説明

現像装置

【課題】現像室において現像剤の凝集物などの異物が生じても、画像形成不良の発生を抑制することができる現像装置を提供すること。
【解決手段】トナーを収容するトナー収容室15を有する第1フレーム3と、トナー収容室15に連通口13を介して連通される現像室25を有する第2フレーム4とを備える現像カートリッジ1において、現像室25において、トナー収容室15から供給されるトナーを担持する現像ローラ27と、現像ローラ27に圧接され、現像ローラ27に担持されるトナーの層厚を規制するための層厚規制ブレード28と、現像ローラ27に供給されるトナー中の異物の通過を防止するメッシュ部材29とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に装備される現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタなどの画像形成装置に装備される現像装置が知られている。
【0003】
このような現像装置では、画像形成に用いられる現像剤が凝集することで、画像形成不良が生じる場合がある。そこで、現像剤の凝集に起因する画像形成不良の発生を抑制することができる現像装置が、種々検討されている。
【0004】
このような現像装置としては、例えば、現像ローラなどを収納する現像室と、現像室で使用するトナーを充填したトナー収容体と、これらを収納する筺体とを有するトナーカートリッジであって、トナー収容体を、現像室の上方の位置に配置するとともに、トナー収容体の表面に網目状の開口部が設けられたトナーカートリッジが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
そして、このようなトナーカートリッジでは、トナー収容体に収容されているトナーが、網目状の開口部を通して現像室に供給されるために、トナー収容体において生じたトナーの凝集物などの異物の開口部の通過が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−272055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のトナーカートリッジでは、トナー収容体から現像室に、トナーの凝集物などの異物が侵入することを抑制できるが、現像室において生じたトナーの凝集物などの異物を除去することができない。そのため、現像室において生じたトナーの凝集物などの異物が、現像ローラに供給されることに起因する画像形成不良が生じる場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、現像室においてトナーの凝集物などの異物が生じても、画像形成不良の発生を抑制することができる現像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、現像剤を収容する現像剤収容室を有する第1フレームと、前記現像剤収容室に連通口を介して連通される現像室を有する第2フレームとを備える現像装置において、前記現像室において、現像剤収容室から供給される現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラに圧接され、前記現像ローラに担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記現像ローラに供給される現像剤中の異物の通過を防止するメッシュ部材とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の現像装置では、現像剤収容室に連通口を介して連通される現像室に、現像ローラと、その現像ローラに供給される現像剤中の異物の通過を防止するメッシュ部材とが設けられている。
【0011】
したがって、現像剤は、現像剤収容室から現像室に供給され、現像室においてメッシュ部材を通過した後、現像ローラに担持される。一方、現像剤中の現像剤の凝集物などの異物は、現像室においてメッシュ部材により通過が防止され、現像ローラに供給されることが阻止される。
【0012】
そのため、現像剤収容室において生じた現像剤の凝集物などの異物のみならず、現像室において生じた現像剤の凝集物などの異物が、現像ローラに供給されることを防止することができる。よって、画像形成不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の現像装置の一実施形態としての現像カートリッジを示す中央断面図である。
【図2】図1に示す現像カートリッジにおけるメッシュ部材の他端部の拡大図である。
【図3】図1に示す現像カートリッジに用いられるメッシュ部材の目開きに対するトナー残量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.現像カートリッジの構成
