説明

現像方法

【課題】 柱状電極を有する半導体装置において、柱状電極を形成するためのドライフィルムレジストからなるメッキレジスト膜を現像する際、膨潤したメッキレジスト膜の急激な収縮を抑制し、且つ、レジスト残渣が発生しにくいようにする
【解決手段】 現像部32では、メッキレジスト膜25の非露光部は現像液と接触する表面から膨潤して溶解され、メッキレジスト膜25に柱状電極形成用の開口部が形成される。この状態では、メッキレジスト膜25の開口部の底部にレジスト溶解物が残存している。中間処理部33では、現像液用シャワー42およびリンス液用シャワー43から現像液およびリンス液が吹き出され、メッキレジスト膜25上で吹き出された両液が交差して混合される。これにより、膨潤したメッキレジスト膜25の急激な収縮を抑制し、且つ、レジスト残渣が発生しにくいようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は現像方法に関し、例えば、柱状電極を有する半導体装置の製造に際し、柱状電極を形成するためのメッキレジスト膜を現像する現像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の半導体装置には、CSP(Chip Size Package)と呼ばれるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この半導体装置では、半導体基板上に設けられた絶縁膜の上面に配線が設けられている。配線の接続パッド部上面には柱状電極が設けられている。配線を含む絶縁膜の上面において柱状電極の周囲には封止膜が設けられている。柱状電極の上面には半田ボールが設けられている。
【0003】
上記従来の半導体装置の製造方法では、柱状電極を形成するまでを簡単に説明すると、まず、ウエハ状態の半導体基板(半導体ウエハ)上に絶縁膜が形成されたものを準備する。次に、絶縁膜の上面全体に下地金属層を形成する。次に、下地金属層の上面に、電解メッキにより、配線用上部金属層を形成する。
【0004】
次に、配線用上部金属層を含む下地金属層の上面に、配線用上部金属層の接続パッド部つまり柱状電極形成領域に対応する部分に開口部を有するメッキレジスト膜を形成する。次に、下地金属層をメッキ電流路とした電解メッキを行なうことにより、メッキレジスト膜の開口部内の配線用上部金属層の接続パッド部上面に柱状電極を形成する。かくして、柱状電極が形成される。
【0005】
柱状電極形成用のメッキレジスト膜としては、一般的に、ネガ型のドライフィルムレジストが用いられている。そして、配線用上部金属層を含む下地金属層の上面にラミネートされたドライフィルムレジストからなるメッキレジスト膜に柱状電極形成用の開口部をフォトリソグラフィ法により形成する場合には、露光、現像を行う。
【0006】
ところで、従来の現像装置としては、例えば特許文献2に記載のものが知られている。この現像装置では、左側から右側に向かって、現像部、リンス部、エアーナイフ部および乾燥部がこの順で配列されている。そして、露光後のレジスト膜を上面に有する被処理基板は、現像部、リンス部、エアーナイフ部および乾燥部をこの順で通過する。
【0007】
現像部では、現像液がレジスト膜に吹き付けられ、レジスト膜がパターニングされる。リンス部では、リンス液がレジスト膜に吹き付けられ、レジスト膜に付着している現像液が洗い流される。エアーナイフ部では、エアーがレジスト膜に吹き付けられ、レジスト膜に付着しているリンス液が吹き飛ばされる。乾燥部では、赤外線がレジスト膜に照射され、レジスト膜の乾燥が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−60002号公報
【特許文献2】特開平11−204025号公報
【0009】
ところで、上記従来の現像装置を用いて、ネガ型のドライフィルムレジストからなる柱状電極形成用のメッキレジスト膜をパターニングして開口部を形成するとき、メッキレジスト膜の非露光部が現像液(炭酸ナトリウム1重量%水溶液)と接触する表面から膨潤して溶解され、メッキレジスト膜に開口部が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図12(A)に示すように、現像液の吹き付けによりメッキレジスト膜51に開口部52を形成した後に、リンス液(純水)を吹き付けると、現像液を吸収して膨潤されたメッキレジスト膜51がその表面から元に戻ろうとして急激に収縮し、図12(B)に示すように、開口部52の上部が広がり、開口部52内に形成される柱状電極の上部が歪んだ形状となってしまうという問題がある。また、メッキレジスト膜51の開口部52の底部にレジスト溶解物53が残存していると、リンス液(純水)の吹き付けにより、開口部52の底部にレジスト溶解物53がそのまま固着し、柱状電極を良好に形成することができなくなってしまうという問題もある。
