説明

環状アミドモノマーを作製する方法、ならびに関連する誘導体および方法

本発明は、環状アミドを製造する方法に関する。この方法は、環状アミド(たとえば、α−アミノ−ε−カプロラクタム)を製造する効率的な方法で、アミノ酸またはその塩(たとえばリジン(たとえばL−α−リジン、D−α−リジン、L−β−リジンおよびD−β−リジン)またはその塩)を含む発酵ブロスを加熱するステップを含む。ポリカプロラクタム(たとえば、ナイロン6)を製造する方法は、(a)α−アミノ−ε−カプロラクタムを製造する効率的な方法で、リジンまたはその塩を含む発酵ブロスを加熱するステップ;(b)複数のε−カプロラクタムモノマーを製造する効率的な方法で、α−アミノ−ε−カプロラクタムからα−アミノ基を除去(脱アミノ化)するステップ;および(c)ポリカプロラクタムを製造する効率的な方法で、複数のε−カプロラクタムモノマーを重合するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
ε−カプロラクタムを製造する方法の1つは、ベンゼンを出発化学化合物として使用し、これをシクロヘキサンまたはフェノールのどちらかに変換してもよく、さらにどちらの化学物質もシクロヘキサノンを経てシクロヘキサノンオキシムに変換してもよく、次いでこの中間体を硫酸中で加熱すればよい。この化学反応は、ベックマン転位と呼ばれる。出発化学品のベンゼンは、再生不能な石油原料の精製により製造できる。
【0002】
無毒性グルコースなどの糖は、ε−カプロラクタム製造の代替原料となる。こうした多くの合成の出発点としてベンゼンの代わりにグルコースを使用するには、バイオリファイナリーを使用してもよい。バイオリファイナリーは、バイオマスから燃料、電力および化学品を製造するバイオマス変換プロセスおよび設備が一体となった施設である。バイオリファイナリーの概念は、石油から多用な燃料および生成物を製造する石油精製に類似している。バイオリファイナリーは、多用な生成物を製造することにより、廃棄物および排出物をほとんど出さずに、バイオマス成分と中間体との相違を利用してバイオマス原料から得られる価値を最大限に活用することができる。バイオマスのグルコースなどの糖への変換は当該技術分野において周知である(Advancing Sustainability Through Green Chemistry and Engineering,ACS Symposium Series,823,edited by Lanky,R.L.and Anastas,P.T.,American Chemical Society,Washington,D.C,2002;Biomass for Energy,Industry and Environment,6th European Community Conference,edited by Grassi,G.,Collina,A.and Zibetta,H.,Elsevier Science Publishing Co.,Inc.,New York,1998;Biobased Industrial Products:Research and Commercialization Priorities,edited by Dale,B.E.,Natural Research Council,Washington,D.C,1999;Emerging Technologies for Materials and Chemicals from Biomass,ASC Symposium 467,edited by Narayan,R.,Rowell,R.,Schultz,T.,American Chemical Society,Washington,D.C,1991を参照されたい)。
【0003】
糖から出発してリジンを生成する細菌発酵が知られている。L−リジンについては、Aginomoto、Kyowa Hakko、Sewon、Archer Daniels Midland、Cheil Jedang、BASFおよびCargillのような企業を含む多くの産業から製造されており、入手可能である。
【0004】
L−リジンの環化による7員環のα−アミノ−ε−カプロラクタムの形成が以前試みられたことがあるが、報告によれば収率が低かった。こうした試みにおいては、超臨界近傍の水を用いた反応(2003年7月22日に発行されたGotoらの特開第2003−206276号を参照されたい)、またはトルエンに溶かした過剰量のAlを用いた反応(Blade−Font,A.,Tetrahedron Lett.,1980,21,2443−2446.Pellegata,R.,Pinza,M.:Pifferi G.,Synthesis 1978,614−616を参照されたい)が行われた。
【0005】
米国特許出願公開第2007/0149777号(Frost)には、リジンからα−アミノ−ε−カプロラクタムを製造し、α−アミノ−ε−カプロラクタムをε−カプロラクタムに変換し、ε−カプロラクタムからナイロン6を製造する方法が開示されている。
【0006】
以下の本発明の実施形態の説明を参照して添付図面と共に検討すれば、本発明の利点、およびそれを達成する方法がより明らかになり、本発明自体の理解も深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明に従って、発酵ブロスから環状アミドモノマーおよびポリアミドを製造するための、本発明による方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
