説明

生体内デバイスのトラッキングカーブをモデル化するためのシステムおよび方法

【課題】結腸の生体内データを取り込んでいる生体内デバイスのトラッキングカーブをモデル化するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】結腸内の所定の場所に相当する1以上の節目のデータポイントを同定するために、生のトラッキングカーブについてデータ解析が行なわれる。モデル化経路は、選択された節目のデータポイントの間に、および該データポイントに沿って規定されうる。生のトラッキングカーブ・データはモデル化経路に沿ったモデル化データに変換される場合がある。モデル化されたトラッキングカーブは、取り込まれた結腸の生体内画像フレームのストリーミング表示と並べて表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の技術分野)
[001]本発明は、生体内感知デバイスを追跡する分野に関し、より詳細には結腸を通る生体内感知デバイスのトラッキングカーブのモデル化に関する。
【背景技術】
【0002】
(本発明の背景技術)
[002]生体内撮像システムは、例えば診断病理学に用いることが可能である。例えば、生体内デバイスによって取り込まれた画像ストリームを調べることによって病変が検出された場合、医師はその病変が検出された場所を胃腸(GI)管に沿って確証したいかもしれない。病変の場所は、治療のためにその場所に接近するのが容易であるかどうか、および/またはその病変の性質に関して、価値のある情報を医師に提供する可能性がある。
【特許文献1】米国特許第4,219,821号明細書
【特許文献2】米国特許第4,278,077号明細書
【特許文献3】米国特許第4,329,881号明細書
【特許文献4】米国特許第4,963,823号明細書
【特許文献5】米国特許第5,042,486号明細書
【特許文献6】米国特許第5,211,165号明細書
【特許文献7】米国特許第5,279,607号明細書
【特許文献8】米国特許第5,429,132号明細書
【特許文献9】米国特許第5,515,853号明細書
【特許文献10】米国特許第5,592,180号明細書
【特許文献11】米国特許第5,604,531号明細書
【特許文献12】米国特許第5,697,377号明細書
【特許文献13】米国特許第5,697,384号明細書
【特許文献14】米国特許第5,736,958号明細書
【特許文献15】米国特許第5,913,820号明細書
【特許文献16】米国特許第5,993,378号明細書
【特許文献17】米国特許第6,172,640号明細書
【特許文献18】米国特許第6,188,355号明細書
【特許文献19】特許第4109927号明細書
【特許文献20】特許第5745833号明細書
【特許文献21】特許第6154191号明細書
【特許文献22】特許第6285044号明細書
【特許文献23】特許第711985号明細書
【特許文献24】特許第7255692号明細書
【特許文献25】特開2001−46358号明細書
【特許文献26】特開2001−231186号明細書
【特許文献27】特開2001−231187号明細書
【特許文献28】特開2003−19111号明細書
【特許文献29】米国特許第6,190,395号明細書
【特許文献30】米国特許第6,233,476号明細書
【特許文献31】米国特許第6,240,312号明細書
【特許文献32】米国特許第6,453,190号明細書
【特許文献33】米国特許第6,580,938号明細書
【特許文献34】米国特許第6,690,963号明細書
【特許文献35】米国特許第6,904,308号明細書
【特許文献36】米国特許第6,934,573号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2002−0103417
【特許文献38】米国特許出願公開第2003−0013370
【特許文献39】米国特許出願公開第2003−0167000
【特許文献40】米国特許出願公開第2003−0208107
【特許文献41】米国特許出願公開第2004−0225223
【特許文献42】米国特許出願公開第2005−0148816
【特許文献43】米国特許出願公開第09/800,469
【特許文献44】米国特許出願公開第09/881,810
【特許文献45】米国特許第7,009,634号明細書
【特許文献46】特開2006−138725号明細書
【特許文献47】国際公開第98/11816号パンフレット
【特許文献48】国際公開第99/32028号パンフレット
【特許文献49】国際公開第00/10456号パンフレット
【特許文献50】国際公開第01/06917号パンフレット
【特許文献51】国際公開第01/08548号パンフレット
【特許文献52】国際公開第03/021529号パンフレット
【特許文献53】国際公開第03/028224号パンフレット
【特許文献54】国際公開第04/036803号パンフレット
【特許文献55】国際特許出願第PCT/IL01/00217号
【特許文献56】イスラエル国特許出願第143260号明細書
【特許文献57】イスラエル国特許出願第175930号明細書
【特許文献58】欧州特許出願公開第0667115号明細書
【特許文献59】欧州特許出願公開第1260176号明細書
【非特許文献1】「Localization of a wireless capsule endoscope in the GI Tract」、Gastrointestinal Endoscopy 2001, 53, AB126
【非特許文献2】ナム(Nam )ら、「A method for Position Detection of the wireless capsule endoscopes Module Using the Solution of Nonlinear Simultaneous Equations」、Sensors Conference 2002, p 377
【非特許文献3】ナム(Nam )ら、「A method for Position Detection of Miniaturized Telemetry Module Using the Solution of Nonlinear Simultaneous Equations 」、2002年
【非特許文献4】拒絶理由通知書、2004年5月18日、米国特許出願第10/150,018号、
【非特許文献5】拒絶理由通知書、2006年3月31日、出願番号第020102703号
【非特許文献6】拒絶理由通知書、2006年7月25日、出願番号第020102703号
【非特許文献7】拒絶理由通知書、2006年6月29日、出願番号第020102703号
【非特許文献8】パーク(Park)ら、「A Technique for Position Detection of Miniatured Wireless Telemetry Module in the Human Body」、第32回国際ロボットシンポジウム会報(Proceedings of the 32nd ISR(International Symposium on Robotics))、2001年4月19〜21日、p.1888−1892
【非特許文献9】パーク(Park)ら、「Design of Bi-directional and Multi-Channel Miniaturized Telemetry Module for Wireless Endoscopy 」、2nd Annual International IEEE-EMBS Special Topic Conference on Microtechnologies in Medicine and Biology、2002年5月2〜4日、米国ウィスコンシン州マディソン、p.273−276
【非特許文献10】パーク(Park)ら、「Design of Miniaturized Telemetry Module for Bi-Directional Wireless Endoscopy 」、2002年5月2〜4日
【非特許文献11】パーク(Park)ら、「A Technique for Localization of Biomedical Telemetry Sensor in Human Body 」、Proceedings of the International Sensor Conference 2001 、韓国ソウル
【非特許文献12】インターネット<URL: www ibcdigital.com/ibc/animation_galleries/visualization >
