説明

特注組成物を保存する方法

本発明は、好ましくは自動販売機からの、保存料を含む特注消費者向け組成物を作製するための、複数の成分ストリームが所定の相対的量で一緒に混合される方法であって、少なくとも2つのストリームが水および保存料だけから成り、その少なくとも2つが異なる濃度の保存料を有することを特徴とする方法に関する。本発明は、最終的な保存料の混合が配合とは無関係に可変であることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品またはパーソナルケア用品たとえばスキンクリームもしくはスキンローションなどの即製組成物を保存する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者製品を販売時点または使用時点で作製できる機械および方法は当技術分野において周知である。こうした方法の利点は主に、汎用の既製品を購入しなければならないこととは対照的に、消費者に適した製品を届ける上での柔軟性である。しかし、これらの方法が実際にうまくいくようにすることにはかなりの技術的な課題がある。
【0003】
個人に合わせたスキンクリームを作製するためのかかる機械の例が、国際公開A-03-045347または国際公開A-03-045346に見られ、高融点脂肪酸および非イオン性界面活性剤から成る無水基材と加熱された水を一緒にブレンドすることによって個人に合わせたスキンクリームを形成することができることを教示している。
【0004】
スキンクリームまたは食品などの消費者製品は、細菌、真菌、酵母、カビなどの成長を防ぐように保存することが必要な場合がある。しかし、保存料の量は、毒物学上の限界を超えるほど多くてはいけない。言い換えれば、衛生の目的のためには最小限度が課され、毒性学の観点からは上限が課される。これは狭い保存の枠内で操作しなければならないことになり得る。
【0005】
加えて、最終製品も保存されなければならない場合には、それぞれの成分ストリームも、混合される前の貯蔵中に腐敗しないように、個々に保存されなければならない。
【0006】
したがって、定義によって広い範囲の配合を持ち得る特注消費者製品は、その原料となる個々のストリーム中の保存料レベルに依存する最終保存料レベルを有することになる。理想的には、最終製品の保存料レベルが、配合とは無関係に可変であることである。
【0007】
したがって、解決するべき問題は、配合の十分な柔軟性を保持しつつ消費者製品中に所定の量の保存料を持たせることができる方法を、如何にして提供するかということである。
【0008】
一部の消費者製品については、最終製品中に常に多い量で存在する特定可能な「ベース」ストリームがあり、したがって保存料の最終レベルはこの「ベース」ストリームの中の保存料レベルによって大きく支配され得る。しかし、この状況においてさえ、保存料の最終レベルは、それぞれの配合と無関係に可変ではない。この問題は、スキンクリームまたはスキンローションについては、それらが特定できるベースストリームを有していないので、特に深刻である。
【0009】
個人に合わせたスキンクリームに特有の別の困難は、一部のストリームは水性であり、一部は油性であるという事実である。したがって、それぞれのストリームに対する保存料の選択が、保存料の溶解性によってさらに制約される。油性ストリームは、保存料が必要でなくまた油溶性の保存料は稀なので、しばしば保存料をまったく含まない。したがって、油性成分ストリームに富む最終製品は、保存料が少なくてもよい。
【0010】
意外にも、本発明者らは、水および保存料だけを含む2つのストリームを提供することによってこの問題を解決した。加えて、これら2つのストリームは、保存料を含む2つの水ストリームの相対的な投入量によって目標とする最終保存料レベルを達成することができるように、保存料の異なる有効濃度を有する。
【0011】
国際公開A-98-30189は、販売時点で化粧品を配合する装置を開示している。別々の容器にベース組成物の成分を満たし、可能性がある1つの成分は保存料である(1つの容器当たり1つの成分でなくてもよい)。別の容器は任意選択の添加材料を収容している。これらの容器からのストリームが混合されて製品となる。それぞれ水および保存料だけを収容している少なくとも2つの容器を有するという示唆はない。
【特許文献1】国際公開A-03-045347
【特許文献2】国際公開A-03-045346
【特許文献3】国際公開A-98-30189
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、保存料を含む特注消費者向け組成物を製造するための、複数の成分ストリームが所定の相対的量で一緒に混合される方法であって、少なくとも2つのストリームが水および保存料だけから成り、その少なくとも2つは異なる保存料の濃度を有し、これら2つのストリームの間の保存料レベルの比率が好ましくは1.5:1〜50:1であることを特徴とする方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
特注消費者製品
本発明は、個別の要素成分を一緒にブレンドして特注最終製品を製造することを含む、販売時点で特別注文に合わせて製造するどの方法にも適用することができる。たとえば、そのような製品種類には食品ソース、ヘアシャンプーおよびコンディショナー、スキンクリーム、液体洗剤、歯磨きペースト、飲物、アイスクリームなどがある。本発明の製品は水を含む。