以下に記載の本発明の実施形態は、網羅的なものであること、あるいは本発明を以下の詳細な説明に開示された形態そのものに限定することを意図するものではない。むしろ、当業者が本発明の原理および実施を評価し、理解できるように実施形態を選択し、記載してある。本発明はリジンを使用して最終的にε−カプロラクタムモノマーを製造するという具体的な文脈で記載されるが、本発明の原理は発酵ブロス中の他のアミノ酸および他の環状アミドモノマーにも応用できる。
【0009】
本発明は、発酵ブロスから環状アミド(本明細書では「ラクタム」ともいう)モノマーを製造する方法を含む。
【0010】
本明細書で使用する場合、「発酵ブロス」とは、発酵プロセスにより1種または複数種のアミノ酸および/またはその塩を生成する発酵産物をいう。本発明に有用なアミノ官能性カルボン酸は環化して安定なラクタム、好ましくは環員数5〜8のラクタムを形成することができる。本発明に有用なアミノ官能性カルボン酸は、アミド化反応(たとえば、任意にアルコール溶媒により媒介されるアミド化反応(以下で検討))を妨害しない限り、他の官能基を含んでいてもよい。ある種の実施形態では、1種または複数種のアミノ酸は、少なくともリジンおよび/またはその塩を含む。リジンは、発酵により生成され得るアミノ酸であり、化学式はC14である。発酵により生成されるリジンは、構造異性体、立体異性体およびこれらの組み合わせなどリジンの異性体を含んでいてもよい。リジンの構造異性体には、α−リジンおよびβ−リジンがある。リジンの「構造」異性体とは、アミノ基の1個が炭素鎖に沿って異なる位置にあることを意味する。たとえば、α−リジンは、以下の化学構造により表すことができ:
【0011】
【化1】

一方、β−リジンは以下の化学構造で表すことができる:
【0012】
【化2】

α−リジンおよびβ−リジンの異性体には各々、L−α−リジン、D−α−リジン、L−β−リジンおよびD−β−リジンなどの立体異性体があり得る。リジンのLおよびD異性体は、光学異性体(エナンチオマー)であり、これはLおよびD異性体は相互に鏡像であるが、相互に重なり得ないことを意味する。好ましい実施形態では、リジンは、少なくともL−リジンを含む。リジンの具体的な形態として、たとえばL−リジンジヒドロクロリド、塩酸L−リジン、リン酸L−リジン、二リン酸L−リジン、酢酸L−リジン、硫酸L−リジンおよびL−リジン、これらの組み合わせおよび同種のものがある。
【0013】
発酵ブロスは、1種または複数種のアミノ酸および/またはその塩を含むだけでなく、1種または複数種の他の発酵産物も含む。たとえば、発酵ブロスは、発酵微生物、糖、塩、脂質、タンパク質フラグメント、これらの組み合わせおよび同種のものを含んでいてもよい。好ましくは、アミノ酸前駆体からラクタムを形成する前に細胞物質を細胞外物質から分離する。細胞物質は、発酵に使用する微生物を含む。細胞外物質は、発酵微生物の細胞膜の外側にある流体中の物質を含む。たとえば、細胞外物質は、代謝物、イオン、タンパク質、1種または複数種のアミノ酸および/またはその塩、糖、塩、脂質およびタンパク質フラグメントを含む場合がある。細胞外物質からの細胞物質の分離には、発酵微生物の不活化、および細胞外物質から発酵微生物の濾過を含めてもよい。好ましくは、本発明による発酵ブロスは、ある種のアミノ酸(類)および/またはその塩(類)(たとえば、リジンまたはその塩)を、発酵後に存在する別のアミノ酸(類)および/またはその塩(類)から分離するプロセスに供されていない。発酵ブロスがリジンおよび/またはその塩を含む実施形態では、発酵ブロスは好ましくは、リジンおよび/またはその塩に加えて少なくとも1種のアミノ酸および/またはその塩を含む。好ましくは、加熱してアミノ酸および/またはその塩からラクタムを形成する発酵ブロスは、他の発酵産物(たとえば、代謝物、イオン、タンパク質、糖、塩、脂質、タンパク質フラグメント、これらの組み合わせおよび同種のもの)をさらに含む。
【0014】
たとえば図1においては、リジンおよび/またはその塩を加熱してα−アミノ−ε−カプロラクタムを形成する間、リジンが依然として発酵ブロス中に存在し、かつ1種または複数種のさらなるアミノ酸および/または他の発酵産物の存在下で存在すると都合がよい。リジンおよび/またはその塩は、加熱してα−アミノ−ε−カプロラクタムを形成する前に発酵ブロスから精製する必要はない。たとえば、発酵ブロスは、加熱してα−アミノ−ε−カプロラクタムを形成する前にイオン交換プロセスに供する必要がない。こうしたイオン交換プロセスを省くことにより製造コストを大幅に削減できる。
【0015】
本発明の方法には、ラクタムに形成できる少なくとも1種のアミノ酸を含むのであれば、どのような発酵ブロスを使用してもよい。発酵ブロスを製造する方法はよく知られている。たとえば米国特許出願公開第2007/0149777号(Frost)、および全体を参照によって本明細書に援用するSavas Anastassiadis,「L−Lysine Fermentation,」Recent Patents on Biotechnology 2007,volume 1,pages 11−24,Bentham Science Publishers Ltd.(2007)を参照されたい。本発明に使用される例示的な発酵ブロスについては、全体を参照によって本明細書に援用する米国特許第5,840,358号(Hoeflerら)に記載されている。L−β−リジンを製造する方法は特に、全体を参照によって本明細書に援用する国際公開第2007/101867号(Zelderら)に記載されている。本発明に使用できる例示的な発酵ブロスは、Evonik Degussa Corporation,Kennesaw,GAからBiolys(登録商標)という商標名で市販されている。