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[003]GI管を撮像するためのいくつかの生体内のシステム、例えば飲み込むことが可能なビデオカプセル・システムは、長時間にわたって生体内感知デバイスの空間的配置を確認するためにトラッキング・システムを備えている場合がある。結腸に沿って移動する生体内デバイスの場所を追跡する場合、長時間にわたる生体内感知デバイスの空間的配置を、GI管に沿った生体内デバイスの配置および/または前進と関連付けるのは難しい場合がある。典型的には、トラッキング・データはノイズが多く、従来のフィルタリングではデータの質を改善するのには十分でない。
【0004】
[004]さらに、結腸は柔軟性を有しうるため、結腸の状態は時間とともに変わる可能性がある。飲み込むことが可能な自律型ビデオカプセルはその寸法が結腸の内腔直径よりも小さいと思われ、該ビデオカプセルは結腸を通り抜ける際に揺れ動いて転がる可能性がある。トラッキング・システムによって追跡された結腸を通るカプセルの移動は、不規則のようである。カプセルは、結腸のある区画では停滞する場合があり、別の区画では急速に通過する場合があり、また距離の点では後退する場合もある。そのため、医師にとっては、生体内デバイスの空間的位置のトラッキングカーブから、対象とする地点、例えば病変部が、結腸に沿ってどれくらいの距離に、あるいは結腸のどの区画内に検出されたのかを判読するのは難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要約)
[005]本発明のいくつかの実施形態は、例えば、結腸を通る生体内デバイスの位置に関するノイズの多いトラッキング・データを表示するための、モデルに基づいたトラッキング・システムおよびトラッキング方法を含みうる。
【0006】
[006]本発明のいくつかの実施形態は、結腸を通過する生体内デバイスの生のトラッキングカーブを、例えば、生のトラッキングカーブ上の、結腸内の所定位置に対応する節目のデータポイントを同定することと、生のトラッキングカーブ上の節目のデータポイントの間にモデル化経路を規定することと、生のトラッキングカーブの少なくとも一部分をモデル化経路に沿ったモデル化トラッキングカーブに変換することとによって、モデル化する方法またはシステムを含みうる。節目のデータポイントには、例えば結腸曲のポイント、結腸の特定区間、例えば盲腸、横行結腸、直腸、および/または小腸が挙げられる。その他のポイントも節目のデータポイントに含めることができる。
【0007】
[007]他の実施形態は、生のトラッキングカーブ上のデータポイントに対応する受信信号(例えば画像信号)の信号強度を決定することと、受信信号の信号強度に基づいて節目のデータポイントを同定することとを含みうる。
【0008】
[008]本発明の他の実施形態によれば、生体内で取り込まれた画像データを受信し、画像データを、例えば結腸区画検出ユニットによって解析して、生のトラッキングカーブ上の1つ以上の節目のデータポイントを同定することができる。他の例においては、1
つ以上の節目のデータポイントの同定はユーザに支援されてもよく、また少なくとも1つの節目のデータポイントを同定するためのユーザによる入力が受信されてもよい。
【0009】
[009]本発明のさらに別の実施形態によれば、システムおよび方法は、生体内デバイスによって取り込まれた画像フレームのストリーミング表示を行うことと、モデル化経路に沿って可動マーカーを表示して、画像フレームのストリーミング表示から目下表示されている画像フレームに対応する、生体内デバイスのモデル化位置を示すこととを含みうる。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態は、例えば、結腸のある区画を通る生体内デバイスの通過を検知するために、結腸区画検出ユニットを含みうる。
[0011]いくつかの実施形態は、例えば、結腸曲のポイントを通る生体内デバイスの通過を検知するために、結腸区画検出ユニットを含みうる。
【0011】
[0012]いくつかの実施形態は、例えば、結腸を通って前進する生体内デバイスのモデル化トラッキングカーブを表示するためのシステムを含みうる。
[0013]本発明の主題は、本明細書の結びの部分において特に提示されかつ明確に主張されている。しかしながら本発明は、構成および操作方法のいずれに関しても、そのコンテナ、特徴および利点もあわせて、以降の詳細な説明を参照し添付の図面とともに読むことで最もよく理解することができよう。
【0012】
[0023]当然ながら、単純かつ明確に例証するために、図面に示される要素は必ずしも一定の縮尺で描かれたものではない。例えば、一部の要素の寸法は、明確化するために他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、適切と思われる場合は、対応する要素または類似の要素を示すために図面間で参照番号が繰り返し用いられる場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
[0024]以降の詳細な説明においては、本発明の完全な理解のために多数の特定の細部について述べる。しかしながら、本発明がこれらの特定の細部を用いずに実行可能であることは当業者には理解されよう。他の実例では、本発明を不明瞭にしないために、周知の方法、処理手順、構成要素および回路については詳細に説明していない。
【0014】
[0025]考察の一部は生体内の撮像デバイス、システムおよび方法に関係しうるが、本発明はこの点に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、様々な他の生体内の感知デバイス、システムおよび方法と併用されてもよい。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、例えば、生体内のpH感知、生体内の温度感知、生体内の圧力感知、生体内の電気インピーダンス感知、生体内の物質または材質の検出、生体内の病状または病変の検出、生体内のデータ取得またはデータ分析、および/または様々な他の生体内感知のデバイス、システムおよび方法と共に使用されてもよい。
【0015】
[0026]本発明のいくつかの実施形態は、典型的には1回限りの使用または部分的に単回使用の検出デバイスおよび/または分析デバイスに関する。いくつかの実施形態は、受動的または能動的に体腔を通って前進する、例えば胃腸(GI)管を例えば自然なぜん動によって押し進められる、典型的には飲み込むことが可能な生体内デバイスに関する。生体内デバイスは、例えば感知デバイス、撮像デバイス、診断用デバイス、検出デバイス、分析デバイス、治療用デバイス、またはこれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、生体内デバイスは画像センサまたはイメージャを含みうる。他のセンサには、例えばpHセンサ、温度センサ、圧力センサ、その他の生体内パラメータのセンサ、
様々な生体内物質もしくは生体内化合物のセンサなどが含まれる。
【0016】
[0027]本発明のいくつかの実施形態によるデバイス、システム、および方法、例えば生体内の感知デバイス、受信システムおよび/または表示システムは、「In-vivo Video Camera System 」という表題のイダン(Iddan )らの米国特許第5,604,531号、および/または「Device for In-Vivo Imaging」という表題の2006年3月7日の米国特許第7,009,634号、および/または「Array System and Method for Locating and In Vivo Signal Source」という表題のフリッシュ(Frisch)らの米国特許第6,904,308号に記載された実施形態に類似している場合がある。これらの特許文献はその全体が参照によって本願に組込まれる。本明細書に記述されるようなデバイスおよびシステムは、その他の構成および/または構成要素のセットを有する場合もある。例えば、上記出版物の1つ以上に記述されたもののような、外部の受信機/記録装置ユニット、プロセッサおよびモニタ(例えばワークステーションになっているもの)は、本発明のいくつかの実施形態とともに使用するのに適している場合がある。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、内視鏡、ニードル、ステント、カテーテルまたは他の適切なデバイスを使用して実行される場合がある。
【0017】
