説明

特に高い耐候性及び耐UV性を有する太陽光ミラーフィルム複合体

本発明は、フィルム複合体及び、太陽放射光の要求された反射(全ての太陽光反射)を可能な限り持続的に保証することを視野に入れた太陽光反射板におけるミラーフィルムとしての該フィルム複合体の使用に関する。殊に本発明は、フィルム複合体における、特に高いUV安定性及び高い耐候安定性を有するポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)を基礎とするカバーフィルムの使用に関する。そのうえ本発明は、光学寿命、耐候性の改善及び層間剥離の防止のための、太陽光反射板において使用されるような前記太陽光ミラーフィルムのUV保護パッケージ及び耐候保護パッケージに関する。本発明はそのうえ、太陽光ミラーフィルムの耐引掻性、防汚及び耐化学性に関しての表面調質に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、フィルム複合体及び、太陽放射光の要求された反射(全ての太陽光反射)を可能な限り持続的に保証することを視野に入れた太陽光反射板(Solarreflektoren)におけるミラーフィルムとしての該フィルム複合体の使用に関する。殊に本発明は、フィルム複合体における、特に高いUV安定性及び高い耐候安定性を有するポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)を基礎とするカバーフィルムの使用に関する。そのうえ本発明は、光学寿命、耐候性の改善及び層間剥離の防止のための、太陽光反射板において使用されるような前記太陽光ミラーフィルムのUV保護パッケージ及び耐候保護パッケージに関する。本発明はそのうえ、太陽光ミラーフィルムの耐引掻性、防汚及び耐化学性に関しての表面調質に関する。
【0002】
カバーフィルムとの用語は、表面調質膜、表面調質フィルム又は一般的に表面調質物と同義に解される。
【0003】
背景技術
先行技術に従った太陽光反射板における可撓性のミラーフィルムのラミネートは、十分な耐候性及び紫外(UV)線による分解に関して欠点を有する。殊に屋外適用では、しかしながら、係るフィルムには、UV線及びそれ以外の天候の影響に対する耐久性及び抵抗性に関する高い要求が存在する。これらの要件は、形状安定性、可視スペクトル中もしくは近赤外スペクトル中での反射率及び外観に鑑みて存在する。
【0004】
"太陽光熱"に関連した太陽放射光の波長スペクトルは、300nm〜2500nmまでにわたっている。
【0005】
しかしながら、太陽光ミラーフィルムの寿命を延ばすために、400nmより下の領域、殊に375nmより下の領域が、375nm若しくは400nm〜2500nmの"実効波長域"が残るようにフィルターアウトされるべきである。
【0006】
この適用における可撓性のミラーフィルムのラミネートの反射率は、品質及び耐久性によって決められる。係るラミネートは、可撓性のポリマーフィルム(バッキングフィルム)に薄い銀膜を真空蒸着することによって製造される。関連した波長領域内での、他の金属に比べて特に高い反射率に基づき、銀がこの適用にとって有利な金属である。外部の影響に対して高分子バッキングフィルム及び任意に銀膜を保護するために、それは付加的に保護膜で覆い被される。ふつうは表面調質のためのカバーフィルムである、この保護膜の目的は、機械的摩耗、天候の影響及びUV線による分解からの保護である。
【0007】
US4,307,150には、アルミニウムミラーの係る保護システムが記載される。バッキングフィルムとして、アルミニウムで蒸着され、且つ(メタ)アクリレートフィルムが貼り付けられることによって腐食及び天候の影響に対して保護されるPETラミネートが使用される。明示的なUV保護は考慮されていない。
【0008】
銀蒸着が、アルミニウム膜に比べて、より高い反射率に基づいて、係るミラーの設計のためにより良好に適している。銀の使用は、US4,645,714に記載されている。しかしながら、銀は、原則的に2つの欠点を有する。一方では、殊に薄い銀膜は特に腐食しやすい。この理由から、銀膜若しくは銀ラミネートは、特に不浸透性でなければならない。さもなければ、ラミネートの端部の小さい穿孔又は不十分な密度が、不所望の酸化を引き起こす程度にまでなる。他方では、銀もアルミニウムも、日光の大切な成分である紫外光(300〜400nm)のスペクトル領域内で、殊に320nmの波長付近の領域内で吸収ギャップを有する。この透過性は、殊に非常に薄い膜の場合に生じる。この短波長放射は、なかでも、太陽光ミラーの応用分野で起こるような、より長い露光の場合に、バッキングフィルム並びに銀の金属ミラー膜にとって、殊に、主として使用されるポリエステルフィルム又はポリエステルラミネート若しくはラミネート製造のために使用される接着剤にとって有害である。ブリスタリング形成、それに従って変形及び反射率の低下が生じる可能性がある。
【0009】
