牽引端の固定冶具及び固定方法
【課題】配管時に光コネクタ付き光ファイバケーブルを牽引するために、光コネクタ部を覆うように装着する牽引端と光ファイバケーブルを締結するときに、牽引端とケーブル部とが滑らないように確実に締結させる。
【解決手段】光ファイバのケーブル部4の端部には、ブーツ5によって光コネクタ6が固定されている。本発明の固定治具は、先端部に牽引用フック7を回転子8及び台座9を介して装備した牽引端3を、光コネクタ6が備えられた光ファイバのケーブル部4に固定するための冶具であり、その固定冶具はケーブル部4に直接締結される第1固定冶具1と、この第1固定冶具1を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部を覆う形で装着した牽引端3の上から、牽引端3及び第1固定冶具1を同時に締結するように装着される第2固定冶具2の2つの要素から構成される。
【解決手段】光ファイバのケーブル部4の端部には、ブーツ5によって光コネクタ6が固定されている。本発明の固定治具は、先端部に牽引用フック7を回転子8及び台座9を介して装備した牽引端3を、光コネクタ6が備えられた光ファイバのケーブル部4に固定するための冶具であり、その固定冶具はケーブル部4に直接締結される第1固定冶具1と、この第1固定冶具1を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部を覆う形で装着した牽引端3の上から、牽引端3及び第1固定冶具1を同時に締結するように装着される第2固定冶具2の2つの要素から構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば集合住宅等の縦系配管に光コネクタ付き光ファイバケーブル及び光ファイバコード(以下、光ファイバケーブルで総称する)を通すために、そのケーブルを牽引する際に用いる牽引端の固定冶具及び固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバケーブルを配管に通す際には、フックを備える牽引端をケーブル先端に固定し、この牽引端に括り付けたロープ(紐)を管内に通して牽引することで、ケーブルを通す。このようなケーブル牽引に用いる牽引端には、プリングアイやケーブルグリップ、テーピング等のように、光ファイバケーブルの片端を切り裂き、その内部からテンションメンバを取り出して牽引端を固定する方法が一般的である。
【0003】
しかしながら、上記の方法は、予め端部に光コネクタが設けられた光コネクタ付き光ファイバケーブルにおいては、その光ファイバケーブルの片端を切り裂き、テンションメンバを取り出さなければならず、予め光コネクタを設けたことを台無しにするため、利用することができない。
【0004】
一方、光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部にキャップのようなものを装着して牽引可能とした牽引端(例えば特許文献1)も存在する。マンションやユーザビルのような集合住宅の横系配管においては、数m〜数十mとその距離が短く重力の影響も少ないため、このような牽引端を利用しても光コネクタ部を破損する可能性は低い。これに対し、集合住宅の縦系配管においては、その牽引距離が数十m〜数百mと長く、重力の影響が大きいため、上記の牽引端では光コネクタ部に負荷がかかり、光コネクタ部が破損してしまうおそれがある。
【0005】
そのため、この光コネクタ付き光ファイバケーブルの牽引端には、光コネクタ部分を覆い、この光コネクタ付き光ファイバケーブルの光ファイバケーブル部で締結するような牽引端がある。このような光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部を覆い、光ファイバケーブル部に牽引端を締結する方法としては、牽引端を光ファイバケーブル部に接着剤などで完全に締結する方法やリング状のような留め金で締結する方法が存在する。
【0006】
【特許文献1】特開2007−52278公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上述べたように、従来では、集合住宅の縦系配管等の光コネクタ付き光ファイバケーブルの敷設において、牽引端を装着し、牽引した後には牽引端を取り外すことが必要である。そのため、接着剤のような薬剤でケーブルと牽引端とを締結してしまうと、牽引完了後に取り外すことは容易ではないため、リング状の留め金で締結する方法がとられる。このリング状の留め金での締結方法は、光コネクタ付き光ファイバケーブルの牽引端には光コネクタ部分を覆い、この光コネクタ付き光ファイバケーブルの光ファイバケーブル部で締結するような牽引端を装着した後、この牽引端と光ファイバケーブル部を同時に留め金で締結する方法である。このため、締結した状態で牽引したとき、牽引端と光コネクタ付き光ファイバケーブル間が滑ることが考えられ、リング状の留め金では牽引端と光コネクタ付き光ファイバケーブルを同時に把持することができず、縦系配管への敷設のための牽引に支障が出るおそれがある。
【0008】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、集合住宅の縦系配管等へ光コネクタ付き光ファイバケーブルを敷設するために牽引するときに、光コネクタ部を覆うように装着する牽引端と光ファイバケーブルを締結するときに、牽引端とケーブル部とが滑らないように牽引端をケーブル部に確実に締結させることのできる牽引端の固定治具及び固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る牽引端固定治具は、以下のような特徴的構成を有する。
(1)光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルのケーブル部分に固定する牽引端固定冶具であって、前記ケーブル部分に直接締結するリング状の第1固定冶具と、前記第1固定冶具の周囲を、前記牽引端を挟んで締結するリング状の第2固定冶具とを具備することを特徴とする。
【0010】
(2)(1)において、前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、少なくとも一方の端部に鍔部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする。
(3)(1)または(2)において、前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、前記リング状の周面の外側に鋸波状の凹凸部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の牽引端固定冶具。
【0011】
(4)(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第2固定冶具は、樹脂又は金属のいずれかの成形品であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする。
(5)(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第2固定冶具は、内側が樹脂及び外側が金属の2層構造であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする。
【0012】
(6)(4)または(5)において、前記第2固定冶具は、少なくとも内側が樹脂の成型品であり、該樹脂の内側に鋸波状の凹凸部が設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る牽引端固定方法は、以下のような特徴的構成を有する。
