説明

現金管理システム、現金処理装置、及び現金データ管理装置

【課題】釣銭資金の有効な運用を図ると共に、釣銭機の釣銭切れを防止する。
【解決手段】現金データ管理装置4の記憶部に、釣銭機3毎に釣銭用現金の金種毎の必要枚数を設定した釣銭必要量設定表と、この釣銭必要量設定表による金種毎の必要枚数と釣銭機3から通知される金種毎の釣銭用現金の保有枚数から求めた釣銭機3に対する金種毎の補充枚数を設定した釣銭機別釣銭有高表を保有させ、現金データ管理装置4は現金処理装置6から釣銭機3を指定する情報が送られてきたとき、前記釣銭機別釣銭有高表に設定された釣銭用現金の金種毎の補充枚数を現金処理装置6に通知して釣銭用現金を出金させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内に設置される複数のPOSレジスタと、各POSレジスタの釣銭機にセットする釣銭資金や各POSレジスタから回収した売上金の入出金処理を行う現金処理機を備えた現金管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デパートやスーパーマーケット等の流通店舗では、客が購入した商品の精算を行うために各売場にレジスタを設置し、このレジスタを操作するレジ担当の店員を配置している。
このようなレジ担当の店員に対して営業時間前に予め準備した釣銭資金を渡したり、営業終了後に店員がレジスタから回収してきた現金を計数し、売上金と釣銭資金とに分けて集計する作業は店長等が行っていたが、現金の取扱いに手間がかかり、現金を取り扱うことにより精神的な負担もかかるので、このような煩わしい作業を軽減するために現金計数機や入金機、両替機等を導入して、現金取扱いを容易にすることで手間の削減が図られてきた。
【0003】
近年においては、更に自動化を図るために、レジ担当の店員が操作してレジスタ毎に必要な現金を払出したり、店員がレジスタから回収した現金を計数して入金処理する現金処理装置が普及してきている。
一方、店員が操作するレジスタも最近ではコンピュータ化が進み、客からの預かり金の入金や釣銭の放出を自動的に行う釣銭機を備えたPOSレジスタが導入され、レジ担当の店員の負担を軽減している。
【0004】
このようなPOSレジスタと現金処理装置(硬貨管理装置)を備えた従来のシステムとして特許文献1に示されるものがある。
このシステムは、営業開始時やレジ担当の店員の交代時等にPOSレジスタの釣銭機に釣銭資金を補充する場合の硬貨を払いだす出金処理、店員が自分の担当するPOSレジスタの釣銭機から回収した硬貨の入金処理を現金処理装置で行い、また、レジ担当の店員の交代時に前任の店員は担当する釣銭機内のすべての現金つまり釣銭資金と売上金をすべて抜出して空にし、後任の店員は現金処理機で払出された釣銭資金を運んできて釣銭機に装填するものとなっている。
【0005】
尚、このシステムにおいて、釣銭資金としての紙幣は人手で管理するようにしている。
【特許文献1】特開2004−192475号公報(段落「0087」〜段落「0089」、「0092」〜段落「0107」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、レジ担当の店員の交代時に釣銭機内に充分に釣銭資金が残っている場合でも、それをすべて抜取って新たにすべての金種の釣銭準備金を装填することになり、そのため余剰な釣銭資金を現金処理装置に用意しておかなければならず、釣銭資金が有効に運用されていないという問題がある。
また、レジ担当の店員の業務中に釣銭が不足しても分からず、釣銭切れになってから業務を中断して補充することになるので、釣銭切れにより業務中断時間が長くなってレジ担当の店員の業務に支障をきたすという問題もある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明の現金管理システムは、現金を入金すると共に釣銭を放出する複数の釣銭機に補充する釣銭用現金を出金すると共に釣銭機から回収した現金を入金する現金処理装置と、各釣銭機内に保有されている金種毎の現金及び現金処理装置内に保有されている金種毎の現金のデータを管理する現金データ管理装置を備え、前記現金処理装置に入力された釣銭機を指定する情報を現金データ管理装置に送り、前記現金データ管理装置は前記現金処理装置から送られてきた釣銭機を指定する情報に該当する釣銭機に補充する釣銭用現金の金種毎の補充枚数を前記現金処理装置に通知し、前記現金処理装置は前記現金データ管理装置から通知された金種と枚数に基づいて釣銭用の現金を出金することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このようにした本発明は、各釣銭機内の金種毎の現金及び現金処理装置内の金種毎の現金データを管理する現金データ管理装置から釣銭機に補充する釣銭用現金の金種毎の補充枚数を前記現金処理装置に通知して、現金処理装置から釣銭用の現金を出金するようにしているため、レジ担当の店員の交代時に釣銭機内に充分に釣銭用の現金資金が残っている場合、それをすべて抜取って新たにすべての金種の釣銭準備金を装填する必要がなくなり、余剰な釣銭資金を現金処理装置に用意する必要がなくなるので、釣銭資金を有効に運用できるという効果が得られる。
また、各釣銭機内の金種毎の現金及び現金処理装置内の金種毎の現金データを管理する現金データ管理装置を備えていることで、各釣銭機内の金種毎の現金は常に把握されるので、釣銭切れになることを防止でき、レジ担当の店員の業務に支障をきたすこともなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例を示すシステム構成図
【図2】釣銭機の外観を示す斜視図
【図3】釣銭機の構成を示すブロック図
【図4】釣銭機における紙幣処理部の構造を示す側面図
【図5】釣銭機における硬貨処理部の構造を示す平面図
【図6】は現金処理装置の外観を示す斜視図
【図7】現金処理装置の構成を示すブロック図
【図8】現金処理装置における紙幣処理部の構造を示す側面図
【図9】現金処理装置における硬貨処理部の構造を示す側面図
【図10】釣銭管理用テーブルの一例を示す図
【図11】釣銭機への補充処理手順を示すフローチャート
【図12】釣銭機からの現金回収処理手順を示すフローチャート
【図13】釣銭管理用テーブルの更新後の釣銭機別釣銭有高表を示す図
【図14】回収金管理用テーブルの釣銭機別回収庫有高表を示す図
【図15】更新後の釣銭機別回収庫有高表を示す図
【図16】入金額管理テーブルの現金処理装置入金額表を示す図
【図17】レジ担当者の交代時におけるシステムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明による現金管理システム現金処理装置、及び現金データ管理装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は実施例を示すシステム構成図である。
図において1は流通店舗で、この流通店舗1内には各売場に設置されたPOSレジスタ(以下単にレジスタと記す)2と1台の現金データ管理装置4及び現金処理装置6が配置され、レジスタ2及び現金処理装置6は店舗内に敷設されたLAN5により現金データ管理装置4に接続されている。
【0013】
尚、図では3台のレジスタ2を示しているが、この数に限定されるものではなく、また現金処理装置6も1台に限らず、売場が複数階に渡る大型店舗等の場合は各階に設置されていてもよい。
各レジスタ2の下部には客の商品購入代金の入金や釣銭の放出処理を行う釣銭機3が設けられていて、釣銭機3はレジスタ2に接続されている。
【0014】
レジ担当の店員はそれぞれの売場においては商品販売業務を行い、客が購入する商品に付けられているバーコードやICタグなどの情報票から商品名や価格をレジスタ2の読取手段に読取らせて登録し、それに基づいてレジスタ2の表示部に表示される販売価格を確認した上で客から現金を預かって、釣銭機3により釣銭の放出と客からの預かり金の収納を行う。
【0015】
また、客が購入する商品が複数の場合、レジスタ2の読取手段により情報票を1つずつ読取らせることで集計が行われ、合計金額が算出されて表示部に表示されるので、店員はその合計額を客に告げて現金を預かり、釣銭の払出しと客からの預かり金の収納を行う。
この場合、店員は預かり金を確認すると、その預かり金を手元に置き、預かり金の金額をレジスタ2のキーを操作して入力し、レジスタ2は販売価格と店員が入力した金額との差額を計算し、差額がある場合はその差額を釣銭として釣銭機3に放出を指示する。
【0016】
これにより釣銭機3から釣銭が放出されると店員はその釣銭を客に渡し、その後店員は手元にある預かり金を釣銭機3に収納させて入金して処理を完了する。
預かり金を先に入金せず、その金額を入力して釣銭を払出す理由は、客の待ち時間を短縮するためで、店員が客から預かり金を受取った時点で計数し、更に続けて装置に入金して計数するより、店員による計数結果をレジスタ2に入力したほうが速いからである。
【0017】
この釣銭機3で処理された商品の売上高や釣銭放出額、預かり金額は、現金データとしてレジスタ2から現金データ管理装置4に送信され、蓄積される。
また、これとは別に釣銭機3に収納されている現金の内訳情報等がレジスタ2を介して現金データ管理装置4に通知される。
