説明

現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】画像濃度不均一や画像ムラの解消された現像ローラ、前記現像ローラを有する現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像剤を汲み上げて、磁気ブラシを形成し、潜像担持体40に現像剤を摺擦する現像ローラ2において、非磁性スリーブ21と、前記非磁性スリーブ21内に固定配置されたマグネットロール22とを有し、前記マグネットロール22が、現像剤汲み上げ磁極と、現像剤搬送磁極と、現像剤穂立ちのための主磁極と、現像剤剥離磁極23とを備え、前記現像剤剥離磁極23の半値幅が、25°以下である現像ローラ2、前記現像ローラ2を有する現像装置1、プロセスカートリッジ及び画像形成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラ、前記現像ローラを有する現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、或いはそれらの少なくも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置において、感光体ドラムや感光体ベルト等の潜像担持体上に形成された静電潜像を現像装置によって現像することにより可視像が得られる。かかる現像装置において、非磁性体のトナーと磁性体のキャリアを混合した現像剤を用いた所謂二成分現像方式もよく知られており、広く用いられている。
二成分現像方式では、現像ローラ外周面に現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、現像ローラと潜像担持体の間で現像可能電界が確保されている現像領域において、静電潜像が形成された潜像担持体と電気的バイアスが印加されたスリーブとの間の電界によって、前記磁気ブラシから対向する潜像担持体の潜像面へトナーを選択的に供給付着することにより、静電潜像を現像させる。
現像ローラは、一般に、非磁性体よりなる円筒状の現像スリーブを有し、このスリーブ表面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成するマグネットロールをスリーブ内部に備えている。穂立ちの際、キャリアがマグネットロールで生じる磁力線に沿うようにスリーブ上に穂立ちすると共に、この穂立ちに係るキャリアに対して帯電トナーが付着されている。マグネットロールは、複数の磁極が磁石等で形成されていて、特にスリーブ表面の現像領域部分では現像剤を立ち上げる現像磁極を備えている。現像スリーブとマグネットロールの少なくとも一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちを起こした現像剤が移動するようになっており、現像領域に搬送された現像剤は現像主極から発せられる磁力線に沿って穂立ちを起こし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合いながらトナー供給を行う。
【0003】
近年、電子写真方式の画像形成装置においては高画質、コンパクト、低コスト化のニーズが高まり、その達成手段として現像剤に用いるキャリア・トナーの小径化や潜像担持体と現像ローラとのギャップを狭めるなどの手段が採用され、高画質化に効果があることは証明されている。しかもコンパクト化ということで、ユニット内の空間を少なくし、現像剤の量も少量にしている。しかし、その一方で副作用として現像剤の連れ回りが発生しやすくなっている。
この現像剤の連れ回りは、使用した現像剤を現像スリーブから離し、フレッシュな現像剤を現像スリーブに汲み上げれば、発生しないが、ユニットのコンパクト化のために現像剤剥離極と汲み上げ極の距離が近くなっていることと、キャリア・トナーの小径化を行うことにより、現像剤の流動性が落ちてしまい現像スリーブから現像剤の剥離が遅くなり、連れ回りや現像剤循環部からの汲み上げムラが発生しやすくなってしまう。そのために、画像濃度の不均一画像が発生してしまう。
また、現像剥離極磁極とその下流の汲み上げ磁極との磁束密度分布が寄与し、磁極間の距離を離すことにより、現像剤の剥離位置と汲み上げ位置が遠くなるので良化する傾向にあるが、現像装置構成とのマッチングを考慮すると磁気特性設計自由度が高いとはいえず改善が困難である。
【0004】
特許文献1には、内部に固定された磁界発生手段を有し、表面上に磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を担持して回転する非磁性現像スリーブからなる現像剤担持体と、該現像剤担持体上に担持された現像剤の量を規制する剛体からなる現像剤量規制部材とを備えた現像装置を用いて像担持体上の静電潜像をトナー像化する画像形成装置において、上記現像スリーブと上記像担持体とのギャップが0.4mm以下であり、かつ、上記磁性キャリアがすくなくとも結着樹脂と粒子を有するコート膜を有し、該粒子径Dと該結着樹脂膜厚hが1<[D/h]<10であることを特徴する画像形成装置が開示されている。これにより、2成分現像剤を用いた画像形成装置において、画質向上のため現像能力を高めるとともに、汲み上げ量の変動を抑制して現像領域へ安定した現像剤の搬送を行い、高品位な画像を長期にわたり得ることができた。
