説明

球状端の入射および出力光ファイバを使用したバイオアナリシス

入射光の方向、分離通路の軸、および出力光の収集方向が検出区域で同一平面上にある、バイオアナリシスのための検出光学素子構成が開示されている。この検出構成は、検出区域で入射光を方向付け、この検出区域からの出力光を収集するための球状端光ファイバを含む。この検出光学素子構成は、改良型生物分離機器、特にキャピラリー電気泳動機器において実施してよい。

【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、ここに全て引用する、2010年1月28日に出願された米国仮特許出願第61/299301号の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、バイオアナリシスにおける検出技法、特に分離通路を通じての生物分離の検出に関し、より詳しくは、分離カラム、例えば、毛管カラムに沿った検出区域での入射光の適用および検出区域からの出力光の検出に関連する光学素子に関する。本発明はさらに、検出技法、特にキャピラリー電気泳動機器を含む生物分離機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、研究室で使用されている生物分離器具のほとんどは、20年以上前に始まってから、生体分子(すなわち、DNA、タンパク質および炭水化物)用途のバイオアナリシスに決まって使用されてきたスラブゲル電気泳動技術を利用している。しかしながら、バイオアナリシスのためのスラブゲル電気泳動法は、労働集約的であり、分解能、スループットおよびサンプル当たりの費用に関して、大幅に改善する必要がある。
【0004】
キャピラリー電気泳動法(CE)は、ゲル電気泳動法に対するマイクロ流体手法(ゲル電気泳動法を単純化するためのマイクロチャンネル装置)であり、その最大の利点は、様々な範囲の用途である。CE技術は、信頼性のある高分解能の高感度検出器具として、特に核酸に関連する試験において、バイオ産業に一般に受け入れられており、CEは、オリゴヌクレオチド分析、DNA塩基配列決定、およびdsDNA断片分析などの、タンパク質、炭水化物およびDNA関連の分析に適用されてきた。CEは、失敗率の高い面倒な技法であると見なされているので、日常分析においては一般に避けられている。しかしながら、機器の製造業者が、機器の設計を劇的に改善し、CEに関する知識全体が増えてきたので、これはもはや真実ではない。失敗率を減少させ、精密、正確でエラー強さのあるCEデータを生成するためには、以下の3つの重要な要因がある:オペレータの訓練、システムの安定性、およびメンテナンスがわずかで、機器の操作の容易さ。
【0005】
キャピラリー電気泳動イムノアッセイ(CEIA)が、新規の分析技法として最近出現し、レーザ誘起蛍光法(LIF)などの高感度検出方法と組み合わせた場合、従来のイムノアッセイより優れたいくつかの利点を提供する。CEIAは、高質量感度で迅速な分離を行うことができ、それと同時に、多数の分析物を測定し、自動操作に適合する。CEと蛍光標識ペプチドを使用して、動物の血液中の異常プリオンタンパク質を検出することができる。蛍光プローブ法としてフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識タンパク質Aを使用したプリオンタンパク質に関するそのようなCEに基づく非競合イムノアッセイの1つが、スクレイピー感染羊からの血液サンプルを試験するためにうまく適用されてきた。
【0006】
さらに、イムノアッセイは、宿主細胞汚染物の検出と定量化のために、バイオテクノロジーにおいて一般に使用されている。蛍光タイプ検出を使用するCEによる無溶液手法が、固相式イムノアッセイに対する面白い代替案をもたらした。蛍光タイプ検出を使用するCEでは、抗原の固定化が排除され、多くの固相関連の問題が避けられる。この方法論では、安定な蛍光染料(すなわち、FITC)で標識された精製抗原、またはその染料で標識されたアフィニティープローブ(直接アッセイ)のいずれかを使用する。
【0007】
疑いなく、レーザ誘起蛍光法(LIF)を使用したCEは、迅速で高感度かつ高分解能のdsDNA分析およびイムノアッセイ分析用途のための最も強力な分析器具の内の1つである。しかしながら、CEに基づくLIFシステムの現在の販売価格は、複雑な光学検出機構のために、従来のスラブゲルを使用したバイオアナリシスシステムよりも、ずっと高価である。それゆえ、高価なCEを使用したシステムは、一部の十分に資金のある研究所を除いて、手が届かず、イムノアッセイタイプの分析用途/ビジネスの拡大にとって高コストの障壁であるように思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
