説明

環含有樹脂変性物およびそれを含んだ分散剤

下記式(1)


(式(1)中,Rはベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂の脱水酸基残基:−R−は有機ジイソシアナート由来の脱イソシアナート基:−R−は数平均分子量200〜30000のポリオールの脱水酸基残基:pは1〜3:−R−は水素原子,炭素数1〜18のアルキル基,フェニル基:qはRの脱水酸基数と同数)
で示されることを特徴とする環含有樹脂変性物,およびそれを用いた,顔料あるいは微粒子が均一に分散した塗料および分散液を調製するための分散剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、顔料あるいは微粒子が均一に分散した塗料及び分散液を調製するための分散剤として用いられる、樹脂変性物に関するものである。
【背景技術】
非水系塗料には、顔料と被膜形成用樹脂と有機溶剤とが含まれている。塗料中に顔料が十分均一に分散していないと、塗料を長期間保存する際に顔料が凝集や沈降を引き起こし、また塗装する際に色分かれや色浮きや光沢の低下が生じたりする。そこで塗料には、顔料を均一に分散させる分散剤が添加されている。
このような分散剤として、特開2002−322226号公報には、(メタ)アクリル酸のアルコール系エステルおよび末端(メタ)アクリロイル基含有マクロモノマーに、(メタ)アクリル酸のアミノ基含有モノマーまたはアンモニウム基含有アルキルアルコール系エステルがブロック重合している、(メタ)アクリル系ブロック共重合物が開示されている。この共重合物中に含まれるアミノ基やアンモニウム基が、顔料と強く相互作用し、分散させている。
一般に、分散剤は顔料親和部と樹脂親和部とを有し、顔料親和部には塩基性基や酸性基が用いられる。しかし、塩基性基を含む分散剤を用いた場合、シラノール含有低汚染型塗料の保存安定性が低下したり、酸触媒使用焼付け塗料の硬化が阻害されたりする。一方、酸価の高い酸性基を用いた場合、塗料が高粘度化したり、保存安定性が低下したりする。また、電荷が電子材料に影響を及ぼすため、電子材料など塗料以外の分野では、酸性基や塩基性基の添加を避ける傾向がある。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、顔料及び微粒子を十分均一に分散させる分散剤として用いられ、顔料親和部として、塗料及びコーティング材の安定性や硬化に影響を及ぼすおそれがないベンゼン環および/または縮合環を有している、環含有樹脂変性物、およびそれを含んだ分散剤を提供することを目的とする。
【発明の開示】
前記の目的を達成するためになされた本発明の環含有樹脂変性物は、下記式(1)