現金処理装置6は、各釣銭機3に補充するための紙幣及硬貨による釣銭用現金(以下、釣銭資金)の出金、各釣銭機3から回収した紙幣及硬貨による売上金等の現金の入金処理を行う装置であり、釣銭資金の出金情報や、売上金の入金情報を現金データ管理装置4に送信する。
【0018】
現金データ管理装置4は、流通店舗1全体の現金有高及び現金の移動を管理するコンピュータで、LCD等の表示部や、キー入力部、HD等の記憶部等を備えており、記憶部には後述する釣銭管理用テーブルや回収現金管理テーブル、入金額管理テーブル等が設定され、各釣銭機3に補充する釣銭資金を出金するときには、釣銭管理用テーブルを参照して各釣銭機3に残っている釣銭の量(有高)に従った釣銭資金の金種毎の補充枚数を現金処理装置6に通知する。
【0019】
また、現金データ管理装置4は、現金処理装置6への補充枚数の通知や、釣銭機3及びや現金処理装置6から送られてくる処理結果等を履歴として記憶部に記憶する他、釣銭機3や現金処理装置6から送られてくる金種毎の出金枚数や補充枚数等の現金データに基づいて店員毎に釣銭や売上高を集計管理したり、釣銭機3単位や、売場毎、更には流通店舗1全体の現金データの集計、管理を行うものとなっている。
【0020】
7は複数の流通店舗1を統合して管理するために流通本部に設置されたホストコンピュータ7で、現金データ管理装置4はこのホストコンピュータ7に接続され、店舗情報の交換ができるものとなっている。
8は現金処理装置6を管理する警備会社に設置されたモニタ装置8で、現金処理装置6はこのモニタ装置8に接続されており、警備会社では現金処理装置6に設けられている防犯センサ等を通じてモニタ装置8により現金処理装置6の監視を行うと共に、現金処理装置6から障害発生の情報がモニタ装置8に送られてくると、修理、復旧のために係員を派遣する。
【0021】
尚、ホストコンピュータ7及びモニタ装置8は本発明とは関係がないので、以後これらについては説明を行わないものとする。
図2は釣銭機3の外観を示す斜視図である。
釣銭機3の前面上部には、紙幣の入出金を行うための紙幣入出金口21、硬貨を投入するための硬貨入金口22、硬貨を出金するための硬貨出金口23、及び釣銭機3に障害が発生した場合に操作案内や復旧修理のための表示や入力操作を行う表示操作部24が配置されている。
【0022】
更に、釣銭機3の前面にはモード鍵25が設けられており、このモード鍵25を操作することにより、売上金等が収納されている紙幣回収カセット26や、硬貨回収カセット27を抜取ることができるようになっている。
図3は釣銭機3の構成を示すブロック図である。
この図に示したように釣銭機3は、表示操作部24への操作案内の表示や操作の入力を受付ける表示操作制御部31、レジスタ2とのデータ交換や指示の受信を行う伝送部32、紙幣入出金口21への紙幣の払出しや紙幣入出金口21から取込んだ紙幣の判別及び計数を行って売上金等を紙幣回収カセット26等に収納する紙幣処理部、硬貨出金口23への釣銭の払出しや硬貨入金口22から取込んだ硬貨の判別及び計数を行って硬貨回収カセット27等に収納する硬貨処理部34を有し、これらの各部は釣銭機3全体を制御する制御部35に接続されている。
【0023】
図4は釣銭機3における紙幣処理部33の構造を示す側面図である。
図の左側には釣銭機3の前面に配置された紙幣入出金口21と、紙幣回収カセット26が示されている。
紙幣入出金口21から奥に向かって搬送路42が設けられ、この搬送路42の前端部に分離ローラ41が設けられている。
【0024】
搬送路42の途中には認識部43が配置され、搬送路42の後端部側は分岐して、それぞれの終端に収納部44、45が設けられており、両収納部44、45に対応して繰出収納ローラ47、48が設けられている。
また、搬送路42は紙幣入出金口21と認識部43との間でも分岐しており、その分岐した部分は2方向に別れて、一方は紙幣回収カセット26に至り、他方は認識部43の下方に設けられた出金リジェクト庫49に達している。
【0025】
紙幣回収カセット26内には仕切り板が設けられ、仕切り板上は入金リジェクト部46となっている。
ここで、紙幣処理部33の動作について説明する。
まず、紙幣入金処理(預かり金入金処理)について説明する。
紙幣入出金口21に紙幣がセットされると、その紙幣は分離ローラ41により1枚ずつ分離され搬送路42に取込まれて認識部43に搬送され、認識部43を通過する際に紙幣は金種が判別される。
【0026】
その結果千円と判別された紙幣は計数された後、収納部44に搬送されて繰出収納ローラ47により収納部44内に収納され、千円以外の二千円、五千円、万円と判別された紙幣は金種別に計数された後、収納部45に搬送されて繰出収納ローラ48により収納部45内に収納される。
また、認識部43で紙幣の金種が判別できなかった場合は、分離ローラ41を停止して後続の紙幣の分離、取込みを中止してから搬送路42を逆送することにより、金種が判別できなかった紙幣を紙幣回収カセット26の内部に設けられた入金リジェクト部46に搬送して収納する。
【0027】
このようにして紙幣入出金口21にセットされたすべての紙幣の取込み収納が終了した後、収納部45に収納された二千円紙幣と万円紙幣を繰出収納ローラ47により繰出して紙幣回収カセット26に収納する。
すなわち、釣銭には千円と五千円が使用され、二千円と万円は釣銭として不要であり、 従って、収納部45に二千円と万円の紙幣が収納された場合は、あらためて収納庫45から紙幣を繰出し、紙幣回収カセット26に搬送して収納する。
【0028】
これにより収納庫45には常に五千円紙幣のみが収納されるので、次に出金が要求されたときに五千円紙幣を即座に出金できるように準備ができ、待ち時間を短縮することができると共に、釣銭として不要な二千円、万円は紙幣回収カセット26に収納しておくことで、釣銭として不要な紙幣をいつでも回収処理することができる。
次に、紙幣の出金処理(釣銭放出処理)を説明する。
【0029】
上位のレジスタ2から千円及び五千円の払出し枚数が指定されると、該当の収納部44または収納部45に収納されている紙幣を繰出収納ローラ47、48により1枚ずつ繰出して搬送路42により認識部43に搬送し、認識部43で金種判別を行うと共に金種毎に計数を行った後、紙幣入出金口21に搬送して集積する。
もし、繰出収納ローラ47、48により1枚ずつ分離して繰出すことができず、その結果、認識部43で金種の判別や計数ができなかった場合、その紙幣はリジェクト紙幣と判定され、搬送路42により出金リジェクト庫49に搬送されて収納される。
【0030】
これにより、認識部43で正しく金種判別され、計数された紙幣だけが紙幣入出金口21に集積されて払出される。
図5は釣銭機3における硬貨処理部34の構造を示す平面図である。
図の左側には釣銭機3の前面に配置された硬貨入金口22と、硬貨出金口23が示されており、硬貨入金口22側には奥に向かって硬貨を搬送する入金搬送路52が設けられ、硬貨出金口23側には奥から硬貨出金口23に向かって硬貨を搬送する出金搬送路57が設けられている。
【0031】
この入金搬送路52と出金搬送路57は、入金搬送路52が高く、出金搬送路57が低くなるように配置され、両者の間には金種別ホッパ56a〜56fが設けられている。
硬貨入金口22の底部には回転円板と分離ローラ51が配置され、入金搬送路52の前端側には認識部53が設けられている。
そして、認識部53の直後にリジェクト穴54が設けられ、その下方には硬貨回収カセット27が配置されている。
【0032】
また、入金搬送路52には穴径の異なる金種別の硬貨選別穴55a〜55fが設けられており、金種別ホッパ56a〜56fに対応している。
例えば、ここでは硬貨選別穴55a〜55fのうち認識部53に近いほうから穴径が順に大きくなるように設けてあり、一円、五十円、五円、百円、十円、五百円の順に並ぶように設定している。
【0033】
金種別ホッパ56a〜56fの底部には、それぞれ分離ローラが設けられ、この分離ローラにより1枚ずつ繰出される硬貨がセンサにより検出されて計数されるようになっている。
ここで、硬貨処理部34の動作について説明する。
まず、硬貨の入金処理を説明する。
【0034】
硬貨入金口22に硬貨が投入されると、その硬貨は硬貨入金口22の底部に配置された回転円板と分離ローラ51により1枚ずつ分離され、入金搬送路52に取込まれて認識部53に搬送される。
硬貨は認識部53を通過する際に、その金種が判別されるが、もし金種が判別できなかった場合は、その硬貨は認識部53の直後に設けられているリジェクト穴54が開放されることで落下し、硬貨回収カセット27収納される。
【0035】
一方、認識部53で金種が判別された硬貨は更に入金搬送路52に搬送されて進み、硬貨選別穴55a〜55fの該当する穴から落下して金種別ホッパ56a〜56fに収納される。
次に硬貨の払出し処理について説明する。
金種別ホッパ56a〜56fに収納されている硬貨が上位のレジスタ2からの指示に従って1枚ずつ繰出され、計数された後、出金搬送路57に送り込まれる。
【0036】
そして硬貨はこの出金搬送路57により硬貨出金口23に搬送され放出される。
レジスタ2から指定された枚数の硬貨が硬貨出金口23にされ放出されると、硬貨の繰出しは停止され、硬貨出金口23に放出され硬貨がレジ担当の店員に取出される。
図6は現金処理装置6の外観を示す斜視図である。