また、特許文献2には、回転可能な非磁性円筒及び該非磁性円筒の内部にあって、複数の磁極を形成するための磁石を不動に設置した磁界発生手段を備えた現像ローラと、磁性キャリアと非磁性トナーより成る2成分現像剤を収容する現像容器と、該現像容器にあって上記2成分現像剤を攪拌搬送する攪拌搬送手段と、前記現像ローラを囲うケース部材とを有し、前記現像剤を前記非磁性円筒の回転により搬送し、像担持体上の静電潜像を磁気ブラシ現像する2成分現像装置において、前記磁界発生手段を構成する磁極の中で、現像位置を通過した現像剤を前記現像ローラから分離させる2つの同極性磁極の極間で形成される反発磁界の最も低い部位で当該現像ローラの周面に立てた法線ベクトルが前記ケース部材の内壁面で反射して作られる法線反射ベクトルの向きを、前記現像位置から離れる側の水平線に対して、0度〜70度とし、かつ前記2つの同極性磁極の中、前記現像ローラの回転方向下流側に位置する磁極の法線方向のピーク磁力を35mT以上55mT以下としたことを特徴とする現像装置が開示されている。これにより、磁界発生手段を備えた現像ローラ51と、2成分現像剤を収容する現像容器内で現像剤を攪拌搬送する攪拌搬送手段と、現像ローラを囲うケース部材とを有し、上記現像剤を現像ローラ51の回転により搬送し、感光体ドラム20上の静電潜像を磁気ブラシ現像する2成分現像装置において、省スペース、高速化を図りつつ、画像濃度ムラ等の異常画像を抑えることができた。
しかしながら、両手段では連れ回りや現像剤循環部からの汲み上げムラの発生を十分に抑制できず、問題となっていた。
【0005】
【特許文献1】特開2003−233255号公報
【特許文献2】特開2005−266366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、画像濃度不均一や画像ムラの解消された現像ローラ、前記現像ローラを有する現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明は、現像剤を汲み上げて、磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦する現像ローラにおいて、非磁性スリーブと、前記非磁性スリーブ内に固定配置されたマグネットロールとを有し、前記マグネットロールが、現像剤汲み上げ磁極と、現像剤搬送磁極と、現像剤穂立ちのための主磁極と、現像剤剥離磁極とを備え、前記現像剤剥離磁極の半値幅が、25°以下であることを特徴とする現像ローラである。ここで、半値幅とは、法線方向の磁力分布曲線の最高法線磁力の半分の値を指す部分の角度幅のことである。
本発明は、現像剤を汲み上げて、磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦する現像ローラにおいて、非磁性スリーブと、前記スリーブ内に固定配置されたマグネットロールとを有し、前記マグネットロールが、現像剤汲み上げ磁極と、現像剤搬送磁極と、現像剤穂立ちのための主磁極と、現像剤剥離磁極とを備え、前記現像剤剥離磁極の法線方向磁束密度の減衰率が、40%以上であることを特徴とする現像ローラである。
本発明は、前記現像剤剥離磁極の法線方向磁束密度の減衰率が、40%以上であることを特徴とする。
本発明は、前記現像剤剥離磁極が、希土類マグネットブロックで構成されることを特徴とする。
本発明は、前記希土類マグネットブロックが、磁気異方性を有することを特徴とする。
本発明は、前記希土類マグネットブロックの磁化方向が、半径方向に対して前記非磁性スリーブ回転上流側に向いていることを特徴とする。
本発明は、前記マグネットロールは、高分子化合物としてエチレン・エチル重合体で構成されることを特徴とする。
本発明は、前記エチレン・エチル重合体のエチル成分が、25%〜35%であることを特徴とする。
【0008】
本発明は、潜像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置において、前記記載の現像ローラを有することを特徴とする現像装置である。
本発明は、現像剤規制部材が、現像ローラの略下側に配置されることを特徴とする。
本発明は、現像剤は、50μm以下のキャリアを有することを特徴とする。
本発明は、トナーは、平均粒径10μm以下の重合トナーであることを特徴とする。
本発明は、前記記載の現像装置を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明は、前記記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、前記記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、前記解決するための手段によって、画像濃度不均一や画像ムラの解消された現像ローラ、前記現像ローラを有する現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