【0011】
そこで、この発明は、膨潤したレジスト膜の急激な収縮を抑制し、且つ、レジスト残渣が発生しにくいようにすることができる現像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、露光後のレジスト膜に現像液を吹き付ける工程と、現像液を吹き付けられた後の前記レジスト膜に現像液とリンス液との混合液を吹き付ける工程と、混合液を吹き付けられた後の前記レジスト膜にリンス液を吹き付ける工程と、リンス液を吹き付けられた後の前記レジスト膜を乾燥する工程と、を有することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、現像液とリンス液との混合液を吹き付ける工程は、現像液用シャワーから吹き出された現像液とリンス液用シャワーから吹き出されたリンス液とを前記レジスト膜上で混合させる工程であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記レジスト膜を搬送させながら前記各工程を行うとき、前記現像液用シャワーは搬送方向の反対側に配置され、前記リンス液用シャワーは搬送方向側に配置されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記現像液用シャワーおよび前記リンス液用シャワーは棒状であって搬送方向に直交するように配置され、且つ、その各中心部の上方の位置を中心にして搬送方向と直交する方向に揺動されるようになっていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記現像液は、炭酸ナトリウム水溶液であることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記リンス液は、純水であることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、露光後のレジスト膜に現像液を吹き付ける工程と、現像液を吹き付けられた後の前記レジスト膜に希釈現像液を吹き付ける工程と、希釈現像液を吹き付けられた後の前記レジスト膜にリンス液を吹き付ける工程と、リンス液を吹き付けられた後の前記レジスト膜を乾燥する工程と、を有することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、希釈現像液を吹き付けるための希釈現像液用シャワーの吹き出し圧力および吹き出し流量は現像液を吹き付けるための現像液用シャワーの吹き出し圧力および吹き出し流量よりも高圧および多量であることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記レジスト膜を搬送させながら前記各工程を行うとき、前記希釈現像液用シャワーは棒状であって搬送方向に直交するように配置され、且つ、その中心部の上方の位置を中心にして搬送方向と直交する方向に揺動されるようになっていることを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1または7に記載の発明において、前記レジスト膜はドライフィルムレジストからなることを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記レジスト膜は、半導体ウエハ上に設けられ、該半導体ウエハ上に電解メッキにより柱状電極を形成するためのものであることを特徴とするものである。
請求項12に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記現像液は、炭酸ナトリウム水溶液であることを特徴とするものである。
請求項13に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記リンス液は、純水であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、現像液を吹き付けられた後のレジスト膜に現像液とリンス液との混合液あるいは希釈現像液を吹き付けることにより、膨潤したレジスト膜の急激な収縮を抑制し、且つ、レジスト残渣が発生しにくいようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の現像方法を含む製造方法により製造された半導体装置の一例の断面図。
