説明

現像装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】 現像剤担持体上の現像履歴によるゴーストを抑え、現像剤担持体上に形成される現像剤層の現像剤量及び現像剤帯電量をより一層均一化させることで長期に亘って安定した現像特性を備えた現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 静電潜像が担持される像担持体に対向し、回転可能で表面に現像剤を担持し且つ表面の算術平均粗さRaが0.7μm以下の現像剤担持体1と、この現像剤担持体1と離間配置され且つ当該現像剤担持体1への現像剤供給を促す供給バイアス3が印加された現像剤供給部材2と、現像剤担持体1に対向配置され且つ当該現像剤担持体1上の残留現像剤を回収する現像剤回収部材4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷装置等の画像形成装置で用いられる現像装置に係り、特に、非磁性一成分現像剤を用いた現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像装置としては、トナーのみからなる非磁性一成分現像剤(トナー)を用いた非磁性一成分現像方式と、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いる二成分現像方式とが知られている。中でも、非磁性一成分現像方式の現像装置は、キャリアとの混合、撹拌、トナー濃度の制御が不要であるため、装置の小型化、低コスト化が可能であり、更に、現像剤の交換作業等が不要なため、主としてメンテナンスフリーが要望されるプリンタにおいて使用されることが多くなってきている。
【0003】
非磁性一成分現像方式においては、現像ロール上に所定のトナー量及びトナー帯電量を備えたトナー層を如何に形成するかが重要な要因となる。現像ロール表面へトナーの薄層を形成する一般的方式としては、発泡体から構成されるトナー供給ロールを現像ロールに押し付け、その押圧によって形成されたニップ域での力学的付着力あるいはわずかな静電気力を利用して、トナー粒子を多量且つ不均一な厚さで現像ロールに付着させ、その後トナー層厚規制部材によってトナー層厚を規制しつつ、同時にトナー粒子の摩擦帯電を行う方式が知られている。
このとき、現像ロールとして利用される弾性ロール(例えばゴムロール)又は剛性ロールは、その表面にトナーを担持し搬送する機能を果たすため、所定の表面粗さが必要とされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、現像ロールの表面弾性層の最外層に平均粒径5〜30μmの絶縁性粒子を分散させたコーティング層を形成し、このコーティング層の十点平均粗さRzが3〜12μmであり、かつ、表面の凹凸の平均間隔を30〜150μmとすることで、トナーの帯電性及び搬送性が良好に確保されることが示されている。また、特許文献2には、所謂重合トナーを使用する際の現像ロール表面として、算術平均粗さRaが0.2〜5.0μm、表面凹凸の平均間隔(Sm)が10〜80μmであり、0.05≦Ra/Sm≦0.5の関係を満たすようにすればよいことが示されている。更に、特許文献3には、ブラスト処理された現像ロール表面に樹脂塗工やめっき処理による被膜形成を行い算術平均粗さRaが0.3〜3μmとすることが示されている。
このように、現像ロールの表面粗さには、トナーの帯電性及び搬送性確保のために、所定の粗さが必要とされている。
【0005】
ここで、JIS B0601−1994に示されるように、算術平均粗さRaは、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、基準長さ当たりに平均化した値である。そのため、1つの傷が測定値に及ぼす影響が非常に小さくなり、安定した結果が得られると言われる。一方、十点平均粗さRzは、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和である。以上の観点から、本件では傷等の影響を受けにくい算術平均粗さRaを中心に議論して行く。尚、JIS B0601−2001においては十点平均粗さRzは削除されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−304053号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献2】特開平8−15979号公報(課題を解決するための手段及び作用、図1)
【特許文献3】特開2000−206776号公報(課題を解決するための手段)
【特許文献4】特開平9−311539号公報(発明の実施の形態、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1〜3に示す方式では、次のような問題があった。
すなわち、上述した方式では、現像終了後の現像ロール表面に残った残留トナーの現像履歴を消去してゴースト現象のない画像を得ようとするために、現像ロールに発泡体のトナー供給ロールを圧接させることで、現像ロール上の残留トナーを剥離しようとする方式となっている。しかしながら、現像ロールにトナー供給ロールを接触させてトナーを供給するには、現像ロール表面が所定の粗さを持って、供給されるトナーを現像ロール表面に保持する必要がある。そのことは却って、トナー供給ロールの圧接時に現像ロール表面から残留トナーを掻き取りきれないことになり、残留トナーの剥離性能が不十分でゴーストが解消されない。よって、表面粗さを小さくした現像ロールの実用化は困難であった。
【0008】
更に、これらの方式では、現像ロールにトナー供給ロールを圧接させているため、トナー粒子に過大なストレスが与えられる結果、例えばトナー表面の外添剤粒子がトナー内部に埋め込まれ、トナーの流動性、帯電性が変化し、画質が劣化するようになる。また、この圧接によって現像装置内の駆動トルクが大きくなり、所謂バンディング(画像の例えばハーフトーン部に出現する帯状の濃度むら)も発生する。
【0009】
このような問題を解決するために、現像ロールとトナー供給ロールとを離間配置した方式が提示されている(例えば特許文献4参照)。
特許文献4では、所定の表面粗さを有した非磁性のSUS(ステンレス)やアルミニウム等の金属材料からなる現像ロール(現像スリーブ)に、カーボンブラックを分散したシリコーンゴムの単泡性の発泡体からなるトナー供給ロールを20〜800μm離間させて、現像スリーブに現像バイアスとしてブランクパルス(交流電圧と直流電圧を重畳して印加する区間(振幅部)と、これに続いて直流電圧のみを印加する区間(ブランク部)の全体を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すバイアス)を印加する非接触現像方式が開示されている。そして、このときの現像ロールの表面は、十点平均粗さRzが3.0μm以上となっている。
【0010】
