説明

環境状態に応じてユーザに警告するシステム及び装置

環境状態についてユーザに警告する装置及びシステム(10、10’、10’’)は、所定の環境状態に応じてユーザを触覚的に刺激するようにユーザに対して配置可能な刺激手段(18、20、22)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
或る(たとえば所定の)環境状態に応じてユーザに警告する(たとえば覚醒させる)システム及び装置を開示する。環境状態は、たとえば、物理的環境(たとえば天候)の状態であってもよく、又は人為的環境(たとえば株式市場)の状態であってもよい。
【0002】
[背景技術]
或る所定の環境状態に至った場合にユーザに警告するコンピュータプログラムが知られている。たとえば、所与のパラメータの変化(たとえば、株式市場の動き、又は株価、商品価格変化等の一定の変化)を監視するとともにそれらについてユーザに警告するプログラムが知られている。警告は、電子メール、無線ショートメッセージ又は可聴アラームの形態でユーザに提供され得る。
[概要]
第1の態様では、環境状態についてユーザに警告する装置であって、所定の環境状態に応じてユーザを触覚的に刺激するようにユーザに対して配置可能な刺激手段を備える装置が提供される。
【0003】
ユーザを触覚的に刺激する刺激手段を提供することにより、より信頼できる、又はユーザがより容易に感知する、ユーザに警告する方法が提供される。たとえば、刺激手段を使用してユーザを睡眠から覚醒させることができ、それによって、所定の環境状態の発生についてそのユーザに警告する。刺激手段を使用して、目及び/又は耳が不自由なユーザに警告してもよい。
【0004】
一実施の形態では、刺激手段は、ユーザに隣接して配置可能な可撓性ハウジング内に組み込まれる。可撓性ハウジングは、ユーザの身体(anatomy)の一部に隣接して配置することができる枕、クッション、パッド等の一部を形成してもよい。パッドは、任意選択として、ユーザの衣服の一部を形成してもよい。
【0005】
一実施の形態では、刺激手段は、たとえばハウジング内に位置するアクチュエータを備える。たとえば、アクチュエータは、機械式(たとえば電気機械式)であってもよく、振動をもたらすようにモータによって駆動される(たとえば回転する)偏心質量又はカム駆動される質量を備えてもよい。質量をモータのロータシャフト上に配置し、それにより、シャフトが回転すると質量がアクチュエータ内に振動をもたらすようにしてもよい。このため、振動は、装置において触覚タイプの刺激を提供する。モータを、モータを選択的に作動させる(たとえば監視される環境状態に応じて)ための切替装置と、電気的に又はリモートに接続してもよい。
【0006】
切替装置は、信号に応じてモータを制御し、且つ/又は信号をモータのための電力に変換するコントローラ/トランスフォーマをさらに備えてもよい。この信号は、監視される環境状態に関連する。これに関して、切替装置は、コントローラとしてマイクロプロセッサを備えてもよい。
【0007】
信号は、種々のソースから発生してもよく、コントローラ/トランスフォーマに配線を介して又は無線で送信されてもよい。たとえば、信号をコンピュータから、たとえばコンピュータ及びコントローラにおけるRFモジュールを使用して送信してもよい。別の実施の形態では、信号を基地局から、emf放射(たとえば、無線、移動体通信信号、赤外線、マイクロ波等)を使用して送信してもよい。
【0008】
他のアクチュエータを採用してもよい。たとえば、代替的な振動タイプの装置、又は弱電荷、振動をもたらす雑音等を放出するアクチュエータを採用してもよい。
【0009】
第2の態様では、環境状態についてユーザに警告するシステムであって、
所定の環境状態に関して監視する監視手段と、
監視手段によって監視される所定の環境状態に応じてユーザを触覚的に刺激する刺激手段と
を備える、システムが提供される。
【0010】
第3の態様では、環境状態についてユーザに警告するシステムであって、
所定の環境状態に関して監視する監視手段と、
監視手段によって監視される所定の環境状態に応じてユーザを刺激する刺激手段と
を備え、
刺激手段は、スピーカ、グラフィカルユーザインタフェース又はコンピュータ以外である、システムが提供される。
【0011】
