説明

生ゴミ処理機用の熱風誘導口付き排水受け蓋

【課題】従来の生ゴミ処理機用の乾燥式熱風誘導システムは、投入口蓋の裏側に熱風誘導ボックス装置が取り付けられ、その誘導ボックス装置の内部に乾燥ゴミが入って取り除くことが困難で洗浄等が容易ではなかった。これは、投入口蓋と誘導ボックス装置が一体化で取り外しができないからである。また、熱風の送風及び排出の循環が悪いため乾燥効率が良くなかった。これらも、熱風の循環経路が悪いからである。
【解決手段】 熱風を送風するフード付きの熱風出口と、熱風の排出口及び排水孔を設けた排水受け蓋を形成して投入口蓋とそれぞれ分離する。排水受け蓋を生ゴミ入れ排水カゴ容器の開口上面位置に装着し、投入口蓋を閉めて熱風の送風と排出の誘導手段を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流し台のシンク底面に設置された生ゴミ処理機用の熱風乾燥の加熱送風と排出による熱風誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、卓上据え置き型による生ゴミ処理機の熱風誘導システムとして、厨芥ごみ収納容器に、本体蓋を閉じて蓋裏側から、熱風の送風と、排気とする吸気の誘導を施すものがあった。(例えば、特許文献1参照)
また、流し台のシンク底面に設置した生ゴミ処理機のもので、シンク底面下方部に、外容器とゴミ入れ容器とする脱着内容器を垂下させて、各容器の上端部から熱風の吹き出し口と、熱風及び臭気排出とした臭気排出孔を配設したものがあった。
(例えば、特許文献2参照)
更に、流し台のシンク底面に設置した生ゴミ処理機で、生ゴミ投入口蓋の裏側に熱風及び吸排出を導くための誘導ボックス装置が一体化となって装着されたものがある。
(例えば、特許文献3参照)
尚、上記特許文献2及び特許文献3においては、本願と出願人及び発明者が同様であって、背景技術として述べたものである。
【0003】
以下、特許文献に記載されている従来の熱風誘導システムについて説明する。
特許文献1においては、卓上据え置き型の家庭用生ゴミ処理機であって、これら図1〜図2によると、外側固定容器3の内部に厨芥ごみ収納容器4を装着して上面に、内蓋11を取り付けた一体化の本体蓋2を被せて閉じ蓋としている。
閉じ蓋をした本体蓋2の背面から、熱風循環風路ケース12と接し、内蓋11の内部に熱風吹出部11bと、熱風吸気部11cを設けて熱風誘導システムの手段としている。
【0004】
特許文献2においては、図1によると、生ゴミを入れる脱着内容器3の上端部に熱風の吹き出し口21と、熱風及び臭気排出用とする臭気排出孔26を設けて蓋1で覆い、熱風誘導システムの手段としている。
【0005】
特許文献3の図1では、投入口蓋5の裏側に、誘導ボックス装置6が一体化として取り付けられ、閉じ蓋と同時に誘導ボックス装置6を配置して熱風及び排気装置から熱風を送風するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2004−261660号公報
【特許文献2】 特開2005−113680号公報
【特許文献3】 特開2009−62807 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に述べた特許文献1による従来の生ゴミ処理機の熱風誘導システムは、卓上据え置き型であって、本発明の流し台のシンク底面に設置するものとは用途の相違があり、用いることができなかった。それは、流し台のシンク底面に設置しようとしても内蓋11と本体蓋2が一体化で、それらの内蓋11の内部を経由して熱風及び排出手段としており、流し台シンク底面に設置して洗浄や排水を流せる構造手段となされていないため構造的な用途の相違があるからである。
【0008】
特許文献2及び特許文献3によるものは、上述通り、本願と出願人及び発明者が同じで、これらのものは、本発明の流し台のシンク底面に設置されるものと同様であって、これらの熱風誘導システムを本発明は更に進歩性を有する改良手段を講じたものである。
【0009】
特許文献2による熱風誘導システムは、脱着内容器3の上端部位置に熱風の吹き出し口21と、熱風及び排気や臭気を排出させるための臭気排出孔26を設けて行なっていたが、熱風が効率よく生ゴミに向けられない欠点があった。それに排出においても高温熱風を直に臭気排出孔26から吸い込むこともあり無駄が多かった。
【0010】
特許文献3は、投入口蓋5の裏側に誘導ボックス装置6を一体化として取付けた熱風及び排出手段を行なう構造のものであったが、投入口蓋5と、誘導ボックス装置6が一体化のため排出時に、乾燥ゴミが誘導ボックス装置6の内部に入り、取り出すことが困難で洗浄等も不便であった。