以下、本発明を画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としての電子写真方式フルカラープリンタを示す。このプリンタの画像ユニット10は、矢印方向に無端移動する像担持体としての中間転写ベルト11を備え、中間転写ベルト11の下部張架面には、トナー像形成手段である4個の画像形成ユニット12Y、12C、12M、12Kが配置されている。画像形成ユニットの番号に沿えたY、C、M、Kは、扱うトナーの色と対応するもので、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタ、Kはブラックを意味している。画像形成ユニットに備えられ、中間転写ベルト11とともに回転する潜像担持体(以下、感光体)40に対しても同じようにY、C、M、Kを沿えている。なお感光体40Y〜40Kは等間隔に配置され、少なくとも画像形成時には中間転写ベルト11との張架部の一部と接触するようになっている。
【0012】
図2は、画像形成ユニットを示す図である。扱うトナーの色は異なるが、画像形成ユニット12Y、12C、12M、12Kの構成はそれぞれ同じであるので、その構成を画像形成ユニット12として図2により説明する。図2において、プリンタの動作時に、不図示の駆動源により、矢印方向に回転するよう支持された円筒状の感光体40が配設されている。そして、感光体40の周囲には、静電写真プロセスに従い帯電装置41、露光装置、現像装置1、クリーニング装置42、光除電装置などの作像部材や電位センサ、画像センサが配されているが、それらの構成・作動は基本的に公知であるので、説明の簡略化のために、ここでは本発明と特に関わりのある部分について述べる。
【0013】
一様帯電された感光体40の表面は、画像情報に基づいた露光により静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置1により現像され、感光体表面上にトナー像が形成される。トナー像は転写帯電器13により中間転写ベルト11(図1)に転写させられる。中間転写ベルト11に転写されたイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色トナー像は重ね合わされ、給紙ユニット14(図1)から給紙ローラ、レジストローラ対を経て搬送された用紙上に二次転写ローラ15を用いて転写される。転写終了後の用紙は、定着ユニット16によりトナー像を定着され、片面画像形成の場合には、そのまま機外に排出され、両面画像形成の場合には、公知のように、反転路(図示せず)を介した後、両面部(図示せず)を通って再び二次転写ユニットへ送られる。
なお本実施形態では、少なくとも感光体40と現像装置1とでカートリッジユニットが構成され、更に帯電装置41、クリーニング装置42、除電装置を備えてプロセスカートリッジが構成可能である。プロセスカートリッジと称する場合、現像装置1と他のプロセス手段が一体となって着脱可能にされたものであり、上記カートリッジユニットだけでもプロセスカートリッジとなり得るし、現像装置1と感光体40と帯電装置41、現像装置1と感光体40と帯電装置41とクリーニング装置42など、様々なバリエーションが存在し得る。
【0014】
次に作像部について図2を用いて説明する。図2のカートリッジは感光体40と現像装置1、帯電装置41(本実施例では帯電ローラ)、クリーニング装置42(本実施例ではクリーニングブレード)を一体としたプロセスカートリッジである。現像装置1には感光体40上に書込手段43により光学的に形成された感光体40上の潜像に対しトナーの可視化像を形成する現像ローラ2があり、その現像ローラ現像領域の上流側には現像ローラ2上の現像剤量をある一定量に規制する規制部材4(以降の現像ドクタ4とする)がある。現像装置1内の現像タンク部にはトナー粒子と磁性粒子(キャリア)を混合した2成分現像剤が納められており、その現像剤は2本の搬送スクリュ、第1搬送スクリュ5aと第2搬送スクリュ5bにより循環している。また、第2搬送スクリュ5bの下側にはトナー濃度センサ6が配置され、現像タンク内のトナー濃度を随時計測し、適正値に収まるよう制御している。また、現像ドクタ4右側には現像ニップ部からのトナー飛散を防止するための入口シール7が配置されている。
【0015】
現像ローラ2は、非磁性スリーブである現像スリーブ21とマグネットロール22からなり、マグネットロールは、それぞれ役割によって着磁幅や、磁束密度が異なっている。
現像剤剥離磁極23の法線方向磁束密度の半径方向の減衰率が40%以上とした場合、磁束密度はローラ表面から離れるに従って急激に低下するため、現像剤によって形成される磁気ブラシは短く密である。そのため、現像剤剥離磁極23から現像剤が現像スリーブ21からスムーズに剥離し、連れ回りしにくい現像ローラ2を得ることができる。
高い磁束密度を得るためには、マグネットロール22に高い磁気特性を持った材料を用いることで達成できるが、これらの材料は一般的に高価なため、ローラ全体に用いるとローラコストが高くなってしまうという問題点がある。そこで、現像剤剥離磁極23を、希土類金属を含む材料を用いることにより、低コストで磁束密度の高い現像ローラ2を提供することができる。希土類磁石材料としては、一般的にはNd−Fe−B磁石粉やSm−Fe−N磁石粉を高分子化合物に混合・混錬したプラスチックマグネットを用いることが加工上・コスト上望ましい。この場合の磁気特性としては最大エネルギー積(BHmax)で8MGOe以上であることが望ましく、材料としては磁気異方性を持った材料をマグネット成形時に磁界を印加させながら成形を行い、材料を異方化して用いることで高い磁気特性を得ることができる。また磁気異方性を持つことにより現像剤剥離磁極23の磁束密度の法線方向を半径方向に対して現像スリーブ回転上流側に向けることができる(図3参照)。