【0016】
本発明に使用される微生物発酵の出発材料はよく知られている。こうした材料は、細菌、および細菌の栄養素(例えば、バイオマス、ポリオール(たとえば、グリセロール)、これらの組み合わせなど)を含む。図1には、L−リジンを環化してα−アミノ−ε−カプロラクタムにし、最終的にナイロン6に変換する新規なプロセスを示す。図示したように、バイオマスは最終的に糖に変換される。バイオマスは、微生物、植物または動物の成長により生成される材料であり、この系に供給される。バイオマスの例として、トウモロコシ(corn)、殻、茎、禾穀類、アルファルファ、クローバ、刈り取った草、植物の残りかす、麦わら、トウモロコシ(maize)、穀物、ブドウ、麻、サトウキビ、亜麻およびジャガイモなどの農産物および副産物;紙屑(sawdust paper)、セルロース、木材パルプ、木材チップ、パルプスラッジおよび葉など林産物および紙製品ならびに副産物、これらの組み合わせ、および当該技術分野において公知の他の適切な材料が挙げられる。バイオマスは、セルロースを高度に含有する材料、デンプンを高度に含有する材料およびこれらの組み合わせであってもよい。図1のステップ10に示すように、いくつかの実施形態では、バイオマスを分画してセルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、植物油および/またはデンプンなどの成分を得てもよい。ブロックに表示した「セルロースおよび/またはデンプン」は、デンプン、セルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、またはこれらの組み合わせ、および同種のものを含んでいてもよい。こうしたバイオマスのセルロース成分および/またはデンプンへの分離または画分は、当該技術分野において周知である(たとえば2000年2月8日にTorgetらに付与された米国特許第6,022,419号;1991年9月10日にChahalに付与された米国特許第5,047,332号;2001年5月8日にTorgetに付与された米国特許第6,228,177号;2003年9月16日にWingersonに付与された米国特許第6,620,292号;およびB.Kamm and M.Kamm,Biorefinery−Systems,Chem.Biochem.Eng.Q.18(1)1−6 2004を参照されたい)。代替の実施形態では、ステップ11に示すように、バイオマスを分離することなく、バイオマスを直接ステップ15に進める。
【0017】
図1のステップ15では、セルロース成分、デンプンまたはこれらの組み合わせを加水分解によりグルコースなどの糖に変換する。種々の実施形態では、ボックスに表示した「糖」として、グルコース、デキストロース、キシロース、スクロース、フルクトース、アラビノース、グリセロール、当業者に公知の他の糖またはポリオール、またはこれらの組み合わせ、および同種のものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。本発明の種々の実施形態では、未加工のバイオマスを加水分解により糖に変換する。本発明の種々の実施形態では、加水分解は、酸加水分解である。本発明の他の実施形態では、加水分解は酵素加水分解である。グルコースなどの糖の生成が可能な加水分解の方法は、当該技術分野において周知である(2004年2月17日にSchmidtらに付与された米国特許第6,692,578号、1999年2月9日にLightnerに付与された米国特許第5,868,851号、1997年5月13日にBrinkに付与された米国特許第5,628,830号、1988年6月21日にArenaらに付与された米国特許第4,752,579号、1988年11月29日にBarkerらに付与された米国特許第4,787,939号、1993年6月22日にBrinkに付与された米国特許第5,221,357号および1986年10月7日にWrightに付与された米国特許第4,615,742号を参照されたい)。ヘミセルロースを解重合するとD−キシロースおよびL−アラビノースを生成することができ、これは化学物質の微生物合成のための代替の出発材料として役立ち得る。植物油は、別のバイオマスの成分である。植物油のエステル交換により、バイオディーゼルとして使用できるエステル化脂肪酸と、微生物合成の出発材料として使用するのに好適なもう1つのポリオールであるグリセロールが得られる。本発明の種々の実施形態では、ステップ15は他の糖類を生成してもよく、グルコースを含んでいてもいなくてもよい。
【0018】