(7)(1)乃至(6)いずれかの牽引端固定冶具を用い、前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルに固定する牽引端固定方法において、前記光ファイバケーブルに前記第1固定冶具を装着し、該第1固定冶具と前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタとを覆うように前記牽引端を装着し、該牽引端を前記第1固定冶具と前記第2固定冶具とで挟んだ状態で、該牽引端の外側から前記第1固定冶具に対し前記第2固定冶具を装着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明を利用することにより、光コネクタ付き光ファイバケーブルを覆うように装着される牽引端と光コネクタ付き光ファイバケーブルのケーブル部の両方を同時に把持するときに、牽引端固定部とケーブル部との間で滑りが生じることで、牽引端のケーブル部からのずれ等の原因で配管内を牽引することに支障が発生しないようにすることができ、配管に敷設することが容易になる。
【0014】
以上のように、本発明によれば、集合住宅の縦系配管等へ光コネクタ付き光ファイバケーブルを敷設するために牽引するときに、光コネクタ部を覆うように装着する牽引端とケーブル部を締結するときに、牽引端とケーブル部とが滑らないように牽引端をケーブルに確実に締結させることのできる牽引端の固定治具及び固定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係る固定治具を用いて牽引端を光コネクタ付き光ファイバケーブルに装着した状態を示す断面図である。図1において、光ファイバのケーブル部4の端部には、ブーツ5によって光コネクタ6が固定されている。本発明の固定治具は、先端部に牽引用フック7を回転子8及び台座9を介して装備した牽引端3を、予め光コネクタ6が備えられた光ファイバのケーブル部4に固定するための冶具(ストップリング)であり、その固定冶具は予め光コネクタ6が備えられた光ファイバケーブルのケーブル部4に直接締結される第1固定冶具1と、この第1固定冶具1を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部を覆う形で装着した牽引端3の上から、牽引端3及び第1固定冶具1を同時に締結するように装着される第2固定冶具2の2つの要素から構成される。
【0016】
以下、図2乃至図14を参照して、本発明に係る固定治具の実施形態を説明する。ここで、図2乃至図8はそれぞれ本発明におけるケーブル部に装着した固定治具の実施形態として、第1固定冶具1及び第2固定冶具2の詳細を示した断面図を示している。また、図9乃至図14は個々の部品の具体的な構造を示している。各図において、互いに同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0017】
図2は本発明に係る固定治具の第1の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の詳細を示した断面図である。図2において、ケーブル部4に直接締結される第1固定冶具1には、その両端部に鍔部1a,1bが形成され、このケーブル部4に締結された第1固定冶具1の上から牽引端3が装着される。ここで、第1固定冶具1に備えられた第1固定冶具鍔部1a,1bの間隔及び高さは牽引端3に設けられた牽引端凹部10の大きさ及び深さに合わせて備えられる。
【0018】
図9は上記第1固定治具1の具体的な構成を示す断面図と斜視図である。この第1固定治具1は、長手方向に一方を開口させて端面同士を突き当てるようにした突き当て部1fを備えるC型の円筒状で、両端部に鍔部1a,1bが形成されており、ケーブル部4に通したとき、突き当て部1fが開いてケーブル部4を締結するように作用する。
【0019】
前記牽引端凹部10と第1固定冶具1の鍔部1a,1bの間に合わさるように、第2固定冶具2が牽引端3を挟んで第1固定冶具1を同時に締結される。これにより牽引端3がケーブル部4に固定される。
図10は上記第2固定治具2の具体的な構成を示す断面図である。この第2固定治具2は、長手方向に一方を開口させて端面同士を突き当てるようにした突き当て部2eを備えるC型の円筒状で、装着時に突き当て部2eが開いて締結作用が機能する。
【0020】
ここで、前記第1固定冶具1は弾性のある樹脂から構成され、ケーブル部4に対して摩擦を発生させることで、牽引端3を牽引する際に第1固定冶具1がケーブル部4からずれないようにしている。また、第1固定冶具1をケーブル部4に予め装着しておき、第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込んで固定する装着方法をとっている。この場合、牽引端3を利用して光コネクタ付き光ファイバケーブルを縦系配管内に配線しやすいように牽引端3そのものを滑らかな材質にしても、牽引端3をケーブル部4に固定できるようになり、縦系配管への配線を容易にすることが可能である。
【0021】
また、第1固定冶具1の鍔部1a,1bは、牽引端3に設けられた凹部10と第1固定冶具1を同時に締結する第2固定冶具2が第1固定冶具1の鍔部1a,1bによって保持されることで、牽引端3を牽引するときに牽引端3がケーブル部4から滑らないようにすることが可能である。
【0022】
図3は本発明の第2の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図3において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図3に示す第2の実施形態は、第1の実施形態の構成を基本とし、さらに、図11の断面図に示すように、突き当て部2eが形成されたC型リング状の第2固定冶具2を上層2aと下層2bとで構成したものである。
【0023】
上記構成の第2固定治具2において、例えば下層2bを弾性樹脂とする。この場合、第1固定冶具1及び牽引端3を同時に締結する面が弾性樹脂となり、例えば樹脂をスチレンブタジエンゴムとすると静摩擦係数は約0.9であり、他の樹脂例えばポリ塩化ビニルの静摩擦係数である約0.45よりも大きいため、摩擦が強くなって、牽引端3を牽引した際に牽引端3がケーブル部4からより滑らないようにすることが可能である。
【0024】
また、第2固定冶具2の上層2aを金属とすると、牽引端3を締結する際に第2固定冶具の下層2bに垂直抗力を加える部分が金属となるため、樹脂と比較して強度が高くなり、大きな力を発生させたとしても破損しにくくなる。これにより、大きなカをかけることが可能であり、牽引端3を締結する際に大きな力で締結することができ、結果として摩擦面に対して大きな垂直抗力を発生させることができるため、より大きな摩擦力を発生させることができ、さらに牽引端3をずれなどから抑制することが可能である。
【0025】
尚、第2の実施形態の構成は、第1の実施形態の構成を基本にしているので、第1の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
図4は本発明の第3の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図4において、図2及び図3と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0026】
図4に示す第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態の構成を基本とし、さらに第1固定冶具1において、図12の断面図に示すように、その両端の鍔部1a,1bの間にケーブル部4の接触する部分と逆側である外側の周面に鋸波状の凸部1c、凹部1dを形成し、第2固定冶具2において、図13の断面図に示すように、ケーブル部4側である内側に同じく鋸波状の凸部2c、凹部2dを形成したものである。このように構成することで、第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込み固定するときに、鋸波状の凹凸部同士で牽引端3を挟み込む形となるので、鋸波状の凹凸部にすることで接触面積が増加し、摩擦力を向上させることで牽引端3を牽引する際に生じる牽引端3がケーブル部4から滑ることを防止することができ、牽引端3を確実に牽引することが可能になる。