操作が簡単で、効率、感度およびスループットの高い迅速な分析を行う、費用を減少させるためにそれほど複雑ではない光学検出機構を備えたシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、分離支援媒質(例えば、流動している緩衝液を含む液体または分離用(sieving)ゲル)が充填された分離通路(例えば、カラムにより画成される)による生物分離(例えば、キャピラリー電気泳動)のための、単純で、低コスト、効率的、高感度、非移動性で安定なマイクロ光学検出構成を提供する。本発明は、より詳しくは、サンプル分析物により放出される放射線(例えば、放射線誘発蛍光発光)の検出のための、分離通路に沿った検出区域での入射光の適用およびそこからの出力光の検出のための光学素子を備えた改良型検出構成に関する。
【0010】
本発明のある態様において、入射光の方向(例えば、レーザまたはLED光源からの)、検出区域での分離通路の軸、および出力光の収集方向の全てが、実質的に同一平面上にある。ある実施の形態において、光ファイバの形態にある光導波路を使用して、入射光が検出区域に提供され、および/または出力光が検出区域から収集される。ある実施の形態において、本発明の検出構成は、分離通路に沿って検出区域の反対側に配置された光ファイバを有する。これらの光ファイバは、高い検出感度のために、互いから180度未満(例えば、120度などの40から160度)離れて配置されていてよい。
【0011】
本発明の別の態様において、本発明の検出構成は、入射光を提供し、出力光を収集するための球状端の光ファイバを含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様において、本発明の検出光学素子構成は、改良型生物分離機器、特にキャピラリー電気泳動機器で実行してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の性質および利点、並びに好ましい使用態様を十分に理解するために、添付の図面と共に読まれる以下の詳細な説明を参照する。以下の図面において、類似の参照番号が、図面に亘り、類似のすなわち同様の部品を指す。
【図1】本発明のある実施の形態による光学検出構成を備えたキャピラリー電気泳動システムの説明図
【図2】励起ファイバ、発光ファイバおよびキャピラリーカラムの構成を示す検出領域の説明図
【図3】光ファイバにおける光線のコンピュータシミュレーションを示す説明図
【図4A】本発明のある実施の形態による検出光学素子構成を備えたキャピラリーカートリッジの説明図
【図4B】図4Aのキャピラリーカートリッジにおける検出領域の中央断面図
【図5】光学検出の結果を示す図
【図6】光学検出の結果を示す図
【図7】光学検出の結果を示す図
【図8】光学検出の結果を示す図
【図9】多通路分離システムの検出領域の説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して、様々な実施の形態に関して、本発明を以下に説明する。本発明は、本発明の目的を達成するための最良の形態について説明されているが、本発明の精神または範囲から逸脱せずに、これらの教示に鑑みて、変更を行えることが当業者に認識されよう。
【0015】
本発明は、分離支援媒質(例えば、流動している緩衝液を含む液体または分離用(sieving)ゲル)が充填された分離通路(例えば、カラムにより画成される)による生物分離(例えば、キャピラリー電気泳動)のための、単純で、低コスト、効率的、高感度、非移動性で安定なマイクロ光学検出構成を提供する。本発明は、より詳しくは、サンプル分析物により放出される放射線(例えば、放射線誘発蛍光発光)の検出のための、分離通路に沿った検出区域での入射光の適用およびそこからの出力光の検出のための光学素子を備えた改良型検出構成に関する。本発明のある態様において、入射光の方向(例えば、レーザまたはLED光源からの)、検出区域での分離通路の軸、および出力光の収集方向の全てが、実質的に同一平面上にある。本発明の別の態様において、本発明の検出構成は、入射光を提供し、出力光を収集するための球状端の光ファイバを含む。本発明はさらに、本発明の検出構成を備えた改良型生物分離機器に関する。
【0016】
制限ではなく、本発明の原理を説明する目的のために、キャピラリー分離カラムを使用したキャピラリー電気泳動法に向けられた実施の形態を参照することによって、本発明を説明する。さらに、制限するものではなく、放射線励起蛍光検出(例えば、レーザまたはLED光源を使用した)に関して、本発明を説明する。蛍光は、分析物の分子が、ある波長での照射によって励起され、異なる波長で放射線を放出する、分析の分光学的方法である。その発光スペクトルは、定性分析と定量分析の両方のための情報を提供する。一般に、吸光度検出より優れた蛍光検出の利点は、優れた検出能(検出感度)である。効率的な蛍光団について、小容積における単一分子検出が実証されてきた。これは、一部には、放出される放射線が、入射光の波長と異なる波長で検出される結果として(例えば、放出される蛍光の波長は、励起放射線よりも長い波長である)、蛍光信号が比較的暗いバックグラウンドに対して測定されるからである。
【0017】
