説明

環状肉芽腫又はサルコイドの治療法

本発明は、環状肉芽腫又はサルコイド疾患を、該疾患を有する患者に、治療的有効量のLFA1アンタゴニストを投与することによって寛解する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、環状肉芽腫及びサルコイドの治療方法に関する。
【0002】
発明の背景
環状肉芽腫は、限局型、播種状(全身性)、皮下性、及びせん孔性タイプを含む肉芽腫症の珍しい良性群を包含する。およそ10%から15%の患者が播種状環状肉芽腫(DGA、GGAとも言われる)を有しており、これは主に成人で発症し、環状又は非環状の形状を持つ多発性離散性又は集密的丘疹によって特徴付けられる。1−3DGAは体躯及び近位四肢に主に生じ、DGAの患者は何百もの病巣を呈する場合がある。症例のおよそ三分の一において、患者は掻痒又は灼熱感覚の徴候を報告している。組織学的には、DGAは典型的には柵状の炎症細胞に囲まれた真皮中層及び上層におけるコラーゲン改変及び弾性線維変性領域によって特徴付けられる;表皮は正常のように思われる。3−6DGAにおける炎症性浸潤は主として組織球(マクロファージ)及びリンパ球の混合物からなる。
【0003】
環状肉芽腫の原因を説明するために数多くの理論が提案されているが、この皮膚疾患の病因は不明のままである。仮説には、血管炎、外傷誘発性原発性類壊死、壊死性変性を引き起こすリソソーム酵素の単球放出、及びリンパ球媒介遅延型過敏反応が含まれる(Smith等, 1997で概説)。幾つかの証拠群は、環状肉芽腫の病因におけるT細胞媒介性プロセスの役割を示唆している。大部分はヘルパーT(Th)細胞表現型の活性化されたTリンパ球が、環状肉芽腫浸潤物中の主要なリンパ球として同定されている。8−11活性化Th細胞は、インターロイキン類、インターフェロン-γ(IFN-γ)、及び腫瘍壊死因子-α(TNF-α)を含む様々な炎症誘発サイトカインを分泌し、12その全てが環状肉芽腫の病巣で検出されている。11,13少量の抗原特異的T細胞集団の初期の浸潤(未知の皮膚特異的抗原の存在によって推進)に、非特異的炎症性サイトカイン及びケモカイン産生による多数の非特異的T細胞の補充が続く。14
【0004】
環状肉芽腫の病巣は典型的には3から4年持続し、病巣の自然の消散後に、再発が起こりうる。環状肉芽腫の患者の管理に用いられる標準的な治療レジメン又はアプローチ法はない。更に、長期に渡る一般的な治療法に対する応答性は一般に不良で、多くの場合、深刻な毒性のリスクは治療効果を上回ることはない。しかしながら、DGAは美容的に外観を損なう場合があり、病巣はいつまでも残るので15、シクロスポリン、16,17イソトレチノイン、18−20エトレチネート21、局所性及び全身性コルチコステロイド類、22,23フマル酸エステル、24ソラレン+紫外線A(PUVA)、25,26ヨウ化カリウム、27,28ペントキシフィリン、29局所性ビタミンE、30ヒドロキシクロロキン、31ダプソン、19,32,33ナイアシンアミド、34低用量クロラムブシル、35,36クロファジミン、37及び5-リポキシゲナーゼ阻害剤+ビタミンE38を含む多くの異なった治療法が様々な成功をもって試されている。これらの治療法の多くは潜在的に有害な副作用を伴い、臨床的及び実験室のモニタリングを必要とする;その蓄積的毒性のため、これらの治療法の多くは慢性的には投与することができない。
よって、環状肉芽腫を治療するよりよい方法が必要である。本発明はこの必要性を満たし、以下の開示から明らかになる他の利点をもたらす。
【0005】
発明の概要
本発明は、環状肉芽腫症状又はサルコイド疾患を寛解する方法において、該疾患を有する患者に、治療的有効量のLFA−1アンタゴニストを投与することを含む方法を提供する。本発明の方法は疾患の迅速な改善と回復と該疾患の一般的な治療に伴う副作用の低減を達成するという利点を有する。例えば、シクロスポリンでの一般的な治療は腎機能障害の危険を伴い、下痢はクロファジミンでの治療の副作用となる場合がある。本方法はLFA−1アンタゴニストでの治療開始から2ヶ月以内に環状肉芽腫を消散させるのに効果的である。
環状肉芽腫は、限局型、播種状(全身性;DGA)、皮下性、又はせん孔性タイプでありうる。特定の実施態様では、環状肉芽腫は播種状環状肉芽腫(DGA、GCAとも言う)である。
本発明の方法の任意のものにおいて、ある実施態様では、LFA−1アンタゴニストは抗LFA抗体又は抗ICAM1抗体である。一実施態様では、LFA−1アンタゴニストは抗CD11a抗体である。一実施態様では、抗CD11a抗体はエファリズマブである。
【0006】
本寛解方法では、副作用、特に初期投薬時の注入反応を最小にするために、治療用量の前に初期コンディショニング用量でアンタゴニスト化合物又は抗体を患者に投与することができ、初期コンディショニング用量は治療用量よりも低い。LFA−1アンタゴニストがエファリズマブである場合、抗体は0.3mg/kgから4mg/kgを投与することができる。一実施態様では、エファリズマブ抗体は毎週1mg/kgが投与される。他の実施態様では、エファリズマブは毎週2mg/kgが投与される。使用されるLFA−1アンタゴニストがエファリズマブである場合、一実施態様では、患者に0.7mg/kgでコンディショニング用量のエファリズマブが投与される。更なる実施態様では、抗体は最初の週の間は0.7mg/kgの初期コンディショニング用量で、続いて少なくとも4週間は1mg/kgの用量で投与される。別の実施態様では、患者に8週間、11週間、又は24週間の間、1mg/kg又は2mg/kgの毎週治療用量が投与される。
