説明

特に自動車で使用するための制御回路を作動する方法

第1および第2出力部と、第1および第2切換手段とを備える制御回路の作動方法に関し、負荷を作動するために出力部の間に印加される制御電圧を次にように形成する。切換手段によって第1出力部を第1または第2電位に選択的に接続し、切換手段によって第2出力部を第1または第2電位に選択的に接続することによって形成し、制御電圧が少なくとも短時間少なくともほぼゼロとなる状態を、第1の場合には2つの出力部を2つの切換手段によって同時に前記第1電位に接続することによって誘起し、第2の場合には2つの出力部を2つの切換手段によって同時に第2電位に接続することによって誘起し、制御回路の作動時に、2つの場合を少なくとも1回誘起し、いずれの場合にも、出力部に印加された制御電圧を特徴づける変数または出力部/スイッチに対して直列に配置した少なくとも1つのシャント抵抗器を介して流れる電流を特徴づける変数を検出し、比較を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の方法ならびにその他の独立請求項に記載のコンピュータプログラムおよび電気メモリ媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス幅変調された信号(以下ではPWM信号と呼ぶ)は、電子技術の多様な用途により既知である。この場合、2つの対応した論理レベルもしくは電位を有する信号が問題となる。これらの信号は時間軸において一般に不連続に生じるか、または連続的に生じる場合がある。PWM信号の主要利用分野は、例えば、クロック周期制御ループにおける位相検出器またはここでは出力電子機構におけるブリッジ回路を用いた制御タスクにおいてみられるように、デジタルシステムにおけるアナログ変数の表示に関する。
【0003】
欧州特許第1341294号明細書により、自動車で使用するためのHブリッジ回路が既知である。このHブリッジ回路では、制御電圧の規定されたクロック周期変化が2つ以上の制御可能な切換手段の切換によって調整される。この場合に切換手段を制御することにより、第1作動モードでは第1の制御可能な切換手段においてのみ切換工程を実施し、第2作動モードでは第2の制御可能な切換手段においてのみ切換工程を実施し、2つの作動モードの間で周期的に切換を行い、これにより、等しい符号を有する制御電圧について2つの出力部の一方では交互にクロック周期信号が生成され、2つの出力部の他方では同時に一定の信号が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1341294号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、制御回路使用時の作動安全性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に記載の方法、その他の独立請求項に記載のコンピュータプログラムおよび電気メモリ媒体によって解決される。本発明に重要な特徴はさらに以下の説明および図面に示されており、これらの特徴は、再度明示的に示唆しないが、単独でも異なる組み合わせでも本発明に重要な構成となり得る。
【0007】
本発明によれば、Hブリッジの形式で相互に無関係に制御可能な切換手段が1つ以上の静的または動的な制御信号を使用して作動され、2極負荷に対して同じ出力結果を得るために複数の作動モードも可能である。したがって、特定の作動モードで2極負荷に印加された信号を、この場合に生じた、目標値に対する切換手段の切換状態の組み合わせで比較することができ、これにより、作動電圧の電位に対して場合によって生じる出力部の短絡を検出する。本発明の利点は、2つの出力部が負荷のそれぞれの作動時に動的に制御され、これにより、作動電圧の電位に対して場合によって出力部に生じる短絡を確実に検出できることである。このために、作動時に、負荷の制御電圧が少なくとも短時間、少なくともほぼゼロとなる状態を利用または誘起し、第1の場合には、2つの出力部が2つの切換手段によって同時に第1電位に接続され、第2の場合には同時に第2電位に接続され、これらの場合に応じて、出力部に印加された制御電圧を特徴づける出力電位の差が検出され、制御および調整装置で比較が行われる。さらにブリッジの最終段階にシャント抵抗器が含まれる場合、有利な簡易化が生じ、シャント抵抗器は2つの出力部に対して直列に配置してもよいし、ブリッジを形成する4つのスイッチに対して直列に配置してもよい。この場合、ブリッジの全ての切換状態でシャント抵抗器を介して流れる電流を連続的に検出し、閾値もしくは目標値に対して比較を行い、これらの値の超過時には警告を行うか、または緊急作動状態に切り換えることができる。
