説明

現像ブレード及び現像装置

【課題】ブレード部材が金属製である場合には、ゴム板、樹脂板又はこれらの積層体から形成される従来の現像剤量規制ブレードに比べて、ブレード部材との現像剤担持体との接触面積が小さくなる。したがって、同じ押圧力でも局所的な当接圧が大きくなりやすく、それによって画像上にスジが発生するという問題が起きていた。
【解決手段】板厚が0.06mm以上0.20mm以下であり、かつビッカース硬度が170以上370未満である金属製のブレード部材を用いることで、従来よりも当接圧を精度よく制御できるようになり、現像剤に対して適正な圧力を加えることができるようになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視化するのに使用される現像材の量を規制するブレード、及びこれを搭載する現像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2には、現像装置の概略構成を示した。現像剤容器42内に収納された現像剤46(トナーとも言う)は、c方向に回転する弾性ローラー45により現像剤担持体43(現像スリーブ又は現像ローラーとも言う)に圧着される。その後、現像剤担持体43をb方向に回転することにより、現像剤はa方向に回転する電子写真感光体41まで搬出される。この様な機構において、現像剤担持体43には現像剤量規制ブレード44のブレード部材47が当接されており、該現像剤量規制ブレードによって、搬出される現像剤の量が規制されて現像剤の薄膜が形成される。また、現像剤の薄膜の形成と同時に、当接部において現像剤に所定の摩擦電荷(トリボとも言う)が付与される。
【0003】
現像剤量規制ブレードは、一般に、ゴム板、金属性薄板、樹脂板、又はこれらの積層体から形成される。現像剤量規制ブレードは、現像剤担持体に圧接されるブレード部材と、このブレード部材を所定の位置に支持する支持部材とから作製される。また、該ブレード部材の現像剤担持体に圧接される側の面は、現像剤の摩擦電荷を制御する機能を有していることから、電荷制御面とも呼ばれる。また、電荷制御面の表層を電荷制御層と呼ぶこともある。
【0004】
ネガ系トナーに対して用いられるブレード部材としては、例えば、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミドエラストマー等の板材が用いられている。また、ポジ系トナーに対して用いられるブレード部材としては、金属製薄板に電荷制御したシリコンゴム等の帯電付与層を積層したものが用いられている。
【0005】
さらに、カラー画像の形成で用いられる非磁性トナーについては、トナー自体が磁性を持たないので、トナーに高い摩擦電荷を与えて、現像剤担持体上で薄膜を形成しなければならない。この場合、電荷制御層に用いられている材料としては、ウレタンゴム、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、シリコンゴム、シリコン樹脂等を挙げることができ、電荷制御面は面精度良く仕上げられる(例えば、特許文献1)。
【0006】
近年の電子写真プロセスを応用した高画質化及びフルカラー化された現像装置においては微粒なトナーが使用されるため、現像剤担持体へトナーをより均一に圧着することが要求されている。特に、電荷制御面の表面粗さの影響により、画像ムラ又はスジ等の画像不良が発生する場合がある。さらに、高画質化及びフルカラー化された現像装置においては、非磁性のトナーが使用されるため、トナーに高い摩擦電荷を与えて均一で十分な帯電をさせることが要求されている。
【0007】
上記の非磁性トナーの場合は、ブレード部材としてリン青銅やSUS等の金属部材を用いてブレード部材と現像剤担持体の間で電荷をかけることにより、非磁性のトナーを帯電させることができ、トナーの帯電性に関係なく使用に供することができる。
【0008】
しかし、ブレード部材が金属製である場合には、ゴム板、樹脂板又はこれらの積層体から形成される従来の現像剤量規制ブレードに比べて、ブレード部材と現像剤担持体との接触面積が小さくなる。したがって、同じ押圧力でも局所的な当接圧が大きくなりやすく、それによって画像上にスジが発生するという問題が起きる。
【0009】
また、特許文献2では、ブレード部材が金属製で、その硬度を規定することが提案されている。しかしながら、製品設計上、きまった厚み範囲の中で現像剤像担持体に対して当接圧を精度よく制御しなければならず、当該公報に記載される方法では、ブレード部材の硬度が小さいため、現像剤に対して適正な圧力を実現できず、スジ及びムラ等の画像不良を抑制できかねると考えられる。
【特許文献1】特開2002−372858号公報
【特許文献2】特開平10−239993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような状況に鑑み、本発明においては、現像剤担持体に均一なトナー層を形成するため、当接圧を精度よく制御してトナー粒子に対して適正な圧力を実現でき、さらに加工性の良い金属製ブレード部材を用いた現像剤量規制ブレードを提供することを目的とする。
【0011】
さらに、この方法が採用された現像装置を使用することにより、現像剤によるスジ及びムラ等の画像不良を抑制する現像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は下記により達成される。
【0013】
本発明に係わる現像剤量規制ブレードは、現像剤容器から現像剤担持体によって搬出される現像剤の量を規制する現像剤量規制ブレードであって、
該現像剤量規制ブレードは少なくとも金属製のブレード部材及び支持部材からなり、