【0007】
該疾患の本寛解方法の実施態様の任意のものにおいて、好適な実施態様では、LFA1アンタゴニストは皮下投与される。他の実施態様では、LFA1アンタゴニストは静脈内投与される。
環状肉芽腫及びサルコイドの寛解方法の実施態様の任意のものにおいて、LFA1アンタゴニストは他の治療法、第二の治療剤又は免疫抑制剤との併用で投与できる。第二の治療剤は、シクロスポリン、イソトレチノイン、エトレチネート、局所性及び全身性コルチコステロイド類、フマル酸エステル、ソラレン+紫外線A(PUVA)、ヨウ化カリウム、ペントキシフィリン、局所性ビタミンE、ヒドロキシクロロキン、ダプソン、ナイアシンアミド、低用量クロラムブシル、クロファジミン、及び5-リポキシゲナーゼ阻害剤+ビタミンEからなる群から選択される。一実施態様では、第二の治療剤はクロファジミン又はシクロスポリンである。他の第二の治療剤はイムノアドヘシン、特にエンブレル(Enbrel)(登録商標)又はアメビブ(Amevive)(登録商標)である。
第二の治療剤とLFA−1アンタゴニストは、何れかの順で、逐次に、連続的に、又は双方の組み合わせで、投与することができる。
【0008】
本発明の方法の更に他の側面は、疾患の再発を被っている患者又は該疾患を治療するために使用される他の治療法に対して非反応性である患者において環状肉芽腫又はサルコイドを寛解することである。
一実施態様では、該疾患を有する患者はシクロスポリン又はクロファジミンでの治療には不十分な反応性を経験しているかそれに非反応性である。
本発明によってまた提供されるのは、エファリズマブ組成物を含む容器と、該組成物を播種状環状肉芽腫の治療に使用できることを示すパッケージ挿入物を含む製造品である。
【0009】
好適な実施態様の詳細な説明
環状肉芽腫は、限局型、播種状(全身性)、皮下性、及びせん孔性タイプを含む肉芽腫症の珍しい良性群を包含する。およそ10%から15%の患者が播種状環状肉芽腫(DGA)を有しており、これは主に成人で発症し、環状又は非環状の形状を持つ多発性離散性又は集密的丘疹によって特徴付けられる。DGAは体躯及び近位四肢に主に生じ、DGAの患者は何百もの病巣を呈する場合がある。症例のおよそ三分の一において、患者は掻痒又は灼熱感覚の徴候を報告している。組織学的には、DGAは典型的には柵状の炎症細胞に囲まれた真皮中層及び上層におけるコラーゲン改変及び弾性線維変性領域によって特徴付けられる;表皮は正常のように思われる。DGAにおける炎症性浸潤は主として組織球(マクロファージ)及びリンパ球の混合物からなる。
【0010】
本発明の方法において「寛解する」とは、目的が病理的症状又は障害を低減させることにある治療上の処置を意味する。本発明の方法によって本発明のLFA−1アンタゴニストの治療量を投与された後、被験者が治療を受ける前のベースラインレベルと比較して疾患の一又は複数の徴候又は症状において観察可能及び/又は測定可能な減少あるいはその不存在を示すならば、被験者は環状肉芽腫疾患から成功裏に寛解している。測定可能な徴候又は症状は例えば皮膚病巣のサイズと数である。疾患の一又は複数の症状の減少はまた患者が感じうる。寛解は、あらゆる徴候又は症状の消失として定義される完全な応答又は回復、又は部分的な応答を達成できる。患者が治療を受けた後に測定可能な徴候及び症状が完全にはなくなっていない場合、好ましくは患者は、ベースライン測定と比較して、少なくとも20%、より好ましくは少なくとも40%、更により好ましくは少なくとも50%、より好ましくは70%又は75%、最も好ましくは90%又はそれ以上、例えば95%の疾患の徴候、症状の改善を示す。疾患における成功裏の治療及び改善を評価するためのこれらのパラメータは、適切な技量の医師に知られている常套的な手順によって直ぐに測定可能である。
【0011】
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式で薬剤を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本来的に周期的になされる処置である。
「コンディショニング用量」は治療用化合物の投与に伴う最初の投与の有害な副作用の頻度又は深刻さを軽減又は減少させる用量である。コンディショニング用量は治療的用量、治療量以下の用量でありうる。治療的用量は患者に対して治療効果を示す用量であり、治療量以下の用量は治療される患者に治療効果を示さない用量である。
「治療的有効量」とは、環状肉芽腫疾患の結果として起こる病理的症状を少なくとも減弱させる(例えば検出可能な/測定可能な改善を引き起こし、誘導し又は生じ;症状の深刻さ、度合い又は期間を減少させる)のに有効な、哺乳動物に投与されるLFA−1アンタゴニストの最小濃度(量)を意味する。症状は環状肉芽腫のタイプによって変わりうる;しかしながら、特定の環状肉芽腫疾患の症状及び症状の改善、例えば皮膚病巣のサイズと数を検出又は測定する手段は技量のある医師にはよく知られている。
【0012】
LFA−1(白血球機能関連抗原)は細胞接着相互作用に関与するインテグリンレセプターである。LFA−1はαサブユニットCD11aとβサブユニットCD18からなる。LFA−1は全ての白血球で発現される。
「LFA−1アンタゴニスト」という用語は、一般的にCD11a又はCD18の何れか又は双方に対する抗体を意味するが、ICAM−1、ICAM−1の可溶型(例えば免疫グロブリン配列に融合しているか単独のICAM−1細胞外ドメイン)、ICAM−1に対する抗体、及びその断片、又はLFA−1及びICAM−1の相互作用を阻害可能な他の分子を含む。
【0013】