図1を参照すると、本発明の新規の検出構成を備えたキャピラリー電気泳動(CE)システム100が示されている。CEシステム100は、内部分離通路12(例えば、25〜150μmの内径)を画成するキャピラリー分離カラム10(例えば、200〜500μmの外径)を一般に備えている。キャピラリーカラム10は、溶融シリカ、ガラス、ポリイミド、または他のセラミック/ガラス質材料から製造されていてよい。分離カラム10の内壁(すなわち、分離通路12を画成する壁)は、サンプル成分の電気泳動および/または界面動電泳動を促進させるために静電荷を蓄積できる材料で被覆されてもよい。分離通路12に分離支援媒質が充填されていてもよく、この媒質は、単純に流動している緩衝液、または当該技術分野に公知の分離用ゲルマトリクス(線状または非線状高分子組成物の)であってよい。
【0018】
キャピラリーカラム10の一端は、流動している緩衝液の貯留槽14に接続されている。キャピラリーカラム10の他端は、別の貯留槽16に接続されており、この貯留槽は、サンプル(分離通路12に注入されるべき)および流動している緩衝液(サンプル注入後に、分離を始める)を交互に含有してもよい。電源18は、電極20と22を通じて貯留槽14と16に高電圧を供給する。
【0019】
電気泳動および放射線誘起蛍光の機構は、単独で考えると、本発明の範囲外である。完璧さのために、CEシステム100の動作を手短に述べるので十分である。動作において、公知の蛍光団で標識された調製済み生体サンプルが、本発明の一部ではない数多くの方法のいずれかによって(例えば、サンプル貯留槽からの界面動電泳動注入またはシリンジ・ポンプを使用した物理的圧力注入)、検出区域から離れたキャピラリーカラムの遠い端部に導入される。DC電位(例えば、1〜30kV)が電源18によって電極20と22に印加されたときに、サンプルが、方向24で分離通路12に沿って、印加された電位の下で泳動し(例えば、負に帯電したサンプルは、図1に示されるように、陽極22に向かって移動する)、サンプル成分のバンドに分離される。分離通路12に沿って移動した距離と分離の程度は、サンプル成分の泳動移動度、サンプル成分の質量とサイズまたは長さ、および分離支援媒質などの数多くの要因に依存する。サンプルの分離のための分離通路12内の推進力は、電気泳動、圧力、または電気浸透流(EOF)手段であって差し支えない。
【0020】
サンプルが検出区域32に到達すると、励起放射線が、励起ファイバ34を介して方向35に検出区域32へと向けられる。サンプル成分は、それぞれのサンプル成分の濃度に比例する(蛍光団標識材料の量に比例する)強度で蛍光を発するであろう。検出器42が、入射光の波長と異なる波長で、方向37にある発光ファイバ36を通じて、放出された蛍光の強度を検出する。検出された発光放射線は、公知の方法によって分析されるであろう。自動化システムについて、プロセッサを有するコントローラ26(例えば、ノート型コンピュータまたはデスクトップコンピュータの形態にある)が、CEシステム100における様々な構成要素の動作を制御して、キャピラリー電気泳動分離およびデータ収集を行う。そのような制御は、当業者によく知られている。
【0021】
図1に特別に示された実施の形態において、検出光学素子構成(検出窓/区域32辺りに位置する領域30に示される)は、図2に示された実施の形態に相当する。入射光の方向35(例えば、レーザまたはLED光源からの)、検出区域での分離通路の軸、および出力光の収集方向37は全て、実質的に同一平面にある。図示された実施の形態において、本発明の検出構成は、検出区域の分離通路の反対側に配置された光ファイバを有する。ある実施の形態において、光ファイバ、特に球状端の光ファイバ(すなわち、一体構造においてファイバ端部と一体となった微小球で終端する光ファイバ)の形態にある光導波路を使用して、入射光は検出区域に提供され、および/または出力光は検出区域から収集される。
【0022】
図2も参照すると、球状端ファイバ(励起ファイバ34)は、放射線源(例えば、図1に示されている、LEDまたはレーザ光源41)から延在して、励起放射線を方向35に検出区域32へと向ける。励起ファイバ34の球状端は、検出区域32辺りで分離カラム10の外面に、またはその近くに配置されている。図示した実施の形態において、励起ファイバ34の球状端は、分離カラム10の外面から離れた距離に配置されている(すなわち、非接触態様)。この図示された実施の形態において、別の球状端ファイバ(発光ファイバ36)が検出器(例えば、図1に示されている、蛍光検出器42)まで延在して、検出区域32から方向37に放出された放射線を収集する。発光ファイバ36の球状端は、検出区域32辺りの分離カラム10の外面に、またはその近くに配置されている。図示された実施の形態において、発光ファイバ36の球状端は、分離カラム10の外面から離れた距離に配置されている(すなわち、非接触態様)。球状端を有する励起ファイバ34および発光ファイバ36の両方は、非接触態様で(キャピラリーカラムの外部から間隔を置いて)分離カラム10の反対側に配置されて、バックグラウンド蛍光を減少させ、キャピラリーカラムまたは微小球のいずれにも物理的損傷を生じさせない。