【0027】
尚、第3の実施形態の構成は、第1及び第2の実施形態の構成を基本にしているので、第1及び第2の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
図5は本発明の第4の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図5において、図2及び図3と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0028】
図5に示す第4の実施形態は、第1及び第2の実施形態の構成を基本とし、さらに、第1固定冶具1は長手方向に一定の深さでリング状に形成された締結用スリット1eを備える。また、ケーブル部4には、図14に示すように、突き当て部11cを備えるC型リング状に成形された締結用留め具11が通され、そのケーブル支持部11bで締結される。この締結用留め具11は、第1固定治具1の締結用スリット1eと係合する突出部11aを備え、この突出部11aを締結用スリット1eに挿入させてケーブル部4に締結することで、第1固定冶具1に垂直抗力を発生させることができ、ケーブル部4に対してさらに大きな摩擦力を発生させることができ、牽引端3を牽引する際に牽引端3がケーブル部4から滑らないようにすることが可能となる。
【0029】
具体的には、第1固定冶具1の締結用スリット1eに留め具11の突出部11aを挿通し、留め具11のケーブル支持部11bを把持して第1固定冶具1のスリット内へ深く差し込むことで、第1固定冶具1を確実に締結することができる。このとき、留め具11のケーブル支持部11bを突出部11aより小さな径にすることで、留め具11をつまみやすくすることができ、かつ第1固定冶具1のスリット1eへ押し込みやすくすることができる。
【0030】
また、締結用スリット1eへの締結の妨げにならなければ、留め具11の突出部11aとケーブル支持部11bの径が同じでもよいし、留め具11の突出部11aよりもケーブル支持部11bの径を大きくしても構わない。
尚、第4の実施形態の構成は、第1及び第2の実施形態の構成を基本にしているので、第1及び第2の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
【0031】
図6は本発明の第5の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図6において、図2乃至図5と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図6に示す第5の実施形態は、第4の実施形態の構成に第3の実施形態における第1固定冶具1及び第2固定冶具2の鋸歯状形状凹部及び凸部の構成を組み合わせたものである。この構成によれば、第4の実施形態の効果に加え、第3の実施形態の接触面積の増加による摩擦力向上の効果が得られ、牽引端3を牽引する際に生じる牽引端3がケーブル部4から滑ることを防止することができ、牽引端3確実に牽引することが可能になる。
【0032】
図7は本発明の第6の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図7において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図7に示す第6の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1固定治具1を両端部に鍔部がない形状としたものである。この場合、牽引端凹部10と第1固定冶具1上に合わさるように第2固定冶具2によって牽引端3及び第1固定冶具1を同時に締結し、それにより牽引端3がケーブル部4に固定される。ここで前記第1固定冶具1は弾性のある樹脂で構成し、ケーブル部4に対して摩擦を発生させることで、鍔部が形成されていなくても、牽引端3を牽引する祭に第1固定冶具1がケーブル部4からずれないようにする。
【0033】
この構成によれば、第1固定冶具1をケーブル部4に予め装着することや第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込んで固定する装着方法を実施することで、牽引端3を利用して光コネクタ付き光ファイバケーブルを縦系配管内に配線しやすいように牽引端3そのものを滑らかな材質にしても、牽引端3をケーブル部4に固定できるようになり、縦系配管への配線を容易にすることが可能である。
【0034】
また、第2の実施形態のように、第2固定冶具2を上層部2aと下層部2bで構成し、例えば下層部2bを弾性樹脂とすると、第1固定冶具1及び牽引端3を同時に締結する面が弾性樹脂となり、例えば樹脂をスチレンブタジエンゴムとすると静摩擦係数は約0.9であり、他の樹脂例えばポリ塩化ビニルの静摩擦係数である役0.45よりも大きいため摩擦が強く牽引端3を牽引した際に牽引端3がケーブル部4から滑らないようにすることが可能である。
【0035】
さらに、第2固定冶具2の上層部2aを金属とすると、牽引端3を締結する際に下層部2bに垂直抗力を加える部分が樹脂に比較して強度の高い金属であることから、大きな力を発生させたとしても破損しないようになり、大きな力をかけることが可能であり、牽引端3を締結する際に大きなカで締結することができ、結果として摩擦面に対して大きな垂直抗力を発生させることができるため、より大きな摩擦力を発生させることができ、さらに牽引端3をずれなどから制御することが可能である。
【0036】
図8は本発明の第7の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図8において、図2〜図4及び図7と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0037】
図8に示す第7の実施形態は、第3の実施形態に第6の実施形態の構成を組み合わせたもので、第1固定冶具1において、ケーブル部4の接触する部分と逆側である外側の周面に鋸波状の凸部1c、凹部1dを形成した第1固定治具1の両端部から鍔部を形成しない形状としたものである。このように構成することで、第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込み固定するときに、鋸波状の凹凸部同士で牽引端3を挟み込む形となるので、鋸波状の凹凸部にすることで接触面積が増加し、摩擦力を向上し、鍔部がなくても牽引端3を牽引する際に生じる牽引端3がケーブル部4から滑ることを防止することができ、牽引端3を確実に牽引することが可能になる。
【0038】
尚、第7の実施形態の構成は、第3及び第9の実施形態の構成を基本にしているので、第3及び第7の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
ここで、図2乃至図6に示される第1固定冶具1の鍔部1a,1bは第1固定冶具1に第2固定冶具2を装着する際に、その装着位置を確実なものとし、その把持力を高める効果がある。鍔部は両側にあってもよいし、片側のみであっても構わない。その形状も、第2固定冶具2を装着する際の妨げにならなければ、特に形状に制約はない。
【0039】
図15〜図17はそれぞれ第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な断面図である。