この文献では、通常の矩形波現像バイアスの場合には現像選択性が強くなり、一方、トナーを現像させる側の電圧がトナーを引き戻す側の電圧より大きいパルスを印加した場合には、潜像の高濃度部を現像する際に、現像ロール上のトナーのうち高帯電量トナーに偏った現像が行われがちになり、低帯電量トナーの多くが現像ロール上に残るようになる。そのため、これが原因となって、次の現像時にハーフトーン画像に高帯電トナーが現像されるようなバイアス波形がくると、現像に必要な帯電量以上のトナーが不足し、結果的にネガゴーストが発生するようになる。そのため、上述したブランクパルスを印加することで、現像ロール上トナーの平均帯電量近辺のトナーによる現像がほぼ安定して行われるようになり、ゴーストの発生を防ぐことができる、とされている。そして、具体的な現像ロールの表面粗さとしては、SUSで十点平均粗さRzが3.0μmの例、アルミニウム素管にカーボンコーティングしたRzが5.0μmの例が示されている。
更に、この文献においては、トナー供給ロールに上述したブランクパルスを現像バイアスとは周波数を変えて印加することで、トナー供給ロールから現像ロールへのトナー供給量が不足することのないようにしていることが記されている。
【0011】
しかしながら、この方式においては、次のような問題がある。第一に、現像ロールに現像バイアスとしてブランクパルスを印加しているため、トナー供給ロールに印加されるブランクパルスに対する現像バイアスの影響が生じ、現像ロールへの安定したトナー供給ができず、供給されるトナー量も勢い多量となる。第二に、現像ロール上に多量のトナーが供給される結果、この供給された多量のトナーの層厚規制と帯電規制を弾性ブレードによる摺擦並びに摩擦帯電作用を利用して行う必要があり、更に、現像ロールの表面粗さも粗いことから、弾性ブレードによるトナーの圧接によってトナー粒子への過大なストレスの付与を避けることができない。その結果、例えばトナー表面の外添剤粒子がトナーに埋め込まれ、トナーの流動特性、帯電特性が変化し、画質が劣化するという問題は完全には解消されない。更には、この弾性ブレードにトナーが固着し、得られる画像に白スジや黒スジが発生するという問題も解消されない。
【0012】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、現像剤担持体上の現像履歴によるゴーストを抑え、現像剤担持体上に形成される現像剤層の現像剤量及び現像剤帯電量をより一層均一化させることで長期に亘って安定した現像特性を備えた現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、本発明に係る第一の現像装置の態様としては、図1に示すように、静電潜像が担持される像担持体に対向し、回転可能で表面に現像剤を担持し且つ表面の算術平均粗さRaが0.7μm以下の現像剤担持体1と、この現像剤担持体1と離間配置され且つ当該現像剤担持体1への現像剤供給を促す供給バイアス3が印加された現像剤供給部材2と、現像剤担持体1に対向配置され且つ当該現像剤担持体1上の残留現像剤を回収する現像剤回収部材4とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
このような技術的手段において、本発明に係る現像装置は、非磁性一成分現像剤(現像剤)を使用するものであり、現像剤担持体1は現像剤を担持できるものであればよく、ドラム状、ベルト状を含む。また、効果的に現像を行う観点からは、現像剤担持体1は静電潜像が担持される像担持体と接触配置される態様が好ましいが、非接触であっても差し支えない。更に、現像剤担持体1としては表面粗さを小さく維持できるものであればよく、例えば金属等の剛体の態様や筒状薄膜部材(可撓性チューブ)の態様が挙げられる。尚、現像剤担持体1と像担持体とは接触、非接触いずれであっても差し支えない。
【0015】
また、現像剤供給部材2は、現像剤担持体1へ現像剤を供給可能にするものであればよく、剛体、弾性体いずれでもよいが、現像剤担持体1との離間距離を安定に維持し、現像剤の供給条件を一定に保つ観点から剛体、例えば金属ロールが好ましい。
更に、本発明においては、現像剤担持体1と現像剤供給部材2とは両者の対向部位で互いに同じ方向に移動する構成(With構成)であっても互いに反対方向に移動する構成(Against構成)であってもよい。
更にまた、現像剤回収部材4は、現像剤担持体1上の残留現像剤を回収できればよく、その形状はロール状、シート状等いずれでもよく、現像剤回収部材4は現像剤担持体1と離間していてもよいし、接触していてもよい。
【0016】
そして、本発明における供給バイアス3は、現像剤担持体1と現像剤供給部材2との間に印加され、現像剤担持体1へ現像剤の供給を制御するものであり、この供給バイアス3によって、現像剤担持体1上に所定量の現像剤量が供給される。
【0017】
また、本発明では、現像剤供給部材2が現像剤回収部材4を兼用することが好ましく、この場合、現像剤担持体1の表面粗さが小さく抑えられ、現像剤担持体1と現像剤供給部材2とのギャップでの現像剤の流れや現像剤担持体1上の残留現像剤への叩き出し効果が重なり、現像剤担持体1上の残留現像剤の剥離性が一層向上する。そのため、ゴーストの防止効果が一層よくなると共に、現像剤回収部材4を不要とする分、装置の低コスト化、小型化が可能になる。
【0018】
また、本発明においては、現像剤回収部材4を現像剤供給部材2の上流側に配置するようにすれば、現像剤担持体1上の残留現像剤を有効に回収することができる。
更に、現像剤回収部材4に現像剤担持体1からの現像剤の回収を促す回収バイアスを印加するようにすれば、この場合、現像剤担持体1上の残留現像剤の回収を一層効果的に行うことができる。
【0019】
また、供給バイアス3としては、現像剤担持体1に印加される現像バイアスに重畳され、1周期中に、少なくとも現像剤供給部材2から現像剤担持体1への現像剤の移動を促す電界成分が含まれ且つ現像剤担持体1と現像剤供給部材2との間で現像剤の移動に作用する作用領域と、現像剤の移動に作用しない非作用領域とを含むようにすることが好ましく、このような供給バイアス3を現像剤担持体1と現像剤供給部材2との間に印加することで、現像剤供給部材2から現像剤担持体1への現像剤供給量を一層薄く制御し易くなる。
そして、供給バイアス3として、作用領域の交番電界を印加するようにすれば、現像剤薄層の均一性が良好となり、更に、現像剤供給部材2が現像剤回収部材4を兼用する態様において、現像剤担持体1上の残留現像剤が一層回収し易くなる。
【0020】
ここで、現像剤担持体1の表面粗さの作用について説明する。図2(a)(b)は、現像後の現像剤担持体1上に残った残留現像剤が現像剤供給部材2(図1参照)との対向部位にて生じる現像剤の流動(両者の対向部位での現像剤の流れや飛翔)によって剥離された状態を表す概念図である。尚、このとき、現像剤供給部材2から新たに供給される現像剤の付着については除いている。
(a)は、本発明のように、現像剤担持体1の表面の算術平均粗さRaが小さい状態を示し、(b)は、従来のように算術平均粗さRaが大きい場合を示している。すなわち、(a)のように算術平均粗さRaが小さい場合は、上述した現像剤の流動によって容易に残留現像剤が剥離されるのに対し、(b)のように算術平均粗さRaが大きい場合は、現像剤の流動による残留現像剤の剥離が困難となる。
(b)のようにRaが大きい場合には、現像剤担持体1の凹部に埋まっている現像剤(図中黒色で表す粒子)は、凹部に入り込んでいる分、現像剤の流動によるせん断力を受け難くなっており、現像剤担持体1から剥離し難い。更に、この凹部に残った現像剤(黒色)の上にある現像剤(図中白色で表す粒子)は、現像剤相互の凝集力やファンデルワールス力等によって、例えば現像剤担持体1上に直接付着した現像剤(図中灰色(斜線)で表す粒子)の付着力より大きいものと推測される。