グルコースなどの糖から生成されるL−リジンの発酵については公知である。Corynebacterium glutamicum細菌は、リジンを合成することができる。この細菌は、古典的な菌株の最適化により、大量のリジンを合成できるようになった。その生成は、Corynebacterium glutamicum細菌がグルコース、サトウキビおよび/または糖蜜などの原料糖をリジンに変換する発酵槽で行えばよい。こうしたプロセスは、当該技術分野において周知である(1961年4月11日にKinoshitaらに付与された米国特許第2,979,439号、1972年8月29日にKuriharaらに付与された米国特許第3,687,810号、1972年12月26日にShiioらに付与された米国特許第3,707,441号、1975年3月18日にKubotaらに付与された米国特許第3,871,960号、1981年6月23日に発行されTosakaらに付与された米国特許第4,275,157号、1986年7月22日に発行されKanekoに付与された米国特許第4,601,829号、1986年11月18日に発行されNakanishiらに付与された米国特許第4,623,623号、1983年10月25日に発行されShimazakiらに付与された米国特許第4,411,997号、1990年9月4日に発行されKatsumataらに付与された米国特許第4,954,441号、1997年7月22日に発行されIshiiらに付与された米国特許第5,650,304号、1993年10月5日に発行されMurakamiらに付与された米国特許第5,250,423号、1989年8月29日に発行されSanoらに付与された米国特許第4,861,722号およびManufacturing of Stabilised Brown Juice for L−lysine Production−from University Lab Scale over Pilot Scale to Industrial Production,M.H.Thomsen et al.,Chem.Biochem.Eng.Q.18(1)37−46(2004)を参照されたい)。
【0019】
本発明では、環状アミドモノマーを製造する効率的な方法で発酵ブロスを加熱する。好ましい実施形態では、環状アミドモノマーの環の大きさは、環員数5〜8の範囲である。ある種の実施形態では、本発明に従って製造される環状アミドモノマーは、α−アミノ−ε−カプロラクタム、β−アミノ−ε−カプロラクタム、ε−カプロラクタムおよびこれらの組み合わせなどのカプロラクタムを含む。図1においてステップ25は、発酵ブロスにおけるα−リジンの環化反応がα−アミノ−ε−カプロラクタムを与えることを示す。α−アミノ−ε−カプロラクタムモノマーは、以下の化学構造(I)で表すことができ:
【0020】
【化3】

発酵ブロスにβ−リジンが存在する場合、β−リジンの環化反応は、以下の化学構造で表すことができるβ−アミノ−ε−カプロラクタムを生成する。
【0021】
【化4】

種々の実施形態では、環化反応中に発生する水は、その反応物から除去してもしなくてもよい。反応物から水を除去する例示的な一方法は、ディーンスタークトラップの使用を含む。蒸発、結晶化、蒸留または他に当業者に知られている任意の適切な方法など、当該技術分野で公知の他の方法を使用して水を除去してもよい。本発明の種々の実施形態では、水を共沸混合物として除去する。
【0022】
環化反応については、硫酸L−リジンを発酵からの副産物の存在下で粉末乾燥物、あるいは乾燥前に見出される水性混合物として使用して、全体を参照によって本明細書に援用する米国特許第5,840,358号(Hoefler et al)に記載されているように行ってもよい。
【0023】
任意に、環化反応は、全体を参照によって本明細書に援用する米国特許出願公開第2007/0149777号(Frost)に記載されているように、触媒を使用して行ってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、触媒は酸化アルミニウム(Al)である。
【0024】
環化反応は、全体を参照によって本明細書に援用する米国特許出願公開第2007/0149777号(Frost)に記載されているように遊離塩基化後に行ってもよいし、あるいはHClなど少量の強酸を添加して遊離塩基化せずに行ってもよい。
【0025】
任意に、発酵ブロスの加熱ステップは、アルコールを含む溶媒の存在下で発酵ブロスを加熱することを含む。環化反応におけるアルコールの使用は、全体を参照によって本明細書に援用する米国特許出願公開第2007/0149777号(Frost)に記載されているような方法で行えばよい。
【0026】
例示的なアルコールとして、脂肪族モノオールまたはジオールが挙げられる。本発明のいくつかの実施形態では、アルコールは約2〜約6個の炭素を持つ。アルコールの非限定的な例として、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、以下に限定されるものではないが、1−ペンタノール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオールなどの炭素数5のモノール、ジオールおよびトリオールの全異性体、および以下に限定されるものではないが、1−ヘキサノール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの炭素数6のモノジオール、ジオールおよびトリオールの全異性体が挙げられる。炭素数2〜6のアルコールの他の非限定的な例として、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールおよび同種のものが挙げられる。種々の実施形態では、アルコールは1個のヒドロキシル基を持つ。他の実施形態では、アルコールは2個のヒドロキシル基を持つ。いくつかの実施形態では、アルコールは3個のヒドロキシル基を持つ。グリコールの非限定的な例として、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよび同種のものが挙げられる。本発明の好ましい実施形態では、アルコールは1,2−プロパンジオールである。1,2−プロパンジオールの使用により収率が高まるほか、この有機アルコールは、バイオマスから生成される共生成物として容易に入手できる乳酸の水素化により得られるため、バイオリファイナリーで容易に利用可能である。
