説明

生ごみ乾燥処理装置

【課題】生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させない生ごみ乾燥処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】生ごみを乾燥する生ごみ処理部5と、生ごみ処理部5に発生する蒸気を凝縮する水9を貯留した凝縮部8と、生ごみ処理部5と凝縮部8を循環する空気の流れを形成する送風手段16と、生ごみ処理部5、凝縮部8および送風手段16を循環状に連通した送風循環通路15と、送風循環通路15における凝縮部8から生ごみ処理部5への通路途中にオゾンガスを混入するオゾン供給手段24とを備えたものである。これによって、凝縮部8で取りきれない臭気成分には、通路途中でオゾンガスを混入するので、この臭気成分を還元して脱臭する。よって、生ごみ処理部5には脱臭乾燥空気が送られ、乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭で発生する生ごみを乾燥させ、減量および減容させる生ごみ乾燥処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の生ごみ乾燥処理装置は、生ごみを減量、減容している処理を行っている時に発生する臭気成分を水に溶出させて除去するとともに、排水を集めてオゾンによる殺菌、脱臭の処理を施すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−10632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、水に溶解する臭気成分は除去できるが、溶解しない臭気成分は、そのまま外部に排出されるか、または生ごみ処理部に戻すので、生ごみ処理部に一方的に生ごみの投入を続けられる生分解型の生ごみ処理装置には効果があるが、家庭用の生ごみ乾燥処理装置のように、生ごみ処理容器を頻繁に取り出し、乾燥生ごみを捨てる動作を行う場合は、生ごみ処理容器内の生ごみから発生する水に溶解しない成分が悪臭となり、台所などに充満するという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させない生ごみ乾燥処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の生ごみ乾燥処理装置は、生ごみを乾燥する生ごみ処理部と、この生ごみ処理部に発生する蒸気を凝縮する水を貯留した凝縮部と、生ごみ処理部と凝縮部を循環する空気の流れを形成する送風手段と、これら生ごみ処理部、凝縮部および送風手段を循環状に連通した送風循環通路と、この送風循環通路における凝縮部から生ごみ処理部への通路途中にオゾンガスを混入するオゾン供給手段とを備えたものである。
【0006】
これによって、凝縮部で取りきれない臭気成分は、そのまま送風循環通路から生ごみ処理部に送られようとするが、通路途中でオゾンガスを混入するので、この臭気成分を還元して脱臭する。したがって、生ごみ処理部には脱臭した乾燥空気が送られ、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させることはない。
【発明の効果】
【0007】
本発明の生ごみ乾燥処理装置は、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、生ごみを乾燥する生ごみ処理部と、この生ごみ処理部に発生する蒸気を凝縮する水を貯留した凝縮部と、生ごみ処理部と凝縮部を循環する空気の流れを形成する送風手段と、これら生ごみ処理部、凝縮部および送風手段を循環状に連通した送風循環通路と、この送風循環通路における凝縮部から生ごみ処理部への通路途中にオゾンガスを混入するオゾン供給手段とを備えた生ごみ乾燥処理装置とするものである。これによって、凝縮部で取りきれない臭気成分は、そのまま送風循環通路から生ごみ処理部に送られようとするが、通路途中でオゾンガスを混入するので、この臭気成分を還元して脱臭する。したがって、生ごみ処理部には脱臭した乾燥空気が送られ、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させることはない。