腐食回避のための抑制剤及びUV吸収剤が、より良好な保護のために、上述の保護フィルムに導入されることができる。しかしながら、主として使用される抑制剤は、それ自体が低減された耐候安定性又はむしろ低減されたUV安定性しか有さず、且つ少し時間が経つと変色をもたらすという欠点を有する。後者は、しかしながら、他のスペクトル領域内での反射、それに従ってソーラー設備の効用を低下させる。
【0010】
それに対して、UV吸収剤は、銀被覆の腐食保護にそれ単独では寄与せず、天候によるポリエステルラミネートの老化しか防止しない。最適化された保護を得るために、それに応じて、両方の成分−抑制剤及びUV吸収剤−は互いに別々にされる。
【0011】
US4,645,714では、そのために、(メタ)アクリレートを基礎とした2つの別々の被覆が施与される。外側はUV吸収剤を含有し、内側は抑制剤を含有する。この構成によって、内側の膜は外側の膜によって保護され、且つ変色の規模は明らかに小さくなって生じる。その際、抑制剤の膜は、銀蒸着膜に直接施与される。UV吸収剤を含有する第二の膜は、他方また、この第一の膜の上に施与される。ポリエステルラミネートとして、共押出によって製造された2つの膜のPETフィルムが使用され、その際、可能な限り平滑な表面を保証するために、一方の膜は、可撓性を改善するための滑剤を含有し、且つ他方の、銀が蒸着された膜は滑剤を含有しない。内側の(メタ)アクリレート膜は、分散剤、カップリング剤、接着促進剤及び抑制剤として作用するグリコールジメルカプトアセテート0.5〜2.5質量%を含有する。
【0012】
外側の(メタ)アクリレート膜は、300nm〜400nmの波長を有する放射線の場合に活性であるUV吸収剤を含有する。2つの膜の構造によって、さらに、UV吸収剤による銀の腐食が排除される。
【0013】
ポリエステルラミネートの被覆されなかった側は、他方でまた、イソオクチルアクリレート−アクリルアミドコポリマーを基礎とするPSA(感圧接着剤(Haftklebstoff))で被覆される。この被覆は、例えば、シリコーン被覆されたポリエステルフィルムで、ミラーラミネートの使用前に保護されることができる。
【0014】
しかしながら、US4,645,714及びUS4,307,150に記載された(メタ)アクリレート被覆は、それらが屋外適用に際して低減された耐候安定性を有し、それに従って屋外領域中でのソーラー適用には根本的に不十分にしか適していない。これらの被覆は、非常に不十分にしか水をはじかず、耐摩耗性ではなく、且つ大気湿度に対して非常に制限された耐久性しか有さない。ポリ(メタ)アクリレート被覆の浸食後、次いでポリエステルラミネートの上記の分解が生じる可能性がある。この問題を回避するために、US5,118,540では、フルオロカーボンポリマーを基礎とする摩耗に強く且つ耐湿性のフィルムが貼り付けられる。UV吸収剤も腐食抑制剤も接着剤膜の構成成分であり、これによりフィルムが、蒸着されたポリエステルバッキングフィルムの金属表面と結合されている。その際、接着剤膜は、他方でまた、腐食抑制剤及びUV吸収剤を互いに別々にするために、上述の(メタ)アクリレート二重被覆と同様に、2つの異なる膜から成っていてよい。
【0015】
とはいっても、UV吸収剤としてもっぱら、UV線作用下で比較的"短い"固有安定性しか有さず、それに従って−前述の適用において−接着剤自体及び結合された金属表面若しくはポリエステルバッキングフィルムに対する効果の大きいUV保護を与えないベンゾトリアゾールが使用される。
【0016】
それに対して、WO2007/076282には、銀被覆のより良好な保護のための代替的な構造が挙げられる。PETバッキングフィルムは、もはや表面にではなく、光に背いた面に、銀が蒸着される。PETフィルムのこの他方の面に、UV吸収剤が備わっているポリ(メタ)アクリレート保護フィルムが貼り付けられる。長期耐用のUV保護を備えることが必要であるという教示は、WO2007/076282では考慮されていない。銀蒸着膜の裏面には、感圧接着剤(PSA)が直接備え付けられてよいか、又は裏面の耐腐食性の改善のために、且つPSAのより良好な付着のために付加的な銅膜が蒸着されてよい。
【0017】
UV保護のための使用されるポリ(メタ)アクリレートフィルムは、SPARTECH PEP社のKorad(R)フィルムである。このフィルムは、UV吸収剤として、UV線作用下で比較的"短い"固有安定性しか有さず、それに従って−前述の適用において−接着剤膜及び結合されたポリエステルバッキングフィルムに対する効果の大きいUV保護を与えない"ベンゾトリアゾール"が使用されるという欠点を有する。
【0018】
Koradフィルムと類似しているか又は同様のポリ(メタ)アクリレートフィルムが、例えば市場での商用車領域におけるような、多岐にわたる屋外適用のプラスチック成形部材の表面保護フィルムとしての使用のために定着している。しかしながら、このタイプのカバーフィルムの性能は、高い太陽光反射率を維持しながら太陽光反射板用のミラーフィルム適用における要求された長期耐候性を可能にするのに十分ではない。
【0019】
太陽光反射板の長期耐用要求若しくは保証要求に適合するような、長期耐用UV保護機能を有するカバーフィルムの製造に関する教示は、先行技術にはない。
