説明

現金処理装置

【課題】操作に不慣れなレジ担当者が紙幣を束ねる輪ゴムやクリップなどの不要物を除去しないまま、紙幣を装置に投入することを抑制してジャム等の障害の発生を減少させる。
【解決手段】装置内部を機械操作できる権限を有する各管理者のIDと、管理者毎に障害復旧させる技術を持つ主管理者か障害復旧させる技術を持たない管理者かを示す情報を対応させて登録すると共に現在の管理者を示す情報を登録する管理者登録テーブルを記憶部7に格納して、レジ担当者がレジスタから運んできた現金を入金処理する際、主制御部8が管理者登録テーブルを参照して現在の管理者が主管理者か否かを判断し、障害復旧させる技術を持たない管理者の場合は、現金以外の不要物を装置内に入れないように警告するメッセージを配した警告画面を表示部3に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店等に設置されるレジスタに補充される釣銭用の現金の出金処理や、レジスタから回収した現金の入金処理等の現金処理を行う現金処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の現金処理装置として、小売店等の店舗に設置された複数のレジスタに対して釣銭用の現金(紙幣及び硬貨)を釣銭用現金収納庫から出金する出金機能と、レジ担当者等がレジスタから回収した現金(紙幣及び硬貨)を入金したとき、釣銭分の現金は釣銭用現金収納庫に収納すると共に、売上分の現金は現金回収庫に収納する入金機能と、入出金処理毎の入金及び出金の金額や金種毎の入出金枚数等を取引履歴として記憶部に記憶して管理する機能とを有する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−265154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の現金処理装置は、以下の問題を有している。
すなわち、この種の現金処理装置においては、装置扉を開いて装置内部を機械操作できる権限を有する人物は、現金処理装置の設置店舗における複数の管理者に限られている。
一方、例えば、レジ担当者等の装置利用者がレジスタから紙幣を持ち運んでくる際に、その持ち運びを容易にするため、紙幣を輪ゴムやクリップ等で束ねることがあり、その紙幣を現金処理装置で入金処理するとき、紙幣を束ねた輪ゴムやクリップ等を取除かないまま紙幣を紙幣入出金口に投入することによってジャム等の障害が発生することがある。
【0004】
その場合、障害を復旧させる技術を持つ管理者が店舗にいれば問題はないが、障害が発生したときに店舗にいる管理者が障害を復旧させる技術を持たない場合は、障害復旧させる技術を持つ管理者の出勤を待つか、現金処理装置の保守、点検を行う管理センタに復旧を依頼する必要があり、復旧に時間がかかることになる。
そのため、現金処理装置で入金処理等を行う場合には紙幣を束ねた輪ゴムやクリップ等を取除くよう各装置利用者に注意を呼びかけているがなかなか効果は上がらず、繰り返しジャム等の障害が発生するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、小売店等に設置されるレジスタに補充される釣銭用の現金の出金処理や、レジスタから回収した現金の入金処理等の現金処理を行う現金処理装置において、表示部、操作部、記憶部、制御部を備え、当該現金処理装置の扉を開いて装置内部を機械操作できる権限を有する各管理者の識別情報と、管理者毎に装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持つ管理者か障害復旧させる技術を持たない管理者かを示す情報を対応させて登録すると共に現在の管理者を示す情報を登録する管理者登録テーブルを前記記憶部に格納しておき、装置利用者が前記操作部で現金処理を選択したとき、前記制御部が管理者登録テーブルを参照して現在の管理者が装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持つ管理者か否かを判断し、障害復旧させる技術を持たない管理者の場合は、現金以外の不要物を装置内に入れないように警告するメッセージを配した警告画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、操作に不慣れなレジ担当者が紙幣を束ねる輪ゴムやクリップなどの不要物を除去しないまま、紙幣を装置に投入することを抑制することができ、それによりジャム等の障害の発生を減少させることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による現金処理装置の実施例を説明する。
【実施例】