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、オゾン供給手段は、オゾン発生器とオゾン発生器に空気を供給する空気供給手段とを備えたことにより、空気供給手段により安定した空気量をオゾン発生器に供給し、オゾン濃度を一定に保つので、水に溶解しない臭気成分を適正に還元して脱臭し、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないようにすることができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第2の発明において、オゾン発生器に空気を供給する空気供給手段を、生ごみ処理部と凝縮部を循環する空気の流れを形成する送風手段で兼ねる構成としたことにより、オゾン発生器には凝縮部で大量の水蒸気を除去した乾燥空気が送られ、その乾燥空気によりオゾン発生器から押し出されたオゾンにより水に溶解しない臭気成分を適正に還元して脱臭し、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないようにすることができ、かつ送風手段が空気供給手段を兼ねることでコストアップを防止できる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、送風手段は、生ごみ処理部から凝縮部への送風循環通路の途中に設けたことにより、生ごみ処理部の生ごみから発生する水蒸気に含まれる臭気成分が送風手段に吸引され凝縮部に送られ、生ごみ処理部が負圧状態に保たれるので、生ごみの乾燥処理中に生ごみ処理部から臭気が漏れ出すことを防止することができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、凝縮部は貯留した水の水位を検出する水位検出部を備え、水位検出部の出力が所定値を超えた場合、貯留した水を排水した後、再度水を溜めるよう構成したことにより、凝縮部に貯留した水の水量を凝縮に適した貯留量に保ち、凝縮能力の低下を防止することができる。また、凝縮部に貯留した水は、水位が高くなると入れ替えるので、貯留した水の温度と臭気成分の濃度が一定の範囲に制御され、凝縮部の凝縮能力が安定し、臭気も抑えられる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、凝縮部は貯留した水の温度を検出する凝縮温度検出部を備え、凝縮温度検出部の出力が所定値を超えた場合、貯留した水を排水した後、再度水を溜めるよう構成したことにより、凝縮部に貯留した水の温度を凝縮に適した温度に保ち、凝縮能力の低下を防止することができる。また、凝縮部に貯留した水は、温度が上昇すると入れ替えるので、貯留した水の温度と臭気成分の濃度が一定の範囲に制御され、凝縮部の凝縮能力が安定し、臭気も抑えられる。
【0014】
第7の発明は、特に、第5または第6の発明において、オゾン供給手段は、凝縮部が貯留した水を排水した後、再度水を溜める動作を行っている時は、オゾンの供給を停止するようにしたことにより、生ごみから発生した蒸気を含んだ空気が排水する水により引き込まれている時に、生ごみ処理部に送風される空気量が減少し、オゾン濃度が上昇して送風循環通路や生ごみ処理部を劣化させ破損させることを防止することができる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明において、オゾン供給手段は、生ごみ処理部から乾燥した生ごみを取り出す動作を行っている時は、オゾンの供給を停止するようにしたことにより、送風循環通路から生ごみ処理部に送られたオゾンが生ごみ処理部から外部に放出されることを防止し、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時にオゾンにより周囲環境を悪化させないようにすることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における生ごみ乾燥処理装置を示すものである。
【0018】
図に示すように、本実施の形態における生ごみ乾燥処理装置は、生ごみを乾燥する生ごみ処理部5と、この生ごみ処理部5に発生する蒸気を凝縮する水9を貯留した凝縮部8と、生ごみ処理部5と凝縮部8を循環する空気の流れを形成する送風手段16と、これら生ごみ処理部5、凝縮部8および送風手段16を循環状に連通した送風循環通路15と、この送風循環通路15における凝縮部8から生ごみ処理部5への通路途中にオゾンガスを混入するオゾン供給手段24とを備えたものである。
【0019】
図は生ごみ乾燥処理装置を台所のシンク1に装備した例を示しており、シンク1には、生ごみや水道水と共に高速でカッタを回転させて破砕する破砕装置(ディスポーザ)2を取り付けている。破砕装置2は固液(破砕生ごみと水道水または井戸水などの水)を分離する固液分離装置3と連絡しており、固液分離装置3は分離された排水を排水する固液排水管4を備えている。