図1において、本発明の現像装置の一例としての現像カートリッジ1は、レーザプリンタなどの画像形成装置(図示せず)に着脱自在に装備される。画像形成装置(図示せず)は、静電潜像が形成される感光ドラムなどの感光体(図示せず)を備えており、現像カートリッジ1は、感光体(図示せず)に形成された静電潜像に現像剤を供給して静電潜像を現像する。画像形成装置(図示せず)は、現像された静電潜像(トナー像)を感光ドラムから用紙に転写し、続いて、定着することにより、用紙に画像を形成する。
【0015】
現像カートリッジ1は、現像剤収容室の一例としてのトナー収容室15を有する第1フレーム3と、第1フレーム3に隣接配置され、現像室25を有する第2フレーム4とを備えるケーシング2を備えている。
【0016】
なお、以下の説明において、第1フレーム3が配置される側(図1における右側)を後側とし、第2フレーム4が配置される側(図1における左側)を前側とする。また、紙面上において、その前後方向と直交する方向を上下方向とする。また、前後方向および上下方向の両方と直交する方向を左右方向とする。そして、図1における紙面手前側を右側とし、紙面手奥側を左側とする。なお、左右方向を幅方向と呼ぶことがある。
【0017】
第1フレーム3は、左右方向に延びる中空円筒形状をなし、その左右両端部が図示しない両側壁により閉鎖されている。
【0018】
第1フレーム3には、その前側において、上下方向所定幅にわたり、かつ、左右方向全体にわたって、第1開口部11が形成されている。
【0019】
そして、第1フレーム3の内部空間は、トナー収容室15として区画されている。
【0020】
トナー収容室15は、後述するアジテータ16の回動軌跡に沿う断面円形状を有している。
【0021】
第2フレーム4は、第1フレーム3と同様に左右方向に延び、その左右両端部が図示しない両側壁により閉鎖されている。
【0022】
第2フレーム4において、その後側には第1フレーム3の第1開口部11と一致するように、第2開口部12が形成されており、その前側は前方および上方に開放されるように形成されており、上壁5と、下壁6とを備えている。
【0023】
上壁5は、第2フレーム4に形成される第2開口部12の上端縁から前側に延びるように形成され、その前端部には、直角上方に延びるブレード支持壁7が形成されている。
【0024】
下壁6は、下側後壁8と、下側前壁9とを備えている。
【0025】
下側後壁8は、後述する供給ローラ26の外周面に沿う円弧形状に形成されており、下側後壁8の後側端部は、第1フレーム3に形成される第1開口部11の下端縁と接合されている。
【0026】
下側前壁9は、下側後壁8の前端部に接続され、その後側部分は、後述する現像ローラ27の外周面に沿う円弧形状に形成され、その前側部分は、後側部分の前端部から下方に延びている。
【0027】
なお、第1フレーム3の第1開口部11および第2フレーム4の第2開口部12は、トナー収容室15と現像室25とを連通する連通口13を形成する。
【0028】
また、第1フレーム3の第1開口部11の下端縁と、第2フレーム4の第2開口部12の下端縁(下側後壁8の後側端部)との接合部分14に、係止溝10が形成されている。
【0029】
係止溝10は、前側上方に向かって延びる接合部分14の遊端部から接合部分14内へ切り込まれるように形成されている。
【0030】
そして、第2フレーム4の内部空間は、現像室25として区画されている。
【0031】
トナー収容室15には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。
【0032】
このようなトナーとしては、重合性単量体、例えば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが挙げられる。
【0033】
このような重合トナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像を形成することができる。なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
【0034】
また、トナー収容室15には、トナーを攪拌するための攪拌手段の一例としてのアジテータ16が設けられている。
【0035】
アジテータ16は、トナー収容室15の側断面中央に位置し、かつ、トナー収容室15の軸線方向に延びて、ケーシング2の図示しない両側壁に、回転自在に支持されるアジテータ回転軸17と、アジテータ回転軸17から外径方向に延びる攪拌羽18を備えている。
【0036】
攪拌羽18は、可撓性フィルムからなり、攪拌羽18の外径方向における先端部が、第1フレーム3の内周面と、摺擦するように設けられている。
【0037】