【0027】
本発明の種々の実施形態では、中和されたL−リジンをアルコール中で加熱してもよい。本発明の種々の実施形態では、中和されたL−リジンのアルコール中での加熱を還流により達成してもよい。本発明の種々の実施形態では、触媒の存在下でのアルコールおよび中和されたリジンの加熱を還流により達成してもよい。
【0028】
以下は、反応(1)に基づくいくつかの非限定的な例である。
【0029】
【化5】

環化反応の温度は、全体を参照によって本明細書に援用する米国特許出願公開第2007/0149777号(Frost)に記載された温度と同等であってもよい。種々の実施形態では、加熱は、アルコールと共沸脱水することが可能な十分に高い温度とする。種々の実施形態では、加熱は、カプロラクタムを重合する温度未満とする。いくつかの実施形態では、加熱は、約99℃〜約201℃の温度とする。環状アミドモノマーを形成するための加熱の例示的な一方法は、環状アミドモノマーを形成する効率的な方法で、発酵ブロスを蒸気と接触させることを含む。好ましくは、蒸気を使用して、米国特許第5,840,358号(Hoefler et al)に記載されているような粉末乾燥物形態の発酵ブロスと接触させる。
【0030】
任意に、環状アミドモノマーからアミノ基を除去(脱アミノ化という)してもよい(たとえば、ε−カプロラクタムを製造する効率的な方法でα−アミノ−ε−カプロラクタムからα−アミノ基を除去してもよい)。図1のステップ30は、α−アミノ−ε−カプロラクタムの脱アミノ作用がε−カプロラクタムを与えることを示す。ε−カプロラクタムモノマーは、以下の化学構造IIで表すことができる:
【0031】
【化6】

有機化合物を脱アミノ化する方法は当該技術分野において周知である。脱アミノ化プロセスは、反応条件、収率および/またはコストに応じて選択すればよい。
【0032】
脱アミノ化の好ましい1つの方法は、α−アミノ基を除去してε−カプロラクタムが得られるように、α−アミノ−ε−カプロラクタムまたはその塩を、触媒および水素ガスを含むガスと接触させることを含む。任意に、接触ステップは溶媒の存在下で行ってもよい。こうした方法については、開示内容全体を参照によって本明細書に援用するFrostによる国際公開第2008/103366号に記載されている。
【0033】
種々の実施形態では、脱アミノ化は、アミノ官能性中間体をヒドロキシルアミン−O−スルホン酸およびKOH触媒と反応させて達成してもよい。ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(NHOSOH)は、ビス(硫酸ヒドロキシルアンモニウム((NHOH)SO)を発煙硫酸(HSO−SO)と反応させることによって調製してもよい(Matsuguma et al.,Inorg.Syn.1957,5,122−125を参照されたい)。本発明のある種の実施形態では、脱アミノ化反応は、上記のような環化反応の終了後、NaClを除去してから行う。ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸を使用した脱アミノ化反応は以前報告されているが、製造されるε−カプロラクタムの収率が低かった(Doldouras,G.A.,Kollonitsch,J.,J.Am.Chem.Soc.1978,100,341−342;Ramamurthy,T.V.,Ravi,S.,Viswanathan,K.V.J.Labelled Compd.Rad.,1987,25,809−815を参照されたい)。本発明によれば、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸の添加、反応温度が水の凝固点未満まで低下する。本発明の種々の実施形態では、温度が約−5℃まで低下し、他の実施形態では、温度が約−20℃まで低下する。種々の実施形態では、アミンを溶媒で洗い流す。溶媒は水でも、または水と少量の有機アルコールとの混合物でもよい。本発明の種々の実施形態では、溶媒は水である。
【0034】
【化7】

環状アミド化の後、必要に応じて環状環のアミノ基に加えて他の反応基を除去してもよい。
【0035】
任意に、図1に記載されているようなプロセスの種々の実施形態では、ステップ30の副産物であるアミンが再利用できるように添加を行ってもよく、ステップ20において発酵の栄養素として窒素を加えてもよい。他の任意の実施形態では、ステップ30の副産物であるアミンが再利用できるように、ステップ15において発酵の栄養素として窒素を加えてもよい。任意に、当業者は、リジンの一リン酸塩または二リン酸塩を沈殿させてもよい。ステップ30のリン酸リジンの環化の間に生成されると考えられるリン酸ナトリウム塩(一塩基または二塩基)(上記のアンモニアなど)を再利用してもよく、ステップ20において発酵の栄養素としてリンを加えてもよい。
【0036】