[0028]図1は、本発明の実施形態による生体内の感知システムを概略的に示している。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、イメージャ846と、光源842と、電源845と、送信器841とを有する生体内撮像デバイス840を含みうる。いくつかの実施形態では、デバイス840は飲み込むことが可能なカプセルを使用して実装されうるが、他のタイプのデバイスまたは適切な実装が使用されてもよい。患者の体の外側には、例えば画像データ記録装置812があってよく、該記録装置は、例えばアンテナ、アンテナベルトもしくはアンテナアレイ810と、1以上の記憶装置802および/または819と、1以上のプロセッサ806および814と、ユーザ入力デバイス817と、モニタ818とを含むか、またはこれらに作動可能なように接続されている。1つの実施形態では、例えば記憶装置819、データプロセッサ814、ユーザ入力デバイス817および/またはモニタ818は、任意選択で、例えば多目的コンピュータもしくは専用コンピュータまたはコンピューティング・プラットフォームを備えうるワークステーション899として実装されてもよい。本発明の実施形態によれば、ワークステーションのデータプロセッサ814は結腸区画検出ユニット888を含みうる。結腸区画検出ユニット888は例えば専用のプロセッサでもよいし、ソフトウェアに実装されていてもよいし、あるいは別の方法で実装されていてもよい。他の例では、結腸区画検出ユニット888は、記録装置のプロセッサ806の中に全体または一部が含まれていてもよい。
【0018】
[0029]本発明の実施形態によれば、結腸区画検出ユニット888は、結腸内の所定の場所を含むかまたはその場所に対応する生のトラッキング・データ上の少なくとも1つの節目のデータポイントを検出および/または同定し、生のトラッキングカーブをモデル化されたカーブに変換することができる。さらに、結腸区画検出ユニット888は、例えばモニタ818に表示される、モデルに基づいたトラッキングカーブを構築しうる。他の例において、結腸区画検出ユニット888は、生のトラッキング・データ、画像データ、生のトラッキング・データのストリームおよび/または結腸内の特定の区画に対応する画像データを検出および/または同定し、結腸の特定の区画から取り込まれたデータとしてそのデータにマークを付すことができる。生のトラッキング・データおよび画像データに加えて他のデータが検出および/または同定される場合もある。結腸の特定の区画に対応するデータの検出および/または同定のために、例えば結腸区画検出器888による自動検出に加えてユーザ入力データを使用かつ/または実装することもできる。他の例では、同様のデバイス、システムおよび方法が、結腸に加えて、かつ/または結腸の代わりにGI管の他の区画を検出するために使用されてもよい。
【0019】
[0030]送信器841は、例えば無線周波数(RF)波の使用により、無線で作動してもよい。しかし一部の実施形態、例えばデバイス840が内視鏡内に含まれている実施形態では、送信器841は、例えばワイヤ、光ファイバおよび/またはその他の適切な方法によってデータを送信してもよい。
【0020】
[0031]デバイス840は典型的には飲み込むことが可能な自律型カプセルであってもよいし、該カプセルを含んでいてもよい。しかし、デバイス840は他の形状を有する場合もあり、飲み込むことが可能である必要も、自律型である必要もない。デバイス840の実施形態は典型的には自律型で、典型的に自己充足型である。例えば、デバイス840はカプセルまたは他のユニットであって、すべての構成要素がコンテナ内またはシェル内に実質的に含まれ、かつデバイス840が例えば電力または送信情報を受け取るためのワイヤまたはケーブルを要しないものである場合がある。
【0021】
[0032]記録装置812は、複数のアンテナ素子810a〜810zを有するアンテナおよび/またはアンテナアレイ810と、アンテナ選択器805と、受信器801と、データ記憶装置802と、受信信号強度インジケータ(RSSI)ユニット804と、プロセッサ806とを備えうる。データ記憶装置は、検出された生のトラッキングカーブ・データを格納しうる。代替実施形態では、データ記録装置812は他の組合せの構成要素を含んでいてもよく、上記の構成要素が他のユニットに分割されてもよい。RSSIユニット804は、受信器801が個々のアンテナ素子810a〜810zから受け取った信号の信号強度を測定しうる。またプロセッサ806は、受信信号を信号発生源(例えばアンテナ848によって送信された信号)の推定位置と関連づけるための計算を行なうことができる。プロセッサ806は他の機能を有する場合もあり、受信信号を信号発生源の推定位置とは関連づけない場合もある。アンテナ選択器805は、受信器801が信号を受け取る単一のアンテナ素子に対して信号経路を開くことができる。アンテナ選択器805は、すべてのアンテナ素子810a〜810zを走査するように設定されてもよいし、前記アンテナ素子のサブセットを走査するように設定されてもよい。走査の速度およびパターンは、受信信号の信号対ノイズ比を最大限にするように調節可能である。
【0022】
[0033]アンテナアレイは、体に固定されるか、体の上に装着されるかのうち少なくともいずれか一方である。また、アンテナアレイ810の2以上のアンテナ素子が、生体内デバイス840(例えば生体内デバイスのアンテナ848)からの信号を受け取ってもよい。複数の受信信号の信号強度が測定される場合もあり、信号発生源の推定位置は、信号強度の測定値から、例えば三角測量測定法の使用によって導き出すことができる。生のトラッキング・データ・カーブ、生のトラッキング・データおよび/または生のトラッキング・データ・カーブは、経時的な信号発生源の推定位置に基づいて、かつ/または該推定位置から導き出して、構築されうる。例えば、本願に組み込まれる米国特許第6,904,308号明細書に記述されるようにして生のトラッキングカーブが構築されてもよい。生のトラッキングカーブ、例えば生体内デバイスの空間的位置を示す位置センサに基づいたトラッキングカーブを構築する他の方法が実施されてもよい。生のトラッキングカーブ上のデータポイントに対応する受信信号、例えばアンテナアレイ810から受け取られた最も強い信号、の信号強度が測定されて保存されてもよい。
【0023】
[0034]いくつかの実施形態では、デバイス840は、データ表示、制御および/または他の機能を提供するために(例えば記録装置812を介して)外部の受信システムおよび表示システムと連絡してもよい。他の実施形態はその他の構成および性能を有しうる。例えば、構成要素が複数の部位またはユニット上に分布していてもよいし、制御情報が外部発信源から受け取られてもよい。本発明の実施形態によれば、記録装置812が生体内で取り込まれた画像データを受信して、結腸区画検出ユニット888が受信された画像データを分析する場合がある。いくつかの例において、結腸区画検出ユニット888お
よび/またはその機能性は、記録装置812内に部分的に組み込まれてもよいし完全に組み込まれてもよい。
【0024】
[0035]1つの実施形態では、デバイス840は、生体内ビデオカメラ(例えばイメージャ846)を備え、該ビデオカメラは、例えばGI管(例えば結腸)の画像を、デバイス840がGI内腔を通り抜ける間に取り込みかつ送信することができる。画像データ記録装置812は、画像データ(例えば結腸内部で取り込まれた画像フレーム)を受け取ることができる。
【0025】
[0036]1つの実施形態では、デバイス840内のイメージャ846は、送信器841に作動可能なように接続されうる。送信器841は例えば画像記録装置812に画像を送信することが可能であり、記録装置812は該データをデータプロセッサ814および/または記憶装置819へ送ることができる。送信器841はまた制御能力を備えていてもよいが、制御能力は別個の構成要素に備えられている場合もある。
【0026】
[0037]いくつかの実施形態では、イメージャ846は、例えば連続的に、ほぼ連続的に、または非離散的な方法で(例えば必ずしもオンデマンドではなく、または必ずしもきっかけとなる事象もしくは外的な活性化や外的刺激に依存せずに);あるいは周期的な方法、断続的な方法、またはそうでなければ非連続的な方法で、生体内の画像を得る場合がある。
【0027】
[0038]送信器841は、連続的またはほぼ連続的に、例えば必ずしもオンデマンドではなく、または必ずしもきっかけとなる事象もしくは外的な活性化や外的刺激に依存せずに画像データを送信することもできるし;周期的な方法、断続的な方法、またはそうでなければ非連続的な方法で画像データを送信することもできる。
【0028】
[0039]デバイス840は1以上の光源842を含みうる。光源842は、例えば、画像化かつ/または探知されている身体の管腔または内腔(体腔)を照射することができる。オプションの光学システム850は、任意選択でデバイス840に含めることが可能であり、反射光の焦点をイメージャ846上に合わせることや、その他の光処理操作の実施を支援することができる。
