玄関ドア
【課題】玄関ドアを、ユーザの注文に応じてセミ・カスタマイズすることができること。
【解決手段】矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、自由端部の戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記錠前用の開口と連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能である玄関ドア。
【解決手段】矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、自由端部の戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記錠前用の開口と連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能である玄関ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具の玄関ドアに関し、特に、ドアの先端部に組み込まれるユニットを交換することができる仕様変更型の玄関ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「ドア本体1と、該ドア本体の先端部と後端部に係合部(突起2a)・被係合部(係合溝5)を介して一体的に結合する前後の縦框4、4とから成る木製ドア」が開示されている。この木製ドアは、上下の横框を用いないで、前後の縦框4、4の全長をドア本体のそれとそれぞれ同一にして、ガラス製のような面板を備えたドア本体と前後の縦框4、4とを結合して、その意匠の自由度を高めることを目的とする。なお、特許文献1の図1、図6等には、縦框4の縦方向の端面に筋状の係合溝5を形成し、一方、ドア本体1の差込み部分2に複数個の突起状の差込み部2aを形成し、これらの差込み部2aを前記筋状の係合溝5に嵌め込む事項が開示されている。
【0003】
この特許文献1の木製ドアは、前後の縦框4、4にサンドイッチ状に挟持されるドア本体1を各種デザインのものと組み合わせることができるという利点を有するものの、ユーザの好みに対応して「ドアをセミ・カスタマイズすること」、換言すると、ユーザの注文に応じてドア本体の戸先部に設けられる錠前を含む錠前ユニット、それ以外の機能を持ったユニットを組み合わせてドア機能の仕様変更をすることができるドアではない。
【0004】
特許文献2には、「開口部2を有するドア本体1と、前記開口部に嵌め込まれる障子形態の開閉窓3とから成る窓付ドア」が開示されている。この特許文献2は、ドア本体1の構造を変更することなく、各種構造の開閉窓3を変更することができるという利点を有するものの、特許文献1と同様に、錠前を含む複数個のニユットを組み合わせてドア機能の仕様変更をするものではない。なお、この特許文献2の窓付ドアは、ドア本体1の開口部2に開閉窓3を取り付ける場合には障子形態の開閉窓3を両手で持ちながら、前記開口部2の手前から該開口部2に開閉窓3を差し込む「けんどん式」と認められる。
【0005】
さらに、特許文献3には、「鏡板(ドア本体)11と、該鏡板の四辺を取り囲む上下・左右の框とから成る框組みドア」が開示されている。この特許文献3の框組みドアは、建具の各種寸法の間口に対応することができる框組みドアを製造することができるものの、この特許文献3も、ユーザの好みに対応して「ドアをセミ・カスタマイズすること」はできなかった。なお、符号は各特許文献のものをそれぞれ援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−73957号公報
【特許文献2】特公平7−54550号公報
【特許文献3】特開平9−41825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の所期の目的は、ドア、特に、玄関ドアを、ユーザの注文に応じてセミ・カスタマイズすることができることである。第2の目的は、特許文献2と同様にドア本体の構造を変更することなく、錠前ユニット、採光窓ユニット、採風窓ユニット、ドアストッパーユニット等の複数個のユニットをドア本体の自由端部に形成した縦長開口部に交換可能に組み込むことである。第3の目的は、ドアの戸先部に上下方向に沿って一連に組み込んだ複数個のユニットが、ドアの開閉方向からの力により、バラバラに成らないようにすることである。つまり、戸先部の各ユニットを強固に結合することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の玄関ドアは、矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記錠前用の開口と連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の玄関ドアは、矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の上部側に切欠状のユニット挿入口並びにその戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記ユニット挿入口並びに錠前用の開口とそれぞれ連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とすることを特徴とする。
【0010】
上記構成に於いて、錠前ユニットは、中央部箱と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドルとから構成されていることを特徴とする。実施例によっては、錠前は、予め中央部箱の内部に組み込まれた状態で縦長切欠開口に組み込まれても良く、また、縦長切欠開口に中央部箱を組み込んだ後に、該中央部箱に縦框部材の錠前用の開口を介して組み込んでも良い。
【0011】
錠前用の開口は、ドアがツインロックである場合には、それに対応するように上下方向に所要量の長さを有する長孔開口であっても良い。また、内外のハンドルは、前記中央部箱の外面にそれぞれ一体成形されていても良く、また、中央部箱とは別個独立の部材であり、普通一般の内外のハンドルと同様にハンドル用の内外の台座、内外の台座を一体的に連結する連結手段から成るものであっても良い。
【0012】
ここで、「………収納箱ユニット等」の「等」とは、例えば錠前が電気錠の場合には、電気錠仕様に適合する通電端子を備えた端子ユニット、検知手段・送受信手段を備えた送受信ユニット、電気錠の制御信号によって装置を構成する部材が連動する部材連動型ユニットなどが含まれ、また、錠前が普通一般に使用されている本締錠である場合には、縦長切欠開口の残存する空間を埋めるための空間埋設ユニットも含まれる。さらに、ドアストッパーユニットや収納箱ユニットに類するユニットも含まれる。なお、採光窓ユニットと、採風窓ユニット等の各用語は、当業者の立場から解釈される。
【発明の効果】
【0013】
(a)玄関ドアを、販売前並びに販売後にユーザの注文に応じてセミ・カスタマイズすることができる
(b)ユニットの中には、錠前を含む錠前ユニットが存在するので、錠前、ハンドル等もユーザの好みに応じて変更することができる。
(c)請求項2、請求項3、請求項5に記載の発明は、各ユニットは、外部からの力により、容易にバラバラに成らない。
(d)請求項4、請求項6に記載の発明は、錠前ユニットに錠前を組み込んだままの状態でドア本体の縦長開口部に入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1乃至図13は本発明の第1形態を示す各説明図。図14乃至図19は本発明の第2形態を示す各説明図。図20乃至図25は本発明の第3形態を示す各説明図。図26乃至図29は本発明の第4形態を示す各説明図。図30は前記第4形態の要部の設計変更例を示す説明図。
【図1】本発明の環境状態を示す正面視からの説明図。
【図2】図1に於いて、玄関ドアを示す説明図。
【図3】図2に於いて、玄関ドアの分解説明図。
【図4】まず、採風窓ユニットをユニット挿入口に差し込む所を示す説明図。
【図5】採風窓ユニットとドア本体の係合手段を示す横方向の概略断面説明図。
【図6】次に、錠前ユニットをユニット挿入口から落とし込んだ状態の説明図。