【0020】
これまで市場で入手可能な太陽光ミラー用のフィルムラミネートにおいては、カバーフィルムにおけるUV線に対する安定化のためにもっぱらベンゾトリアゾール系のUV吸収剤が導入されていた。これらのUV吸収剤は、例えば、Ciba Specialty Chemicals Incの商標Tinuvin 234で販売されている。これらのUV吸収剤については、それらが5〜10年の期間を経てその効果を著しく失い、そのことによって表面調質膜が劣化することが知られている。この結果、太陽光ミラーフィルム複合体の太陽光反射の明らかな減少が生じる。
【0021】
定着した太陽光ミラーフィルムの長期耐用性若しくは性能維持についてある要求を凌ぐ太陽光ミラーフィルムの需要が高まりつつある。
【0022】
課題
殊に長期使用に鑑みて、先行技術に対して改善された又は少なくとも同等の光学特性及び改善された耐候性を有する太陽光反射板用の新規の太陽光ミラーのフィルム複合体を提供するという課題が存在していた。
【0023】
長期使用は、ここでは、殊に、10年を上回る期間を経た使用、殊に15年を上回る期間を経た使用、特に有利には20年を上回る期間を経た使用と解される。
【0024】
殊に、太陽光反射板用のフィルム複合体が、例えばサハラ砂漠又はUSAの南西部において現れるような特に強い日射下で、長期間安定であり続けるという課題が存在していた。これは殊に、300nm〜400nmのUV波長スペクトルに対するこれらの複合体フィルムのカバーフィルムの固有安定性及びフィルター効率に関して重要性を持つ。
【0025】
そのうえまた、容易に且つコスト効率よく製造及び加工されることができる太陽光反射板用のフィルム複合体を提供するという課題が存在していた。
【0026】
そのうえまた、より安定なフィルム複合体は、可能な限り中立な色であり且つ耐湿性であるべきである。
【0027】
そのうえまた、フィルム複合体は引掻に強く、且つ汚れを斥ける特性を有するべきである。
【0028】
解決手段
先行技術及び長期使用にとって不十分でしかないそこで記載される技術的な解決手段を視野に入れて、本発明においては、当業者にとって簡単には予測可能ではない形で、金属膜までは透明な、改善された耐候安定性及び長い期間にわたって安定な良好な太陽光反射を有し、そのうえなお多数の更なる利点を持つフィルム複合体を提供することに成功する。
【0029】
該課題は、太陽光反射板において使用されることができる新規のフィルム複合体を提供することによって解決される。このフィルム複合体は、少なくとも次の膜から成る:カバーフィルム、バッキングフィルム、金属膜及び感圧接着剤膜。殊に、これは、カバーフィルムがPMMAを基礎としたフィルムであり、バッキングフィルムがポリエステルフィルムであり、且つ金属膜が銀膜であるフィルム複合体である。任意に、カバーフィルムの下には付加的に接着剤膜が、且つ金属膜の下にはマイグレーションバリアー膜(Migrationssperrschicht)及び/又はプライマーが施工されている。
【0030】
このフィルム複合体は、有利には、列挙された順序で、その後の外側から、バッキング材料と結合されるPSA膜に向かって、少なくとも次の膜:カバーフィルム、バッキングフィルム、金属膜及び感圧接着剤膜から成る。任意に、カバーフィルムとバッキングフィルムとの間には付加的に接着剤膜が、且つ金属膜と感圧接着剤との間にはマイグレーションバリアー膜及び/又はプライマーが施工されている。
【0031】
本発明の更なる重要な特徴は、新規のフィルム複合体が、持続的な照射下でも非常に高い安定性、殊にUV安定性に優れていることである。そのために、カバーフィルムは、UV吸収剤としての少なくとも1種のトリアジン及びUV安定剤を含有する。殊に、これに関するのは、少なくとも1種のトリアジンと少なくとも1種のベンゾトリアゾールから成る、UV吸収剤からの混合物である。UV安定剤は、HALS化合物又は異なるHALS化合物の混合物である。トリアジンを基礎とするUV吸収剤は、UV線作用下で特に高い固有安定性を明示する。
【0032】
安定性は、同時に、UV及び天候の影響に対してのカバーフィルムの固有安定性及び、例えば太陽光反射の維持から察知されるUV保護作用の安定性と解される。
【0033】
有利には、カバーフィルムは、ベンゾトリアゾール系のUV吸収剤0.1質量%〜10質量%、有利には0.2質量%〜6質量%及び特に有利には0.5質量%〜4質量%、トリアジン系のUV吸収剤0.1質量%〜5質量%、有利には0.2質量%〜3質量%及び特に有利には0.5〜3質量%並びにUV安定剤、有利にはHALS系のUV安定剤0.1質量%〜5質量%、有利には0.5質量%〜3質量%及び特に有利には0.2質量%〜2質量%を含有してよい。
【0034】
本発明により使用される、UV吸収剤とUV安定剤からの混合物は、広範な波長スペクトル(300nm〜400nm)で安定な長期耐用のUV保護を示す。
【0035】