【0029】
[0040]データプロセッサ814は、記録装置812がデバイス840から受け取ったデータを分析することが可能であり、また例えば記憶装置819との間でフレームデータを送受信して記憶装置819と連絡していてもよい。データプロセッサ814は、分析データをモニタ818に供給してもよい。モニタ818では、ユーザ(例えば医師)は、例えば画像データ、感知データ、位置データ、運動性データまたはその他の情報などのデータを観察してもよいし、あるいはデータを使用してもよい。例えば、プロセッサ814は、モデル化された生のトラッキングカーブの表示を制御することができる。1つの実施形態では、データのリアルタイム処理および/または後処理のためにデータプロセッサ814および/または806が構成される場合がある。制御能力(例えば遅れ、タイミングなど)がデバイス840の外側にある場合、適切な外部装置(例えばデータプロセッサ814または画像記録装置812など)がデバイス840に1以上の制御信号を送信する場合がある。
【0030】
[0041]モニタ818は、デバイス840によって取り込まれた、かつ/または送信された1以上の画像または画像ストリーム、例えばGI管の画像または他の撮像された体腔の画像を表示することができる。1つの実施形態において、例えば、画像および該画像の位置または場所の両方、例えば生のトラッキングカーブは、モニタ818を使用して提示されても良いし、かつ/または記憶装置819を使用して格納されてもよい。収集し
た画像データおよび/または他のデータを格納および/または表示するその他のシステムおよび方法が使用されてもよい。
【0031】
[0042]いくつかの実施形態において、GI管またはその他の体腔の病理学的状態またはその他の状態を明らかにすることに加えて、かつ/または明らかにする代わりに、本発明の実施形態は、これらの状態の場所に関する情報を提供してもよい。適切なトラッキングデバイスおよびトラッキング方法は、本明細書中、ならびにいずれも本発明と同じ譲受人に譲渡され参照により完全に本願に組み込まれる前述の米国特許第5,604,531号明細書および/または「Array System and Method for Locating an In-Vivo Signal Source 」という表題の米国特許第6,904,308号明細書の実施形態に記載されている。その他の適切な位置同定システムおよび位置同定方法が本発明の実施形態に従って使用されてもよい。
【0032】
[0043]いくつかの実施形態では、デバイス840は、例えば0.5秒に1回画像を捕捉かつ/または取得することが可能であり、また記録装置812に該画像データを送信することができる。記録装置812は、送信された画像データを受け取ることができる。その他の一定かつ/または可変的な取り込み速度および/または送信速度を使用することもできる。
【0033】
[0044]任意選択で、デバイス840は、イメージャ846のようなセンサの代わりに、または該センサに加えて、1つ以上のセンサ843を含むことができる。センサ843は、デバイス840を取り囲む性状または特徴の1以上の値を、例えばイメージャ846による画像フレームの取り込みと同時に、例えば感知、検出、測定および/または計測することができる。例えば、センサ843は、pHセンサ、温度センサ、電気伝導度センサ、圧力センサまたはその他の任意の適切な生体内センサを含みうる。
【0034】
[0045]本発明のいくつかの実施形態に従って、生のトラッキング・データおよび/または位置確認データを、例えば、生体内デバイス840によって収集または送信された、位置データそのものとは別個のデータを使用して決定することが可能である。例えば、トラッキング・データは、生体内デバイス840から送られたデータ信号のような信号に内在していてもよいし、あるいは生体内デバイス840から送られたビーコン中にあってもよく、一方で感知データなどの他の追加データ(例えば画像データ、pHデータなど)は、トラッキング・データとは別々に送られてもよい。1つの実施形態では、感知データは生体内デバイス840によって収集された非トラッキング・データとみなすことができる。いくつかの実施形態では、トラッキング・データは、感知されたデータを主として含んでいるデータ信号に内在する場合もある。
【0035】
[0046]モニタ818は、例えば、好ましくは静止画および/または動画の形式の画像データと、モデルに基づいたトラッキングカーブとを示して、モニタ818上に示された画像データが収集されているとき生体内デバイス840が体腔内のどこに位置していたかを示すことができる。画像データ以外のデータがモニタ818上に示される場合もあり、モデルに基づいたトラッキングカーブにより、モニタ818上に示された該データが収集されているときに生体内デバイス840がどこに位置していたかを示すことができる。
【0036】
[0047]いくつかの実施形態においては、情報の収集、格納および処理が一定のユニットによって実施される一方で、本発明のシステムおよび方法は別の構成を用いて実施することもできる。いくつかの実施形態では、結腸区画検出ユニット888は、デバイス840(例えば飲み込むことが可能なカプセル)の内部に一部または全体が位置していてもよいし、あるいは別例として、患者が装着可能な携帯機器(例えば記録装置812)上
にあってもよい。更に、画像情報を収集する構成要素はカプセルに含まれている必要はなく、ヒトの体腔を通過するのに適した任意の他の手段、例えば内視鏡、ステント、カテーテル、ニードルまたは他の適切なデバイスなどに含まれている場合もある。
【0037】
[0048]図2Aは、本発明のいくつかの実施形態による、患者250の結腸200に沿って進む生体内デバイス840の概略図である。典型的には、結腸200は、「C」形の幾何学的形状を有し、結腸の横行区画220が通常は人体250の中心線の軸240と交差して体の右側から左側へとその内容物を輸送するようになっているものとして概略的に示すことができる。口を通して摂取された生体内デバイス840は、盲腸212を通って結腸200に入り、上行結腸210、横行結腸220および下行結腸230を過ぎて進んでから直腸を通って体から出ると思われる。右結腸曲214および左結腸曲216は結腸200の異なる区画の間の転移点と考えられる。結腸の横行区画220は、典型的には、人体250の中心線240を横切って伸び、人体250の中心線240を通りすぎて生体内デバイス840を輸送する。
【0038】
[0049]生体内デバイス840が結腸200に入るとき、デバイスはさらに前進する前にある期間盲腸212に滞在/滞留することがある。これは盲腸212の嚢のような構造によると考えられる。生体内デバイス840は、例えば数分から最大数時間盲腸212に滞在することがある。他の例では、生体内デバイスは盲腸で全く停止しない場合もある。生体内デバイス840が盲腸212の中にある間、生体内デバイス840は典型的には、生体内デバイス840の体積より一般に大きな盲腸212の容量の中で、不安定であり、転げ回り、かつ/または動き回ると思われる。流体の流れおよび/または収縮により、上行結腸210に沿った生体内デバイス840の移動が開始されることがある。生体内デバイス840が上行結腸を通り右結腸曲214を過ぎて結腸の横行区画220に入るには、典型的には約10分〜約5時間を要する可能性がある。その他の所要時間である可能性もある。例えば、生体内デバイスが結腸によって積極的に押し進められれば、所要時間はより短くなりうる。他の例において、食物および/または飲料の摂取が所要時間を変更する場合もある。結腸の横行区画の通過は一般に短時間、典型的には2秒〜30分であり、左結腸曲216を経て生体内デバイス840を下行結腸230の中へ押し進める。結腸の下行区画230の通過は、結腸の上行区画210の通過に類似する場合があり、約10分〜約5時間を要しうる。
【0039】
[0050]ここで、結腸を通って移動する生体内デバイスの生データのトラッキングカーブを示す図2Bを参照する。示されたトラッキングカーブは不規則のように見え、結腸の「C」形の像から予想される経路に従うようには見えないかもしれない。このカーブの不規則な動きは、他の理由と同様に生体内デバイスの位置を追跡する際に生じうる典型的な誤差に起因する場合がある。例えば、生体内デバイス840の信号発生源が受信アンテナ810に対する向きを変えると、信号強度が変わりうるほどの誤差が生じることがある。他の例では、異なるタイプの組織上では信号強度が様々な割合で減弱化し、その結果トラッキング・データにおける誤差の原因となる場合がある。他の例では、結腸と皮膚との間、または受信アンテナ810と結腸200との間の相対的な動きにより誤差が生じる場合がある。いくつかの例においては、結腸の典型的な形状が「C」形の幾何学的形状に似ていない場合もある。他の例では、結腸が、典型的には皮膚上に配置されたセンサに関して、例えば体の動きや結腸の収縮により移動する場合がある。そのような移動はトラッキングエラーを招くことがある。さらに、生体内デバイスの二次的な動き、例えば、揺動、回転、転倒、および振動は、生体内デバイスの主要な動きを不明瞭にする場合がある。いくつかの実施形態では、身体動作センサを使用して体の動きを計測し、後でトラッキング・データ情報から体の動きを取り除くことができるようになっていてもよい。