【0021】
そして、現像剤担持体1と現像剤供給部材2との対向部位で新たに供給された現像剤は、このような表面に積層されることから、算術平均粗さRaが大きい場合には、現像履歴に沿った現像剤量の不均一性が生じ易くなる。一方、本発明のごとく、現像剤担持体1の算術平均粗さRaが小さい場合には、現像剤担持体1からの現像剤剥離が十分確保されるため、対向部位を過ぎた現像剤担持体1上には殆ど新たに供給された現像剤の薄層のみが形成され、均一化がなされ易い。
本発明においては、現像剤担持体1表面の算術平均粗さRaを0.7μm以下としていることから、上述の効果を奏す。尚、具体的には実施例にて示す。
【0022】
そして、本発明にあっては、図1に示すように、更に、現像剤供給部材2より現像剤担持体1の現像剤搬送方向下流側に配設され且つこの現像剤担持体1上の現像剤の帯電制御を行う帯電部材5を備え、この帯電部材5と現像剤担持体1との間に定電流制御される帯電バイアスが印加されるようにすることが好ましい。このように、定電流制御される帯電バイアスを印加することで、十分制御された均一な帯電量を現像剤に与えることが可能になる。そのため、現像剤担持体1上の残留現像剤の帯電量も均一になり、残留現像剤の除去も一層し易くなる。
また、帯電部材5は、現像剤担持体1に接触、離間のいずれの態様であってもよいが、接触配置の場合は、現像剤担持体1上の現像剤量を安定させる観点から、帯電部材5は回転する態様が好ましく、この場合、現像剤担持体1とはWith方向に回転(両者の対向部位で互いの回転方向が同じ方向)するようにすることが好ましい。
【0023】
また、本発明による画像形成装置の態様としては、静電潜像が担持される像担持体と、
この像担持体上の静電潜像を現像する現像装置として、上述の現像装置を備えるものが挙げられる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の基本的構成によれば、表面の算術平均粗さRaを0.7μm以下とした現像剤担持体に対し現像剤供給部材を離間配置させ、現像剤供給部材へ現像剤担持体への現像剤の供給を促す供給バイアスを印加し、現像剤担持体上の残留現像剤を回収する現像剤回収部材を備えるようにしたので、現像剤担持体上の現像後の残留現像剤を容易に回収することができ、ゴーストを防止することができる。また、残留現像剤を回収できることから、現像剤担持体上へ供給される現像剤が均一な薄層を形成できるようになる。
そして、本発明に係る現像装置の代表的態様としては、現像剤供給部材が現像剤回収部材を兼用するものが挙げられ、この場合、低コスト化、小型化が一層向上した現像装置が可能になる。
このため、長期に亘って良好な画質を維持できる現像装置を提供することが可能になり、更に、これらの現像装置を用いることで、長期に亘って安定した画像が形成できる画像形成装置を容易に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図3は、本発明が適用された実施の形態1の画像形成装置を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21は帯電ロール等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この書き込まれた静電潜像は、感光体21の光の当たった部分の表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、現像装置30は、現像ハウジング31内に非磁性一成分現像剤であるトナーを収容し、現像剤担持体としての現像ロール32にトナーを担持させ、この現像ロール32にバイアス電源33から直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加することで、現像ロール32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。
【0026】
更に、現像ロール32の背後には、現像ロール32と離間した位置にトナーを現像ロール32へ供給するトナー供給ロール34(現像剤供給部材に相当)が配設され、現像剤がトナー供給ロール34から現像ロール32へ供給されるようになっている。
また、転写装置26は、例えば感光体21に接触配置される転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって感光体21上で現像されたトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加することで、感光体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。
更に、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
【0027】
更にまた、感光体21上のトナー像が転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像は記録材28に定着される。
定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像が記録材28に定着されるようになっている。
【0028】
ここで、本件発明の特徴点である現像装置30について、図4に基づいて詳細に説明する。本実施の形態における現像装置30は、現像剤供給部材が現像剤回収部材を兼用したものとなっている。同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面する位置に、感光体21とギャップをもって現像ロール32を回動自在に収容している。
本実施の形態での現像ロール32は、ステンレス(SUS)の表面を鏡面仕上げした金属ロールで構成され、算術平均粗さRaが0.145μm、最大高さRyが1.801μm、十点平均粗さRzが1.118μmとなっている。尚、表面粗さの測定は、JIS B0601−1994に準拠し、(株)東京精密製Surfcom1400Aにて、ロールの円周方向に沿って測定長1.5mm、カットオフ波長0.25mm、測定速度0.3mm/secの条件で測定した。
【0029】
この現像ロール32の背後には、現像ロール32と離間された位置に、現像ロール32に現像剤としてのトナーを供給するステンレス(SUS)の表面を鏡面仕上げした金属ロールからなるトナー供給ロール34が配設され、現像ロール32とトナー供給ロール34とは両者の対向部位で互いに同方向(With方向)に回転するように構成されている。尚、トナー供給ロール34としては、現像ロール32にトナーを供給できるものであればベルト状であっても差し支えない。
そして、本実施の形態では、トナー供給ロール34と現像ロール32との間にはバイアス電源35が接続され、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給を行う供給バイアスが印加されるようになっている。
