説明

環状シールのための固定治具及び検査方法

【課題】分割型環状シール(12)の内径及び/又は同心度を容易に検査でき、任意選択的に測定することができる固定治具組立体(20、50)及び検査方法を提供する。
【解決手段】本固定治具組立体(20、50)は、基台(30、60)上に支持された少なくとも2つの固定治具セグメント(21、51)を有し、これらの固定治具セグメント(21、51)によって、外側縁部(28、58)と環状シール(12)の断面形状と対応した断面形状をもつ溝(24、54)とを有する環状固定治具ハウジング(22、52)が、形成される。本固定治具組立体(20、50)はさらに、環状シール(12)が固定治具ハウジング(22、52)の溝(24、54)内に組込まれた時に、それを固定治具ハウジング(22、52)の内周面(26、56)に沿って移動させながら該環状シール(12)の少なくとも1つの寸法特性を評価するためのデバイス又は装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはターボ機械内で使用するタイプの動的シールのような環状シールに関する。より具体的には、本発明は、据付けに先立って、それによって環状シールの寸法特性を確認することができる固定治具及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービン並びに航空機用及び工業用ガスタービンでは、ラビリンス型パッキンとブラシシールとを広く使用して、例えば蒸気タービンのロータ及びダイアフラム内側ウエブのような回転及び固定タービン構成要素間に動的シールを形成している。伝統的なラビリンスパッキンは、固定構成要素の内周面から半径方向内向きに隣接する回転構成要素に向けて突出しているがその回転構成要素と接触しない一連の歯を含み、それによって回転構成要素の表面に直ぐ隣接して蛇行軸方向流路を構成する一連の部分的障壁を形成する。ブラシシールは、ラビリンスパッキンの歯と同様に固定構成要素の内周面から半径方向内向きに回転構成要素に向けて突出した繊維又はブリストルを含む。ラビリンスパッキンと対照的に、ブラシシールは通常、回転構成要素の隣接する円周面と摩擦接触状態になって、回転構成要素の円周面の周りの流れに対する実質的に連続的な障壁を形成することを意図している。この点で、ブラシシールは、ラビリンスパッキンと比較して二次的流れ損失に対してより有効な障壁を形成し、つまりより良好なシール性能をもたらし、従ってこの部分の性能を大きく向上させるための潜在能力を有する。しかしながら、それらのシール性能は、摩擦接触に依存しているので、ブラシシールをその設計寸法及び公差、特にその内径及び同心度に対して適合させることは、極めて重要である。
【0003】
完全な環状構造体として製造しかつ次に切断して、その後据付け時に再び組立てて元の環状シール構造体を再構成することができる複数の円弧状セグメントを形成するブラシシールが、これまでに開発されてきた。具体的な実施例では、高強度ポリマー(例えば、KEVLAR(登録商標))で形成したブラシシールをその直径に沿って切断して、2つの半円形(180°)の円弧状セグメントが形成される。切断時に再分布した残留応力(ブリストルを支える裏当て構造体内の)と共にそのポリマー材料の弾力性により、各セグメントはその内径(ID)寸法が変化した状態になる。その結果、その「自由」状態におけるシールの寸法検査は、困難であり、またシールが設計寸法及び交差と一致しないシールの危険性が増大することになる。シールは、最終据付け時にそのセグメントを再組立てした後に検査することができるが、一般的なタービン据付けのスペースは限られており、また現場でそのような検査を実施することは困難であるので、そのような方法は現実的なものにはなり得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の観点により、検査に先立ってシールを据付ける必要なしに分割型ブラシシール(同様にその他の環状シール)の寸法特性を確認することが望ましいといえる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、最終据付けに先立って、それによって分割型環状シールの内径及び/又は同心度を容易に検査しまた任意選択的に測定することができる固定治具組立体及び検査方法を提供する。
【0006】
本発明の第1の態様によると、本固定治具組立体は、基台と該基台上に支持された少なくとも2つの固定治具セグメントとを含む。組立てられた時に、固定治具セグメントは、外側縁部と該外側縁部に隣接しかつその内周面内に形成された溝とを有する環状の固定治具ハウジングを形成する。溝は、環状シールの断面形状と対応した断面形状を有する。本固定治具組立体はさらに、環状シールが固定治具ハウジングの溝内に組込まれた時に、それを固定治具ハウジングの内周面に沿って移動させながら該環状シールの少なくとも1つの寸法特性を評価するための手段を含む。
【0007】