【図7】要部(各ユニット)をドア本体の縦長開口部に嵌め込んだ斜視図。なお、シリンダ錠、サムターン、内外のハンドルも適宜に装着される。
【図8】要部(各ユニット)を係合した斜視図。
【図9】ユニットの係合構造の一例を示す縦方向の概略断面説明図。
【図10】要部(ドア本体と錠箱と中央部箱)の概略断面説明図。
【図11】錠前6を含む錠前ユニット23の種類を示す概略説明図。
【図12】採光窓ユニットの種類を示す概略説明図。
【図13】採風窓ユニットの種類を示す概略説明図。
【図14】本発明の第2形態を示す図3と同様の説明図。
【図15】まず、採風窓ユニットをユニット挿入口に差し込む所を示す説明図。
【図16】次に、錠前ユニットをユニット挿入口から落とし込んだ状態の説明図。
【図17】次に、採風窓ユニットに組込み、最後に蓋体を固定する説明図。
【図18】図17に於いて、中央部箱に錠箱等を装着した説明図。なお、シリンダ錠、サムターン、内外のハンドルも適宜に装着される。
【図19】ドア本体と各ユニットの結合構造の一例を示す概略断面説明図。
【図20】本発明の第3形態を示す図3と同様の説明図。
【図21】まず、採風窓ユニットをユニット挿入口としての縦長開口部に差し込む所を示す説明図。
【図22】採風窓ユニットを縦長開口部に差し込んだ説明図。
【図23】次に錠前ユニットを縦長開口部に差し込んだ説明図。
【図24】図24(a)は、採光窓ユニットを組み込む所の概略断面説明図。図24(b)は、採光窓ユニットを組み込んだ後、長板片と複数個の固着具を含む固定手段で各ユニットをドア本体に固定した概略断面説明図。
【図25】図24(b)に於いて、ドアの内壁面から見た説明図。
【図26】本発明の第4形態を示す図3と同様の説明図。
【図27】最も下部に位置する採風窓ユニット25を切欠状のユニット挿入口に嵌め込む状態の説明図。
【図28】錠前を組み込んだ状態の錠前ユニットを切欠状のユニット挿入口に嵌め込む状態の説明図。
【図29】採光窓ユニット24を組み込みかつ蓋体を固定した説明図。
【図30】第4形態の要部の設計変更例を示す説明図。
【図31】ドアストッパーユニットの種類を示す概略説明図。
【図32】錠前ユニットの他の例を示す概略説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)環境部材
図1は本発明の環境状態を示す正面視からの説明図、図2は玄関ドアを示す説明図である。これらの図に於いて、1は建具としての玄関用ドア枠、2は玄関の矩形状の開口部、3は玄関ドア(ドアとも言う)、4は床面である。周知のように、玄関ドア3の吊元端部3aは複数個の蝶番5を介してドア枠1に枢着されている。一方、玄関ドア3の自由端部3bの略中央部(中央部寄りの部位も含む)には、錠前6及び中央部箱(ハンドル取付け座を有しても良い)7を介してハンドル8が適宜に設けられている。また、前記中央部箱7を介して前記錠前6を構成するシリンダ錠9が設けられている。ハンドル8を操作すると錠前6の不番のラッチが可動し、また、図示しない合鍵でもって前記シリンダ錠9の内筒を所定方向に所定角度回すと、デッドボルト10が進退動する。なお、玄関ドア3には、サムターン装置が組み込まれ、そのサムターン摘みは玄関ドア3の背面に突出している。
【0016】
本発明の玄関ドア3は、矩形状の開口部2を形成する玄関ドア枠1に、その吊元端部(取付け基端部)3aが枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアを前提とする。
【0017】
(2)ドア本体11
図3は主要部の分解斜視図である。これらの図に於いて、シリンダ錠、サムターン摘み、内外のハンドルは説明の便宜上省略している。本実施例のドア3は、基本的には、ドア本体11と、該ドア本体の縦長開口部12に組み込まれるドアユニット21とから成り、前記ドアユニット21の中には、複数個のユニットが含まれている。
【0018】
まず、11はドア本体で、このドア本体の先端部には縦長開口部12が形成されている。この縦長開口部12は、本実施例では、図2、図3で示すように、ドア3の戸先部の上框部分の一部に相当する上端先端部13、同様に戸先部の下框部分の一部に相当する下端先端部14及戸先部の縦框部分15をそれぞれ残して、前記上端先端部13付近から下端先端部14付近に至るまで垂直状態に同一幅で切欠形成されている。
【0019】
しかして、16は上端先端部13に形成された長孔状のユニット挿入(投入)口、17は該ユニット挿入口の真下に形成された水平係合溝(上下方向結合手段)、18,18は、ユニット挿入口16から略水平係合溝17に至るまで一連に形成された左右一対の垂直係合溝(左右方向結合手段)、19は戸先部の縦框部分15に縦方向に所要量形成された錠箱の開口である。ドアユニット21は前記ユニット挿入口16から順番に挿入される。例えばユニット挿入口16から最初に投入された採風窓ユニット(下部ユニット)25の下端凸部は水平係合溝14に係合すると共に、採風窓ユニット25の前後の凸部は前記左右一対の垂直係合溝18、18に同時に係合する。錠前を含む錠前ユニット23並びに採光窓ユニット24の結合構造も前記採風窓ユニット25のそれと同様の構成である。
【0020】
(3)ドアユニット21
次に、21はドア本体11の縦長開口部12の上下方向に直接又は間接的に連続するように組み込まれ、かつ、少なくとも左右一対の垂直係合溝(左右方向結合手段)18,18の間にサンドイッチ状態に係合挟持されるドアユニットである。ドアユニット21は、玄関ドア3の機能を考慮して、本実施例では、少なくとも錠前ユニット23と、玄関の光を取り入れることができる採光窓ユニット24と、ルーバー或いはパネルを通風させることで室内外の差圧を解消させることができる採風窓ユニット25等から選択される二つ以上である。
【0021】
付言すると、ユーザに対する販売前、又はユーザの使用後に、ユーザの好みの条件(注文)に対応して、ドア本体11をそのままにし、例えば錠前6を含む錠前ユニット23、採光窓ユニット24、採風窓ユニット25の全部又は一部を交換することができる。これらの各ユニット23、24、25の種類や機能については実施例(図11、図12、図13、図30、図31、図32参照)の欄で説明する。
【0022】
各ユニット23、24、25の各側面(例えば前面、後面、上面、下面)には、図3で示すように、上下方向の係合手段(凹部と凸部)26、左右方向の係合手段27が適宜に形成されている。また、錠前は、例えば機械式錠前である。なお、シリンダ錠、内外のハンドル等は省略している。
【0023】
図4は、最初に採風窓ユニット25をユニット挿入口16に投入する説明図である。採風窓ユニット25は、本実施例では下部ユニットに相当するので、ユニット挿入口16に嵌め込むと、その前後の凸部27、27がドア本体11の左右の垂直係合溝18,18に案内されながら、その下端凸部26が水平係合溝17に係合する位置まで落下する。
図6は、次に、錠前ユニット23をユニット挿入口16に投入し、同様にその前後の凸部27、27がドア本体11の左右の垂直係合溝18,18に案内されながら、その下端凸部26が採風窓ユニット25の上面に形成された凹所の結合手段26に係合する位置まで落下したことを示す説明図である。
【0024】
図7は、最後に、採光窓ユニット24をユニット挿入口16に投入し、同様にその前後の凸部27、27がドア本体11の左右の垂直係合溝18,18に案内されながら、その下端凸部26が錠前ユニット23の上面に形成された凹所の結合手段26に係合する位置まで落下したことを示す説明図である。
【0025】
付言すると、ユニット21の要部(各ユニット)をドア本体11の縦長開口部12に全て嵌め込んだ斜視図である。このように、全ての、又は少なくとも錠前ユニット23を縦長開口部12に嵌め込んだ後に、錠前6が錠箱の開口19から錠前ユニット23の中央部箱7へと差し込まれる。また、内外のハンドル8,8、シリンダ錠9、サムターン装置20も前記中央部箱7を介して前記錠前6に装着される。
【0026】
図8は、各ユニットを係合した斜視図である。また、図9はユニットの係合構造の一例を示す縦方向の概略断面説明図である。この第1形態は、それぞれ必要な側面に凸部・凹所(上下方向結合手段)26を有するので、ユニット挿入口16を介してドア本体11の縦長開口部12に嵌め込まれた場合には、一体的に合体する。また、図10はドア本体11と、錠前6の錠箱と、中央部箱7の係合構造を示す概略断面説明図である。