【0023】
図2に示された実施の形態において、図2に示された検出区域32にある構成要素は、実質的に同一平面にある。詳しくは、励起ファイバ34の縦軸、発光ファイバ36の縦軸およびキャピラリー通路12の縦軸は、少なくとも検出区域32の領域において、実質的に同一平面(すなわち、実質的に同平面)に並べられている。すなわち、励起ファイバ34、発光ファイバ36およびキャピラリーカラム10の長さは全体として曲げられていてもよいが、少なくとも検出区域の領域近くにおいては、励起ファイバ34の軸、発光ファイバ36の軸およびキャピラリー通路12の軸は実質的に同一平面に並べられており、よって、励起ファイバ34から検出区域32に向かう入射光の方向34、検出区域32にある分離通路12の軸、および発光ファイバ36に沿って検出区域から離れる出力光の収集方向37は全て、実質的に同一平面にある。
【0024】
さらに、検出区域32で、励起ファイバ34の軸と発光ファイバ36の軸との間の角度は、直線に揃えられていない。励起ファイバ34の軸と発光ファイバ36の軸の内の少なくとも一方は、検出区域32で分離通路12の軸に対して垂直ではない。図2に示された実施の形態において、励起ファイバ34の軸と発光ファイバ36の軸の両方とも、分離通路の軸に対して垂直ではなく、検出区域32で分離通路12の軸に対して、それぞれ、角度39および40にある。角度39および角度40は、実質的に同じであっても異なっていてもよく、分離通路12の軸の基準方向またはキャピラリーカラム10の基準部分(例えば、図2に示されるファイバ34と36の間のキャピラリーカラム10の部分)に対して測定して90度未満または超であってよい。例えば、同じ基準部分から測定して、角度39は90度未満であってよく、角度40は90度超であってよい。図2に図示された実施の形態において、角度39および40は同じであり、実質的に同一平面にある。
【0025】
図2に示された実施の形態において、励起ファイバ34および発光ファイバ36の各々は、外側クラッド内の光導波路として200マイクロメートルの直径のコア、およびコア材料とクラッド材料から融合されてなる350マイクロメートルの直径の球状端を有する(すなわち、ファイバのコア直径対球の直径の比率は1:1.75である)。球状端は実質的に球面プロファイルを有する。球状端ファイバは、融着接続機を使用することによって形成してもよく、または多数の入手可能な供給業者から入手できる。キャピラリーカラム10は、200から370マイクロメートル(例えば、360マイクロメートル)の外径、および20から150マイクロメートル(例えば、75マイクロメートル)の内径を有する。励起ファイバ34の球状端は、キャピラリーカラムの外面から約50〜500マイクロメートル間隔が置かれており、発光ファイバ36の球状端は、キャピラリーカラムの外面から約10〜500マイクロメートル(例えば、50〜200マイクロメートル)間隔が置かれている。あるいは、発光ファイバ36は、遠端に500マイクロメートルの直径の球状端と共に300マイクロメートルの直径のコアを有してもよい(すなわち、ファイバのコア直径対球の直径の比率は、1:2.5である)。角度39および40の各々は、0超から90度未満、好ましくは20から70度、より好ましくは30から45度に及んでよい。図2の実施の形態において、両方の角度39および40は、約70度である。
【0026】
ある実施の形態において、光学検出システムには、蛍光(FITC)標識抗体断片検出のための励起放射線源として超高輝度ロイヤルブルーLED(例えば、Cree社のXLamp)が設けられている。モジュラー式設計および光ファイバ結合により、励起放射線をレーザモジュール(LIF用途のため)または他の種類の安価な光源と交換するための融通性が与えられる。
【0027】
平端ファイバ(微小球レンズを持たない裸ファイバ)と比べると、球状端ファイバ(図4)は、励起ファイバ34のための入射光(光濃度/出力密度)の良好な集束、および増加した蛍光信号収集能力および改善された検出感度のための高角度蛍光捕集器として発光ファイバ36のための高収集効率(高開口数NA)を提供することが分かった。大きいコア(100〜1000マイクロメートル)および高NA多モードファイバを使用すると、LEDまたはレーザから励起ファイバ34への高出力光結合が可能になる。励起ファイバ34の遠位出力端に一体型微小球レンズを製造することによって、高蛍光検出感度のための分離通路12(20〜200マイクロメートルのマイクロ流体通路)内の連結効率を良好にできる。
【0028】