任意に、UV安定剤とUV吸収剤からの混合物を含有するカバーフィルムは、ポリ(メタ)アクリレートとポリビニリデンフルオライドから、1:0.01〜1:1、有利には1:0.1〜1:0.5の質量比で構成されていてよい。有利には、カバーフィルムは2つの層を包含する。その際、一方の層は、ポリ(メタ)アクリレートからの層であり、且つ他方の層は、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)からの層である。有利には、PVDF層は、フィルム複合体の表面にある層である。
【0036】
組成とは無関係に、カバーフィルムは、10μm〜200μmの範囲の、好ましくは40μm〜120μmの範囲の、特に有利には50μm〜90μmの範囲の厚さを有する。
【0037】
任意に、本発明による使用されるカバーフィルムは、有利には耐引掻性を高めるための被覆によって、引掻に強く仕上げられている。それゆえ、カバーフィルムの表面には、そのうえまた防汚被覆が備わっていてよい。
【0038】
そのうえまた、本発明による新規のフィルム複合体は、次の特性を、特に光学特性に鑑みて、先行技術に対する利点として組み合わせて有する:本発明によるフィルム複合体の透明部分は、特に中立な色であり、且つ湿度の影響にて混濁する。フィルム複合体は、そのうえ優れた耐候性と、PVDF表面で任意に仕上げられた場合及び/又は引掻に強く仕上げられた場合に、非常に良好な耐化学性を、例えば市販の洗浄剤全般に対して示す。これらの観点も、長い期間にわたった太陽光反射の維持に貢献する。
【0039】
洗浄を軽減するために、表面は汚染防止の特性を有する。表面は付加的に、任意に摩耗に強く及び/又は引掻に強い。
【0040】
本発明によるフィルム複合体は、殊に、太陽光反射板におけるミラーフィルムとして用いられる。金属バッキングシート、例えばアルミニウムシート上へのミラーフィルムの施工は、フィルムラミネーションによって行われ、且つ金属バッキングシートへの付着は、感圧接着剤膜によって引き起こされる。
【0041】
殊に、本発明によるフィルム複合体は、先行技術に対するその明らかに改善されたUV安定性と、それに付随して現れるより長期の光学寿命によって優れている。そのため、本発明による材料は、少なくとも10年の非常に長い期間を経ても、有利にはそれどころか少なくとも15年、特に有利には少なくとも20年を経ても、例えばUSAの南西部又はサハラ砂漠のような、特に何時間もの日照時間及び特に強い日射を伴う場所で、太陽光反射板において使用されることができる。本発明によるフィルム複合体が備わった長期耐用の太陽光反射板は、太陽光反射に関して、10年以内に8%の最大減少値、有利には5%の最大減少値及び特に有利には3%の最大減少値を有する。
【0042】
発明の詳細な説明
本発明により作り上げられたミラーフィルム複合体のUV保護のための典型的に使用されるカバーフィルムは、WO2007/073952(Evonik Roehm社)又はDE102007029263A1に開示されたUV保護フィルムに相当する。例示的に、これらのフィルムは、この先で簡潔に概略が述べられる構成成分を有してよい。包括的な記載は、WO2007/073952に見出される。
【0043】
本発明により使用されるカバーフィルムは、PMMAを基礎としたフィルムである。しかしながら、PMMAを基礎としたフィルムとの文言により、フィルムは、純粋なメタクリレート組成物にも、単層膜構造にも制限されていない。むしろ、フィルムにおけるPMMAは、メタクリレートではないコモノマーを含有してよい。また、フィルムは、全てがメタクリレートを含有している必要のない異なるプラスチックのブレンドから構成されていてよい。付加的にフィルムは、耐衝撃性改良のためのポリブチルアクリレートエラストマー割合を有してよい。そのうえまた、カバーフィルムは、2つの膜より多い膜から構成されていてよい。これらの膜の全てが必ずしもメタクリレートを含有している必要はない。
【0044】
PMMAプラスチックの製造
ポリメチルメタクリレートプラスチックは、一般的に、メチルメタクリレートを含有する混合物のラジカル重合によって得られる。一般的に、これらの混合物は、モノマーの質量を基準として、少なくとも40質量%、好ましくは少なくとも60質量%及び特に有利には少なくとも80質量%のメチルメタクリレートを含有する。
【0045】
それに加えて、ポリメチルメタクリレートの製造のためのこれらの混合物は、メチルメタクリレートと共重合可能である更なる(メタ)アクリレートを含有してよい。(メタ)アクリレートとの表記は、メタクリレート及びアクリレート並びに双方の混合物を包含する。これらのモノマーは広く知られている。
【0046】
前述の(メタ)アクリレートに加えて、重合されるべき組成物は、メチルメタクリレート及び上記の(メタ)アクリレートと共重合可能である更なる飽和モノマーも有してよい。これらに属するのは、なかでも、ヘキセン−1のような1−アルケン、アクリロニトリル;例えば酢酸ビニルのようなビニルエステル;スチレン又はα−メチルスチレンである。
【0047】
一般的に、これらのコモノマーは、モノマーの質量を基準として、0質量%〜60質量%、好ましくは0質量%〜40質量%及び特に有利には0質量%〜20質量%の量で使用され、その際、これらの化合物は、個々に又は混合物として使用されることができる。