【0008】
短絡を検出することが可能なため、制御すべき構成素子の損傷およびこれらの構成素子において使用者にとって不都合となる作動状態を回避することができるので、制御回路作動時の確実性が高まる。
【0009】
この場合、制御電圧が少なくとも短時間、少なくともほぼゼロとなるべき状態で、第1の場合から第2の場合へ、または第2の場合から第1の場合へ少なくとも1回切り換えることは有意義な場合がある。したがって、制御電圧に印加された負荷に対して不利となることなしに短時間内に出力電位が変更され、これにより、2つの電位に対して2つの出力部の4つの短絡可能性全てを極めて迅速に検出し、割り当てることができる。
【0010】
本発明の有利な構成は、制御電圧が少なくとも短時間、少なくともほぼゼロとなるべき位相を、規定されたクロック周期パターンの後に第1の場合によって一回誘起し、第2の場合によってもう一回誘起することである。これは、例えば厳密に交互に行われる。これにより、第1の場合と第2の場合との間の直接に連続した切換、ひいてはこれに結びついた切換頻度の不都合な倍増も回避され、これにより、熱負荷を小さく抑えることができる。
【0011】
出力部に印加された制御電圧を特徴づける変数として、それぞれの出力部に印加された出力電位の差が考慮される。代替的または付加的に、これらの変数は、出力部に印加された出力電位の形態の2つの成分を含んでいてもよい。これらの変数は容易に検出可能であり、包括的な短絡検出のために必要な全ての情報を提供する。
【0012】
さらに、制御電圧を特徴づける変数をそれぞれ目標値と比較すると有利である。これにより、短絡が現在生じていることを検出することが可能であるのみならず、短絡の範囲および/または短絡の作用を詳細に検出もしくは記述することさえもが可能となる。
【0013】
本発明の別の有利な実施形態は、第1の場合に検出された出力電位差と、第2の場合に検出された出力電位差とを比較することである。これにより、あらかじめ規定された目標値なしに短絡が生じたことを検出し、詳細に記述することが可能である。
【0014】
本方法のさらなる利点は、検出された変数と目標値との許容できないずれ、または第1の場合に検出された変数と第2の場合に検出された変数との許容できないずれ、または変数に変化がないことを確認した場合にエラーメモリへの入力が行われる。エラーメモリは、例えばメンテナンス時に読み出すこともでき、これにより、目的に適った、ひいては安価な保守が可能となる。
【0015】
故障が検出された場合、すなわち、検出された変数と目標値との許容できないずれ、または第1の場合に検出された変数と第2の場合に検出された変数との許容できないずれ、または変数に変化がないことを確認した場合に制御回路の作動を調整し、故障の影響を小さく抑える実施形態は特に有利である。例えば、作動電圧のいずれかの電位に対して出力部に短絡が生じた場合に負荷における制御電圧を変更することができる。場合によっては、検出された短絡の方向に関係して、変更された制御信号により負荷の規則的な制御を再び誘起することができるか、または異なる制御電圧を許可もしくは誘起するか、または制御電圧を完全に遮断することができる。
【0016】
さらに、第1作動モードでは第1切換手段のみ、第2作動モードでは第2切換手段のみが少なくとも時々、クロック周期で切り換えられ、制御電圧の符号が等しい場合に第1作動モードでは第1出力部のみに、第2作動モードでは第2出力部にのみクロック周期信号が提供されており、それぞれ他方の出力部が静的信号を有するように、2つの作動モード間で、作業周期内においてクロック周期的に変更を行うと有利である。これにより、切換手段のパルス幅変調によって負荷における制御電圧が作動電圧電位によって生じた差よりも意図的に小さくなっている作動時に、短絡を検出するために必要な出力電位の切換を行うことができるだけでなく、パルス幅変調に起因する電気的損失出力が2つの切換手段に分割され、ひいては個別に低減される。
【0017】
第1の場合にも第2の場合にも2つの出力電位を互いに分離して検出し、それぞれの目標値と比較した場合、有利な実施形態が生じる。生じ得る4種類の短絡は、少なくとも2つの2値測定結果を必要とする。1つの制御電圧は単一の変数しか示さないが、これに対して、一回の検出で2つの出力電位が同時的に評価される場合、既に2つの2値測定結果が提供される。しかしながら、制御電圧の純粋な検出時に短絡を限定するためには、異なる切換状態における少なくとも2回の測定が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】2つの出力電位を提供するための本発明による制御回路を有する装置を示すブロック回路図である。
