説明

生体情報検出装置

【課題】 外来ノイズ信号の影響を抑え、生体信号の検出漏れおよび誤検出の少ない生体情報検出装置を提供する。
【解決手段】 生体情報検出装置1は、生体を支持する支持体に配置され、振動に応じた信号を出力する複数の検出部10と、検出部10の各々により出力された信号から生体信号に対応する第一所定周波数範囲の信号を抽出する第一抽出部20と、外来ノイズ成分である第二所定周波数範囲の信号を抽出する第二抽出部30と、第一所定周波数範囲の信号と第二所定周波数範囲の信号との強度値の比を演算する演算部40と、検出部10の各々により出力された信号について演算部40により演算された強度値の比の比較結果に基づいて複数の検出部10から一つまたは複数選択する選択部50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸、心拍や体動等の生体振動を含む生体情報を検出する生体情報検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド、マットやシート等の支持体に支持される生体の呼吸、心拍や体動等の生体振動を検出する生体情報検出装置として、生体より発生した圧力変動を検出する感圧手段と、感圧手段を生体の圧力を受ける受圧部に設置し、感圧手段の信号を処理して生体信号を検出する制御手段と、を備え、感圧手段は、部分的に設置密度を異ならせて受圧部に設置される技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、人の体を支持する支持体の被検出対象エリア内に2次元的に分散して配置され、圧力変動を検出する検出部と、各検出部の出力から所定の周波数帯域の生体信号を抽出するフィルタと、検出部ごとの生体信号の強度値を演算する強度演算部と、各検出部の配置と強度値とが対応付けられた強度分布を生成する強度分布生成部と、を備える技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−185409号公報
【特許文献2】特開2008−110032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の生体情報検出装置では、感圧手段は、生体の振動源の近傍にて設置密度が高くなるように配置される。例えば、ベッドに感圧手段を設置して人の心拍を検出する場合には、心臓の近傍となる位置にて設置密度が高くなるように感圧手段が配置される。しかしながら、寝返りや就寝位置の移動等により、生体振動の振動源が感圧手段の設置密度の高い位置から離れた場合には、所望の生体信号の検出が難しくなるおそれがある。よって、生体情報検出装置の生体信号の検出漏れや誤検出を生じる問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載の生体情報検出装置では、検出部の出力から所定の周波数帯域の生体信号がフィルタにより抽出され、抽出された生体信号を基に強度分布が生成される。しかしながらこの生体情報検出装置では、検出部の出力がどの程度外来ノイズにより影響を受けているかの情報は得られず、強度分布が外来ノイズから影響を受けていても判別が困難となるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、外来ノイズ信号による影響を抑制し、生体信号の検出漏れや誤検出を抑制することのできる生体情報検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する第1の課題解決手段は、生体情報検出装置において、生体を支持する支持体に配置され、振動に応じた信号を出力する複数の検出部と、前記検出部の各々により出力された信号から前記生体による振動の周波数に対応する第一所定周波数範囲の信号を抽出する第一抽出部と、前記検出部の各々により出力された信号から前記第一所定周波数範囲外に設定される第二所定周波数範囲の信号を抽出する第二抽出部と、前記検出部の各々により出力された信号について、前記第一所定周波数範囲の信号と前記第二所定周波数範囲の信号との強度値の比を演算する演算部と、前記検出部の各々により出力された信号について前記演算部により演算された強度値の比の比較結果に基づいて前記複数の検出部から一つまたは複数選択する選択部と、を備えることである。
【0009】
また、第2の課題解決手段は、前記第一所定周波数範囲は、前記生体の呼吸の周波数、前記生体の心拍の周波数、前記生体の体動の周波数、の少なくとも一つに対応することである。
【0010】
