説明

生体情報測定装置、生体情報測定方法、および生体情報測定プログラム

【課題】消費電力を大幅に削減することができる生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】利用者の身体に装着されて、当該利用者の生体情報を測定する生体情報測定
装置1であって、利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号110を測定する脈
波測定部10と、利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別部43と、前記状態
判別部が睡眠状態にあると判別すると、前記脈波測定部による脈波信号の測定動作を間欠
的に行わせる測定制御部45と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体情報測定装置に関し、特に心拍に由来する拍動信号を測定する生体情
報測定装置に関する。また、その生体情報の測定方法や生体情報測定プログラムにも関す
る。
【背景技術】
【0002】
生体情報測定装置は、各種センサーを人体に装着し、そのセンサーからの信号に基づい
て、脈泊や体温、体動の有無やその度合いなどを測定するものである。このような生体情
報測定装置は、本来、医療用として開発されてきたものであるが、近年では、一般ユーザ
ーにおける健康への関心が高まり、ユーザーが各自で自身の生体情報を手軽に測定できる
生体情報測定装置が各種提供されている。
【0003】
そして、一般用途の生体情報測定装置には、健康状態をきめ細かく管理したり、運動時
に加え、日常生活の中での体動によるカロリー消費量も計算してダイエットなどに役立て
たりすることを目的として、腕時計型など、人体への常時装着が可能で、生体情報を常時
測定しつづけるタイプ(常時測定型)の生体情報測定装置もある。
【0004】
しかし、常時測定型の生体情報測定装置では、各種センサーを常時稼働し、そのセンサ
ーからの信号を常時監視する必要があり、基本的に低消費電力化が難しいという問題があ
る。
【0005】
また、センサーからの信号を解析して利用可能な情報(心拍数、カロリー消費量、体温
など)を測定するための演算処理も低消費電力化を困難なものにしている。とくに、心拍
に伴う血流の変動(脈波)に基づいて心拍数などを計測する場合では、体動によって乱れ
た血流から体動に由来するノイズ成分を除去するために、DSPを用いてFFT(高速フ
ーリエ変換)解析して心拍に由来する信号(拍動信号)のみを抽出している。したがって
、常時装着、常時測定を前提とした生体情報測定装置は、より高度な演算処理能力を備え
て、低消費電力化がさらに難しくなっている。
【0006】
なお、以下の特許文献1〜3には、生体情報測定装置における低消費電力化技術につい
て記載されている。また、特許文献4には、生体情報測定装置ではないが、常時人体に装
着して使用する電子機器である補聴器の消費電力を低減させるための技術が記載されてい
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−227383号公報
【特許文献2】特開2003−70757号公報
【特許文献3】特開2009−11850号公報
【特許文献4】特開平9−182193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した各特許文献に記載された低消費電力化技術をはじめ、従来の常
時測定型の生体情報測定装置における低消費電力化技術では十分ではないことが判明した
。例えば、特許文献1に記載の脈拍計では、脈波センサーと、体動を検出するための加速
度センサーとを備え、体動の影響を含んだ脈波センサーからの信号をFFT解析し、拍動
信号のみを検出している。上述したように、FFTは高度な演算処理を必要とするため、
CPUやFFT用のDSPにおける処理負荷が増大し、消費電力を低減させることが難し
い。そこで、睡眠時や安静時など、生体活動が低下したときには体動を検出する必要がな
い、ということに着目し、活動低下時にあるときは、FFT処理を休止して消費電力を抑
えている。
【0009】
しかし、活動低下時であっても、拍動信号を測定する以上、脈波センサーを常時稼働さ
せておく必要がある。また、活動低下時にある状態から急に運動を開始するような状況を
考慮すると、FFT処理を休止したとしても、常時加速度センサーを稼働させておき体動
の急激な変化に備えておく必要がある。したがって、消費電力を劇的に低減させることが
できない。