該ブレード部材の板厚は0.06mm以上0.20mm以下であり、かつそのビッカース硬度が170以上370未満であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る現像装置は、前記現像剤量規制ブレードを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明において、現像剤(トナー)に対して当接圧を精度よく制御し、現像剤に対して適正な圧力を実現することで現像剤担持体によって搬出される現像剤量を均一に制御し、さらに加工性の良い現像剤量規制ブレードを提供できるようになった。また、この現像剤量規制ブレードが採用された現像装置を使用することにより、現像剤によるスジ及びムラ等の画像不良を抑制できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る現像剤量規制ブレードは、現像剤容器から現像剤を搬出する現像剤担持体に圧接される金属製のブレード部材及び支持部材を用いて構成されており、該ブレード部材のビッカース硬度が170以上370未満であることを特徴とする。
【0017】
図1は本発明の現像剤量規制ブレードの概略を示したものである。ブレード部材10は金属製である。板厚が0.06以上0.20mm以下であり、かつビッカース硬度が170以上370未満であるブレード部材を用いることで、従来よりも当接圧を精度よく制御できるようになり、現像剤に対して適正な圧力を加えることができるようになった。
【0018】
当接圧を精度よく制御して現像剤に対する適正な圧力を実現し、現像剤担持体によって搬出される現像剤量を均一に制御するためには、該ブレード部材が金属製であり、ビッカース硬度が170以上370未満である必要がある。
【0019】
このとき該ブレード部材はリン青銅板やSUS板等のバネ性の材料とすることが好ましく、その板厚が0.06mm以上0.20mm以下であることがより好ましい。
【0020】
ブレード部材の材料としては、SUS304−3/4H、SUS304−1/2H、リン青銅C5210−H、リン青銅C5210−1/2H、リン青銅C5210−3/4Hがより好ましい。
【0021】
ブレード部材のビッカース硬度が170未満である場合には、現像剤や現像剤担持体との摩擦によりブレード部材が削れてしまうため、現像剤を均一に現像剤担持体に圧着することができなくなる。また、加工性の面から打痕・バリが発生しやすくなるという不具合も生じる。
【0022】
一方で、ブレード部材のビッカース硬度が370以上である場合には、現像剤に与える圧力が大きくなるため、現像剤が破壊されてしまい、現像剤がブレード部材に融着して画像にスジが発生しやすくなってしまう。また、加工性の面において、プレス金型の耐久性が悪くなるので、同じ物を精度よく生産するのが困難になるという不具合が生じる。
【0023】
さらに、ブレード部材の板厚が0.06mm以下の場合には、バネ弾性が弱くなる傾向があり、現像剤を均一に現像剤担持体に圧着できなくなるという不具合が発生してしまう。一方で、ブレード部材の板厚が0.20mm以上である場合には、局所的な当接圧が大きくなりやすく、上述と同様に、現像剤の破壊が原因で画像上にスジが発生しやすくなってしまう。
【0024】
前記ブレード部材は、従来技術により製造することができ、その製造方法は特に制限されるものではない。
【0025】
支持部材12としては、ブレード部材を支持するものであれば、いずれのものであってもよく、材質も、金属、セラミック、樹脂等いずれのものであってもよい。また、クロメート処理や、潤滑樹脂等の表面処理を行なった鋼板、リン青銅、ばね鋼等の弾性金属板、プラスチックや、セラミック等も挙げることができる。
【0026】
図2には、本発明の現像剤量規制ブレードを用いた現像装置の例を示した。本現像装置は、現像剤容器42と、図中矢印a方向に回転する像担持体の電子写真感光体41と対向設置した現像剤担持体43とを備え、電子写真感光体41上の静電潜像を現像し、トナー像として可視化するようになっている。現像剤容器42は、例えば一成分の現像剤46を収容している。現像剤担持体43は、図で見て右略半周面を現像剤容器42内に突入し、左略半周面を現像剤容器42外へ露出して、電子写真感光体1に対向するように、回転自在に横設されている。現像剤担持体43と電子写真感光体41との間には微小間隔が設けられる。現像剤担持体43は、電子写真感光体41の回転方向aに対し、矢印b方向に回転駆動される。現像剤容器42内には、現像剤担持体43の上方位置に本発明の現像剤量規制ブレード44が設けられ、ブレード部材47によりも現像剤担持体43の回転方向上流側の位置に弾性ローラ45が設けられる。
【0027】
現像剤量規制ブレード44は、現像剤担持体43の回転方向上流側に向けて下がる向きに傾斜して設けられ、現像剤担持体43の上部外周面に回転方向に対向して当接される。
【0028】
弾性ローラ45は、現像剤担持体43の電子写真感光体41と反対側の部分に当接され、かつ回転可能に支持される。
【0029】
現像装置は、上記構成にて、弾性ローラ45が矢印c方向に回転し、弾性ローラ45の回転により現像剤46を担持して現像剤担持体43の近傍に供給する。供給された弾性ローラ45上の現像剤46は、現像剤担持体43と弾性ローラ45とが当接する当接部(ニップ部)において現像剤担持体43に摺擦されることにより、現像剤担持体43上に付着する。
【0030】
その後、現像剤担持体43上に付着した現像剤46は、現像剤担持体43の回転により現像剤量規制ブレード44と現像剤担持体43との当接部に進入し、該当接部を通過する際に現像剤担持体43の表面とブレード部材47の両者により摺擦される。この時、現像剤量規制ブレードと現像材担持体43の間で電荷をかけることにより、現像剤46は摩擦帯電を受け、その帯電性が制御される。
【0031】
帯電された現像剤46は、ブレード部材47及び現像剤担持体43の当接部を抜け出して、現像剤担持体43上で薄層を形成し、電子写真感光体41と微小間隙を開けて対向した現像部へと搬送される。そして、現像部において現像剤担持体43と電子写真感光体41との間に、現像バイアスとして、例えば直流に交流を重畳した交互電圧を印加することにより、現像剤担持体43上の現像剤46が電子写真感光体41の静電潜像に対応して転移し、静電潜像に付着、現像してトナー像として可視化する。