【0020】
生ごみ処理部5はギアドモータ7により駆動される攪拌手段6を内蔵しており、固液分離装置3で分離された破砕生ごみを撹拌して乾燥する。
【0021】
凝縮部8は生ごみ処理部5に発生する蒸気を凝縮するものであり、水9(水道水または井戸水などの水)を貯留する貯留タンク10と、貯留タンク10の下部に接続し水9を供給する開閉弁11を設けた給水管12と、貯留タンク10の下部に接続し貯留した水9を下水へ排出する開閉弁13を設けた排水管14とを備えている。送風循環通路15は生ごみ処理部5と凝縮部8と送風手段16(ファンまたはエアーポンプで構成)とを循環状に連通しており、その内、送風循環通路15Aは生ごみ処理部5からの流出側の通路であり、入口17を生ごみ処理部5に開口し、出口18を貯留タンク10に貯留した水9に向かって貯留タンク10の下部に臨ませている。また、送風循環通路15Bは生ごみ処理部5への流入側の通路であり、入口19を貯留タンク10の上部に臨ませ、出口20を生ごみ処理部5に開口している。なお、送風手段16は、送風循環通路15Aの途中に設けられ、生ごみ処理部5から空気を吸引するようにしている。
【0022】
凝縮部8からの空気を加熱する加熱手段21は、送風循環通路15Bの途中に設けられており、一般的なシーズヒータ、マイカヒータを用い一定の温度調節を行ってもよいがPTCヒータを用いて自動調節を行ってもよい。また、凝縮部8に設けた、貯留した水9の水位を検出する水位検出部22は、電極式やフロート式の液面検知スイッチで構成されている。また、生ごみ処理部5の庫内温度を上昇させるための補助ヒータ23は、一般的なシーズヒータ、マイカヒータを用い一定の温度調節を行ってもよいがPTCヒータを用いて自動調節を行ってもよい。
【0023】
オゾン供給手段24は、オゾン発生器25と、このオゾン発生器25に空気を供給する空気供給手段26と、空気により希釈されたオゾンガス27を生ごみ処理部5への流入側の送風循環通路15Bに噴出するための噴出口28とで構成されている。オゾン発生器25は、高電圧をかけた発生体に酸素を流して生成する無声放電方式や、空気が紫外線の波長によって酸素がオゾンに変化する紫外線ランプ方式を用いている。空気供給手段26は、送風循環通路15の内部抵抗に打ち勝つために高圧の送風が可能なターボファンやエアーポンプで構成している。
【0024】
また、空気供給手段26への空気の供給は、送風循環通路15を流れる空気に対して微小流量であるが、生ごみ処理部5や凝縮部8が密閉回路のために、送風循環通路15Bの噴出口28の上流側から空気の一部を取り出すようにしている。また、噴出口28は、送風循環通路15B内にオゾンガス27が拡散しやすいようにノズル形状をしている。オゾン供給手段24の構成要素や送風循環通路15Bは、オゾンを使用することで、耐オゾン性のある材料(例えば、ステンレスやテフロン(登録商標)やガラスなど)を使用している。
【0025】
なお、図には、送風循環通路15内を流れる空気29、送風循環通路15Aの出口18から貯留タンク10に貯留した水9に空気29が供給されて発生する気泡30、生ごみ処理部5の上部に設けた外気吸気手段31、凝縮部8に貯留した水9を入れ替える時に外気吸気手段31を開放して外気吸気手段31から外気を取り入れる開閉弁32を示している。開閉弁32の開成により、生ごみ処理部5が負圧になることを防止し、貯留した水9を排水管14からスムーズに排水することができる。
【0026】
以上のように構成された生ごみ乾燥処理装置において、その動作を説明する。
【0027】
まず台所のシンク1で発生した生ごみが、破砕装置2に投入され、かつ水9が流し込まれると、破砕装置2が駆動を開始する。破砕装置2が生ごみを破砕し、水9と混合して固液を形成し、この固液が固液分離装置3に流入する。
【0028】
固液分離装置3は破砕生ごみに付着した汁や水9を分離して固液排水管4から下水へ排水し、他方、破砕生ごみは分離され、生ごみ処理部5に排出される。同時に、送風手段16が送風循環通路15を通して生ごみ処理部5と凝縮部8とを循環する空気29の流れ(例えば10〜100L/min)を形成する。
【0029】
また、ギアドモータ7が定期的(例えば15分間隔)に駆動して攪拌手段6を回転(1分程度)させて破砕生ごみを攪拌する。そして、流入側の送風循環通路15Bに設けた加熱手段21が空気29を加熱し、温度上昇し相対湿度が下がった乾燥した空気29は流入側の送風循環通路15Bの出口20から生ごみ処理部5に噴出して生ごみを乾燥する。なお、生ごみ処理部5に噴出した空気29は生ごみ処理部5の内面を流れて、かつ温度を上昇させるので、生ごみ処理部5の内面に凝縮水が付着することを抑制している。