現像剤剥離磁極23に高い磁気特性を持った材料を用いることで、現像剤剥離磁極23としての法線方向磁束密度を得るために必要な体積を従来のマグネットよりも狭くすることができるため、着磁幅も狭くすることができる。よって現像剤剥離磁極23と現像剤汲み上げ磁極24の磁極間を広げることができ、現像剤の剥離がしやすくなる効果を得られることができる。
【0016】
希土類磁石以外の材料としては、磁性粉に高分子化合物を混合した、プラスチックマグネットもしくはゴムマグネットを用いることが多い。磁性粉としては、SrフェライトもしくはBaフェライトを用い、高分子化合物としては6PAもしくは12PA等のPA系材料、EEA(エチレン・エチル共重合体)・EVA(エチレン・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料が使用できる。特にEA成分25%〜35%であるエチレンエチルアクリレートでは、生産性に優れた押出し成型に適切であり、低コストの現像ローラを提供することができる。
【0017】
また、上記に示した現像ローラ2は粒径が50μm以下のキャリア、10μm以下の重合トナーを用いた場合、より顕著な現像剤連れ回り余裕度を高める効果が期待できる。すなわち、小粒径キャリア/重合トナーを用いることで感光体40上の潜像を忠実に再現でき、高画質の画像を得られ、かつ現像剤連れ回り性能に優れた現像装置を得ることができるためである。また、本発明の現像ローラ2は画像形成装置にプロセスカートリッジ形態で使用すれば、交換が容易であり、常に高画質画像を提供することができる。
【0018】
図4は、従来例のマグネットローラの磁束密度分布を示す図である。また、図5は実施例1のマグネットローラの磁束密度分布を示す図であり、図6は実施例2のマグネットローラの磁束密度分布を示す図であり、図7は実施例3のマグネットローラの磁束密度分布を示す図である。従来例は現像剤剥離磁極23の半値幅が35°である。実施例1は現像剤剥離磁極23の半値幅が25°、実施例2は15°、実施例3は、実施例1の半値幅で磁化方向が半径方向に対して現像スリーブ回転上流側に向けたものである。
【0019】
これらの現像ローラ2を用い、平均粒径55μmと35μmのキャリアを用いて画像の確認を行った。評価は5段階評価とし、5が最も良好で、画像ムラ、画像均一性、画像の滑らかさである粒状度について評価を行った。
【0020】
【表1】

【0021】
その結果は表1に示す通りで従来例に対して画質を改善する効果が得られた。現像剤剥離磁極23の半値幅を25°以下とすることで、現像剤連れ回りによる画像ムラや画像濃度均一性が改善された。磁化方向が半径方向に対して現像スリーブ回転上流側に向けるとより高い改善効果が確認された。
【0022】
本発明では、現像剤剥離極の法線方向磁束密度の広がりを小さく抑えることができるので、現像剤汲み上げ極との距離を離すことができ、現像剤の連れ回り余裕度の高い現像ローラを提供できる。また、現像剤剥離極における現像剤の穂立ちを短くすることができ、スムーズな現像剤の剥離を行うことができる現像ローラを提供できる。
本発明では、磁気特性の高い希土類元素を含むマグネットブロックを現像剥離極に使用すると、磁束密度の半値幅を狭く、減衰率が高いマグネットローラが構成でき、現像剤の連れ回り余裕度の高い現像ローラを提供することができる。また、磁束密度の方向に自由度があり、現像剤連れ回り余裕度の高い現像ローラを提供することができる。さらに、磁束密度の方向をより現像剤汲み上げ磁極より遠くすることができ、現像剤連れ回り余裕度の高い現像ローラを提供することができる。
本発明では、生産性に優れた押出し成型が可能なため、低コストの現像ローラを提供することができる。また、押出成型における配向性が高い材料を使用しているため、低コストで現像剤連れ回り余裕度の高い現像ローラを提供することができる。さらに、現像剤規制部材が、現像ローラの略下側に配置されている現像装置に対して、現像剤連れ回り余裕度の高い現像ローラを提供することができる。
本発明では、粒径50μm以下のキャリアを用いるため、現像剤連れ回り余裕度の高い良好な画像特性の現像装置を得ることができる。また、平均粒径10μm以下の重合トナーを用いるため、現像剤連れ回り余裕度の高い良好な画像特性の現像装置を得ることができる。
本発明では、プロセスカートリッジとすることにより、交換が容易であり、常に高画質画像を提供できる。また、常に高画質画像の画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置としての電子写真方式フルカラープリンタを示す図である。
【図2】画像形成ユニットを示す図である。
【図3】現像剤剥離磁極の磁束密度の法線方向を、半径方向に対して現像スリーブ回転上流側に向けた図である。
【図4】従来例のマグネットローラの磁束密度分布を示す図である。
【図5】実施例1のマグネットローラの磁束密度分布を示す図である。