【0027】
ところで、錠前6を含む錠前ユニット23は、本実施例では、中央部箱7と、該中央部箱の内部に組み込まれた機械式錠前6と、内外のハンドル8、8(例えば平面視L字形状のレバーハンドル)とから構成され、前記中央部箱7の上下端面には、上述したように上下方向の結合手段26、26が形成され、また、前後の端面には左右方向の結合手段27が適宜に形成されている。さらに、内外ハンドル8、8の軸部を挿入するための軸孔、ラッチ及びデッドボルト用の開口等が適宜に形成されている。
【実施例】
【0028】
まず、図11は錠前6を含む錠前ユニット23の種類を示す概略説明図である。この図に於いて、符号23は本締錠を有する第1の錠前ユニット、符号23Aはプッシュプル錠を有する第2の錠前ユニット、符号23Bは電気錠を有する第3の錠前ユニットである。
【0029】
しかして、図11(a)は、普通一般に「本締錠」と称される錠前である。本締錠は、機械式錠前とも言われ、操作部材としてのハンドル、該ハンドルの操作力により作動するラッチ並びにダルマ、該ダルマの駆動腕等によって進退動するデッドボルト、シリンダ錠、サムターン装置等を備えている。
【0030】
図11(b)は、普通一般に「プッシュプル錠」と称される錠前である。プッシュプル錠は、操作部材としてのハンドルを「プッシュ」又は「プル」することによって、機械式の施・解錠機構が作動するもので、前記本締錠と同様の構成部材を備えている。なお、プッシュプル錠のハンドル8Aは、一般的には、棒状体、板状体のものである。
【0031】
図11(c)は、普通一般に「電気錠」と称される錠前である。電気錠は、本締錠と同様に機械的に施・解錠できると共に、電気的にも施・解錠できる。したがって、電気錠は、錠箱内に、例えば電気錠制御部、該制御部の制御信号で起動する駆動源としてのマイクロモータ、該駆動源の駆動力によって作動する伝動歯車、該伝動歯車の伝動力によって回転するダルマ、該ダルマの駆動腕等によって進退動するデッドボルト、シリンダ錠、サムターン装置等を備えている。なお、この実施例では、中央部箱7に縦方向に長板状のプッシュプル式ハンドル8Bが設けられている。また、テンキーと称される入力盤35が中央部箱7の開口部に組み込まれている。もちろん、入力盤35に関しても各種機能の入力盤に代えることができる。
【0032】
次に、図12は採光窓ユニットの種類を示す概略説明図である。この図に於いて、符号24は「すりガラス36」を有する第1の採光窓ユニット、符号24Aは前後のガラス板37の空間にシャター式のブラインド38が内装されている第2の採光窓ユニット、符号24Bは、特殊なガラス39を有する第3の採光窓ユニットである。なお、前記の「特殊な」ガラス39とは、例えば熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、断熱ガラス、網線を含むガラス等である。
【0033】
図13は採風窓ユニットの種類を示す概略説明図である。この図に於いて、符号25は「ルーバー」と称される複数枚の固定羽根41を有する第1の採風窓ユニット、符号25Aは「ルーバー」と称される複数枚の可動羽根42を有する第2の採風窓ユニット、符号25Bは錠前の解錠と連動するように構成されている解錠連動機構型羽根43を有する第3の採風窓ユニットである。なお、図11乃至図13に各ユニットの種類を示したが、もちろん、各ユニットは、これらのものに限定されない。
【0034】
次に、図14乃至図19に示す本発明の第2形態を説明する。なお、第2形態等を説明するに当って、第1形態と同一の部分には同一又は同様の符号を付して重複する説明を省略する。この第2形態と第1形態との主な違いは、(a)ユニット挿入口16Aがドア本体11Aの自由端部の上面ではなく、ドア本体11Aの縦框部分15Aの戸先面の上部側に形成されている点、(b)ドアユニット21Aは上面や下面に上下方向の係合手段を有しない点、(c)したがって、ドア本体11Aの下端先端部14Aの内面には水平係合溝が形成されていない点、(d)ユニット挿入口16Aを閉じる縦長の蓋体51が必要条件であり、該縦長蓋体51が前記ユニット挿入口16Aに嵌合状態で嵌め込まれ、かつ、複数個の固着具を介して縦框部分15Aの戸先面に面一状に固着されている点である。
【0035】
図15は、まず採風窓ユニット25をユニット挿入口16Aに差し込む所を示す説明図である。この第2形態の採風窓ユニット25は下面等に凸部を有しないので、ユニット挿入口16Aに簡単に差し込むことができる。図16は、次に錠前ユニット23をユニット挿入口16Aから落とし込んだ状態の説明図である。図17は、次に、採風窓ユニット24に組込み、最後に蓋体51を固定した説明図である。図18は、中央部箱に錠箱等を装着する説明図である。なお、シリンダ錠、サムターン、内外のハンドルも適宜に装着される。また、図19はドア本体11Aとドアユニット21Aの結合構造の一例を示す概略断面説明図である。第2形態のドアユニットも、第1形態と同様に、左右一対の垂直係合溝(左右方向結合手段)18,18の間にサンドイッチ状態に係合挟持されるである。
【0036】
次に、図20乃至図25に示す本発明の第3形態を説明する。この第3形態と第1形態との主な違いは、(a)ユニット挿入口がドア本体11Bの自由端部の上面ではなく、ドア本体11Bの縦長開口部12B(ユニット挿入口を兼用)である点、付言すると、ユニット挿入口が別個に形成されていない点、(b)縦長開口部12Bの一方の垂直係合溝(係合手段)18Bの横幅が、ドアユニット21Bのそれよりも若干大きい点、(c)ドアユニット21Bは上面、下面、左右の各面に上下・左右方向の各結合手段を有しない点、(d)ドアユニット21Bを構成する各錠前ユニット23B、採光窓ユニット24B、採風窓ユニット25Bは、前記縦長開口部に「けんどん式」に嵌め込まれる点、(e)さらに、係合手段18B乃至縦長開口部12Bに「けんどん式」でドアユニット21Bが嵌め込まれた場合に於いて、該ドアユニット21Bは、長板片54と複数個の固着具55を含む固定手段53を介してドア本体11Bに固着される点である。なお、この実施例では、ドア本体11Bと錠前ユニット23Bとの密着性を確保するために、アタッチメント形式のモール(図示しない)が用いられる。
【0037】
図20は第3形態の主要部を斜視図で示すが、手前に見える面がドア本体11Bの内壁面である。したがって、錠前ユニット23Bが縦長開口部12Bを介して該縦長開口部12B内に「けんどん式」で嵌め込まれた後、端面L字形状の長板片54の一方の杆状部分が錠前ユニット23Bの前面と縦長開口部12Bの前方内面との間に出来た隙間56に嵌め込まれ、その他方の杆杆状部分でもって錠前ユニット23Bの前端部を押え付ける格好となる。
【0038】
しかして、図21は、まず、採風窓ユニットをユニット挿入口としての縦長開口部12Bに差し込む所を示す説明図である。また、図22は採風窓ユニット25Bを縦長開口部12Bに差し込んだ説明図である。次に、図23は、錠前ユニット23Bを縦長開口部12Bに差し込んだ説明図である。さらに、図24(a)は、採光窓ユニット24Bを組み込む所の概略断面説明図、図24(b)は、採光窓ユニット24Bを組み込んだ後、上下方向に複数個の固着具用貫通孔を有する長板片54と複数個の固着具55を含む固定手段53で各ユニットをドア本体11Bに固定した概略断面説明図である。
【0039】
さらに、図26乃至図29は本発明の第4形態を示す各説明図。この第4形態は前記第2形態の設計変更例である。したがって、説明の便宜上、第2形態で用いた符号をそのまま使用する。図26乃至図29に示す第4形態に於いて、前記第2形態(図14)と主に異なる点は、ユニット挿入口16Aが切欠状に形成されている点である。付言すると、ドア本体11Aの縦框部分15Aの上部側が存在しない。また、採光窓ユニット24の横幅が他のユニット(例えば採風窓ユニット25、錠前ユニット23よりも大きい。つまり、採光窓ユニット24の横幅は、望ましくは縦框部分15Aのそれと同一である。さらに、切欠状のユニット挿入口16Aを閉じる長片状蓋体51の横幅も縦框部分15Aのそれと同一である。
【0040】