それに、投入口蓋5の重量負担増にもなって開閉時に支障があり、更に蓋の開放時、生ゴミ入れ容器内が丸見えで不快で、スプーンや箸等が容器内に入り誤って羽根で攪拌したとき機械の損傷になっていた。それに、取り外した投入口蓋5の置き場所にも不自由であった。
【0011】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、流し台のシンク底面に設置した生ゴミ処理機の生ゴミ入れ容器内に異物混入等の防止と共に、容器内部を隠蔽し、且つ、熱風の送風及び排出とする熱風誘導システムを効率よく効果的におこなうことを目的とするものである
【課題を解決するための手段】
【0012】
流し台のシンク底面に各容器を垂下して設置した生ゴミ処理機用の熱風の送風及び排出とした熱風誘導システムにおいて、固定外容器の内部に装着された生ゴミ入れ排水カゴ容器の内側に、外部からの熱風送風路と連なる吹き出し口と、熱風排出路と連なる吸い込み口を上端部に設け、前記生ゴミ入れ排水カゴ容器の開口上面位置に、排水孔を形成した排水受け蓋を着脱自在に装着し、前記排水受け蓋に、前記吹き出し口と接する熱風出口と、前記吸い込み口と接する熱風排出口を設けると共に、前記熱風出口に熱風を生ゴミに導くための熱風誘導フードを設け、前記熱風排出口に、前記排水孔から熱風を吸気させて、前記排水受け蓋を熱風の送風と排出の誘導構造手段とした。
【0013】
上記の手段によって、生ゴミ投入口蓋を閉じて熱風乾燥を行なうことにより、熱風が熱風送風路から送られて排水受け蓋の熱風出口から吹き出される。排水受け蓋の熱風出口に設けられた熱風誘導フードが生ゴミに向けられて高温を誘導し、効率よく乾燥に導くことができるようにする。排出は、生ゴミ入れ排水カゴ容器の上方面に上がった低温の熱風を排水受け蓋に形成した排水孔から吸気され、熱風排出口を経由して熱風排出路に導く。
【0014】
上記の構造手段により、排水受け蓋に、熱風の出口及び誘導フードと、排出口の各誘導口をそれぞれ設けて優れた特徴を持たせる。
【0015】
そして、排水受け蓋に設けられた排水孔は、無数のパンチング丸孔状に形成し、熱風の吸気と排水を促すと同時に、スプーンや箸等の異物落下防止し、更に排水カゴ容器の内部を見えにくく隠蔽することである。
【0016】
また、排水受け蓋の内部にスペースを設けて、洗浄中の一時的残滓受けや、熱風乾燥中の熱風吸気時、熱風をスペースで滞留させて低温排出に導くようにする。
【0017】
更に、排水受け蓋を生ゴミ入れ排水カゴ容器から取り外して、その排水受け蓋を生ゴミ投入口蓋の裏側位置に着脱自在に装着する手段を施す。
生ゴミ投入口蓋の裏側に装着した排水受け蓋は置き場所にも不自由せず、同時に開閉もでき、開放して残滓をすばやく生ゴミ入れ排水カゴ容器に投入できるようにする。
【発明の効果】
【0018】
上述したように本発明の熱風誘導口付き排水受け蓋は、排水孔で吸気と排水を促すと共に、カゴ容器の内部の隠蔽にもなり、更に内部のスペースによって、一時的残滓受けや異物混入の落下防止受けに役立ち、熱風を滞留させて低温排出に導き便利である。
それに、生ゴミ投入口蓋と分離されているため、乾燥ゴミなどの清掃、洗浄が容易となる。
【0019】
また、排水受け蓋に生ゴミ投入口蓋を閉じた時、熱風出口から吹き出る熱風を熱風誘導フードによって、熱風を生ゴミに誘導して効率よく乾燥に導くことができる。
【0020】
本発明の熱風誘導口付き排水受け蓋は、熱風を効率よく吹き出しと排出を集中させることができて非常に便利である。
【0021】
排水受け蓋の置き場所がない場合、生ゴミ投入口蓋の裏側に装着でき、しかも装着したまま開閉もでき、開放して直接生ゴミ入れ排水カゴ容器に生ゴミをすばやく投入して、閉じ蓋することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 本発明の第一実施形態を示す熱風誘導システムの側面断面図
【図2】 同上の本発明の排水受け蓋の斜視図
【図3】 同上の排水受け蓋を投入口蓋の裏側に装着した側面断面図
【図4】 本発明の第二実施形態を示す熱風誘導システムの側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図2に基づくと、流し台のシンク底面1の下方部に、外容器2を垂下し、その外容器2の内部に、生ゴミ入れ排水カゴ容器3を垂下して装着した。生ゴミ入れ排水カゴ容器3には、無数の容器用排水孔5を形成し排水を促し、中央底部に攪拌羽根6を取り付けて生ゴミを攪拌する。尚、シンク底面1に垂下して取り付けた外容器2の連結部21の部分を樹脂製や断熱構造材を用いて周囲を覆うと高温乾燥中、断熱効果が発揮し、シンク等に熱が伝わらなくて良い。