この図に示したように現金処理装置6の前面には、紙幣の入出金を行うための紙幣入出金口61、硬貨の入金を受入れる硬貨入金口62、硬貨を出金するための硬貨出金口63、この現金処理装置6をIDカードの挿入排出を行うカード口64、及び現金処理装置6を操作するときの操作手順や障害が発生した場合に障害内容及び復旧のための処理手順を案内表示するための操作案内表示部65、入金または出金の指定や必要なデータを入力するためのキー入力部66等が配設されている。
【0037】
図7は現金処理装置6の構成を示すブロック図である。
この図に示したように現金処理装置6は、操作案内表示部65に必要な情報を表示する表示制御部71、キー入力部66からの入力を受付ける入力制御部72、カード口64に挿入されたIDカードから操作する権限を証明するためのID等のカード情報を読取るカード読取部73、LAN5を介して現金データ管理装置4とのデータ交換を行うための伝送部74、現金処理装置6に設置された防犯センサの検知情報や売上金の収納量及び障害発生等の情報を警備会社のモニタ装置8に通報するための監視部75、紙幣入出金口61から受入れた紙幣の入金処理及び紙幣入出金口61への紙幣の払出し処理を行う紙幣処理部76、硬貨入金口62から受入れた硬貨の入金処理及び硬貨の払出し処理を行う硬貨処理部77、及びこれらの各部と接続して現金処理装置6を制御する制御部78等により構成されている。
【0038】
図8は現金処理装置6における紙幣処理部76の構造を示す側面図である。
図に示したように現金処理装置6の前面に配置された紙幣入出金口61には分離ローラ81が設けられており、紙幣入出金口61の奥側に一時保留部84が配置されている。
分離ローラ81の下方には認識部83が配置され、現金処理装置6内の底部側には千円紙幣収納用の紙幣収納庫86a、五千円紙幣収納用の86bと、二千円及び万円紙幣収納用の紙幣回収庫87が並べて設けられていて、紙幣収納庫86b内には紙幣リジェクト収納庫88が設けられている。
【0039】
そしてこれらを結ぶように搬送路82が設けられている。
また、一時保留部84には紙幣取込部85aと紙幣繰出部85bが設けられており、更に紙幣収納庫86a、86bの上部には紙幣取込繰出部89a、89bがそれぞれ設けられている。
尚、紙幣リジェクト収納庫88は搬送路82により搬送されてきた紙幣が紙幣収納庫86bの外側から直接送り込めるようになっている。
【0040】
ここで、この紙幣処理部76の動作について説明する。
まず、紙幣の入金処理を説明する。
店員によりレジスタ2の釣銭機3から運ばれた紙幣が紙幣入出金口61にセットされる。ここでセットされる紙幣は営業開始時に釣銭機3に用意された釣銭と売上金が混在したものである。
【0041】
セットされた紙幣は分離ローラ81により1枚ずつ分離され搬送路82に取込まれて認識部83に搬送され、この認識部83を通過する際に紙幣は真偽や金種が判別されて、金種毎に入金枚数が計数される。
計数された紙幣は一時保留部84に搬送され、紙幣取込部85aにより一時保留部84に集積されて一時保留される。
【0042】
また、認識部83で偽と判別された紙幣や、金種が判別できなかった紙幣は、リジェクト紙幣として搬送路82により紙幣入出金口61に戻され、店員に返却される。
尚、紙幣入出金口61は分離中の紙幣と分けてリジェクト紙幣を集積できるように構成されている。
このようにして紙幣入出金口61にセットされたすべての紙幣の判別、計数が終了すると、その計数結果が操作案内表示部65に表示され、店員により入金金額の確認が行われる。
【0043】
ここで店員が入金金額を承認せず、キー入力部66の所定のキーで入金取消を指示すると、一時保留部84に一時保留されている紙幣が紙幣繰出部85bによりすべて繰出され、搬送路82により逆送されて認識部83を通り、紙幣入出金口61に戻されて店員に返却される。
一方、店員が入金金額を承認し、キー入力部66の所定のキーで収納を指示すると、一時保留部84に一時保留されている紙幣が紙幣繰出部85bによりすべて繰出され、搬送路82により逆送されて認識部83に送られる。
【0044】
そして認識部83で再び金種の判別が行われ、その判別結果に基づいて紙幣収納庫86a、86b、紙幣回収庫87等に搬送されて、紙幣取込繰出部89a、89b等によりこれらの紙幣収納庫86a、86b、紙幣回収庫87内に収納される。
すなわち、認識部83で千円と判別された紙幣は紙幣収納庫86aに搬送されて収納され、五千円と判別された紙幣は紙幣収納庫86bに搬送されて収納される。
【0045】
また、二千円及び万円と判別された紙幣は紙幣回収庫87に搬送されて収納され、更に金種不明と判別された紙幣は紙幣リジェクト庫88に搬送されて収納される。
但し、このとき二千円及び万円と判別された紙幣を紙幣回収庫87に収納してしまうと、現金データ管理装置4から別途通知される今回入金の売上高より多額になる場合には、その売上高を超える分の紙幣は紙幣リジェクト庫88に収納するようにする。
【0046】
また、二千円、万円と判別された紙幣をすべて紙幣収納庫86a、86bに収納しても今回入金の売上高に不足が生じる場合は、一時保留部84に集積されている今回入金される紙幣の収納処理が完了してから紙幣収納庫86a、86bと紙幣回収庫87との間で紙幣の移動が行われる。
この場合の移動は、紙幣収納庫86a及び紙幣収納庫86bから必要枚数の千円、五千円の紙幣を1枚ずつ繰出して認識部83で計数した後、一時保留部84に集積し、必要枚数集積すると紙幣を一時保留部84から繰出し、紙幣回収庫87に搬送して収納することにより行う。
【0047】
このようにして紙幣の入金が行われ、今回入金の売上高に従って必要な紙幣が紙幣回収庫87に収納されるので、いつでも紙幣回収庫87から売上金を回収することが可能となる。
次に、出金処理について説明する。
紙幣の釣銭用資金が釣銭機3で必要になった場合等には、現金処理装置6から必要な金種、枚数の紙幣が出金される。
【0048】
例えば、釣銭機3で釣銭用の紙幣が必要になった場合等には、紙幣取込繰出部89a、89bにより紙幣収納庫86a、86bから千円、五千円の紙幣が1枚ずつ繰出されて、搬送路82により認識部83に搬送され、この認識部83を通過する際、紙幣は金種が判別される。
ここで、紙幣取込繰出部89a、89bにより1枚ずつ分離して繰出すことができず、その結果、認識部83で金種の判別や計数ができなかった場合は、出金リジェクトと判定され、その紙幣は搬送路82により紙幣リジェクト庫88に搬送されて収納される。
【0049】
金種が判明した紙幣は金種毎に枚数が計数された後、紙幣入出金口61に搬送されて集積され、必要な金種、枚数の紙幣が集積されると店員に出金される。
図9は現金処理装置6における硬貨処理部77の構造を示す側面図である。
図に示したように現金処理装置6の前面に配置された硬貨入金口62の下部には、奥に向かって入金搬送路91が設けられている。
【0050】
硬貨入金口62の底部には回転円板と分離ローラが配置され、入金搬送路91の前端側には認識部92が設けられている。
そして、認識部92の直後にリジェクト穴が設けられ、その下方には硬貨リジェクト部93が配置されている。
また、入金搬送路52は穴径の異なる金種別の硬貨選別穴が設けられており、各硬貨選別穴から落ちた硬貨は金種別に集積できるように仕切られた一時保留部に一時保留された後、返却箱96または金種別の出金ホッパ97a〜97fに落下収納されるようになっている。
【0051】
出金ホッパ97a〜97fの底部には、それぞれ硬貨を1枚ずつ繰出す出金繰出部98a〜98fが設けられ、この出金繰出部98a〜98fにより繰出された硬貨はセンサにより検出されて計数されるようになっている。
また、出金ホッパ97a〜97fの下方には硬貨を金種別に集積できるように仕切られた出金箱100と硬貨回収庫101が設けられ、出金繰出部98a〜98fにより繰出された硬貨は出金シュート99または102により出金箱100または硬貨回収庫101に送込まれて収納されるようになっている。
【0052】
尚、出金箱100は硬貨出金口63から抜取れるようになっており、また硬貨回収庫101は現金処理装置6に設けられた扉を開くことで現金処理装置6から取外せるようになっている。
ここで、硬貨処理部77の出金処理について説明する。
紙幣と同様に釣銭機3に釣銭資金として硬貨の補充が必要になったとき、出金ホッパ97a〜97fから必要な金種の硬貨が出金繰出部98a〜98fにより繰出され、繰出された硬貨はセンサにより検出されて計数された後、出金シュート99を経由して出金箱100に金種別に収納される。
【0053】
必要な金種、枚数の硬貨が出金箱100に収納されると、硬貨の繰出しが停止され、店員により硬貨出金口63から出金箱100が抜取られて硬貨の払出しが終了する。
一方、売上金を回収する場合は、売上高に対応した金種、枚数の硬貨が出金ホッパ97a〜97fから出金繰出部98a〜98fにより繰出され、繰出された硬貨はセンサにより検出されて計数された後、出金シュート102を経由して硬貨回収庫101に収納される。
【0054】
売上高に対応した金種、枚数の硬貨が硬貨回収庫101に収納されると、硬貨の回収処理が終了する。
この硬貨回収庫101を現金処理装置6から取外すことで、いつでも売上金の硬貨を回収することが可能となる。
次に上述した構成による図1の現金管理システムの作用について説明する。