図15は第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な断面図である。この締結用留め具は、第2固定冶具2の一箇所にある突き当て部2eを中心に上下に1つずつ備えられた締結用ねじ穴板12a,12bと、これらの締結用ねじ穴板12a,12bのねじ穴に差し込んで両者を螺合する締結用ねじ13から構成される。この締結用ねじ穴板12a,12bの間隔を締結用ねじ13で狭めることにより、第2固定冶具2は締め付けられるようになり、締結するために大きな力を得ることができる。
【0040】
図16は第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な別形態の断面図である。この締結用留め具14は第2固定冶具2の一箇所にある突き当て部2eを中心に上下に1つずつ備えられた締結用ピン14a,14bから構成される。この締結用留め具14は、まず図17(a)に示すように水平状態にある締結用ピン14a,14bを、図17(b)に示すように90度引上げる。その後、図17(c)に示すように、締結用ピン14a,14b同士が交差するようにねじる。その後、ピン14a,14b同士が交差を繰り返すようにさらにねじり締結していくことで、第2固定冶具2は締め付けられるようになり、締結するために大きなカを得ることができる。
【0041】
図18(a)〜(d)は光コネクタ付き光ファイバケーブルに対して本発明に係る固定治具(ここでは図5に示した第4の実施形態を例にする)を装着していく手順を示したものである。
まず、図18(a)に示すように、第1固定冶具1を突き当て部1fを開きながらケーブル部4に挿通させ、所定位置で突き当て部1fを閉じることでケーブル部4に装着する。次に、図18(b)に示すように、予めケーブル部4に挿通された締結用留め具11をその突出部11aが第1固定冶具1側の締結用スリット1eに挿通して図示矢印Aの方向に押し込むことで、第1固定冶具1をケーブル部4に対して締結する。
【0042】
次に、図18(c)に示すように、牽引端3を図示矢印Bの方向に光コネクタ部6を覆う形で挿通する。この時、牽引端3は柔軟な材料で構成されているため、光ファイバケーブルに装着した第1固定治具1に第1固定治具突起11があっても、牽引端3を伸縮することで覆うことが可能となっている。最後に、図18(d)に示すように、牽引端3及び第1固定冶具1を同時に第2固定冶具2をかぶせる形で装着し、締結する。
【0043】
図19は本発明に係る固定治具を用いて牽引端を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルを集合住宅の縦系配管に配線する様子を示したものである。この例では、牽引端23を本発明の固定治具で装着した後、ビル内の中間配電盤25から、牽引端装着済み光コネクタ付き光ファイバケーブル22の牽引端23の部分に牽引紐を結び、牽引端23の部分から縦系配管24a,24bへ挿入し、牽引紐で牽引することで配管24a,24b内への配線が完成する。この場合、牽引端23がケーブル22に確実に装着固定されているため、配線中に牽引端23が外れてしまうような自己を防止することができる。
【0044】
尚、本発明は上記実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種種の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る固定治具を用いて牽引端を光コネクタ付き光ファイバケーブルに装着した状態を示す断面図。
【図2】本発明に係る固定治具の第1の実施形態の詳細を示した断面図。
【図3】本発明に係る固定治具の第2の実施形態の詳細を示した断面図。
【図4】本発明に係る固定治具の第3の実施形態の詳細を示した断面図。
【図5】本発明に係る固定治具の第4の実施形態の詳細を示した断面図。
【図6】本発明に係る固定治具の第5の実施形態の詳細を示した断面図。
【図7】本発明に係る固定治具の第6の実施形態の詳細を示した断面図。
【図8】本発明に係る固定治具の第7の実施形態の詳細を示した断面図。
【図9】上記第1の実施形態の第1固定治具の具体的な構成を示す断面図と斜視図。
【図10】上記第1の実施形態の第2固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図11】上記第2の実施形態の第2固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図12】上記第3の実施形態の第1固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図13】上記第3の実施形態の第2固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図14】上記第4の実施形態の第1固定治具締結用留め具の具体的な構成を示す断面図。
【図15】上記各実施形態の第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な断面図。
【図16】上記各実施形態の第2固定冶具に備えられた他の締結用留め具の詳細な断面図。
【図17】図16に示す締結用留め具の締結方法を説明するための図。
【図18】光コネクタ付き光ファイバケーブルに対して本発明に係る固定治具を装着していく手順を示す説明図。
【図19】本発明に係る固定治具を用いて牽引端を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルを集合住宅の縦系配管に配線する様子を示す概念図。
【符号の説明】
【0046】
1:第1固定冶具、1a,1b:鍔部、1c:凸部、1d:凹部、1e:締結用スリット、1f:突き当て部、
2:第2固定冶具、2a:上層部、2b:下層部、2c:凸部、2d:凹部、2e:突き当て部、
3:牽引端、4:ケーブル部、5:ブーツ、6:光コネクタ部、7:牽引用フック、8:回転子、9:台座、10:牽引端凹部、
11:第1固定冶具締結用留め具、11a:突出部、11b:ケーブル支持部、11c:突き当て部、12a,12b:第2固定冶具締結用ねじ穴板、13:締結用ねじ、14:第2固定冶具締結用留め具、14a,14b:ピン、25:中間配電盤、24a,24b:縦系配管、22:牽引端装着済み光コネクタ付き光ファイバケーブル、23:牽引端。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば集合住宅等の縦系配管に光コネクタ付き光ファイバケーブル及び光ファイバコード(以下、光ファイバケーブルで総称する)を通すために、そのケーブルを牽引する際に用いる牽引端の固定冶具及び固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバケーブルを配管に通す際には、フックを備える牽引端をケーブル先端に固定し、この牽引端に括り付けたロープ(紐)を管内に通して牽引することで、ケーブルを通す。このようなケーブル牽引に用いる牽引端には、プリングアイやケーブルグリップ、テーピング等のように、光ファイバケーブルの片端を切り裂き、その内部からテンションメンバを取り出して牽引端を固定する方法が一般的である。
【0003】
しかしながら、上記の方法は、予め端部に光コネクタが設けられた光コネクタ付き光ファイバケーブルにおいては、その光ファイバケーブルの片端を切り裂き、テンションメンバを取り出さなければならず、予め光コネクタを設けたことを台無しにするため、利用することができない。
【0004】
一方、光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部にキャップのようなものを装着して牽引可能とした牽引端(例えば特許文献1)も存在する。マンションやユーザビルのような集合住宅の横系配管においては、数m〜数十mとその距離が短く重力の影響も少ないため、このような牽引端を利用しても光コネクタ部を破損する可能性は低い。これに対し、集合住宅の縦系配管においては、その牽引距離が数十m〜数百mと長く、重力の影響が大きいため、上記の牽引端では光コネクタ部に負荷がかかり、光コネクタ部が破損してしまうおそれがある。