【0032】
現像部において現像に消費されずに現像剤担持体43上に残存した現像剤46は、現像剤担持体43の回転と共に現像剤担持体43の下部より現像剤容器42内に回収される。
【0033】
回収された現像剤46は、弾性ローラ45によって現像剤担持体43との当接部で現像剤担持体43から剥ぎ取られる。同時に弾性ローラ45の回転により現像剤担持体43上に新たな現像剤46が供給され、新たな現像剤46は、再び現像剤担持体43とブレード部材47との当接部へ搬送される。
【0034】
一方、剥ぎ取られた現像剤46の大部分は、弾性ローラ45の回転に伴い現像剤容器42内の現像剤46中に搬送されて混ざり合い、剥ぎ取られた現像剤46の帯電電荷が分散される。
【0035】
図3には、本発明に係る現像剤量規制ブレードを採用するのに適した電子写真装置の一例を示した。51は像担持体としての感光体であり、本例のものはアルミニウム等の導電性支持体と、その外周面に形成した感光層を基本構成層とするドラム型の電子写真感光体である。支軸を中心に図面上時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
【0036】
帯電部材52は、この感光体51面に接して感光体面を所定の極性、電位に一様に一次帯電処理するコロナ放電器である。これは、帯電ローラであっても良い。
【0037】
帯電部材52で均一に帯電処理を受けた感光体51面は、次いで、露光手段Lにより目的画像情報の露光(レーザービーム走査露光,原稿画像のスリット露光等)を受けることで、その周面に目的の画像情報に対応した静電潜像53が形成される。
【0038】
その潜像は、次いで、現像装置54によりトナー画像として順次に可視像化されていく。
【0039】
このトナー画像は、次いで、転写手段55により不図示の給紙手段部から感光体51の回転と同期どりされて適正なタイミングをもって感光体51と転写手段55との間の転写部へ搬送された転写材Pの面に、順次に転写されていく。本例の転写手段55はコロナ放電器(ローラタイプであっても良い)であり、転写材Pの裏からトナーと逆極性の帯電を行うことで感光体51面側のトナー画像が転写材Pの表面側に転写されていく。また、4色のトナーを用いてカラー画像を出力するカラーLBP等においては、4色のカラー画像をそれぞれ現像し可視化するために、一旦ローラーやベルト等の中間転写体にトナーを転写し、トナー画像が転写材Pの表面側に転写されていく。
【0040】
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光体51面から分離されて加熱定着ロール58へ先送されて像定着を受け、画像形成物として出力される。
【0041】
像転写後の感光体51面は、クリーニング手段56で転写残りトナー等の付着汚染物の除去を受けて洗浄面化されて繰り返して作像に供される。
【0042】
なお、感光体、帯電部材、現像装置及びクリーニング手段のような電子写真装置の複数の要素をプロセスカートリッジに一体的に組み込ませることもできる。そうすることで、プロセスカートリッジは、装置本体に対して着脱可能とすることができる。例えば、感光体及び現像装置と必要に応じて帯電部材及びクリーニング手段等をプロセスカートリッジに一体的に組み込み、装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在に構成できる。
【0043】
本発明の現像装置を使用しうる電子写真装置としては、複写機、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ又は電子写真製版システム等の電子写真応用装置等が挙げられる。
【0044】
本発明の現像剤量規制ブレードは、上記のような現像装置に搭載され電子写真応用装置に用いられる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0046】
(実施例1)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度369、板厚0.06mmのSUSシート(SUS304−3/4H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。
【0047】
レザービームプリンター(商品名:Satera、キヤノン製)に装着し現像ローラを駆動し、初期画像の状態を観察し、目視によって現像スジ及びムラ等の画像不良の有無を確認した。結果は、良好(○)、やや良い(○△)、少し悪い(△)、悪い(×)又はかなり悪い(××)の5段階で評価し、○及び○△を良品とした。また、当接圧は専用の測定冶具を用いて測定した。さらに加工性のしやすさをプレス時のバリの高さ・プレス金型の耐久性を指標にして、良好(○)、少し悪い(△)又は悪い(×)の3段階で評価し、○を良品とした。
【0048】
(実施例2)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度369、板厚0.12mmのSUSシート(SUS304−3/4H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像剤量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0049】
(実施例3)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度369、板厚0.20mmのSUSシート(SUS304−3/4H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像剤量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0050】