「グラフィカルユーザインタフェース」という用語は、本明細書では、コンピュータ、携帯電話、ハンドヘルドコンピュータ及びポータブルコンピュータ並びに電子手帳(organizer)、ポケットベル等に関連する画面等を含むように広く解釈されるべきである。また、「コンピュータ」という用語は、本明細書では、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ及び他のポータブルコンピュータ並びに電子手帳、携帯電話、ポケットベル等、並びに独立型であるかネットワークの一部であるか等を含むように広く解釈されるべきである。
【0012】
第2の態様及び第3の態様で定義されるシステムでは、刺激手段は、通常、第1の態様で定義されるようなものである。これに関し、システムは、第1の態様の装置を採用してもよい。
【0013】
第2の態様及び第3の態様で定義されるシステムでは、監視手段は、コンピュータに格納されるか若しくは他の方法でコンピュータに関連付けられるか、又はコンピュータによって(たとえばネットワークを介して)アクセス可能なコンピュータプログラムを含むことができる。これに関して、コンピュータプログラムを、コンピュータから情報を読み出すか、又はコンピュータが接続されるネットワークからこれを読み出すか若しくは受け取るように構成することができる。情報は、通常、環境状態を示し、所定の環境状態に至ると、コンピュータプログラムは、プロンプトするように構成して、刺激手段に送信される信号を生成するように構成することができる。
【0014】
ネットワークは、制限されたユーザネットワーク(イントラネット、ローカルエリアネットワーク等)であってもよく、又は大域的なユーザネットワーク(インターネット等)であってもよい。情報を、ネットワークを介してアクセス可能なサイト又はホストコンピュータに格納してもよい。
【0015】
所定の環境状態を、ユーザによって、又はサイト若しくはホストコンピュータによって(たとえばサイト若しくはホストコンピュータのオペレータによって)、又はコンピュータプログラムによって、選択するか又は決定してもよい。所定の環境状態は、1つ又は複数の状態であってもよく、1つ又は複数のパラメータによって定義されてもよい。
【0016】
本システムでは、刺激手段に提供される信号を、コンピュータから刺激手段に電気的に、電子的に又はリモートに(たとえば無線手段によって)送信してもよい。本システムでは、また、刺激手段に提供される信号を、刺激手段を駆動するために使用可能であるように解釈/変換するようになっているマイクロプロセッサコントローラを介して送信してもよい。たとえば、刺激手段がモータ又は他の電気的に駆動可能な装置(たとえば振動装置等)を備える場合、マイクロプロセッサは、スイッチ若しくはコントローラ(すなわち、モータ又は他の装置を起動/停止する)か、又はモータ若しくは他の装置に適切な電圧及び電流を提供するトランスフォーマのいずれか又は両方としての役割を果たすことができる。
【0017】
第3の態様のシステムでは(すなわち、刺激手段がスピーカ、グラフィカルユーザインタフェース、又はコンピュータ以外である場合)、刺激手段は、触覚的ではないように動作してもよく、視覚、味覚又は臭覚等、ユーザの他の感覚を刺激してもよい。
【0018】
本システムの典型的な実施の形態では、刺激手段は、監視手段とは別個であるが、監視手段が所定の環境状態を監視するとそれに応じて起動される。これに関して、刺激手段は、ユーザに対し光信号、又は感知可能なにおい若しくは味を放出する装置も備えてもよい。
【0019】
所定の環境状態は、物理的環境の状態であっても人為的環境の状態であってもよい。たとえば、物理的環境状態は、特に可変の状態である。これら物理的環境状態には、天候の状態、水域の状態、磯波(surf)の状態、漁場の状態、水温(たとえば海、湖又は川の)、気温、風の状態、雪又は雨の状態等が含まれてもよい。これらの状態は、こうした状態でスポーツをするか又は趣味に興じるか又は出かけるユーザに関連してもよい。
【0020】
人為的環境状態もまた、特に可変の状態である。これら人為的環境状態には、株若しくは他の市場、個々の若しくはグループの株価(複数可)、商品若しくはサービスの価格(複数可)、金利、外国為替相場、資産価格等の状態又は状況が含まれてもよい。これらの状態は、こうした状態を扱う仕事をするか又はこうした状態に個人的に興味があるユーザに関連してもよい。
【0021】
概要において概説したような特徴のいくつか又はすべてを組み込むことができる他の実施の形態もあるが、ここでは、実施例及び添付図面を参照して、単に例として、複数の特定のシステム及び装置の実施の形態について説明する。
【0022】