【0009】
図1は実施例の構成を示すブロック図である。
本実施例の現金処理装置は、レジスタを使用する小売店等に設置されるもので、小売店の店舗に設置された複数のレジスタに対して釣銭用の現金(紙幣及び硬貨)を釣銭用現金収納庫から出金する出金機能と、レジ担当者等がレジスタから回収した現金(紙幣及び硬貨)を入金したとき、釣銭分の現金は釣銭用現金収納庫に収納すると共に、売上分の現金は現金回収庫に収納する入金機能と、入出金処理毎の入金及び出金の金額や金種毎の入出金枚数等を取引履歴として記憶部に記憶して管理する機能とを有するもので、そのため以下の構成を有している。
【0010】
図1において1は紙幣(現金)の入出金処理を行う紙幣処理機(現金処理機)、2は硬貨(現金)の入出金処理を行う硬貨処理機(現金処理機)であり、この両処理機については後で詳しく説明する。
3はLCD等による表示部で、各種の処理操作の案内、現金処理のための入力画面や入力された情報、及び金種別の入出金金額や入出金の合計金額等を表示するものである。
【0011】
4はレジスタの現金を入出金するレジ担当者や売上の締めを行う店長(装置管理者)等が操作するキーボードあるいは表示部3上に配置されたタッチパネル等の操作部で、入金処理や出金処理、締上げ処理、回収処理等の実行指示や出金金額等をキー入力することができるものとなっている。
5はカードリーダ(読取り手段)で、当該現金処理装置の利用者であるレジ担当者や店長、及び当該現金処理装置の管理者等が使用する図示しないIDカードの情報を読取る機能を有している。
【0012】
IDカードは、レジスタに対応付けられており、レジ担当者用のIDカードには、利用者の区分、カードを特定するカード番号(識別情報)、レジスタを特定するレジ番号(識別情報)等がカード情報として記録されている。
このレジ担当者用のIDカードは、レジスタ毎またはレジ担当者毎に用意され、レジ担当者毎に配布する場合、レジ担当者が複数のレジスタを操作するのであれば、使用するレジスタ毎に対応付けられたIDカードが与えられる。
【0013】
6は伝票記録部(プリンタ)で、紙幣処理機1や硬貨処理機2で行われた入金処理や出金処理の金額、金種別枚数等を伝票に記録(印字)して出力するものである。
7は記憶部で、この記憶部7には後述する主制御部が実行する制御プログラムが格納されている他、硬貨及び紙幣の入出金処理が行われる毎にその処理結果が入出金処理履歴として記憶(登録)されるものとなっており、そして本実施例ではこの記憶部7に管理者登録テーブルも格納されている。
【0014】
この管理者登録テーブルについては後で説明する。
8は記憶部7に格納された制御プログラムに基づいて現金処理装置全体の制御を行う主制御部で、紙幣処理機1及び硬貨処理機2で入出金処理が行われる毎にこの主制御部8により記憶部7の入出金処理履歴が更新されるものとなっており、更に主制御部8は管理者登録テーブルに基づいてレジ担当者等に警告表示を行う機能も有している。
【0015】
次に紙幣処理機1及び硬貨処理機2について説明する。
紙幣処理機1は、入金処理時にレジスタから回収した紙幣を一括して受け入れると共に出金処理時に釣銭としての紙幣を排出する紙幣入出金口11と、この紙幣入出金口11に受け入れた紙幣を1枚ずつ分離する図示しない分離部と、紙幣の金種等を鑑別すると共に鑑別した紙幣を金種毎に計数する紙幣鑑別部12と、この紙幣鑑別部12で鑑別計数された紙幣を集積して一時保留する紙幣一時保留部13と、レジスタ用の釣銭準備金として使用する金種(例えば、五千円、千円)の紙幣を金種別に収納する複数の釣銭用紙幣収納庫14と、入金紙幣のうちの売上金を金種別に収納する複数の紙幣回収庫15と、紙幣リジェクト庫16と、これらの間で紙幣を搬送ベルト等で挟持して搬送する搬送路と、図示しない記憶部に格納された制御プログラムに基づいて紙幣処理機1全体の動作制御を行う制御部17を備えている。
【0016】
紙幣一時保留部13には紙幣を繰出す繰出し手段が設けられている。
前記各釣銭用紙幣収納庫14に対しては、収納する紙幣の金種毎に保管基準額が設定されており、その保管基準額を保つために入金処理された紙幣を収納するようになっている。
この釣銭用紙幣収納庫14には紙幣の集積手段が紙幣を搬送路に繰出す繰出し手段と共に設けられている。
【0017】
一方、硬貨処理機2は、レジスタから回収した硬貨を一括して受け入れる硬貨入金口21と、この硬貨入金口21に受け入れた硬貨を1枚ずつ分離する図示しない分離部と、分離された硬貨の金種等を鑑別すると共に鑑別した硬貨を金種毎に計数する硬貨鑑別部22と、この硬貨鑑別部22で鑑別計数された硬貨を一時保留する硬貨一時保留部23と、レジスタ用の釣銭として使用する硬貨を金種別に収納する釣銭用硬貨収納庫24と、入金硬貨のうちの売上金を金種別に収納する硬貨回収庫25と、釣銭用の硬貨を出金するための硬貨出金箱(硬貨出金カセット)26と、硬貨リジェクト口27と、図示しない記憶部に格納された制御プログラムに基づいて硬貨処理機2全体の動作制御を行う制御部28を有している。