そして、アジテータ16は、図示しないモータからの駆動力がアジテータ回転軸17に入力されると、アジテータ回転軸17が回転駆動され、これによって、攪拌羽18が図1に示す矢印方向(右側面視時計方向)に回転する。
【0038】
このような攪拌羽18の攪拌により、トナー収容室15内に収容されるトナーは、掻き上げられ、アジテータ16を介して、トナー収容室15から現像室25に供給される。
【0039】
現像室25には、供給ローラ26と、現像ローラ27と、層厚規制部材の一例としての層厚規制ブレード28と、メッシュ部材29とが備えられている。
【0040】
供給ローラ26は、金属製の供給ローラ軸30と、供給ローラ軸30を被覆する導電性のスポンジローラ32とを備えており、下側後壁8の円弧形状の内部において、供給ローラ26の中心が、下側後壁8の円弧中心と、一致するように配置されている。
【0041】
また、供給ローラ26の供給ローラ軸30は、左右方向に延びて、ケーシング2の図示しない両側壁に回転自在に支持されており、現像時には、図示しないモータからの駆動力が伝達される。
【0042】
そして、供給ローラ26は、図示しないモータからの駆動力が伝達されると、現像ローラ27と対向接触する部分(後述)において、現像ローラ27と逆方向に回転するように、図1に示す矢印方向(右側面視反時計方向)に回転駆動される。
【0043】
現像ローラ27は、金属製の現像ローラ軸31と、現像ローラ軸31を被覆する導電性のゴムローラ33とを備えており、現像ローラ27の上側および前側の表面が、ケーシング2から露出するように、下側前壁9の上側に配置されている。
【0044】
また、現像ローラ27は、供給ローラ26の前側上方の外周面と、現像ローラ27の後側下方の外周面とが圧接するように、供給ローラ26に対向配置されている。
【0045】
現像ローラ27の外径は、供給ローラ26の外径よりも大きく形成されている。
【0046】
また、現像ローラ27の現像ローラ軸31は、左右方向に延びて、図示しないケーシング2の両側壁に回転自在に支持されており、現像時には、図示しないモータからの駆動力が伝達される。
【0047】
そして、現像ローラ27は、図示しないモータからの駆動力が伝達されると、供給ローラ26と対向接触する部分において、矢印方向(右側面視反時計方向)に回転駆動される。
【0048】
なお、現像ローラ27の周速は、供給ローラ26の周速に対して、0.5〜2倍である。
【0049】
また、現像ローラ27の現像ローラ軸31には、現像時において、図示しない電源から現像バイアスが印加される。
【0050】
層厚規制ブレード28は、ケーシング2の左右方向全体にわたって設けられ、現像ローラ27と供給ローラ26とが対向接触する部分よりも上側後方に配置され、金属の板ばね部材からなるブレード本体38と、ブレード本体38の遊端部に設けられ、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部39とを備えている。
【0051】
ブレード本体38の基端部は、シール部材40およびメッシュ部材29(後述)が前後方向に積層されたブレード支持壁7の前側面に、ねじ41により固定され、その遊端部がブレード支持壁7から下側に向かって延び、現像ローラ27の後側の外周面と対向するように配置されている。
【0052】
押圧部39は、ブレード本体38の遊端部の前側面に設けられており、現像ローラ27の後側の外周面に、ブレード本体38のばね力によって圧接されている。
【0053】
なお、層厚規制ブレード28の押圧部39は、現像ローラ27の外周面における、現像ローラ27と供給ローラ26との接触部分と所定間隔を隔てた上側位置において接触している。
【0054】
これによって、現像ローラ27の後側の外周面は、供給ローラ26との接触部分と、押圧部39との接触部分との隙間において、トナーと接触する。なお、この隙間は、現像ローラ27の外周面に沿う長さとして、2〜10mmに設定されている。
【0055】
メッシュ部材29は、平板形状に形成され、ケーシング2の左右方向全体にわたって設けられており、その下側端部(一端部)は、連通口13の下端縁に形成される係止溝10に嵌合され、接着剤により固定されている。つまり、メッシュ部材29の下側端部は、連通口13におけるアジテータ16の回転方向上流側の、トナー収容室15と現像室25との境界に固定されている。
【0056】
また、メッシュ部材29の上側端部(他端部)は、層厚規制ブレード28のブレード本体38の基端部の後側面(現像ローラ27に圧接される表面側と反対側の裏面側)に取り付けられている。具体的には、図2に示すように、メッシュ部材29の上側端部は、ブレード本体38の基端部の後側面と、シール部材40の前側面とに挟み込まれた後、ねじ41によりブレード支持壁7の前側面に固定されている。