[特定の実施形態の詳細な説明]
まず図1及び図2(同様の参照符号を用いて、類似又は同様の部分を示す)を参照すると、環境状態についてユーザに警告するシステム及び装置が概略的に示されている。システム10は、コンピュータ12及びコントローラ14を備える。コントローラは、通常、それに何らかの知能及びプログラム可能な能力を提供するようにマイクロプロセッサMを組み込んでいる。
【0023】
データ、コマンド及び/又は命令を、入力モジュール16(たとえばキーボード)を介してコンピュータに入力することができる。コンピュータ12は、通常、制限されたユーザネットワーク(イントラネット、ローカルエリアネットワーク等)か、又は大域的なユーザネットワーク(インターネット等)を含み得るネットワークNと通信する。
【0024】
環境状態についてユーザに警告する装置であって、刺激装置を備える装置は、図1ではクッション又は枕18の形態で示されている。クッション又は枕18内には、詰物19が収容されている。詰物は、ケーシング20と、モータ22の形態のアクチュエータとを備える刺激装置を包囲する。モータ22は、たとえば24として概略的に示すワイヤを介して、コントローラ14と電気的に又はリモートに(たとえば無線)接続されている。コントローラ14もまた、ケーシング20内に収容してもよい(図4を参照)。
【0025】
ワイヤ24は、単に、モータ22(それ自体の電源、たとえばバッテリを有してもよい)にオン/オフ切替機能を通信するのみであってもよく、且つ/又はコントローラ14から電力を供給してもよい。これに関して、コントローラ14自体が、単に、コンピュータ12からの信号26に応じて切替装置としての役割を果たしてもよい。コントローラ14は、追加で、又は代替的に、信号をランプアップするか、又は信号に応じてモータ22に電力を向けるトランスフォーマ/電源を備えてもよい。これに関して、コントローラは、これを作動させるために適切な電圧及び電流をモータ22に供給することができる。
【0026】
特に図2を参照すると、環境状態についてユーザに警告する装置の一部を形成する刺激手段は、通常、可撓性(たとえばプラスチック)であるが保護的な材料から形成されるケーシング20を備えるものとして示されている。モータ22はケーシング内に配置され、ベアリング29を介してケーシングに取り付けられるステータ部28を備える。細長いシャフトを画定するロータ部30が、ステータ部内で回転駆動されるように取り付けられる。
【0027】
通常、ロータ部30の両端には各々、それぞれの円柱状質量32が取り付けられており、各質量は、図示するようにロータ部30の中心からずれている(又は別法としてカムによって移動可能である)。このため、モータが作動し、ロータが急速に回転すると、ずれた質量(又はカム)によりモータが振動し、故にケーシング20が振動し、それによってクッション又は枕18のユーザが感知することができる振動出力が提供される。これに関して、振動力は、詰物19を通して伝達され、そこから、ユーザの身体の、クッション又は枕18上に又はそれに隣接して配置された部分に伝達される。これにより、ユーザに警告する(たとえばユーザを覚醒させることにより)ことができる。
【0028】
さらなる変形形態では、ケーシング20内に圧力駆動スイッチを取り付けることができる。これは、ユーザが枕の上に横たわるか又は他の方法で枕を押すことにより、枕に圧力が加えられ、故にケーシングに圧力が加えられると駆動される。通常、この圧力により回路が閉じ、それによりモータに電力が供給される。こうした構成により、一日中、いつその環境状態になっている場合であっても、ユーザが枕が圧力を加えた場合にのみ振動するようにして、枕を一日中利用することができる。言い換えれば、これにより、枕自体の中に取り付けられるオン/オフスイッチが提供される。単純な形態では、スイッチを、たとえばケーシングの内壁とモータの外壁との間の2つの接点に接続された回路内に画定することができ、それにより、枕に加えられる圧力によってケーシングがモータに対して付勢され、そのため回路が閉じる。
【0029】
枕は、コンピュータにリモートに接続することができ、若しくは、たとえばケーシング又は枕構造内部のSMS又は同様のタイプの受信機を介して電話又は他のタイプの通信ネットワークに接続してもよい。一例では、信号をコンピュータから、コンピュータ及びコントローラにおけるRFモジュールを使用して送信してもよい。別の例では、信号を、エmf放射(たとえば無線、移動体通信信号、赤外線、マイクロ波等)を使用して基地局(たとえば図4を参照)から送信してもよい。