【図2】図1に示す半導体装置の製造方法の一例において、当初準備したものの断面図。
【図3】図2に続く工程の断面図。
【図4】図3に続く工程の断面図。
【図5】図4に続く工程の断面図。
【図6】図5に続く工程の断面図。
【図7】図6に続く工程の断面図。
【図8】図7に続く工程の断面図。
【図9】図8に続く工程の断面図。
【図10】この発明の第1実施形態としての現像方法に用いる現像装置の一例の概略構成図。
【図11】この発明の第2実施形態としての現像方法に用いる現像装置の一例の概略構成図。
【図12】従来の問題点を説明するために示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1はこの発明の現像方法を含む製造方法により製造された半導体装置の一例の断面図を示す。この半導体装置は、一般的にはCSPと呼ばれるものであり、シリコン基板(半導体基板)1を備えている。シリコン基板1の上面には所定の機能の集積回路を構成する素子、例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ等の素子(図示せず)が形成され、その上面周辺部には、上記集積回路の各素子に接続されたアルミニウム系金属等からなる接続パッド2が設けられている。接続パッド2は2個のみを図示するが、実際にはシリコン基板1の上面周辺部に多数配列されている。
【0016】
シリコン基板1の周辺部および接続パッド2の中央部を除くシリコン基板1の上面には酸化シリコン等からなるパッシベーション膜3が設けられ、接続パッド2の中央部はパッシベーション膜3に設けられた開口部4を介して露出されている。パッシベーション膜3の上面にはポリイミド系樹脂等からなる保護膜5が設けられている。パッシベーション膜3の開口部4に対応する部分における保護膜5には開口部6が設けられている。
【0017】
保護膜5の上面には配線7が設けられている。配線7は、保護膜5の上面に設けられた銅等からなる下地金属層8と、下地金属層8の上面に設けられた銅からなる上部金属層9との2層構造となっている。配線7の一端部は、パッシベーション膜3および保護膜5の開口部4、6を介して接続パッド2に接続されている。
【0018】
配線7の接続パッド部上面には銅からなる柱状電極10が設けられている。配線7を含む保護膜5の上面において柱状電極10の周囲にはエポキシ系樹脂等からなる封止膜11が設けられている。柱状電極10は、その上面が封止膜11の上面と面一乃至数μm低くなるように設けられている。柱状電極10の上面には半田ボール12が設けられている。
【0019】
次に、この半導体装置の製造方法の一例について説明する。まず、図2に示すように、ウエハ状態のシリコン基板(以下、半導体ウエハ21という)の上面にアルミニウム系金属等からなる接続パッド2、酸化シリコン等からなるパッシベーション膜3およびポリイミド系樹脂等からなる保護膜5が形成され、接続パッド2の中央部がパッシベーション膜3および保護膜5の開口部4、6を介して露出されたものを準備する。なお、図2において、符号22で示す領域はダイシングストリートである。そして、ダイシングストリート22およびその両側に対応する部分におけるパッシベーション膜3および保護膜5は除去されている。
【0020】
次に、図3に示すように、パッシベーション膜3および保護膜5の開口部4、6を介して露出された接続パッド2の上面を含む保護膜5の上面並びにダイシングストリート22およびその両側に対応する部分における半導体ウエハ21の上面に下地金属層8を形成する。この場合、下地金属層8は、無電解メッキにより形成された銅層のみであってもよく、またスパッタにより形成された銅層のみであってもよく、さらにスパッタにより形成されたチタン等の薄膜層上にスパッタにより銅層を形成したものであってもよい。
【0021】
次に、下地金属層8の上面にポジ型の液状レジストからなる上部金属層用メッキレジスト膜23をパターン形成する。この場合、上部金属層9形成領域に対応する部分における上部金属層用メッキレジスト膜23には、フォトリソグラフィ法により、開口部24が形成されている。次に、下地金属層8をメッキ電流路とした銅の電解メッキを行なうと、上部金属層用メッキレジスト膜23の開口部24内の下地金属層8の上面に上部金属層9が形成される。次に、上部金属層用メッキレジスト膜23を剥離する。
【0022】