本発明の第2の態様によると、本検査方法は、基台上に少なくとも2つの固定治具セグメントを組立てて、外側縁部と該外側縁部に隣接し、その内周面内に形成されかつ環状シールの断面形状と対応した断面形状をもつ溝とを有する環状固定治具ハウジングを形成する段階を含む。固定治具ハウジングの溝内に複数の円弧状セグメントを組込んで該溝内に環状シールを組立てるようにする段階の後に、
環状シールの少なくとも1つの寸法特性は、固定治具ハウジングの内周面に沿って検査装置を移動させることによって評価される。
【0008】
上記から、本発明の利点は、ターボ機械のポリマーブラシシールのような可撓性の複数セグメント型環状シールを、該環状シールを模擬組込み状態で1つ又はそれ以上の臨界データに対して寸法検査するのを可能にする比較的単純な分割型固定治具ハウジングを使用する点にあることが理解できる。もう1つの利点は、本固定治具組立体が持運び可能であり、本検査方法を現場で行うことを可能にすることができる点である。本固定治具組立体及び検査方法は、シールの内径の同心度並びに/又はシールの最大及び最小直径寸法との適合性を定量的及び/又は定性的に保証するために使用することができる。
【0009】
本発明のその他の目的及び利点は、以下の詳細な説明から一層よく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の固定治具組立体及び方法によって検査することができるタイプの環状シール組立体10の断面図である。シール組立体10は、蒸気タービン内においてそのようなタービンの軸方向に隣り合う段間で使用して、それに対してバケットが取付けられたロータと該ロータを囲みかつそれによりノズル隔壁が支持されるケーシングとの間の漏洩を最少にするシールの代表的なものである。当業者にはよく知られているように、様々なタービン構成及び用途が可能であり、それらは本発明の技術的範囲内にある。従って、シール組立体10に対して意図した据付けの具体的なタイプについては詳しくは説明しないことにする。
【0011】
図示するように、シール組立体10は、ハウジング13を含み、ハウジング13は、ラビリンス型パッキンに関連するタイプのものである1対の歯14間でグルーブ15内に配置されたブラシシール組立体12を含む。図1のシール組立体10は、本発明により検査することができる環状シールのタイプを単に例示するためのものであり、その他の環状シールのタイプ及び構成もまた本発明の技術的範囲内にあることを理解されたい。シール組立体10が意図したターボ機械内に据付けられた時、ブラシシール組立体12は、ターボ機械の軸線に対して軸方向に歯14間に位置する。従って、ラビリンス歯14は、ブラシシール組立体12に対するバックアップシールとして働き、それ故に好ましいものであるが、シール組立体10にとっては任意選択的な構成要素である。ターボ機械内で使用する様々なタイプのブラシシールと同様に、図1に示すブラシシール組立体12は、それとの間をシールしようとする表面、例えばターボ機械のロータとの間で規定のギャップを又は該ロータとの所定の接触を継続的に維持し、それによってラビリンスパッキンで可能なよりも良好なシールを行うようになっている。この理由から、ブラシシール組立体12は、ターボ機械内にシール組立体10を据付けた時に、半径方向内向きに突出してロータと摩擦接触するブリストル16を含むようになっている。当技術分野では公知なように、ブラシシールブリストル16とラビリンス歯14とは、多様な材料で形成することができ、最新式ターボ機械において使用する場合には、KEVLAR(登録商標)及びその他の耐熱高強度ポリマー材料が、ブラシシール組立体12及びそのブリストル16用として注目に値する実例であり、他方、延性金属が、ブラシシール組立体12を囲みかつ該ブラシシール組立体12を支持する歯14及びハウジング13用として好ましい。シール組立体10において使用することが期待できるその他の材料には、炭素繊維材料が含まれる。
【0012】
図1に示すタイプのシール組立体は一般的に、蒸気又はガスタービンのダイアフラム内側ウエブのようなターボ機械の固定構造体の溝内に据付けられる。このように据付けられた時、シール組立体10の外周表面18は溝内に受けられて、歯14とブリストル16とがタービンのロータに向けて半径方向内向きに延びるようになる。シール組立体10のシール性能は、主としてブリストル16とロータとの間での規定のギャップ又は所定の摩擦接触を維持することに依存するので、ブリストル16は、シール組立体10の臨界内径(ID)及び同心度を確定する。
【0013】