【図2】図2a、図2bおよび図2cは、負荷に正電圧をかけた場合の出力電位の経時変化を示す図である。
【図3】負荷に正電圧をかけ、2つの作動モード間で切換を行う方法における出力電位の経時変化を示す図である。
【図4】負荷に負電圧をかける図3に類似した経時変化を示す図である。
【図5】値ゼロの制御電圧で作動した場合の出力電位の経時変化を示す図である。
【図6】正の制御電圧における4種類の可能な短絡の作用を示す図1の回路図の部分図である。
【図7】負の制御電圧における図6に類似した回路図である。
【図8】制御電圧が値ゼロであり、第1電位に切り換えた場合の図6に類似した回路図である。
【図9】制御電圧が値ゼロであり、第2電位に切り換えた場合の図6に類似した回路図である。
【図10】出力電位の経時変化および電位に対する出力部の短絡を仮定した後の経時変化を例示的に示す図である。
【図11】電位に対する出力部の短絡が仮定される場合に図1の制御回路を制御するための方法を示すフロー図である。
【図12】出力部に対して直列のシャント抵抗器を有する図1に類似した制御回路を示す部分図である。
【図13】ブリッジのスイッチに対して直列のシャント抵抗器を有する図1に類似した制御回路を示す部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明の例示的な実施形態を図面に基づき説明する。
【0020】
図1は、本発明による制御回路10の装置を示すブロック回路図である。第1の制御可能な切換手段16および第2の制御可能な切換手段18を含む制御回路10と、切換手段16および18によって操作され、電磁スイッチまたは半導体装置であってもよいスイッチ32,34,36,38の概略図と、例えば自動車の接地であってもよい第1電位22と、例えば自動車のバッテリ電圧であってもよい第2電位24と、負荷30に接続するための制御電圧20を有する第1出力部12および第2出力部14と、蓄電媒体50およびコンピュータプログラム52を有する制御ユニット40と、出力部12および14から制御ユニット40への出力電位26および28の再循環経路と、制御ユニット40により切換手段16および18を制御するための2つの制御信号42および2つの制御信号44とが示されている。
【0021】
図2の上部の部分図(a)は、負荷30に正の制御電圧20がかかる場合の平均的な制御電圧20の約70パーセントについて、例えば出力電位26および28の出力部12および14の経時変化を示す。従来技術に即して、切換手段12のみがクロック周期で作動される。したがって、電位22に対する出力部14の短絡は検出することができない。
【0022】
これと時間的に比較して、図2の中央の部分図(b)は、特に制御電圧20が短時間ゼロとなる状態53の間の動作を示す(この図面および他の図面では、このような状態は複数回生じているが、それぞれの図面で最も左側に、時間的に最初に生じたところに符号を付している)。状態53の外側では出力電位26は値UBを有し、出力電位28は値ゼロを有する。上記状態53の間に第1の場合と第2の場合との間で繰り返し切り換えられる。第1の場合、2つの出力電位26および28はゼロに等しく、第2の場合はUBに等しい。この切換は、ここでは相互に直接に続いて生じる。
【0023】
これと時間的に比較して、図2の下部の部分図(c)は、制御電圧20が短時間ゼロとなる状態53の間の動作を再び示す。既に上述した第1の場合と同じく既に上述した第2の場合との間で一方の状態53から他方の状態へ交互に切り換えられる。これにより、まだ第1の場合と第2の場合との間の状態53で相互に直接に続いた切換、およびこれに結びついた切換頻度の不都合な倍増が回避される。
【0024】
図3は、図2(c)と同等の動作時を示しており、負荷30にかかる平均して約70パーセントの正の制御電圧20を有し、この場合、2つの動作モードの間の半分の作業周期46で周期的に切り換えられる。図3の左側に示されており、第1半周期を要する第1動作モードでは、第2出力電位28は一定不変にゼロである。第1出力電位26は、UBに等しい出力電位と、ゼロに等しい出力電位との間をクロック周期で動作する(パルス幅変調される)。図3の右側に示されており、第2半周期を要する第2作動モードでは、第1出力電位26は常にUBであり、第2出力電位28はUBとゼロとの間をクロック周期で動作する(パルス幅変調される)。図示のように、さらに作業周期46は、パルス幅変調された信号(PWM信号)における2つのクロック周期の最短時間を要するが、これよりも著しく長く設定してもよい。