上記構成に於いて、図27は最も下部に位置する採風窓ユニット25を切欠状のユニット挿入口に嵌め込む状態の説明図である。また、図28は錠前6を組み込んだ状態の錠前ユニット23を切欠状のユニット挿入口に16Aに嵌め込む状態の説明図である。さらに、図29は採光窓ユニット24を組み込みかつ長片状蓋体51を、固着具52を介して固定した説明図である。
【0041】
この第4形態の錠前ユニット23は、中央部箱と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドルとから構成されている。この点、第1形態、第2形態等も同一の構成であるが、これら第1形態、第2形態等の各形態は、少なくとも錠前ユニット23を縦長開口部12に嵌め込んだ後に、錠前6が戸先面の錠箱の開口19から錠前ユニット23の中央部箱7へと差し込まれ、また、内外のハンドル8,8、シリンダ錠9、サムターン装置20も前記中央部箱7を介して前記錠前6に装着される点で異なる。また、図30は第4形態の要部の設計変更例を示す説明図である。この図30から明らかなように、一番上方に位置する採光窓ユニット24と切欠状のユニット挿入口に16Aを閉じる長片状蓋体51は、一体成形されていても良い。
【0042】
なお、第1乃至第4実施形態に於いて、ドアユニットを縦長開口部に組み込んだ後にドア本体11、11A、11Bの内外の壁面をそれぞれ面一状態にする場合には、図示しない長板状のアタッチメントが適宜に取り付けられる。
【0043】
ところで、図11乃至図13に各ユニットの種類を示したが、もちろん、各ユニットは、これらのものに限定されない。しかしながら、念のために採風窓ユニット25等の「等」について、簡単に説明する。
【0044】
まず、図31はドアストッパーユニットの例を示す。図31の(a)は第1のドアストッパーユニット28で、この第1のドアストッパーユニット28は、上下端面に凹所又は凸部のいずれかから成る結合手段26、26を有するユニット本体28aと、このユニット本体28aの下端部に垂直方向に形成された凹所45内に基端部が軸支された内蔵型の板状ドアストッパー28bとから成る。
【0045】
また、図31の(b)は第2のドアストッパーユニット28Aで、この第1のドアストッパーユニット28Aは、上下端面に凹所又は凸部のいずれかから成る結合手段26、26を有するユニット本体28aと、このユニット本体28aの下端部寄りの部位に基端部が軸支された露出型の棒状ドアストッパー28bとから成る。
【0046】
また、特に図示しないが、収納箱型ユニットや電気錠仕様型ユニットも用意されている。収納箱型ユニットは、ユニット本体と、該ユニット本体の内部に設けられた収納箱とから成る第1収納箱型ユニットと、ユニット本体と、該ユニット本体の外面に突出状態に設けられた収納箱とから成る第2収納箱型ユニットとを含み、前記第1収納箱型ユニットは、郵便物・新聞などを収納することができる。これに対して、前記第2収納箱型ユニットは、傘を立てたり、或いは懐中電灯を差し込むことができる。
【0047】
また、電気錠仕様型ユニットは、通電端子を備えた第1の端子ユニット、検知手段・送受信手段を備えた第2の送受信ユニット、電気錠の制御信号によって装置を構成する部材が連動する第3の部材連動型ユニットが含まれる。加えて、ドアガートを主とするドアガートユニット、玄関ドアの外部にいる人を確認するためのインターホンを主とするインターホンユニットも存在する。
このように各ユニットは、同種類の中にも複数個存在する。
【0048】
さらに、繰り返しになるが、本実施例の錠前ユニット23は、中央部箱7と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前6と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドル8、8とから構成されている(特徴部分)が、前記錠前6は、予め中央部箱7の内部に組み込まれた状態で縦長切欠開口12に組み込まれても良く、また、縦長切欠開口12に中央部箱7を組み込んだ後に、該中央部箱に縦框部材22の錠前用の開口(この場合には上下方向に所定長の開口が形成されている)を介して組み込んでも良い。
【0049】
錠前6は複数個の場合もあり得るので、いわゆるドアがツインロックである場合には、縦框部分(15、15A)の錠前用の開口19は、それに対応するように上下方向に所要量の長さを有する長孔開口である。また、内外のハンドル8、8は、前記中央部箱7の外面にそれぞれ一体成形されていても良く、また、中央部箱7とは別個独立の部材であり、普通一般の内外のハンドルと同様にハンドル用の内外の台座、内外の台座を一体的に連結する連結手段から成るものであっても良い。
【0050】
ここで、念のために、図32(a)、(b)を参照にして、その他の錠前ユニット23C、23Dの構成を簡単に説明する。これらの錠前ユニット23C、23Dは、内外のハンドル8C、8C、8D、8Dが中央部箱7、7の内外の外面にそれぞれ一体成形されているものである。付言すると、内外のハンドル8C、8C、8D、8Dは、その形態如何を問わず、片手を掛けることができる形状に形成され、中央部箱7と別個・独立に成形されたものではない。なお、符号7aは錠前の錠箱を組み込むための収納開口、符号7bは他の機能を入れるための予備空間である。
【0051】
このように、錠前ユニット23も内外のハンドルの仕様を代えることにより、色々な物が存在する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、錠前や建具の分野で利用される。
【符号の説明】
【0053】
1…玄関用ドア枠、2…開口部、3…玄関ドア、3a…吊元端部、3b…自由端部、6…錠前、7…中央部箱、8…ハンドル、9…シリンダ錠、10…デッドボルト、11、11B…ドア本体、12、12B…縦長開口部、13…上端先端部、14、14A…下端先端部、15、15A…縦框部分、16、16A…ユニット挿入口、17…水平係合溝、18、18B…垂直係合溝(係合手段)、19…錠箱用挿入口、21、21A、21B…ドアユニット、23,23B…錠前ユニット、24、24B…採光窓ユニット、25、25B…採風窓ユニット、26…上下方向の係合手段(凹部と凸部)、27…左右方向の係合手段、28…ドアストッパーユニット、51…蓋体、53…固定手段。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具の玄関ドアに関し、特に、ドアの先端部に組み込まれるユニットを交換することができる仕様変更型の玄関ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「ドア本体1と、該ドア本体の先端部と後端部に係合部(突起2a)・被係合部(係合溝5)を介して一体的に結合する前後の縦框4、4とから成る木製ドア」が開示されている。この木製ドアは、上下の横框を用いないで、前後の縦框4、4の全長をドア本体のそれとそれぞれ同一にして、ガラス製のような面板を備えたドア本体と前後の縦框4、4とを結合して、その意匠の自由度を高めることを目的とする。なお、特許文献1の図1、図6等には、縦框4の縦方向の端面に筋状の係合溝5を形成し、一方、ドア本体1の差込み部分2に複数個の突起状の差込み部2aを形成し、これらの差込み部2aを前記筋状の係合溝5に嵌め込む事項が開示されている。
【0003】
この特許文献1の木製ドアは、前後の縦框4、4にサンドイッチ状に挟持されるドア本体1を各種デザインのものと組み合わせることができるという利点を有するものの、ユーザの好みに対応して「ドアをセミ・カスタマイズすること」、換言すると、ユーザの注文に応じてドア本体の戸先部に設けられる錠前を含む錠前ユニット、それ以外の機能を持ったユニットを組み合わせてドア機能の仕様変更をすることができるドアではない。
【0004】
特許文献2には、「開口部2を有するドア本体1と、前記開口部に嵌め込まれる障子形態の開閉窓3とから成る窓付ドア」が開示されている。この特許文献2は、ドア本体1の構造を変更することなく、各種構造の開閉窓3を変更することができるという利点を有するものの、特許文献1と同様に、錠前を含む複数個のニユットを組み合わせてドア機能の仕様変更をするものではない。なお、この特許文献2の窓付ドアは、ドア本体1の開口部2に開閉窓3を取り付ける場合には障子形態の開閉窓3を両手で持ちながら、前記開口部2の手前から該開口部2に開閉窓3を差し込む「けんどん式」と認められる。
【0005】