適切なLFA−1アンタゴニストは、LFA−1とそのレセプターの相互作用を阻害する任意の化合物、特にICAM−1を含む。LFA−1アンタゴニストは、例えば低分子、ペプチド、タンパク質、イムノアドヘシン、抗LFA−1抗体、又はその断片でありうる。これらの用語はCD11a又はCD18の何れか又は双方に対するアンタゴニストを意味する。好ましくは、アンタゴニストはCD11aサブユニット又はユニットとしてのLFA−1に対し又はこれに結合する。抗CD11a抗体は、例えばMHM24[Hildreth等, Eur. J. Immunol., 13: 202-208(1983)]、R3.1(IgG1)[R. Rothlein, Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc., Ridgefield, CT]、25−3(又は25.3)、Immunotech, Franceから入手可能なIgG1[Olive等, Feldmann編, Human T cell Clones. A new Approach to Immune Regulation, Clifton, NJ, Humana, 1986 p.173]、KBA(IgG2a)[Nishimura等, Cell. Immunol., 107: 32(1987);Nishimura等, 同上, 94: 122(1985)]、M7/15(IgG2b)[Springer等, Immunol. Rev., 68: 171(1982)]、IOT16[Vermot Desroches等, Scand. J. Immunol., 33: 277-286(1991)]、SPVL7[上掲のVermot Desroches等]、及びM17/4とも称されるM17(IgG2a)で、ATCCから入手可能な(ハイブリドーマ受託番号TIB−217)ラット抗マウスCD11a抗体を含む。好適な抗CD11a抗体はヒト化抗体のエファリズマブ(ラプティバ(Raptiva)TM; Genentech, CA)である。他の好ましい抗CD11a抗体は米国特許第6037454号に記載されているヒト化抗体である。抗CD11a抗体はT細胞枯渇抗体ではないこと、つまり抗CD11a抗体の投与により循環T細胞のレベルを減少させないことが一般にまた好ましい。
【0014】
一実施態様では、ヒト化抗CD11a抗体は、DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASKTISKYLAWYQQKPGKAPKLLIYSGSTLQS GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQHNEYPLTFGQGTKVEIK(配列番号1)のVL配列と、EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYSFTGHWMNWVRQAPGKGLEWVGMIHP SDSETRYNQKFKDRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGIYFYGTTYF DYWGQGTLVTVSS(配列番号2)のVH配列を含むものである;又は他の実施態様では、抗CD11a抗体は、MHM24 VL配列DVQITQSPSYLAASPGETIS1NCRASKTISKYLAWYQEKPGKTNKLLIYSGSTLQSGI PSRFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAMYYCQQHNEYPLTFGTGTKLELK(配列番号3)とMHM24 VH配列EVQLQQPGAELMRPGASVKLSCKASGYSFTGHWMNWVRQRPGQGLEWIGMIHP SDSETRLNQKFKDKATLTVDKSSSSAYMQLSSPTSEDSAVYYCARGIYFYGTTYF DYWGQGTTLTVSS(配列番号4)を含むものである。
【0015】
抗CD18抗体の例には、MHM23[上掲のHildreth等]、M18/2(IgG2a) [Sanches-Madrid等, J. Exp. Med., 158:586(1983)]、H52[Fekete等, J. Clin. Lab Immunol., 31: 145-149(1990)]、Mas191c[上掲のVermot Desroches等]、IOT18[上掲のVermot Desroches等]、60.3[Taylor等, Clin. Exp. Immunol., 71:324-328(1988)]、及び60.1[Campana等, Eur. J. Immunol., 16:537-542(1986)]が含まれる。米国特許第5997867号をまた参照のこと。
抗体を含む適切なLFA−1結合分子の他の例は上掲のHutchings等、国際公開第98/51343号、同第91/18011号、同第91/16928号、同第91/16927号、カナダ特許出願第2008368号、国際公開第90/15076号、同第90/10652号、同第90/13281号、同第93/06864号、同第93/21953号、欧州特許出願公開第387668号、同第379904号、同第346078号、米国特許第5932448号、同第5622700号、同第5597567号、同第5071964号、同第5002869号、同第5730983、豪州特許出願第8815518号、仏国特許出願公開第2700471A号、欧州特許出願公開第289949号、同第362526号、及び同第303692号に記載されている。
【0016】
「低分子」はここでは約600ダルトン以下の分子量を有するものと定義され、一般に有機化合物である。