【0005】
そのため、この光コネクタ付き光ファイバケーブルの牽引端には、光コネクタ部分を覆い、この光コネクタ付き光ファイバケーブルの光ファイバケーブル部で締結するような牽引端がある。このような光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部を覆い、光ファイバケーブル部に牽引端を締結する方法としては、牽引端を光ファイバケーブル部に接着剤などで完全に締結する方法やリング状のような留め金で締結する方法が存在する。
【0006】
【特許文献1】特開2007−52278公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上述べたように、従来では、集合住宅の縦系配管等の光コネクタ付き光ファイバケーブルの敷設において、牽引端を装着し、牽引した後には牽引端を取り外すことが必要である。そのため、接着剤のような薬剤でケーブルと牽引端とを締結してしまうと、牽引完了後に取り外すことは容易ではないため、リング状の留め金で締結する方法がとられる。このリング状の留め金での締結方法は、光コネクタ付き光ファイバケーブルの牽引端には光コネクタ部分を覆い、この光コネクタ付き光ファイバケーブルの光ファイバケーブル部で締結するような牽引端を装着した後、この牽引端と光ファイバケーブル部を同時に留め金で締結する方法である。このため、締結した状態で牽引したとき、牽引端と光コネクタ付き光ファイバケーブル間が滑ることが考えられ、リング状の留め金では牽引端と光コネクタ付き光ファイバケーブルを同時に把持することができず、縦系配管への敷設のための牽引に支障が出るおそれがある。
【0008】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、集合住宅の縦系配管等へ光コネクタ付き光ファイバケーブルを敷設するために牽引するときに、光コネクタ部を覆うように装着する牽引端と光ファイバケーブルを締結するときに、牽引端とケーブル部とが滑らないように牽引端をケーブル部に確実に締結させることのできる牽引端の固定治具及び固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る牽引端固定治具は、以下のような特徴的構成を有する。
(1)光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルのケーブル部分に固定する牽引端固定冶具であって、前記ケーブル部分に直接締結するリング状の第1固定冶具と、前記第1固定冶具の周囲を、前記牽引端を挟んで締結するリング状の第2固定冶具とを具備することを特徴とする。
【0010】
(2)(1)において、前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、少なくとも一方の端部に鍔部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする。
(3)(1)または(2)において、前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、前記リング状の周面の外側に鋸波状の凹凸部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の牽引端固定冶具。
【0011】
(4)(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第2固定冶具は、樹脂又は金属のいずれかの成形品であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする。
(5)(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第2固定冶具は、内側が樹脂及び外側が金属の2層構造であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする。
【0012】
(6)(4)または(5)において、前記第2固定冶具は、少なくとも内側が樹脂の成型品であり、該樹脂の内側に鋸波状の凹凸部が設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る牽引端固定方法は、以下のような特徴的構成を有する。
(7)(1)乃至(6)いずれかの牽引端固定冶具を用い、前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルに固定する牽引端固定方法において、前記光ファイバケーブルに前記第1固定冶具を装着し、該第1固定冶具と前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタとを覆うように前記牽引端を装着し、該牽引端を前記第1固定冶具と前記第2固定冶具とで挟んだ状態で、該牽引端の外側から前記第1固定冶具に対し前記第2固定冶具を装着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明を利用することにより、光コネクタ付き光ファイバケーブルを覆うように装着される牽引端と光コネクタ付き光ファイバケーブルのケーブル部の両方を同時に把持するときに、牽引端固定部とケーブル部との間で滑りが生じることで、牽引端のケーブル部からのずれ等の原因で配管内を牽引することに支障が発生しないようにすることができ、配管に敷設することが容易になる。
【0014】
以上のように、本発明によれば、集合住宅の縦系配管等へ光コネクタ付き光ファイバケーブルを敷設するために牽引するときに、光コネクタ部を覆うように装着する牽引端とケーブル部を締結するときに、牽引端とケーブル部とが滑らないように牽引端をケーブルに確実に締結させることのできる牽引端の固定治具及び固定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係る固定治具を用いて牽引端を光コネクタ付き光ファイバケーブルに装着した状態を示す断面図である。図1において、光ファイバのケーブル部4の端部には、ブーツ5によって光コネクタ6が固定されている。本発明の固定治具は、先端部に牽引用フック7を回転子8及び台座9を介して装備した牽引端3を、予め光コネクタ6が備えられた光ファイバのケーブル部4に固定するための冶具(ストップリング)であり、その固定冶具は予め光コネクタ6が備えられた光ファイバケーブルのケーブル部4に直接締結される第1固定冶具1と、この第1固定冶具1を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルの光コネクタ部を覆う形で装着した牽引端3の上から、牽引端3及び第1固定冶具1を同時に締結するように装着される第2固定冶具2の2つの要素から構成される。
【0016】
以下、図2乃至図14を参照して、本発明に係る固定治具の実施形態を説明する。ここで、図2乃至図8はそれぞれ本発明におけるケーブル部に装着した固定治具の実施形態として、第1固定冶具1及び第2固定冶具2の詳細を示した断面図を示している。また、図9乃至図14は個々の部品の具体的な構造を示している。各図において、互いに同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0017】
図2は本発明に係る固定治具の第1の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の詳細を示した断面図である。図2において、ケーブル部4に直接締結される第1固定冶具1には、その両端部に鍔部1a,1bが形成され、このケーブル部4に締結された第1固定冶具1の上から牽引端3が装着される。ここで、第1固定冶具1に備えられた第1固定冶具鍔部1a,1bの間隔及び高さは牽引端3に設けられた牽引端凹部10の大きさ及び深さに合わせて備えられる。
