説明

現像ロール用フランジ組立体の製造方法

【課題】フランジ部材と軸部材とを簡単な方法で精度良く接合することにより、軸付フランジを安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】(a)塑性変形可能な金属材料からなり、中心に下穴を有する円板状部材と、円板状部材よりも硬質の金属材料からなる円柱状軸部材であって、一端側に前記下穴に挿入可能な外径を有する案内部と、前記案内部よりも小径の充填溝と、前記下穴よりも大径の係止部とを順に形成した軸部材とを準備する工程と、(b)前記軸部材を固定型に配設して、前記係止部の駆動部側の端面を前記固定型の基準面に接触させる工程と、(c)前記円板状部材の下穴側の端面を前記係止部の充填溝側の端面に接触させる工程と、(d)前記円板状部材を可動型で押し込むことにより、前記円板状部材の一部を塑性変形により前記充填溝に充填する接合工程とを含むことを特徴とする現像ロール用フランジ組立体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子写真装置において現像剤を現像領域に搬送するために使用される現像ロールを構成する軸付フランジを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現像ロールとして使用されるマグネットロールは、非磁性体からなる円筒部材(スリーブ)と、その両端に固定された軸付フランジ(Aフランジ)及び円板状フランジ(Bフランジ)と、スリーブの内部に支持された永久磁石部材(シャフトの外周に永久磁石を固着した部材)とを備えている[例えば特許文献1:特開平9-54498号の図2参照]。電子写真装置においては、スリーブの表面に磁性現像剤(一成分系磁性トナー、又は磁性キャリアとトナーとを含む二成分系現像剤)を磁気的に吸着し、スリーブと永久磁石部材を相対的に回転[例えばBフランジから延出する永久磁石部材のシャフトを現像装置側に固定し、Aフランジの軸を回転(スリーブ回転)]させることにより、磁性現像剤を感光体表面に搬送して、静電荷像の現像が行われる。電子写真装置のデジタル化に伴い、高品質の画像を得るために、現像ロールを構成するスリーブのフレを少なくする(例えば30μm以下)ことが要求されている。またマグネットロールを低コストで製造することも重要である。
【0003】
Aフランジは、円板状フランジ部材の一方の端面に軸部材を固定した構造を有する。軸部材は、フレ精度や寿命及び信頼性の点から硬質の非磁性金属材料(例えばオーステナイト系ステンレス鋼)で形成するのが一般的である。
【0004】
Aフランジのような軸付フランジを製造する方法としては、(A)円柱体(SUS)から切削加工により削り出す方法[特許文献2:特開平10-2323号の図6参照]、(B)フランジ部材の端面に軸の端部を圧入する方法[特許文献3:特開平10-281140号の図3参照]、(C)フランジ部材の端面に軸の端部を摩擦圧接により固定する方法[特許文献4:特公昭60-23913号の図3〜5参照]、(D)軸の端部に設けたフランジ部と柱状部をフランジの穴に挿入した状態で軸の加圧フランジ部を加圧することにより、加圧フランジ部、柱状部及びフランジ部の間に存在する空間部にフランジの一部を塑性流動により詰め込む方法[特許文献5:実用新案登録第3132371参照]等が提案されている。
【0005】
しかし、(A)の方法は、製造コストが高くなる、(B)の方法は、フランジ部材と軸の直角度が低下(スリーブのフレが増大)する、(C)の方法は、フランジのうち塑性変形により溶融した部分がフランジ部材からはみ出すため、その部分を除去することが必要となるといった問題がある。また特許文献5には、軸を加圧することが記載されているにすぎず、具体的な接合方法は記載されていない。
【特許文献1】特開平9-54498号公報
【特許文献2】特開平10-2323号公報
【特許文献3】特開平10-281140号公報
【特許文献4】特公昭60-23913号公報
【特許文献5】実用新案登録第3132371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、円板状部材と軸部材とを簡単な方法で精度良く接合することにより、軸付フランジを安価に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、塑性変形可能な金属材料からなるフランジ部材と硬質の金属材料からなる軸部材とを用いて、加圧により前記フランジ部材の一部を前記軸部材に設けられた充填溝に塑性流動させることにより、精度良くフランジ部材と軸部材とを接合できることを見出し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、現像ロール用フランジ組立体を製造する本発明の方法は、