【0030】
また、破砕装置2、固液分離装置3、送風手段16、加熱手段21の動作は、制御手段(図示せず)によって制御されている。
【0031】
また、生ごみから発生した蒸気を大量に含んだ空気29は、送風手段16に吸引され流出側の送風循環通路15Aの入口17に流入する。そして、蒸気を大量に含んだ空気29は凝縮部8の貯留タンク10の下部に臨ませている流出側の送風循環通路15Aの出口18から貯留タンク10に貯留した水9に向かって噴出し、気泡30となって上昇し貯留した水9表面に向かって流れる。その際、貯留した水9に水冷されて空気29の温度が速やかに低下し、空気29の飽和蒸気圧が下がり空気中の蒸気が凝縮する。そして、凝縮水は直接、または凝縮部8内面付着後に、貯留した水9に混じる。この時、空気29が貯留した水9内を気泡30となって通過するので、生ごみから発生する水蒸気に含まれる水9に溶解する臭気成分(例えば、トリメチルアミン、アンモニア、硫化水素など)は、貯留した水9と空気29との接触面積(気泡の表面積)が非常に広い分、貯留した水9に十分に溶けるので、臭気が確実に抑えられるようにしている。
【0032】
また、水9に溶解しない臭気成分(例えば、メチルメルカブタンなど)は、水蒸気が除去された空気29と共にそのまま送風循環通路15Bの入口19から生ごみ処理部5に送られる。この水9に溶解しない臭気成分を含んだ空気29に、送風循環通路15Bの途中に設ける噴出口28からオゾン供給手段24によりオゾンガス27を噴出して生ごみ処理部5に送風する空気29に混入しながら水9に溶解しない臭気成分を脱臭している。生ごみ処理部5には、脱臭した乾燥空気が送られ、生ごみ処理部5内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないようにしている。
【0033】
以上のように、本実施の形態においては、水9に溶解しない臭気成分は、送風循環通路15Bでオゾンガス27を混入するので、この水9に溶解しない臭気成分を還元して脱臭し、生ごみ処理部5に脱臭した乾燥空気が送られるので、生ごみ処理部5内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないようにすることができる。
【0034】
また、本実施の形態では、送風循環通路15Bに流入するオゾンガス27の一部が生ごみ処理部5に噴出するので、生ごみから発生した蒸気を大量に含んだ空気29にもオゾンを供給し脱臭を促進することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、オゾン発生器25とオゾン発生器25に空気を供給する空気供給手段26を備え、この空気供給手段26によりオゾン発生器25からオゾンをオゾンガス27として搬送し、生ごみ処理部5に送風する空気29にオゾンガス27を混入させるように構成したので、空気供給手段26により安定した空気量をオゾン発生器25に供給し、オゾン濃度を一定に保つので、水9に溶解しない臭気成分を適正に還元して脱臭し、生ごみ処理部5内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないようにすることができる。
【0036】
また、本実施の形態では、空気供給手段26により安定した空気量をオゾン発生器25に供給し、オゾン発生量を一定に保つので、オゾンが人体に悪影響を与えるような空気中の濃度(日本産業衛生学会によればオゾン濃度0.1〜0.3ppmで呼吸器の刺激とあるので、オゾンガス27が漏れ出してもこれ以下の濃度にする必要がある)にならないように設定でき、オゾンガス27の発生により生ごみ処理部5内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないようにすることができる。
【0037】
また、本実施の形態では、送風手段16は、生ごみ処理部5からの流出側の送風循環通路15Aの途中に設けたことにより、生ごみ処理部5の生ごみから発生する水蒸気に含まれる臭気成分が送風手段16に吸引され凝縮部8に送られ、生ごみ処理部5が負圧状態に保たれるので、生ごみの乾燥処理中に生ごみ処理部5から臭気が漏れ出すことを防止することができる。
【0038】