(式(1)中、
はベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂の脱水酸基残基:
−R−は有機ジイソシアナート由来の脱イソシアナート基:
−R−は数平均分子量200〜30000のポリオールの脱水酸基残基:
pは1〜3:
−Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基:
qはRの脱水酸基数と同数)
で示されるものである。
前記ベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂は、水酸基含有ロジン誘導体、水酸基含有キシレン樹脂、水酸基含有スチレン樹脂から選ばれる。具体的には、水酸基含有ロジン誘導体としてパインクリスタルD−6011(数平均分子量910)、パインクリスタルD−6240(数平均分子量3500)、パインクリスタルD−6154(数平均分子量1760:いずれも荒川化学(株)社製)が挙げられ、水酸基含有キシレン樹脂としてニカノールK−140(水酸基価290)、ニカノールK−100(水酸基価90:いずれも三菱瓦斯化学(株)社製)が挙げられ、水酸基含有スチレン樹脂としてジヒドロキシル基含有ポリスチレンであるマクロモノマーHS−6(数平均分子量6000)、ジヒドロキシル基含有スチレン/アクリロニトリル共重合体であるマクロモノマーHN−6(数平均分子量6000:いずれも東亞合成(株)社製)が挙げられる。
環含有樹脂変性物中の、このベンゼン環および/または縮合環部分が、分散剤の顔料親和部として作用する。ベンゼン環および/または縮合環中においてπ電子が非局在化しており、この共役系が顔料と相互作用して、顔料を十分に分散させることができる。
前記有機ジイソシアナートは、芳香族ジイソシアナート、鎖状脂肪族ジイソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナートから選ばれる。具体的には、芳香族ジイソシアナートとしてトリレンジイソシアナート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアナートが挙げられ、鎖状脂肪族ジイソシアナートとしてヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)が挙げられ、環状脂肪族ジイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート(IPDI)、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンが挙げられる。中でもトリレンジイソシアナート(TDI)を用いるとより一層好ましい。
前記ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、水酸基含有アクリル系共重合物から選ばれる。具体的には、ポリエーテルポリオールとしてポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリブチレンフリコールが挙げられ、ポリエステルポリオールとしてε−カプロラクトン重合物、ポリ12−ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。
水酸基含有アクリル系共重合物は、2−メルカプトエタノールなどの水酸基含有重合調整剤を用いてアクリル酸アルコール系エステルを共重合し、ポリマー末端に水酸基を導入したものである。具体的には、ポリラウリルメタクリレート末端水酸基導入物が挙げられる。
前記ポリオールは、数平均分子量200〜30000のものが用いられ、特に1000〜15000のものを用いるとより一層好ましい。数平均分子量が200より少ない場合には、顔料の分散速度や分散安定性が低下するおそれがあり、30000より多い場合には、分散剤の粘度が高くなりすぎて取り扱いにくくなる。
本発明の環含有樹脂変性物は、ベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂に有機ジイソシアナートとポリオールとを付加または重付加反応することで得られる。
本発明の分散剤は、前記環含有樹脂変性物を含むものであり、例えば環含有樹脂変性物が不活性溶媒に溶解しているものである。例えば、塗料用顔料の分散剤、コーティング材用微粒子の分散剤、焼結用微粒子の分散剤である。
前記不活性溶媒は、生成した環含有樹脂変性物を溶解することができ、かつ塗料、インキ等と混和できるものが好ましい。具体的にはn−ヘキサン等の脂肪族溶剤、キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族溶剤、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のセロソルブアセテート系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独で使用しても、混合して使用してもよい。
発明を実施するための形態
以下、本発明を適用する環含有樹脂変性物を生成させた例を適用実施例に、本発明を適用外の樹脂変性物を生成させた例を比較例に示す。
(適用実施例)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル30重量部とTDI3.48重量部を入れて、液温を60℃に保温した。分子量1000のメトキシポリエチレングリコールであるMPEG1000(東邦化学(株)社製の商品名)20重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30重量部の混合溶液を約1時間かけて滴下した後、60℃で1時間反応した。その後、水酸基含有キシレン樹脂であるニカノールK−100(三菱瓦斯化学(株)社製の商品名)11.9重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル15.7重量部の混合溶液を約1時間かけて滴下した。滴下終了後60℃で2時間反応させ、キシレン樹脂変性物を合成した。得られたキシレン樹脂変性物の数平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法で求めたところ、24200であった。また、得られたキシレン樹脂変性物の酸価、アミン価を測定したところ、いずれも0であった。
(比較例)
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン50重量部を入れて、液温を100℃に保温した。窒素雰囲気下で、ジメチルアミノエチルメタクリレートであるライトエステルDM(共栄社化学(株)社製の商品名)15重量部、エチルアクリレート30重量部、メチルメタクリレートマクロモノマーであるマクロモノマーAA−6(重量平均分子量6000:東亞合成化学工業(株)社製の商品名)15重量部、ドデシルメルカプタン0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部の混合溶液を約3時間かけて、キシレンに滴下した。滴下終了後さらに、アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を加え、100℃で2時間反応させ、アミノ基含有(メタ)アクリル系共重合物を合成した。得られた共重合物の数平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法で求めたところ、23000であった。また、得られた共重合物の酸価、アミン価を測定したところ、酸価0、アミン価19であった。
(試験例1)
適用実施例および比較例のキシレン樹脂変性物を使用した塗料の主剤の物性を調べるため、塗料の調製を行い粘度の測定、顔料凝集の有無の観察、20°グロスの測定による塗膜の光沢の測定、シラノール含有樹脂に対する安定性評価を行った。
(塗料の調製及び評価)
実施例及び比較例のキシレン樹脂変性物を用いて、塗料の主剤を調製した。まず実施例あるいは比較例のキシレン樹脂変性物1.35g、不揮発成分50%であって水酸基価50であるアクリルポリオール樹脂のトルエン−酢酸ブチル溶液 アクリディックA−801(大日本インキ化学工業(株)社製の商品名)34g、カーボンブラックとしてFW−200(デグサ(株)社製の商品名)4.5g、シンナー(キシレン/酢酸ブチル=70/30)19.0g、および直径1.5〜2.0mmのガラスビーズ200gを225mlのガラス瓶に加え、ペイントシェイカー(レッドデビル社製)により1時間攪拌した。1時間後、アクリディックA−801の71.6gを加えてレッドダウンしてガラスビーズを瀘別し、塗料の主剤を調製した。
さらにこの塗料の主剤を用いて、シラノール含有樹脂に対する安定性評価のためのシラノール樹脂試料を調製した。還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にキシレン60重量部を入れて、液温を100℃に保温した。窒素雰囲気下で、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20重量部、ラウリルメタクリレート20重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部の混合溶液を約1時間かけて、キシレンに滴下した。滴下終了後、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を加え、100℃で2時間反応させ、シラノール含有(メタ)アクリル系共重合物を得た。得られた共重合物30gを140mlガラス瓶に入れて、前記塗料の主剤0.6gを加えペイントシェーカー(レッドデビル社製)により15分間混合し、シラノール樹脂試料を調製した。
粘度測定は以下に述べる方法で行った。粘弾性測定器(Physica MCR300:PHYSICA−Messtechnik GmbH社製)によって1秒、10秒、100秒、1000秒あたりのずり速度を測定して主剤の粘度を評価した。
顔料凝集の有無の観察は以下に述べる方法で行った。主剤10gを50ml(直径35mm、高さ78mm)のスクリュー管にとり、内壁を十分に濡らしてから24時間静置した後の内壁を目視することにより凝集の有無を観察した。
塗膜の光沢の測定は以下に述べる方法で行った。主剤100重量部と、硬化剤としてスミジュールN−75(住友バイエルウレタン(株)社製の商品名)17.6重量部とを混合してからシンナー(キシレン/酢酸ブチル=70/30)にて希釈し、フォードカップ4で12秒に調製した。希釈した塗料をエアースプレーを用いて、ブリキ板にスプレー塗装した。24時間自然乾燥させた後、光沢計(BYK−Gardner社製)を用いて塗板の20°グロスを測定し、光沢感を評価した。
シラノール含有樹脂に対する安定性評価は、50℃で1週間静置した後の前記シラノール樹脂試料を目視して変化の有無を観察することで行った。
なお、比較のため、ブランク試験を行った。環含有樹脂を全く添加しなかったこと以外は、適用実施例と同様にして主剤を調製してブランクとし、ブランクの粘度測定、顔料凝集の有無の観察、20°グロスの測定、シラノール含有樹脂に対する安定性評価を行った。
それぞれの結果を表1に示す。