(a)塑性変形可能な金属材料からなり、中心に下穴を有する円板状部材と、円板状部材よりも硬質の金属材料からなる円柱状軸部材であって、一端側に前記下穴に挿入可能な外径を有する案内部と、前記案内部よりも小径の充填溝と、前記下穴よりも大径の係止部とを順に形成した軸部材とを準備する工程と、
(b)前記軸部材を固定型に配設して、前記係止部の駆動部側の端面を前記固定型の基準面に接触させる工程と、
(c)前記円板状部材の下穴側の端面を前記係止部の充填溝側の端面に接触させる工程と、
(d)前記円板状部材を可動型で押し込むことにより、前記円板状部材の一部を塑性変形により前記充填溝に充填する接合工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
現像ロール用フランジ組立体を製造する本発明の別の方法は、
(a)塑性変形可能な金属材料からなり、中心に下穴を有する円板状部材と、円板状部材よりも硬質の金属材料からなる円柱状軸部材であって、一端側に前記下穴に挿入可能な外径を有する案内部と、前記案内部よりも小径の充填溝と、前記下穴よりも大径の段差部とを順に形成した軸部材とを準備する工程と、
(b)前記円板状部材を固定型の周囲に非接触で配設する工程と、
(c)前記軸部材を可動型で押し込むことにより、前記円板状部材の一部を塑性変形により前記充填溝に充填する接合工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
前記円板状部材及び軸部材は、前記下穴の内径をD1、深さをh1、前記案内部の外径をda、厚さをt1、前記充填溝の内径をdb、幅をt2、体積をV1、前記係止部又は前記段差部の外径をdc、前記円板状部材のうち前記充填溝に充填される部分の体積をV2とした場合、h1≧t1+t2、dc>D1≧da>db、V1≦V2なる寸法関係を有するのが好ましい。
【0011】
前記円板状部材及び軸部材は、非磁性体で形成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
(1)フランジ部材と軸が1ステップで一体化されるので、軸付フランジを低コストで製造できる。従って、マグネットロールの低コスト化を実現することができる。
(2)フランジ部材と軸とがシェービング接合(インパクト加工)により一体化されるので、軸とフランジ部材との直角度が、高精度に維持される。従って、スリーブのフレを低減することができ、現像ロールとして使用した場合に、高品質の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[1]第1の実施の形態
(1) マグネットロールの構成
マグネットロール10は、図1に示すように、非磁性体(例えばアルミニウム合金又はオーステナイト系ステンレス鋼)からなるスリーブ1と、その内部に配置された永久磁石部材2と、駆動軸30を有し、スリーブ1の一端側に固着された第1フランジ3と、スリーブ2の他端側に固着された第2フランジ4とを備えている。永久磁石部材2は、表面に複数個の磁極を有する円筒状の永久磁石5と、それを支持するシャフト6を有する。シャフト6の一端側は、軸受7を介して第1フランジ3に支持され、シャフト6の他端側は、軸受8を介して、オイルシール9を有する第2フランジ4に支持されている。駆動軸30の一端側には、モータ等の駆動手段に接続するためのフライス面34を少なくとも1つ有するのが好ましい。またシャフト6の第2フランジ4に支持されている一端側には、磁極が所定の位置に配置されるようにシャフトを現像装置に固定するための基準面となるフライス面34(Dカット面)を有するのが好ましい。永久磁石部材2はこれ以外の構造(例えば複数のブロック状永久磁石をシャフト6の外周に固着した構造)であってもよい。
【0014】
(2)素材の準備
本発明では、まず塑性変形可能な金属材料からなる円板状部材とそれよりも硬質(硬度が高い)の金属材料からなる軸部材を準備する。前記塑性変形可能な金属材料及び/又は硬質の金属材料は非磁性体からなるのが好ましい。図2(a)及び図2(b)に示すように、アルミニウム合金(Al-Si-Mg系合金:A5056)からなり、中心に下穴311(内径D1、深さh1)及び軸受穴312を有する円板状部材31(外径Df、厚さtf)と、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS303:18Cr-8Ni+P,S)からなる円柱状軸部材であり、一端側から順に、下穴311に挿入される案内部321(外径da、厚さt1)と、前記案内部321よりも小径の充填溝322(内径db、幅t2)と、前記下穴よりも大径の係止部323(外径dc、厚さt3)を有する軸部材32を準備する。ここで、h1≧t1+t2、dc>D1≧da>db、V1≦V2[V1は充填溝の体積で、下記式(1)で表され、V2は円板状部材31のうち前記充填溝322に充填される部分(押込部)の体積で、下記式(2)で表される。]なる寸法関係を有する。