キャピラリー分離通路12に向けられた330〜350マイクロメートルの直径の球を有する200マイクロメートルのコア直径を持つより小径の励起ファイバ34によって、より高い出力密度のより小さい焦点がもたらされ、それによって、蛍光励起信号が最適化される。300マイクロメートルのコアの直径および500マイクロメートルの直径の球状レンズを有する発光ファイバ36が、発光収集のために使用される場合、発光収集効率が増加する。図3は、500マイクロメートルの球状端を持つ300マイクロメートルの直径のコアのファイバからシリカ製キャピラリーカラム中への幾何学的光線扇のコンピュータシミュレーションを示している。キャピラリーカラムの外径は360マイクロメートルであり、内径は75マイクロメートルである。
【0029】
励起ファイバと発光検出光軸が90度面外になっている先行特許(例えば、米国特許第6184990号、同第6828567号、および同第6870165号の各明細書)に開示された検出構成と比べると、本発明の新規の手法は、励起ファイバ、発光ファイバおよび分離通路を実質的に同一平面に配置している。この構成は、流体通路(ガラス毛管)に対するマイクロ光学素子の機械的配置を簡単にする。
【0030】
励起ファイバおよび発光ファイバは、キャピラリーカートリッジの本体/アセンブリ(ゲルなどの分離支援媒質を含んでもよい)内に予め位置決めされて固定されていても差し支えない。球状端ファイバによる2ファイバ検出構成が、緩衝液貯留槽の一体化された、使い捨ての単一通路の単一キャピラリーカートリッジ概念に適用されてきた。
【0031】
図4Aは、圧力ポート64を通じて外部のモジュール式空気圧ポンプ(図示せず)に直接接続された上部/出口緩衝液貯留槽62と一体化された単一通路カートリッジ60を示している。圧力ポンプ(またはガスタンク)が、キャピラリーカラム10内のキャピラリー分離通路12に、貯留槽62内に収容された分離緩衝液を充填するために必要な空気圧を提供する。分離緩衝液の粘度に応じて、上部緩衝液貯留槽62を通じてキャピラリーカラム10を充填するために、60psi(約412kPa)までの圧力を印加することができる。この貯留槽62には内蔵型電極66(陽極)が設けられている。このカートリッジ60の下端には、別の電極67(陰極)が設けられている。電極66および67は、カートリッジ60を受け入れるように設計されたCE機器の内部に取り付けられたときに、電気泳動のために外部の高電圧電源(図示せず)に自動的に接続される。
【0032】
図4Bの断面図も参照すると、検出区域68の領域を取り囲む空洞69を有するカートリッジ60の内部が示されている。励起ファイバ34および発光ファイバ36は、分離通路/カラム10内に画成された検出区域と整列するように支持されている。ファイバ34と36の軸およびキャピラリーカラムは、同一平面にある。図示された実施の形態において、励起ファイバ34および発光ファイバ36は、支持され、円筒コネクタ70および72内に軸通路71および73(ファイバを保持するための円筒スリーブも含んでよい)内に整列されており、これによって、柔軟なファイバ34と36が保護される。ファイバ34および36の球状端は、キャピラリーカラム10に触れていない。
【0033】
試験サンプルを、界面動電注入によって、分離キャピラリーカラム10に導入する。界面動電注入および生体分子の分離のために、キャピラリーに500Vから20kVの電場を送達するのに高電圧電源(例えば、加国、サッタークリーク所在のEMCO)が使用される。広帯域光エネルギー(FWHM=50nm)および100度の視角を有する励起用LEDが、平端(研磨または開裂端)で大きいコアの励起ファイバ(100〜1000マイクロメートル)に接続される。バックグラウンドノイズを減少させるために、350マイクロメートルの直径の球状端を有する200マイクロメートルの直径のコアの励起ファイバに光を結合する前に、LEDの前に、ラインフィルタ(FWHM=2〜50nmのバンドパスラインフィルタ)が配置される。このファイバの微小球レンズ端は、励起放射線エネルギーをキャピラリーカラムの内径(分離通路)に結合させるための明確な出口NAおよびスポットサイズを形成するために、うまく制御された球直径で融着接続(高電圧熱溶融)によって製造される(コアの大きいファイバのシミュレーションについては、図3参照。このシミュレーションは、発光ファイバについてであるが、このシミュレーションは、励起ファイバにも適用される)。次いで、分離された分析物により生じる蛍光発光信号が、同様の球状端ファイバ(500マイクロメートルの直径の球を有する、コアの大きいファイバ)を使用して、キャピラリー通路の検出区域で収集され、FITC染料関連用途(図5〜8に示された結果を参照)のために発光ファイバ(バンドパスフィルタ=520nm)が組み込まれた外部検出モジュール(図示せず、PMTまたはSiPMTまたはCCDを使用してもよい)に中継される。
【0034】