表1から明らかなとおり、適用実施例の塗料は比較例およびブランクの塗料に比べて、粘度が低く、瓶の内壁に顔料の凝集がなく、塗膜の光沢が向上しており、またシラノール含有樹脂に対する安定性が優れていた。
(試験例2)
適用実施例および比較例の微粒子分散性を調べるため、微粒子分散液の調製を行い微粒子の粒径測定を行った。
適用実施例及び比較例のキシレン樹脂変性物を用いて、微粒子分散液を調製した。まず実施例あるいは比較例のキシレン樹脂変性物1.80g、酢酸メトキシプロピル24g、微粒子として微粒子酸化チタン(STR−100A(堺化学工業(株)社製の商品名 1次粒子径0.01μm)6g、および直径1.5〜2.0mmのガラスビーズ30gを140mlのガラス瓶に加え、ペイントシェイカー(レッドデビル社製)により1時間攪拌した。1時間後、ガラスビーズを瀘別し、微粒子酸化チタン分散液を調製した。
微粒子の粒径は粒度分布測定装置(LB−500:堀場製作所(株)製)によって測定し、メジアン径を算出した。
その結果を表2に示す。

表2から明らかなとおり、適用実施例を使用した分散液は比較例を使用した分散液およびブランクの分散液に比べて、メジアン径が小さく分散性が優れていた。
(試験例3)
適用実施例および比較例の焼結微粒子に対する分散性を調べるため、焼結微粒子分散液の調製を行い分散液の粘度測定を行った。
焼結微粒子としてNi−Zn−Cu系フェライト粉末を使用した。フェライト粉末の100重量部に対して60重量部の水に、適用実施例あるいは比較例のキシレン樹脂変性物を溶解した後、該溶液にメディアおよび前記フェライト粉末を撹拌しながら加え分散させた。その後ボールミルで粉砕し、スラリーを得た。得られたスラリーに、まずアクリルエマルジョンを前記フェライト粉末100重量部に対し固形分で13重量部加えて撹拌・混合し、セラミックスラリーを製造した。
セラミックスラリーの分散状態をグラインドゲージを用いて評価した。一端の深さが50μmで他端の深さが0μmであるみぞを掘った板上を、水平方向に深さ50μmから0μmに向かってペーストを掻き取った時に出来る掻き跡の長さが、2μm未満を○、2〜5μmを△、5μm以上を×とした。
その試験結果を表3に示す。