【0018】
図9は上記第1固定治具1の具体的な構成を示す断面図と斜視図である。この第1固定治具1は、長手方向に一方を開口させて端面同士を突き当てるようにした突き当て部1fを備えるC型の円筒状で、両端部に鍔部1a,1bが形成されており、ケーブル部4に通したとき、突き当て部1fが開いてケーブル部4を締結するように作用する。
【0019】
前記牽引端凹部10と第1固定冶具1の鍔部1a,1bの間に合わさるように、第2固定冶具2が牽引端3を挟んで第1固定冶具1を同時に締結される。これにより牽引端3がケーブル部4に固定される。
図10は上記第2固定治具2の具体的な構成を示す断面図である。この第2固定治具2は、長手方向に一方を開口させて端面同士を突き当てるようにした突き当て部2eを備えるC型の円筒状で、装着時に突き当て部2eが開いて締結作用が機能する。
【0020】
ここで、前記第1固定冶具1は弾性のある樹脂から構成され、ケーブル部4に対して摩擦を発生させることで、牽引端3を牽引する際に第1固定冶具1がケーブル部4からずれないようにしている。また、第1固定冶具1をケーブル部4に予め装着しておき、第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込んで固定する装着方法をとっている。この場合、牽引端3を利用して光コネクタ付き光ファイバケーブルを縦系配管内に配線しやすいように牽引端3そのものを滑らかな材質にしても、牽引端3をケーブル部4に固定できるようになり、縦系配管への配線を容易にすることが可能である。
【0021】
また、第1固定冶具1の鍔部1a,1bは、牽引端3に設けられた凹部10と第1固定冶具1を同時に締結する第2固定冶具2が第1固定冶具1の鍔部1a,1bによって保持されることで、牽引端3を牽引するときに牽引端3がケーブル部4から滑らないようにすることが可能である。
【0022】
図3は本発明の第2の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図3において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図3に示す第2の実施形態は、第1の実施形態の構成を基本とし、さらに、図11の断面図に示すように、突き当て部2eが形成されたC型リング状の第2固定冶具2を上層2aと下層2bとで構成したものである。
【0023】
上記構成の第2固定治具2において、例えば下層2bを弾性樹脂とする。この場合、第1固定冶具1及び牽引端3を同時に締結する面が弾性樹脂となり、例えば樹脂をスチレンブタジエンゴムとすると静摩擦係数は約0.9であり、他の樹脂例えばポリ塩化ビニルの静摩擦係数である約0.45よりも大きいため、摩擦が強くなって、牽引端3を牽引した際に牽引端3がケーブル部4からより滑らないようにすることが可能である。
【0024】
また、第2固定冶具2の上層2aを金属とすると、牽引端3を締結する際に第2固定冶具の下層2bに垂直抗力を加える部分が金属となるため、樹脂と比較して強度が高くなり、大きな力を発生させたとしても破損しにくくなる。これにより、大きなカをかけることが可能であり、牽引端3を締結する際に大きな力で締結することができ、結果として摩擦面に対して大きな垂直抗力を発生させることができるため、より大きな摩擦力を発生させることができ、さらに牽引端3をずれなどから抑制することが可能である。
【0025】
尚、第2の実施形態の構成は、第1の実施形態の構成を基本にしているので、第1の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
図4は本発明の第3の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図4において、図2及び図3と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0026】
図4に示す第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態の構成を基本とし、さらに第1固定冶具1において、図12の断面図に示すように、その両端の鍔部1a,1bの間にケーブル部4の接触する部分と逆側である外側の周面に鋸波状の凸部1c、凹部1dを形成し、第2固定冶具2において、図13の断面図に示すように、ケーブル部4側である内側に同じく鋸波状の凸部2c、凹部2dを形成したものである。このように構成することで、第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込み固定するときに、鋸波状の凹凸部同士で牽引端3を挟み込む形となるので、鋸波状の凹凸部にすることで接触面積が増加し、摩擦力を向上させることで牽引端3を牽引する際に生じる牽引端3がケーブル部4から滑ることを防止することができ、牽引端3を確実に牽引することが可能になる。
【0027】
尚、第3の実施形態の構成は、第1及び第2の実施形態の構成を基本にしているので、第1及び第2の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
図5は本発明の第4の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図5において、図2及び図3と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0028】
図5に示す第4の実施形態は、第1及び第2の実施形態の構成を基本とし、さらに、第1固定冶具1は長手方向に一定の深さでリング状に形成された締結用スリット1eを備える。また、ケーブル部4には、図14に示すように、突き当て部11cを備えるC型リング状に成形された締結用留め具11が通され、そのケーブル支持部11bで締結される。この締結用留め具11は、第1固定治具1の締結用スリット1eと係合する突出部11aを備え、この突出部11aを締結用スリット1eに挿入させてケーブル部4に締結することで、第1固定冶具1に垂直抗力を発生させることができ、ケーブル部4に対してさらに大きな摩擦力を発生させることができ、牽引端3を牽引する際に牽引端3がケーブル部4から滑らないようにすることが可能となる。
【0029】
具体的には、第1固定冶具1の締結用スリット1eに留め具11の突出部11aを挿通し、留め具11のケーブル支持部11bを把持して第1固定冶具1のスリット内へ深く差し込むことで、第1固定冶具1を確実に締結することができる。このとき、留め具11のケーブル支持部11bを突出部11aより小さな径にすることで、留め具11をつまみやすくすることができ、かつ第1固定冶具1のスリット1eへ押し込みやすくすることができる。
【0030】
また、締結用スリット1eへの締結の妨げにならなければ、留め具11の突出部11aとケーブル支持部11bの径が同じでもよいし、留め具11の突出部11aよりもケーブル支持部11bの径を大きくしても構わない。
尚、第4の実施形態の構成は、第1及び第2の実施形態の構成を基本にしているので、第1及び第2の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
【0031】
図6は本発明の第5の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図6において、図2乃至図5と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図6に示す第5の実施形態は、第4の実施形態の構成に第3の実施形態における第1固定冶具1及び第2固定冶具2の鋸歯状形状凹部及び凸部の構成を組み合わせたものである。この構成によれば、第4の実施形態の効果に加え、第3の実施形態の接触面積の増加による摩擦力向上の効果が得られ、牽引端3を牽引する際に生じる牽引端3がケーブル部4から滑ることを防止することができ、牽引端3確実に牽引することが可能になる。