(実施例4)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度170、板厚0.06mmのリン青銅シート(C5210−1/2H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像量剤規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0051】
(実施例5)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度170、板厚0.12mmのリン青銅シート(C5210−1/2H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像量剤規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0052】
(実施例6)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度170、板厚0.20mmのリン青銅シート(C5210−1/2H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像剤量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った
(比較例1)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、請求項の範囲外のビッカース硬度106、板厚0.08mmのリン青銅シート(C5210−1/4H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像剤量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0053】
(比較例2)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、請求項の範囲外のビッカース硬度404、板厚0.08mmのSUSシート(SUS304−H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像量規制ブレードを作製した。なお、現像剤量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0054】
(比較例3)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度205、請求項の範囲外の板厚0.05mmのリン青銅シート(C5210−1/2H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像剤量規制ブレードを作製した。なお、現像剤量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0055】
(比較例4)
現像剤量規制ブレードのブレード部材として、ビッカース硬度205、請求項の範囲外の板厚3mmのリン青銅シート(C5210−1/2H)を所定のブレード寸法にプレス切断して現像量規制ブレードを作製した。なお、現像剤量規制ブレードの長手方向の長さは200mm、幅は23mmとした。その後、この現像剤量規制ブレードを用いて、実施例1と同様に実装試験を行った。
【0056】
実施例の試験結果を表1に、比較例の試験結果を表2に示した。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
表1及び表2の結果より、板厚が0.06mm以上0.20mm以下であり、かつビッカース硬度が170以上370未満であるブレード部材を用いた場合、従来よりも当接圧を精度よく制御でき、画像不良が発生せず、ブレード部材の加工性もよいことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の現像剤量規制ブレードを説明するための模式的断面図である。
【図2】現像装置を説明するための模式的断面図である。
【図3】電子写真装置を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
【0061】
10:ブレード部材
11:現像剤担持体
12:支持部材
13:当接部
41:電子写真感光体
42:現像剤容器
43:現像剤担持体
44:現像剤量規制ブレード
45:弾性ローラ
46:現像剤
47:ブレード部材
51:感光体(像担持体)
52:帯電部材
53:静電潜像
54:現像装置
55:転写手段
56:クリーニング手段
58:加熱定着ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤容器から現像剤担持体によって搬出される現像剤の量を規制するための現像剤量規制ブレードであって、
該現像剤量規制ブレードは金属製のブレード部材及び支持部材からなり、
該ブレード部材の板厚が0.06mm以上0.20mm以下であり、かつそのビッカース硬度が170以上370未満であることを特徴とする現像剤量規制ブレード。
【請求項2】
前記ブレード部材が、リン青銅板又はSUS板であることを特徴とする請求項1に記載の現像剤量規制ブレード。
【請求項3】
前記ブレード部材が、SUS304−3/4H、SUS304−1/2H、リン青銅C5210−H、リン青銅C5210−1/2H又はリン青銅C5210−3/4Hであることを特徴とする請求項1に記載の現像剤量規制ブレード。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの請求項に記載の現像剤量規制ブレードを具備する現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−249940(P2008−249940A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90531(P2007−90531)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】