また、本実施の形態では、凝縮部8は貯留した水9の水位を検出する水位検出部22を備え、この水位検出部22の出力が所定値を超えた場合、貯留した水9を排水管14から排水した後、再度給水管12から水を溜めるよう構成したので、凝縮部8に貯留した水9の水量を凝縮に適した貯留量に保ち、凝縮能力の低下を防止することができる。また、凝縮部8に貯留した水9は、水位が高くなると入れ替えるので、貯留した水9の温度と臭気成分の濃度が一定の範囲に制御され、凝縮部8の凝縮能力が安定し、臭気を抑えることができる。
【0039】
また、本実施の形態では、オゾン供給手段24は、凝縮部8が貯留した水9を排水管14から排水した後、再度給水管12から水9を溜める動作を行っている時は、オゾンガス27の供給を停止するので、生ごみ処理部5に送風される空気量が減少し、オゾン濃度が上昇して送風循環通路15や生ごみ処理部5を劣化させ破損させることを防止することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、オゾン供給手段24は、生ごみ処理部5から乾燥した生ごみを取り出す動作を行っている時は、オゾンガス27の供給を停止するので、送風循環通路15から生ごみ処理部5に送られたオゾンガス27が生ごみ処理部5から外部に放出されることを防止し、生ごみ処理部5内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時にオゾンガス27により周囲環境を悪化させないようにすることができる。
【0041】
また、本実施の形態では、生ごみから発生した蒸気を大量に含んだ空気29を外気による空冷でなく、熱伝導率の高い液体、水9で直接水冷したので、凝縮部8の凝縮能力を増加することができる。具体的には、固液分離装置3から生ごみ処理部5に大量の生ごみが投入され、蒸気が生ごみ処理部5で大量に発生した場合でも、大量の蒸気が凝縮部8で凝縮するので、大量の生ごみが短時間で乾燥できる。
【0042】
また、本実施の形態では、凝縮後の空気(飽和蒸気圧)29は生ごみ処理部5への流入側の送風循環通路15Bの入口19に流入して、空気29の循環が形成される。他方、生ごみから発生する蒸気に含まれる臭気成分(例えば、トリメチルアミンなど)は凝縮水や貯留した水9に溶けるので、臭気を抑えることができる。また、生ごみ由来のイオウや窒素により酸性化した凝縮水は、この凝縮水に比べて大量に貯留した水9より希釈されるので、問題はない。
【0043】
また、本実施の形態では、水位検出部22は、水位を検出する際に送風手段16を停止するよう制御手段(図示せず)によって制御することで、貯留タンク10に貯留した水9の液面が安定して水位検出部22の検出精度を向上することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、凝縮水が貯留した水9に混ざり続けると、当然貯留した水9の水位が上がるので、水位検出部22は適宜(例えば15分間隔)水位を検出し、水位検出部22の出力が設定した所定の閾値を超えた時、開閉弁32を開けて、外気吸気手段31から外気を取り入れるので、生ごみ処理部5と送風循環通路15と貯留タンク10内が負圧になることを防止し、開閉弁13を開けて貯留した水9を排水管14からスムーズに排水することができる。次に、開閉弁13を閉じてから、開閉弁11を開けて給水管12から再び水9を貯留タンク10に溜め、開閉弁32を閉じて水9の入れ替えをスムーズに完了することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、触媒脱臭部が不要になり、触媒を400℃以上に加熱する必要がなく加熱手段21は小さな能力でよく、また断熱は簡素な構成でよいので、低コスト化を図ることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、空気29は必要以上に高温になることはないので、生ごみの高温熱分解による大量の臭気成分発生が防止できる。
【0047】
また、本実施の形態では、攪拌手段6が回転して生ごみを攪拌している期間、送風手段16は停止するよう制御手段(図示せず)によって制御することにより、攪拌手段6の攪拌により乾燥した細かな生ごみが飛散して循環する空気に運ばれることが防止できる。この結果、細かな乾燥した生ごみが、生ごみ処理部5から誤って排出されることなく、凝縮部8、送風手段16、加熱手段21に生ごみが付着することを防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、生ごみ処理部5に排出された生ごみの乾燥が進むと、生ごみから発生する蒸気は減少し、当然凝縮部8での凝縮水の発生も減少する。そこで、水位検出部22の出力が所定期間(例えば3時間)増加しない場合、生ごみ処理部5内の生ごみが十分に乾燥、減量化されたと判断でき、ギアドモータ7、送風手段16、加熱手段21を停止するよう制御手段(図示せず)によって制御することで省エネを図ることができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、給水管12から供給される水9が、水道水の場合、貯留タンク10に貯留した水9が水道水の供給側に逆流しないようにシスターンのような縁切り構成を設けることも可能である。