V1=π×t2×{(D1/2)2−(db/2)2} ・・・式(1)
V2=π×t3×{(dc/2)2−(D1/2)2} ・・・式(2)
【0015】
充填溝322の底面には、軸部材32の周り止めを行うために、凹凸、例えばローレット加工により、例えば筋目又は七子目等の模様が形成されている。このローレット加工は、必要に応じて、係止部323の外周面にも施すことができる。
【0016】
(3)プレス加工の準備
図3に示すように、軸部材32を固定金型41(ダイス)に挿入して軸部材32を基準面43に戴置し、次いで円板状部材31を軸部材32に戴置して、下穴311に軸部材32の充填溝322及び案内部321を挿入する。ここで、円板状部材31の外周と固定金型41との間、及び軸部材32の外周と固定金型41との間には隙間が存在するようにしておく。
【0017】
(4)プレス加工
図4に示すように、可動金型42(パンチ:油圧プレスのラム)を下降させて、円板状部材31の上端面313に圧力(例えば、311×106〜416×106MPa)を加えることにより、円板状部材31に係止部323が食い込み、円板状部材31に塑性変形が生じ、円板状部材31の一部が塑性流動することにより充填溝322に充填されて、シェービング接合が行われる。この接合工程において、軸部材32及び円板状部材31は前述した寸法関係を有するので、案内部321が下穴311に入り込み、次いで係止部323の一部が円板状部材31に食い込み、充填溝322が円板状部材31のうち係止部323で押し込まれた部分(塑性変形した部分)で満たされるので、軸部材32は、その軸線が円板状部材31の端面に対して実質的に垂直な状態で接合される。この接合工程では、円板状部材31の一部が充填溝322に充填されると、円板状部材31は外径側が膨張するが、円板状部材31と固定金型41との間の隙間をその膨張量に見合うように設定しておくことにより、また軸部材32と固定金型41との間に隙間が存在するので、軸部材32が接合された円板状部材31をピン44で押すことによりプレス型から速やかに取り出すことができる。
【0018】
(5)仕上げ加工
図5に示すように、軸部材32の外周面及び円板状部材31の外周面に仕上げ加工(破線部)を施し、第一円周溝324及び第二円周溝325を形成するとともに、円板状部材31の内周面に軸受部用加工を施すことにより、第1フランジ3が作製される。必要に応じて、駆動軸部分にフライス加工を施しても良い。この第1フランジ3をスリーブ1の一端側に接着後(第1円周溝324は接着剤注入溝となり、第2円周溝325は接着剤溜となる。ただし一方の溝を省略することができる。)、永久磁石部材を組み込み、最後にスリーブ1の他端側に第2フランジ4を接着する。第1フランジ3は接着以外の手法(例えば圧入)により、スリーブ1に固着することが可能であり、その場合には第1円周溝324及び第2円周溝325を省略することができる。
【0019】
[2]第2の実施の形態
(1) マグネットロールの構成
マグネットロール10は、第1の実施の形態と同様である。
【0020】
(2)素材の準備
円板状部材31(外径Df、厚さtf)は、図6(b)に示すように、第1の実施の形態と同様のものを用いる。軸部材33は、図6(a)に示すように、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS303:18Cr-8Ni+P,S)からなる円柱状軸部材であり、一端側から順に、下穴311に挿入される案内部331(外径da、厚さt1)と、前記案内部331よりも小径の充填溝332(内径db、幅t2)と、前記下穴よりも大径の段差部333(外径dc)を有する。ここで、h1≧t1+t2、dc>D1≧da>db、V1≦V2[V1は充填溝の体積で、前記式(1)で表され、V2は押込部の体積で、前記式(2)で表される。ただし、図6(a)においてt3は、段差部333が円柱状部材31に押し込まれる部分の長さである。]なる寸法関係を有する。充填溝332の底面には、軸部材33の周り止めを行うために、ローレット加工により、例えば筋目又は七子目等の模様が形成されている。このローレット加工は、必要に応じて、段差部333の外周面にも施すことができる。
【0021】
(3)プレス加工の準備
図7に示すように、ベース50上に下型52を設置し、その周囲に円板状部材31を配置する。ここで、円板状部材31の内周は下型52と非接触状態となる(隙間が存在する)ようにしておく。次いで円板状部材31の下穴311に軸部材33の充填溝332及び案内部331を挿入し、軸部材33に上型51を載置する。
【0022】
(4)プレス加工