【0030】
このため、コンピュータがユーザの住居にあるか又は枕の近くにある必要はない。正確にいえば、或る(たとえば所定の)環境状態に至った場合に、ネットワークから送信される信号を介して、枕の振動をオン及びオフすることができる。これに関して、枕はまた、枕のケーシング(又は同様の内部構造)内にマイクロプロセッサを備えてもよく、それにより、無線、SMS及び他のemfタイプの通信を含む複数の異なる制御通信の可能性を、1つのセットアップで提供することができる。
【0031】
さらに、モータを、環境状態に関連するパラメータのうちの1つ又は複数の、比率(proportion)又は大きさ(magnitude)に関連することが可能な、異なる速度で回転するように制御することができる。たとえば、監視されている環境状態が磯波の状態である場合、振動の程度を波のサイズに関連させることができる。これに関して、小さい波の高さは小さい振動をもたらすことができ、大きい波の高さは大きい振動をもたらすことができる。ここで図3及び図4を参照して説明する実施形態を含む他の刺激手段の実施形態を用いて、同様の振動又は触覚変動を採用することも可能である。
【0032】
まず図3(同様の参照数字を使用して類似又は同様の部分を示す)を参照すると、環境状態についてユーザに警告する代替のシステム及び装置が概略的に示されている。このシステム10’では、クッション又は枕18の代わりに、椅子形の拡大支持パッド36が示されている。支持パッド36内に延在するように細長要素38が取り付けられており、この要素は、ワイヤ24を介してコントローラ14に接続されている(又は別法として、無線通信を介する等、リモートに接続され、その場合、要素38はそれ自体の電源を有する)。細長要素を、その中を通過する電流に応じて振動するように構成してもよく、又は温まる(すなわち、電気抵抗を有することにより)ように構成してもよい。両方の場合において、要素は、そこに位置する(たとえばその上に着座する)ユーザに対し触覚刺激を提供する。これに関して、支持パッドを、ユーザが通常座る椅子(たとえば、作業椅子又は事務椅子)の上に配置してもよい。そのほかの点では、システム10’は、図1及び図2のシステム10について説明したようなものである。
【0033】
ここで図4(同様の参照符号を用いて類似又は同様の部分を示す)を参照すると、環境状態についてユーザに警告するさらなる代替のシステム及び装置が概略的に示されている。このシステム10’’では、コントローラ14はケーシング20内部に配置され、略平坦な受信機空中線(receiver aerial)40を含む。その空中線は、基地局アンテナ42からリモートに送信される信号を受信するようになっている。この信号は、所定の環境状態の検出に応じて、そのアンテナが一部を形成するネットワークにおいて送信される。そのほかの点では、システム10’’は、図1及び図2のシステム10について説明したようなものである。
【0034】
図1〜図4のシステムを、以下のように動作させてもよい。まず、コンピュータプログラムをコンピュータ12にロードすることができる。このプログラムは、通常、ネットワークN上の且つネットワークNからの情報を分析し、解釈し且つ利用するように構成される。コンピュータプログラムはまた、入力モジュール16を介してユーザ情報及びデータを受け取ってもよい。
【0035】
コンピュータプログラムによってアクセスされるネットワークN上の情報は、通常、何らかのタイプの環境状態、特に可変性の性質を持つものに関連する。たとえば、環境状態は、天候の状態、水域の状態、磯波の状態、漁場の状態、水温(たとえば海、湖又は川)、気温、風の状態、雪又は雨の状態、道路の状態、空港又は滑走路の状態等、物理的環境に関連する状態であってもよい。別法として、それらは、株若しくは他の市場、個々の若しくはグループの株価(複数可)、商品若しくはサービス価格(複数可)、金利、外国為替相場、資産価格等の状態又は状況等、人為的環境状態であってもよい。
【0036】
コンピュータプログラムは、こうした情報について問い合わせし、こうした環境状態の変化を記録し測定するパラメータ(または測定基準(metrics))の変動を監視するようにプログラムされる。ユーザは、入力モジュールを介して、一定の限界(perimeter)が一定の値に達するか又は一定の範囲内になると、上述し且つここで説明したさまざまな刺激手段のうちの1つ又は複数を介して警告されたいということを示すことができる。これに関して、それらパラメータのうちの1つ又は複数が達せられ又は実現されると、コンピュータ12は、コンピュータプログラムによってコントローラ14に対する信号26を生成し、それによってコントローラ14は、その信号を処理し、モータ22又は要素38にワイヤ24を介するか又はリモートに(たとえば無線プロトコルを介して)起動コマンドを送出する。