球状端ファイバは、CEシステム用の検出器の大量生産のために非常にしっかりした設計を提供し、バックグラウンドノイズを大幅に減少させ、これにより、生体分子の分析(例えば、タンパク質、DNA、炭水化物またはイムノアッセイタイプの分析)において高検出感度の改善されたS/Nがもたらされる。図5〜8は、本発明の新規の検出構成を使用した検出結果を示している。図5は、4分以内に分離され、検出されたフルオレセインイソチオシアネート(2×10-5MのFITC濃度)を示しており、ベースラインノイズ(p−p)=0.028RFUおよび信号=7.5RFUで、S/N=268となる。この試験により、実際の試験サンプルを流す前に、検出器の性能のベースラインが確立される。図6は、異なる時間(10分間と10時間)でのFITCおよびウシ血清アルブミン(BSA)が結合した(conjugated)FITCの分離と検出を示す。図7は、FITC試験マーカーに関する再現性結果(注入ピークおよび泳動時間)を示している。図8は、新規のCE蛍光検出システムにより分析された、原液の10%に希釈されたシグマ・フルオレセインイソチオシアネート(FITC)に結合した抗ヒトIgAを示している(分離は4.5分以内であり、ベースラインノイズ(p−p)=0.044RFUおよび信号=3.4RFUで、S/N=80を与える)。
【0035】
ファイバが予め取り付けられたキャピラリーカートリッジは、高検出感度で精密な/固定結合を与えるが、特に使い捨てのカートリッジについて、関連コストより高い。あるいは、励起および発光ファイバは、自動化機械式作動(例えば、手動ラッチング(Latching)、空気圧ラッチング、圧電作動またはソレノイド式作動)により、キャピラリーカラムの検出区域/窓の近傍に外部から配置してもよい。すなわち、キャピラリーカートリッジにどのような検出光学素子も設ける必要はなく、生物分離機器に取り付けられるときに、キャピラリーカートリッジに外部の検出光学素子を接続する。この後者の手法では、キャピラリーカートリッジの機械設計が単純になる。この手法により、キャピラリーカートリッジの使い捨てアセンブリは、そのアセンブリ/パッケージ内に励起および発光ファイバを予め組み込む必要なく、キャピラリーカートリッジに係合する球状端ファイバの自動化作動が容易になる。これにより、組立てが容易になり、使い捨てカートリッジの必要が減少する。
【0036】
円錐形、円形または平らな端部のものなどのファイバの端部での一体式微小光学結合の他の実施の形態を、バックグラウンド光(ノイズ)を減少させ、感度を増加させるために、分離通路との光結合に使用しても差し支えない。
【0037】
微小光学検出が単純であるために、カートリッジアセンブリ60内に光学素子(励起または発光光学素子)を使用せずに、高スループット(すなわち、多通路、例えば、12通路)のタイプのゲルカートリッジを設計する上で融通性が得られ、これにより、新たな設計は、真に使い捨て式のカートリッジ製品にとって、費用が安くなる。図9は、キャピラリーカラム10と揃えられた球状端の励起ファイバ34および発光ファイバ36を含む多通路光学検出構成を示している。
【0038】
したがって、本発明によるCEシステムのための新たなファイバ使用の蛍光検出により、設計が簡単になり、作動が容易になり、消耗品の必要が安くなる。これは、特に研究および臨床診断研究所/産業にとって、試験試薬および緩衝液収容キャピラリーカートリッジなどの消耗品の繰り返しの必要と、機器の設置基盤の両方からの持続した安定な繰り返しの収益の流れを要するうまい解決策を提供する(伝統的な「カミソリ/カミソリの刃」型ビジネスモデル)。
【0039】
この設計が簡単であるために、多通路、多キャピラリーの電気泳動システムに使用するために、機械式作動装置にファイバを組み込むことができ、これにより、多通路キャピラリーカートリッジ設計内にファイバまたは他の微小光学素子を予め組み込むための構造を含む必要がなくなる。光学検出設計の融通性により、米国特許第6828567号明細書に開示されているキャピラリーカートリッジおよび検出システムよりもずっと安いコストで、12キャピラリーのカートリッジ設計が簡単になる。キャピラリーカートリッジ内から光ファイバをなくすことによるこの新規の設計手法により、アセンブリの全体のコストを、10から20倍も減少させることができるであろう。
【0040】
さらに、放射線源および検出モジュールは完成した機器アセンブリの一部であって差し支えないので、または機器の外部のモジュールに追加して使用しても差し支えないので、本発明による励起ファイバと発光ファイバの検出構成は、バイオアナリシス(例えば、CE)機器全体の構造に追加の融通性を与える。この種の融通性のために、励起光源(LED、レーザまたは他の広帯域光源)および/または発光検出器(PMT、Si光ダイオードまたはCCD検出器)を交換するオプションがエンドユーザに与えられる。
【0041】
本発明を、好ましい実施の形態を参照して、具体的に示し、説明してきたが、本発明の精神、範囲、および教示から逸脱せずに、形態および詳細に様々な変更を行えることが当業者には理解されよう。
【0042】
例えば、励起放射線源は、LED、レーザダイオード(半導体固体レーザ)、パルス・レーザ(例えば、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、ファイバレーザ)、または他の放射線源であって差し支えない。本発明のための代わりの比較的安価な光源は、可視、UVおよび/または赤外範囲のレーザダイオードであって差し支えない。例えば、400〜900nmの範囲、より詳しくは、400〜600nmの範囲のレーザダイオードを使用してもよい。