表3から明らかなとおり、適用実施例を使用した分散液は比較例を使用した分散液およびブランクの分散液に比べて、グラインドゲージ値が小さく分散性が優れていた。
以上、詳細に説明したように本発明の環含有樹脂変性物は、顔料及び微粒子を均一に分散するのに有効な化合物である。この環含有樹脂変性物は、顔料親和部としてカルボキシル基やアミノ基ではなくベンゼン環および/または縮合環を有しているので、塗料及びコーティング材の安定性や硬化に影響を及ぼすおそれがない。
この樹脂変性物を用いて顔料を分散させた塗料を塗布すると、色むらがなく、光沢感のある塗膜が得られる。
また、この樹脂変性物を用いてコーティング材用微粒子や焼結用微粒子を分散させた分散剤は、これらの微粒子が小粒径となったものとして得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)

(式(1)中、
はベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂の脱水酸基残基:
−R−は有機ジイソシアナート由来の脱イソシアナート基:
−R−は数平均分子量200〜30000のポリオールの脱水酸基残基:
pは1〜3:
−Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基:
qはRの脱水酸基数と同数)
で示されることを特徴とする環含有樹脂変性物。
【請求項2】
前記ベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂は、水酸基含有ロジン誘導体、水酸基含有キシレン樹脂、水酸基含有スチレン樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の環含有樹脂変性物。
【請求項3】
前記有機ジイソシアナートは、芳香族ジイソシアナート、鎖状脂肪族ジイソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナートから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の環含有樹脂変性物。
【請求項4】
前記ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、水酸基含有アクリル系共重合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の環含有樹脂変性物。
【請求項5】
下記式(1)

(式(1)中、
はベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂の脱水酸基残基:
−R−は有機ジイソシアナート由来の脱イソシアナート基:
−R−は数平均分子量200〜30000のポリオールの脱水酸基残基:
pは1〜3:
−Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基:
qはRの脱水酸基数と同数)
で示される環含有樹脂変性物を含むことを特徴とする塗料用顔料の分散剤。
【請求項6】
前記ベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂は、水酸基含有ロジン誘導体、水酸基含有キシレン樹脂、水酸基含有スチレン樹脂から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の塗料用顔料の分散剤。
【請求項7】
前記有機ジイソシアナートは、芳香族ジイソシアナート、鎖状脂肪族ジイソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナートから選ばれることを特徴とする請求項5に記載の塗料用顔料の分散剤。
【請求項8】
前記ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、水酸基含有アクリル系共重合物から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の塗料用顔料の分散剤。
【請求項9】
下記式(1)

(式(1)中、
はベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂の脱水酸基残基:
−R−は有機ジイソシアナート由来の脱イソシアナート基:
−R−は数平均分子量200〜30000のポリオールの脱水酸基残基:
pは1〜3:
−Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基:
qはRの脱水酸基数と同数)
で示される環含有樹脂変性物を含むことを特徴とするコーティング材用微粒子の分散剤。
【請求項10】
前記ベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂は、水酸基含有ロジン誘導体、水酸基含有キシレン樹脂、水酸基含有スチレン樹脂から選ばれることを特徴とする請求項9に記載のコーティング材用微粒子の分散剤。
【請求項11】
前記有機ジイソシアナートは、芳香族ジイソシアナート、鎖状脂肪族ジイソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナートから選ばれることを特徴とする請求項9に記載のコーティング材用微粒子の分散剤。
【請求項12】
前記ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、水酸基含有アクリル系共重合物から選ばれることを特徴とする請求項9に記載のコーティング材用微粒子の分散剤。
【請求項13】
下記式(1)

(式(1)中、
はベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂の脱水酸基残基:
−R−は有機ジイソシアナート由来の脱イソシアナート基:
−R−は数平均分子量200〜30000のポリオールの脱水酸基残基:
pは1〜3:
−Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基:
qはRの脱水酸基数と同数)
で示される環含有樹脂変性物を含むことを特徴とする焼結用微粒子の分散剤。
【請求項14】
前記ベンゼン環および/または縮合環と水酸基とを有する樹脂は、水酸基含有ロジン誘導体、水酸基含有キシレン樹脂、水酸基含有スチレン樹脂から選ばれることを特徴とする請求項13に記載の焼結用微粒子の分散剤。
【請求項15】
前記有機ジイソシアナートは、芳香族ジイソシアナート、鎖状脂肪族ジイソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナートから選ばれることを特徴とする請求項13に記載の焼結用微粒子の分散剤。
【請求項16】
前記ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、水酸基含有アクリル系共重合物から選ばれることを特徴とする請求項13に記載の焼結用微粒子の分散剤。

【国際公開番号】WO2004/108788
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506835(P2005−506835)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008148
【国際出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【出願人】(000162076)共栄社化学株式会社 (67)
【Fターム(参考)】