また、このトナー供給ロール34の背後には、トナーを収容するトナーホッパ36が設けられ、例えば図示外のアジテータによってトナーが撹拌され、トナー供給ロール34側へトナーが搬送されるようになっている。尚、図中符号37は、トナー供給ロール34上のトナーを掻き落とすためのPET(ポリエステル)シート等の掻き取り部材である。
【0030】
更に、本実施の形態においては、現像ロール32と対向する位置で、現像ロール32とトナー供給ロール34との対向部位のトナー搬送方向下流側に、現像ロール32上のトナーの帯電を行う帯電部材としての帯電ロール41が配設されている。
本実施の形態における帯電ロール41は、SUS等の金属製ロールに体積抵抗率1×1010Ω・cmの100μm厚のポリフッ化ビニリデン(PVDF)チューブを被覆したもので、現像ロール32に対し、ギャップが0〜50μmとなるように設けられている。このギャップが0〜50μmとは、各ロールの寸法公差と取り付け公差によって、帯電ロール41を1回転させた際に、この範囲で実際のギャップが変動することを示している。
【0031】
また、この帯電ロール41には、現像ロール32との間にバイアス電源43を接続し、帯電ロール41と現像ロール32との間で定電流制御された帯電バイアスが印加されるようになっている。
更に、帯電ロール41の現像ロール32と略反対側には、帯電ロール41上の付着トナーを掻き取る、例えばPET(ポリエステル)シートからなる掻き取り部材44が設けられ、帯電ロール41表面のクリーニングによって常に安定した帯電バイアスが印加され、現像ロール32上のトナーへの安定した帯電制御が行われるようになっている。
【0032】
ここで、本実施の形態におけるトナー供給ロール34と現像ロール32との間に印加される供給バイアスについて説明する。
図5は、本実施の形態における供給バイアスの電圧波形の一例を示すもので、台形波(矩形波)の大きな電圧変動がある作用時間(作用領域に相当)と、その後に続く電圧ゼロの非作用時間(非作用領域に相当)とで1周期をなす電圧波形となっている。そして、この電圧波形が加わるように、バイアス電源35が構成されている。尚、トナー供給ロール34には、現像ロール32へ印加される現像バイアスに重畳された波形として加えられる。
すなわち、本実施の形態では、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー飛翔を台形波の大きな変動がある作用時間に行い、1周期に占める作用時間の割合(デューティ比)を変えることで現像ロール32へ供給されるトナー量を制御できるようにしている。また、トナーが不要な帯電をすることもない。仮に、この作用時間を連続させると、供給されるトナー量が多くなりすぎて供給量を制御し難い。
【0033】
次に、本実施の形態に係る、特に現像装置30の作動について図4を基に説明する。
同図において、トナーホッパ36内でアジテータによって撹拌されたトナーは、トナー供給ロール34へ供給される。トナー供給ロール34に供給されたトナーは、現像ロール32とトナー供給ロール34との間のバイアス電源35による供給バイアスによって、現像ロール32へ所定量のトナーが供給され、現像ロール32上にはトナー薄層が均一に形成される。
このとき、本実施の形態では、現像ロール32とトナー供給ロール34との間の供給バイアスとして、図5に示す電圧波形のバイアスが印加されている。このようなバイアスを印加するには、例えばCPU等を基にした波形発生回路を用い、現像バイアスとしては直流成分と交流成分を重畳したものをバイアス電源33に、更に、供給バイアスとしては図5のような波形を合成した後バイアス電源35に印加するようにすればよい。
【0034】
この現像ロール32上に均一に薄層形成されたトナーは、続く帯電ロール41によって所定の帯電量に帯電された後、感光体21と現像ロール32との対向部位である現像領域にて現像に供される。
ここで、現像ロール32上に均一に形成されたトナー薄層は、感光体21側の静電潜像に沿って現像され、トナー消費量が箇所毎に異なる。その結果、現像を終えた後の現像ロール32上には消費されなかったトナーが残留している。そして、この残留トナーは現像ロール32の回転に伴ってそのまま搬送され、トナー供給ロール34との対向部位に到達する。本実施の形態では、現像ロール32表面の粗さを小さくしていることから、現像ロール32とトナー供給ロール34とのギャップ間で飛翔するトナーによって、現像ロール32上の残留トナーは容易に剥離されるようになる。そして、この現像ロール32上に新たなトナーが供給され、トナー薄層が形成されるようになる。
一方、トナー供給ロール34上で現像ロール32側に供給されなかったトナーは、掻き取り部材37によって掻き取られ、トナー供給ロール34上に供給されるトナー量も常時安定する。そのため、現像ロール32へ供給されるトナー量の安定性が一層維持される。
【0035】
ここで、本件のゴースト現象の解消メカニズムについて、別途評価を行った内容について説明する。
トナー供給ロール34として、従来の発泡ロールを使用して現像ロール32に接触配置させた場合(接触タイプ)と、本実施の形態のごとく、鏡面仕上げをした現像ロール32とトナー供給ロール34とを使用し、両者を非接触配置した場合(非接触タイプ)の二種について、現像ロール32のトナー付着量に着目して実験を行った。尚、先ず初めの現像前の現像ロール32上のトナー付着量はいずれも5g/mとしている。
【0036】
図6は、従来の接触タイプと本発明による非接触タイプとを比較したものである。
従来の接触タイプでは、現像領域(感光体21と現像ロール32との対向部位)での現像効率を80%とすると、画像部でのトナー残りは1g/mとなる。したがって、現像後の現像ロール32上には非画像部5g/mと画像部(ベタ画像)1g/mの付着量のトナーが、そのままトナー供給領域(現像ロール32とトナー供給ロール34との対向部位)に達する。ここで、一旦トナーは現像ロール32から除去されるが、表面粗さや接触圧等の影響により完全には除去されず、その上に新たに供給されるトナーによって、非画像部では40g/mのトナー付着量となる。一方、画像部では、トナー粒子に覆われずに現像ロール32の表面が露出している部分が多く、現像ロール32表面に対する新たに供給されたトナー粒子の付着力は、残留トナーに対する付着力より相対的に小さいため、ベタ画像が現像された画像部では非画像部より少ない25g/mのトナーが付着する。尚、この従来方式でのトナー層の状態は、非画像部、画像部共に非常に不均一であるが、これは発泡体表面の気泡そのものの大きな凹凸によるものであり、更に、気泡内に充填されたトナーの凝集作用に起因するものである。
【0037】
そして、このように非画像部と画像部とで付着したトナー量が異なるまま、トナー規制部材であるブレードに進入すると、ブレード通過後(帯電も同時に行われる)には、トナー付着量は、非画像部で5g/m、画像部で3g/mとなる。
そのため、続く現像領域にはトナー付着量が不均一な状態でトナー供給が行われるため、特に、ハーフトーン画像を描いたときに、1周前の画像部の履歴がそのまま現れ、周囲のハーフトーン画像より薄くなるというネガゴースト現象が発生する。
【0038】
これに対し、本実施の形態においては、現像ロール32の表面粗さが小さく抑えられていることで、現像効率も高まり、現像後のトナー付着量は非画像部で5g/m、画像部で0.5g/mとなる。この現像効率の向上は、現像ロール32表面の凹部が浅く、少ないことから、そこに埋まって現像されにくいトナーの絶対量が少ないことに起因している。