さらに、特許文献3には、「鏡板(ドア本体)11と、該鏡板の四辺を取り囲む上下・左右の框とから成る框組みドア」が開示されている。この特許文献3の框組みドアは、建具の各種寸法の間口に対応することができる框組みドアを製造することができるものの、この特許文献3も、ユーザの好みに対応して「ドアをセミ・カスタマイズすること」はできなかった。なお、符号は各特許文献のものをそれぞれ援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−73957号公報
【特許文献2】特公平7−54550号公報
【特許文献3】特開平9−41825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の所期の目的は、ドア、特に、玄関ドアを、ユーザの注文に応じてセミ・カスタマイズすることができることである。第2の目的は、特許文献2と同様にドア本体の構造を変更することなく、錠前ユニット、採光窓ユニット、採風窓ユニット、ドアストッパーユニット等の複数個のユニットをドア本体の自由端部に形成した縦長開口部に交換可能に組み込むことである。第3の目的は、ドアの戸先部に上下方向に沿って一連に組み込んだ複数個のユニットが、ドアの開閉方向からの力により、バラバラに成らないようにすることである。つまり、戸先部の各ユニットを強固に結合することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の玄関ドアは、矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記錠前用の開口と連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の玄関ドアは、矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の上部側に切欠状のユニット挿入口並びにその戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記ユニット挿入口並びに錠前用の開口とそれぞれ連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とすることを特徴とする。
【0010】
上記構成に於いて、錠前ユニットは、中央部箱と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドルとから構成されていることを特徴とする。実施例によっては、錠前は、予め中央部箱の内部に組み込まれた状態で縦長切欠開口に組み込まれても良く、また、縦長切欠開口に中央部箱を組み込んだ後に、該中央部箱に縦框部材の錠前用の開口を介して組み込んでも良い。
【0011】
錠前用の開口は、ドアがツインロックである場合には、それに対応するように上下方向に所要量の長さを有する長孔開口であっても良い。また、内外のハンドルは、前記中央部箱の外面にそれぞれ一体成形されていても良く、また、中央部箱とは別個独立の部材であり、普通一般の内外のハンドルと同様にハンドル用の内外の台座、内外の台座を一体的に連結する連結手段から成るものであっても良い。
【0012】
ここで、「………収納箱ユニット等」の「等」とは、例えば錠前が電気錠の場合には、電気錠仕様に適合する通電端子を備えた端子ユニット、検知手段・送受信手段を備えた送受信ユニット、電気錠の制御信号によって装置を構成する部材が連動する部材連動型ユニットなどが含まれ、また、錠前が普通一般に使用されている本締錠である場合には、縦長切欠開口の残存する空間を埋めるための空間埋設ユニットも含まれる。さらに、ドアストッパーユニットや収納箱ユニットに類するユニットも含まれる。なお、採光窓ユニットと、採風窓ユニット等の各用語は、当業者の立場から解釈される。
【発明の効果】
【0013】
(a)玄関ドアを、販売前並びに販売後にユーザの注文に応じてセミ・カスタマイズすることができる
(b)ユニットの中には、錠前を含む錠前ユニットが存在するので、錠前、ハンドル等もユーザの好みに応じて変更することができる。
(c)請求項2、請求項3、請求項5に記載の発明は、各ユニットは、外部からの力により、容易にバラバラに成らない。
(d)請求項4、請求項6に記載の発明は、錠前ユニットに錠前を組み込んだままの状態でドア本体の縦長開口部に入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1乃至図13は本発明の第1形態を示す各説明図。図14乃至図19は本発明の第2形態を示す各説明図。図20乃至図25は本発明の第3形態を示す各説明図。図26乃至図29は本発明の第4形態を示す各説明図。図30は前記第4形態の要部の設計変更例を示す説明図。
【図1】本発明の環境状態を示す正面視からの説明図。
【図2】図1に於いて、玄関ドアを示す説明図。
【図3】図2に於いて、玄関ドアの分解説明図。
【図4】まず、採風窓ユニットをユニット挿入口に差し込む所を示す説明図。
【図5】採風窓ユニットとドア本体の係合手段を示す横方向の概略断面説明図。
【図6】次に、錠前ユニットをユニット挿入口から落とし込んだ状態の説明図。
【図7】要部(各ユニット)をドア本体の縦長開口部に嵌め込んだ斜視図。なお、シリンダ錠、サムターン、内外のハンドルも適宜に装着される。
【図8】要部(各ユニット)を係合した斜視図。
【図9】ユニットの係合構造の一例を示す縦方向の概略断面説明図。
【図10】要部(ドア本体と錠箱と中央部箱)の概略断面説明図。
【図11】錠前6を含む錠前ユニット23の種類を示す概略説明図。
【図12】採光窓ユニットの種類を示す概略説明図。
【図13】採風窓ユニットの種類を示す概略説明図。
【図14】本発明の第2形態を示す図3と同様の説明図。
【図15】まず、採風窓ユニットをユニット挿入口に差し込む所を示す説明図。
【図16】次に、錠前ユニットをユニット挿入口から落とし込んだ状態の説明図。
【図17】次に、採風窓ユニットに組込み、最後に蓋体を固定する説明図。
【図18】図17に於いて、中央部箱に錠箱等を装着した説明図。なお、シリンダ錠、サムターン、内外のハンドルも適宜に装着される。
【図19】ドア本体と各ユニットの結合構造の一例を示す概略断面説明図。
【図20】本発明の第3形態を示す図3と同様の説明図。
【図21】まず、採風窓ユニットをユニット挿入口としての縦長開口部に差し込む所を示す説明図。
【図22】採風窓ユニットを縦長開口部に差し込んだ説明図。
【図23】次に錠前ユニットを縦長開口部に差し込んだ説明図。
【図24】図24(a)は、採光窓ユニットを組み込む所の概略断面説明図。図24(b)は、採光窓ユニットを組み込んだ後、長板片と複数個の固着具を含む固定手段で各ユニットをドア本体に固定した概略断面説明図。
【図25】図24(b)に於いて、ドアの内壁面から見た説明図。
【図26】本発明の第4形態を示す図3と同様の説明図。
【図27】最も下部に位置する採風窓ユニット25を切欠状のユニット挿入口に嵌め込む状態の説明図。
【図28】錠前を組み込んだ状態の錠前ユニットを切欠状のユニット挿入口に嵌め込む状態の説明図。
【図29】採光窓ユニット24を組み込みかつ蓋体を固定した説明図。
【図30】第4形態の要部の設計変更例を示す説明図。
【図31】ドアストッパーユニットの種類を示す概略説明図。
【図32】錠前ユニットの他の例を示す概略説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)環境部材
図1は本発明の環境状態を示す正面視からの説明図、図2は玄関ドアを示す説明図である。これらの図に於いて、1は建具としての玄関用ドア枠、2は玄関の矩形状の開口部、3は玄関ドア(ドアとも言う)、4は床面である。周知のように、玄関ドア3の吊元端部3aは複数個の蝶番5を介してドア枠1に枢着されている。一方、玄関ドア3の自由端部3bの略中央部(中央部寄りの部位も含む)には、錠前6及び中央部箱(ハンドル取付け座を有しても良い)7を介してハンドル8が適宜に設けられている。また、前記中央部箱7を介して前記錠前6を構成するシリンダ錠9が設けられている。ハンドル8を操作すると錠前6の不番のラッチが可動し、また、図示しない合鍵でもって前記シリンダ錠9の内筒を所定方向に所定角度回すと、デッドボルト10が進退動する。なお、玄関ドア3には、サムターン装置が組み込まれ、そのサムターン摘みは玄関ドア3の背面に突出している。