【0025】
生ゴミ入れ排水カゴ容器3の内部側に、熱風送風循環装置22による外部からの熱風送風路7と連ねた熱風の吹き出し口8と、熱風排出路9と連ねた排出の吸い込み口10を設けた。
【0026】
垂下された生ゴミ入れ排水カゴ容器3の上面位置に、排水受け蓋11を装着し、その上面に生ゴミ投入口蓋18を閉じて熱風の送風と排出の誘導を施す手段を講じる。
【0027】
排水受け蓋11には、熱風出口12を設け、その熱風出口12の周囲を高温熱風が生ゴミ13に効率よく向くように熱風誘導フード14を形成して覆い、生ゴミ13に導くようにする。
排水受け蓋11の底及び周囲に、パンチング丸孔状の排水孔15を形成して排水や、排出の吸気を促す。必ずしも丸孔状とは限らず、網状であれば用を成すものであるから用途によって形成すればよい。
【0028】
そして、排水受け蓋11の内部側に熱風排出口16を設けて、内部にスペース17ができるように形成する。
排水受け蓋11を生ゴミ入れ排水カゴ容器3に装着時、吹き出し口8に熱風出口12が接すると同時に、熱風排出口16も吸い込み口10に接するように配置する。
配置した排水受け蓋11の上部面に、生ゴミ投入口蓋18を閉じて、熱風及び排出の誘導によって生ゴミ13の熱風乾燥処理を行なう。
【0029】
図3は、必要に応じて、排水受け蓋11を、生ゴミ投入口蓋18の裏側へ着脱自在に固着ロック19等で固定し、生ゴミ投入口蓋18と共に、開閉を行なえるように一体化とした。排水受け蓋11の置き場所も困らないで邪魔にならず、直接すばやく生ゴミ入れ排水カゴ容器3に生ゴミを投入することができる。
【0030】
図4で示す第二実施例として、生ゴミ入れ排水カゴ容器3の上端部に、直接熱風誘導フード14を設けて熱風出口12とし、その上にフラット状の排水蓋20を被せ、生ゴミ投入口蓋18で覆ってもよい。
【0031】
更に、第三実施例として、図4の生ゴミ投入口蓋18の裏側部分に熱風誘導フード14のみを一体化として形成してもよく、その場合には、図4の生ゴミ入れ排水カゴ容器3に設けた熱風誘導フード14と排水蓋20は、取り除いて使用すればよい。
しかしこれらの方法は、熱風の誘導効率が第一実施例で示した方法と異なり、性能はあまりよくないものの、用いることもできるためほかの実施例として述べたものである。
【0032】
上述のように、本発明の排水受け蓋11を用いて、熱風の加熱送風と排出の誘導構造手段とした熱風乾燥方法によるものであるが、必ずしもそのような方法とは限らず、例えば、周知の電熱ヒーターや、誘導加熱するIH加熱手段を行なった場合でも、排出又は排気手段が必要であるから、本発明の排水受け蓋を利用することができ、その場合、本発明の熱風乾燥式とは異なるため、熱風出口12及び熱風誘導フード14を除いて用いればよい。
熱風加熱乾燥方法は、容器に乾燥ゴミがこびりつかない長所がある。
【符号の説明】
【0033】
1 シンク底面
2 外容器
3 排水カゴ容器
7 熱風送風路
8 吹き出し口
9 熱風排出路
10 吸い込み口
11 排水受け蓋
12 熱風出口
14 熱風誘導フード
15 排水孔
16 熱風排出口
17 スペース
18 生ゴミ投入口蓋
21 連結部
22 熱風送風循環装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流し台のシンク底面に設置した生ゴミ処理機用の乾燥式熱風誘導システムにおいて、外容器の内部に装着された生ゴミ入れ排水カゴ容器の内側に、外部からの熱風送風路と連なる吹き出し口と、熱風排出路と連なる吸い込み口を上端部に設け、前記生ゴミ入れ排水カゴ容器の開口上面位置に排水孔を形成した排水受け蓋を着脱自在に装着し、前記排水受け蓋に、前記吹き出し口と接する熱風出口と、前記吸い込み口に接する熱風排出口を設けると共に、前記熱風出口に熱風誘導フードを設けて、前記排水受け蓋を熱風の送風と排出の誘導手段とすることを特徴とした生ゴミ処理機用の熱風誘導口付き排水受け蓋
【請求項2】
排水受け蓋を生ゴミ投入口蓋の裏側位置に着脱自在に装着を行なう手段とした請求項1記載の生ゴミ処理機用の熱風誘導口付き排水受け蓋

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−122322(P2012−122322A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−219603(P2011−219603)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(594195719)
【Fターム(参考)】