【0010】
なお、上記特許文献2に記載の脈拍計は、皮膚との接触を検出するセンサーを備えて、
正しく装着されているか否かを判断し、正しく装着されていないときは、測定を中止する
ものある。また、上記特許文献4に記載の補聴器は、使用する時間帯を設定しておき、そ
の時間帯以外は動作を休止させるものである。したがって、上記特許文献2および4に記
載の技術は、常時測定用途に適用できる技術ではない。
【0011】
上記特許文献3に記載の生体情報計測装置は、ユーザーの生態情報を測定し、その測定
情報を他の情報処理装置に無線通信するものであり、その通信に伴う消費電力の低減を目
的としている。そして、脈波センサーからの信号に基づいて覚醒時と睡眠時とを判別し、
睡眠時には通信回数を減らしている。しかし、脈波に基づく覚醒時と睡眠時との判別処理
自体に高度な演算技術が必要であり、その演算処理を継続させている以上、大きな低消費
電力化は期待できない。
【0012】
そこで本発明は、消費電力を大幅に低減することができる生体情報測定装置を提供する
ことを目的としている。なお、他の目的は以下の記載で明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための主たる発明は、利用者の身体に装着されて、当該利用者の生
体情報を測定する生体情報測定装置であって、
利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定する脈波測定部と、
利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別部と、
前記状態判別部が睡眠状態にあると判別すると、前記脈波測定部による脈波信号の測定
動作を間欠的に行わせる測定制御部と、
を備えることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る生体情報測定装置を前面から見たときの外観図である。
【図2】上記生体情報測定装置を背面から見たときの外観図(A)と、側面から見たときの外観図(B)である。
【図3】上記生体情報測定装置が備える脈波センサーの構造図である。
【図4】上記生体情報測定装置の機能ブロック図である。
【図5】上記生体情報測定装置が安静時モードにあるときの拍動信号測定方法を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例における生体情報測定方法の概略図である。
【図7】上記第1の実施例において考慮すべき点を説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施例における生体情報測定方法に関わる処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
===その他の発明に係る実施形態および実施例===
本発明の対象は、常時装着が可能で、体動などに起因するノイズ成分を含んだ血流変動
を脈波として検出し、その検出した信号(脈波信号)に基づいて心拍を反映する拍動信号
を測定する生体情報測定装置や、生体情報として拍動信号を測定するための方法である。
本発明の比較例となる技術では、安静時や睡眠時などの活動が低下しているときの拍動信
号測定に関わる消費電力を削減するために、活動が低下していると判断すると、FFT処
理などの負荷の重い演算処理を休止させて、脈波信号を拍動信号として測定している。
【0016】
ここで、睡眠状態について考察すると、1日に占める睡眠状態にある時間は、他の状態
にある時間より短いかもしれないが、睡眠状態の特徴は、体動による脈波の乱れをほとん
ど考慮しなくてよい状態であり、かつ、その状態が長時間継続することにある。本発明は
、この睡眠状態の特徴点に着目して創作されたものであり、本発明の実施形態は、利用者
の身体に装着されて、当該利用者の生体情報として拍動信号を測定する生体情報測定装置
であって、本発明の実施例は、睡眠時における拍動信号の計測に関わる消費電力を劇的に
減らすことができる生体情報測定装置や、その拍動信号計測に関わる消費電力を劇的に減
らすことができる測定方法である。また、コンピューターに消費電力を低減させつつ正確
に拍動信号を測定させるためのプログラムも本発明の実施例としている。
【0017】
そして、本発明の生体情報測定装置に係る実施例は、上記主たる発明に対応する実施例
が備える特徴の他に、以下の各特徴を備えていることとしてもよい。
【0018】
前記脈波測定部が測定した脈波信号のピークの出現時間間隔に基づいて拍動周期を計算