図2〜図4は、本発明の第1の実施形態による、シール組立体10のブラシシール組立体12の内径及び/又は同心度を評価するようになった固定治具組立体20を示す。図2〜図4に示すように、固定治具組立体20は、1対の固定治具セグメント21を含み、これら1対の固定治具セグメント21は、組立てられかつ基台30に対して固定された時に環状形状を有する固定治具ハウジング22を形成する。固定治具セグメント21と固定治具基台30とを多様な材料で作り、また固定治具セグメント21を固定治具基台30に固定するのに様々な締結方法を使用して、ブラシシール組立体12を収納しまたブラシシール組立体12を評価するために使用する装置を支持するのに十分な強度及び剛性を得ることができる。図4から明らかなように、固定治具ハウジング22は、該固定治具ハウジング22の外側縁部28近くでその内周面26内に設置された溝24を含む。固定治具溝24は、シール組立体10をその意図するターボ機械に据付けた時に、その中にブラシシール組立体12が収納されることになるシール組立体10のグルーブ15の直径、幅及び深さと一致するような構成及び寸法にされる。さらに、固定治具ハウジング22の縁部28は、図1のシール組立体10の上歯14を模擬したような形状及び寸法にされるのが好ましい。
【0014】
図2及び図3において、ブラシシール組立体12は、アーマチュア組立体32による検査のために溝24内に取付けられた状態で示している。アーマチュア組立体32は、固定治具基台30に対してピボット動可能に取付けられたバー34を含み、該バー34の両端部の少なくとも1つが固定治具ハウジング22の溝24と該溝24内に組込まれた時のブラシシール組立体12とに近接して通過することになるようになる。バー34は、好ましくはその長さに沿って中央部に設置されたボア36と該ボア36内のブッシング38とを有し、ブッシング38が、固定治具基台30に固定されたピン40を受け、それによって該バー34が基台30の上方に回転可能に支持されたものとして図示している。クランプ42はバー34をピン40に固定して、該バー34が、ピン40に対して垂直でありかつ固定治具溝24、従って該固定治具溝24内に組込まれたブラシシール組立体12を含む平面と平行である平面内で回転することを保証する。
【0015】
図2及び図3には、ホルダ46によりバー34の一端部に取付けられたものとしてマイクロメータ44を示しており、マイクロメータ44は、ブラシシール組立体12のブリストル16によって確定された該ブラシシール組立体12の内径(ID)を測定するように配向されかつ配置される。マイクロメータ44は、ブッシング38とピン40とにより確定されたその回転軸線上でバー34を回転させた時に、シール組立体10のIDにおける変動の表示を行うことができる、ダイヤルインジケータ、コンパレータ、非接触測定装置などのようなあらゆる適当なタイプのものとすることができる。マイクロメータ44の測定値表示は、電子的に或いは例えば目盛板によるように視覚的に行うことができる。ピン40上でバー34を回転させながら、マイクロメータ44の出力を使用してブラシシール組立体12の内径の正確な定量的寸法を得ることができ、或いはブラシシール組立体12に許容される最小及び最大ID寸法に対する適合度(「適合−不適合」)の定量的評価を行うことができる。
【0016】
図5及び図6は、本発明の第2の実施形態による、ブラシシール組立体12の内径及び/又は同心度を評価するようになった固定治具組立体50を示す。図2〜図4の固定治具組立体20と同様に、固定治具組立体50は、組立てられかつ基台60に固定された時に環状の固定治具ハウジング52を形成する1対の固定治具セグメント51を含むようになっている。これもまた前述の固定治具組立体20と同様に、固定治具ハウジング52は、該ハウジング52の外側縁部58近くでその内周面56内に設置されかつ図1のシール組立体10内にブラシシール組立体12を収納するグルーブ15の直径、幅及び深さと一致するような構成及び寸法にされた内部溝54を有することが図6から分かる。さらに、固定治具ハウジング52の縁部58は、図1のシール組立体10の上歯14を模擬するような形状及び寸法にすることができる。図2〜図4の実施形態とは対照的に、図5及び図6の固定治具組立体50は、シール組立体12に許容される最小及び最大ID寸法に対する適合度(「適合−不適合」)に基づいて、溝54内に組込んだブラシシール組立体12を定量的に評価するための検査ブロック62を備えている。
【0017】
図5及び図6においては、検査ブロック62は、該ブロック62に対して回転可能に取付けられた1対のローラ64によって固定治具ハウジング52の縁部58で支持されて、ブロック62の輪郭表面66が、縁部58と該縁部58下方に軸方向に間隔を置いて配置されたリブ74との内周面に当接するようになったものとして図示している。この理由から、輪郭表面66は、縁部58及びリブ74の内周面の曲率半径とほぼ等しい曲率半径を有するのが好ましい。図7で分かるように、輪郭表面66内には1対の孔76があり、これらの孔76によってシャフト(図示せず)を用いてローラ64を回転可能に取付けることができる。また図7で分かるように、輪郭表面66内には、孔76の下方にチャネル68が形成される。ローラ64に対するチャネル68の位置は、該チャネル68が固定治具溝54内に組込まれたブラシシール組立体12のブラシシールブリストル16と軸方向に整列するような位置であり、またチャネル68の幅は、ブリストル16の幅に対応するような寸法にされる。固定治具ハウジング52の縁部58及びリブ74の内周面に対して固定治具溝54の半径方向深さを正確な寸法にすることによって、輪郭表面66を縁部58及びリブ74と当接させた状態で検査ブロック62がハウジング52の周りを移動する時、チャネル68は、溝54の底面から正確な所定の距離を通り、また溝54内に組込まれたブラシシール組立体12に対して正確な位置を有することになる。