【0016】
本発明の玄関ドア3は、矩形状の開口部2を形成する玄関ドア枠1に、その吊元端部(取付け基端部)3aが枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアを前提とする。
【0017】
(2)ドア本体11
図3は主要部の分解斜視図である。これらの図に於いて、シリンダ錠、サムターン摘み、内外のハンドルは説明の便宜上省略している。本実施例のドア3は、基本的には、ドア本体11と、該ドア本体の縦長開口部12に組み込まれるドアユニット21とから成り、前記ドアユニット21の中には、複数個のユニットが含まれている。
【0018】
まず、11はドア本体で、このドア本体の先端部には縦長開口部12が形成されている。この縦長開口部12は、本実施例では、図2、図3で示すように、ドア3の戸先部の上框部分の一部に相当する上端先端部13、同様に戸先部の下框部分の一部に相当する下端先端部14及戸先部の縦框部分15をそれぞれ残して、前記上端先端部13付近から下端先端部14付近に至るまで垂直状態に同一幅で切欠形成されている。
【0019】
しかして、16は上端先端部13に形成された長孔状のユニット挿入(投入)口、17は該ユニット挿入口の真下に形成された水平係合溝(上下方向結合手段)、18,18は、ユニット挿入口16から略水平係合溝17に至るまで一連に形成された左右一対の垂直係合溝(左右方向結合手段)、19は戸先部の縦框部分15に縦方向に所要量形成された錠箱の開口である。ドアユニット21は前記ユニット挿入口16から順番に挿入される。例えばユニット挿入口16から最初に投入された採風窓ユニット(下部ユニット)25の下端凸部は水平係合溝14に係合すると共に、採風窓ユニット25の前後の凸部は前記左右一対の垂直係合溝18、18に同時に係合する。錠前を含む錠前ユニット23並びに採光窓ユニット24の結合構造も前記採風窓ユニット25のそれと同様の構成である。
【0020】
(3)ドアユニット21
次に、21はドア本体11の縦長開口部12の上下方向に直接又は間接的に連続するように組み込まれ、かつ、少なくとも左右一対の垂直係合溝(左右方向結合手段)18,18の間にサンドイッチ状態に係合挟持されるドアユニットである。ドアユニット21は、玄関ドア3の機能を考慮して、本実施例では、少なくとも錠前ユニット23と、玄関の光を取り入れることができる採光窓ユニット24と、ルーバー或いはパネルを通風させることで室内外の差圧を解消させることができる採風窓ユニット25等から選択される二つ以上である。
【0021】
付言すると、ユーザに対する販売前、又はユーザの使用後に、ユーザの好みの条件(注文)に対応して、ドア本体11をそのままにし、例えば錠前6を含む錠前ユニット23、採光窓ユニット24、採風窓ユニット25の全部又は一部を交換することができる。これらの各ユニット23、24、25の種類や機能については実施例(図11、図12、図13、図30、図31、図32参照)の欄で説明する。
【0022】
各ユニット23、24、25の各側面(例えば前面、後面、上面、下面)には、図3で示すように、上下方向の係合手段(凹部と凸部)26、左右方向の係合手段27が適宜に形成されている。また、錠前は、例えば機械式錠前である。なお、シリンダ錠、内外のハンドル等は省略している。
【0023】
図4は、最初に採風窓ユニット25をユニット挿入口16に投入する説明図である。採風窓ユニット25は、本実施例では下部ユニットに相当するので、ユニット挿入口16に嵌め込むと、その前後の凸部27、27がドア本体11の左右の垂直係合溝18,18に案内されながら、その下端凸部26が水平係合溝17に係合する位置まで落下する。
図6は、次に、錠前ユニット23をユニット挿入口16に投入し、同様にその前後の凸部27、27がドア本体11の左右の垂直係合溝18,18に案内されながら、その下端凸部26が採風窓ユニット25の上面に形成された凹所の結合手段26に係合する位置まで落下したことを示す説明図である。
【0024】
図7は、最後に、採光窓ユニット24をユニット挿入口16に投入し、同様にその前後の凸部27、27がドア本体11の左右の垂直係合溝18,18に案内されながら、その下端凸部26が錠前ユニット23の上面に形成された凹所の結合手段26に係合する位置まで落下したことを示す説明図である。
【0025】
付言すると、ユニット21の要部(各ユニット)をドア本体11の縦長開口部12に全て嵌め込んだ斜視図である。このように、全ての、又は少なくとも錠前ユニット23を縦長開口部12に嵌め込んだ後に、錠前6が錠箱の開口19から錠前ユニット23の中央部箱7へと差し込まれる。また、内外のハンドル8,8、シリンダ錠9、サムターン装置20も前記中央部箱7を介して前記錠前6に装着される。
【0026】
図8は、各ユニットを係合した斜視図である。また、図9はユニットの係合構造の一例を示す縦方向の概略断面説明図である。この第1形態は、それぞれ必要な側面に凸部・凹所(上下方向結合手段)26を有するので、ユニット挿入口16を介してドア本体11の縦長開口部12に嵌め込まれた場合には、一体的に合体する。また、図10はドア本体11と、錠前6の錠箱と、中央部箱7の係合構造を示す概略断面説明図である。
【0027】
ところで、錠前6を含む錠前ユニット23は、本実施例では、中央部箱7と、該中央部箱の内部に組み込まれた機械式錠前6と、内外のハンドル8、8(例えば平面視L字形状のレバーハンドル)とから構成され、前記中央部箱7の上下端面には、上述したように上下方向の結合手段26、26が形成され、また、前後の端面には左右方向の結合手段27が適宜に形成されている。さらに、内外ハンドル8、8の軸部を挿入するための軸孔、ラッチ及びデッドボルト用の開口等が適宜に形成されている。
【実施例】
【0028】
まず、図11は錠前6を含む錠前ユニット23の種類を示す概略説明図である。この図に於いて、符号23は本締錠を有する第1の錠前ユニット、符号23Aはプッシュプル錠を有する第2の錠前ユニット、符号23Bは電気錠を有する第3の錠前ユニットである。
【0029】
しかして、図11(a)は、普通一般に「本締錠」と称される錠前である。本締錠は、機械式錠前とも言われ、操作部材としてのハンドル、該ハンドルの操作力により作動するラッチ並びにダルマ、該ダルマの駆動腕等によって進退動するデッドボルト、シリンダ錠、サムターン装置等を備えている。
【0030】
図11(b)は、普通一般に「プッシュプル錠」と称される錠前である。プッシュプル錠は、操作部材としてのハンドルを「プッシュ」又は「プル」することによって、機械式の施・解錠機構が作動するもので、前記本締錠と同様の構成部材を備えている。なお、プッシュプル錠のハンドル8Aは、一般的には、棒状体、板状体のものである。
【0031】
図11(c)は、普通一般に「電気錠」と称される錠前である。電気錠は、本締錠と同様に機械的に施・解錠できると共に、電気的にも施・解錠できる。したがって、電気錠は、錠箱内に、例えば電気錠制御部、該制御部の制御信号で起動する駆動源としてのマイクロモータ、該駆動源の駆動力によって作動する伝動歯車、該伝動歯車の伝動力によって回転するダルマ、該ダルマの駆動腕等によって進退動するデッドボルト、シリンダ錠、サムターン装置等を備えている。なお、この実施例では、中央部箱7に縦方向に長板状のプッシュプル式ハンドル8Bが設けられている。また、テンキーと称される入力盤35が中央部箱7の開口部に組み込まれている。もちろん、入力盤35に関しても各種機能の入力盤に代えることができる。
【0032】
次に、図12は採光窓ユニットの種類を示す概略説明図である。この図に於いて、符号24は「すりガラス36」を有する第1の採光窓ユニット、符号24Aは前後のガラス板37の空間にシャター式のブラインド38が内装されている第2の採光窓ユニット、符号24Bは、特殊なガラス39を有する第3の採光窓ユニットである。なお、前記の「特殊な」ガラス39とは、例えば熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、断熱ガラス、網線を含むガラス等である。
【0033】