【0025】
図4は、図3に類似した作動時を示し、負荷30にかかる平均して約70パーセントの正の制御電圧20を有するが、この場合、制御電位20は負である。
【0026】
図5は、作業周期46のサイクルで周期的および同方向に出力部12および14を電位22および24の間で切り換えた場合に負荷30にかかる制御電位20が消滅する際に、給電されていない動作時について出力部12および14における出力電位26および28の経時変化を示す。
【0027】
図6は、図1の回路図の一部、すなわち、4つのスイッチ32,34,36,38および負荷30を有する本来のH回路を示し、2つの閉じたスイッチ32,38および2つの開いたスイッチ34,36の位置に対応して、正の制御電圧20で起こりうる4種類の短絡の作用を説明する図である。符号“1”および“4”で示した短絡は、図示のスイッチ位置では不利に作用せず、また検出不可能である。これに対して、符号“2”および“3”で示した短絡は、図示のスイッチ位置では、2つの閉じたスイッチ32,38のコンダクタンスに比べたオームのコンダクタンスに応じて、制御電圧20に影響を及ぼす。生じた制御電圧20は、正の符号を有し、短絡の種類およびここでは自動車のバッテリ電圧UBである第2電位24によって規定された値とゼロとの間の値となる。符号“1”または“4”による短絡の場合には、制御電圧20(上記方程式では“UA”と呼んだ)はそれぞれバッテリ電圧UBに対応する。符号“2”または“3”で示した短絡の場合には、制御電圧20は0以上の値を有する。符号“2”または“3”で示した短絡は、図示のスイッチ位置では、生じた制御電圧20の符号および値のみによって識別することはできず、これとは異なる図8および図9に示した少なくとも1つの切換状態をさらに必要とする。これについては以下にさらに詳述する。
【0028】
これに対して、制御電圧20ではなく、出力電位26および28が測定される一実施形態では、短絡が現在の切換状態で閉じているスイッチ32,34,36,38に並列に作用しない場合には、短絡は唯一の測定で既に4種類の短絡のいずれかに割り当てられる。本発明による測定方法の用途とは無関係に、図6に符号“2”または“3”で示した種類の短絡が電位22および24の間に常に高い電流をもたらすことは自明であり、これに対しては適宜な手段を講じるべきである。
【0029】
図7は、図6に対してスイッチ32〜38の位置を変更した制御回路を示す。すなわち、左上およびに右下のスイッチ(32,38)は開いており、他のスイッチ(34,36)は閉じている。符号“2”または“3”による短絡の場合、制御電圧20(上記方程式では“UA”と呼んでいる)は、それぞれ負のバッテリ電圧UBに相当する。符号“1”または“4”による短絡の場合、制御電圧20はゼロ以下の値をとる。
【0030】
図8は、図6および図7に対してスイッチ32〜38の位置をもう一度変更した制御回路を示す。左上および右上のスイッチ32,36は開いており、他のスイッチ34,38は閉じている。符号“3”または“4”による短絡の場合、制御電圧20(上記方程式では“UA”と呼んでいる)はそれぞれ値ゼロに相当する。符号“1”による短絡の場合には、制御電圧20はゼロ以上の値をとる。符号“2”による短絡の場合には、制御電圧20はゼロ以下の値をとる。
【0031】
図9は、図6、図7および図8に対してスイッチ34,38の位置をもう一度変更した制御回路を示す。左下および右下のスイッチ34,38は開いており、他のスイッチ32,36は閉じている。符号“1”または“2”による短絡の場合、制御電圧20(上記方程式では“UA”と呼んでいる)はそれぞれ値ゼロに相当する。符号“4”による短絡の場合には、制御電圧20はゼロ以上の値をとる。符号“3”による短絡の場合には、制御電圧20はゼロ以下の値をとる。
【0032】
図10は、電位22に対して出力部14の短絡が想定される場合の出力部電位26および28の経時変化を例示的に示す(図6〜図9の短絡No.4)。作業周期46と、破線により電位22に対する出力部14の短絡の結果として消滅した切換プロセス48とが示されている。時点54から制御および調整装置40が始動する。さらに、これに続いて連続して出力される出力電位26のパルス列56と、連続的に出力される出力電位28の第1電位22とが示されている。作業周期46の第2部分で、短絡したパルス48は負荷30で要求される70パーセントではなく、100パーセントの平均的な制御電圧20をもたらすことがわかる。したがって、時点54から始まって、制御および調整装置40は、想定されるエラー時に適合させて作業周期46の第1部分で生じているようなパルス列に切り換える。同時に、このプロセスは故障として検出され、エラーメモリに記録され、自動車の後続装置に通知される。