次に、トナー供給領域に達すると、現像ロール32とトナー供給ロール34とのギャップでのトナーの流れやトナー飛翔により、現像ロール32上の残留トナーは掻き落とされたり叩き落とされて現像ロール32から剥離される。このとき、現像ロール32の表面粗さが小さいため、非画像部、画像部共に現像ロール32からトナーが一旦完全に剥離される確率が非常に高く、非画像部と画像部の履歴がほぼ解消される。そのため、新たに供給されるトナーは、非画像部、画像部の区別なく、同様のトナー量の7g/mが付着する。尚、トナー供給領域での供給バイアスによって、現像ロール32上の残留トナーを剥離し、更に、現像ロール32上に薄いトナー層を形成することが一層確実に実施されるようになる。
【0039】
このトナー層は均一性に富んだものであり、現像ロール32と帯電ロール41との対向部位では、帯電ロール41によって僅かに静電吸引され、付着量の僅かな減少が生じ5g/mとなる。このとき、定電流制御された放電電荷により、トナー層には所定の帯電量が付与されるようになり、その後の現像に供される。
したがって、本実施の形態においては、現像前には均一なトナー薄層、均一な帯電量が確保されることとなり、安定した現像が行われ、良好な画質が長期に亘って維持される。
【0040】
以上のように、本実施の形態においては、現像ロール32の表面粗さを小さくしたことから、現像ロール32に残留したトナーの掻き落とし(剥離)が容易になり、現像履歴が抑えられる。また、掻き落とし時のトナーに与えるストレスも大幅に軽減されることから、例えばトナー表面の外添剤粒子がトナー中に埋め込まれることで発生するトナーの流動性や帯電特性の変化も抑えることができる。また、圧接部が減少するので、現像ロール32へのトナーフィルミングも防止され、よりストレス耐性の少ない低温定着用トナーも使用することができるようになる。
更に、帯電ロール41による現像ロール32上のトナーの層厚規制を積極的に行う必要もなく、トナー固着が生じないことから、白スジや黒スジ(固着したトナーが脱落することによるもの)が解消される。更にまた、現像装置30の駆動トルクが低減されることから、バンディング等の画像欠陥も抑えることができ、装置の小型化も可能になる。
本実施の形態では、現像ロール32とトナー供給ロール34との間に印加する供給バイアスを工夫することで、現像ロール32上に常時均一なトナー薄層を容易に形成することができ、現像特性を安定させることができる。
【0041】
本実施の形態では、供給バイアスとして図5に示す台形波(矩形波)を使用したが、これに限らず、作用時間と非作用時間をもっていれば、例えば正弦波や三角波であってもよい。また、図7に示すような波形であっても差し支えない。
図7における波形は、作用時間では片側(本例ではマイナス電圧)にのみ三角波の電圧Vが印加され、非作用時間では、作用時間の三角波の面積に等しい面積を有する三角波の電圧Vが作用時間とは異なるプラス電圧側に形成されている。
【0042】
このような電界を供給バイアスとして印加したときの作用について、負帯電トナーを使用したときを想定し、図4の現像装置30を基に説明する。
今トナーホッパ36内の負帯電トナーは、殆ど帯電していないが、個々のトナー粒子では僅かにマイナスに帯電していたり、プラスに帯電したり、これらのトナー粒子が混在している。また、トナー供給ロール34に担持される段階で、トナー粒子同士が接触し、一方がマイナスに他方がプラスに帯電する。
このような各種の帯電量をもつトナー粒子が存在しているときに、現像ロール32とトナー供給ロール34との間に、図7の供給バイアスを印加する(トナー供給ロール34側にマイナス側のピークが大きい)と、マイナスに帯電したトナー粒子が現像ロール32側に強く引き付けられ、プラスに帯電したトナー粒子が現像ロール32側に向かう力を小さくすることができる。
【0043】
そのため、現像ロール32上のトナーは、マイナスに帯電したトナー粒子が多くなり、極性を揃え易くなる。そして、現像ロール32上に供給されたトナーの帯電量は一定量確保されることから、その後の帯電ロール41での帯電を行う際に、例えば接触圧(線圧)を小さくしてトナーへのストレスを低減させるようにしても、目標のトナー帯電量を得ることができるようになる。結果的に、長寿命化が可能な現像装置30を提供することが可能になる。
【0044】
本実施の形態では、現像後の現像ロール32上の残留トナーをトナー供給ロール34にて回収する方式を採ったが、例えば、トナー供給ロール34より上流側で現像ロール32にトナー掻き取り部材を設け、残留トナーを現像ロール32から掻き取るようにしてもよい。このとき、供給バイアスとして、図5に示すような交番電界を備えた波形を加えても差し支えない。このようにしても、本実施の形態と同様の効果を奏する。尚、掻き取り部材によって掻き取られたトナーは、現像ロール32やトナー供給ロール34上に形成されるトナー層に付着しない工夫をすることはいうまでもない。
【0045】
◎実施の形態2
図8は、本発明が適用された実施の形態2に係る現像装置30の概要を示す。同図において、本実施の形態は、実施の形態1における現像装置30と略同様に構成されるが、帯電部材の構成が実施の形態1と異なり、実施の形態1のように帯電ロールではなく、帯電シート42を用いている。尚、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施の形態における帯電シート42は、イオン伝導性物質で抵抗値を調整し、体積抵抗率1×10Ω・cm、弾性率1.2×10Pa、厚み100μmのPAシート(ポリアミド:具体的には66ナイロン)のシート片42bの一端を導電性支持部材42aに固定し、他端を現像ロール32に軽く接触するように配置したもので、接触圧としては2g/cm以下となっている。
本実施の形態においても、帯電シート42と現像ロール32との接触圧は十分小さくなっていることから、帯電シート42へのトナー固着も発生せず、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0047】
◎実施の形態3
図9は、本発明が適用された実施の形態3に係る現像装置30が使用された画像形成装置の概要を示す。同図において、本実施の形態は、実施の形態1の画像形成装置(図4参照)と略同様に構成され、感光体21及び現像ロール32の回転方向が実施の形態1と異なる。そのため、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、ここでは、画像形成装置の詳細な説明は省略する。
【0048】
また、図10は、本実施の形態における現像装置30の概要を示すもので、本実施の形態では、特に、現像ロール32に特徴を有する。
同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面し且つ感光体21と対向して接触する位置に、現像ロール32を回動自在に収容している。
本実施の形態における現像ロール32は、厚さ100μmのPVDFの可撓性チューブ61内に可撓性チューブ61の形状保持を行う摺動部材62を固定的に設け、更に、その可撓性チューブ61の両端部内部には、可撓性チューブ61を内面から押圧するリング状の支持部材63を設けた構造を採っている。このとき、可撓性チューブ61表面の算術平均粗さRaは0.172μmとなっている。