次に、図4に示すように、上部金属層9を含む下地金属層8の上面にネガ型のドライフィルムレジストからなる柱状電極形成用メッキレジスト膜25をパターン形成する。この場合、上部金属層9の接続パッド部(柱状電極10形成領域)に対応する部分における柱状電極形成用メッキレジスト膜25には、後述する現像方法を含むフォトリソグラフィ法により、開口部26が形成されている。
【0023】
次に、下地金属層8をメッキ電流路とした銅の電解メッキを行なうと、柱状電極形成用メッキレジスト膜25の開口部26内の上部金属層9の接続パッド部上面に柱状電極10が形成される。次に、柱状電極形成用メッキレジスト膜25を剥離する。次に、上部金属層9をマスクとして上部金属層9下以外の領域における下地金属層8をエッチングして除去すると、図5に示すように、上部金属層9下にのみ下地金属層8が残存される。この状態では、上部金属層9とその下に残存された下地金属層8とにより、2層構造の配線7が形成されている。
【0024】
次に、図6に示すように、配線7および柱状電極10を含む保護膜5の上面にスピンコート法等によりエポキシ系樹脂等からなる封止膜11をその厚さが柱状電極10の高さよりもやや厚くなるように形成する。したがって、この状態では、柱状電極10の上面は封止膜11によって覆われている。
【0025】
次に、封止膜11の上面側を適宜に研削し、図7に示すように、柱状電極10の上面を露出させ、且つ、この露出された柱状電極10の上面を含む封止膜11の上面を平坦化する。次に、図8に示すように、柱状電極10の上面に半田ボール12を形成する。次に、図9に示すように、封止膜11および半導体ウエハ21をダイシングストリート22に沿って切断すると、図1に示す半導体装置が複数個得られる。
【0026】
(第1実施形態)
ここで、ネガ型のドライフィルムレジストからなる柱状電極形成用メッキレジスト膜25(以下、単にメッキレジスト膜25という)に開口部26を形成するための現像方法について説明するに、まず、図10はこの発明の第1実施形態としての現像方法に用いる現像装置の一例の概略構成図を示す。
【0027】
この現像装置では、左側から右側に向かって、送り出しカセット部31、現像部32、中間処理部33、リンス部34、乾燥部35および収納カセット部36がこの順で配列されている。そして、露光後のメッキレジスト膜25を上面に有する半導体ウエハ21は、送り出しカセット部31から送り出され、コンベア37によって搬送され、現像部32、中間処理部33、リンス部34および乾燥部35をこの順で通過して収納カセット部36に収納されるようになっている。
【0028】
現像部32では、コンベア37の上方に複数本の棒状の現像液用シャワー41が半導体ウエハ21の搬送方向に直交するように配置され、現像液用シャワー41から現像液が矢印で示すように下方に向かって吹き出されるようになっている。中間処理部33では、コンベア37の上方の左側(現像部32側)に1本の棒状の現像液用シャワー42が半導体ウエハ21の搬送方向に直交するように配置され、コンベア37の上方の右側(リンス部34側)に1本の棒状のリンス液用シャワー43が半導体ウエハ21の搬送方向に直交するように配置され、現像液用シャワー42から現像液が矢印で示すように右斜め下方に向かって吹き出され、この吹き出しと同時にリンス液用シャワー43からリンス液が矢印で示すように左斜め下方に向かって吹き出され、コンベア37上の予め設定された位置で吹き出された両液が交差して混合するようになっている。
【0029】
リンス部34では、コンベア37の上方に複数本の棒状のリンス液用シャワー44が半導体ウエハ21の搬送方向に直交するように配置され、リンス液用シャワー44からリンス液が矢印で示すように下方に向かって吹き出されるようになっている。乾燥部35では、コンベア37の上方に平板状の高温窒素ガス放出板45が配置され、高温窒素ガス放出板45から高温窒素ガスが矢印で示すように下方に向かって吹き出されるようになっている。
【0030】
次に、この現像装置を用いた現像方法について説明する。露光後のメッキレジスト膜25を上面に有する半導体ウエハ21は、送り出しカセット部31から送り出され、コンベア37によって搬送され、現像部32、中間処理部33、リンス部34および乾燥部35をこの順で通過して収納カセット部36に収納される。
【0031】
このとき、現像部32では、現像液用シャワー42から現像液が矢印で示すように下方に向かって吹き出されて、メッキレジスト膜25に吹き付けられる。すると、メッキレジスト膜25の非露光部は現像液(炭酸ナトリウム1重量%水溶液)と接触する表面から膨潤して溶解され、メッキレジスト膜25に開口部26(図4参照)が形成される。現像処理における現像液中には、残渣となるレジスト溶解物(図示せず)が存在するため、この状態では、メッキレジスト膜25の開口部26の底部にレジスト溶解物(図示せず)が残存している。
