成するように設計された少なくとも1つの硬質熱可塑性樹脂を射出して柔軟なフィルム(2)を底(3)と剛性ラス(4)に密着させ、
c)冷却後に金型から引き抜いて容器(1,1')を得る
ことにより実施される容器(1,1')の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−189065(P2010−189065A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32800(P2010−32800)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(500466935)
【氏名又は名称原語表記】BONGRAIN S.A.
【住所又は居所原語表記】42,rue Rieussec,78223 VIROFLAY CEDEX,FRANCE
【Fターム(参考)】