【0032】
図7は本発明の第6の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図7において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
図7に示す第6の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1固定治具1を両端部に鍔部がない形状としたものである。この場合、牽引端凹部10と第1固定冶具1上に合わさるように第2固定冶具2によって牽引端3及び第1固定冶具1を同時に締結し、それにより牽引端3がケーブル部4に固定される。ここで前記第1固定冶具1は弾性のある樹脂で構成し、ケーブル部4に対して摩擦を発生させることで、鍔部が形成されていなくても、牽引端3を牽引する祭に第1固定冶具1がケーブル部4からずれないようにする。
【0033】
この構成によれば、第1固定冶具1をケーブル部4に予め装着することや第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込んで固定する装着方法を実施することで、牽引端3を利用して光コネクタ付き光ファイバケーブルを縦系配管内に配線しやすいように牽引端3そのものを滑らかな材質にしても、牽引端3をケーブル部4に固定できるようになり、縦系配管への配線を容易にすることが可能である。
【0034】
また、第2の実施形態のように、第2固定冶具2を上層部2aと下層部2bで構成し、例えば下層部2bを弾性樹脂とすると、第1固定冶具1及び牽引端3を同時に締結する面が弾性樹脂となり、例えば樹脂をスチレンブタジエンゴムとすると静摩擦係数は約0.9であり、他の樹脂例えばポリ塩化ビニルの静摩擦係数である役0.45よりも大きいため摩擦が強く牽引端3を牽引した際に牽引端3がケーブル部4から滑らないようにすることが可能である。
【0035】
さらに、第2固定冶具2の上層部2aを金属とすると、牽引端3を締結する際に下層部2bに垂直抗力を加える部分が樹脂に比較して強度の高い金属であることから、大きな力を発生させたとしても破損しないようになり、大きな力をかけることが可能であり、牽引端3を締結する際に大きなカで締結することができ、結果として摩擦面に対して大きな垂直抗力を発生させることができるため、より大きな摩擦力を発生させることができ、さらに牽引端3をずれなどから制御することが可能である。
【0036】
図8は本発明の第7の実施形態として、ケーブル部4に装着した第1固定冶具1及び第2固定冶具2の別形態の詳細を示した断面図である。尚、図8において、図2〜図4及び図7と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について説明する。
【0037】
図8に示す第7の実施形態は、第3の実施形態に第6の実施形態の構成を組み合わせたもので、第1固定冶具1において、ケーブル部4の接触する部分と逆側である外側の周面に鋸波状の凸部1c、凹部1dを形成した第1固定治具1の両端部から鍔部を形成しない形状としたものである。このように構成することで、第1固定冶具1及び第2固定冶具2で牽引端3を挟み込み固定するときに、鋸波状の凹凸部同士で牽引端3を挟み込む形となるので、鋸波状の凹凸部にすることで接触面積が増加し、摩擦力を向上し、鍔部がなくても牽引端3を牽引する際に生じる牽引端3がケーブル部4から滑ることを防止することができ、牽引端3を確実に牽引することが可能になる。
【0038】
尚、第7の実施形態の構成は、第3及び第9の実施形態の構成を基本にしているので、第3及び第7の実施形態と同様の変形が可能であり、同様の効果が得られる。
ここで、図2乃至図6に示される第1固定冶具1の鍔部1a,1bは第1固定冶具1に第2固定冶具2を装着する際に、その装着位置を確実なものとし、その把持力を高める効果がある。鍔部は両側にあってもよいし、片側のみであっても構わない。その形状も、第2固定冶具2を装着する際の妨げにならなければ、特に形状に制約はない。
【0039】
図15〜図17はそれぞれ第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な断面図である。
図15は第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な断面図である。この締結用留め具は、第2固定冶具2の一箇所にある突き当て部2eを中心に上下に1つずつ備えられた締結用ねじ穴板12a,12bと、これらの締結用ねじ穴板12a,12bのねじ穴に差し込んで両者を螺合する締結用ねじ13から構成される。この締結用ねじ穴板12a,12bの間隔を締結用ねじ13で狭めることにより、第2固定冶具2は締め付けられるようになり、締結するために大きな力を得ることができる。
【0040】
図16は第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な別形態の断面図である。この締結用留め具14は第2固定冶具2の一箇所にある突き当て部2eを中心に上下に1つずつ備えられた締結用ピン14a,14bから構成される。この締結用留め具14は、まず図17(a)に示すように水平状態にある締結用ピン14a,14bを、図17(b)に示すように90度引上げる。その後、図17(c)に示すように、締結用ピン14a,14b同士が交差するようにねじる。その後、ピン14a,14b同士が交差を繰り返すようにさらにねじり締結していくことで、第2固定冶具2は締め付けられるようになり、締結するために大きなカを得ることができる。
【0041】
図18(a)〜(d)は光コネクタ付き光ファイバケーブルに対して本発明に係る固定治具(ここでは図5に示した第4の実施形態を例にする)を装着していく手順を示したものである。
まず、図18(a)に示すように、第1固定冶具1を突き当て部1fを開きながらケーブル部4に挿通させ、所定位置で突き当て部1fを閉じることでケーブル部4に装着する。次に、図18(b)に示すように、予めケーブル部4に挿通された締結用留め具11をその突出部11aが第1固定冶具1側の締結用スリット1eに挿通して図示矢印Aの方向に押し込むことで、第1固定冶具1をケーブル部4に対して締結する。
【0042】
次に、図18(c)に示すように、牽引端3を図示矢印Bの方向に光コネクタ部6を覆う形で挿通する。この時、牽引端3は柔軟な材料で構成されているため、光ファイバケーブルに装着した第1固定治具1に第1固定治具突起11があっても、牽引端3を伸縮することで覆うことが可能となっている。最後に、図18(d)に示すように、牽引端3及び第1固定冶具1を同時に第2固定冶具2をかぶせる形で装着し、締結する。
【0043】
図19は本発明に係る固定治具を用いて牽引端を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルを集合住宅の縦系配管に配線する様子を示したものである。この例では、牽引端23を本発明の固定治具で装着した後、ビル内の中間配電盤25から、牽引端装着済み光コネクタ付き光ファイバケーブル22の牽引端23の部分に牽引紐を結び、牽引端23の部分から縦系配管24a,24bへ挿入し、牽引紐で牽引することで配管24a,24b内への配線が完成する。この場合、牽引端23がケーブル22に確実に装着固定されているため、配線中に牽引端23が外れてしまうような自己を防止することができる。
【0044】
尚、本発明は上記実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種種の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る固定治具を用いて牽引端を光コネクタ付き光ファイバケーブルに装着した状態を示す断面図。