「エファリズマブ」(ラプティバ(登録商標))はヒトCD11aに結合する組換えヒト化IgG1κアイソタイプモノクローナル抗体である(米国特許第6037454号)。ジェネンテック社から商業的に入手できるラプティバは乾癬治療のためのFDA承認薬である。エファリズマブは、T細胞の表面上の白血球機能関連抗原1(LFA−1)のαサブユニットであるCD11aに高特異性及び親和性で結合し、LFA−1がそのリガンドの一つの細胞間接着分子-1(ICAM−1)に結合し、複数のT細胞相互作用を阻害することを防止する。LFA−1とICAM−1との相互作用は、Tリンパ球の活性化、内皮細胞へのTリンパ球の付着、及び乾癬及び肉芽腫性皮膚を含む炎症部位へのTリンパ球の移動を含む複数プロセスの開始及び維持に寄与する。
【0017】
ラプティバ(登録商標)(エファリズマブ)は皮下(SC)注射のための使い捨てガラスバイアルで殺菌凍結乾燥粉末として供給される。1.3mLの注射用の供給滅菌水で使い捨てバイアルを再構成すると、100mg/mLのラプティバが得られる。ラプティバの各使い捨てバイアルは150mgのエファリズマブ、123.2mgのスクロース、6.8mgのL-ヒスチジン塩酸塩一水和物、4.3mgのL-ヒスチジン及び3mgのポリソルベート20を含み、1.25mL中125mgのエファリズマブを移送するように設計されている。
「エンブレル」(エタネルセプト;Amgen, CA)は、ヒトIgG1のFc部分に結合したヒト75キロダルトン(p75)腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)の細胞外リガンド結合部分からなる二量体融合タンパク質である。エタネルセプトのFc成分はCH2ドメイン、CH3ドメイン及びヒンジ領域を含むが、IgG1のCH1ドメインを含まない。エタネルセプトは腫瘍壊死因子(TNF)に特異的に結合し、細胞表面TNFレセプターとのその相互作用をブロックする。それはTNFの活性を阻害する。
【0018】
「抗体」という用語は最も広義に使用され、特にモノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、多重特異的抗体(例えば二重特異的抗体)、及び所望の生物学的活性又は機能を示す限りは抗体断片を含む。
「抗体断片」は、完全長抗体の一部、一般にはその抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例にはFab、Fab'、F(ab')、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);線形抗体;一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。
ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を意味する。すなわち、集団を構成する個々の抗体が、微量で存在しうる可能な天然に生じる突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原部位に対している。更に、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的には含む通常の(ポリクローナル)抗体と比べて、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対するものである。「モノクローナル」との修飾詞は、実質的に均一な抗体集団から得られているという抗体の特徴を示し、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないことを意味するものではない。例えば、本発明において使用されるモノクローナル抗体は、最初にKohler等, Nature 256:495(1975)により開示されたハイブリドーマ法によって作ることができ、あるいは組換えDNA法によって作ることができる(例えば米国特許第4816567号参照)。また「モノクローナル抗体」は、例えばClackson等, Nature 352:624-628(1991)及びMarks等, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリから単離することもできる。
【0019】
本発明のアンタゴニスト抗体の「機能的断片」は、それらが誘導され生物学的活性を示す無傷の全長分子と実質的に同じ親和性でLFA−1、CD11a、又はそのリガンドへの結合を保持する断片である。
「キメラ」抗体(免疫グロブリン)は特定の種由来又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応配列に一致するか又は相同の重鎖及び/又は軽鎖の一部を有するものであり、残りの鎖は、他の種由来又は他の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応配列、並びに所望の生物学的活性を示す限り、該抗体の断片に一致するか又は類似するものである(米国特許第4816567号;及びMorrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855 (1984))。ここで用いられるヒト化抗体はキメラ抗体のサブセットである。
【0020】