任意に、本発明の種々の実施形態では、バイオマスの一部を乳酸に変換し、次いでステップ25に使用できる1,2−プロパンジオールに水素化してもよい。バイオマスを採取し、乳酸に変換するプロセスは、当該技術分野において周知である。(2002年6月11日にZhangらに付与された米国特許第6,403,844号、1990年10月16日にHangに付与された米国特許第4,963,486号、1993年1月5日に発行されKampenに付与された米国特許第5,177,009号、2003年8月26日に発行されBlankらに付与された米国特許第6,610,530号、1998年8月25日に発行されPicataggioらに付与された米国特許第5,798,237号および1986年10月14日にChumらに付与された米国特許第4,617,090号、Zhang,Z;Jackson,J.E.;Miller,D.J.Appl.Catal.A−Gen.2001,219,89−98,Zhang,Z;Jackson,J.E.;Miller,Ind.Eng.Chem.Res.2002,41,691−696を参照されたい)。
【0037】
本発明により製造される環状アミドモノマーは、ポリアミドを形成する効率的な方法で重合してもよい。たとえば、ε−カプロラクタムモノマーは、合成繊維、特にナイロン6の製造に使用可能であり、さらにカーペット繊維、毛ブラシ、繊維補剛材、フィルム被膜、合成皮革、プラスチック、可塑剤、ビヒクルおよびポリウレタンの架橋にも使用されるポリアミドを製造するのに使用できる。好ましくは、環状アミドモノマーは、重合前に発酵ブロスから分離する。
【0038】
ナイロン6の製造はステップ35として示しており、これはモノマーε−カプロラクタムの開環重合により達成することができる。この重合反応はモノマーε−カプロラクタムの開環重合であり、約0.3%〜約10%の水の存在下、ε−カプロラクタムを約250℃に加熱することにより達成することができる。1938年12月27日にSchlackに付与された米国特許第2,142,007号および1941年5月6日にSchlackに付与された米国特許第2,241,321号を参照されたい。ε−カプロラクタムを重合してナイロン6を得ることは、当該技術分野において周知である。こうした重合の非限定的な例は以下の通りである:ナイロン6は、加熱された垂直流動管であるVKチューブ(簡便で連続的な、を意味するドイツ語の用語「vereinfacht Kontinuierlich」の略語)を主に使用してε−カプロラクタムの加水分解重合により製造することができる。上から、溶融したε−カプロラクタムを0.3〜5%の水、鎖長調節剤、さらに必要に応じて艶消剤(dulling agent)と一緒に入れてもよく、このポリマー溶融物を反応器の底から取り出す。典型的にはVKチューブは、反応器に沿って温度プロファイルを確立する3つの熱交換器を備えている。VK−チューブは、下方部の栓流部と上部の混合/蒸発部とからなる。上部の機能は、反応塊を加熱して過剰な水を蒸発させることにより、ポリマー溶融物の総含水量を調整することにある。吸熱的なε−カプロラクタムの開環反応が開始し、続いて発熱的な重付加および重縮合が起こる。中央の熱交換器により、チューブ断面全体の温度が補正され、均等にされる。中央の熱交換器の通過後、温度は反応熱により約270〜280℃まで上昇する。底部の熱交換器により温度が240〜250℃に低下するため、平衡重合度が高くなる。同時にε−カプロラクタムのナイロン6への変換の程度も大きくなり得る。特別に設計されたインサートを導入して、チューブ断面全体の滞留時間を一様にしてもよい。チューブ内の平均滞留時間は16〜20時間であってもよい。1段階プロセスで2.4〜2.8の相対溶液粘度が得られる(溶媒:96%硫酸、濃度:1g/100ml、温度:25℃)。最大能力は、130トン/日としてもよい。2段階技術では、プレ重合器を加圧下、高含水量で作動させた後、最終的にVK重合器を大気圧または真空で作動させてもよい。プレ重合器の条件下ではε−カプロラクタムの開環の反応速度が高いため、総滞留時間が短縮され、このプロセスは最大300トン/日と非常に高い処理率に好適なものとなる。
【0039】
本明細書を考察するか、または本明細書に開示された本発明を実施すれば、当業者には本発明の他の実施形態が明らかになるであろう。当業者であれば、本発明の真の範囲および精神を逸脱することなく、本明細書に記載の原理および実施形態の様々な省略、修正および変更を施すことが可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状アミドを製造する方法であって、前記環状アミドを製造する効率的な方法で発酵ブロスを加熱するステップを含み、前記発酵ブロスはアミノ酸またはその塩を含む、方法。
【請求項2】
ポリアミドを製造する方法であって、
a.複数の環状アミドモノマーを製造する効率的な方法でアミノ酸またはその塩を含む発酵ブロスを加熱するステップ;
b.ポリアミドを形成する効率的な方法で前記複数の環状アミドモノマーを重合するステップ
を含む、方法。
【請求項3】
α−アミノ−ε−カプロラクタムを製造する方法であって、α−アミノ−ε−カプロラクタムを製造する効率的な方法で発酵ブロスを加熱するステップを含み、前記発酵ブロスはリジンまたはその塩を含む、方法。
【請求項4】