【図2】本発明に係る固定治具の第1の実施形態の詳細を示した断面図。
【図3】本発明に係る固定治具の第2の実施形態の詳細を示した断面図。
【図4】本発明に係る固定治具の第3の実施形態の詳細を示した断面図。
【図5】本発明に係る固定治具の第4の実施形態の詳細を示した断面図。
【図6】本発明に係る固定治具の第5の実施形態の詳細を示した断面図。
【図7】本発明に係る固定治具の第6の実施形態の詳細を示した断面図。
【図8】本発明に係る固定治具の第7の実施形態の詳細を示した断面図。
【図9】上記第1の実施形態の第1固定治具の具体的な構成を示す断面図と斜視図。
【図10】上記第1の実施形態の第2固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図11】上記第2の実施形態の第2固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図12】上記第3の実施形態の第1固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図13】上記第3の実施形態の第2固定治具の具体的な構成を示す断面図。
【図14】上記第4の実施形態の第1固定治具締結用留め具の具体的な構成を示す断面図。
【図15】上記各実施形態の第2固定冶具に備えられた締結用留め具の詳細な断面図。
【図16】上記各実施形態の第2固定冶具に備えられた他の締結用留め具の詳細な断面図。
【図17】図16に示す締結用留め具の締結方法を説明するための図。
【図18】光コネクタ付き光ファイバケーブルに対して本発明に係る固定治具を装着していく手順を示す説明図。
【図19】本発明に係る固定治具を用いて牽引端を装着した光コネクタ付き光ファイバケーブルを集合住宅の縦系配管に配線する様子を示す概念図。
【符号の説明】
【0046】
1:第1固定冶具、1a,1b:鍔部、1c:凸部、1d:凹部、1e:締結用スリット、1f:突き当て部、
2:第2固定冶具、2a:上層部、2b:下層部、2c:凸部、2d:凹部、2e:突き当て部、
3:牽引端、4:ケーブル部、5:ブーツ、6:光コネクタ部、7:牽引用フック、8:回転子、9:台座、10:牽引端凹部、
11:第1固定冶具締結用留め具、11a:突出部、11b:ケーブル支持部、11c:突き当て部、12a,12b:第2固定冶具締結用ねじ穴板、13:締結用ねじ、14:第2固定冶具締結用留め具、14a,14b:ピン、25:中間配電盤、24a,24b:縦系配管、22:牽引端装着済み光コネクタ付き光ファイバケーブル、23:牽引端。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルのケーブル部分に固定する牽引端固定冶具であって、
前記ケーブル部分に直接締結するリング状の第1固定冶具と、
前記第1固定冶具の周囲を、前記牽引端を挟んで締結するリング状の第2固定冶具と
を具備することを特徴とする牽引端固定冶具。
【請求項2】
前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、少なくとも一方の端部に鍔部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1に記載の牽引端固定冶具。
【請求項3】
前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、前記リング状の周面の外側に鋸波状の凹凸部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の牽引端固定冶具。
【請求項4】
前記第2固定冶具は、樹脂又は金属のいずれかの成形品であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の牽引端固定冶具。
【請求項5】
前記第2固定冶具は、内側が樹脂及び外側が金属の2層構造であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の牽引端固定冶具。
【請求項6】
前記第2固定冶具は、少なくとも内側が樹脂の成型品であり、該樹脂の内側に鋸波状の凹凸部が設けられることを特徴とする請求項4又は5に記載の牽引端固定冶具。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の牽引端固定冶具を用い、前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルに固定する牽引端固定方法において、前記光ファイバケーブルに前記第1固定冶具を装着し、該第1固定冶具と前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタとを覆うように前記牽引端を装着し、該牽引端を前記第1固定冶具と前記第2固定冶具とで挟んだ状態で、該牽引端の外側から前記第1固定冶具に対し前記第2固定冶具を装着することを特徴とする牽引端固定方法。
【請求項1】
光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルのケーブル部分に固定する牽引端固定冶具であって、
前記ケーブル部分に直接締結するリング状の第1固定冶具と、
前記第1固定冶具の周囲を、前記牽引端を挟んで締結するリング状の第2固定冶具と
を具備することを特徴とする牽引端固定冶具。
【請求項2】
前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、少なくとも一方の端部に鍔部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1に記載の牽引端固定冶具。
【請求項3】
前記第1固定冶具は、樹脂の成形品であり、前記リング状の周面の外側に鋸波状の凹凸部が設けられ、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の牽引端固定冶具。
【請求項4】
前記第2固定冶具は、樹脂又は金属のいずれかの成形品であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の牽引端固定冶具。
【請求項5】
前記第2固定冶具は、内側が樹脂及び外側が金属の2層構造であり、長手方向に開口された突き当て部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の牽引端固定冶具。
【請求項6】
前記第2固定冶具は、少なくとも内側が樹脂の成型品であり、該樹脂の内側に鋸波状の凹凸部が設けられることを特徴とする請求項4又は5に記載の牽引端固定冶具。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の牽引端固定冶具を用い、前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタを覆う形状の牽引端を前記光ファイバケーブルに固定する牽引端固定方法において、前記光ファイバケーブルに前記第1固定冶具を装着し、該第1固定冶具と前記光ファイバケーブルの先端に設けられた光コネクタとを覆うように前記牽引端を装着し、該牽引端を前記第1固定冶具と前記第2固定冶具とで挟んだ状態で、該牽引端の外側から前記第1固定冶具に対し前記第2固定冶具を装着することを特徴とする牽引端固定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−211018(P2009−211018A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56901(P2008−56901)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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