図13は採風窓ユニットの種類を示す概略説明図である。この図に於いて、符号25は「ルーバー」と称される複数枚の固定羽根41を有する第1の採風窓ユニット、符号25Aは「ルーバー」と称される複数枚の可動羽根42を有する第2の採風窓ユニット、符号25Bは錠前の解錠と連動するように構成されている解錠連動機構型羽根43を有する第3の採風窓ユニットである。なお、図11乃至図13に各ユニットの種類を示したが、もちろん、各ユニットは、これらのものに限定されない。
【0034】
次に、図14乃至図19に示す本発明の第2形態を説明する。なお、第2形態等を説明するに当って、第1形態と同一の部分には同一又は同様の符号を付して重複する説明を省略する。この第2形態と第1形態との主な違いは、(a)ユニット挿入口16Aがドア本体11Aの自由端部の上面ではなく、ドア本体11Aの縦框部分15Aの戸先面の上部側に形成されている点、(b)ドアユニット21Aは上面や下面に上下方向の係合手段を有しない点、(c)したがって、ドア本体11Aの下端先端部14Aの内面には水平係合溝が形成されていない点、(d)ユニット挿入口16Aを閉じる縦長の蓋体51が必要条件であり、該縦長蓋体51が前記ユニット挿入口16Aに嵌合状態で嵌め込まれ、かつ、複数個の固着具を介して縦框部分15Aの戸先面に面一状に固着されている点である。
【0035】
図15は、まず採風窓ユニット25をユニット挿入口16Aに差し込む所を示す説明図である。この第2形態の採風窓ユニット25は下面等に凸部を有しないので、ユニット挿入口16Aに簡単に差し込むことができる。図16は、次に錠前ユニット23をユニット挿入口16Aから落とし込んだ状態の説明図である。図17は、次に、採風窓ユニット24に組込み、最後に蓋体51を固定した説明図である。図18は、中央部箱に錠箱等を装着する説明図である。なお、シリンダ錠、サムターン、内外のハンドルも適宜に装着される。また、図19はドア本体11Aとドアユニット21Aの結合構造の一例を示す概略断面説明図である。第2形態のドアユニットも、第1形態と同様に、左右一対の垂直係合溝(左右方向結合手段)18,18の間にサンドイッチ状態に係合挟持されるである。
【0036】
次に、図20乃至図25に示す本発明の第3形態を説明する。この第3形態と第1形態との主な違いは、(a)ユニット挿入口がドア本体11Bの自由端部の上面ではなく、ドア本体11Bの縦長開口部12B(ユニット挿入口を兼用)である点、付言すると、ユニット挿入口が別個に形成されていない点、(b)縦長開口部12Bの一方の垂直係合溝(係合手段)18Bの横幅が、ドアユニット21Bのそれよりも若干大きい点、(c)ドアユニット21Bは上面、下面、左右の各面に上下・左右方向の各結合手段を有しない点、(d)ドアユニット21Bを構成する各錠前ユニット23B、採光窓ユニット24B、採風窓ユニット25Bは、前記縦長開口部に「けんどん式」に嵌め込まれる点、(e)さらに、係合手段18B乃至縦長開口部12Bに「けんどん式」でドアユニット21Bが嵌め込まれた場合に於いて、該ドアユニット21Bは、長板片54と複数個の固着具55を含む固定手段53を介してドア本体11Bに固着される点である。なお、この実施例では、ドア本体11Bと錠前ユニット23Bとの密着性を確保するために、アタッチメント形式のモール(図示しない)が用いられる。
【0037】
図20は第3形態の主要部を斜視図で示すが、手前に見える面がドア本体11Bの内壁面である。したがって、錠前ユニット23Bが縦長開口部12Bを介して該縦長開口部12B内に「けんどん式」で嵌め込まれた後、端面L字形状の長板片54の一方の杆状部分が錠前ユニット23Bの前面と縦長開口部12Bの前方内面との間に出来た隙間56に嵌め込まれ、その他方の杆杆状部分でもって錠前ユニット23Bの前端部を押え付ける格好となる。
【0038】
しかして、図21は、まず、採風窓ユニットをユニット挿入口としての縦長開口部12Bに差し込む所を示す説明図である。また、図22は採風窓ユニット25Bを縦長開口部12Bに差し込んだ説明図である。次に、図23は、錠前ユニット23Bを縦長開口部12Bに差し込んだ説明図である。さらに、図24(a)は、採光窓ユニット24Bを組み込む所の概略断面説明図、図24(b)は、採光窓ユニット24Bを組み込んだ後、上下方向に複数個の固着具用貫通孔を有する長板片54と複数個の固着具55を含む固定手段53で各ユニットをドア本体11Bに固定した概略断面説明図である。
【0039】
さらに、図26乃至図29は本発明の第4形態を示す各説明図。この第4形態は前記第2形態の設計変更例である。したがって、説明の便宜上、第2形態で用いた符号をそのまま使用する。図26乃至図29に示す第4形態に於いて、前記第2形態(図14)と主に異なる点は、ユニット挿入口16Aが切欠状に形成されている点である。付言すると、ドア本体11Aの縦框部分15Aの上部側が存在しない。また、採光窓ユニット24の横幅が他のユニット(例えば採風窓ユニット25、錠前ユニット23よりも大きい。つまり、採光窓ユニット24の横幅は、望ましくは縦框部分15Aのそれと同一である。さらに、切欠状のユニット挿入口16Aを閉じる長片状蓋体51の横幅も縦框部分15Aのそれと同一である。
【0040】
上記構成に於いて、図27は最も下部に位置する採風窓ユニット25を切欠状のユニット挿入口に嵌め込む状態の説明図である。また、図28は錠前6を組み込んだ状態の錠前ユニット23を切欠状のユニット挿入口に16Aに嵌め込む状態の説明図である。さらに、図29は採光窓ユニット24を組み込みかつ長片状蓋体51を、固着具52を介して固定した説明図である。
【0041】
この第4形態の錠前ユニット23は、中央部箱と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドルとから構成されている。この点、第1形態、第2形態等も同一の構成であるが、これら第1形態、第2形態等の各形態は、少なくとも錠前ユニット23を縦長開口部12に嵌め込んだ後に、錠前6が戸先面の錠箱の開口19から錠前ユニット23の中央部箱7へと差し込まれ、また、内外のハンドル8,8、シリンダ錠9、サムターン装置20も前記中央部箱7を介して前記錠前6に装着される点で異なる。また、図30は第4形態の要部の設計変更例を示す説明図である。この図30から明らかなように、一番上方に位置する採光窓ユニット24と切欠状のユニット挿入口に16Aを閉じる長片状蓋体51は、一体成形されていても良い。
【0042】
なお、第1乃至第4実施形態に於いて、ドアユニットを縦長開口部に組み込んだ後にドア本体11、11A、11Bの内外の壁面をそれぞれ面一状態にする場合には、図示しない長板状のアタッチメントが適宜に取り付けられる。
【0043】
ところで、図11乃至図13に各ユニットの種類を示したが、もちろん、各ユニットは、これらのものに限定されない。しかしながら、念のために採風窓ユニット25等の「等」について、簡単に説明する。
【0044】
まず、図31はドアストッパーユニットの例を示す。図31の(a)は第1のドアストッパーユニット28で、この第1のドアストッパーユニット28は、上下端面に凹所又は凸部のいずれかから成る結合手段26、26を有するユニット本体28aと、このユニット本体28aの下端部に垂直方向に形成された凹所45内に基端部が軸支された内蔵型の板状ドアストッパー28bとから成る。
【0045】
また、図31の(b)は第2のドアストッパーユニット28Aで、この第1のドアストッパーユニット28Aは、上下端面に凹所又は凸部のいずれかから成る結合手段26、26を有するユニット本体28aと、このユニット本体28aの下端部寄りの部位に基端部が軸支された露出型の棒状ドアストッパー28bとから成る。
【0046】
また、特に図示しないが、収納箱型ユニットや電気錠仕様型ユニットも用意されている。収納箱型ユニットは、ユニット本体と、該ユニット本体の内部に設けられた収納箱とから成る第1収納箱型ユニットと、ユニット本体と、該ユニット本体の外面に突出状態に設けられた収納箱とから成る第2収納箱型ユニットとを含み、前記第1収納箱型ユニットは、郵便物・新聞などを収納することができる。これに対して、前記第2収納箱型ユニットは、傘を立てたり、或いは懐中電灯を差し込むことができる。
【0047】
また、電気錠仕様型ユニットは、通電端子を備えた第1の端子ユニット、検知手段・送受信手段を備えた第2の送受信ユニット、電気錠の制御信号によって装置を構成する部材が連動する第3の部材連動型ユニットが含まれる。加えて、ドアガートを主とするドアガートユニット、玄関ドアの外部にいる人を確認するためのインターホンを主とするインターホンユニットも存在する。