【0033】
図11は、電位22に対する出力部14の短絡が想定される場合に制御回路10を作動するための方法のフロー図を例示的に示している。ブロック120における開始後に、ブロック122で作業周期46に同期されるか、または作業周期46が生成される。ブロック124および126で、作業周期46の第1部分について、所望の作動に対する制御および調整装置40の現在の既定値に応じて、それぞれ2つの制御信号42および44が生成される。次いでブロック128および130で作業周期46の第2部分についてそれぞれ2つの制御信号42および44が生成される。比較器132および134で、制御信号42および44と出力電位26および28との因果関係を調べる。ロジック136は、(エラーがない場合には)ブロック120で周期を継続するか否か、または(エラー発生時には)ブロック140および142で、切換手段16および18についてそれぞれ2つの変更した制御信号42bおよび44bを生成するべきか否かについて、必要に応じて決定装置138を制御する。ブロック144で、図11により示した部分処理を継続するか、繰り返すか、または主プログラム部分へ戻って終了するか否かを決定する。本発明の一実施形態で示したように、出力電位26および28の単なる変動を出力部12または14における短絡に対する基準として用いる場合にはフロー図が異なるパターンをとることは自明である。
【0034】
図12は、図1に類似した制御回路の部分図を示す。出力部12および14に向けて直列に電流を測定するために補足的に2つのシャント抵抗器58,60が追加されている。
【0035】
電位22に対して正の電位24が想定される。表は例示的に評価を示している。
【0036】
【表1】

(I)出力部12は電位22に対して短絡の可能性を有する。
(II)出力部12は電位24に対して短絡の可能性を有する。
(III)出力部14は電位22に対して短絡の可能性を有する。
(IV)出力部14は電位24に対して短絡の可能性を有する。
(V)負荷部30は短絡の可能性を有する。
【0037】
図13は、図1に類似した制御回路の部分図を示している。スイッチ32,34,36,38に向けて直列に電流を測定するために補足的に4つのシャント抵抗器62,64,66,68が追加されている。
【0038】
電位22に対して正の電位24が想定される。表は例示的に評価を示している。
【0039】
【表2】

(I)出力部12は電位22に対して短絡の可能性を有する。
(II)出力部12は電位24に対して短絡の可能性を有する。
(III)出力部14は電位22に対して短絡の可能性を有する。
(IV)出力部14は電位24に対して短絡の可能性を有する。
【0040】
2つ以上のシャント抵抗器62,64,66,68が高すぎる電流をもたらす場合に、場合によって生じた負荷30の短絡を、図12に示したプロセスと同様に検出することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出力部(12)と、第2出力部(14)と、対応した第1切換手段(16)と、対応した第2切換手段(18)とを備える、特に自動車で使用するための制御回路(10)を作動するための方法であって、負荷(30)を作動するために前記出力部(12,14)の間に印加される制御電圧(20)を次のようにして形成する、すなわち、前記切換手段(16)によって前記第1出力部(12)を第1電位(22)または第2電位(24)に選択的に接続し、前記切換手段(18)によって前記第2出力部(14)を前記第1電位(22)または前記第2電位(24)に選択的に接続することによって形成し、前記制御電圧(20)が少なくとも短時間少なくともほぼゼロとなる状態を、第1の場合には前記2つの出力部(12,14)を前記2つの切換手段(16,18)によって同時に前記第1電位(22)に接続することによって誘起し、第2の場合には前記2つの出力部(12,14)を前記2つの切換手段(16,18)によって同時に前記第2電位(24)に接続することによって誘起する方法において、
前記制御回路(10)の作動時に、前記2つの場合を少なくとも1回誘起し、第1の場合にも第2の場合にも、前記出力部(12,14)に印加された前記制御電圧(20)を特徴づける変数(26,28)または前記出力部(12,14)および/またはスイッチ(32〜38)に対して直列に配置した少なくとも1つのシャント抵抗器(58,60;62〜68)を介して流れる電流を特徴づける変数(26,28)を検出し、比較を行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記制御電圧(20)が少なくとも短時間、少なくともほぼゼロとなるべき状態の間に、前記第1の場合から前記第2の場合へ、または第2の場合から第1の場合へ、少なくとも1回切り換えること特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、