非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。大部分において、ヒト化抗体は、レシピエントの高頻度可変領域の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト霊長類のような非ヒト種からの高頻度可変領域の残基(ドナー抗体)によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント又はアクセプター抗体)である。例として、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、もしくはドナー抗体にも見出されない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は結合親和性のような抗体性能を更に洗練するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいは実質的に全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、たとえFR領域が結合特性を改善する一又は複数のアミノ酸置換を含んでも、全てあるいは実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。FRのこれらのアミノ酸置換数は典型的にはH鎖では6個、L鎖では3個にすぎない。ヒト化抗体は、場合によっては免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部も含む。更なる詳細については、Jones等, Nature 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature 332:323-329(1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照のこと。
【0021】
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものを意味する。その自然環境の汚染成分は、抗体の診断又は治療への使用を妨害しうる物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様では、抗体は、(1)ローリー(Lowry)法により定量して、95重量%の抗体より多くなるまで、最も好ましくは99重量%より多くなるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、N末端あるいは内部アミノ酸配列の少なくとも15の残基を得るのに充分な程度まで、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性が得られるまで、精製される。抗体の自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、単離された抗体には、組換え細胞内のインサイツの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも一の精製工程により調製される。
【0022】
本発明の組成物及び方法
一実施態様によれば、LFA−1アンタゴニストはイムノアドヘシン、例えばアメビブ(Amevive)(登録商標)(Biogen, Boston MA)である。
本発明の治療方法では、LFA−1アンタゴニストは慢性的に又は間欠的に投与することができる。
患者は一又は複数の治療剤と併用してLFA−1アンタゴニストで治療することができる。環状肉芽腫の治療に有用な第二の治療剤には次のものが含まれる:シクロスポリン、イソトレチノイン、エトレチネート、局所性及び全身性コルチコステロイド類、フマル酸エステル、ソラレン+紫外線A(PUVA)、ヨウ化カリウム、ペントキシフィリン、局所性ビタミンE、ヒドロキシクロロキン、ダプソン、ナイアシンアミド、低用量クロラムブシル、クロファジミン、及び5-リポキシゲナーゼ阻害剤+ビタミンE。
【0023】
ここで使用される「免疫抑制剤」は、患者の免疫系を抑制又は遮断するように作用する物質を意味する。そのような薬剤には、サイトカイン産生を抑制し、自己抗原の発現を下方制御又は抑制し、又はMHC抗原を遮断する物質が含まれる。そのような薬剤の例には、ステロイド、例えば糖質コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、メチルプレドニソロン、及びデキサメタゾン;2-アミノ-6-アリール-5-置換ピリミジン類(米国特許第4665077号参照);アザチオプリン(又はアザチオプリンに対して有害な反応があるならばシクロホスファミド);ブロモクリプチン;グルタルアルデヒド (米国特許第4120649号に記載のように、MHC抗原を遮断する);MHC抗原及びMHC断片に対する抗イデオタイプ抗体;シクロスポリンA;サイトカイン又はサイトカインレセプターアンタゴニストで、抗インターフェロン-γ、-β、又は-α抗体を含むもの;抗腫瘍壊死因子α抗体;抗腫瘍壊死因子β抗体;抗インターロイキン-2抗体及び抗IL-2レセプター抗体;抗L3T4抗体;異種性抗リンパ球グロブリン;pan-T抗体、好ましくは抗CD3又は抗CD4/CD4a抗体;LFA-3結合ドメインを含む可溶性ペプチド(1990年7月26日公開の国際公開第90/08187号);ストレプトキナーゼ;TGF-β;ストレプトドルナーゼ;宿主由来のRNA又はDNA;FK506;RS-61443;デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin);ラパマイシン;T細胞レセプター (米国特許第5114721号);T細胞レセプター断片(Offner等, Science 251:430-432 (1991);国際公開第90/11294;及び同第91/01133号);及びT10B9のようなT細胞レセプター抗体 (欧州特許出願公開第340109号)が含まれる。ここでの免疫抑制剤は第二の治療剤と重複してもよい。