【0055】
尚、以下に説明する釣銭機3及び現金処理装置6の動作は、それぞれ図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて制御部35,78により制御され、またレジスタ2及び現金データ管理装置4については、それぞれ図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御されるものとする。
【0056】
レジスタ2と釣銭機3は流通店舗1に複数台設置されているが、その設置されている売場や配置のしかた、あるいは営業日等により現金(紙幣及び硬貨)の取扱量が異なり、従って各釣銭機3に釣銭資金として用意すべき紙幣及び硬貨の必要量もおのずと異なってくる。
そこで、本実施例では各釣銭機3に補充すべき釣銭資金の必要量をそれまでの実績等を基に現金データ管理装置4の記憶部に設定しておき、現金データ管理装置4は設定した釣銭資金の必要量、営業の途中に等に釣銭機3から通知される収納現金の内訳等の現金データを基に釣銭資金を出金するときの金額、金種毎の枚数を現金処理装置6に通知する。
【0057】
この現金データ管理装置4による各釣銭機3の有高(釣銭収納量)に従った釣銭資金の管理は以下のように行われる。
図10は現金データ管理装置4の記憶部に設定した釣銭管理用テーブルの一例を示す図で、この釣銭管理用テーブルは、図10(a)に示す日時条件、図10(b)に示す釣銭機設置リスト、図10(c)に示す釣銭必要量設定表、図10(d)に示す釣銭機別釣銭有高表により構成されている。
【0058】
図10(a)に示す日時条件としては、日付や曜日、時間、営業時間内におけるレジスタ2を操作する店員の交代時間(レジ交代時間)、及び特別な催事があるかどうか等が設定されている。
例えば、この例では、本日日付及び曜日として「2006年1月18日」の平日の「水曜」、現在時刻として「12:30」、営業時間として「10:00(開店)〜22:00(閉店)」、レジ交代時間として「13:00 16:00 19:00」の3回の時間、催事は「なし」の諸条件が設定されている。
【0059】
図10(b)に示す釣銭機設置リストには、その流通店舗1に設置してあるすべての釣銭機3について、どの売場に何番のレジスタが配置されているかが登録されており、この例では「号機番号103」の釣銭機3が、「食品売場」にレジ番号「7番」として配置されているものとして登録されていることを示しているが、他の釣銭機3についても同様の登録が行われている。
【0060】
図10(c)に示す釣銭必要量設定表には、各売場と、レジ別に釣銭の必要量が設定されている。
必要量は五千から一円まで金種毎に枚数が曜日、祝祭日、催事の有無等の営業条件に応じて複数設定され、その中から該当する営業条件に応じて必要量が自動的に選択されるものとなっている。この例では営業条件が平日日中、土日祝日、平日夜間の三者に分けられ、それぞれに各金種毎の枚数が設定されていて、図10(a)の日時条件が三者のうちのどれに該当するかにより必要量が選択される。
【0061】
例えば、図10(a)の日時条件で設定された「平日12:30、催事なし」の場合には、平日日中に該当する枚数が選択される。」
尚、営業条件の数は任意に追加してもよい。
図10(d)に示す釣銭機別釣銭有高表には、釣銭機3毎の金種別の釣銭資金の有高と警報設定枚数、補充枚数等が設定されている。
【0062】
例えば、この例では「号機番号103」の釣銭機3について、その釣銭機3から報告された現在収納されている金種別の釣銭枚数が有高として書込まれ、また営業中に釣銭の収納枚数が減って緊急に釣銭を補充する必要があると判断するための基準枚数となる警報設定枚数、更に釣銭機3に補充する補充資金の金種別の補充枚数、及びレジ交代等の直前には釣銭が警報設定枚数以下になっていても警報を行わないための警報禁止時間が設定されている。
【0063】
尚、警報設定枚数は、釣銭が釣銭必要量設定表で今回選択された平日日中に設定されている枚数の20%としているが、金種毎に任意に設定してもよい。
また、補充枚数は、図10(c)の釣銭必要量設定表から今回選択された平日日中に設定されている枚数と有高との差であり、負の値はその金種が過剰に収納されていることを示している。
【0064】
ところで、図10(d)の例では「十円」の有高が14枚、「十円」の警報設定枚数は16枚であるので、現金データ管理装置4は残量不足として警報を発するが、警報が発せられた場合の処理は以下のように行われる。
現金データ管理装置4は、釣銭機3から報告された有高である金種毎の釣銭収納枚数と警報設定枚数とを比較して、有高の枚数が少ないと判断すると、現金データ管理装置4に設けられている表示部に「号機番号103」の釣銭機3で「十円」が不足している旨のメッセージを表示すると共にその表示画面を点滅させたり、現金データ管理装置4に内蔵されているブザーにより警報音を出力することで店舗管理者等に対して警報を発する。
【0065】
店舗管理者はこの警報を確認すると、現金処理装置6から補充用の現金を出金させる。
すなわち、店舗管理者は現金処理装置6のところに行き、自分が保有しているIDカードをカード口64に挿入し、キー入力部66を操作して補充用現金の出金処理を行うことを指定すると共に、釣銭機3の「号機番号103」を指定する。
現金処理装置6はカード口64から挿入されたカードの情報をカード読取部73で読取り、そのカード情報と店舗管理者が入力した釣銭機3の号機番号を基に現金データ管理装置4に対して払出し枚数を問い合わせ、これにより現金データ管理装置4は、図10(d)の釣銭機有高管理表に従って払出し枚数を現金処理装置6に通知する。
【0066】
この場合、今回不足の警報を発生した十円硬貨はもちろんのこと、ほかの金種についても釣銭有高表に設定された補充枚数に従って必要であれば補充の指示が通知される。
例えば、図10(d)の釣銭機別釣銭有高表の場合、収納量が過剰である千円紙幣と一円硬貨以外の金種の紙幣及び硬貨の補充枚数を通知する。
現金処理装置6は、現金データ管理装置4から金種とその補充枚数が通知されると、それに従って前述の紙幣処理機76および硬貨処理機77により釣銭資金として紙幣及び硬貨の出金を行う。
【0067】
店舗管理者は現金処理装置6から出金された釣銭資金を取出して「号機番号103」の釣銭機3に運び、補充を行う。
このようにして釣銭機3の釣銭がなくなる前に警報を発し、必要な金種の釣銭資金を補充することができるので、釣銭切れによるレジスタ2の稼働の中断を防止することができ、販売業務に支障が生じることを防ぐことができる。
【0068】
また、1つの金種が不足したとき、同時に他の金種についても予め設定した補充枚数に従って補充を行うことができるので、例えば図10(d)に示した五円硬貨のように現在の有高が6枚、警報枚数6枚となっている場合の金種について、不足になる直前に補充することが可能となり、同一の釣銭機3に対して何度も補充するようなことを防止することもできる。
【0069】
但し、閉店直前に補充が必要になった場合等、釣銭切れが発生することがないと考えられるような場合には警報を発生しないようにすれば、実際の運用に合わせた補充が可能となる。
また、閉店時間に限らす、レジ担当の店員が交代する時間の直前に警報の発生が必要になった場合も同様である。
【0070】
また、後で詳述するが、レジ担当の店員が交代する場合は、釣銭機3からの余剰紙幣、及び余剰硬貨の回収と釣銭資金の補充が行われるので、店舗管理者が補充を行わなくとも店員の交代まで釣銭切れが発生しないと予想できる。つまりレジ担当の店員の交代までの時間が釣銭機別釣銭有高表の警報禁止時間に設定された「10分」以内であれば警報を発生させないようにする。
【0071】
このようにすることにより、無駄な補充を回避することができる。
次に、現金データ管理装置4による現金処理装置6から釣銭機3に対する紙幣及び硬貨の補充手順について説明する。
図11は現金データ管理装置4による釣銭機3への補充処理手順を示すフローチャートで、以下の説明はこの図中にSで示したステップに従って行う。
【0072】
店員が自分の担当するレジスタ2に接続された釣銭機3に釣銭を補充する場合、保有している自分のIDカードを現金処理装置6のカード口64に挿入し、キー入力部66を操作して補充資金の出金処理を指定すると共に、自分の担当するレジスタ2を指定する情報として、例えば「食品売り場7番レジ」を入力する。
現金処理装置6はカード口64から挿入されたカードの情報をカード読取部73で読取り、そのカード情報及び店員が入力した「食品売り場7番レジ」の情報と共に補充資金の補充枚数を要求する情報を現金データ管理装置4に通知する。
【0073】
この通知はカード情報及び店員が入力した情報と共に履歴として記憶部に記録される。
現金データ管理装置4は現金処理装置6から補充枚数の要求の有無を監視しており(S1)、補充枚数の要求ありと判断すると、記憶部に設定されている釣銭管理用テーブルを参照し、「食品売り場7番レジ」に該当するレジスタ2に接続された「号機番号103」の釣銭機3に対する出金枚数として、図10(d)の釣銭機別釣銭有高表から金種毎の紙幣及び硬貨の補充枚数を読出し、現金処理装置6に通知する(S2)。
【0074】
この通知も履歴として記録される。