【0018】
チャネル68の深さは、ブロック62が幾つかの方法の1つでシール組立体12の内径及び同心度(ブリストル16によって確定された)を評価することを可能にするような寸法にされる。例えば、チャネル68の深さは、ブラシシール組立体12の最小内径と一致するような寸法にすることができるから、固定治具ハウジング52の円周面に沿ってブロック62を移動させる(例えば、手動で)ことによって、許容範囲外のID状態は、ブリストル16とチャネル68の底面との間の摩擦接触を検知することによって確認することができるようになる。摩擦接触の検知は、図8に示すように、ブリストル16が溝68と接触したかどうかを検知するのを助ける接触感受性物質70を溝68の底面内に置くことによって可能にすることができる。物質70は、感圧被着テープとすることができ、検査後における溝68に対するこのテープの被着度が、ブリストル16が溝68の底面と干渉接触したかどうか、またどの程度干渉接触したかを示すことになる。物質70のもう1つの例は、溝68の底面に塗布したチョークのような粉末であり、この粉末によって規定を下まわる寸法のIDを有するブラシシール組立体12は、幾らかの粉末がブリストル16に転移したかどうかを見るように視覚的にそのブリストル16を検査することによって検知することができる。次に、そのチャネル68がシール組立体10の最大IDと一致するような寸法になった深さを有する第2の検査ブロック62を使用して、ブリストル16とチャネル68の底面との間の摩擦接触がないことによって許容範囲外の最大ID状態を判定する。
【0019】
図9は、溝68の別の構成を示しており、溝68内には、ブラシシール組立体12の最小及び最大許容IDに対応する2つの異なる深さを形成した段部72が設けられる。図9に示すように、2つの千鳥配列した孔76の組を設け、2つのローラ64をこの2つの孔76の組に選択的に取付けて、チャネル深さの1つが固定治具溝54内に組込まれたブラシシール組立体12のブラシシールブリストル16と軸方向に整列するようにすることができる。この方法により、単一の検査ブロック62により、許容範囲外の最大及び最小ID状態を同時に検知することができる。この方法もまた、図8の接触感受性物質70を使用することができる。
【0020】
本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、当業者がその他の形態を採用することができることは明らかである。例えば、本発明の固定治具ハウジングは2つの固定治具セグメントを含むものとして図示しかつ説明しているが、ハウジングは、あらゆる数のセグメントに分割することができる。さらに、本発明はターボ機械のためのブラシシールと関連させて説明してきたが、本発明では、その他のタイプの環状形状のシールでの使用の用途を見出すことができる。従って、本発明の技術的範囲は、提出した特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明により検査することができるタイプのブラシシール組立体を含む、ターボ機械用のシール組立体の断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態による固定治具組立体の斜視図。
【図3】図2の固定治具組立体の分解図。
【図4】図2の固定治具組立体の断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態による固定治具組立体の斜視図。
【図6】図5の固定治具組立体の断面図。
【図7】図5に示す固定治具組立体の検査ブロックの斜視図。
【図8】本発明の別の実施形態による検査ブロックの断面図。
【図9】本発明の別の実施形態による検査ブロックの斜視図。
【符号の説明】
【0022】
10 シール組立体
12 ブラシシール組立体
13 ハウジング
14 歯
15 グルーブ
16 ブリストル
18 表面
20 固定治具組立体
21 固定治具セグメント
22 固定治具ハウジング
24 溝
26 円周面
28 縁部
30 固定治具基台
32 アーマチュア組立体
34 バー
36 ボア
38 ブッシング
40 ピン
42 クランプ
44 マイクロメータ
50 固定治具組立体
51 固定治具セグメント
52 固定治具ハウジング
54 溝
56 円周面
58 縁部
60 基台
62 ブロック
64 ローラ
66 表面
68 チャネル
70 物質
72 段部
74 リブ