【0050】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における生ごみ乾燥処理装置を示している。実施の形態1と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0051】
本実施の形態において、実施の形態1と異なるところは、オゾン供給手段24は、オゾン発生器25に空気を供給する空気供給手段26を、送風循環通路15の途中に設けた送風手段16で兼ねる構成とした点である。また、オゾン発生器25は、送風循環通路15Bの入口19の下流側に配置するようにしている。
【0052】
以上のように構成された生ごみ乾燥処理装置において、その動作を説明する。
【0053】
オゾン発生器25には、空気供給手段26により凝縮部8で大量の水蒸気を除去した乾燥した空気29が送られ、その乾燥した空気29によりオゾン発生器25から押し出されたオゾンガス27により水9に溶解しない臭気成分を適正に還元して脱臭し、生ごみ処理部5内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないようにしている。
【0054】
以上のように、本実施の形態では、送風循環通路15の途中に設ける空気供給手段26によりオゾン発生器25に直接空気29を送り、専用の送風手段を必要としないので、コストアップを防止できる。
【0055】
また、オゾン発生器25には、凝縮部8で水9の温度まで露点温度を下げ除湿された空気29を供給するので、オゾンの発生効率を低下させないようにすることができる。
【0056】
なお、オゾン発生器25の上流側の送風循環通路15Bに除湿機33を設けて、空気29の水分を除去して乾燥し、さらに露点温度の低い空気29をオゾン発生器25に送り、オゾンの発生効率を向上させることも可能である。また、この時の除湿機33は、ペルチェ素子などを用いて空気29を冷却することが可能である。
【0057】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における生ごみ乾燥処理装置を示している。実施の形態1と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
本実施の形態において、実施の形態1と異なるところは、凝縮部8は、貯留した水9の温度を検出する凝縮温度検出部34を備え、凝縮温度検出部34の出力が所定値を超えた場合、貯留した水9を排水管14から排水した後、再度給水管12から水9を溜めるよう構成した点である。また、凝縮温度検出部34は、熱電対やサーミスタで構成され、貯留した水9の水温を直接計測するか、または貯留タンク10の外壁の一部を計測することでモニターを行っている。
【0059】
以上のように構成された生ごみ乾燥処理装置において、その動作を説明する。
【0060】
貯留した水9の水温を検出する凝縮温度検出部34の出力が所定値を超えると、貯留した水9を排水管14から排水した後、再度給水管12から水を溜めるようにして、凝縮部8に貯留した水9の水量を凝縮に適した貯留量と水温に保つようにしている。
【0061】
以上のように、本実施の形態では、凝縮温度検出部34により凝縮部8に貯留した水9の入れ替えのタイミングを把握して、新鮮な水9を供給することができるので、凝縮部8の凝縮能力の低下を防止することができる。
【0062】
また、凝縮部8に貯留した水9は、水位が高くなると入れ替えるので、貯留した水9の温度と臭気成分の濃度が一定の範囲に制御され、凝縮部8の凝縮能力が安定し、臭気を抑えることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、凝縮温度検出部34は、水位を検出する際に送風手段16を停止するよう制御手段(図示せず)によって制御することで、貯留タンク10に貯留した水9の液面が安定して凝縮温度検出部34の検出精度を向上することができる。
【0064】