前記発酵ブロスはリジンまたはその塩に加えて1種または複数種のアミノ酸をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記発酵ブロスを加熱する前記ステップはアルコールを含む溶媒の存在下で前記発酵ブロスを加熱することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ε−カプロラクタムを製造する方法であって、
a.α−アミノ−ε−カプロラクタムを製造する効率的な方法でリジンまたはその塩を含む発酵ブロスを加熱するステップ;および
b.ε−カプロラクタムを製造する効率的な方法で前記α−アミノ−ε−カプロラクタムから前記α−アミノ基を除去(脱アミノ化)するステップ
を含む、方法。
【請求項7】
ポリカプロラクタム(たとえば、ナイロン6)を製造する方法であって、
a.α−アミノ−ε−カプロラクタムを製造する効率的な方法でリジンまたはその塩を含む発酵ブロスを加熱するステップ;
b.複数のε−カプロラクタムモノマーを製造する効率的な方法で前記α−アミノ−ε−カプロラクタムから前記α−アミノ基を除去(脱アミノ化)するステップ;および
c.ポリカプロラクタムを製造する効率的な方法で前記複数のε−カプロラクタムモノマーを重合するステップ
を含む、方法。
【請求項8】
α−アミノ−ε−カプロラクタムの合成プロセスであって、触媒の存在なしに約99℃〜約201℃の温度で発酵ブロスを加熱してα−アミノ−ε−カプロラクタムを製造するステップを含み、前記発酵ブロスはアルコールを含む溶媒中にリジンの塩を含む、プロセス。
【請求項9】
前記リジンはL−リジンである、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記アルコールは炭素数が2〜6である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項11】
前記アルコールはジオールを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記アルコールはトリオールを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
前記アルコールはグリコールを含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
前記アルコールはエタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1,2−プロパンジオールおよびこれらの混合物からなる群由来である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項15】
前記アルコールは1,2−プロパンジオールである、請求項10に記載のプロセス。
【請求項16】
前記加熱はε−カプロラクタムの重合の温度未満で行う、請求項8に記載のプロセス。
【請求項17】
前記加熱は水を共沸脱水させる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項18】
前記加熱は還流により達成される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項19】
ε−カプロラクタムの合成プロセスであって、
a)アルコールを含む溶媒中にリジンの塩を含む発酵ブロスを約99℃〜約201℃の温度で加熱してα−アミノ−ε−カプロラクタムを製造すること;および
b)前記α−アミノ基を除去してε−カプロラクタムを与える効率的な方法で、前記α−アミノ−ε−カプロラクタムを少なくとも1度脱アミノ化触媒および水素ガスを含むガスと接触させることを含む方法により前記α−アミノ−ε−カプロラクタムを脱アミノ化すること
を含む、プロセス。
【請求項20】
ε−カプロラクタムの収率は約70%を超える、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記リジンはL−リジンである、請求項19に記載のプロセス。
【請求項22】
ステップ(b)の温度は約−5℃〜約−20℃である、請求項19に記載のプロセス。
【請求項23】
前記プロセスは前記脱アミノ化ステップ(b)で生成されたアミンを、溶媒洗浄液を用いて除去することをさらに含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項24】
前記洗浄溶媒は水とアルコールとの混合物を含む、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
前記洗浄溶媒は水である、請求項23に記載のプロセス。
【請求項26】
前記加熱ステップ(a)は触媒の存在下で加熱することを含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項27】
前記触媒はAlである、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記アルコールは炭素数が2〜6である、請求項19に記載のプロセス。
【請求項29】
前記アルコールはエタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1,2−プロパンジオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記アルコールは1,2−プロパンジオールである、請求項19に記載のプロセス。
【請求項31】
前記加熱ステップ(a)はε−カプロラクタムの重合の温度未満である、請求項19に記載のプロセス。
【請求項32】