【0018】
ここで硬貨一時保留部23、釣銭用硬貨収納庫24、硬貨回収庫25、及び硬貨出金箱26は金種毎に分けて硬貨を集積、収納できるように内部が区切られている。
また、硬貨入金口21と硬貨鑑別部22との間には分離部により分離された硬貨を搬送する搬送ベルト等による搬送路が設けられ、釣銭用硬貨収納庫24と硬貨回収庫25及び硬貨出金箱26との間には、釣銭用硬貨収納庫24から繰出される硬貨を硬貨回収庫25と硬貨出金箱26のいずれかに導く振分け手段と、通過する硬貨を金種毎に計数する計数手段が設けられている。
【0019】
また、前記各釣銭用硬貨収納庫24に対しては、収納する硬貨の金種毎に保管基準額が設定されており、その保管基準額を保つために入金処理された硬貨を収納するようになっている。この釣銭用硬貨収納庫24にも硬貨を搬送路に繰出す繰出し手段が設けられている。
尚、紙幣処理機1の制御部17及び硬貨処理機2の制御部28は主制御部8の指示により紙幣処理機1及び硬貨処理機2を制御するものとなっている。
【0020】
図2は記憶部7に記憶される管理者登録テーブルの内容例を示す図である。
この管理者登録テーブルは、図示したように管理者ID、管理者種別、管理年月日、担当管理者の各エリアにより構成されており、管理者IDのエリアには管理者毎に付与されたID(管理者の識別情報)が登録され、管理者種別のエリアには管理者が主管理者か否かを示す情報が登録されている。
【0021】
ここで、主管理者とは本現金処理装置の装置扉を開いて装置内部を機械操作できる権限を有し、かつ装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持つ管理者であって、この主管理者であれば「1」が、主管理者でない管理者つまり障害復旧させる技術を持たない管理者の場合は「0」の情報が登録されており、主制御部8はこの情報により主管理者か否かを判断することができる。
【0022】
管理年月日には管理者が現金処理機を管理した最新の年月日が書込まれ、担当管理者のエリアには現在現金処理機を管理している管理者を示す情報が書込まれる。この管理年月日及び担当管理者の登録情報は逐次更新される情報である。
上述した構成の作用について説明する。
尚、以下の説明において、主制御部8や制御部18、28による制御の説明については、必要な説明を除いて省略する。
【0023】
まず、担当管理者の登録処理について説明する。
図3は担当管理者の登録処理手順を示すフローチャートで、以下図中にSで示したステップに従って説明する。
管理者の勤務開始時(管理者の交代時等)に、管理者がIDカードを現金処理装置に設けられているカード挿入排出口に挿入すると、カードリーダ5がIDカードから利用者の区分、カード番号(カードNo)を読取る(S1)。
【0024】
次に管理者は表示部3に表示される管理者ID、パスワード入力画面に従って操作部4を操作し、自身の管理者ID、パスワードを入力する(S2)。
主制御部8は管理者が入力した管理者ID、パスワードを予め記憶部7等に登録されている管理者ID、パスワードと照合し、正当性が確認された場合、IDカードから読取った利用者区分に基づいて管理者が操作可能な「管理者登録」の処理項目を含むメニュー画面を表示部3に表示し(S3)、このメニュー画面を見て管理者が操作部4を操作して「管理者登録」を選択すると、主制御部8はその「管理者登録」の選択を受付ける(S4)。
【0025】
そして主制御部8は前記管理者が入力した管理者IDを記憶部7に記憶される管理者登録テーブルの管理者IDと照合して、該当管理者IDに対応する担当管理者のエリアに現在の管理者であることを示す情報(図2に示す○)を登録すると共に、管理年月日のエリアの該当欄を現在の年月日に更新し、そして前任の管理者の管理者IDに対応する管理者のエリアに登録されている管理者であることを示す情報を消去する。
つまり主制御部8は管理者登録テーブルの内容を更新する(S5)。
【0026】
尚、現在の管理者の登録は1人のみでなく、例えば複数人の管理者の勤務時間が重複する場合はその複数人の管理者を現在の管理者のとして登録することも可能であり、その場合、管理者に勤務終了時に管理者IDを入力させ、その時点で管理者IDに対応する管理者のエリアに登録されている管理者であることを示す情報を消去するようにすればよい。
次に、レジ担当者がレジスタから回収した現金を入金させる場合の入金処理について説明する。