また、第3の課題解決手段は、前記支持体は車両用シートであることである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、演算部が生体による振動の周波数に対応する第一所定周波数範囲の信号と第一所定周波数範囲外の第二所定周波数範囲の信号との強度比を演算し、選択部が強度比から適切な検出部を選択するため、第一所定周波数範囲外の検出信号に含まれる外来ノイズ信号による影響が抑制される。さらに、生体の体格の違いや生体の移動等により生体の振動源の位置が変化した場合でも、第一所定周波数範囲の信号と第二所定周波数範囲の信号との強度値の比の大きな信号を出力する検出部を選択することにより、生体による振動を精度良く検出できる。よって、所望の生体による振動を検出でき且つ検出漏れや誤検出を抑制できる。
【0012】
第一所定周波数範囲は、生体の呼吸、心拍、体動の少なくとも一つの周波数に対応するため、所望の生体による振動を精度良く検出できる。また、第二所定周波数範囲は、第一所定周波数範囲外に設定されるため、第一所定周波数範囲の信号と第二所定周波数範囲の信号との強度値の比は、所望の生体による振動についての信号対雑音比となる。よって、選択部は大きな信号対雑音比となる検出部を選択することになるため、選択された検出部を用いて、生体による振動を精度良く検出できる。
【0013】
また、第一所定周波数範囲を生体の呼吸の周波数に対応させた場合、生体の呼吸を精度良く検出できる。また、第一所定周波数範囲を生体の心拍の周波数に対応させた場合、生体の心拍を精度良く検出できる。また、第一所定周波数範囲を生体の体動の周波数に対応させた場合、生体の体動を精度良く検出できる。これらのいずれか一つ、または複数の組み合わせ、または全てを検出することにより生体情報を的確に検出できる。
【0014】
また、生体情報検出装置を車両用シートに備えた場合、車両用シート上の生体による振動を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例における生体情報検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】圧力を車両用シートに取り付けた例を示す説明図である。
【図3】第一圧力センサ〜第五圧力センサから出力された電気信号(電流値)と経過時間との関係を示したグラフである。
【図4】第一ローパスフィルタ〜第五ローパスフィルタにより処理した信号(電流値)と経過時間との関係を示したグラフである。
【図5】第一ハイパスフィルタ〜第五ハイパスフィルタにより処理した信号(電流値)と経過時間との関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本実施例における生体情報検出装置1の構成を示すブロック図である。本実施例の生体情報検出装置1は、生体を支持する支持体100に配置され、振動に応じた信号を出力する複数の検出部10と、各検出部10により出力された信号からそれぞれ第一所定周波数範囲の信号を抽出する第一抽出部20と、各検出部10により出力された信号からそれぞれ第二所定周波数範囲の信号を抽出する第二抽出部30と、各検出部10により出力された信号について、第一所定周波数範囲の信号と第二所定周波数範囲の信号との強度値の比を演算する演算部40と、各検出部10により出力された信号について演算部40により演算された強度値の比の比較結果に基づいて一つまたは複数の検出部10を選択する選択部50と、を備える。生体情報検出装置1は、選択部50により選択した検出部10を用いて振動に応じた信号を検出する。
【0018】
検出部10としては、例えば、圧力センサが用いられる。圧力センサは、センサに加わる圧力の大きさに応じた電気信号を出力する。本実施例では、圧力センサが出力する電気信号には、支持体上に存在する生体の質量による荷重や、生体の呼吸、心拍、体動などの振動による荷重の変化に応じた信号の他、生体によらない荷重や振動などによる信号も含まれる。なお、検出部には、圧力センサの他、振動センサなど生体の経時変化を検出できる様々なセンサを採用できる。検出部からの電気信号は分岐され、第一抽出部20および第二抽出部30へ出力される。
【0019】
第一抽出部20としては、例えば、ローパスフィルタやバンドパスフィルタが用いられる。第一抽出部20としてローパスフィルタを用いる場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数は、検出の対象となる生体の振動による信号について予測される周波数の最小値から最大値までの範囲全体またはその一部(第一所定周波数範囲)の信号を通過させるように設定される。第一抽出部20としてバンドパスフィルタを用いる場合、バンドパスフィルタが検出の対象となる生体の振動による信号について予測される最小値から最大値までの範囲全体またはその一部(第一所定周波数範囲)の信号を通過させるように設定される。