するとともに、当該拍動周期に基づいて脈波信号の次のピークの出現時期を予測し、その
予測時期の前後所定期間を測定期間として設定する測定期間設定部を備え、
前記測定制御部は、前記状態判別部が睡眠状態にあると判別すると、前記脈波測定部を
連続的に動作させて、前記測定期間設定部により測定期間を設定させた上で、前記脈波測
定部の連続動作を停止し、前記設定された測定期間になると前記脈波測定部に脈波信号を
測定させるとともに、前記測定期間設定部に前記測定期間を再設定させること。
【0019】
前記測定制御部は、所定回数分の前記測定期間にて、前記脈波信号のピークが検出でき
なかった場合、前記脈波測定部に脈波信号を連続的に測定させること。
【0020】
人体の体動に伴う体動信号を測定する体動信号測定部と、
前記脈波信号と前記体動信号とに基づいて、当該脈波信号中のノイズ信号を除去して、
利用者の拍動を反映した拍動信号を抽出する拍動抽出部と
前記脈波測定部が測定した脈波信号のピークの出現時間間隔、あるいは前記拍動抽出部
が抽出した拍動信号に基づいて拍動周期を計算する拍動測定部と、
を備えるともに、
前記状態判別部は、利用者の状態として、運動状態、安静状態、および睡眠状態を判
別し、
前記測定制御部は、
前記運動状態にあるときは、前記体動信号測定部と前記拍動抽出部とを動作させるとと
もに、前記拍動測定部に前記拍動信号に基づいて前記拍動周期を計算させ、
前記安静状態にあるときは、少なくとも、前記拍動抽出部の動作を休止させるとともに
、前記拍動測定部に前記脈波信号のピークの出現時間間隔に基づいて前記拍動周期を計算
させ、
前記睡眠状態にあるときは、前記拍動抽出部と前記体動信号測定部の動作を休止させる
とともに、前記拍動測定部に前記脈波信号のピークの出現時間間隔に基づいて前記拍動周
期を計算させること。
【0021】
前記状態判定部は、所定の利用者入力を受け付けて、前記睡眠状態であると判定するこ
と。あるいは、所定の生体情報を測定する生体情報測定部を備え、
前記状態判定部は、所定の利用者入力により、睡眠状態開始時点の指定情報を受け付け
ると、当該開始時点を含む所定期間、前記生体情報測定部が測定している生体情報を監視
し、当該生体情報に基づいて睡眠状態であると判別すると、前記脈波測定部を間欠的に動
作させること。
【0022】
また、本発明の生体情報の測定方法に係る実施例は、利用者の身体に装着可能で、利用
者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定する脈波センサーを備えたコンピュ
ーターにより、
利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別処理と、
前記状態判別処理により、睡眠状態にあると判別すると、前記脈波センサーによる脈波
信号の測定動作を間欠的に行わせる測定制御処理と、
を実行することを特徴としている。
【0023】
また、生体情報測定プログラムも本発明の対象であり、当該プログラムに係る実施例は
、利用者の身体に装着可能で、利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定
する脈波センサーを備えたコンピューターにインストールされて、当該コンピューターに

利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別処理と、
前記状態判別処理により、睡眠状態にあると判別すると、前記脈波センサーによる脈波
信号の測定動作を間欠的に行わせる測定制御処理と、
を実行させることを特徴としている。
【0024】
===本発明の実施形態===
本発明の具体的な実施形態として、腕時計型の生体情報測定装置(以下、測定装置)を
挙げる。この測定装置は、例えば、この測定装置を装着している人(以下、装着者)がウ
ォーキングやジョギングをしているときの脈波をセンサーを用いて電気信号(脈波信号)
に変換し、その脈波信号を解析することで心拍数や、その心拍数に基づいて計算されるカ
ロリー消費量などを表示出力して装着者に提示する機能を備えている。さらに、装着者が
睡眠中にあるときも脈波の検出、および拍動信号の測定動作を継続し、その測定結果とし
て、例えば、睡眠中の平均心拍数や覚醒時と睡眠時を通した総合的なカロリー消費量など
を計算したりする。その計算結果を、例えば、所定の操作入力を受け付けた際に表示出力
する。そして、本実施形態の測定装置は、睡眠時に正確に拍動信号を測定しながら、測定
装置の消費電力を可能な限り低減することができるようになっている。
【0025】
<構造>