【0057】
そして、メッシュ部材29は、下側端部から上側端部に向けて、前側上方に向かって側面視直線的に延びており、供給ローラ26の上方であって、かつ、現像ローラ27の後側に配置されている。つまり、メッシュ部材29は、連通口13におけるアジテータ16の回転方向上流側から回転方向下流側に向けて、アジテータ16から離間する方向に傾斜している。より具体的には、メッシュ部材29は、断面円形状に区画されているトナー収容室15の外形の接線に沿って傾斜している。
【0058】
また、メッシュ部材29は、現像室25内において、現像ローラ27の後側かつ供給ローラ26の上側に配置され、上下方向に投影したときに、供給ローラ26の後側略2/3部分と重なり、前後方向に投影したときに、供給ローラ26の上側部分、層厚規制ブレード28(押圧部39)および現像ローラ27の上側略1/2部分と重なるように配置されている。
【0059】
また、メッシュ部材29は、編み込みにより形成され、金属製である場合、その目開きは、例えば、30〜60μmである。また、樹脂製である場合、その目開きは、例えば、45〜60μmである。
【0060】
そして、トナー収容室15内に収容されているトナーが、攪拌羽18の攪拌により、掻き上げられ、アジテータ16を介して、トナー収容室15から現像室25に供給されると、そのトナーは、メッシュ部材29の傾斜に沿って、下方から上方に向けて流動する。
【0061】
供給されたトナーの大部分は、メッシュ部材29を通過して、供給ローラ26の外周面に担持される。一方、供給されたトナー中のトナー凝集物などの異物は、メッシュ部材29を通過することができず、メッシュ部材29と上壁5とにより形成される側面視三角状の空間において、滞留する。
【0062】
供給ローラ26の外周面に担持されたトナーは、供給ローラ26の回転駆動によって、現像ローラ27に供給される。なお、このとき、供給ローラ26と現像ローラ27とは、対向接触する部分において、互いに反対方向に回転しているので、供給ローラ26から現像ローラ27に供給されたトナーは、効率的に帯電され、良好な現像が達成される。
【0063】
現像ローラ27に供給され摩擦帯電されたトナーは、現像ローラ27の回転駆動に伴って、層厚規制ブレード28の押圧部39と現像ローラ27との間に進入し、一定の厚さの薄層に規制された状態で、現像ローラ27上に担持される。そして、図示しない感光ドラムの外周面上に形成された静電潜像が現像ローラ27に対向すると、現像ローラ27から静電潜像にトナーが供給され、静電潜像が現像される。
2.作用効果
(1)現像カートリッジ1では、現像室25に、供給ローラ26と、現像ローラ27と、メッシュ部材29とが設けられている。
【0064】
そして、メッシュ部材29は、現像室25内において、現像ローラ27の後側かつ供給ローラ26の上側であって、現像ローラ27および供給ローラ26の近傍に配置されている。
【0065】
したがって、アジテータ16を介して、トナー収容室15から現像室25に供給されるトナーは、現像室内25において、メッシュ部材29を通過した後、供給ローラ26に担持され、供給ローラ26の回転駆動によって、現像ローラ27に供給される。一方、トナー中のトナーの凝集物などの異物は、現像室25において、メッシュ部材29により通過が防止され、供給ローラ26さらには現像ローラ27に供給されることが阻止される。
【0066】
そのため、トナー収容室15において生じたトナーの凝集物などの異物のみならず、現像室25において生じたトナーの凝集物などの異物が、現像ローラ27に供給されることを防止することができる。よって、画像形成不良の発生を抑制することができる。
(2)また、現像カートリッジ1では、トナー収容室15にアジテータ16が設けられ、メッシュ部材29が、連通口13におけるアジテータ16の回転方向上流側から回転方向下流側に向けて、アジテータ16から離間する方向に傾斜している。
【0067】
そのため、アジテータ16の攪拌羽18の攪拌により、掻き上げられたトナーが、メッシュ部材29に沿うように、スムーズにトナー収容室15から現像室25に流動する。すなわち、トナー供給室15から現像室25に、トナーを良好に供給することができる。
(3)また、現像カートリッジ1では、トナー収容室15に、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。
【0068】
そのため、トナーの流動性が良好であるので、トナー供給室15から現像室25に、トナーを良好に供給することができる。
(4)また、現像カートリッジ1では、メッシュ部材29の目開きが、30〜60μmであり、メッシュ部材29が樹脂製である場合は、その目開きが、45〜60μm、金属製である場合は、その目開きが、30〜60μmである。
【0069】