【0043】
本発明の本質を含む機器を、イムノアッセイおよびDNA分析以外の生体分子分析に使用して差し支えないことが当業者には認識されよう。例えば、分離ゲルまたは緩衝液を変更することによって、このシステムは、タンパク質、炭水化物、および脂質などの生体分子を分析するように改変することもできる。
【0044】
制限ではなく、一例として、本発明の検出構成は、キャピラリー電気泳動および放射線励起蛍光検出に関して記載されている。本発明は、電気泳動法以外の生物分離現象に基づいて分離された分析物の検出、および蛍光発光以外の放射線発光の検出にも適用できることが理解されよう。
【0045】
検出区域で分離通路の軸と実質的に同一平面にある励起ファイバと発光ファイバを位置決めする代わりに、本発明の範囲および精神から逸脱せずに、励起ファイバまたは発光ファイバを面外にしてもよい。
【0046】
さらに、記載した実施の形態における分離通路は、円筒カラムまたは管により画成されているが、本発明の概念は、開放通路により画成された分離通路、例えば、基板のエッチングにより画成された微小通路に同様に適用できることが理解されよう。
【0047】
したがって、開示した本発明は、単に説明のためであり、添付の特許請求の範囲に特定された範囲のみで制限されると考えられる。
【符号の説明】
【0048】
10 キャピラリー(分離)カラム
12 分離通路
14,16,62 貯留槽
18 高電圧電源
20,22,66,67 電極
26 コントローラ
32,68 検出区域
34 励起ファイバ
36 発光ファイバ
42 蛍光検出器
60 カートリッジ
100 CEシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの生物分離を行う生物分離装置のための検出システムにおいて、
前記サンプルがそれに沿ってサンプル成分への分離を経験する第1の縦軸を有する分離通路であって、サンプル成分が通過する前記分離通路に沿って画成された検出区域を有する分離通路、
放射線源、
検出器、
前記放射線源からの入射放射線を前記検出区域に向け、サンプル成分が該検出区域を通過するときにそのサンプル成分によって、放射線を放出させる、第2の縦軸を有する入射光導波路、および
前記検出区域から放出された放射線を収集し、前記検出器に向ける、第3の縦軸を有する発光光導波路、
を備え、
前記発光光導波路と前記入射光導波路が前記分離通路の反対側に配置されており、前記第1と第2と第3の縦軸が、少なくとも前記検出区域でまたはその近くで実質的に同一平面にあることを特徴とする検出システム。
【請求項2】
前記放射線源がLEDおよびレーザの内の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項3】
前記入射光導波路および発光光導波路の内の少なくとも一方が光ファイバを含むことを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項4】
前記光ファイバが、前記分離通路の外部から間隔が置かれた終端一体型球状端構造を有することを特徴とする請求項3記載の検出システム。
【請求項5】
前記入射光導波路が、終端一体型球状端構造を有する第1の光ファイバを含み、前記発光光導波路が、終端一体型球状端構造を有する第2の光ファイバを含み、前記球状端構造が前記分離通路の外部に触れないことを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項6】
前記第2と第3の縦軸の内の少なくとも一方が、前記第1の縦軸に対して垂直ではないことを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項7】
前記第2と第3の縦軸の各々が、前記第1の縦軸に対して鋭角を形成することを特徴とする請求項6記載の検出システム。
【請求項8】
前記分離通路がキャピラリーカラムにより画成されることを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項9】
前記生物分離がキャピラリー電気泳動分離を含むことを特徴とする請求項8記載の検出システム。
【請求項10】
サンプルの生物分離を行う生物分離装置のための検出システムにおいて、
前記サンプルがそれに沿ってサンプル成分への分離を経験する第1の縦軸を有する分離通路であって、サンプル成分が通過する前記分離通路に沿って画成された検出区域を有する分離通路、
放射線源、
検出器、
前記放射線源からの入射放射線を前記検出区域に向け、サンプル成分が該検出区域を通過するときにそのサンプル成分によって、放射線を放出させる、第2の縦軸を有する入射光導波路、および
前記検出区域から放出された放射線を収集し、前記検出器に向ける、第3の縦軸を有する発光光導波路、
を備え、