また、本実施の形態では、凝縮水が貯留した水9に混ざり続けると、当然貯留した水9の水温が上がるので、凝縮温度検出部34は適宜(例えば15分間隔)水温を検出し、凝縮温度検出部34の出力が設定した所定の閾値を超えた時、開閉弁32を開けて、外気吸気手段31から外気を取り入れるので、生ごみ処理部5と送風循環通路15と貯留タンク10内が負圧になることが防止し、開閉弁13を開けて貯留した水9を排水管14からスムーズに排水することができる。次に、開閉弁13を閉じてから、開閉弁11を開けて給水管12から再び水9を貯留タンク10に溜め、開閉弁32を閉じて水9の入れ替えをスムーズに完了することができる。
【0065】
なお、上記した各実施の形態1〜3の構成は、必要に応じて適宜組み合わせることができるものであり、各実施の形態そのものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる生ごみ乾燥処理装置は、生ごみ処理部内の乾燥生ごみや乾燥途中の生ごみを取り出す時に周囲環境を悪化させないものであるので、生ごみ乾燥処理装置全般に適用できる。特に、台所使用する場合には最適である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1における生ごみ乾燥処理装置の構成を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態2における生ごみ乾燥処理装置の構成を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態3における生ごみ乾燥処理装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
【0068】
5 生ごみ処理部
8 凝縮部
15 送風循環通路
16 送風手段
21 加熱手段
22 水位検出部
24 オゾン供給手段
25 オゾン発生器
26 空気供給手段
34 凝縮温度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみを乾燥する生ごみ処理部と、この生ごみ処理部に発生する蒸気を凝縮する水を貯留した凝縮部と、生ごみ処理部と凝縮部を循環する空気の流れを形成する送風手段と、これら生ごみ処理部、凝縮部および送風手段を循環状に連通した送風循環通路と、この送風循環通路における凝縮部から生ごみ処理部への通路途中にオゾンガスを混入するオゾン供給手段とを備えた生ごみ乾燥処理装置。
【請求項2】
オゾン供給手段は、オゾン発生器とオゾン発生器に空気を供給する空気供給手段とを備えた請求項1に記載の生ごみ乾燥処理装置。
【請求項3】
オゾン発生器に空気を供給する空気供給手段を、生ごみ処理部と凝縮部を循環する空気の流れを形成する送風手段で兼ねる構成とした請求項2に記載の生ごみ乾燥処理装置。
【請求項4】
送風手段は、生ごみ処理部から凝縮部への送風循環通路の途中に設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の生ごみ乾燥処理装置。
【請求項5】
凝縮部は貯留した水の水位を検出する水位検出部を備え、水位検出部の出力が所定値を超えた場合、貯留した水を排水した後、再度水を溜めるよう構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の生ごみ乾燥処理装置。
【請求項6】
凝縮部は貯留した水の温度を検出する凝縮温度検出部を備え、凝縮温度検出部の出力が所定値を超えた場合、貯留した水を排水した後、再度水を溜めるよう構成した請求項1〜5のいずれか1項に記載の生ごみ乾燥処理装置。
【請求項7】
オゾン供給手段は、凝縮部が貯留した水を排水した後、再度水を溜める動作を行っている時は、オゾンの供給を停止するようにした請求項5または6に記載の生ごみ乾燥処理装置。
【請求項8】
オゾン供給手段は、生ごみ処理部から乾燥した生ごみを取り出す動作を行っている時は、オゾンの供給を停止するようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載の生ごみ乾燥処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−28619(P2009−28619A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194171(P2007−194171)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】