図1に測定装置1の外観図を示した。この測定装置1は、一般的なデジタル腕時計と同
様の外観を有し、人の手首に装着するためのリストバンド2を備え、ケース3の前面には
時刻、この装置の動作状態、および各種生体情報(心拍数、カロリー消費量、体温など)
を文字や数字、あるいはアイコンによって表示するための液晶表示器(LCD)4が配置
されている。また、ケース3の周囲やケース3前面のフレーム部分にはこの測定装置1を
操作するための各種ボタン5が配設されている。また、この測定装置1は、内蔵する二次
電池を電源として動作し、ケース3の側面には、外部の充電器と接続されて、内蔵二次電
池を充電するための充電端子6が配設されている。
【0026】
図2(A)に、測定装置1を後面、すなわちケース3の背面から見たときの外観図を示
した。また、図2(B)に装着者の腕100に装着された状態の測定装置1の側面を示し
た。ケース3の背面には、装着者の脈波を検出して脈波信号を出力するための脈波センサ
ー10が配設されている。この脈波センサー10は、ケース3の背面に接触している装着
者の手首100にて脈波を検出する。本実施形態では、脈波を光学的に検出するための構
成を備えている。
【0027】
図3は、脈波センサー10の内部構造をケース3の側面から見たときの拡大図である。
ケース3の背面側に円形底面を有する半球状の収納空間内に、LEDなどの光源12と、
フォトトランジスタなどの受光素子13とが内蔵されている。半球の内面は鏡面11であ
り、半球の底面側を下方とすると、受光素子13と光源12は、基板14の上面と下面に
それぞれ実装されている。
【0028】
光源12により、装着者の手首100の皮膚101に向けて光Leが照射されると、そ
の照射光Leが皮下の血管102に反射して半球内に反射光Lrとして戻ってくる。その
反射光Lrは、半球状の鏡面11にてさらに反射して、受光素子13に上方から入射する

【0029】
この血管102からの反射光Lrは、血液中のヘモグロビンの吸光作用により、血流の
変動を反映してその強度が変動する。脈波センサー10は、拍動よりも早い周期で光源1
2を所定の周期で点滅させ、受光素子13は、光源12の点灯機会ごとに受光強度に応じ
た脈波信号を光電変換によって出力する。なお、本実施形態では、128Hzの周波数で
光源12を点滅させている。
【0030】
<機能ブロック構成>
図4に上記測定装置1の機能ブロック構成を示した。測定装置1のハードウエア構成は
、時刻やタイマーなどの計時に関わる機能と、拍動、体動、体温などの生体情報を測定す
る機能とに特化したコンピューターである。そして、測定装置1は、CPU20、RAM
21、ROM22からなるコンピューター本体を制御部とし、その制御部を動作させるた
めの基準クロックを生成するための発振回路23と、その基準クロックから計時用のクロ
ックを生成する分周回路24を備えている。また、FFTに関わる演算を専用に行うDS
Pである乗算器25を備えている。
【0031】
ユーザーインターフェイスに関わる構成としては、CPU20からの指示に従って情報
をLCD4に表示するための表示部26、圧電振動子27などを用いてアラーム音や振動
を出力するための警報部28、操作ボタン5に対する操作状態を記述する操作データを生
成してCPU20に入力するための入力部29を備えている。
【0032】
また、測定装置1は、生体情報を測定するための構成として、各種センサー(10,3
0,31)を備えている。脈波センサー10は、上述したように、LEDなどの光源12
と受光素子13を主体にして構成されている。体動センサー30は、3軸の加速度センサ
ーであり、3軸方向のそれぞれの加速度に応じて3系統の体動信号を出力する。なお3軸
方向は、例えば、図1に示したように、ケース3前面の法線方向(紙面奥から手前方向)
をZ軸、時計の6時から12に向かう方向をY軸、そして、これら2軸と直交する方向を
X軸、などとすることができる。この場合、X軸は、測定装置1を装着した状態で、肘か
ら手首に向かう方向とほぼ一致する。温度センサー31は、例えば、温度に応じて抵抗値
が変化することを利用し、抵抗の端子間電圧を温度信号として出力する。なお、本実施形
態では、温度センサー31は、ケース3の背面に配設されており、脈波センサー10と同
様に、装着者の手首100に接触して、当該接触部位の温度を測定できるようになってい
る。
【0033】
さらに、脈波センサー10からの脈波信号、体動センサー30からの体動信号をそれぞ
れ増幅する脈波信号増幅回路32、および体動信号増幅回路33と、それぞれの増幅回路