【0014】
かかる方法は、好ましくは50℃未満の温度で、より好ましくは室温で行われる。
【0015】
本方法は、通常内部に複数の成分ストリームを含む自動販売機の内部で、成分源を混合ステージに供給して行われる。
【0016】
スキンクリームおよびローション
本発明は、特注スキンクリームおよびローションのために特に有用である。
【0017】
本発明の化粧品組成物は、任意の形態でよい。これらの形態は、ローションおよびクリーム、などのエマルジョン化された系、マイクロエマルジョン、ローラー塗布用配合剤、ムース、軟膏(親水性および疎水性)、エアロゾルおよびエアロゾル以外のスプレーならびにパッド塗布用配合剤を含むことができる。
【0018】
本発明によって得られる個人に合わせた化粧品組成物は、所望の構造をもたらすために通常50%〜90%、より好ましくは70%〜85%の水および十分な脂肪酸材料および非イオン性界面活性剤を含有している。脂肪酸の適当なレベルは、一般的には5%〜25%、より好ましくは10%〜20%の範囲であり、非イオン性界面活性剤の適当なレベルは一般的には0.5%〜10%、より好ましくは2%〜8%の範囲である。
【0019】
保存料
保存料は、細菌、真菌、酵母、カビなどの微生物の増加を防ぐ任意の成分である。本発明で使用するために適当な周知の保存料には、ソルビン酸塩、安息香酸塩、パラヒドロキシ安息香酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩が含まれる。本発明の組成物のための適当な伝統的保存料は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。より最近になって使用されるようになった他の保存料には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、およびさまざまな第四級アンモニウム化合物が含まれる。特に好ましい保存料は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびベンジルアルコールである。保存料は、組成物の用途および保存料と他の成分との間にあり得る不適合に配慮して選択しなければならない。保存料は、好ましくは組成物に対して0.01重量%〜2重量%の範囲の量で使用される。
【0020】
一部の保存料は抗細菌剤としてより有効であり、他のものは抗真菌剤としてそうである。こうした保存料は、本明細書においてそれぞれ抗細菌性保存料および抗真菌性保存料として定義される。
【0021】
一般的には、保存料は、ストリームまたは製品の水分活性が0.7より高い場合に、衛生の見地からだけ必要である。抗細菌性保存料は、一般的に、水分活性が0.9より高い場合にだけ必要である。
【0022】
特に好ましい抗細菌性保存料は、Lonzaによって供給されているDMDMヒダントイン(商標:Glydant Ltd)である。特に好ましい抗真菌性保存料は、Clariantによって供給されているメチルパラベンナトリウム(商標:Nipagin M sodium)および/またはプロピルパラベンナトリウム(商標:Nipasol M sodium)である。
【0023】
好ましくは、2つの水ストリームの間の有効保存料レベルの比率は1.5:1〜50:1、より好ましくは2:1〜20:1、最も好ましくは2.5:1〜10:1である。「レベル」は重量による量を意味する。
【0024】
好ましい種類の一実施形態においては、それぞれの水ストリーム中には2種類以上の保存料があり、第1と第2の保存料の比率は2つのストリームについて同じである。
【0025】
異なる保存料濃度を有する少なくとも2つのストリームが、抗真菌性保存料および抗細菌性保存料の両方を含む場合も好都合であり得る。その場合、第1のストリーム中の抗真菌性保存料と抗細菌性保存料の比率が、実質的に第2のストリーム中の抗真菌性保存料と抗細菌性保存料の比率と同じであれば好ましい。
【0026】
スキンクリーム成分
本発明のために好ましい製品の種類はスキンクリームまたはスキンローションである。
【0027】
かかるスキンクリームの成分は、湿潤度、日焼け防止指数、耐水性またはこれらの組合せに影響する。本発明によるパーソナルケア製品の主要な機能性は、一般的にはその湿潤能力である。他の機能性は、老化防止およびハリに対する効果である。
【0028】
一般的にパーソナルケア組成物の機能性は、軟化剤および保湿剤のレベルおよび変化によって制御することができる。
【0029】
軟化剤
軟化剤は通常油性で液体形態であり、炭化水素、シリコーン、合成エステルまたは植物エステル、またはそれらの組合せを含む群から選択することができる。
【0030】