【0024】
投薬
本発明の方法において、本発明のアンタゴニスト及び抗体は、毒性及び副作用を最小にしながら環状肉芽腫又はサルコイド疾患の治療に効果的な用量で投与される。
LFA−1抗体は約1mg/kgから20mg/kgの用量範囲で患者に投与することができる。異なった実施態様では、用量範囲は1−15mg/kg、1−10mg/kg、2−10mg/kg、3−10mg/kgである。エファリズマブ抗体は、少なくとも4週間の間、毎週少なくとも一回、0.3mg/kgから4mg/kgの用量範囲で投与することができる。
コンディショニング(0.7mg/kg)初期用量に続いて10週間の間の4mg/kg/週SCのエファリズマブ用量が、急性毒性の観察された増加を伴わないで、投与された。
一実施態様では、エファリズマブは、0.7mg/kgの初期コンディショニング用量として皮下的に、続いて1mg/kg/週の11週のSC(皮下)用量で患者に投与される。初期の低量のコンディショニング用量は任意である;患者は代わりに1mg/kg/週で12週の投薬を受けることができる。
【0025】
疾患の治療において、本発明のLFA−1抗体は、その疾患に精通した医師によって決定されるように、慢性的に又は断続的に患者に投与され得る。
静脈内注入又は皮下的に薬剤を投与された患者は、有害な事象、例えば発熱、悪寒、灼熱感覚、無力症及び頭痛を経験する場合がある。そのような有害事象を軽減し又は最小にするために、患者には抗体の初期コンディショニング用量が、続いて治療的用量が投与されうる。コンディショニング用量は患者をより多い投薬に耐えるようにコンディショニングするために治療的用量よりも低いであろう。
「初期」投薬は治療において投与される最後の投薬ではない投薬を意味する。初期投薬は単回投薬である必要はないが、最後の投薬ではない。「引き続く」投薬は初期の投薬の後に続く投薬であり、治療のために投与される最後の投薬を含む。
【0026】
投与の経路
本発明の方法において使用されるアンタゴニスト及び抗体並びに第二の治療剤及び免疫抑制剤は、例えば静脈内投与、例えばボーラスとして又は一定時間の間の持続注入、皮下、局所的、筋肉内、動脈内、肺内、関節内、滑液嚢内、髄腔内、病巣内、又は吸入経路(例えば鼻腔内)、一般には皮下、静脈内又は局所投与のような医師に知られた方法に従ってヒト患者に投与される。
LFA−1アンタゴニスト、第二の治療剤及び免疫抑制剤は全身的に又は局所的に与えることができる。一実施態様では、LFA−1アンタゴニストは局所的に投与される。
【0027】
医薬製剤
本発明に従って使用されるアンタゴニスト及び抗体の治療用製剤は、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で、任意的な製薬上許容可能な担体、賦形剤又は安定剤と、所望の純度を有する化合物又は抗体を混合することにより(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, A. Osol, Ed., [1980])、調製されて保存される。許容できる担体、賦形剤又は安定剤は、用いられる投与量及び濃度ではレシピエントに対して無毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;保存料(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;アルキルパラベン類、例えばメチル又はプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリシンのようなアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリン類を含む単糖類、二糖類及び他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールのような糖類;ナトリウムのような塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);及び/又はTWEENTM、PLURONICSTM又はポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン性界面活性剤を含む。
本発明の方法において有用なLFA−1アンタゴニストは持続放出製剤として提供することができる。
【0028】
最も広い可能な意味での「持続放出」又は「徐放」製剤という用語は、持続又は拡張された時間の間、又は天然又は未製剤状態において少なくとも化合物がインビボで利用できるよりも長い時間の間、化合物の放出又は活性化を生じる活性なLFA−1アンタゴニスト化合物の製剤を意味する。場合によっては、持続放出製剤は一定の速度で生じ、及び/又は持続及び/又は連続濃度の活性ポリペプチドを生じる。好適な持続放出製剤は、マイクロカプセル化、固形疎水性ポリマーの半透性マトリックス、生分解性ポリマー、生分解性ハイドロゲル、懸濁液又はエマルジョン(例えば水中油又は油中水)を含みうる。場合によっては、持続放出製剤は、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を含み、Lewis, "Controlled Release of Bioactive Agents form Lactide/Glycolide polymer", Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems, M. Chasin & R. Langeer編(Marcel Dekker, New York), pp.1-41に記載されているようにして調製することができる。場合によっては、持続放出製剤は安定であり、LFA−1アンタゴニストの活性は時間が経過しても貯蔵によって有意に消失することはない。より詳細には、そのような安定性は水溶性多価金属塩のような安定剤の存在によって向上させることができる。