【0027】
図4はその入金処理手順を示すフローチャートで、以下図中にSで示したステップに従って説明する。
装置利用者であるレジ担当者がIDカードを現金処理装置に設けられているカード挿入排出口に挿入すると、カードリーダ5がIDカードから利用者の区分、カード番号(カードNo)、レジ番号(レジNo)等のカード情報を読取る(S11)。
【0028】
続いて、レジ担当者は表示部3に表示される個人ID、パスワード入力画面に従って操作部4を操作し、自身の個人ID、パスワードを入力する(S12)。
主制御部8はレジ担当者が入力した個人ID、パスワードを予め記憶部7等に登録されている個人ID、パスワードと照合し、正当性が確認された場合、IDカードから読取った利用者区分に基づき、レジ担当者が操作可能な「出金」、「入金」を選択するメニュー画面を表示部3に表示し(S13)、レジ担当者に選択させる。
【0029】
ここでレジ担当者が操作部4を操作して「入金」を選択すると、主制御部8はその「入金」の選択を受付け(S14)、記憶部7に記憶されている図2に示す管理者登録テーブルの管理者登録のエリアを参照して本現金処理装置の現在の管理者を確認し、確認した現在の管理者に対応する管理者種別の情報から現在の管理者が主管理者か否かを判断する(S15)。
【0030】
そして現在の管理者が主管理者である場合はS17の入金処理に進むが、主管理者でなければ主制御部8は紙幣を束ねる輪ゴムやクリップ等の不要物を取り除いて紙幣を投入するよう警告するメッセージつまり不要物を装置内に入れないように警告するメッセージを配した警告画面を表示部3に一定時間表示し(S16)、同時にメッセージと同じ内容の音声を図示しないスピーカから出力する。
【0031】
次に、主制御部8は紙幣処理機1及び硬貨処理機2に入金処理を実施させる(S17)。
すなわち、紙幣処理機1及び硬貨処理機2は主制御部8の指示により、紙幣入出金口11及び硬貨入金口21に設けられているシャッタをそれぞれ開放して、レジ担当者がレジスタから回収してきた現金である紙幣及び硬貨を受入れ、そして受入れた紙幣及び硬貨を紙幣鑑別部12及び硬貨鑑別部22に搬送してそれぞれ鑑別、計数した後、紙幣一時保留部13及び硬貨一時保留部23に一時保留する。
【0032】
受入れたすべての硬貨及び紙幣を計数して一時保留すると、主制御部8は金種毎の枚数及び金額、全金種の合計額を計数結果として表示部3に表示し、レジ担当者に金額を確認させて収納の可否(OK/NG)を入力させる。
収納不可(NG)の場合、一時保留した紙幣は紙幣入出金口11から、硬貨は硬貨リジェクト口27からレジ担当者に返却して処理を終了するが、収納可能(OK)の場合、紙幣一時保留部13及び硬貨一時保留部23に一時保留した紙幣及び硬貨を従来(特許文献1)と同様に紙幣回収庫15及び硬貨回収庫25と、釣銭用紙幣収納庫14及び釣銭用硬貨収納庫24に振分けて収納する。
【0033】
硬貨及び紙幣の収納が終了すると、主制御部8は今回の処理結果として通番、レジNo、カードNo、利用者ID、区分、入金金額、金種別枚数等を記憶部7の入出金処理履歴に書込んで更新し(S18)、更に伝票記録部6で入金処理結果を伝票に記録してレジ担当者に発行すると共にIDカードをカード挿入排出口から排出してレジ担当者に返却する(S19)。
【0034】
尚、入出金処理履歴等の更新は伝票発行後に行うようにしてもよい。
以上説明した実施例によれば、現金処理装置を管理する各管理者の識別情報と、管理者毎に装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持つ管理者か障害復旧させる技術を持たない管理者かを示す情報を対応させて登録すると共に現在の管理者を示す情報を登録する管理者登録テーブルを記憶部に格納して、レジ担当者がレジスタから運んできた現金を入金処理する際、前記制御部が管理者登録テーブルを参照して現在の管理者が装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持つ管理者か否かを判断し、障害復旧させる技術を持たない管理者の場合は、現金以外の不要物を装置内に入れないように警告するメッセージを配した警告画面を表示部に表示するようにしているため、操作に不慣れなレジ担当者が紙幣を束ねる輪ゴムやクリップなどの不要物を除去しないまま、投入することを抑制することができ、それによりジャム等の障害の発生を減少させることができるという効果が得られる。
【0035】
尚、上述した実施例では、入金処理時に警告画面を表示するものとしたが、出金処理時にも紙幣処理機1の紙幣入出金口11に設けられているシャッタをそれぞれ開放することから、その際レジ担当者の不注意により異物等の不要物が紙幣入出金口11から装置内に落としてしまうことが考えられるので、出金処理時においても上記入金処理時と同様の手順で同様の警告画面を表示部3に表示するようにしてもよい。