【0037】
モータ22又はワイヤ38の作動は、最終的に触覚を通してユーザを刺激し、それにより、環境状態の変化に対してユーザに警告する。その変化は、ユーザが事前に決定したものであってもよく、プログラムが事前に決定したか又はネットワークから受信された命令によって事前に決定されるものであってもよい。たとえば、ネットワーク上の別のサイトが、ユーザ関連の環境状態の変化について1人又は複数のユーザに警告する必要がある場合があり、それにより、システム10を使用してユーザに通信することができる。
【0038】
ここで、複数の非限定的な実施例について説明する。
【0039】
[実施例1]
図1及び図2のシステム10のユーザは、そのユーザが最適であると判断する磯波の状態について警告されたいと望む。これに関して、コンピュータ12に専用プログラムがロードされており、そのプログラムは、インターネットを介して1つ又は複数のウェブサイトと通信する。
【0040】
この特定の実施例では、インターネット上の1つのウェブサイトが、ユーザがアクセスできるさまざまなサーフィン場所における磯波の状態に関係する天候の状態を提供することに専用となっている。ユーザは、コンピュータプログラムを起動し、入力モジュール16を介して、以下のようなさまざまなパラメータに対する値又は範囲をコンピュータプログラムに入力する:波の高さ、風の方向、波(うねり)の周期、水温、気温、潮の高さ。
【0041】
そして、ユーザは、これらパラメータの各々の値が一定値に達するか又は一定の範囲内になると、プログラムが信号26である警告信号を提供するように指定する。この信号は、提供される時、コントローラ14を介してモータ22まで送られる。
【0042】
この実施例では、ユーザは、睡眠から覚醒したいと望み、そのためクッション又は枕18を利用する。このように、信号がモータ22に送られると、信号がユーザの枕を振動させてユーザを覚醒させる。さらに、この実施例では、ユーザは、枕の振動が日の出の30分前から開始する時刻からのみ発生し、それらパラメータが一定値に達すると、枕18が起動されるように指定する。そして、ユーザは、枕18が振動し目が醒めた時に最適な磯波の状態があるということを知りつつ、この枕に頭を載せて眠る。このように、ユーザは、普通に且つ快適に眠ることができ、それら状態を別の方法で監視する必要はまったくなく、要求通りに覚醒することが可能である。
【0043】
代替的に、又は追加として、ユーザはパッド36を利用する。パラメータが一定値に達するか、又は1日のうちの一定時刻に一定の範囲内になると、要素38が起動される。
【0044】
[実施例2]
この実施例では、ユーザは図3のシステムを利用する。この実施例では、ユーザは、株式市場の特定の株の値を監視することに関心があり、コンピュータプログラムは、証券取引所にリストされるその株の価格を、証券取引所のウェブサイトを介して監視し問い合わせるように構成される。
【0045】
ユーザは、仕事中に通知を受けるように望み、したがって支持パッド36は、ユーザの作業椅子に配置される。そして、ユーザは、インターネットに接続されているユーザの作業コンピュータに収容されたコンピュータプログラムに値(複数可)を入力する。
【0046】
この実施例では、ユーザは、入力モジュール16を介して、その範囲に達すると通知を受けたいと望む、株価に対する値の或る範囲を決定する。そして、ユーザは通常通りに仕事を続けるが、株がその値に達したとき、パッド36内の要素38の振動(又は加熱)を介して触覚的に刺激される。
【0047】
この実施例では、ユーザは、ユーザにメッセージを送ったり可聴的に通知したりするような警告プログラムを補うことができ、又はもはやそうした警告プログラムに頼らなくてもよい。任意の変化が触覚を通して通知されるため、ユーザは任意のスピーカをオフにするか又は自身のコンピュータの音量を下げることができる。
【0048】
触覚による警告を使用することはまた、にぎやかな若しくは騒々しい環境(たとえば、株式市場は騒々しいことが有名である)において、又はユーザが目若しくは耳が不自由である場合にも有用である。
【0049】
[実施例3]