シリコーンオイルは、揮発性と不揮発性の種類に分けることができる。本明細書で使用する「揮発性」という用語は、周囲温度において測定可能な蒸気圧を有する材料を指すものである。揮発性のシリコーンオイルは、好ましくは環状または直鎖の珪素原子3〜9個、好ましくは4〜5個を含有するポリジメチルシロキサンから選択される。直鎖で揮発性のシリコーン材料は一般的に25℃において約5センチストークス未満の粘度を有し、環状材料は通常約10センチストークス未満の粘度を有する。軟化剤として有用な不揮発性のシリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーが含まれる。本明細書において有用な本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンには、たとえば、25℃において約5〜約25百万センチストークスの粘度を有するポリジメチルシロキサンが含まれる。本組成物中で有用な好ましい不揮発性のシリコーン軟化剤の中には25℃において約10〜約400センチストークスの粘度を有するポリジメチルシロキサンがある。
【0031】
エステル軟化剤の中には以下のものがある。
(1)10〜20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステル。それらの例には、イソアラキジルネオペンタノエート、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、およびオレイン酸オレイルを含む。
(2)エーテルエステル、エトキシ化脂肪アルコールの脂肪酸など。
(3)多価アルコールのエステル。エチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200〜6000)のモノおよびジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000のモノステアリン酸エステル、エトキシ化プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、グリセリンのモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリグリセリンポリ脂肪酸エステル、エトキシ化グリセリンモノステアリン酸エステル、1,3-ブチレングリコールモノステアリン酸エステル、1,3-ブチレングリコールジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが満足できる多価アルコールのエステルである。
(4)ワックスエステル、ビーズワックス、スペルマセティ、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリルおよびベヘン酸アラキジルなど。
(5)ステロールエステル、コレステロール脂肪酸エステルはその例である。
【0032】
好ましい軟化剤は、イソパラフィン、鉱油、環状または直鎖のポリジメチルシロキサン、ヒマワリ油およびオリーブ油などの植物性油またはこれらのいずれかの組合せを含む群から選択される。最も好ましいエステルは、イソアラキジルネオペンタノエートおよびイソノナン酸イソノニルである。
【0033】
10〜30個の炭素原子を有する脂肪酸も本発明の組成物用に含まれてよい。この種類を例示するものは、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキドン酸、ベヘン酸およびエルカ酸である。
【0034】
保湿剤
保湿剤も本発明の組成物中で使用することができる。保湿剤は、軟化剤の有効性を高めるのを助け、鱗屑を低減し、堆積した鱗屑の除去を促進し、皮膚の感触を向上させる。
【0035】
保湿剤の例は、グリセロール(グリセリン)、油、および他のアルコールである。代表的な多価アルコールには、グリセロール、ポリアルキレングリコール、より好ましくはアルキレンポリオールならびにそれらの誘導体があり、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体など、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシ化グリセロール、プロポキシ化グリセロールならびにそれらの混合物が含まれる。保湿剤の量は、最終パーソナルケア組成物の0.5〜30重量%、好ましくは1〜15重量%の範囲でよい。
【0036】
増粘剤
本発明の製品はさらに増粘剤を含むと有益である。適当な増粘剤には、架橋アクリレート(たとえば、Carbopol 982)、疎水性に改質されたアクリレート(たとえば、Carbopol 1382)、セルロース誘導体および天然ガムが含まれる。有用なセルロース誘導体の中にはナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースがある。本発明のために適当な天然ガムには、グア、キサンタン、スクレロチウム、カラギーナン、ペクチンおよびこれらのガムの組合せが含まれる。これらに代わる増粘剤は粘土である。存在する場合の増粘剤の量はパーソナルケア組成物の0.0001〜2重量%、通常は0.001〜1%の範囲でよい。
【0037】
合計すると、水、溶媒、シリコーン、エステル、脂肪酸、保湿剤および/または増粘剤は、1〜99重量%、好ましくは80〜99重量%の量で組成物を構成する。
【0038】
界面活性剤