(32,33)を経て増幅された脈波信号と体動信号、および温度センサー31からの温
度信号を所定のサンプリング周期ごとに個別にサンプリングして数値化して、それぞれの
信号を脈波信号データ、体動信号データ、および温度データに変換するA/D変換回路3
4を備えている。本実施形態では、16Hzのサンプリング周波数で各信号をA/D変換
している。
【0034】
脈波形整形回路35、および体動波形整形回路36は、脈波信号増幅回路32、および
体動信号増幅回路33を経て増幅された脈波信号、および体動信号を、それぞれに所定の
閾値との比較に基づいて2値化する。CPU20は、これらの波形整形回路(35,36
)からの入力信号に基づいて脈波あるいは体動の有無を検出する。なお、拍動抽出部41
、拍動測定部42、状態判別部43、心拍数計算部44、測定制御部45は、CPU20
がROM22などに格納されたプログラムを実行することで実現される機能ブロック構成
であり、本実施形態では、個別のハードウエアとしては存在していない。もちろん、これ
らの構成(41〜45)は、DSPなどに置換することも可能である。
【0035】
通信部50は、パーソナルコンピューターなどの外部の情報処理装置とCPU20との
データ通信に関わる情報処理を行う。CPU20は、この通信部50を介して情報処理装
置に各種データを転送したり、情報処理装置から各種データを受け取ったりする。なお、
通信部50と外部の情報処理装置とは、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して直接
接続される形態もあり得るし、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接
続される形態もあり得る。無線信号により通信する形態も考えられる。ケーブル接続の場
合は、ケース3の外面にケーブルと接続するためのコネクターを設けておけばよい。無線
通信の場合は、情報処理装置側にその無線通信用のインターフェイスがあればよい。
【0036】
本実施形態では、通信部50は、クレイドルを介して情報処理装置と通信する形態を採
用している。そして、通信部50とクレイドルとは無線信号により通信し、クレイドルと
情報処理装置とが有線接続されて通信するように構成されている。それによって、情報処
理装置には、特殊な無線通信インターフェイスが不要となり、測定装置1には、コネクタ
ーが不要となる。
【0037】
具体的には、クレイドルは、測定装置1を着脱自在に装着可能な形状をなし、装着状態
にある測定装置と無線信号により測定装置1の通信部50と通信するための構成と、情報
処理装置とUSBなどの汎用の通信規格に準じたプロトコルで通信するための構成とを備
え、測定装置1と情報処理装置の双方との通信において送受信されるプロトコルの異なる
信号を解釈して相互変換する。それによって、CPU20は、通信部50を介して情報処
理装置とのデータ通信が可能となる。
【0038】
そして、以上の測定装置1の構成により、CPU20は、入力部29からの操作データ
に従ってROM22に記憶されている所定のプログラムを実行するとともに、その実行結
果やA/D変換回路34からのデータなどをRAM21に書込んだり、その書き込んだデ
ータをRAM21から読み出したりする。また、表示部26を制御して情報処理の実行結
果、測定装置1の動作状態、あるいは時刻などをLCD4に表示させたり、警報部28を
制御して音声や振動による信号を出力したりする。
【0039】
===動作モード===
上記構成を備えた本実施形態に係る測定装置1の主要な機能は脈波を常時検出して拍動
信号を常時測定することにある。そして、測定装置1のCPU20は、装着者の活動状態
に応じて、異なるアルゴリズムで拍動信号を測定する。具体的には、装着者が運動などを
して体動が活発となる運動時と、デスクワークなど覚醒してはいるが体動が少ない安静時
、および睡眠時とで、測定装置1をそれぞれ異なる動作状態(動作モード)にした上で拍
動信号を異なるアルゴリズムに基づいて測定する。このように、本実施形態に係る測定装
置1は、各種動作モードを備えることで、消費電力をきめ細かく管理することができ、低
消費電力化と測定の精度確保とを両立している。
【0040】
しかし、本実施形態に係る測定装置1の特徴は、各種モードで動作が可能な点だけでは
ない。そして、最も大きな特徴は、睡眠時における動作モード(睡眠時モード)における
拍動信号の測定方法にあり、睡眠時モードでは、その測定方法により、消費電力を極限ま