【0020】
第二抽出部30としては、例えば、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタが用いられる。第二抽出部30としてハイパスフィルタを用いる場合、ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、検出の対象となる生体の振動による信号について予測される周波数の最小値から最大値までの範囲外の周波数範囲または検出の対象となる生体の振動による信号について予測される周波数の最小値から最大値までの範囲との重なりが少ない周波数範囲(第二所定周波数範囲)の信号を通過させるように設定される。第二抽出部30としてバンドパスフィルタを用いる場合、通過させる周波数範囲は、検出の対象となる生体の振動による信号について予測される最小値から最大値までの範囲外の周波数範囲または検出の対象となる生体の振動による信号について予測される最小値から最大値までの範囲との重なりが少ない周波数範囲(第二所定周波数範囲)の信号を通過させるように設定される。
【0021】
上記のように第一抽出部20および第二抽出部30により抽出する信号の周波数範囲(第一所定周波数範囲、第二所定周波数範囲)を設定することにより、第一抽出部20では主に検出の対象となる生体の振動による信号の成分を、第二抽出部30では主に検出の対象となる生体の振動による信号以外の成分(例えば、外来ノイズ)を、抽出することができる。
【0022】
演算部40は、アナログ回路、デジタル回路、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどにより構成され、以下の動作を行うように構成されている。演算部40は、第一抽出部20により抽出した信号の強度値と、第二抽出部30により抽出した信号の強度値との比を演算する。強度値の比は、検出の対象となる生体の振動による信号の少なくとも一周期分以上が含まれるように設定された一定時間内について、第一抽出部20および第二抽出部30により抽出した信号からそれぞれ選択した最大値同士の比を取って求められる。また、前記一定時間内について第一抽出部20および第二抽出部30により抽出した信号それぞれの振幅の比を取っても求められる。また、前記一定時間内に第一抽出部20および第二抽出部30により抽出した信号それぞれの波形を時間積分した値の比を取っても求められる。第一抽出部20によって主に検出の対象となる生体の振動による信号の成分、第二抽出部30によって主に検出の対象となる生体の振動による信号以外の成分が抽出されるため、第一抽出部20により抽出した信号の強度値と、第二抽出部30により抽出した信号の強度値との比は、いわゆる信号対雑音比となっている。
【0023】
選択部50は、アナログ回路、デジタル回路、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどにより構成され、以下の動作を行うように構成されている。選択部50は、各検出部10について演算部40が演算した、第一抽出部20により抽出した信号の強度値と、第二抽出部30により抽出した信号の強度値との比を比較し、比の値の大きな検出部10を一つまたは複数選択する。選択部50は、全ての検出部10について、第一抽出部20により抽出した信号の強度値と第二抽出部30により抽出した信号の強度値との比の大小関係が明らかとなるように比較し、比の値の大きな検出部10を一つまたは複数選択する。
【0024】
また、選択部50は、第一抽出部20により抽出した信号の強度値と第二抽出部30により抽出した信号の強度値との比が、予め定められた基準値を超える検出部10を選択するようにしてもよい。また、選択部50は、第一抽出部20により抽出した信号の強度値と第二抽出部30により抽出した信号の強度値との比が、予め定められた基準値を超える検出部10を選択した後に、基準値を超える検出部10について、第一抽出部20により抽出した信号の強度値と第二抽出部30により抽出した信号の強度値との比の大小関係が明らかとなるように比較し、比の値の大きな検出部10を一つまたは複数選択してもよい。
【0025】
生体情報検出装置1は、選択部50により選択された検出部10を用いて、支持体上の生体の呼吸、心拍、体動などによる振動を検出する。
【0026】
本実施例によれば、複数の検出部10から、第一所定周波数範囲の信号と第二所定周波数範囲の信号との強度値の比の大きな信号を出力する検出部10の一つまたは複数を選択し、選択された検出部10を用いて、生体による信号を精度良く検出できる。よって、所望の生体による信号を検出でき且つ検出漏れを抑制できる。
【0027】