前記発光光導波路と前記入射光導波路が前記分離通路の反対側に配置されており、前記入射光導波路および発光光導波路の内の少なくとも一方が光ファイバを含むことを特徴とする検出システム。
【請求項11】
前記光ファイバが終端一体型球状端構造を有することを特徴とする請求項10記載の検出システム。
【請求項12】
前記入射光導波路が、終端一体型球状端構造を有する第1の光ファイバを含み、前記発光光導波路が、終端一体型球状端構造を有する第2の光ファイバを含み、前記球状端構造が前記分離通路の外部に触れないことを特徴とする請求項10記載の検出システム。
【請求項13】
前記第2と第3の縦軸の内の少なくとも一方が、前記第1の縦軸に対して垂直ではないことを特徴とする請求項10記載の検出システム。
【請求項14】
前記発光光導波路と前記入射光導波路が前記分離通路の反対側に配置され、前記第1と第2と第3の縦軸が、少なくとも前記検出区域でまたはその近くで実質的に同一平面にあることを特徴とする請求項13記載の検出システム。
【請求項15】
サンプルの生物分離のためのカートリッジにおいて、
本体、
前記本体内に画成された分離通路であって、前記サンプルがそれに沿ってサンプル成分への分離を経験する第1の縦軸、およびサンプル成分が通過する前記分離通路に沿って画成された検出区域を有する分離通路、
終端一体型球状端構造を有する第1の光ファイバを含む入射光導波路であって、外部放射線源からの入射放射線を前記検出区域に向け、サンプル成分が該検出区域を通過するときにそのサンプル成分によって、放射線を放出させる入射光導波路、および
終端一体型球状端構造を有する第2の光ファイバを含む発光光導波路であって、前記検出区域から放出された放射線を収集し、外部出器に向ける発光光導波路、
を備えたカートリッジ。
【請求項16】
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバが前記分離通路の反対側に配置され、前記第1の光ファイバが第2の縦軸を有し、前記第2の光ファイバが第3の縦軸を有し、前記第1と第2と第3の縦軸が、少なくとも前記検出区域でまたはその近くで実質的に同一平面にあることを特徴とする請求項15記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記分離通路が、前記本体に支持されたキャピラリーカラムにより画成されることを特徴とする請求項16記載のカートリッジ。
【請求項18】
生物分離システムにおいて、
請求項15記載のカートリッジ、
前記第1の光ファイバが光学的に結合された放射線源、および
前記第2の光ファイバが光学的に結合された検出器、
を有してなる生物分離システム。
【請求項19】
電気泳動システムにおいて、
請求項1記載の検出システム、および
電気泳動分離を行うために前記分離通路の端部に亘る電圧を提供する電源、
を備え、
分離されたサンプル成分が前記検出区域を通過することを特徴とする電気泳動システム。
【請求項20】
サンプルの生物分離を検出する方法において、
前記サンプルがそれに沿ってサンプル成分への分離を経験する第1の縦軸を有する分離通路を提供し、サンプル成分が通過する前記分離通路に沿って画成された検出区域を画成する工程、
放射線源を提供する工程、
検出器を提供する工程、
第2の縦軸を有する入射光導波路を提供し、前記放射線源からの入射放射線を前記検出区域に向け、サンプル成分が該検出区域を通過するときにそのサンプル成分によって、放射線を放出させる工程、および
第3の縦軸を有する発光光導波路を提供し、前記検出区域から放出された放射線を収集し、前記検出器に向ける工程、
を有してなり、
前記発光光導波路と前記入射光導波路が前記分離通路の反対側に配置されており、前記第1と第2と第3の縦軸が、少なくとも前記検出区域でまたはその近くで実質的に同一平面にあることを特徴とする方法。

【図2】
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【図3】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図4A】
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【公表番号】特表2013−518290(P2013−518290A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551358(P2012−551358)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/023071
【国際公開番号】WO2011/094648
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(512198844)
【氏名又は名称原語表記】Varouj, D. AMIRKHANIAN
【出願人】(512198855)
【氏名又は名称原語表記】Shou−Kuan TSAI
【Fターム(参考)】