【0048】
さらになお、本発明により使用されるカバーフィルムは、製造の点で重要な利点も持つ。例えばUV安定剤及びUV吸収剤のような使用される成分は、押出プラントの経済的な運転を可能にする。そのため、例えば、フィルム押出中にガスが発生することはない。したがって、煩雑且つ品質に害を及ぼす洗浄プロセスが割かれることができる。
【0049】
耐衝撃性改良ポリ(メタ)アクリレートプラスチック
本発明により使用されるPMMAを基礎としたフィルムは、耐衝撃性改良剤を含有してよい。この耐衝撃性改良剤のより正確な記載は、WO2007/073952にも見出される。
【0050】
PMMA/PVDFフィルム
本発明の特別な実施形態では、純粋なメタクリレートフィルムの代わりに、PMMA/PVDFフィルムもカバーフィルムとして使用されることができる。ポリマーブレンドの構成成分としての又はラミネートとしてのPVDF(ポリビニリデンフルオライド)は、幾つかの利点を有する:PVDFは、高い耐化学性及び低い表面エネルギーを有する。したがって、PVDFは撥水性であり、且つ長期使用の場合でも、殺菌性材料に匹敵して、ほぼファウリングを示さない。
【0051】
そのうえ、1μm〜10μm、有利には2μm〜5μmの膜厚を有する非常に薄いPVDF膜が、高い透明性を伴って実現され得る。PMMA/PVDFフィルムの製造のより正確な記載は、DE102007029263A1に見出される。
【0052】
PMMA/PVDFフィルムは、単層(チルロール法による製造)又は多層(2つのフィルムのラミネーション又は相応するメルト層の共押出による製造)で得られることができ、その際、双方の変法に従って、製品の所で挙げた全ての利点が実現可能である。
【0053】
UV安定剤及び/又はUV吸収剤は、その際、一方のフィルム又は双方のフィルムに含まれていてよい。
【0054】
単層のフィルムのみならず多層のフィルムにおいても、(質量を基準として)1:0.01〜0.3:1の範囲のポリ(メタ)アクリレート対ポリビニリデンフルオライドの比率が存在する。より一層有利なのは、フィルムが1:0.1〜0.4〜1の比率でポリ(メタ)アクリレートとポリビニリデンフルオライドの混合物を包含する態様である。
【0055】
本発明の枠内で使用されるPVDFポリマーはポリビニリデンフルオライドであり、これは一般に透明、半結晶質の熱可塑性フッ素プラスチックである。ポリビニリデンフルオライドの基本構成単位はビニリデンフルオライドであり、これは、高純度の水の中で、制御された圧力条件及び温度条件下で、特定の触媒によってポリビニリデンフルオライドへと反応(重合)される。他方でまた、ビニリデンフルオライドは、例えば、基本材料のフッ化水素とメチルクロロホルムから、中間体のクロロジフルオロエタンを介して入手される。原則的に、本発明の枠内では、市場にある全てのPVDF系が使用可能であり、好結果が得られる。これらに属するのは、なかでも、製造元ArkemaのKynar(R)系、製造元DyneonのDyneon(R)系、並びに製造元SolvayのSolef(R)系である。
【0056】
安定剤パッケージ(光保護剤)
本発明により使用されるUV保護フィルムの特別な構成成分は、次により詳しく記載されているUV安定剤パッケージである。
【0057】
光保護剤は十分に知られており、且つ、例えばHans Zweifel,Plastics Additives Handbook,Hanser Verlag,5th Edition,2001,pp.141ffに詳細に記載されている。光保護剤は、UV吸収剤、UV安定剤及びラジカル捕捉剤と解される。そのため、UV吸収剤は、例えば、置換されたベンゾフェノン、サリチル酸エステル、ケイ皮酸エステル、オキサニリド、ベンゾキサジノン、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリアジン又はベンジリデンマロネートの群から選択されることができる。
【0058】
UV安定剤/ラジカル捕捉剤の最も知られている代表物質は、立体障害アミン(ヒンダードアミン系光安定剤;HALS)の群である。
【0059】
本発明により使用されるフィルムにおいて使用される安定剤パッケージは、次の成分:
・成分A:ベンゾトリアゾール系のUV吸収剤、
・成分B:トリアジン系のUV吸収剤、
・成分C:UV安定剤、有利にはHALS化合物
から成る。
【0060】
成分A及びBは、個々の物質として又は混合物で使用されることができる。少なくとも1つのUV吸収剤成分がフィルムに含有されていなければならない。成分Cは、本発明により使用されるフィルムに必ず含有されている。
【0061】
成分A:ベンゾトリアゾール系のUV吸収剤