図8に示すように、上型51を下降させて、軸部材33の段差部333の上端面313に圧力(例えば、311×106〜416×106MPa)を加える(例えば油圧プレスによる)ことにより、円板状部材31に段差部333が食い込み、円板状部材31に塑性変形が生じ、円板状部材31の一部が塑性流動することにより充填溝332に充填されて、円板状部材31と軸部材33の接合が行われる。この接合工程において、軸部材33及び円板状部材31は前述した寸法関係を有するので、案内部331が下穴311に入り込み、次いで段差部333の一部が円板状部材31に食い込み、充填溝322が円板状部材31のうち段差部333で押し込まれた部分(塑性変形した部分)で満たされるので、軸部材33は、その軸線が円板状部材31の端面に対して実質的に垂直な状態で接合される。円板状部材31の一部が充填溝332に充填されると、円板状部材31は内径側及び外径側がともに膨張するが、円板状部材31と下型52との間の隙間をその膨張量に見合うように設定しておくことにより、軸部材33が接合された円板状部材31をプレス型から速やかに取り出すことができる。
【0023】
第1の実施の形態と同様の円板状部材31及び軸部材32を使用して、第2の実施の形態の方法でプレス加工を行うことも可能である。その場合、図9及び図10に示すように、段差部333を押し込んで円板状部材31に塑性変形を与える代わりに、係止部323を上型51で押し込んで円板状部材31に塑性変形を与え、円板状部材31及び軸部材32を接合する。
【0024】
(5)仕上げ加工
第1の実施の形態と同様にして行う。
【0025】
[3]より好ましい実施の形態
第2の実施の形態の場合は、軸部材を金型で押し込んでプレス加工するため、軸部材にわずかなたわみが生じる場合がある。特に軸部材の先端から圧力をかけて押し込むと軸部材のたわみは大きくなり、その結果現像ロールを回転させたときにフレが生じてしまう。従って、軸部材には係止部323又は段差部333から圧力をかけるのが好ましい。さらに、軸部材に圧力をかける第2の実施の形態よりも、円板状部材31に圧力をかける第1の実施の形態の方が軸部材のたわみが生じないため好ましい。
【0026】
[4]その他の実施の形態
本発明は、上記の実施の形態に限らず、種々の変更が可能であり、例えば次のような形態も含む。
【0027】
(1)円板状部材と軸部材とをともに強磁性体(例えば鉄鋼材料)で形成することができる。例えば非磁性一成分系現像剤(非磁性トナー又は弱磁性トナー)を現像領域に搬送するための現像ロールを製造する場合、非磁性体からなる円筒状部材(例えばAl合金製パイプ)の両端に、円板状部材と軸部材をともに強磁性体(例えば鉄鋼材料)で形成し(ただし、軸部材の少なくとも表面を円板状部材よりも高硬度とする)、両部材を接合した軸付フランジを固着することができる。
【0028】
(2)軸部材は、少なくとも軸受と接する部分が円形断面を有するものであればよく、端部側(円板状部材に接合される側とは反対側の端部)が非円形断面[例えば多角形状あるいは円柱体の一部を切欠いた(フライス加工を施す)形状]であってもよい。端部側が非円形断面でもモータなどの駆動源に接続することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の方法によって作製されるマグネットロールの一例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における、(a)円板状部材の一例を示す模式断面図、及び(b)軸部材の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、円板状部材及び軸部材を金型に載置した状態を模式的に示す部分断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、円板状部材及び軸部材を接合した後の状態を模式的に示す部分断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、第1フランジをスリーブの一端側に接着する工程を模式的に示す部分断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における、(a)軸部材の一例を示す模式図、及び(b)円板状部材の一例を示す模式断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態において、円板状部材及び軸部材を金型に載置した状態を模式的に示す部分断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態において、円板状部材及び軸部材を接合した後の状態を模式的に示す部分断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態において、円板状部材及び軸部材を金型に載置した状態を模式的に示す部分断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態において、円板状部材及び軸部材を接合した後の状態を模式的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1・・・スリーブ