このように各ユニットは、同種類の中にも複数個存在する。
【0048】
さらに、繰り返しになるが、本実施例の錠前ユニット23は、中央部箱7と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前6と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドル8、8とから構成されている(特徴部分)が、前記錠前6は、予め中央部箱7の内部に組み込まれた状態で縦長切欠開口12に組み込まれても良く、また、縦長切欠開口12に中央部箱7を組み込んだ後に、該中央部箱に縦框部材22の錠前用の開口(この場合には上下方向に所定長の開口が形成されている)を介して組み込んでも良い。
【0049】
錠前6は複数個の場合もあり得るので、いわゆるドアがツインロックである場合には、縦框部分(15、15A)の錠前用の開口19は、それに対応するように上下方向に所要量の長さを有する長孔開口である。また、内外のハンドル8、8は、前記中央部箱7の外面にそれぞれ一体成形されていても良く、また、中央部箱7とは別個独立の部材であり、普通一般の内外のハンドルと同様にハンドル用の内外の台座、内外の台座を一体的に連結する連結手段から成るものであっても良い。
【0050】
ここで、念のために、図32(a)、(b)を参照にして、その他の錠前ユニット23C、23Dの構成を簡単に説明する。これらの錠前ユニット23C、23Dは、内外のハンドル8C、8C、8D、8Dが中央部箱7、7の内外の外面にそれぞれ一体成形されているものである。付言すると、内外のハンドル8C、8C、8D、8Dは、その形態如何を問わず、片手を掛けることができる形状に形成され、中央部箱7と別個・独立に成形されたものではない。なお、符号7aは錠前の錠箱を組み込むための収納開口、符号7bは他の機能を入れるための予備空間である。
【0051】
このように、錠前ユニット23も内外のハンドルの仕様を代えることにより、色々な物が存在する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、錠前や建具の分野で利用される。
【符号の説明】
【0053】
1…玄関用ドア枠、2…開口部、3…玄関ドア、3a…吊元端部、3b…自由端部、6…錠前、7…中央部箱、8…ハンドル、9…シリンダ錠、10…デッドボルト、11、11B…ドア本体、12、12B…縦長開口部、13…上端先端部、14、14A…下端先端部、15、15A…縦框部分、16、16A…ユニット挿入口、17…水平係合溝、18、18B…垂直係合溝(係合手段)、19…錠箱用挿入口、21、21A、21B…ドアユニット、23,23B…錠前ユニット、24、24B…採光窓ユニット、25、25B…採風窓ユニット、26…上下方向の係合手段(凹部と凸部)、27…左右方向の係合手段、28…ドアストッパーユニット、51…蓋体、53…固定手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記錠前用の開口と連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とする玄関ドア。
【請求項2】
請求項1に於いて、ドアユニットは、ドア本体の左右方向に相当する前面と後面に凸部或いは凹所の係合手段を有し、ドア本体の自由端部の上面に形成されかつ前記縦長開口部と連通するユニット挿入口或いはドア本体の戸先面の上部側に形成されかつ前記縦長開口部と連通するユニット挿入口のいずれか1つから順番に組み込まれると、前記係合手段は、ドア本体側の凹条或いは凸条の係合手段と係合することを特徴とする玄関ドア。
【請求項3】
請求項1に於いて、ドア本体の縦長開口部を形成する垂直面には、縦長開口部に連通する凹条の係合手段が垂直方向に形成され、該係合手段乃至前記縦長開口部に「けんどん式」でドアユニットが嵌め込まれた場合、ドアユニットは固定手段を介してドア本体に固定されることを特徴とする玄関ドア。
【請求項4】
矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の上部側に切欠状のユニット挿入口並びにその戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記ユニット挿入口並びに錠前用の開口とそれぞれ連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とする玄関ドア。
【請求項5】
請求項4に於いて、ドアユニットは、ドア本体の左右方向に相当する前面と後面に凸部或いは凹部状の係合手段を有し、ドア本体の戸先面の上部側に形成されかつ前記縦長開口部と連通する切欠状のユニット挿入口から順番に組み込まれると、前記係合手段は、ドア本体側の凹条或いは凸条の係合手段と係合することを特徴とする玄関ドア。
【請求項6】
請求項4に於いて、錠前ユニットは、中央部箱と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドルとから構成されていることを特徴とする玄関ドア。
【請求項1】
矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記錠前用の開口と連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とする玄関ドア。
【請求項2】
請求項1に於いて、ドアユニットは、ドア本体の左右方向に相当する前面と後面に凸部或いは凹所の係合手段を有し、ドア本体の自由端部の上面に形成されかつ前記縦長開口部と連通するユニット挿入口或いはドア本体の戸先面の上部側に形成されかつ前記縦長開口部と連通するユニット挿入口のいずれか1つから順番に組み込まれると、前記係合手段は、ドア本体側の凹条或いは凸条の係合手段と係合することを特徴とする玄関ドア。
【請求項3】
請求項1に於いて、ドア本体の縦長開口部を形成する垂直面には、縦長開口部に連通する凹条の係合手段が垂直方向に形成され、該係合手段乃至前記縦長開口部に「けんどん式」でドアユニットが嵌め込まれた場合、ドアユニットは固定手段を介してドア本体に固定されることを特徴とする玄関ドア。
【請求項4】
矩形状の開口部を形成する玄関ドア枠に、その吊元端部が枢着され、一方、開閉可能な自由端部に錠前を備えた玄関ドアに於いて、該玄関ドアは、前記自由端部の戸先面の上部側に切欠状のユニット挿入口並びにその戸先面の中央部に錠前用の開口が形成されていると共に、該自由端部に前記ユニット挿入口並びに錠前用の開口とそれぞれ連通する縦長開口部が形成されたドア本体と、このドア本体の前記縦長開口部に組み込まれるドアユニットとから成り、該ドアユニットは、少なくとも錠前ユニットと、採光窓ユニットと、採風窓ユニットと、ドアストッパーユニット等の中の二つ以上であり、かつ、組み込まれた前記各ユニットは、使用者の好みに応じて同種類の又は異なる機能有する前記各ユニットから選択的に交換可能であることを特徴とする玄関ドア。
【請求項5】
請求項4に於いて、ドアユニットは、ドア本体の左右方向に相当する前面と後面に凸部或いは凹部状の係合手段を有し、ドア本体の戸先面の上部側に形成されかつ前記縦長開口部と連通する切欠状のユニット挿入口から順番に組み込まれると、前記係合手段は、ドア本体側の凹条或いは凸条の係合手段と係合することを特徴とする玄関ドア。
【請求項6】
請求項4に於いて、錠前ユニットは、中央部箱と、該中央部箱の内部に組み込まれた或いは組み込むことが可能な錠前と、該中央部箱に設けられた或いは装着可能な内外のハンドルとから構成されていることを特徴とする玄関ドア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2011−236597(P2011−236597A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107632(P2010−107632)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】
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