本発明の化粧品組成物中には界面活性剤も存在してよい。界面活性剤の合計濃度は、組成物の0.1〜40重量%、好ましくは1〜20重量%、最適には1〜5重量%の範囲である。界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性および両性活性剤から成る群から選択することができる。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、C10〜C20脂肪アルコールまたは疎水性物質1モル当たり2〜100モルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと縮合した酸疎水性物質を有するもの、2〜20モルのアルキレンオキシドと縮合したC2〜C10アルキルフェノール、エチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン、モノおよびジC8〜C20脂肪酸、(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)ブロックコポリマー、およびポリオキシエチレンソルビタン、およびこれらの組合せである。アルキルポリグリコシドおよび糖脂肪アミド(たとえば、メチルグルコンアミド)も適当な非イオン性界面活性剤である。
【0039】
好ましいアニオン性界面活性剤には、石鹸、アルキルエーテル硫酸塩およびスルホン酸塩、アルキル硫酸塩およびスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルおよびジアルキルスルホコハク酸、C8〜C20アシルイセチオン酸塩、アシルグルタミン酸塩、C8〜C20アルキルエーテルリン酸塩およびこれらの組合せが含まれる。
【0040】
少量物
他の少量成分を場合により加えることができる。有効成分は、軟化剤および単に組成物の物理的特徴を向上させるだけの他の成分以外の、皮膚のためになる薬剤と定義される。この分類には限定されていないが、一般的な例にはタルクおよびシリカなどの追加の皮脂防止成分および日焼け防止剤が含まれる。さらなる例には、シルクタンパク質、芳香剤、着色料、AHAなどの皮膚衛生成分、コラーゲン、アミノ酸、ビタミンAおよびビタミンEなどのビタミン、レシチンなどのトリプル脂質、大豆ステロール、またはこれらの組合せが含まれる。
【0041】
好ましい日焼け防止剤は、Parsol MCXとして入手可能なp-メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、およびOxybenzoneとしても知られているベンゾフェノン-3などの物質である。微結晶二酸化チタン、ポリエチレンおよびさまざまな他のポリマーなどの無機の日焼け防止有効成分を使用することができる。日焼け止め剤の量は、一般的に0.1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、最適には4〜10重量%の範囲である。
【0042】
本発明の組成物は、水溶性ビタミンも含有することができる。水溶性という用語は、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%、最適には少なくとも5重量%の水中への溶解度を有する物質を定義するものである。例示的な水溶性ビタミンは、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB6、ビタミンCおよびビオチンである。ビタミンCのための1つの供給源は、Brooks Companyから入手可能なVitazyme Cの商標で販売されている製品であり、ナイアシン、ビタミンBおよびビオチンは、Roche Pharmaceuticalsから入手可能である。本発明による組成物中のビタミンの合計量は、0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.6重量%、最適には0.1〜0.5重量%の範囲でよい。
【0043】
C2〜C25α-ヒドロキシアルカン酸などの角質溶解剤も、本発明の組成物中に組み込むことができる。この群の材料を例示するものは、グリコール酸、乳酸、α-ヒドロキシオクタン酸およびこれらの塩である。塩は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩およびC1〜C20アルキルまたはアルカノールのアンモニウム対イオンとの塩から選択することができる。α-ヒドロキシアルカン酸のレベルは、0.001〜10重量%、好ましくは0.2〜1重量%、最適には0.4〜0.5重量%の範囲でよい。
【0044】
少量の補助的成分も化粧品組成物中に存在してよい。それらの中にはビタミンAパルミチン酸エステル、ビタミンE酢酸エステルおよびDL-パントテノールなどの水不溶性ビタミンがあり得る。
【0045】
他の1つの補助的成分は、酵素であり得る。特に好ましいものは、スーパーオキシドディスミューターゼであり、Brooks Company、USAからBiocell SODとして市販されている。
【0046】
再生可能な資源から得た天然植物材料は、化粧品組成物中でしばしば望ましい。たとえば、本発明の化粧品組成物は、カラスムギから得たβ-グルカンを含むことができ、このβ-グルカンは、Nurture Inc.、Missoula、Mont. からMicroat SFの商標で市販されている。
【0047】
着色料、芳香剤、乳白剤および研磨剤も本発明の組成物中に含まれてよい。これら物質のそれぞれは、約0.05〜約5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範囲でよい。
【実施例】
【0048】