【図6】実施例2のマグネットローラの磁束密度分布を示す図である。
【図7】実施例3のマグネットローラの磁束密度分布を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
1 現像装置
2 現像ローラ
4 規制部材(現像ドクタ)
5a 第1搬送スクリュ
5b 第2搬送スクリュ
6 トナー濃度センサ
7 入口シール
10 画像ユニット
11 中間転写ベルト
12 画像形成ユニット
13 転写帯電器
14 給紙ユニット
15 二次転写ローラ
16 定着ユニット
21 現像スリーブ(非磁性スリーブ)
22 マグネットロール
23 現像剤剥離磁極
24 現像剤汲み上げ磁極
40 感光体(潜像担持体)
41 帯電装置
42 クリーニング装置
43 書込手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を汲み上げて、磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦する現像ローラにおいて、
非磁性スリーブと、前記非磁性スリーブ内に固定配置されたマグネットロールとを有し、
前記マグネットロールが、現像剤汲み上げ磁極と、現像剤搬送磁極と、現像剤穂立ちのための主磁極と、現像剤剥離磁極とを備え、
前記現像剤剥離磁極の半値幅が、25°以下である
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項2】
現像剤を汲み上げて、磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦する現像ローラにおいて、
非磁性スリーブと、前記スリーブ内に固定配置されたマグネットロールとを有し、
前記マグネットロールが、現像剤汲み上げ磁極と、現像剤搬送磁極と、現像剤穂立ちのための主磁極と、現像剤剥離磁極とを備え、
前記現像剤剥離磁極の法線方向磁束密度の減衰率が、40%以上である
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項3】
請求項1に記載の現像ローラにおいて、
前記現像剤剥離磁極の法線方向磁束密度の減衰率が、40%以上である
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の現像ローラにおいて、
前記現像剤剥離磁極が、希土類マグネットブロックで構成される
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項5】
請求項4に記載の現像ローラにおいて、
前記希土類マグネットブロックが、磁気異方性を有する
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項6】
請求項5に記載の現像ローラにおいて、
前記希土類マグネットブロックの磁化方向が、半径方向に対して前記非磁性スリーブ回転上流側に向いている
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の現像ローラにおいて、
前記マグネットロールは、高分子化合物としてエチレン・エチル重合体で構成される
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項8】
請求項7に記載の現像ローラにおいて、
前記エチレン・エチル重合体のエチル成分が、25%〜35%である
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項9】
潜像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置において、
請求項1乃至8のいずれかに記載の現像ローラを有する
ことを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項9に記載の現像装置において、
現像剤規制部材が、現像ローラの略下側に配置される
ことを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の現像装置において、
現像剤は、50μm以下のキャリアを有する
ことを特徴とする現像装置。
【請求項12】
請求項11に記載の現像装置において、
トナーは、平均粒径10μm以下の重合トナーである
ことを特徴とする現像装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれかに記載の現像装置を有する
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項9乃至12のいずれかに記載の現像装置を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項13記載のプロセスカートリッジを有する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−89623(P2008−89623A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266928(P2006−266928)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】