この実施例では、ユーザは、図3に示すシステムの変更形態であるシステムを利用する。これに関し、コントローラ14及び支持パッド36は、合わせて1つのユニット内に構成され、ここでは、複数のユニットが、ユーザのジャケットの各々の裏地内に取り付けられる。
【0050】
ユーザは、ハンドヘルドコンピュータを有し、このコンピュータは、無線アクセスプロトコルを介して(たとえばBlue Tooth(商標)プロトコルを使用して)定期的にインターネットにログオンしアクセスするようにプログラムされる。ハンドヘルドコンピュータはまた、無線アクセス(Blue Tooth(商標))プロトコルを介して信号26を出力し、その信号は、同様に無線(Blue Tooth(商標))プロトコルがセットアップされたコントローラ14を介して受信される。
【0051】
コントローラには電源(たとえばバッテリ)が設けられ、これは、パッド36内の振動装置を駆動する電力を提供し、ユーザの身体のパッド36に隣接する部分に触覚的な刺激をもたらす。これに関し、移動しているユーザに触覚的な刺激を与えることができ、そのため、システム10を携帯型とすることができる。
【0052】
この実施例では、異なる環境状態のコンテンツの複数のウェブサイトのうちの任意のものにアクセスし且つそれと対話する標準フォーマット又はプロトコルを提供することができる。各ウェブサイトは、そのプロトコルに加入(subscribe)してもよい。たとえば、ハンドヘルドコンピュータは、1つの汎用コンピュータプログラムを有すればよく、その場合、ユーザは所与のウェブサイトにおいてプログラムを指示し、監視したいパラメータを選択し、通知を受けたい時を選択することができる。
【0053】
[実施例4]
この実施例では、ユーザは、図4に示すようなシステムを利用する。これに関して、ケーシング20は、ユーザによって携行されるサイズとすることが可能であり、且つ/又はユーザの携帯情報端末(PDA)又は同様のデバイスの一部を形成してもよい。また、ユニットを、ユーザの衣服に収容するか又は衣服にクリップで留めることも可能である。
【0054】
コントローラ14は、この時、常に動作しており、アンテナ42の近くにあるときはいつでも、指定されたタイプの信号を受信することができる。
【0055】
この実施例では、ケーシング内に電源が設けられ、コントローラに、空中線に、且つユーザの身体のケーシング又はデバイスに隣接する部分に触覚刺激をもたらすようにモータを駆動するために、電力を提供する。このため、移動しているユーザに対して触覚刺激を与えることができ、それによりこの場合もまたシステム10’’は携帯型である。
【0056】
この特定の実施例では、電気通信サービスプロバイダが、ユーザによってアクセス可能なさまざまな場所における雪の状態に関係する天候の状態を提供することに専用となっている。ユーザは、サービスを(たとえば携帯電話又はPDAを介して)起動し、電話又はPDAを介して、以下のようなさまざまなパラメータに対する1つ又は複数の値又は範囲をウェブサイトに入力する:雪の深さ、雪の鮮度、雪の質(すなわち粉の程度)、気温、風、天候パラメータ、雪崩の危険性。
【0057】
当業者には理解されるように、上述した実施形態の他の多くの変形が可能である。
【0058】
コンピュータ12は、「概要」セクションで定義したような任意のタイプの「コンピュータ」であってもよい。同様に、コントローラ14は、単純なマイクロプロセッサであってもよく、又はトランスフォーマ及び電源とともにマイクロプロセッサを備えてもよく、そして、モータ22又は要素38に直接電源を提供してもよい。入力モジュール16はキーボードとして示されているが、その代わりに、携帯電話、ポータブルコンピュータ又はハンドヘルドコンピュータ、又はさらには音声起動入力モジュールを含む、「コンピュータ」への入力を可能にする任意のデバイスを同様に用いてもよい。
【0059】
説明したさまざまな刺激手段は単に指示するもの(indicative)であり、他の手段を介して他のユーザの感覚を刺激することができる、ということが考えられる。たとえば、刺激手段を、コントローラ14を介して起動されるとにおいを放出するように、又はユーザが(たとえばストロー等を介して)味わうことができる味を放出するように構成することができる。刺激手段はまた、非常に人目を引くように光を放つか又は照明することができる別個の独立型の発光装置であってもよい。
【0060】
所定の環境状態は、1つの状態であっても複数の状態であってもよく、1つ又は複数のパラメータによって定義されてもよい。