現金処理装置6は、現金データ管理装置4から補充枚数が通知されると、それに従って前述の紙幣処理機76及び硬貨処理機77により釣銭資金として紙幣及び硬貨の出金処理を行い、その処理結果を現金データ管理装置4に報告する。
現金データ管理装置4は、現金処理装置6からの出金処理結果から出金が完了したかどうかを判断する(S3)。
【0075】
もし現金処理装置6で出金処理中に障害が発生して正常に出金ができなかった場合は、取消処理を行う(S4)。すなわち現金処理装置6から「号機番号103」の釣銭機3への補充は行われなかったものとして履歴に記録して処理を終了する。
一方、現金処理装置6で補充枚数に基づく出金が正常に行われて完了した場合、釣銭機から補充処理の結果の報告を待つ。
【0076】
すなわち、現金処理装置6で補充資金の出金が正常に行われると、店員はその補充資金を取出して号機番号「103」の釣銭機3へ運び、その釣銭機3の表示操作部24により釣銭資金の補充を指定して、釣銭資金のうちの紙幣を紙幣入出金口21へセットすると共に、硬貨を硬貨入金口22へ投入する。
これらの紙幣及び硬貨は、図4及び図5にて説明したように釣銭機3の紙幣処理部33及び硬貨処理部34に取込まれて計数された後、紙幣の収納部44、45、及び金種別ホッパ56a〜56fに収納される。
【0077】
このようにして釣銭機3で釣銭資金の補充が終了すると、釣銭機3はレジスタを介して号機番号「103」の情報と補充処理結果を現金データ管理装置4に報告する。
現金データ管理装置4は、「号機番号103」の釣銭機3からの補充処理結果から補充が完了したかどうかを判断する(S5)。
ここでもし釣銭機3で補充処理中に障害が発生して正常に補充ができなかった場合は、取消処理を行う(S6)。つまり正常に補充ができなかったことを履歴として記録する。
【0078】
すなわち現金処理装置6で補充資金の出金が正常に行われたが、号機番号「103」の釣銭機3への補充は完了できなかったものとして履歴に記録して一旦処理を終了し、釣銭機3に発生した障害が取り除かれて復旧してから改めて店員により補充が行われるのを待つ。
一方、釣銭機3で補充処理が正常に行われて完了した場合、釣銭機3は「号機番号103」と、補充が正常に行われた旨の情報、及び金種毎の補充枚数をレジスタ2を介して現金データ管理装置4に報告する。
【0079】
これにより現金データ管理装置4は、釣銭機3からの報告された金種毎の補充枚数を入力し、履歴として記録する処理を行い(S7)、その後、現金処理装置6へ「号機番号103」の釣銭機3の補充資金として通知した金種毎の紙幣及び硬貨の補充枚数と「号機番号103」の釣銭機3から報告を受けた補充した金種毎の紙幣及び硬貨の枚数が一致しているかどうかをチェックする(S8)。
【0080】
ここでチェックの結果が不一致の場合、現金データ管理装置4は現金処理装置6の補充資金の出金枚数と「号機番号103」の釣銭機3の補充枚数が不一致である旨のメッセージと共に、補充資金の出金枚数と補充枚数の内訳を表示部に表示して警報を発する。
これにより店舗管理者は、不一致が発生したことを確認することができる。
その後、現金データ管理装置4は「号機番号103」の釣銭機3から報告された紙幣及び硬貨の金種毎の枚数を図10(d)の釣銭機別釣銭有高表の有高に加算して更新する処理を行う(S10)。
【0081】
一方、現金データ管理装置4はチェックの結果が一致の場合、警報を発生させることなく現金データ管理装置4は号機番号「103」の釣銭機3から報告された紙幣及び硬貨の金種毎の枚数を図10(d)の釣銭機別釣銭有高表の有高に加算して更新する処理を実行する(S10)。
以上により現金処理装置6から出金した補充資金の釣銭機3に対する補充が完了する。
【0082】
このように本実施例では図10(c)に示す釣銭必要量設定表に基づく必要枚数と釣銭機3内の釣銭資金との差を補充枚数として、釣銭資金を補充するため、釣銭資金を効率的に運用することが可能となり、またレジ担当の店員は最適量の釣銭資金で業務を開始することができるので、業務中に釣銭資金が不足する状態になるのを防止することができる。
また、図10(c)に示す釣銭必要量設定表は釣銭機の設置場所(売場)や、平日、祝祭日等の日付や時間帯に応じて設定されているので、繁忙期に業務中に釣銭資金が不足したり、閑散期に無駄な釣銭資金を補充することもなくなり、この面からも釣銭資金を効率的に運用することが可能となる。
【0083】
尚、前記S8の枚数チェックで不一致になる原因としては、店員が現金処理装置6から補充資金を出金させるとき、自分の担当するレジスタ2のレジ番号等を間違って入力したために、現金データ管理装置4が認識している補充すべき釣銭機3と異なってしまった場合、店員が自分の担当するレジスタ2を間違えて別のレジスタ2に接続された釣銭機3に補充したために現金データ管理装置4が認識している補充すべき釣銭機3と異なってしまった場合、店員によるレジ番号等の入力間違いや担当レジスタの間違いはなかったが、釣銭機3に補充した紙幣や硬貨の中に釣銭機3で受付けられずにリジェクトされた紙幣や硬貨があったことにより補充資金の出金枚数と補充枚数が合わなくなった場合、現金処理装置6から釣銭機3に補充資金を運ぶ途中で何らかの理由により現金の一部が行方不明になった場合等が考えられる。
【0084】
これらの原因のうち、補充資金の一部が行方不明となった場合は、店員による不正の恐れがあり、重大な問題になるが、一般的にはレジ番号等の入力を間違えた場合、補充すべき釣銭機3を間違えた場合、あるいは釣銭機3でリジェクトされたために計数できなかった場合によることが多く、そのため、多忙な流通店舗1において前記の不一致が発生する都度、その原因を調べる時間的な余裕をとることは困難である。
【0085】
そこで、このような不一致が発生した場合でも、本実施例では現金処理装置6や釣銭機3からの処理結果に従って図10(d)の釣銭機別有高表の有高を更新するようにしており、これによりそのまま業務を続けさせ、その日の営業が終了した時点で流通店舗1におけるすべてのレジスタ2の締上げを行うことで、全体としての過不足を調べて全体の出金枚数と補充枚数を一致させることができるようにしている。
【0086】
すなわち、現金データ管理装置4の記憶部に記録されている履歴を確認することで、釣銭資金として現金処理装置6で出金したままの紙幣及び硬貨と、補充対象ではないのに補充が行われた釣銭機3が確認できるので、それらの金額が一致すればレジ番号の入力間違い等として判断することができる。
また、補充時に釣銭機3でリジェクト紙幣やリジェクト硬貨が発生したときは、そのリジェクト紙幣やリジェクト硬貨は該釣銭機3の入金リジェクト庫46及び硬貨回収カセット27に収納されるので、レジスタ2の締上げ時に釣銭機3の入金リジェクト庫46及び硬貨回収カセット27からリジェクト紙幣やリジェクト硬貨を取出して計数し、現金処理装置6のキー入力部66により入力して図10(d)に示す釣銭機別有高表に加算することで現金処理装置6から出金した補充資金の金種毎の出金枚数と釣銭機3で補充した金種毎の補充枚数は一致するものとなる。
【0087】
このようにすることによって、常に実態に合わせた管理が可能となる。
尚、店員により不正行為により補充資金の一部が行方不明になった場合は、前記のように他の釣銭機3への間違いやリジェクト等として発見することはできないが、それによる不一致は現金データ管理装置4で確認できるので、前記のように警報を発することで店員の不正行為に対する牽制となり、また警報を発することで店舗管理者等による不正行為の早期発見に繋げることが可能となる。
【0088】
次に、現金データ管理装置4の指示に基づいて釣銭機3から売上金を回収して現金処理装置6に入金する処理について説明する。
各釣銭機3からの売上金等の回収処理は、レジ担当の店員が交代するときや、流通店舗1の営業が終了したとき等に行われ、次に前任の店員と交代する後任の店員のための釣銭資金や、翌日の営業のために必要な釣銭資金を残して、それ以外の不要な現金を釣銭機3から回収し、現金処理装置1に入金する処理である。
【0089】
流通店舗1の営業中に釣銭機3で必要な釣銭資金は、図10(c)で説明した釣銭必要量設定表に設定され、その設定された枚数を超える紙幣や硬貨は釣銭機3としては不要である。
また、客が購入した商品の売上金も不要な現金であるが、売上金として入金処理される現金として2千円や万円の紙幣があり、この両紙幣には釣銭として放出した釣銭資金が含まれる場合がある。
【0090】
例えば、客が千円の商品を購入して万円紙幣1枚を店員に差出した場合、店員はその万円紙幣を預かり金として受取って、九千円を釣銭機3から放出させて客に釣銭として渡すことになるが、この万円紙幣には売上金としての千円の他に釣銭資金である九千円が含まれている。従って、この万円紙幣は売上金としての千円と釣銭資金である九千円に分けられるべき現金であるが、万円紙幣は釣銭として使えないので回収カセット26に収納される。
【0091】
また、客が千百円の商品を購入して万円紙幣1枚と百円硬貨1枚の合計一万百円を店員に差出した場合、九千円を釣銭機3から放出させて客に釣銭として渡すことになり、この場合、万円紙幣は釣銭として使えない現金であるが、百円硬貨については、釣銭資金として収納されていた百円硬貨がすでに多く出金され、図10(c)の釣銭必要量設定表に設定された枚数を下回る枚数しか金種別ホッパ56dに残っていない場合には、釣銭として必要な硬貨となる。