【0032】
中間処理部33では、現像液用シャワー42から現像液(炭酸ナトリウム1重量%水溶液)が矢印で示すように右斜め下方に向かって吹き出され、この吹き出しと同時にリンス液用シャワー43からリンス液(純水)が矢印で示すように左斜め下方に向かって吹き出され、メッキレジスト膜25上で吹き出された両液が交差して混合される。
【0033】
現像液(炭酸ナトリウム1重量%水溶液)はアルカリ性であるため、仮に、中間処理部33を通過せずに、直接リンス部34に搬送してしまうと、単にリンス液(純水)だけを吹き付けることになり、急激にアルカリ濃度が低下して、レジスト溶解物(図示せず)がメッキレジスト膜25の開口部26の底部に付着してしまう。付着を減らすには水が必要であるが、リンス液(純水)への置換をゆっくり行うことが有効であり、現像液とリンス液を同時に吹き出してからリンス工程をすることにより、アルカリの急激な濃度変化が抑えられ、レジスト溶解物の付着を抑制できる。
【0034】
したがって、現像液を吸収して膨潤されたメッキレジスト膜25は、現像液とリンス液との混合液と接触するため、急激な収縮が抑制され、緩やかに収縮する。この結果、メッキレジスト膜25の開口部26の上部が広がることがなく、柱状電極10(図4参照)の上部が歪な形状とならないようにすることができる。また、メッキレジスト膜25の開口部26の底部に残存するレジスト溶解物が現像液とリンス液との混合液によって洗い流され、レジスト残渣が発生しにくいようにすることができる。
【0035】
ここで、中間処理部33において、コンベア37の上方の左側(半導体ウエハ21の搬送方向の反対側)に現像液用シャワー42を配置し、コンベア37の上方の右側(半導体ウエハ21の搬送方向側)にリンス液用シャワー43を配置しているのは、メッキレジスト膜25に現像液が当たった後にリンス液が当たるようにするためである。これとは逆にすると、メッキレジスト膜25にリンス液が当たった後に現像液が当たることになるため、好ましくない。
【0036】
リンス部34では、リンス液用シャワー44からリンス液が矢印で示すように下方に向かって吹き出されて、メッキレジスト膜25に吹き付けられ、メッキレジスト膜25に付着している現像液が洗い流される。乾燥部35では、高温窒素ガス放出板45から高温窒素ガスが矢印で示すように下方に向かって吹き出されて、メッキレジスト膜25に吹き付けられ、メッキレジスト膜25の乾燥が行われる。
【0037】
ところで、中間処理部33において、現像液(炭酸ナトリウム1重量%水溶液)とリンス液(純水)とを混合させると、現像液の濃度が薄くなり、現像液を循環して再利用することができなくなってしまう。そこで、次に、現像液を循環して再利用することができる実施形態について説明する。
【0038】
(第2実施形態)
図11はこの発明の第2実施形態としての現像方法に用いる現像装置の一例の概略構成図を示す。この現像装置において、図10に示す現像装置と異なる点は、中間処理部33において、コンベア37の上方に複数本の棒状の希釈現像液用シャワー46を半導体ウエハ21の搬送方向に直交するように配置し、希釈現像液用シャワー46から希釈現像液を矢印で示すように下方に向かって吹き出させるようにした点である。
【0039】
この現像装置を用いた現像方法では、上記第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる上に、中間処理部33において、リンス液との混合がないので、希釈現像液用シャワー46から吹き出された希釈現像液(0.5重量%以下の炭酸ナトリウム水溶液)を循環して再利用することができる。この場合、希釈現像液用シャワー46の吹き出し圧力および吹き出し流量は、現像部32の現像液用シャワー41の吹き出し圧力および吹き出し流量よりも高圧および多量である方が望ましい。このようにすると、メッキレジスト膜25の開口部26の底部に残留するレジスト溶解物を飛ばしやすくすることができる。
【0040】
(その他の実施形態)
図10に示す場合において、棒状の現像液用シャワー42および棒状のリンス液用シャワー43をその各中心部の上方の所定の位置を中心にして半導体ウエハ21の搬送方向と直交する方向に揺動させるようにしてもよい。また、図11に示す場合において、希釈現像液用シャワー46をその中心部の上方の所定の位置を中心にして半導体ウエハ21の搬送方向と直交する方向に揺動させるようにしてもよい。さらに、図10および図11にそれぞれ示す場合において、リンス部34と乾燥部35との間に、リンス部34においてメッキレジスト膜25に付着したリンス液を吹き飛ばすために、高圧エアーを吹きかけるエアーノズルを有するエアーナイフ部を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 シリコン基板