【0049】
この現像ロール32の背後には、現像ロール32と離間配置され、現像ロール32にトナーを供給するトナー供給ロール34が配設されている。本実施の形態におけるトナー供給ロール34は、ステンレス等の金属ロールで構成され、現像ロール32との間にはトナー供給ロール34から現像ロール32側へトナーを供給するための図示外の供給バイアス(実施の形態1と同様で、例えば図5に示す)が印加されている。
【0050】
また、このトナー供給ロール34の背後には、トナーを収容するトナーホッパ36が設けられ、アジテータ38の回転によってトナーが撹拌されるようになっている。このアジテータ38は、プラスチック製のシャフト38aにポリエステルフィルム等の樹脂フィルムの羽根38bを装着した構成をしており、現像動作時にシャフト38aの回転によって羽根38bが回転することで、トナーホッパ36内のトナーを撹拌すると共に、トナー供給ロール34側へトナーを供給するようになっている。
【0051】
更に、本実施の形態においては、現像ロール32とトナー供給ロール34との対向部位より現像ロール32の回転方向下流側には、現像ロール32上のトナー層に対しトナー帯電量及びトナー量を規制する帯電ロール47が配置されている。この帯電ロール47は、ステンレス等の金属製ロールが使用され、現像ロール32に対しWith方向に回転(互いの対向部位では同方向に回転)すると共に、現像ロール32に対し所定量食い込んだ状態で維持されている。また、この帯電ロール47のシャフトには図示外のバイアス電源が接続され、現像ロール32との対向部位で現像ロール32上のトナー層に有効な帯電量を付与するための帯電バイアスが印加されるようになっている。そのため、この帯電ロール47によって、トナー帯電量及びトナー量が適正に規制されたトナー層が現像ロール32上に形成されるようになり、感光体21と現像ロール32との対向部位である現像領域で安定した現像が行われるようになっている。
【0052】
ここで、特に、現像ロール32と帯電ロール47との圧接状態について、詳細に説明する。図11は、現像ロール32の内部断面を示したもので、現像ロール32の内部の摺動部材62には、帯電ロール47と対向する位置に凹部(図中Aで示す部分)を備え、現像ロール32の可撓性チューブ61と帯電ロール47との安定した圧接が十分確保されるように、可撓性チューブ61が変形可能なスペースが確保されている。
また、この現像ロール32と帯電ロール47との関係は、図12の断面図に示すようになっている。すなわち、帯電ロール47の軸47aに装着されたゴム等の弾性コロからなる押圧部材48に対し、現像ロール32の可撓性チューブ61を挟んで対向する位置に当該可撓性チューブ61を支持する支持部材63を設け、帯電ロール47の回転に伴い押圧部材48と可撓性チューブ61との摩擦力によって可撓性チューブ61が摺動部材62の周りを回転するようになっている。
【0053】
更に、本実施の形態では、図10にて示すように、現像ロール32と感光体21との対向部位より現像ロール32の回転方向下流側で、現像ロール32とトナー供給ロール34との対向部位より上流側には、現像ロール32上のトナーを回収するトナー回収ロール49が設けられ、現像ロール32とトナー回収ロール49との間には回収バイアスが印加されることで、表面粗さが小さい現像ロール32から容易に残留トナーを回収できるようになっている。
【0054】
次に、このような実施の形態に係る、特に現像装置30の作動について、図10〜12を基に説明する。
トナーホッパ36内でアジテータ38によって撹拌されたトナーは、アジテータ38の羽根38bの回転によってトナー供給ロール34側に供給される。トナー供給ロール34上に担持されたトナーは、トナー供給ロール34の回転に伴い搬送され、現像ロール32との対向部位に到達する。この対向部位での現像ロール32とトナー供給ロール34との機械的な摺擦力や供給バイアスによる電界作用により、トナー供給ロール34上のトナーは現像ロール32側へ供給される。
このとき、現像ロール32とトナー供給ロール34とはAgainst方向(両者の対向部位で互いに反対方向)に回転しており、更に、適切なギャップが維持されていることから、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給量が安定する。尚、例えばWith方向の回転であれば、トナーの供給量が不安定になり易い。
【0055】
現像ロール32へ供給されたトナーは、帯電ロール47によって所定の帯電制御が行われ、現像ロール32上には所定のトナー帯電量で且つ所定のトナー量のトナー薄層が形成される。このとき、現像ロール32の可撓性チューブ61と帯電ロール47とは、可撓性チューブ61に内包された摺動部材62の凹部(図中Aで示す部分)によって、可撓性チューブ61と帯電ロール47とのニップ形状が安定し、トナーの帯電制御が安定して行われるようになる。
そして、この現像ロール32上の十分コントロールされたトナー薄層が、現像ロール32と感光体21との対向部位の現像領域に搬送されることになる。
現像領域では、図示外の現像バイアスにより現像が行われ、感光体21上の静電潜像が顕像化される。また、現像ロール32上で現像されずに残った残留トナーは、現像ロール32上をそのまま搬送され、トナー回収ロール49にて回収される。
【0056】
本実施の形態では、可撓性チューブ61表面の算術平均粗さRaが小さいことから、現像ロール32の可撓性チューブ61上に残留したトナーは、容易にトナー回収ロール49によって回収され、現像履歴を解消し、ゴーストを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、現像ロール32の可撓性チューブ61の駆動を帯電ロール47の駆動から行ったため、トナー供給ロール34と現像ロール32との回転方向をAgainst方向にすることができ、互いの周速も所定の速度にできるようになり、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給を安定して行うことができる。
更に、帯電ロール47の軸47aに固着した押圧部材48によって、現像ロール32の可撓性チューブ61を回転させるようにしたので、可撓性チューブ61の回転が安定すると共に、駆動伝達のための例えばギア等も不要にでき、コストアップを抑え、装置の小型化をも推進することができる。
【0057】
更にまた、本実施の形態では、帯電ロール47の位置で可撓性チューブ61を駆動するようになっているため、可撓性チューブ61が感光体21側へ押しやられるようになる。そのため、現像ロール32と感光体21との対向部位では、現像ロール32の可撓性チューブ61と内包される摺動部材62との間に隙間を作り易くなり、可撓性チューブ61と感光体21との接触圧が一層低い低接触圧現像が実現できる。
また、可撓性チューブ61を押圧部材48で回転させることで、可撓性チューブ61とトナー供給ロール34との間では、可撓性チューブ61が摺動部材62側に押し付けられるため、両者間のギャップが安定する。このため、トナーに加わるストレスは、小さく、かつ、一定となり、安定した画質が長期に亘って維持される。