【0092】
従ってこの場合は、万円紙幣は回収カセット26に収納され、百円硬貨は金種別ホッパ56dに収納されるが、万円紙幣は売上金としての千百円と釣銭資金である八千九百円に分けられるべき現金である。
以上のように釣銭機3における回収される現金は、売上金と釣銭資金に分けて管理することが必要であるが、実際に回収する現金額は、売上金と釣銭資金が混在するものとなり、これを売上金と釣銭資金に分けるには、両替などが必要になる場合が多い。
【0093】
そこで、本実施例では以下のように回収処理を行うものとしている。
図12は現金データ管理装置4の指示に基づく釣銭機3からの現金回収処理手順を示すフローチャートで、以下の説明はこの図中にSで示したステップに従って行う。
店員は業務終了時(交代時)自分が担当するレジスタ2に接続された釣銭機3から不要な現金を回収する場合、釣銭機3の表示操作部24により現金の回収を指定する。
【0094】
釣銭機3はレジスタ2を介して現金データ管理装置4に対して自身の号機番号(ここでは号機番号103とする)と共に回収枚数の要求を通知する。
現金データ管理装置4は釣銭機3からの回収枚数の要求を監視しており(S21)、回収枚数の要求有りと判断すると、該当する号機の釣銭機3に対する釣銭有高をチェックし、余剰金を紙幣回収カセット26や硬貨回収カセット27に移動するための枚数を決定する。
【0095】
例えば、釣銭機3の有高が図10(d)の釣銭機別釣銭有高表の場合、図10(c)の釣銭必要量設定表に設定されている金種毎の必要枚数と、図10(d)の釣銭機別釣銭有高表に書込まれている金種毎の有高の枚数を比較して、有高枚数が必要枚数の枚数を越える金種について余剰枚数を判断する。
すなわち、図10(c)と図10(d)とを比較すると、現在が平日日中に該当すれば、平日日中の千円紙幣の必要枚数は20枚であるのに対し、有高枚数は50枚であるので30枚が余剰枚数であると判断する。
【0096】
この余剰と判断された千円紙幣30枚を収納部44から紙幣回収カセット26に移動するものと決定する。
同様に一円硬貨は3枚が余剰枚数であると判断し、3枚の一円硬貨を金種別ホッパ56aから硬貨回収カセット27に移動するものと決定する。
この結果は金種別の回収枚数として現金データ管理装置4から回収枚数の要求を送ってきた「号機番号103」の釣銭機3に通知され(S22)、釣銭機3はこの通知に従って千円紙幣30枚を収納部40から紙幣回収カセット26に移動して回収処理を行う。
【0097】
現金データ管理装置4はレジスタ2からの報告を待って処理結果から回収が完了したかどうかを判断する(S23)。
ここでもし釣銭機3で回収処理中に障害が発生して正常に補充ができなかった場合は、現金データ管理装置4は号機番号「103」の釣銭機3の回収は完了できなかったものとして取消処理を行う(S24)。つまり履歴に回収は完了できなかったことを記録して一旦処理を終了し、釣銭機3に発生した障害が取り除かれて復旧してから改めて店員により回収が行われるのを待つ。
【0098】
一方、釣銭機3で回収処理が正常に行われて完了した場合、レジスタ2は接続された釣銭機3の紙幣回収カセット26と硬貨回収カセット27の一方または両方を取出すように指示を出すと同時に、レジ担当の店員の作業のまとめとして仮締め集計を行う。
これにより店員は、紙幣回収カセット26と硬貨回収カセット27の取出しを行うが、ここでは紙幣回収カセット26のみを取出すものとする。
【0099】
これは、一般的に硬貨は釣銭として出金することが多く、不要現金として回収することが殆どないので、硬貨回収カセット27の取出しは閉店時だけとし、通常は回収しなくても済むためで、必要に応じて硬貨回収カセット27を取出しもよいことは無論である。
レジスタ2は、仮締め集計を行うとき、釣銭機3の紙幣回収カセット26または硬貨回収カセット27が実際に取出されたことをもって回収処理が実施されたものとみなす。
【0100】
仮締め集計は、今回レジ担当の店員の業務開始から終了までの売上高や、現金の入出金結果などを集計するもので、その集計結果は釣銭機3の回収処理における回収額として、レジスタ2のプリンタによりレシートに印字して店員に発行されると共に、現金データ管理装置4に報告される。
この場合の現金データ管理装置4に報告される集計結果には釣銭機3の「号機番号103」及び釣銭機3で今回紙幣回収カセット26と硬貨回収カセット27に回収した釣銭の金種枚数が含まれている。
【0101】
現金データ管理装置4はこのレジスタ2から集計結果の報告を受けると、それに基づいて図10(d)に示した釣銭機別釣銭有高表の有高の枚数を更新する(S25)。
図13は更新後の釣銭機別釣銭有高表を示す図で、図10(d)に示した釣銭機別釣銭有高表の有高に対し、千円紙幣の有高が20枚、一円硬貨の有高が50枚に書換えられ、有高の金額は46,370円に変更されている。
【0102】
このように、現金データ管理装置4が回収枚数を指示して現金を移動するようにしているので、例えば日時情報が切り換わり、釣銭必要量が設定表を切換えたり、釣銭機別釣銭有高表を直前の補充資金を出金したときの情報等を使うことができ、実稼働に合わせて指定できる。
尚、ここでは回収処理のとき余剰金の回収庫への移動を行うように説明したが、預かり金の入金の都度実施してもよい。
【0103】
また、これと同時に現金データ管理装置4は記憶部に設定されている回収金管理用テーブルの釣銭機別回収庫有高表を更新する。
図14(a)〜(c)は現金データ管理装置4の記憶部に設定されている回収金管理用テーブルの釣銭機別回収庫有高表を示す図で、回収金管理用テーブルは各釣銭機3毎の釣銭機別回収庫有高表からなり、ここでは一例として「号機番号103」の釣銭機3の釣銭機別回収庫有高表を示している。
【0104】
尚、回収庫とは紙幣回収カセット26と硬貨回収カセット27を指す。
図14図(a)は更新前(今回回収直前)の釣銭機別回収庫有高表で、現在有高として紙幣回収カセット26内には万円紙幣10枚と二千円紙幣1枚が収納され、また硬貨回収カセット27には硬貨が収納されていないので、万円紙幣の枚数が10、二千円紙幣の枚数が1となっている。
【0105】
また、合計金額は「10,2000円」、今回回収は、回収処理の直前であるので、すべて0枚である。
回収累計は、流通店舗1の開店からこれまでの回収処理により現金処理装置に入金された累計枚数で、万円紙幣は28枚、五千円紙幣は5枚、・・・・一円硬貨は23枚がそれぞれ入金され、それによる回収額は「424,523円」であり、そのうち売上高は「349,940円」、釣銭分は「74,583円」である。
【0106】
図14図(b)は釣銭機3で釣銭の移動が行われたとき、釣銭機3からレジスタ2を介して通知された移動金種と枚数に基づいて更新された釣銭機別回収庫有高表である
この釣銭機別回収庫有高表は、図14(a)の内容に対して現在有高に千円が30枚、一円が3枚加算されている。
また、これに伴って現在有高の回収額も加算されて「132,003円」に更新され、そのうち売上高は「108,373円」、釣銭分は「23,630円」に更新される。
【0107】
次に店員が釣銭機3から紙幣回収カセット26を抜取り、レジスタ2から集計結果が通知されると、これにより釣銭機別回収庫有高表が図14(c)に示す内容に更新される。
ここでは、現在有高のうちの万円、二千円、千円の紙幣の枚数が今回回収に移され、回収額、売上高、釣銭分の金額も今回回収に移される。
その時点で、紙幣回収カセット26と硬貨回収カセット27に収納されている現金の有高は一円硬貨が3枚であるので、現在有高の回収額と売上高は3円である。
【0108】
また、回収された現金である今回回収は万円紙幣10枚、二千円紙幣1枚、千円紙幣30枚であり、回収額は「132,000円」、そのうち売上高は「108,373円」、釣銭分は「23,630円」である。
更に、それ以前に当日分として回収された紙幣及び硬貨の累計である回収累計は、万円紙幣28枚、五千円紙幣5枚、千円の紙幣118枚、五百円硬貨3枚、一円硬貨23枚であり、回収額は「424,523円」、そのうちの売上高は「349,940円」、釣銭分は「74,583円」となっている。
【0109】
これらのうち、現在有高と今回回収は釣銭機3から通知された情報であり、回収累計は今回回収の当日分を合計したものである。
また、この例では現在有高に一円が3枚残っているが、これは今回釣銭機3から紙幣回収カセット26のみを取出して紙幣のみを回収し、硬貨回収カセット27は釣銭機3に残して硬貨の回収は行わないものとしたからである。
【0110】
レジ担当の店員は釣銭機3から抜取った紙幣回収カセット26と、レジスタ2のプリンタにより発行された回収額が印字されたレシートを現金処理装置6に運んで、IDカードをカード口64に挿入すると共に、キー入力部66を操作して回収現金の入金を指定し、更に自分の担当するレジスタ2を特定する「食品売場7番レジ」を入力する。
現金処理装置6はカード読取部73によりカード口64から挿入されたIDカードのカード情報を読取り、そのカード情報と店員が入力したレジ番号を基に現金データ管理装置4に対して入金額の内訳を要求する。
【0111】
現金データ管理装置4は現金処理装置6から入金額の要求を検知しており(S26)、入金額の要求ありと判断すると、「食品売場7番レジ」に該当するレジスタ2に接続された号機番号「103」の釣銭機3に対する図14(c)の釣銭機別回収庫有高表を参照し、この釣銭機別回収庫有高表における今回回収の回収額を入金額、売上高を収納額として通知する(S27)。