前記制御電圧(20)が少なくとも短時間、少なくともほぼゼロとなるべき位相を、規定されたクロック周期パターン後に前記第1の場合によって一回誘起し、前記第2の場合によってもう一回誘起する方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法において、
前記出力部に印加された前記制御電圧(20)を特徴づける変数に、それぞれの出力部に印加された出力電位(26,28)の差を含む方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法において、
前記出力部に印加された前記制御電圧(20)を特徴づける変数に、それぞれの出力部に印加された出力電位(26,28)の絶対値を含む方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法において、
前記変数(26,28)をそれぞれ目標値と比較する方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法において、
前記第1の場合に検出した前記出力電位(26,28)の差を、前記第2の場合に検出した前記出力電位(26,28)の差と比較する方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法において、
検出した前記変数(26,28)と目標値との許容できないずれ、または前記第1の場合に検出した変数(26,28)と前記第2の場合に検出した変数(26,28)との許容できないずれ、または変数(26,28)に変化がないことをエラーメモリに入力する方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法において、
検出した前記変数(26,28)と目標値との許容できないずれ、または前記第1の場合に検出した変数(26,28)と前記第2の場合に検出した変数(26,28)との許容できないずれ、または変数(26,28)に変化がないことを確認した場合に、前記制御回路(10)の作動を緊急作動に切り換える方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法において、
第1作動モードでは第1切換手段(16)のみ、第2作動モードでは第2切換手段(18)のみを少なくとも時々、クロック周期で切り換え、2つの作動モード間で周期的に切換を行うことにより、前記制御電圧(20)の符号が等しい場合に前記第1作動モードでは前記第1出力部(12)にのみ、前記第2作動モードでは前記第2出力部(14)にのみクロック周期信号が提供され、それぞれ他方の出力部が静的信号を有するようにする方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法において、
前記第1の場合にも前記第2の場合にも2つの出力電位(26,28)を相互に独立して検出し、それぞれ目標値と比較する方法。
【請求項12】
コンピュータプログラム(52)において、
請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法で使用するためにプログラミングされていることを特徴とするコンピュータプログラム(52)。
【請求項13】
自動車の制御および/または調整装置(40)のための電子メモリ媒体(50)において、
請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法で使用するためのコンピュータプログラム(52)が記憶されていることを特徴とする、電子メモリ媒体(50)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−523782(P2012−523782A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505127(P2012−505127)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054581
【国際公開番号】WO2010/118978
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】