尚、本実施の形態では、トナー回収ロール49による残留トナーの回収を行う態様を示したが、例えばトナー回収ロール49を設けずに、現像ロール32とトナー供給ロール34とのギャップにて、残留トナーを回収除去することも可能であり、この場合も現像履歴を防ぐことが可能になる。
【0058】
本実施の形態では、供給バイアスとして交番電界を含む波形(例えば図5に示す)を使用したが、トナー回収ロール49を備え、このトナー回収ロール49にて現像ロール32上の残留トナーを回収していることから、供給バイアスとしては、例えば交番電界を含まないような図7に示すような波形であっても、トナー供給ロール34から現像ロール32側へトナーを供給することが可能となり、本実施の形態と同様の効果を奏する。尚、トナー回収ロール49に回収バイアスを加えない場合であっても、現像ロール32の表面の粗さが小さいことから、トナー回収ロール49での機械的な掻き取り作用によって現像ロール32からトナーを掻き落とすことも可能で、回収バイアスを印加しなくても同様の効果が期待される。
また、本実施の形態では、現像ロール32の可撓性チューブ61を帯電ロール47の駆動力によって行う態様を示したが、例えばトナー回収ロール49の駆動力を使用することも可能で、この場合も、帯電ロール47の駆動力を使用する場合と同様の効果があることは云うまでもない。
【実施例】
【0059】
ここでは、次の実施例1〜8及び比較例1〜5に示す現像ロールを用いて、以降の評価確認を行った結果を示す。
○実施例1
ステンレス(SUS)中実ロールで算術平均粗さRaが0.145μmのもの。実施の形態1に相当するもの。
○実施例2
SUSパイプ(厚み0.5mm)で算術平均粗さRaが0.223μmのもの。
○実施例3
SUSパイプに100μm厚、体積抵抗率1×1010Ω・cmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)チューブを被覆し、算術平均粗さRaが0.032μmのもの。
○実施例4
PA(ポリアミド)樹脂成形による中実ロールで算術平均粗さRaが0.674μmのもの。ロール中心軸両端に各500gの荷重を掛け、導体板の上に置いて中心軸にDC500Vを印加したときの絶縁抵抗値は1×10Ωであった。
○実施例5
SUSパイプに100μm厚、体積抵抗率1×10Ω・cmのポリアミド(PA)チューブ(厚み80μm)を被覆し、算術平均粗さRaが0.112μmのもの。
○実施例6
アルミニウムパイプ(厚み1mm)で算術平均粗さRaが0.124μmのもの。
○実施例7
体積抵抗率1×1010Ω・cm、厚み80μmの、ゴム成分を分散させたPVDFチューブで被覆したSUSパイプで算術平均粗さRaが0.033μmのもの。
○実施例8
実施の形態3のように、100μm厚、体積抵抗率1×1010Ω・cmのPVDFチューブを回転させるようにしたもので、算術平均粗さRaが0.172μmのもの。
○比較例1
半導電性のシリコーンゴムを用い、このゴムロール表面を研磨仕上げし、算術平均粗さRaが1.521μmのもの。硬度は、JIS−Aで40度であり、ロール中心軸両端に各500gの荷重を掛け、導体板の上に置いて中心軸にDC500Vを印加したときの絶縁抵抗値は1×10Ωであった。
○比較例2
ウレタンゴムに樹脂被覆層を施した半導電性ゴムロールを使用し、算術平均粗さRaが1.047μmのもの。
○比較例3
アルミニウムパイプをサンドブラスト処理し、表面の算術平均粗さRaを0.851μmとしたもの。
○比較例4
SUSパイプに100μm厚、体積抵抗率1×10Ω・cmのPAチューブを被覆し、算術平均粗さRaが0.847μmのもの。
○比較例5
アルミニウムパイプをサンドブラスト処理し、表面の算術平均粗さRaを1.129μmとしたもの。
【0060】
◎性能評価1
本性能評価は、実施の形態1の構成(非接触タイプ)にて、上述した実施例1〜7及び比較例1〜5の現像ロールを使用して、また、実施の形態3の構成(チューブ現像ロール)にて実施例8の現像ロールを使用して、現像ロールの差異によるゴースト並びに現像ロール上のトナー層の状況を評価確認したものである。
使用したトナーは、粉砕法で作製した非磁性一成分トナーで、体積中心粒径7μmであった。実施の形態1(実施例1〜7、比較例1〜5)では、現像ロールは直径約30mmで周速を220mm/sec、トナー供給ロールは直径20mmのSUSロールで周速を440mm/sec、現像ロールとトナー供給ロールとのギャップを100μmとした。また、帯電ロールは直径14.9mmのSUSロールにPVDFチューブを被覆したもので周速を110mm/secとした。
そして、現像ロールとトナー供給ロールとの間へ印加する供給バイアスとしては、図5の電圧波形で、ピーク間電圧Vppが1.5kV、デューティ比が0.07、1周期が0.5msecとなるように調整した。また、帯電ロールには、帯電バイアスとして現像ロールの軸方向有効長8cm当たり−10μAとなるように、定電流を付加した(これにより、トナー帯電量は約−30μC/gとなった)。
更に、感光体と現像ロールとのギャップは250μm、現像ロールは感光体に対し、周速比が1.5になるように感光体の周速を調整した。また、現像バイアスとしては、直流成分Vdc=−200V、交流成分2kHzのVpp=1.5kVの重畳波形を印加した。
更にまた、潜像電位は、明部電位を−70〜80V、暗部電位を−400〜−600Vで調整した。
【0061】
そして、本性能評価では、トナー供給ロールとして半導電性の発泡ウレタンロールを使用し、現像ロールとの食い込み量を0.5mmとした状態(接触タイプ)についても、評価確認した。
一方、実施の形態3(実施例8)では、現像ロール周速33mm/sec、感光体周速26mm/sec、トナー供給ロールは外径20mmのSUSロールで、表面粗さは算術平均粗さRaが0.22μm、最大高さRyが2.12μm、十点平均粗さRzが1.83μmであり、周速157mm/secで回転させた。帯電ロールは、外径14.5mmで、1×1010Ω・cm、厚み100μmのPVDFチューブを被覆したSUSロールで、現像ロールと同一周速で対向部にて同一方向に回転(With)させた。また、非画像部電位−700V、画像部電位−100V、現像バイアス−400Vとした。その他の条件は、実施の形態1と同じとした。実施例8のPVDFチューブ現像ロール上のトナー帯電量は約−15μC/gであった。
尚、現像ゴーストについては、記録紙(普通紙)に、太字の文字画像の直後(現像ロールの1回転ピッチ以内)にハーフトーン画像が形成されるパターンの画像を形成したとき、現像ゴーストが発生しているか否かを調べ、以下の基準で評価した。○:未発生又はかすかに発生、×:明瞭に発生。
【0062】
結果は、図13に示すように、本発明が適用された実施例1〜8(このうち非接触タイプ)では、いずれもゴースト現象は発生せず、現像ロール上のトナーの外観についても薄層均一性が確認された(目視確認)。しかしながら、この態様でトナー供給ロールを接触タイプとした場合には、現像ロールとトナー供給ロールの間でトナーがスリップしてしまい、現像ロール上に薄層形成できないか、あるいは、不均一な付着状態となってしまった。
また、比較例1〜5の場合には、非接触タイプ、接触タイプいずれにおいてもゴースト現象が確認された。尚、この場合、非接触タイプではトナーの薄層均一性がやや悪いものがあったが、接触タイプではいずれも薄層均一性は確保された。
【0063】