【0029】
製造品及びキット
本発明の他の実施態様は、環状肉芽腫又はサルコイド疾患の治療に有用な物質を含む製造品である。製造品は少なくとも一の容器と該容器上又はこれに付随されるラベル又はパッケージ挿入物を含んでなる。好適な容器は、例えば、ビン、バイアル、シリンジ等を含む。容器は、ガラス又はプラスチックなどの多様な材料から形成することができる。少なくとも一の容器は、症状の治療に有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有しうる(例えば、容器は皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってもよい)。二の治療用組成物を製造品で提供することができる。第一組成物中の少なくとも一つの活性剤は本発明のCD11a結合抗体である。第二又は第二及び第三組成物は一又は複数の別個の容器に収容することができる。ラベル又はパッケージ挿入物は、組成物が環状肉芽腫、DGA又はサルコイドの治療のために使用されることを示す。ラベル又はパッケージ挿入物は、患者に組成物を投与する際の注意書きを更に含む。パッケージ挿入物は、効能、用途、用量、投与法、禁忌、及び/又はそのような治療用製品の使用に関する注意書きについての情報を含む、治療用製品の商業的パッケージに通例含められる説明書を意味する。また、製造品は、製薬的に許容可能なバッファー、例えば注射用の静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー液及びデキストロース液を含む容器を更に具備しうる。製造品は、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を更に含んでもよい。
特定の実施態様では、容器はエファリズマブ組成物を含み、パッケージ挿入物は、組成物を播種状環状肉芽腫(DGA)の治療のために使用できることを示す。
【0030】
実験的実施例
この報告は、新規な生物学的T細胞調節因子のエファリズマブ(抗CD11a)での治療で消散した中程度から深刻な乾癬で深刻なDGAを伴うものの患者の症例を記述する。
中程度から深刻なプラーク乾癬の病歴を持つ52歳の男性は1999年に環状肉芽腫であると最初に診断され、病巣は最初は手に見られた。病歴を調査すると、環状肉芽腫と不確かな関連性のある疾患状態である糖尿病にかかっていなかったことが明らかになった。最初の診断から数ヶ月以内に、病巣は腕、肩及び首まで広がった。
1999年12月に、DGA病巣の生検を行い、DGAの診断を確認した。2000年3月から2002年10月まで、この患者は、プラーク乾癬及びDGAを管理する試みで、例えばシクロスポリン及びクロファジミンのような全身性治療剤;病巣内コルチコステロイド類;ソラレン+紫外線A(PUVA);及び局所療法剤、例えばコルチコステロイド、デソキシメタゾン、タザロテン、クロベタゾールプロピオン酸塩、及びタクロリムス軟膏を含む数多くの薬剤を、全て様々な効能レベルで用いて、治療された。この患者のプラーク乾癬及びDGAの調節はシクロスポリンに関連した腎機能障害の発症とクロファジミン誘発性下痢に続発する不寛容によって更に複雑化した。
【0031】
2002年10月に、この患者は、中程度から深刻なプラーク乾癬の患者のためのエファリズマブのフェーズIII臨床試験に登録された。試験薬の投与前、4週のウォッシュアウトフェーズに入ったところで全ての乾癬療法を中止した。2002年11月に、患者は、皮下注射によって12週の間、毎週1mg/kgの用量でエファリズマブ治療(抗CD11aモノクローナル抗体)を開始した。ベースライン乾癬範囲・重度指数(PASI)は12.6であった。試験治療の計画した期間は12週間であり、1mg/kg/週の用量で更に48週までの連続治療まで延長した非盲検治療を続けた。エファリズマブ治療の開始後、患者のDGAは急速になくなり、エファリズマブ治療開始の4週以内に顕著な改善が見られた。1月までにDGAは消散した(図1参照のこと)。2003年4月に、クロファジミンを中止した。2003年7月の時点で、DGAは、炎症後色素沈着を除いて鎮静したままであり、患者のPASIスコアは顕著に改善し12週目に達成されたレベルのままであり、エファリズマブ治療の完了時に達成された改善の維持が実証された。
エファリズマブの投与後2ヶ月以内に、患者のDGAは消散した。これは、優れたLFA−1アンタゴニストのエファリズマブで深刻なDGAを迅速にかつ成功裏に治療できた最初の症例報告である。
【0032】
文献
特許、公開された出願及び他の刊行物を含む、この出願において引用された文献は出典明示によりここに援用する。
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【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】図1A及び1Bは患者の右手の甲の写真で、DGAに過去に罹患した斑点は優れた除去効果を示しており、抗CD11a抗体での治療に対する患者の全体的な応答性を表す。