【0040】
[0051]これらの理由および他の理由のすべてにより、生体内デバイスの空間的な
位置、例えば受信アンテナに対する位置を感知して得られた生のトラッキングカーブを判読したり、利用したりすることは、医師にとって難しい場合がある。ある時点において、生体内デバイスが結腸の上行区画、横行区画および/または下行区画に存在するかどうか、あるいは生体内デバイス840が結腸200を通ってどの程度前進したかについて決定することは、医師にとって難しい場合がある。トラッキングカーブの一定の特徴を判読すること、および/またはより多くの情報を導入することによる、トラッキングカーブの自動解析により、トラッキングカーブを、結腸200を通る単純化された経路をモデル化する所定の経路を備えたモデル化された曲線に変換することと、それにより有用な位置決めツールおよび/またはトラッキング・ツールを医師に提供することが可能になる。例えば、医師は、特定のデータおよび/または画像が生体内デバイス840によって取得された結腸内の位置(または結腸の区画)に関する指標、ならびに結腸を通る生体内デバイス840の前進速度に関する指標を得ることができる。これは、結腸の特定の区画の病状、運動性および/または運動機能の指標を医師に与える可能性がある。
【0041】
[0052]ここで、本発明の実施形態によって生のトラッキング・データ・カーブをモデル化する方法について説明するフローチャートを示す図3を参照する。ブロック3000では、例えば生のトラッキング・データ・カーブ上の、結腸内の所定の位置に対応する節目のデータポイントが、本明細書において説明されるようにして検出されうる。一例において、節目のデータポイントの検出は、生のトラッキング・データの解析に基づいて結腸区画検出ユニット888によって行なわれる場合がある。別例において、節目のデータポイントの検出は、例えば記録装置812が受信した生体内で取り込まれた画像データ、生体内デバイス840によって収集された他のデータに基づいて、および/または収集されたデータの組合せに基づいて、結腸区画検出ユニット888によって行なわれる場合がある。さらに他の例において、節目のデータの検出は、少なくとも部分的にユーザおよび/またはヒース専門家によって行なわれる場合がある。節目のデータポイントの実例は例えば、盲腸、右結腸曲、左結腸曲および/または直腸のエリアに対応するデータポイントが挙げられる。他の例において、節目のデータの実例は、上行結腸、横行結腸および/または下行結腸内で取り込まれたデータポイントを含む場合もある。その他の節目のデータポイントが検出および/または同定されてもよい。
【0042】
[0053]ブロック3010では、生のトラッキングカーブ上に検出された節目のデータポイントの間のモデル化経路が、本明細書に記載されているようにしてモデル化されうる。1例において、モデル化経路は2つの節目のデータポイントの間の直線であってもよい。他の例において、モデル化経路は2以上の所定の節目のデータポイントの間に規定された曲線であってもよい。他のモデル化経路が規定される場合もある。いくつかの実施形態では、節目のデータポイントが、新たに規定されるモデル化位置に変換されてから、節目のデータポイントの間のモデル化経路が規定される場合がある。
【0043】
[0054]ブロック3020では、生のトラッキング・データおよび/または生のトラッキング・データの一部、例えば、検出された節目のデータポイントの近くおよび/または節目のデータポイントの間にある生のトラッキング・データは、本明細書に記載されているようにしてモデル化経路に沿ってモデル化されたトラッキング・データポイントに変換されうる。
【0044】
[0055]ブロック3030では、モデル化されたトラッキングカーブが表示されうる。1例において、該トラッキングカーブは、生体内デバイス840によって収集された画像データのストリーミング表示と一緒に表示されてもよい。例えば、生体内デバイス840に取り込まれて表示された画像フレームに対応する、モデルに基づいたトラッキングカーブ上の位置を、マーカーによってユーザ、観察者および/または医療従事者に示すことができる。他の例において、画像フレームのストリーミング表示が表示に含まれない場
合もある。他のステップおよび方法が実行される場合もある。
【0045】
[0056]ここで図4Aを参照すると、同図は、トラッキングカーブの実例を、本発明の実施形態により該トラッキングカーブに沿って検出された転移点とともに示す概略図を示す。また図4Bを参照すると、同図は、本発明の実施形態に従って検出された転移点に基づいて構築された、モデルに基づいたトラッキングカーブの概略図を示している。本発明の実施形態によれば、生体内デバイス840が結腸内の所定の位置、例えば、ポイント「1」として示した盲腸212、ポイント「2」として示した右結腸曲214、ポイント「3」として示した左結腸曲216、およびポイント「4」として示した直腸のような結腸内の転移点に位置しているときの、同デバイスの位置に対応する生のトラッキングカーブ上の節目のデータポイントは、本明細書に記載の方法によって同定可能である。ポイント「2」として示した右結腸曲214、ポイント「3」として示した左結腸曲216は、例えば結腸の横行区画422の入口ポイントおよび出口ポイントをそれぞれ示すことができる。本発明の実施形態によれば、同定された転移点間における生体内デバイス840の経路は、生のトラッキングカーブから得られた不規則な経路(図4A)から、例えば「C」形の経路を形成する3本の直線および/または曲線に従ったモデル化経路へと変換可能である(図4B)。他の例において、モデル化経路は、他の所定の形状および/またはモデル化された形状、例えば湾曲した「C」形を形成する3つの曲線、および/または典型的な結腸の形状の表現に類似した何らかの他の形状を有してもよい。1例において、節目のデータポイント、例えば転移点の位置は、結腸の典型的な「C」形を形成するために転移点のモデル化された位置に変換される場合がある。例えば、節目のデータポイントは、モデル化された節目のデータポイント、例えば所望のモデル化トラッキングカーブの形状を規定するポイントに変換されうる。モデル化経路は、モデル化された節目のデータポイントを接続する経路として表示されうる。他の例では、転移点、例えば生のトラッキングカーブ中の節目のデータポイントの位置を、モデル・トラッキングカーブ300の構築の間維持することが可能であり、モデル化経路は検出された節目のデータポイントを接続する経路として定義かつ/または表示されうる。
【0046】
[0057]1例において、節目のデータポイント「1」として示された盲腸と、節目のデータポイント「2」として示された右結腸曲との間の経路は、第1の直線経路、例えば直線をたどる経路としてモデル化されうる。生体内デバイス840が結腸の上行区画内を移動する間、生体内デバイス840は転げ回り、向きを変化させ、引き戻され、予想不可能な動きをする場合がある。生体内デバイス840の向きの変化および非体系的な前進、ならびに位置センサ(例えばアンテナアレイ810)に対する結腸200の動きは、生のトラッキングカーブに描かれるような結腸の上行区画を通る生体内デバイス840の前進を判読することを困難にする場合がある。この明らかに不規則な動きを、モデル化された直線に沿った前進に変換することは、結腸200に沿った生体内デバイス840の位置および前進を示すのを支援する場合がある。図4Bは、節目のデータポイント「1」と節目のデータポイント「2」との間の上行結腸についてモデル化された第1の直線経路の例を示す。モデル化された直線経路に沿った前後の動きは、モデル化経路に沿って後方または前方へ摺動するマーカーによって示すことができる。
【0047】
[0058]典型的には、結腸の横行区画の通過は短時間であり、生体内デバイス840は左結腸曲216を過ぎて下行結腸230内へ進む。図4Aでは、生のトラッキングカーブ上の左結腸曲216はポイント「3」として示されている。トラッキングカーブ上の左結腸曲216を検出する方法は本明細書に記述される通りであってよい。生体内デバイス840が横行結腸を通って進む速度に起因して、横行結腸220を通るトラッキングカーブは、図4Aに示されるとおり結腸の他の区画の間のトラッキングカーブより滑らかになりうる。