2・・・永久磁石部材
3・・・第1フランジ
4・・・第2フランジ
5・・・永久磁石
6・・・シャフト
7,8・・・軸受
9・・・オイルシール
10・・・マグネットロール
30・・・駆動軸
31・・・円板状部材
311・・・下穴
312・・・軸受穴
313・・・上端面
32・・・軸部材
321・・・案内部
322・・・充填溝
323・・・係止部
324・・・第一円周溝
325・・・第二円周溝
33・・・軸部材
331・・・案内部
332・・・充填溝
333・・・段差部
34・・・フライス面
41・・・固定金型
42・・・可動金型
43・・・基準面
44・・・ピン
50・・・ベース
51・・・上型
52・・・下型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)塑性変形可能な金属材料からなり、中心に下穴を有する円板状部材と、円板状部材よりも硬質の金属材料からなる円柱状軸部材であって、一端側に前記下穴に挿入可能な外径を有する案内部と、前記案内部よりも小径の充填溝と、前記下穴よりも大径の係止部とを順に形成した軸部材とを準備する工程と、
(b)前記軸部材を固定型に配設して、前記係止部の駆動部側の端面を前記固定型の基準面に接触させる工程と、
(c)前記円板状部材の下穴側の端面を前記係止部の充填溝側の端面に接触させる工程と、
(d)前記円板状部材を可動型で押し込むことにより、前記円板状部材の一部を塑性変形により前記充填溝に充填する接合工程とを含むことを特徴とする現像ロール用フランジ組立体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の現像ロール用フランジ組立体の製造方法において、前記円板状部材及び前記軸部材は、前記下穴の内径をD1、深さをh1、前記案内部の外径をda、厚さをt1、前記充填溝の内径をdb、幅をt2、体積をV1、前記係止部の外径をdc、前記円板状部材のうち前記充填溝に充填される部分の体積をV2とした場合、h1≧t1+t2、dc>D1≧da>db、V1≦V2なる寸法関係を有することを特徴とする現像ロール用フランジ組立体の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の現像ロール用フランジ組立体の製造方法において、前記円板状部材及び前記軸部材は非磁性体であることを特徴とする現像ロール用フランジ組立体の製造方法。
【請求項4】
(a)塑性変形可能な金属材料からなり、中心に下穴を有する円板状部材と、円板状部材よりも硬質の金属材料からなる円柱状軸部材であって、一端側に前記下穴に挿入可能な外径を有する案内部と、前記案内部よりも小径の充填溝と、前記下穴よりも大径の段差部とを順に形成した軸部材とを準備する工程と、
(b)前記円板状部材を固定型の周囲に非接触で配設する工程と、
(c)前記軸部材を可動型で押し込むことにより、前記円板状部材の一部を塑性変形により前記充填溝に充填する接合工程とを含むことを特徴とする現像ロール用フランジ組立体の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の現像ロール用フランジ組立体の製造方法において、前記円板状部材及び前記軸部材は、前記下穴の内径をD1、深さをh1、前記案内部の外径をda、厚さをt1、前記充填溝の内径をdb、幅をt2、体積をV1、前記段差部の外径をdc、前記円板状部材のうち前記充填溝に充填される部分の体積をV2とした場合、h1≧t1+t2、dc>D1≧da>db、V1≦V2なる寸法関係を有することを特徴とする現像ロール用フランジ組立体の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の現像ロール用フランジ組立体の製造方法において、前記円板状部材及び前記軸部材は非磁性体であることを特徴とする現像ロール用フランジ組立体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−181039(P2009−181039A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21382(P2008−21382)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(393030718)イー・ディー・エル株式会社 (6)
【出願人】(507096939)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【出願人】(393027383)NEOMAX機工株式会社 (46)
【Fターム(参考)】