前記加熱は水を共沸脱水させる、請求項19に記載のプロセス。
【請求項33】
前記加熱は還流により達成される、請求項19に記載のプロセス。
【請求項34】
前記脱アミノ化ステップ(b)は水素化脱窒素触媒を含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項35】
ナイロン6を製造する方法であって、
a)アルコールを含む溶媒中にリジンを含む発酵ブロスを約99℃〜約201℃の温度で加熱してα−アミノ−ε−カプロラクタムを製造すること;
b)前記α−アミノ基を除去してε−カプロラクタムを与える効率的な方法で、前記α−アミノ−ε−カプロラクタムを少なくとも1度脱アミノ化触媒および水素ガスを含むガスと接触させることを含む方法により前記α−アミノ−ε−カプロラクタムを脱アミノ化すること;および
c)前記ε−カプロラクタムを重合してナイロン6を得ること
を含む、方法。
【請求項36】
前記発酵ブロスはバイオマスから得られ、前記リジンはL−リジンを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記L−リジンは前記バイオマスから糖を得て前記糖をL−リジンに変換することにより得られる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記変換は発酵反応を用いて前記糖をL−リジンに変換することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
α−アミノ−ε−カプロラクタムの脱アミノ化により生成されたアミンを前記発酵反応に再利用することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記バイオマスから乳酸を生産することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記乳酸を水素化して1,2−プロパンジオールを製造することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記1,2−プロパンジオールを前記加熱ステップ(a)における前記アルコールとして使用することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記加熱ステップ(a)は触媒の存在下で加熱することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記加熱ステップ(a)で使用される前記アルコールは炭素数が2〜6である、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記アルコールはジオールを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記アルコールはトリオールを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記アルコールはグリコールを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記アルコールはエタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1,2−プロパンジオールおよびこれらの混合物からなる群由来である、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記アルコールは1,2−プロパンジオールである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記加熱ステップ(a)はε−カプロラクタムの重合の温度未満で行われる、請求項35に記載の方法。
【請求項51】
前記加熱は水を共沸脱水させる、請求項35に記載の方法。
【請求項52】
前記加熱は還流により達成される、請求項35に記載の方法。
【請求項53】
発酵ブロスを加熱する前記ステップは前記環状アミドを製造する効率的な方法で前記発酵ブロスを蒸気と接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
前記α−アミノ−ε−カプロラクタムから前記α−アミノ基を除去(脱アミノ化)する前記ステップは、前記α−アミノ基を除去してε−カプロラクタムを与える効率的な方法で、前記α−アミノ−ε−カプロラクタムを触媒および水素ガスを含むガスと接触させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項55】
前記接触ステップは溶媒の存在下で行われる、請求項54に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−529087(P2011−529087A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520239(P2011−520239)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/051753
【国際公開番号】WO2010/011967
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511020302)ドラス コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】