【0036】
またこの他にも、以下のような制御を行うことが可能である。
例えば、現金処理装置の操作に慣れていて障害を発生させることのない熟練のレジ担当者のなかには警告画面が表示されることを煩わしく感じる人がいる。
そこで、レジ担当者(装置利用者)毎に障害発生の履歴を登録する障害発生履歴テーブルを記憶部7に記憶させると共に、障害発生に対する閾値を設定しておき、各レジ担当者の入出金の現金処理操作時に、現在の管理者が装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持たない管理者の場合、主制御部8が障害発生履歴テーブルを参照し、そのレジ担当者の過去一定期間の障害発生回数と閾値を比較して、障害発生回数が閾値以上のとき警告画面を表示部3に表示するようにする。
【0037】
この場合、レジ担当者が入力する個人IDによって、レジ担当者の識別を行うことができる。
このようにすることによって、障害を発生させることのない熟練のレジ担当者に対する警告画面の表示を行わないようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例の構成を示すブロック図
【図2】管理者登録テーブルの内容例を示す図
【図3】実施例における担当管理者の登録処理手順を示すフローチャート
【図4】実施例の入金処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0039】
1 紙幣処理機
2 硬貨処理機
3 表示部
4 操作部
5 カードリーダ
6 伝票記録部
7 記憶部
8 主制御部
11 紙幣入出金口
12 紙幣鑑別部
13 紙幣一時保留部
14 釣銭用紙幣収納庫
15 紙幣回収庫
16 紙幣リジェクト庫
17 制御部
21 硬貨入金口
22 硬貨鑑別部
23 硬貨一時保留部
24 釣銭用硬貨収納庫
25 硬貨回収庫
26 硬貨出金箱
27 硬貨リジェクト口
28 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売店等に設置されるレジスタに補充される釣銭用の現金の出金処理や、レジスタから回収した現金の入金処理等の現金処理を行う現金処理装置において、
表示部、操作部、記憶部、制御部を備え、
当該現金処理装置の扉を開いて装置内部を機械操作できる権限を有する各管理者の識別情報と、管理者毎に装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持つ管理者か障害復旧させる技術を持たない管理者かを示す情報を対応させて登録すると共に現在の管理者を示す情報を登録する管理者登録テーブルを前記記憶部に格納しておき、
装置利用者が前記操作部で現金処理を選択したとき、前記制御部が管理者登録テーブルを参照して現在の管理者が装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持つ管理者か否かを判断し、障害復旧させる技術を持たない管理者の場合は、現金以外の不要物を装置内に入れないように警告するメッセージを配した警告画面を前記表示部に表示することを特徴とする現金処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の現金処理装置において、
装置利用者毎に障害発生の履歴を障害発生履歴テーブルとして前記記憶部に記憶すると共に、障害発生に対する閾値を設定しておき、
各装置利用者による現金処理操作時に、現在の管理者が装置内部を機械操作して障害復旧させる技術を持たない管理者の場合、前記制御部が前記障害発生履歴テーブルを参照し、その装置利用者の過去一定期間の障害発生回数と閾値を比較して、障害発生回数が閾値以上のとき警告画面を表示することを特徴とする現金処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の現金処理装置において、
管理者の勤務開始時に、その管理者が前記操作部で入力した識別情報に基づいて、前記管理者登録テーブルに現在の管理者を示す情報を登録することを特徴とする現金処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−230613(P2009−230613A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77211(P2008−77211)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】