76 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の円弧状セグメントを含む環状シール(12)を検査するための固定治具組立体(20、50)であって、
基台(30、60)と、
前記基台(30、60)上に支持され、組立てられた時に外側縁部(28、58)と該外側縁部に隣接しかつその内周面(26、56)内に形成された溝(24、54)とを有する環状固定治具ハウジング(22、52)を形成し、前記溝(24、54)が前記環状シール(12)の断面形状と対応した断面形状を有するようになる少なくとも2つの固定治具セグメント(21、51)と、
前記固定治具ハウジング(22、52)の溝(24、54)内に組込まれた時の前記環状シール(12)の少なくとも1つの寸法特性を評価するための手段(32、62)と、を含み、
前記評価手段(32、62)が、前記固定治具ハウジング(22、52)の内周面(26、56)に沿って移動可能である、
固定治具組立体(20、50)。
【請求項2】
前記評価手段(32、62)によって判定される少なくとも1つの寸法特性が、前記固定治具ハウジング(22、52)の溝(24、54)内に取付けられた時の前記環状シール(12)の内径を含むことを特徴とする、請求項1記載の固定治具組立体(20、50)。
【請求項3】
前記評価手段(32、62)によって判定される少なくとも1つの寸法特性が、前記固定治具ハウジング(22、52)の溝(24、54)内に取付けられた時の前記環状シール(12)の内径の同心度を含むことを特徴とする、請求項1記載の固定治具組立体(20、50)。
【請求項4】
前記評価手段(32、62)が、マイクロメータ(44)と、前記固定治具ハウジング(22)の中心軸線の周りでかつ該固定治具ハウジング(22)の溝(24)の近傍で前記マイクロメータ(44)を回転させるための手段(34、36、38、40、42)とを含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項記載の固定治具組立体(20)。
【請求項5】
前記回転手段(34、36、38、40、42)が、前記基台(30)にピボット動可能に取付けられたビーム(34)を含み、前記マイクロメータ(44)が、前記ビーム(34)に取付けられることを特徴とする、請求項4記載の固定治具組立体(20)。
【請求項6】
前記評価手段(62)が、可動部材(62)と、前記可動部材(62)が前記固定治具ハウジング(22)の内周面(56)に沿って移動する時に該固定治具ハウジング(52)の溝(54)に隣接して該可動部材(62)を移動可能に支持するための手段(64)とを含むことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の固定治具組立体(50)。
【請求項7】
前記支持手段(64)が、前記固定治具ハウジング(52)の外側縁部(58)により前記可動部材(62)を支持することを特徴とする、請求項6記載の固定治具組立体(50)。
【請求項8】
前記可動部材(62)が、該可動部材の半径方向外側表面(66)内に検査チャネル(68)を含み、前記検査チャネル(68)が、前記環状シール(12)の内径許容範囲限度値に対応した深さを有することを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の固定治具組立体(50)。
【請求項9】
前記可動部材(62)が前記固定治具ハウジング(52)の内周面(26、56)に沿って移動する時に前記環状シール(12)との摩擦接触を表示するための、前記検査チャネル(68)内に設置された手段(70)をさらに含む、請求項8記載の固定治具組立体(50)。
【請求項10】
複数の円弧状セグメントを含む環状シール(12)を検査する方法であって、
基台(30、60)上に少なくとも2つの固定治具セグメント(21、51)を組立てて、外側縁部(28、58)と該外側縁部に隣接しかつその内周面(26、56)内に形成されて前記環状シール(12)の断面形状と対応した断面形状をもつ溝(24、54)とを有する環状固定治具ハウジング(22、52)を形成する段階と、
前記固定治具ハウジング(22、52)の溝(24、54)内に前記環状シール(12)の複数の円弧状セグメントを組込んで、該溝(24、54)内に前記環状シール(12)を組立てるようにする段階と、
前記固定治具ハウジング(22、52)の内周面(26、56)に沿って検査装置(32、62)を移動させることによって、前記環状シール(12)の少なくとも1つの寸法特性を評価する段階と、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−187310(P2007−187310A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−324938(P2006−324938)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】