なお、選択部50による検出部10の選択は、生体による振動の検出を行う際に毎回行ってもよいが、選択部50が検出部10を選択した後に一定時間、選択された検出部10を用いて生体による振動の検出を続けてもよい。この場合、選択部50による検出部10の選択を行う演算の頻度が低くなるため、検出部10の選択のための演算の量を低減することができ、検出時間を増大させることができる。また、生体の振動源の位置は、生体の体動に伴って変化するため、生体の体動を検出できる構成とし、生体の体動を検出した場合に選択部50が検出部10の選択を行い、次に生体の体動が検出されるまで、選択された検出部10を用いて生体による振動の検出を続けてもよい。このように、選択部50が検出部10を選択した後に一定時間、選択された検出部10を用いて生体による振動の検出を続ける場合、また、生体の体動を検出した場合に選択部50が検出部10の選択を行い、次に生体の体動が検出されるまで、選択された検出部10を用いて生体による振動の検出を続ける場合、使用する検出部10の数が低減されるため省電力につながり、なおかつ精度良く生体の振動を検出できるという利点が得られる。
【0028】
以下、本実施例の生体情報検出装置1を車両用シート100に適用した例を説明する。
【0029】
図2は、検出部10としての第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15を支持体としての車両用シート100に取り付けた例を示す説明図である。図2に示すように、検出部としての第一圧力センサ11、第二圧力センサ12、第三圧力センサ13が車両用シート100の座部100aに取り付けられ、第四圧力センサ14、第五圧力センサ15が車両用シート100の背もたれ部100bに取り付けられる。
【0030】
図1のように、第一圧力センサ11からの出力は分岐され、分岐の一方は第一抽出部20としての第一ローパスフィルタ21を介して、もう一方は第二抽出部30としての第一ハイパスフィルタ31を介して、それぞれ演算部40、選択部50を含めたマイクロプロセッサ60に伝達される。第二圧力センサ12〜第五圧力センサ15からの出力も同様に、第二ローパスフィルタ22〜第五ローパスフィルタ25、第二ハイパスフィルタ32〜第五ハイパスフィルタ35をそれぞれ介して、マイクロプロセッサ60に伝達される。なお、本実施例では、生体の呼吸を検出の対象とする。一般に呼吸は一分あたり5〜20回であることを考慮し、第一ローパスフィルタ21〜25のカットオフ周波数を0.33HZ、第一ハイパスフィルタ〜第五ハイパスフィルタ31〜35のカットオフ周波数を0.33HZとする。
【0031】
図3は、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15から出力された電気信号S1〜S5を、横軸を経過時間、縦軸を電圧値として示したグラフである。図3のように、電気信号S1〜S5には、生体の呼吸、心拍、体動などによる振動の他、生体によらない振動が含まれる。
【0032】
図4は、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15から出力された電気信号S1〜S5を第一ローパスフィルタ21〜第五ローパスフィルタ25により処理した信号S1a〜S5aを、横軸を経過時間、縦軸を電圧値として示したグラフである。
【0033】
図5は、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15から出力された電気信号S1〜S5を、第一ハイパスフィルタ31〜第五ハイパスフィルタ35により処理した信号S1b〜S5bを、横軸を経過時間、縦軸を電圧値として示したグラフである。
【0034】
演算部40としてのマイクロプロセッサ60には、信号S1a〜S5a、信号S1b〜S5bが入力される。マイクロプロセッサは、図4の信号S1a〜S5aから、ピークホールド法などを用いて、それぞれピークP1a〜P5aの強度値を一定時間内での強度の最大値として取得する。また、マイクロプロセッサ60は、図5の信号S1b〜S5bから、ピークホールド法などを用いて、それぞれピークP1b〜P5bの強度値を一定時間内での強度の最大値として取得する。さらに、マイクロプロセッサ60は、ピークP1a〜P5aの強度値をピークP1b〜P5bの強度値でそれぞれ割って求められた値を、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15により得られる信号の信号対雑音比として取得する。
【0035】