で節約することができるようになっている。以下では、まず、運動時を対象とした拍動信
号測定動作(運動時モード)や安静時の動作モード(安静時モード)を本発明の従来例と
して説明し、その上で、睡眠時における拍動信号測定動作(睡眠時モード)を本発明の実
施例として説明する。
【0041】
===運動時モード===
運動時に脈波センサー10が出力する脈波信号は、体動の影響により乱れた血流の変動
を反映している。状態判別部43は、体動波形整形回路36からの信号により、体動を検
出していると判定している状態で、かつA/D変換回路34からの体動データによって体
動が所定以上の強度にあると、運動時である、と判定する。あるいは、装着者が意識的に
運動を開始する前に測定装置1に対して所定の操作を行い、状態判別部43は、その操作
信号の入力によって運動時である、と判定してもよい。いずれにしても、測定制御部45
は、状態判別部43によりこの運動時の旨の情報が出力されると、運動時モードに切り替
える。
【0042】
運動時モードでは、拍動抽出部41により脈波信号データから体動に相関するノイズ成
分を除去して拍動信号のみを抽出する。具体的には、拍動抽出部41は、CPU20が所
定のプログラムを実行することで実現されるデジタルフィルターであり、FIRフィルタ
ーなどによって構成される適用フィルターを用いてノイズを含んだ脈波信号から拍動信号
を抽出する。そして、拍動測定部42は、抽出した拍動信号のデータを乗算器25を用い
てFFT解析することにより拍動の周波数(あるいは周期)を特定する。心拍数計算部4
4は、その特定された周波数や周期に基づいて1分間あたりの拍動、すなわち心拍数を計
算する。CPU20は、その心拍数のデータを、例えば、RAM21に記憶したり、装着
者の操作に従ってLCD4に表示したり、通信部50を介して外部の情報処理装置に転送
したりする。
【0043】
===安静時モード===
安静時における脈波信号の波形は、図5に示した波形110のように、ほぼ心拍を反映
したものとなる。したがって、フィルタリング処理やFFT処理を休止しても、脈波信号
波形において周期的に現れるピークPhを検出すれば、隣接するピーク間の時間tpを拍
動の周期と見なせる。そして、心拍数計算部44は、その周期から心拍数を計算すること
ができる。なお、安静時であっても、測定装置1を何かにぶつけたりして、ノイズが発生
すると、脈波信号110とは相関のないピークPnが検出されてしまい、拍動のピークP
hと誤検出する可能性がある。そこで、脈波信号110に閾値として、上限値THと下限
値TLを設定しておき、その設定値の範囲以内にあるピークPhの出現間隔時間のみを計
測すればよい。
【0044】
このように安静時モードでは、高負荷で消費電力が大きなフィルタリング処理やFFT
処理を休止することで、低消費電力化を達成している。なお、安静時と運動時との判別は
、例えば、体動信号データに基づく体動信号の振幅を監視し、所定値以下の振幅が所定時
間継続した場合に安静時と見なして安静時モードへ移行させればよい。もちろん、装着者
によるユーザー入力に従ってモードを変更するようにしてもよい。
【0045】
なお、安静時は、装着者が覚醒している以上、急激に体動が変化する可能性が高いので
、体動センサー30は常時作動させておく必要がある。必要に応じてサンプリング周期を
長くして、ある程度の省電力化を図ってもよい。そして、体動信号が所定値以上の振幅で
所定時間以上継続したならば、運動時モードに移行させればよい。
【0046】
===睡眠時モード===
上述したように、安静時モードでは、フィルタリング処理やFFT処理を休止すること
で、低消費電力化を達成している。睡眠時モード時においても、安静時と同様に不要な処
理を休止させている。しかし、睡眠時モードでは、拍動信号の測定方法自体を工夫するこ
とで、安静時モードよりもさらに消費電力を削減することができるようになっている。そ
して、この睡眠時モードにおける拍動信号の測定方法が、本発明の実施例となる。以下で
は、その実施例として、具体的に、睡眠時モードにおける拍動信号の測定手順をいくつか
挙げる。
【0047】
===第1の実施例====
第1の実施例として、睡眠時モードにおける拍動信号の測定方法の基本原理を示す。例
えば、心拍数が60、すなわち1Hzであるとすると、脈波センサー10は128Hzの
周波数で光源11を点滅させている。また、A/D変換回路34は、16Hzのサンプリ
ング周波数で、脈波センサー10からの脈波信号をA/D変換している。したがって、1
秒間の128回の点灯のうち、脈波信号のピークを検出する点灯機会以外は、無駄な点灯