機械の中にそれぞれ個別に貯蔵された25個のスキンクリーム成分を有する機械を組み立てた。それぞれの成分貯蔵器は、それぞれの蠕動ポンプを経てインラインミキサーユニットに接続されている。個人に合わせたスキンクリームを作製したい場合は、まず配合を決定する。決定したら、コンピューターユニットが25の流路中にあるそれぞれのポンプの流量を制御し、インラインミキサー中で成分を一緒にして1つの均質なスキンクリームを作製する。スキンクリームは50gのバッチを増加して作ることができる。
【0049】
成分ストリームの2つは水および保存料だけである。これらは次の組成を有している。
【0050】
【表1】

【0051】
(ストリーム1および2の比率を求める計算)
次の配合剤を調製する:
【0052】
【表2】

【0053】
保存料を含有するそれぞれのストリームは、3種の保存料を同じ比率2:1:3で有している。
【0054】
水ストリームの中には保存料が無いと仮定すると、保存料の合計量は0.15%であり、これは衛生上の最小限度を下回る。目標保存料レベルは0.61%である。したがって、さらに0.3%の保存料が水ストリームから来なければならない。
【0055】
ストリーム1からの水=x
ストリーム2からの水=y
とすると、
このとき
x+y=56 (1)
であり、
さらに
0.006x+0.021y=0.3 (2)
である。
等式(1)および(2)を解くと
x=51.6%
y=4.4%
となる。
したがって、水56%のうち、51.6%は保存料の低い水ストリームから来て、4.4%は保存料の高いストリームから来る。
【0056】
保存料を含む水ストリームが1つだけしかない場合は、作られるスキンクリーム中の保存料の量は制御されず、衛生上の最低限度を下回るか、または毒性学上の最大限度を上回る可能性がある。いずれの場合でも、このスキンクリームは市販用途に適さない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存料を含む特注消費者向け組成物を製造するための、複数の成分ストリームが所定の相対的量で一緒に混合される方法であって、少なくとも2つのストリームが水および保存料だけから成り、その少なくとも2つが異なる濃度の保存料を有し、これら2つの水ストリームの間の保存料レベルの比率が好ましくは1.5:1〜50:1であることを特徴とする方法。
【請求項2】
2つの水ストリームの間の有効な保存料レベルの比率が2:1〜20:1、好ましくは2.5:1〜10:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2種類以上の保存料が水ストリームのそれぞれにあり、第1と第2の保存料の比率が2つのストリームについて同じである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
異なる濃度の保存料を有するストリームの少なくとも2つが、抗真菌性保存料および抗細菌性保存料の両方を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1のストリーム中の抗真菌剤と抗細菌剤の比率が、第2のストリーム中の抗真菌剤と抗細菌剤の比率と実質的に同じである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
保存料が、ソルベート、ベンゾエート、パラヒドロキシベンゾエート、サルファイト、ナイトレート、アセテート、パラヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、DMDMヒダントインなどのヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩および第四級アンモニウム化合物、たとえば、フェノキシエタノール、メチルバラベン塩、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびベンジルアルコールから選択された1つまたは複数の保存料化合物を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
保存料を含む組成物が、0.01重量%〜2重量%の保存料を含有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの成分ストリームおよび/または保存料を含む組成物が、0.7を超える、好ましくは0.9を超える水分活性を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
保存料を含む組成物が、個人に合わせた化粧品組成物である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
化粧品組成物が、スキンクリームまたはスキンローションである、請求項6に記載の方法。

【公表番号】特表2009−502848(P2009−502848A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523269(P2008−523269)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007595
【国際公開番号】WO2007/014748
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】