ベンゾトリアゾール系のUV吸収剤として、例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ−(α,α−ジメチル−ベンジル)−フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−s−ブチル−5−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール及び2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、フェノール、2,2'−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)]が使用されることができる。
【0062】
ベンゾトリアゾール系のUV吸収剤は、ポリメチルメタクリレートの製造のために使用されるモノマーの質量を基準として、0.1質量%〜10質量%の量で、有利には0.2質量%〜6質量%の量で、及び極めて有利には0.5質量%〜4質量%の量で使用される。ベンゾトリアゾール系の種々のUV吸収剤の混合物も使用されることができる。
【0063】
成分B:トリアジン系のUV吸収剤
そのうえ、混合物中で、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノールのようなトリアジンもUV安定剤として使用されることができる。
【0064】
トリアジンは、ポリメチルメタクリレートの製造のために使用されるモノマーの質量を基準として、0.0質量%〜5質量%の量で、有利には0.2質量%〜3質量%の量で、及び極めて有利には0.5質量%〜2質量%の量で使用される。種々のトリアジンの混合物も使用されることができる。
【0065】
成分C:UV安定剤
ラジカル捕捉剤/UV安定剤の例として、ここでは、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)の名称で知られている立体障害アミンが挙げられる。それらは、塗料及びプラスチック、なかでもポリオレフィンプラスチックにおける老化現象の抑制に使用されることができる(Kunststoff,74(1984)10,pp.620〜623;Farbe+Lack,Volume 96,9/1990,pp.689〜693)。HALS化合物の安定化作用の要因になっているのは、その中に含有されたテトラメチルピペリジン基である。この化合物類は、ピペリジン窒素上で非置換であっても、アルキル基又はアシル基で置換されていてもよい。立体障害アミンは、UV領域内で吸収しない。それらは形成されたラジカルを捕捉するが、他方また、UV吸収剤はこれを行うことはできない。混合物としても使用されることができる、安定化する作用を持つHALS化合物の例は、以下のものである:ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ(4,5)−デカン−2,5−ジオン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−スクシネート、ポリ−(N−β−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン−コハク酸エステル)又はビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート。
【0066】
HALS化合物は、ポリメチルメタクリレートの製造のために使用されるモノマーの質量を基準として、0.0質量%〜5質量%の量で、有利には0.1質量%〜3質量%の量で、及び極めて有利には0.2質量%〜2質量%の量で使用される。種々のHALS化合物の混合物も使用されることができる。
【0067】
そのうえ、更なる補助安定剤として、すでに記載されたHALS化合物、例えば二亜硫酸ナトリウムのような二亜硫酸塩、そのうえ立体障害フェノール及び立体障害ホスフィットが使用されることができる。
【0068】
接着剤膜
任意の接着剤膜は、カバーフィルム及びバッキングフィルムを結合するための製造法に役立てられる。それは、双方のフィルム間の付着が直接には可能でない場合にのみ存在する。適した接着剤の選択は、双方のフィルム−例えばPMMA及びPET−の組成並びに光学特性からもたらされる。接着剤膜も高透明性でなければならない。例えば、特定のアクリレート接着剤が適し得る。
【0069】
耐引掻性被覆
耐引掻性被覆との用語は、この発明との関係において、表面引掻の低減及び/又は耐摩耗性の改善のために施工される被覆の総称と解される。太陽光反射板におけるフィルム複合体の本発明による使用にとって、殊に、高い耐摩耗性の意義は大きい。
【0070】
最も広義における耐引掻性被覆の更なる重要な特性は、この膜がフィルム複合体の光学特性を不利には変化させないことである。
【0071】
耐引掻性被覆として、SDC Technologies Inc.社のCRYSTALCOATTMMP−100、双方ともMomentive Performance Materials社からのAS400−SHP401又はUVHC3000Kのようなポリシロキサンが使用されることができる。これらの塗料調製物は、例えばロール塗布、ナイフ塗布又は流し塗りにより、フィルム複合体又はカバーフィルムの表面に適用される。
【0072】