そのため、試験例(後述)からも明らかなように、トナーとトナー凝集物とを、効率よく分離することができる。
(5)また、現像カートリッジ1では、メッシュ部材29の下側端部が、連通口13におけるアジテータ16の回転方向上流側の、トナー収容室15と現像室25との接合部分14に固定されている。
【0070】
そのため、アジテータ16を介して、トナー収容室15から現像室25に供給されるトナー中のトナーの凝集物(トナー収容室15において生じたトナーの凝集物)の通過を、メッシュ部材29の下側において、現像室25に供給された当初から、確実に防止し、トナーの凝集物が供給ローラ26さらには現像ローラ27に供給されることを阻止することができる。
(6)また、現像カートリッジ1では、メッシュ部材29の上側端部が、層厚規制ブレード28における現像ローラ27に圧接される表面側と反対側の裏面側に、配置されている。
【0071】
そのため、現像室25において生じたトナーの凝集物の通過を、メッシュ部材29の上側において、確実に防止し、トナーの凝集物が供給ローラ26さらには現像ローラ27に供給されることを阻止することができる。
【試験例】
【0072】
1.メッシュ部材の準備
目開きが、20μm、30μm、45μm、60μm、75μm、150μm、200μmの樹脂製または金属製のメッシュ部材をそれぞれ準備した。
【0073】
2.トナーの準備
平均粒径7μmの重合トナーと、その重合トナーの凝集物の代替として平均粒子径15μmの粉砕トナーとを準備した。
3.トナー通過試験
各メッシュ部材に、重合トナーまたは粉砕トナーを通過させて、各メッシュ部材上に残存するトナーの割合(トナー残量%)を求めた。その結果を図3に示す。
4.考察
メッシュ部材は、その目開きが30〜60μmである場合において、良好にトナーを通過させることができ、かつ、粉砕トナーの通過を防止することができた。
【符号の説明】
【0074】
1 現像カートリッジ
3 第1フレーム
4 第2フレーム
13 連通口
14 接合部分
15 トナー収容室
16 アジテータ
25 現像室
27 現像ローラ
28 層厚規制ブレード
29 メッシュ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤収容室を有する第1フレームと、前記現像剤収容室に連通口を介して連通される現像室を有する第2フレームとを備える現像装置において、
前記現像室において、
現像剤収容室から供給される現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像ローラに圧接され、前記現像ローラに担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、
前記現像ローラに供給される現像剤中の異物の通過を防止するメッシュ部材と
を備えることを特徴とする、現像装置。
【請求項2】
前記現像剤収容室は、現像剤を攪拌するために、回動自在に設けられるアジテータを備え、
前記メッシュ部材が、前記連通口における前記アジテータの回転方向上流側から回転方向下流側に向けて、前記アジテータから離間する方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤が、非磁性1成分の現像剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記メッシュ部材の目開きが、30〜60μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記メッシュ部材が、樹脂製であり、
前記メッシュ部材の目開きが、45〜60μmであることを特徴とする、請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記メッシュ部材が、金属製であり、
前記メッシュ部材の目開きが、30〜60μmであることを特徴とする、請求項4に記載の現像装置。
【請求項7】
前記メッシュ部材の一端部が、前記連通口における前記アジテータの回転方向上流側の、前記現像剤収容室と前記現像室との境界に配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記メッシュ部材の他端部が、前記層厚規制部材における前記現像ローラに圧接される表面側と反対側の裏面側に、配置されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−141366(P2012−141366A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292623(P2010−292623)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】