【0112】
これと並行して現金処理装置6は店員に対して釣銭機3から回収してきた現金を入金するように促す旨の画面を操作案内表示部65に表示し、これに従って店員は紙幣回収カセット26から紙幣を取出して紙幣入出金口61にセットする。
尚、ここでは店員が紙幣回収カセット26しか運んでこなかったので、紙幣のみをセットするものとしたが、店員が釣銭機3から硬貨回収カセット27も抜取って運んできた場合は、硬貨回収カセット27から硬貨を取出して硬貨入金口62に投入する。
【0113】
現金処理装置6はセットされた紙幣を紙幣処理部76に取込み、図8で説明したように金種の鑑別、計数を行って一時保留部に保留する。
そしてセットされたすべての紙幣の計数が終了すると、その計数結果と現金データ管理装置4から通知された入金額及び収納額を操作案内表示部65に表示して店員に確認させる。
【0114】
通常は、計数結果と入金額は一致し、店員の担当分の売上高は収納額と一致する。
店員は表示された金額を確認し、了承すればキー入力部66で承認の入力を行うが、いずれかの金額が一致せず、再度確認したい場合は取消を入力する。
尚、現金処理装置6で紙幣の計数途中等で障害が発生した場合や店員が取消を入力した場合は、現金処理装置6は現金データ管理装置4に対し障害の発生や取消が入力されたことを通知する。
【0115】
現金データ管理装置4は現金処理装置6からの通知を待ち(S28)、取消の通知が送られてくると、現金処理装置6の入金を取消す処理を行い(S29)。つまり、号機番号「103」の釣銭機3から回収された紙幣はまだ移動途中であると見なし、障害が取り除かれて復旧してから再度入金されるのを待つ。
一方、現金処理装置6で店員により承認の入力が行われると、紙幣処理部76は一時保留部84に保留した紙幣を図8で説明したように売上高と釣銭分に分けて紙幣収納庫86a、86b、紙幣回収庫87、紙幣リジェクト収納庫88に収納すると同時に、現金データ管理装置4に入金完了通知を金種毎の入金枚数の情報と共に通知する。
【0116】
この通知により現金データ管理装置4は現金処理装置6からの入金額を入力する処理、つまり、現金処理装置6からの入金枚数の情報を取込む処理を行う(S30)。
続いて現金データ管理装置4は、釣銭機3からの回収額と現金処理装置6の入金額が一致しているかどうかを判断する(S31)。
すなわち、図14(c)の釣銭機別回収庫有高における今回回収の回収額(この場合132,000)と現金処理装置6から通知を受けた入金額が一致しているかどうかを判断する。
【0117】
これにより今回担当者である店員による回収処理が正しく実行されたかどうかを確認することができる。
更に、現金データ管理装置4は図10(d)に示した釣銭機別有高管理表と、図13に示した回収後の釣銭機有高管理表と、図14(c)に示した釣銭機別回収庫有高表を基に、当日の開店から現在までの現金が正しく管理されているかどうかを確認する。
【0118】
すなわち、釣銭機3の有高は、当日朝の開店前が初期値となり、その後補充が行われたり、預かり金が入金されてから回収が行われる。
従って、朝の開店前における図10(d)の釣銭機別釣銭有高表の有高を初期値として、現金処理装置6から釣銭機3に補充した金額、及び営業による売上高が加算され、更に釣銭機3から現金処理装置6に回収した金額が減算される。
【0119】
この値が現在の有高に一致していれば、異常なしと判断できる
これを数式で示すと、
〔図13に示す釣銭機別釣銭有高表の有高の金額〕
=〔図10(d)に示す釣銭機別釣銭有高表の有高の金額〕
+〔現金処理装置6から釣銭機3に補充した金額〕
+〔該当レジスタ2の売上高の金額〕
−〔図14(c)に示す釣銭機別回収庫有高表における回収累計の回収額〕
−〔図14(c)に示す釣銭機別回収庫有高表における現在有高の回収額〕
となる。
【0120】
正しく管理されていた場合、現金データ管理装置は図14(c)に示す釣銭機別回収庫有高表の内容を図15に示した内容に更新する。
図15は更新後の釣銭機別回収庫有高表を示す図で、図14(c)に示した釣銭機別回収庫有高表における今回回収の万円、二千円、千円の紙幣の枚数が回収累計に移されている。
【0121】
これにより回収累計は、万円紙幣38枚、五千円紙幣5枚、二千円紙幣1枚、千円紙幣148枚、五百円硬貨3枚、一円硬貨23枚であり、回収額は「556,523円」、そのうちの売上高は「458,310円」、釣銭分は「98,213円」に更新されている。
さて、前記S31で不一致と判断した場合、現金データ管理装置4は表示部に現金処理装置6の入金枚数が不一致である旨の表示を行って店舗管理者に通知し(S32)、そして、現金データ管理装置4は現金処理装置6の入金額を更新する(S33)。
【0122】
一方、現金データ管理装置4は前記S31で一致と判断した場合、現金処理装置6の入金額を更新する(S33)。
このように、現金データ管理装置4は一致、不一致にかかわらず、現金処理装置6の入金額を更新して処理を終了するが、次にこの入金額の更新について説明する。
現金データ管理装置4は各釣銭機3の有高や回収状況を管理すると共に、現金処理装置に対する入金額も記憶部に設定された入金額管理テーブルにより管理している。
【0123】
図16(a)、(b)は現金データ管理装置4の記憶部に設定されている入金額管理テーブルの現金処理装置入金額表を示す図で、釣銭機別入金額管理テーブルは各釣銭機3毎の現金処理装置入金額表からなり、ここでも一例として「号機番号103」の釣銭機3の現金処理装置入金額表を示している。
この現金処理装置入金額表は当日の開店から閉店までの間に行われた入金処理の結果を金種毎に累計するためのもので、図16(a)における今回入金は、現金処理装置6から報告された今回の入金枚数が書込まれ、ここでは万円紙幣10枚、二千円紙幣1枚、千円紙幣30枚となっており、これらの合計である回収額は「132,000円」、そのうちの売上高は「108,373円」、釣銭分は「23,627円」となっている。
【0124】
また、入金累計はそれ以前に釣銭機3から回収されて入金された金種毎の累計枚数と、回収額、売上高、及び釣銭分である。
そして、前記S33の入金額の更新で、図16(a)に示した今回入金の金種毎の枚数が入金累計に加算されると共に、それに基づいて回収額、売上高、及び釣銭分が更新されることで入金額管理表が図16(b)に示した内容となる。
【0125】
以上の回収処理により後任のレジ担当の店員はいつでも最適量の釣銭資金で業務を開始することができ、また釣銭機から現金を回収するとき、交代する店員が担当する釣銭機3内の釣銭資金と釣銭必要量設定表の必要枚数に基づいて回収する現金の量を決めるので、交代時に釣銭資金を現金処理装置6で出金してから回収を行うまでの間に釣銭の放出が釣銭機3で行われても、交代した店員が釣銭機3に補充した釣銭資金はデータ上釣銭必要量設定表の必要枚数となり、この状態で業務が始められるので管理しやすいものとなる。
【0126】
次に、営業時間中におけるレジ他担当者の交代について説明する。
レジ担当者の交代時は次の作業が行われる。
前任の担当者Aは自分の業務開始から交代までの間の売上金を集計し、釣銭機3から不要な現金を回収して現金処理装置に入金する。
交代する後任の担当者Bは現金処理装置6から釣銭資金を出金して、担当するレジスタ2に運んで釣銭機3に補充する。
【0127】
図17はレジ担当者の交代時におけるシステムの動作を示すフローチャートで、以下に示すステップに従って説明する。
まず、現金処理装置6は担当者Bからの補充資金の出金の指示により補充資金を払出す(S41)。
このとき現金データ管理装置4は図11で説明した釣銭機3への補充処理に従って現金処理装置6に対して出金枚数を通知する。
【0128】
このときの出金枚数は、その時点での図10(d)に示した釣銭機別釣銭有高表の補充枚数に基づいて通知される。
この釣銭機別釣銭有高表は、レジスタ2による取引が行われる毎に更新してもよいが、現金処理装置6に出金枚数を通知する場合等、必要に応じて現金データ管理装置4からレジスタ2に問い合わせて釣銭機3からの有高を取得し(S42)、それに基づいて更新するようにしてもよい(S43)。
【0129】
次に、担当者Bは現金処理装置6から払出された補充資金を自分が担当するレジスタ2に運び、担当者Aに対して交代することを告げ、これを受けて担当者Aは自分の業務を終了する。
その終了に当たって、担当者Aは釣銭機3からの回収処理を指定して実行させ(S44)、自分の担当した分の集計処理を実施する。
【0130】
担当者Aが紙幣回収カセット26、または紙幣回収カセット26と硬貨回収カセット27を抜取ると、釣銭機3は現金データ管理装置4に回収結果を通知し、現金データ管理装置4は、釣銭機別釣銭有高表を図13に示した内容に更新する(S45)。
担当者Bが担当者Aと交代し(S46)、空の紙幣回収カセット26、または空の紙幣回収カセット26と同じく空の硬貨回収カセット27を釣銭機3に装着してレジスタ2を操作する業務を開始する。
【0131】
このようにレジスタ2の担当者の交代時には、回収処理を行って集計処理を実行し、紙幣回収カセット26及び必要に応じて硬貨回収カセット27を交換するだけの作業で済むので、業務の中断時間を短縮することができ、客へのサービスを低下することなく業務を引継ぐことができる。