考慮に入れられる更なる被覆技術の例として、PVDプラズマ(物理気相成長;physikalische Gasphasenabscheidung)並びにCVDプラズマ(化学気相成長;chemische Gasphasenabscheidung)が言及される。
【0073】
バッキングフィルム
バッキングフィルムの選択は、次の必ず必要な特性によって決められる:フィルムは、高透明性、可撓性、耐熱変形性であり、且つ薄い金属膜で蒸着可能でなければならない。そのために、該金属膜は、長い期間にわたって付着損失を有するべきではない。係る特性プロファイルを有するフィルムとして明らかになったのは、殊にポリエステルフィルム、極めて有利には共押出された二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)である。これらには任意に、金属膜、表面調質膜若しくは接着剤膜のより良好な付着のために接着促進剤が備わっている。
【0074】
代替的に、PMMAフィルム、PVDF/PMMAの2つの膜のフィルム又はPVDF/PMMAブレンドからのフィルムもバッキングフィルムとして使用されることができる。
【0075】
金属膜
金属膜は、有利にはバッキングフィルムの裏面に施与され、且つ有利には銀又はアルミニウムから成り、特に有利には銀から成る。バッキングフィルムに背いた面では、金属膜は、任意に、例えば銅又はニッケル−クロム合金からの第二の金属膜で覆われることができる。これは、一方では、金属ミラー膜の保護として役立てられ、且つ他方では、感圧接着剤膜のより良好な付着のために役立てられる。
【0076】
銀の代わりにアルミニウムが、ミラー膜の金属として用いられる。有利には、この場合、関連した波長領域中でのアルミニウムミラーの比較的"低い"反射率が、いわゆる"拡張スタック(Enhancement Stack)"の("物理気相成長"による)適用によって上げられる。
【0077】
記載されたフィルム複合体における使用の代わりに、本発明により使用されるカバーフィルムは、例えばAlanod solar社からMIRO−SUN(R)の名称で販売されるような、多層膜のアルミニウムストリップを基礎とする膜システムの表面調質のために若しくは耐候保護の改善のためにも使用されることができる。
【0078】
特別な実施形態
特別な実施形態では、金属膜系が、例えばMIRO−SUN(R)のような、有利にはアルミニウムを基礎とする金属ストリップの形態で使用され、これは同時にバッキングフィルムとして役立てられる。したがって、この実施形態では、バッキングフィルム及び金属膜は同一であり、且つポリマーを基礎とする更なるバッキングフィルムは必要とされない。
【0079】
感圧接着剤膜
例えば、感圧接着剤膜は、例えばアーチ形のアルミニウムシートのようなバッキング材料にフィルム複合体を貼り付けるために役立てられる。感圧接着剤(PSA)の選択は、このバッキング材料と金属被覆の裏面に対する付着によって決められる。そのうえ、金属被覆の保護のために、感圧接着剤膜が、空気酸素及び水蒸気に対しての僅かな透過度しか有さない場合に好ましいと言える。
【0080】
感圧接着剤膜は、輸送及び貯蔵のためにシリコーン処理紙に貼り付けられる。バッキング材料に貼り付ける前に、これは容易に再び取り除かれることができる。
【0081】
マイグレーションバリアー膜及びプライマー
マイグレーションバリアーとして、金属膜にとって有害な、例えば空気酸素、水蒸気のような構成成分かあるいは感圧接着剤のマイグレーション性の構成成分のマイグレーションを防止する材料が用いられる。これは、例えばエポキシ樹脂膜であってよい。プライマーの選択及び必然性は、金属膜及び使用される感圧接着剤の付着特性若しくは表面特性からわかる。
【0082】
代替的なフィルム複合体構造
すでに述べられた−外側から内側に向かって−任意の耐引掻性被覆、任意の汚染防止被覆、カバーフィルム、任意の接着剤膜、バッキングフィルム、金属膜、任意のプライマー及び/又はマイグレーションバリアー膜及び感圧接着剤から成っている、本発明によるフィルム複合体システムの膜の順序の代わりに、フィルム複合体は−外側から内側に向かって−次の膜の順序でも作り上げられていてよい:
− 耐引掻性被覆及び/又は汚染防止被覆(任意)
− カバーフィルム
− 接着剤膜(任意)
− 金属膜
− プライマー及び/又はマイグレーションバリアー
− バッキングフィルム
− 感圧接着剤。
【0083】
フィルム複合体の製造
本発明により使用される単層又は多層のカバーフィルムは、使用目的に応じて、任意にどの厚さでも製造されることができる。その際、どの場合においても決定的に重要なのは、基体の並外れた耐候安定性並びに極端に高い風化保護と一体となった、カバーフィルムの高い透明性である。
【0084】
単層又は多層のカバーフィルムの製造は、フラットフィルム押出の場合のような、例えばフラットダイによる押出、インフレーション法のような自体公知の方法によってか、又は溶液流延法によって行われる。
【0085】