【図1B】図1Aの拡大写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状肉芽腫又はサルコイド疾患を寛解する方法において、該疾患を有する患者に、治療的有効量のLFA1アンタゴニストを投与することを含む方法。
【請求項2】
環状肉芽腫が、限局型、播種状(全身性)、皮下性、及びせん孔性の疾患タイプからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
環状肉芽腫が播種状環状肉芽腫である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
LFA−1アンタゴニストが抗LFA抗体である請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
LFA−1アンタゴニストが抗ICAM1抗体である請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
抗LFA抗体が抗CD11a抗体である請求項4に記載の方法。
【請求項7】
抗CD11a抗体がエファリズマブである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
抗体が0.3mg/kgから4mg/kg投与される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
抗体が毎週1mg/kg投与される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
抗体が毎週2mg/kg投与される請求項8に記載の方法。
【請求項11】
治療用量の前に初期コンディショニング用量で抗体が患者に投与される請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
コンディショニング用量が0.7mg/kgである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
抗体が最初の週の間は0.7mg/kgの初期コンディショニング用量で、続いて少なくとも4週間は1mg/kgの用量で投与される請求項7に記載の方法。
【請求項14】
1mg/kgの用量が少なくとも11週間の間投与される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
LFA1アンタゴニストが皮下投与される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
LFA1アンタゴニストが皮下投与される請求項9、10、14の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
LFA1アンタゴニストが静脈内投与される請求項1に記載の方法。
【請求項18】
LFA1アンタゴニストが第二の治療剤又は免疫抑制剤と併用して投与される請求項1又は7に記載の方法。
【請求項19】
第二の治療剤が、シクロスポリン、イソトレチノイン、エトレチネート、局所性及び全身性コルチコステロイド類、フマル酸エステル、ソラレン+紫外線A(PUVA)、ヨウ化カリウム、ペントキシフィリン、局所性ビタミンE、ヒドロキシクロロキン、ダプソン、ナイアシンアミド、低用量クロラムブシル、クロファジミン、及び5-リポキシゲナーゼ阻害剤+ビタミンEからなる群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第二の治療剤がクロファジミン又はシクロスポリンである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第二の治療剤がエンブレル(登録商標)又はアメビブ(登録商標)である請求項19に記載の方法。
【請求項22】
第二の治療剤とLFA−1アンタゴニストが同時に投与される請求項19に記載の方法。
【請求項23】
第二の治療剤とLFA−1アンタゴニストが何れかの順で連続して投与される請求項19に記載の方法。
【請求項24】
第二の治療剤とLFA−1アンタゴニストが同時と何れかの順での連続の組み合わせで投与される請求項19に記載の方法。
【請求項25】
患者が疾患の再発を被っている請求項1から24の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
患者が他の治療法に対して非反応性である請求項1から25の何れか一項に記載の方法。
【請求項27】
環状肉芽腫がLFA−1アンタゴニストでの治療開始から2ヶ月以内に消散する請求項1から26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
エファリズマブ組成物を含む容器と、該組成物を播種状環状肉芽腫の治療に使用できることを示すパッケージ挿入物を含む製造品。

【図1A】
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【図1B】
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【公表番号】特表2008−507592(P2008−507592A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527734(P2007−527734)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/020342
【国際公開番号】WO2005/123777
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】