動作となり、16回のサンプリング機会のうち,ピークの検出に要するサンプリング機会
以外は、無駄なサンプリング動作となる。
【0048】
図6に、第1の実施例における拍動信号測定方法の概略を示した。図6(A)は、拍動
信号110に対する光源12の点灯機会111とサンプリング機会112との関係を示し
た図であり、(B)は、(A)における円113内の拡大図である。第1の実施例では、
拍動の周期を測定する方法は安静時モードと同様であり、脈波信号のピークPhの検出周
期を拍動周期としている。しかし、第1の実施例では、拍動信号を測定する際の脈波セン
サー10やA/D変換回路34の制御を工夫している。(A)に示したように、測定動作
自体を実行する測定期間taと測定動作を休止する測定休止期間tsとを設け、図6(B
)に示したように、測定期間taでのみ光源12を128Hzで点灯させてサンプリング
を行う。測定休止期間tsでは、光源12を点灯させずサンプリングも行わない。すなわ
ち、拍動信号を間欠的に測定している。それによって、脈波の検出自体に関わる光源12
による消費電力とサンプリングに関わる消費電力を大きく削減することができる。睡眠時
モードでは、フィルタリング処理やFFT処理を休止させるとともに、体動センサー30
、体動信号増幅回路33、および体動波形整形回路36の動作も休止状態にする。
【0049】
なお、測定期間taと測定休止期間tsの交代周期は、例えば、睡眠時モードに移行す
る直前の拍動周期を採用したり、過去の心拍数の履歴を記憶しておき、最も低い心拍数に
合わせて周期を設定したりすればよい。また、測定期間taと測定休止期間tsの長さの
比ta/tsについては、所定の値があらかじめROMなどに記憶されていればよい。
【0050】
===第2の実施例===
第1の実施例のように、拍動信号の間欠測定動作をその測定開始から定常的に行う場合
、長時間に渡る睡眠中に心拍数が徐々に変わっていき、最終的に図7に示したように、測
定期間taと脈波信号110におけるピークPhの出現時期tpとが大きくずれてしまう
可能性がある。このようになると、脈波信号110のピークPhを検出できず、拍動信号
を測定できない。測定期間taを測定休止期間tsに対して相対的に長くすればよいが、
測定期間taを長くすると、消費電力の削減効果が少なくなる。そこで、第2の実施例で
は、脈波信号110のピーク出現時期tpを予測し、その予測時点を含む前後所定期間を
測定期間taに設定することとしている。
【0051】
図8は、CPU20が第2の実施例における拍動信号の測定方法に基づいて行う情報処
理の流れ図である。CPU20は、睡眠時モードへ移行させたならば、すぐに間欠測定動
作を開始せず、ピーク出現時期tpが予測可能となるまで、連続して脈波信号の測定処理
を実行する。本実施例では、脈波信号のピークを2回検出するまで測定する(s1〜s5
)。すなわち、ピークを2回検出すれば、そのピーク間の時間が拍動周期となり、次のピ
ーク出現時期tpを予測することができる。脈波信号のピークを2回検出したならば、検
出した二つのピーク間の時間間隔を拍動周期とし、この拍動周期に基づいて心拍数を計算
し、これを記憶する(s5→s6〜s8)。なお、第2の実施例では、心拍数の計算とそ
の記憶処理(s8)に先立って、睡眠時モードの強制終了条件となる、後述のパラメータ
ー(ピーク未検出回数:N)を初期値に設定する(s6)
さらに、二回目のピーク検出時点を起点として、拍動周期経過後を次のピークの出現時
点として予測し、その予測時点を含む前後所定時間範囲を測定期間として設定する(s9
,s10)。例えば、次の測定期間の範囲にある時刻をTとし、次のピークの出現予測時
刻をT1とすると、その時刻T1中心にして、あらかじめ設定されている適当な時間範囲
Δt(例えば、拍動周期の10%程度)をその中心の前後に加えた期間を次の測定期間と
する。すなわち、Tの範囲をT1−Δt≦T≦T1+Δtとすればよい。
【0052】
そして、次の測定期間を予測したならば、拍動信号の測定動作を休止し(s11)、測
定期間の到来を監視する。測定期間になると、拍動信号の測定動作を開始し(s12→s
13)、当該測定期間中に脈波信号のピークが検出されたならば、前回のピーク検出時点
からの経過時間を新たな拍動周期とし(s14→s15→s7)、再度、心拍数の計算や
その記憶、および次期ピークの出現時点の予測処理を実行し、測定期間を再設定する(s
8〜s10)。
【0053】
しかし、予測が外れ、設定した測定期間内にピークPhが検出されなかった場合には、