マイクロプロセッサ60は、ピークP1a〜P5aの強度値をピークP1b〜P5bの強度値でそれぞれ割って求められた信号対雑音比の大小関係を、任意のソートアルゴリズムを用いて比較し、得られる信号対雑音比の最も大きい(信号が大きく、雑音が小さい)圧力センサを選択する。図4および図5に示した例では、P4a/P4bの値が最も大きくなるため、第四圧力センサ14が選択される。
【0036】
マイクロプロセッサ60が第四圧力センサ14を選択した後は、生体の呼吸による振動の検出は、第四圧力センサ14を用いて行われる。
【0037】
このように、信号対雑音比の大きな圧力センサを選択して、選択した圧力センサによる検出信号を用いて生体による振動の検出を行うため、振動の検出に用いる圧力センサの数を減少し、振動の検出についての演算量を低減することが出来る。
【0038】
なお、本実施例では、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15それぞれの出力が分岐され、第一ローパスフィルタ21〜第五ローパスフィルタ25、および第一ハイパスフィルタ31〜第五ハイパスフィルタ35を介して伝達されるようにしたが、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15の全出力を一つのローパスフィルタ、一つのハイパスフィルタで処理してもよい。この場合、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15の出力それぞれについて、処理時間を切り替えることでフィルタ処理を行うことができる。
【0039】
また、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15の出力を個々にアナログ−デジタル(A/D)変換し、デジタル的に周波数解析やフィルタ処理を行うようにしてもよい。
【0040】
なお、本実施例では、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15が車両用シート100に配置されたが、配置する圧力センサの数は五つに限定されず、二つ以上であれば任意の個数でよい。また、本実施例では、第一圧力センサ11〜第五圧力センサ15が、車両用シート100の縦方向(図2の上下方向)に沿って一次元的に一列で配置されたが、車両用シート100の縦方向および横方向(図2の左右方向)に沿って、複数の検出部10を二次元的に配置しても良い。この場合、生体の体動が横方向に起きた場合に、生体の振動源からの振動を精度良く検出できる検出部10を選択部50により選択することが可能となる。また、本実施例では、座部100aと背もたれ部100bとの双方に検出部10を配設したが、座部100aまたは背もたれ部100bのいずれか一方に配設しても良い。また、検出部10が配設される支持体は車両用シート100に限られず、ベッド等であっても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 生体情報検出装置
10 検出部
20 第一抽出部
30 第二抽出部
40 演算部
50 選択部
100 支持体(車両用シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体を支持する支持体に配置され、振動に応じた信号を出力する複数の検出部と、
前記検出部の各々により出力された信号から前記生体による振動の周波数に対応する第一所定周波数範囲の信号を抽出する第一抽出部と、
前記検出部の各々により出力された信号から前記第一所定周波数範囲外に設定される第二所定周波数範囲の信号を抽出する第二抽出部と、
前記検出部の各々により出力された信号について、前記第一所定周波数範囲の信号と前記第二所定周波数範囲の信号との強度値の比を演算する演算部と、
前記検出部の各々により出力された信号について前記演算部により演算された強度値の比の比較結果に基づいて前記複数の検出部から一つまたは複数選択する選択部と、を備えることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項2】
前記第一所定周波数範囲は、前記生体の呼吸の周波数、前記生体の心拍の周波数、前記生体の体動の周波数、の少なくとも一つに対応することを特徴とする請求項1に記載の生体情報検出装置。
【請求項3】
前記支持体は車両用シートであることを特徴とする請求項1または2に記載の生体情報検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−194050(P2011−194050A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64586(P2010−64586)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】