【0048】
[0059]本発明の実施形態によれば、右結腸曲の節目のデータポイント「2」と左結腸曲の節目のデータポイント「3」との間の経路は、節目のデータポイント「2」と節目のデータポイント「3」との間の線として図4Bに示されるような、第1の直線から伸びる第2の直線としてモデル化されうる。右結腸曲の節目のデータポイント「2」と左結腸曲の節目のデータポイント「3」との間の経路をモデル化する方法は、盲腸の節目のデータポイント「1」と右結腸曲の節目のデータポイント「2」との間の経路のモデル化について記載の方法に類似のものでよい。右結腸曲の節目のデータポイント「2」と左結腸曲の節目のデータポイント「3」との間の経路のモデル化に適した他の方法が使用されてもよい。
【0049】
[0060]結腸の下行区画230の通過は、結腸の上行区画210の通過に類似している可能性がある。結腸の下行区画230の通過にも、生体内デバイス840の不規則な動きおよび/または不規則なトラッキングカーブの形成を伴う可能性がある。本発明の実施形態によれば、左結腸曲「3」と直腸「4」との間の経路は、ポイント「3」とポイント「4」との間の線として図4Bに示されるように、第2の直線から伸びる第3の直線としてモデル化されうる。左結腸曲「3」と直腸「4」との間の経路をモデル化する方法は、盲腸「1」と右結腸曲「2」との間の経路のモデル化について記載された方法に類似のものでよい。その他の適切な方法が使用されてもよい。
【0050】
[0061]本発明の1つの実施形態によれば、モデルに基づいた経路に沿って前進する速度は生のトラッキングカーブに沿って前進する速度に比例しうる。例えば、生体内撮像デバイス840が、生のトラッキングカーブ(図4A)上で検出された盲腸ポイント「1」と右結腸曲ポイント「2」との間の経路に沿って中ほどまで前進した場合に、生体内撮像デバイス840は、モデルに基づいた経路(図4B)に沿ってポイント「1」とポイント「2」との間を中ほどまで前進したものとして示すことが可能である。これは、生のトラッキングカーブを直線化すること、例えば盲腸「1」と右結腸曲「2」との間の生のトラッキングカーブを直線化し、かつ場合によっては計測することと類似している場合がある。
【0051】
[0062]本発明の一実施形態において、生体内撮像デバイス840の前進をモデル化する場合、モデルに基づくカーブにおける二次的な動きの寄与は重視しなくてもよく、結腸に沿った生体内デバイス840の進行をよりよく表わすために、主要な動きの寄与を例えば重みづけによって強調することができる。例えば、生体内デバイス840の経路をモデル化する一方で、転倒、揺動、向きの変化のような二次的な動きを無視することが可能であり、または、生体内デバイスの前進モデルへの二次的な動きの寄与を低減かつ/または縮小させることが可能である。
【0052】
[0063]ここで図5を参照すると、同図は生のトラッキング・データポイントおよび/または生のトラッキング・データポイントの一部をモデルに基づいた曲線上に投影する方法の例を概略的に示している。例えば、盲腸(節目のデータポイント1)および右結腸曲(節目のデータポイント2)は、本明細書に記載されるようにして生のトラッキングカーブ上に同定されうる。その後、データポイント、例えば、生のトラッキングカーブに沿ったデータポイント(a、b、e、f)を、モデルに基づいた曲線に沿ってポイント(a’、b’、e’、f’)上に投影することが可能である。いくつかの例において、投影により二次的な動きの寄与が低減されると同時に、同定された節目のデータポイントの間における生体内デバイス840の相対的位置を十分に示すことができる。1例において、節目の間における前後の動きが同定される場合もある。例えば、生のトラッキングカーブ上ではポイント(e)はポイント(f)へと進むが、モデルに基づいたトラッキングカーブ上では対応するポイント(f’)はモデルに基づいたトラッキングカーブ上の投影ポイント(e’)より下方にあるポイントに投影される。この例では、該投影法により、投影
ポイント(e’)と(f’)との間において生体内デバイス840が距離に関して後退したことが示される。他の投影方法を使用して、生のトラッキングカーブに沿った動きをモデルに基づいた曲線に沿った動きに変換してもよい。
【0053】
[0064]主要な動きと二次的な動きとを区別するために1つ以上の方法を使用することができる。例えば、対応する画像データを調査して、生体内デバイス840が停滞している期間を検出してその期間の生のトラッキングカーブ・データの寄与を低減させることができる。別例として、対応する画像データを、生体内デバイス840が前進している期間を検出してその期間の生のトラッキングカーブ・データの相対的寄与率を増大させるために調査することもできる。他の例において、画像データ以外に生体内で収集されたデータを、主要な動きと二次的な動きとの区別を支援するために調査することもできる。さらに、生体内デバイス840の前進を測定するために画像データを調査および/または処理するその他の方法を、結腸を通る生体内デバイス840の前進をモデル化する際に実施することができる。
【0054】
[0065]本発明の他の実施形態によれば、モデルに基づいたトラッキングカーブは、単にユーザ(例えば医師)に対し、生体内デバイスがデータを取り込んでいる結腸の区画および/または生体内デバイスが所与の時点で位置している結腸の区画を示すだけではない場合がある。例えば、生体内デバイス840によって取り込まれた画像フレームのストリーミング表示と並べて結腸のモデルを表示することが可能であり、表示された結腸モデルの関連する区画を強調することができる。
【0055】
[0066]いくつかの例によれば、生体内デバイスは結腸の一部を通って一時的に後方に移動すなわち逆行する場合もあり、モデルに基づいたトラッキングカーブは前進と同様に後退を示すことがある。
【0056】
[0067]ここで図6を参照すると、同図は、本発明のいくつかの実施形態による、結腸を通過する生体内デバイス840の、モデルに基づくトラッキングの方法について説明するものである。ブロック6410では、盲腸内への生体内デバイス840の到着が検出されうる。本発明の1つの実施形態によれば、ユーザは、生体内デバイス840が盲腸に到着した画像ストリームに沿ってポイントを示すように入力を促されうる。別の例では、データ解析に基づいた盲腸の自動検出が実施されうる。1つの実施形態によれば、自動検出は取り込まれた画像データに基づくものでもよい。例えば、取り込まれた画像データの色の変化および/または特定の変化により、盲腸への到着が示されてもよい。別の例では、盲腸の内腔壁の構造が、小腸の内腔壁の構造とは識別可能な違いを有する場合もある。例えば盲腸内には絨毛がない。例えば、内腔壁の動脈様構造および/または静脈様構造のような血管の識別を用いて、盲腸内への入口を検出してもよい。検出は、小腸と比較した盲腸の典型的な構造に基づくとよい。例えば、盲腸は小腸と比較して一般に比較的容積の大きい内腔であり、検出は、内腔の容積の変化に基づいてもよい。別の例では、自動画像分析は、小腸と比較して盲腸に典型的な、組織の襞を検出するために行なわれる場合がある。他の例では、盲腸の直前の場所を同定する場合もあり、例えば回腸終端部の同定である。ある例において、生体内デバイスは典型的には前後に動きながら回腸終端部に滞在し、その後回盲弁を通って盲腸に入る場合がある。その他の方法が使用されてもよい。
【0057】
[0068]他の例において、生のトラッキングカーブ・データが盲腸への到着を決定するために使用されてもよい。典型的には、盲腸は嚢状構造および/または小袋構造であって、収縮または流体の流れによって生体内デバイス840が結腸に沿って押し進められるまでの間、盲腸内に生体内デバイス840が滞留する場合がある。例えば、カプセルが少なくとも所定の時間は同じ場所に滞留することが測定される第1の期間は、生体内デバイスが盲腸および/または回腸終端部の中にあることを示すことができる。別の例におい
て、生体内デバイスは盲腸内で振動および/または揺動する傾向を有する場合があり、盲腸に典型的な振動運動の検出が、生体内デバイスが盲腸内に存在することを示す場合もある。振動および/または揺動は、生のトラッキングカーブから検出されてもよいし、他のデータ(例えば画像データ)あるいは他のデータの調査から検出されてもよい。揺動は、例えば、患者が動いているときの盲腸の小袋構造内における生体内デバイスの自由な動きによるものである場合がある。別の例では、盲腸は、トラッキングカーブに沿って上行移動する前の最も低い位置の右手角のポイントであるとして同定される場合がある。その他の方法および/または方法の組合せを使用して、いつ、および/または取り込まれたデータのどのポイントで、生体内デバイス840が盲腸に位置しているかを測定することができる。決定かつ/または推定された、時間点または取り込まれたデータのうち該時間点に対応するデータポイントに、ユーザおよび/または自動プロセスによって印を付けることができる。いくつかの例において、盲腸の検出は半自動プロセスである場合がある。他の例において、盲腸の検出はリアルタイムで行なわれる場合がある。