フィルム複合体は、例えば、成層によって及び/又は(共)押出被覆によって及び/又は積層によって製造される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光反射板において使用するためのフィルム複合体であって、該フィルム複合体が、
カバーフィルム、
バッキングフィルム、
金属膜、
及び感圧接着剤から少なくとも構成されており、且つ該カバーフィルムが、UV吸収剤として少なくとも1種のトリアジン及びUV安定剤を含有することを特徴とする、フィルム複合体。
【請求項2】
太陽光反射板において使用するためのフィルム複合体であって、該フィルム複合体が、列挙した順序で、
カバーフィルム、
バッキングフィルム、
金属膜、
及び感圧接着剤から少なくとも構成されており、且つ該カバーフィルムが、UV吸収剤として少なくとも1種のトリアジン及びUV安定剤を含有することを特徴とする、フィルム複合体。
【請求項3】
前記カバーフィルムが、PMMAを基礎としたフィルムであり、前記バッキングフィルムが、ポリエステルフィルム、PMMAフィルム、PVDF/PMMAの2つの膜のフィルム又はPVDF/PMMAブレンドから成るフィルムであり、且つ前記金属膜が、銀膜又はアルミニウム膜、有利には銀膜であることを特徴とする、請求項1又は2記載の太陽光反射板において使用するためのフィルム複合体。
【請求項4】
前記バッキングフィルム及び前記金属膜が、金属を基礎とする、有利にはアルミニウムを基礎とする1つの同じ膜であることを特徴とする、請求項1又は2記載の太陽光反射板において使用するためのフィルム複合体。
【請求項5】
前記カバーフィルムと前記バッキングフィルムとの間に、若しくは前記カバーフィルムと金属ミラー膜との間に、付加的に接着剤膜が施工されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の太陽光反射板において使用するためのフィルム複合体。
【請求項6】
前記カバーフィルムが、少なくとも1種のトリアジンと少なくとも1種のベンゾトリアゾールから成る、UV吸収剤からの混合物と、HALS化合物又は異なるHALS化合物の混合物である少なくとも1種のUV安定剤とを含有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のフィルム複合体。
【請求項7】
UV安定剤とUV吸収剤とからの前記混合物が、次の量:
ベンゾトリアゾール系の前記UV吸収剤0.1質量%〜10質量%、有利には0.5質量%〜4質量%、
トリアジン系のUV吸収剤0.1〜5質量%、有利には0.5質量%〜3質量%及び
HALS系のUV安定剤0.1質量%〜5質量%、有利には0.2質量%〜2質量%から構成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のフィルム複合体。
【請求項8】
ポリ(メタ)アクリレートとポリビニリデンフルオライドとからの前記カバーフィルムが、1:0.01〜0.3:1、有利には1:0.1〜0.4:1の質量比で構成されており、且つUV安定剤及びUV吸収剤を含有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のフィルム複合体。
【請求項9】
前記カバーフィルムが2つの層を包含し、一方の層が、ポリ(メタ)アクリレートから成る層であり、且つ他方の層が、ポリビニリデンフルオライドから成る層であることを特徴とする、請求項8記載のフィルム複合体。
【請求項10】
前記カバーフィルムが、有利には耐引掻性を高めるための被覆によって、引掻に強く仕上げられていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のフィルム複合体。
【請求項11】
前記カバーフィルムの表面に、防汚被覆が備わっていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載のフィルム複合体。
【請求項12】
太陽光反射板におけるミラーフィルムとしての、請求項1から11までのいずれか1項記載のフィルム複合体の使用。
【請求項13】
前記ミラーフィルムの金属バッキングシートへの施工がフィルムラミネーションによって行われ、且つバッキングシートに対する付着が感圧接着剤膜によって引き起こされることを特徴とする、請求項12記載の使用。
【請求項14】
太陽光反射率が、10年以内に最大8%、有利には最大5%及び特に有利には最大3%減少することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のフィルム複合体を含有する、長期耐用の太陽光反射板。

【公表番号】特表2013−501251(P2013−501251A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522046(P2012−522046)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056680
【国際公開番号】WO2011/012342
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】