【0061】
クッション、パッド、枕等を、軽量であるが支持的且つ強固な材料から形成することができる。通常、構成要素の多くは、重量を最小限にし且つ製造(たとえば成形又は機械織を介する)を容易にすることができるように、構造的なポリマー材料(structural polymeric material)から形成される。
【0062】
本明細書で説明したシステム及び装置の実施形態を、他の多くの形態で具現化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1のシステム及び装置の実施形態を概略的に示す図である。
【図2】図1の装置の一部を通しての断面図である。
【図3】第2のシステム及び装置の実施形態を概略的に示す図である。
【図4】第3のシステム及び装置の実施形態を概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境状態についてユーザに警告する装置であって、所定の環境状態に応じて前記ユーザを触覚的に刺激するように前記ユーザに対して配置可能な刺激手段を具備する、環境状態についてユーザに警告する装置。
【請求項2】
前記刺激手段は、前記ユーザに隣接して配置可能な可撓性ハウジング内に組み込まれる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可撓性ハウジングは、使用時に前記ユーザの身体の一部に隣接して配置される枕、クッション又はパッドの一部を形成する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記パッドは、ユーザの衣服の一部を形成する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記刺激手段は、前記ハウジング内に位置するアクチュエータを備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは電気機械式である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記アクチュエータは、モータと、前記モータのロータシャフト上に、それによって駆動されるように配置される偏心質量又はカム駆動される質量とを備え、
それにより、前記シャフトが回転すると、前記質量が前記アクチュエータ内で振動をもたらし、
前記振動は、それにより、前記装置に触覚タイプの刺激を提供する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
切替装置をさらに具備し、
前記モータは、監視される環境状態に応じて前記モータを選択的に作動させるための前記切替装置と電気的に又はリモートに接続される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記切替装置は、信号に応じて前記モータを制御し、且つ/又は前記信号を前記モータのための電力に変換するコントローラ/トランスフォーマをさらに備え、前記信号は、前記監視される環境状態に関連する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記信号は配線を介するか又は無線で前記コントローラ/トランスフォーマに送信される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記信号は、コンピュータから、前記コンピュータ及び前記コントローラにおけるRFモジュールを使用して無線で送信されるか、又は基地局から、無線、移動体通信信号、赤外線又はマイクロ波放射等のemf放射を使用して送信される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
実質的に実施例及び/又は添付図面を参照して本明細書で説明する装置。
【請求項13】
環境状態についてユーザに警告するシステムであって、
所定の環境状態に関して監視する監視手段と、
前記監視手段によって監視される前記所定の環境状態に応じて前記ユーザを触覚的に刺激する刺激手段と
を具備する、環境状態についてユーザに警告するシステム。
【請求項14】
環境状態についてユーザに警告するシステムであって、
所定の環境状態に関して監視する監視手段と、
前記監視手段によって監視される前記所定の環境状態に応じて前記ユーザを刺激する刺激手段と
を具備し、
前記刺激手段は、スピーカ、グラフィカルユーザインタフェース又はコンピュータ以外である、環境状態についてユーザに警告するシステム。