【0058】
[0069]ブロック6420および6430では、横行結腸への進入および退出の検出が実施されうる。この検出は、手動、例えばユーザが測定してもよいし、自動、例えば結腸区画検出ユニット888で検出されてもよいし、かつ/または半自動、例えばユーザの支援とともに検出されてもよい。
【0059】
[0070]本発明の1つの実施形態によれば、横行結腸への進入および退出の検出は半自動化、例えばユーザの支援に基づいて検出されうる。いくつかの例においては、生のトラッキングカーブ上のポイントおよび/または横行結腸に沿って取り込まれた画像フレームが、結腸区画検出ユニット888によって検出され、そしてユーザに対し、特定された画像フレームから前後にスクロールして横行結腸の入口エリアおよび出口エリアを同定することが委ねられる場合がある。
【0060】
[0071]横行結腸に沿ったポイントの自動検出は生のトラッキングカーブの検査に基づく場合もある。例えば、一般に、横行結腸を通る生のトラッキングカーブは結腸の他の区画を通る生のトラッキングカーブと比較してより滑らかになりうる。これは、生体内デバイスが結腸の横行区画を通って移動する速度が比較的速いことによる可能性がある。そのようなものとして、結腸区画検出ユニット888は、トラッキングカーブに沿って最も滑らかな曲線(例えば図4Aの422)および/または最も長い線を識別することにより、横行結腸に沿ったポイントを同定することができる。この線上のポイントに対応する期間に取り込まれた画像フレームは、結腸の横行区画内で取り込まれた可能性がある。別の例において、体の中心線の軸(240)を通過する生のトラッキングカーブの第1のセグメントは、典型的には、生体内デバイス840が横行結腸内にある期間に相当しうる。1例において、結腸区画検出ユニット888または他の処理ユニットは、体の中心線の軸と交差するトラッキングカーブの区域を同定し、その区域を、生体内デバイスが結腸の横行区画の中に滞在または該区画内を移動した時のトラッキングカーブの区域として定義することが可能である。横行結腸は、典型的には、体の中心線の軸を横断および/または通過して生体内デバイス840を輸送する結腸区画である。横行結腸に沿った画像フレームの同定は、生のトラッキングカーブ内の最長かつ/または最も滑らかな線に沿って取り込まれた画像フレームの検出に基づいて行われる場合がある。生のトラッキングカーブの他の適切な特徴を分析して、結腸の横行区画内で取り込まれた画像フレームを自動的に検出することも可能である。
【0061】
[0072]本発明の別の実施形態では、RSSIユニット804からのRSSI測定値を用いて、結腸の横行区画に沿って取り込まれたデータを検出することも可能である。例えば、受信された信号、例えば信号をケアする画像データの信号強度が測定される場合がある。受信信号は、生のトラッキングカーブ上のデータポイントに相当しうる。節目の
データポイントは受信信号の信号強度に基づいて同定されうる。典型的には、結腸の横行区画は、結腸の上行区画および下行区画と比較して腹壁の表面近くにあり、生体内デバイス840が結腸の横行区画内に存在する間に最も高いRSSI値が記録されることが多い。1例においては、結腸区画検出ユニット888がRSSI値を検出して、結腸の横行区画に沿ったポイントの測定かつ/または結腸の横行区画内で取り込まれた画像フレームの描出が可能となる。
【0062】
[0073]その他の適切な方法を用いて、結腸の横行区画および/または結腸の他の区画内のポイントを自動的に検出してもよい。例えば、画像分析および/または運動性解析が、結腸の横行区画内で取り込まれた画像フレームを検出するために使用されてもよい。方法の組合せを使用して、結腸の横行区画のポイントおよび/または画像フレームを自動的に検出してもよい。
【0063】
[0074]1例において、画像化された内腔の形状の検査および/または検出を、結腸の横行区画内のポイントを自動的に検出するために使用してもよい。例えば、典型的な三角形状の内腔が自動検出方法によって検出され、生体内デバイスが結腸の横行区画内に存在することを示す場合がある。他の例では、内腔壁を通して調べられる場合がある該内腔の外側の器官、例えば肝臓の検出は、例えば、右結腸曲の場所を同定するために使用可能である。
【0064】
[0075]他の例において、生体内デバイス840の移動パターンの検査が、少なくとも1つの節目のデータポイントを決定するために使用されてもよい。例えば、生体内デバイス840が結腸の横行区画を通過している期間を同定するために移動速度が使用されてもよい。例えば、生体内デバイス840がピーク速度に達する期間は、生体内デバイス840が結腸の横行区画を通って移動している期間であるとして同定されうる。別の例において、速度が所定の閾値を越えると、生体内デバイス840が結腸の横行区画を通って移動していることを示す場合がある。他の例において、生体内デバイスの加速が検査され、加速のピークを用いて、速度の最大の変化が生じると予想される結腸曲のポイントが同定されてもよい。
【0065】
[0076]結腸の横行区画内で取り込まれた画像フレームの自動検出に続いて、検出された画像の前後の画像フレームを調べて右結腸曲および左結腸曲を同定してマークすることがユーザに委ねられる場合がある。
【0066】
[0077]本発明の他の実施形態では、結腸の横行区画への進入および退出の同定は、結腸区画検出ユニット888によって完全に自動化されて検出される場合がある。例えば、RSSI測定値を使用して、結腸の横行区画の長さ、例えば結腸の横行区画の入口から出口までを、例えばユーザの支援なしで検出することができる。他の例では、生のトラッキングカーブの特徴解析、運動性解析、画像分析、および/またはその他の適切な解析を使用して、結腸の横行区画に沿って取り込まれたデータを自動的に検出することができる。典型的には、方法の組合せが使用されてもよい。
【0067】
[0078]ブロック6440では、生体内デバイスの直腸への到着および/または直腸からの退出が検出されうる。例えば、生体内デバイスの排出の検出は画像分析によって行うことが可能であり、取り込まれた画像を調べれば、生体内デバイスが体腔内にないことは明瞭になりうる。あるいは、温度を測定すれば、温度の低下により生体内デバイスが体から出たことが示されうる。他の例においては、排出および直腸への到着が必要とされなくなる前に、データ収集が終了する、例えば画像ストリームが終了する場合がある。
【0068】
[0079]ブロック6450では、モデルに基づいたトラッキングカーブが、検出さ
れた節目のデータ、例えば盲腸、右結腸曲、左結腸曲、直腸、または体からの退出に基づいて構築されうる。本発明の他の実施形態によれば、モデルに基づいたトラッキングカーブは、ユーザ(例えば医師)に、生体内デバイスがデータを取り込んでいる結腸の区画および/または生体内デバイスが所与の時点で位置している結腸の区画を単に示すだけの場合もある。例えば、モデル結腸が、生体内デバイス840によって取り込まれた画像フレームのストリーミング表示に並べて表示され、この表示されたモデル結腸の関連区画が強調される場合がある。
【0069】
[0080]別の実施形態では、モデルに基づいたトラッキングカーブは、本明細書に記載されているようにして検出された節目のデータの間に作製された経路に続くマーカーであってもよい。この作製された経路を通って前進する速度は、生のトラッキング・データ情報に基づいて、画像の状況に基づいて、運動性の計測に基づいて、あるいはその他の要因に基づいて測定されうる。
【0070】
[0081]モデルに基づいたトラッキングカーブの結果は、例えば、生体内で取り込まれたデータの表示と一緒に表示されうる。例えば、生体内デバイスの前進が、作製された経路に沿った可動マーカーによって、取り込まれた画像ストリームが流れるのと同時に示されて、作製された経路に沿ったマーカーの位置が、表示された同時画像フレームに対応するようになっていてもよい(ブロック6460)。他の方法およびステップが実施される場合もある。
【0071】