2 接続パッド
3 パッシベーション膜
5 保護膜
7 配線
10 柱状電極
11 封止膜
12 半田ボール
21 半導体ウエハ
22 ダイシングストリート
23 上部金属層用メッキレジスト膜
24 開口部
25 柱状電極用メッキレジスト膜
26 開口部
31 送り出しカセット部
32 現像部
33 中間処理部
34 リンス部
35 乾燥部
36 収納カセット部
37 コンベア
41 現像液用シャワー
42 現像液用シャワー
43 リンス液用シャワー
44 リンス液用シャワー
45 高温窒素ガス放出板
46 希釈現像液用シャワー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光後のレジスト膜に現像液を吹き付ける工程と、
現像液を吹き付けられた後の前記レジスト膜に現像液とリンス液との混合液を吹き付ける工程と、
混合液を吹き付けられた後の前記レジスト膜にリンス液を吹き付ける工程と、
リンス液を吹き付けられた後の前記レジスト膜を乾燥する工程と、
を有することを特徴とする現像方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、現像液とリンス液との混合液を吹き付ける工程は、現像液用シャワーから吹き出された現像液とリンス液用シャワーから吹き出されたリンス液とを前記レジスト膜上で混合させる工程であることを特徴とする現像方法。
【請求項3】
請求項2に記載の発明において、前記レジスト膜を搬送させながら前記各工程を行うとき、前記現像液用シャワーは搬送方向の反対側に配置され、前記リンス液用シャワーは搬送方向側に配置されていることを特徴とする現像方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発明において、前記現像液用シャワーおよび前記リンス液用シャワーは棒状であって搬送方向に直交するように配置され、且つ、その各中心部の上方の位置を中心にして搬送方向と直交する方向に揺動されるようになっていることを特徴とする現像方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の発明において、前記現像液は、炭酸ナトリウム水溶液であることを特徴とする現像方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の発明において、前記リンス液は、純水であることを特徴とする現像方法。
【請求項7】
露光後のレジスト膜に現像液を吹き付ける工程と、
現像液を吹き付けられた後の前記レジスト膜に希釈現像液を吹き付ける工程と、
希釈現像液を吹き付けられた後の前記レジスト膜にリンス液を吹き付ける工程と、
リンス液を吹き付けられた後の前記レジスト膜を乾燥する工程と、
を有することを特徴とする現像方法。
【請求項8】
請求項7に記載の発明において、希釈現像液を吹き付けるための希釈現像液用シャワーの吹き出し圧力および吹き出し流量は現像液を吹き付けるための現像液用シャワーの吹き出し圧力および吹き出し流量よりも高圧および多量であることを特徴とする現像方法。
【請求項9】
請求項7に記載の発明において、前記レジスト膜を搬送させながら前記各工程を行うとき、前記希釈現像液用シャワーは棒状であって搬送方向に直交するように配置され、且つ、その中心部の上方の位置を中心にして搬送方向と直交する方向に揺動されるようになっていることを特徴とする現像方法。
【請求項10】
請求項1または7に記載の発明において、前記レジスト膜はドライフィルムレジストからなることを特徴とする現像方法。
【請求項11】
請求項10に記載の発明において、前記レジスト膜は、半導体ウエハ上に設けられ、該半導体ウエハ上に電解メッキにより柱状電極を形成するためのものであることを特徴とする現像方法。
【請求項12】
請求項7に記載の発明において、前記現像液は、炭酸ナトリウム水溶液であることを特徴とする現像方法。
【請求項13】
請求項7に記載の発明において、前記リンス液は、純水であることを特徴とする現像方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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