【請求項15】
前記刺激手段は、請求項1〜12のいずれか一項において定義されるものである、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか一項において定義される装置を採用する、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項17】
前記監視手段は、コンピュータに格納されるか若しくは他の方法でコンピュータに関連付けられるか、又はコンピュータによってアクセス可能なコンピュータプログラムを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータから情報を読み出すか、又は前記コンピュータが接続されるネットワークから前記情報を読み出すか若しくは受け取るように構成され、
前記情報は前記環境状態を示し、それにより、前記所定の環境状態に至ると、前記コンピュータプログラムが前記刺激手段に信号を提供する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ネットワークは、制限されたユーザネットワークであるか、又は大域的なユーザネットワークである、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記情報は、前記ネットワークを介してアクセス可能なサイト又はホストコンピュータに格納され得る、請求項18又は19に記載のシステム。
【請求項21】
前記所定の環境状態は、前記ユーザによって、又は前記サイト若しくは前記ホストコンピュータによって、又は前記コンピュータプログラムによって、選択されるか又は決定される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記刺激手段に提供される前記信号は、コンピュータから電気的に、電子的に、又はリモートに送信される、請求項18〜21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記刺激手段に提供される前記信号は、前記信号を、前記刺激手段によって使用可能であるように解釈/変換するようになっているマイクロプロセッサを介して送信される、請求項18〜22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記刺激手段が、モータ又は他の電気的に駆動可能な装置を備える場合、
前記マイクロプロセッサは、前記モータ若しくは前記他の装置に対するスイッチ、又は前記モータ若しくは前記他の装置に適切な電圧及び電流を提供するトランスフォーマのいずれか又は両方としての役割を果たす、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記所定の環境状態は、物理的環境の状態又は人為的環境の状態である、請求項13〜24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記環境状態は可変であり、
前記物理的環境状態は、天候の状態、磯波の状態、漁場の状態、水温(たとえば海、湖又は川の温度)、気温、風の状態、雪又は雨の状態を含み、
前記人為的環境状態は、株若しくは他の市場、個々の若しくはグループの株価(複数可)、商品若しくはサービスの価格(複数可)、金利、外国為替相場、資産価格の状態又は状況を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
実質的に実施例及び/又は添付図面を参照して本明細書で説明するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−508579(P2008−508579A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522874(P2007−522874)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000912
【国際公開番号】WO2006/010197
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(507032292)
【氏名又は名称原語表記】TREFZ,Elmar
【住所又は居所原語表記】Fr. Eberstrasse 9/045, 71067 Sindelfingen, Germany
【Fターム(参考)】