担当者Aは釣銭機3から抜取った紙幣回収カセット26、または紙幣回収カセット26と硬貨回収カセット27を現金処理装置6に運び、紙幣回収カセット26から紙幣を取出して現金処理装置6に入金し、また硬貨回収カセット27も運んできた場合は、その硬貨回収カセット27から硬貨を取出して現金処理装置6に入金する(S47)。
【0132】
現金処理装置6は入金処理が完了すると、現金データ管理装置4に対して入金処理の結果を通知し、現金データ管理装置4は通知された入金処理結果に基づいて図16の入金管理表の内容を図16(a)から図16(b)の内容に更新する(S48)。
一方、担当者Aと交代した担当者Bは、現金処理装置6から運んできた補充資金を釣銭機3に補充するが、この補充は必ずしも業務を引継いだ直後に行う必要はなく、レジ待ちの客がいる場合は、接客を優先して後で暇ができたときに行うようにしてもよい。
【0133】
担当者Bが補充資金を釣銭機3に補充すると(S49)、その結果が釣銭機3からレジスタ2を介して現金データ管理装置4に通知され、これにより現金データ管理装置4は図4に示した釣銭機別有高表の内容を更新する。
以上のようにようにして現金データ管理装置4は、釣銭機3と現金処理装置6の有高を管理すると共に、釣銭機3と現金処理装置6間で現金が正しく移動できたかどうかを確認するようにしているので、流通店舗1内の現金の状況を常に正確に把握することができることになる。
【0134】
次に、釣銭機から余剰現金を回収したとき、回収した現金を売上高と釣銭分の金額に分ける方法について説明する。
基本的には、レジスタ2を担当する店員が業務(レジ操作)を開始してから終了するまでの期間におけるレジスタによる現金売上高の合計が売上高の金額となり、釣銭機3よる回収処理を実行したときの一円から五千円までの図10(c)に示した釣銭必要量設定表に対する図10(d)に示した釣銭機別釣銭有高表の不足額つまり釣銭機別釣銭有高表おける補充枚数の金額となる。
【0135】
しかしながら、現実の運用ではこれらの値のまま使うことはできない。
なぜなら、レジ担当者が客からの預かり金を間違えた場合に、釣銭を多くまたは少なく渡してしまう場合があるからである。
このような場合に、2通りの処理方法が考えられる。
いずれを選択するかは、事前に決めておけばどちらを選択しても運用上支障はない。
【0136】
従ってシステムでは、どちらが選択されても対応できる配慮が必要である。
例えば売上金に誤差を盛り込む場合について説明する。
図14に示した釣銭機別回収庫有高表の内容が図14(a)から図14(b)に更新されるとき、すなわち釣銭機3に対して回収実行が通知され釣銭資金のうち余剰金が紙幣回収カセット26及び硬貨回収カセット27に移動したとき、今回回収の総額が決定される。
【0137】
そこで、売上金の誤差を盛り込むために、先に釣銭資金の回収額を決定する。すなわち、その時点での図10(d)に示す釣銭機別釣銭有高表の補充枚数の金額が当初設定した釣銭資金が減少した額であるとみなし、釣銭資金の回収額とする。
一方、売上高は今回回収の総額から、この釣銭資金の回収額を減算した額となる。
更に、釣銭資金に誤差を盛り込む場合について説明する。
【0138】
今回回収の総額は前述の売上金に誤差を盛り込む場合と同様で、まず売上金の回収額を決定する。
この売上金の回収額はレジスタ2による現金売上高の合計であり、釣銭資金の回収額は今回回収の総額から売上金の回収額を減算した額となる。
釣銭機3からの回収処理のとき、例えば紙幣回収カセット26だけを交換して硬貨回収カセット27を交換しなかった場合、今回回収総額は紙幣回収カセット26に収納された紙幣に相当する額となる。
【0139】
例えば、図14(c)に示した釣銭機別回収庫有高表の場合、今回回収の回収額「132,000円」となり、3円を釣銭機3の硬貨回収カセット27に残したままとなる。
この残した3円は売上金または釣銭分の誤差を盛り込む方とする。
すなわち、図14(c)に示した釣銭機別回収庫有高表では売上金に誤差を盛り込むと考え、現在有高の回収額3円は売上高3円とする。
【0140】
この3円は次回の回収で売上高に加算される。
このように誤差を盛り込む側に回収で残した金額を置く理由は、誤差を盛り込みたくない金額を必ず確定するので、万一誤差が発生しても、必ず誤差を盛り込む金額で処理することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 流通店舗
2 レジスタ
3 釣銭機
4 現金データ管理装置
5 LAN
6 現金処理装置
7 ホストコンピュータ
8 モニタ装置
21 紙幣入出金口
22 硬貨入金口
23 硬貨出金口
24 表示操作部
25 モード鍵
26 紙幣回収カセット
27 硬貨回収カセット
31 表示操作制御部
32 伝送部
33 紙幣処理部
34 硬貨処理部
35 制御部
41 分離ローラ
42 搬送路
43 認識部
44 収納部
45 収納部
46 入金リジェクト部
47 繰出収納ローラ
48 繰出収納ローラ
49 出金リジェクト庫
51 分離ローラ
52 入金搬送路
53 認識部
54 リジェクト穴
55a〜55f 硬貨選別穴
56a〜56f 金種別ホッパ
57 出金搬送路
61 紙幣入出金口
62 硬貨入金口
63 硬貨出金口
64 カード口
65 操作案内表示部
66 キー入力部
71 表示制御部
72 入力制御部
73 カード読取部
74 伝送部
75 監視部
76 紙幣処理部
77 硬貨処理部
78 制御部
81 分離ローラ
82 搬送路
83 認識部
84 一時保留部
85a 紙幣取込部
85b 紙幣繰出部
86a、86b 紙幣収納庫
87 紙幣回収庫
88 紙幣リジェクト収納庫
89a、89b 紙幣取込繰出部
91 入金搬送路
92 認識部
93 リジェクト部
94 一時保留部
96 返却箱
97a〜97f 出金ホッパ
98a〜98f 出金繰出部
99 出金シュート
100 出金箱
101 硬貨回収庫
102 出金シュート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金を入金すると共に釣銭を放出する複数の釣銭機に補充する釣銭用現金を出金すると共に釣銭機から回収した現金を入金する現金処理装置と、
各釣銭機内に保有されている金種毎の現金及び現金処理装置内に保有されている金種毎の現金のデータを管理する現金データ管理装置を備え、
前記現金処理装置に入力された釣銭機を指定する情報を現金データ管理装置に送り、
前記現金データ管理装置は前記現金処理装置から送られてきた釣銭機を指定する情報に該当する釣銭機に補充する釣銭用現金の金種毎の補充枚数を前記現金処理装置に通知し、
前記現金処理装置は前記現金データ管理装置から通知された金種と枚数に基づいて釣銭用の現金を出金することを特徴とする現金管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の現金管理システムにおいて、
前記現金データ管理装置は、釣銭機における釣銭が一定枚数以下になると警報を発することを特徴とする現金管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の現金管理システムにおいて、
前記現金データ管理装置は、警報禁止時間を保有し、
釣銭機における釣銭が一定枚数以下になっても警報禁止時間に該当する場合は警報を行わないことを特徴とする現金管理システム。
【請求項4】
現金を入金すると共に釣銭を放出する複数の釣銭機に補充する釣銭用現金を出金すると共に釣銭機から回収した現金を入金する現金処理装置であって、
各釣銭機内に保有されている金種毎の現金及び現金処理装置内に保有されている金種毎の現金のデータを管理する現金データ管理装置と接続され、
入力された釣銭機を指定する情報を前記現金データ管理装置に送り、前記現金データ管理装置から通知される前記釣銭機を指定する情報に該当する釣銭機に補充する釣銭用現金の金種毎の補充枚数に基づいて釣銭用の現金を出金することを特徴とする現金処理装置。
【請求項5】
現金を入金すると共に釣銭を放出する複数の釣銭機に補充する釣銭用現金を出金すると共に釣銭機から回収した現金を入金する現金処理装置に接続され、各釣銭機内に保有されている金種毎の現金及び現金処理装置内に保有されている金種毎の現金のデータを管理する現金データ管理装置であって、
前記現金処理装置で入力された釣銭機を指定する情報を受信し、その釣銭機を指定する情報に該当する釣銭機に補充する釣銭用現金の金種毎の補充枚数を前記現金処理装置に通知することを特徴とする現金データ管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−185862(P2012−185862A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−149827(P2012−149827)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【分割の表示】特願2006−61233(P2006−61233)の分割
【原出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】