[0082]本発明のいくつかの実施形態によれば、モデル化された距離および/または経路長が測定される場合がある。例えば、生体内デバイス840が例えば盲腸と直腸との間、または結腸の所定位置の間を移動するおよその距離を、モデル化に基づいたトラッキングカーブから推定および/または決定することができる。いくつかの例において、結腸の特定区間に沿った経路長が計算される場合もある。推定された経路長は、モデル化されたトラッキングカーブに基づいて、またはその他の情報および/またはさらに多くの情報に基づいて、決定されうる。
【0072】
[0083]ここで図7を参照すると、同図には本発明の実施形態によるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の実例が示されている。本発明の実施形態により、モデル化されたトラッキングカーブのグラフィック描写が表示されうる。例えば、生体内デバイスによって取り込まれた画像フレームのストリーミング表示が、モデル化経路に沿って動くマーカーの表示と並べて表示され、画像フレームのストリーミング表示から現在表示されている画像フレームに対応する生体内デバイスのモデル化された位置を示すことができる。本発明の実施形態によって、体腔内、例えば結腸内で取り込まれた画像ストリームは、エリア520に例えばストリーミング表示として表示されうる。スライド式マーカー565は、表示された画像フレームが例えば画像ストリームの開始から終了まで進むにつれて、時間を示すバー560、着色バー、背景バーの変化またはその他のバーに沿って移動しうる。コントロールボタン580を使用して、画像フレームのストリームを前後にかつ様々な速度で再生かつ/または表示することができる。さらに、位置マーカー530がモデルに基づいたトラッキングカーブ300に沿って移動して、520に表示された現在の画像フレームに対応する生体内デバイス840の位置を示すことができる。モデルに基づいたトラッキングカーブ300と並んで、生のトラッキングカーブ510がさらに表示されて、位置センサのデータに基づいた生のトラッキング・データを示してもよい。いくつかの例において、GUI表示により、参考のために選択された画像フレームのサムネールをユーザが保存することが可能になる場合もある。例えば、入力を促されたユーザは、盲腸、右結腸曲、左結腸曲、直腸および/またはその近辺、ならびに結腸のその他の適切な節目のデータポイントで取り込まれた画像フレームを指すことができる。他の例において、ユーザは診断目的のために興味深いポイントのサムネールを保存することもできる

【0073】
[0084]1例によれば、ユーザは、モデルに基づいたトラッキングカーブ300の構築を始めるための節目のデータポイントを同定するために、最初に画像ストリームの部分画像を素早く見る場合がある。その後ユーザは診断目的のために画像ストリームを観察することができる。他の例では、モデルに基づいたトラッキングカーブ300の構築を始めるための節目のデータポイントの同定と、診断のための観察とが、同時に行われる場合もある。さらに別の例では、モデルに基づいたトラッキングカーブの構築が、ユーザによる観察に先立って自動的に行われる場合もある。さらに別の例では、モデルに基づいたトラッキングカーブの構築がユーザによる観察に先立って自動的に行われて、ユーザはその後このモデルに基づいたトラッキングカーブを、例えば新しい節目のデータポイント、例えば盲腸、右結腸曲、左結腸曲、および直腸に対応するトラッキングカーブ中のポイントを同定することによって、修正することができる。
【0074】
[0085]結腸を通る生体内デバイス840の前進を追跡するためのモデル化トラッキングカーブの構築について特定の詳細事項が記載されうるが、同様のシステムおよび方法を使用して、GI管全体、および/またはGI管の他の部分を通る生体内デバイス840の前進を追跡するためのモデル化トラッキングカーブが構築されてもよい。
【0075】
[0086]本発明の一定の特徴について本明細書に例証し説明してきたが、当業者には多くの改良形態、置換形態、変更形態および等価物が考えられるであろう。したがって当然ながら、添付された請求項は、そのような改良形態および変更形態が本発明の真の思想の範囲内にあるものとしてすべて包含するように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による、結腸を通る生体内撮像デバイスの位置を追跡するための、モデルに基づいたトラッキングを含む生体内撮像システムの概要を示すブロック図。
【図2A】結腸に沿って進む生体内デバイスを示す概略図。
【図2B】トラッキングカーブの実例の概略図。
【図3】本発明の実施形態によって生のトラッキング・データ・カーブをモデル化する方法を説明するフローチャート。
【図4A】本発明の実施形態による、検出された転移点とともにトラッキング・データ・カーブの実例を示す概略図。
【図4B】本発明の実施形態による、検出された転移点に基づいて構築されたモデル化トラッキングカーブの概略図。
【図5】本発明の実施形態による、モデルに基づいたカーブ上に生のトラッキング・データポイントを投影する方法の例を示す概略図。
【図6】本発明のいくつかの実施形態に従って結腸を通り抜ける生体内デバイスのトラッキング・データ・カーブをモデル化する方法について説明するフローチャート。
【図7】本発明の実施形態によるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の実例を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結腸を通過する生体内デバイスの生のトラッキングカーブをモデル化する方法であって、
生のトラッキングカーブ上の、結腸内の所定位置に対応する節目のデータポイントを同定することと、
節目のデータポイントの間にモデル化経路を規定することと、
生のトラッキングカーブの少なくとも一部分をモデル化経路に変換して、モデル化トラッキングカーブを作成することと
を含む方法。
【請求項2】
生のトラッキングカーブ上のデータポイントに対応する受信信号の信号強度を決定することと、
受信信号の信号強度に基づいて節目のデータポイントを同定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
飲み込むことが可能なカプセルによって生体内で取り込まれた画像データを受信することと、
節目のデータポイントから少なくとも1つの節目のデータポイントを同定するために画像データを解析することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
結腸内の所定位置は、少なくとも結腸曲のポイント、結腸の横行区画、または盲腸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
節目のデータポイントから少なくとも1つの節目のデータポイントを同定するためにユーザによる入力を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
トラッキングカーブの、身体の中心線の軸と交差する部分を同定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
節目のデータポイントから少なくとも1つの節目のデータポイントを同定するために、生体内デバイスの移動パターンを分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
移動パターンの分析は、少なくとも生体内デバイスの移動速度を分析することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
節目のデータポイントを、モデル化された節目のデータポイントに変換することと、
モデル化経路を、モデル化された節目のデータポイントを接続する経路として表示することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
生体内デバイスによって取り込まれた画像フレームのストリーミング表示を行うことと、
モデル化経路に沿って可動マーカーを表示して、画像フレームのストリーミング表示から目下表示されている画像フレームに対応する、生体内デバイスのモデル化位置を示すことと
を含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−100075(P2008−100075A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−273761(P2007−273761)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(506203914)ギブン イメージング リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
【Fターム(参考)】