尚、図中、ゴーストの欄では、○印はゴースト発生せず、×印はゴーストが確認された、−印は測定未実施を表している。また、薄層均一性の欄では、○印は均一性問題なし、△印は均一性がやや悪い、×印は薄層形成不可かあるいは均一性悪い、−印は測定未実施を表している。
更に、本性能評価では、各現像ロールの表面粗さについて、最大高さRy、十点平均粗さRzについても測定値を記載した。
本性能評価では、上述した結果に基づいて、更に、帯電部材をイオン伝導性物質が分散されたPAシート(実施の形態2に相当)に代えたり、表面が抵抗層をもつ現像ロール(実施例3〜5と8、比較例1,2,4)に対しては、帯電ロールとして、SUSロール(Ra=0.150μm)を使用して、評価確認したが、同様の結果が得られることが確認された。
本性能評価では、現像ロールとトナー供給ロールとのギャップを100μmとしたが、本発明者は、更に詳細に検討し、ギャップが50〜200μmの間で、本性能評価での評価結果と同様の結果が得られ、同様の効果があることを確認した。また、現像ロールに対するトナー供給ロールの周速比について、本発明者は、更に詳細に検討し、正逆双方にて1.5〜6の間で、本性能評価での評価結果と同様の結果が得られ、同様の効果があることを確認した。
以上のことから、本件発明の有効性が確認された。
【0064】
◎性能評価2
本性能評価は、実施例1の現像ロールを使用し、実施の形態1の構成にて、デューティ比を変えたときの現像ロール上に供給されるトナー薄層のトナー供給量及びトナー層表面電位を測定したものである。
結果は、図14に示すように、トナー供給量はデューティ比に比例して増加する傾向が確認された。また、トナー層表面電位は、デューティ比0.6程度までは0〜5V程度であったが、それを超えると急激にトナー層の電位が増加する傾向が確認された。
本性能評価でのトナーは、供給時に積極的な摩擦力は加えておらず、トナーの帯電量はかなり小さいものと推測され、結果もそれを反映したものであった。
これらの結果から、現像ロールでのトナー付着量(トナー供給量に相当)を6〜14g/m程度と薄層にした場合には、トナー層表面電位は0〜+5V程度と小さくなることから、このような薄層のトナー層を供給することで、供給されたトナーは殆ど帯電していないレベルと判断して差し支えないことが確認された。
したがって、このことから、本件では十分均一な帯電量制御が可能であることが理解された。
【0065】
◎性能評価3
本性能評価は、実施例1の現像ロールを使用し、実施の形態1の構成にて、帯電ロールに印加する定電流値と、帯電ロールによって帯電制御された現像ロール上のトナー薄層の帯電量との関係を測定したものである。
結果は、図15に示すように、電流値に比例して帯電量が大きくなる(負帯電トナーを使用したことから帯電量の絶対値が大きくなる)ことが確認された。このことから、本性能評価によれば、帯電ロールの定電流値を変えることで0〜−60μC/gの帯電量制御が任意に可能になることが確認された。
以上のことから、本件における現像ロール上のトナー薄層の帯電制御が十分有効であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る現像装置の概要を示す説明図である。
【図2】(a)(b)は本件発明の作用を示す説明図である。
【図3】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図4】実施の形態1の現像装置を示す説明図である。
【図5】実施の形態1での供給バイアスの波形を示す説明図である。
【図6】トナー付着量の変化を示す説明図である。
【図7】実施の形態1での供給バイアスの第二の波形を示す説明図である。
【図8】実施の形態2に係る現像装置の概要を示す説明図である。
【図9】実施の形態3に係る画像形成装置を示す説明図である。
【図10】実施の形態3の現像装置を示す説明図である。
【図11】実施の形態3の現像装置の要部を示す説明図である。
【図12】実施の形態3の現像装置の要部断面図である。
【図13】性能評価1の結果を示す説明図である。
【図14】性能評価2の結果を示す説明図である。
【図15】性能評価3の結果を示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1…現像剤担持体,2…現像剤供給部材,3…供給バイアス,4…現像剤回収部材,5…帯電部材,Ra…算術平均粗さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が担持される像担持体に対向し、回転可能で表面に現像剤を担持し且つ表面の算術平均粗さRaが0.7μm以下の現像剤担持体と、
この現像剤担持体と離間配置され且つ当該現像剤担持体への現像剤供給を促す供給バイアスが印加された現像剤供給部材と、
現像剤担持体に対向配置され且つ当該現像剤担持体上の残留現像剤を回収する現像剤回収部材とを備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
現像剤供給部材は、現像剤回収部材を兼用するものであることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1記載の現像装置において、
現像剤回収部材は、現像剤供給部材の上流側に配設されることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1記載の現像装置において、
現像剤回収部材は、現像剤担持体からの現像剤の回収を促す回収バイアスが印加されることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1記載の現像装置において、
現像剤担持体は、筒状薄膜部材にて構成されることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置において、
供給バイアスは、現像剤担持体に印加される現像バイアスに重畳され、1周期中に、少なくとも現像剤供給部材から現像剤担持体への現像剤の移動を促す電界成分が含まれ且つ現像剤担持体と現像剤供給部材との間で現像剤の移動に作用する作用領域と、現像剤の移動に作用しない非作用領域とを含むものであることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1記載の現像装置において、
更に、前記現像剤供給部材より現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に配設され且つこの現像剤担持体上の現像剤の帯電制御を行う帯電部材を備え、
この帯電部材と現像剤担持体との間に定電流制御される帯電バイアスが印加されることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
静電潜像を担持する像担持体と、
この像担持体上の静電潜像を現像する請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−145894(P2006−145894A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336526(P2004−336526)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】