ピーク未検出の回数Nに1を加算し、前回の拍動周期に基づいて測定期間を再設定する(
s15→s16,s17→s7)。また、ピークPhの未検出回数Nが所定値nに達した
なら、心拍数が大きく変動したとして、睡眠時モードを終了させて安静時モードへ移行す
る(s17→s18)。
【0054】
このように第2の実施例では、脈波信号のピーク出現時期を予測することで、その予測
時点のきわめて短い期間を脈波信号の測定期間に設定すればよく。測定休止期間を大幅に
長くすることができ、劇的に消費電力を削減することが期待できる。
【0055】
===第3の実施例===
上記第1および第2の実施例では、睡眠時モードにおける拍動信号の測定方法自体に特
徴があった。第3の実施例は、他のモードから睡眠時モードへ移行させるための動作に特
徴を有している。以下に、第3の実施例として、その睡眠時モードへ移行させるための条
件や手順を示す。
【0056】
<ユーザー入力>
睡眠時モードに移行させるための最も確実な方法は、ユーザー入力によるものである。
すなわち、ユーザー自身が測定装置1を操作してモードを切り替えることである。ユーザ
ー入力としては、直接測定装置1に指示を与える場合と、測定装置1における計時機能と
して標準で実装されているタイマー予約機能を用い、睡眠時モードに移行させる時刻を指
定する場合とが考えられる。また、就寝中は周囲を暗くすることが多く、ケース3の背面
以外にも受光素子を配置して周囲の明るさが急に暗くなったことを検出することで睡眠モ
ードに移行させてもよい。すなわち、この場合は、装着者が周囲を暗くする、という操作
を行い、測定装置1は、受光素子による受光強度変化をユーザー入力として受け付けるこ
とになる。なお、受光素子の配置部位を一時的に遮光したり、部屋を消灯して、他の部屋
に移動したりする場合もあり得るので、周囲の明るさが急に暗くなったことに加えて、そ
の暗状態が所定時間継続していることを検出してから睡眠時モード移行させてもよい。
【0057】
このように所定のユーザー入力を契機として睡眠時モードに切り替えれば、睡眠状態を
検出するために要する電力を節約することができる。
【0058】
<ユーザー入力+状態監視>
上記ユーザー入力による睡眠時モードへの移行動作は、装着者が就寝前に安静状態にあ
れば、ある程度正確に脈波信号のピーク出現時点を予測することができると思われる。し
かし、装着者自身は、操作入力時点、あるいはタイマー予約の設定をした時刻になった時
点で、確実に安静状態、あるいは睡眠状態にあるとは限らない。
【0059】
そのため、例えば、第2の実施例において、装着者が実際に睡眠状態になる前に、脈波
信号の次のピーク出現時点を予測して測定期間を設定してしまうと、その設定した測定期
間に脈波信号のピークを検出できない可能性もある。そこで、装着者による直接的、ある
いは間接的な測定装置に対するユーザー入力によって睡眠時モードへの移行が指示された
場合、すぐに睡眠時モードに移行させず、その時点から睡眠状態になったか否かを監視す
るようにする。それによって、確実に睡眠状態になってから睡眠時モードへ移行でき、睡
眠中の心拍数を正確に測定することができる。なお、時刻を指定して睡眠時モードへ移行
させる場合には、その時刻の後、あるいは前後所定時間を装着者の状態を監視する期間と
すればよい。
【0060】
また、睡眠状態にあるか否かを判定するためには、体動信号を監視すればよい。あるい
は、温度センサーを用いて判定することもできる。睡眠時は、覚醒時と比較すると体温が
低下することが知られており、睡眠直前から放熱により末梢(手足など)の温度が上昇す
る。この温度の上昇を検出して睡眠状態になったか否かを判定することができる。
【0061】
===その他の実施形態・実施例===
上記実施形態の測定装置1では、脈波を光学的に検出していた。この実施形態に限らず
、脈波を圧電素子などの受動素子を用いて測定することもできる。受動素子は、活動時モ
ードであっても、電力をほとんど消費しない。したがって、受動素子を脈波センサーに用
いた測定装置では、睡眠時モードにおいて、受動素子からの信号を測定期間に限ってサン
プリングして省電力化を図ればよい。
【0062】
上記第2の実施例では、睡眠モードから安静時モードへの移行手順の一例が示された。
睡眠モードを終了させる方法としては、この例に限らず、第3の実施例と同様に、ユーザ
ー入力による方法がまず考えられる。すなわち、測定装置1を直接操作すれば、確実に装
着者が覚醒している、と判定できる。あるいは、目覚ましアラームを設定しておき、強制
的に覚醒させる方法もある。
【0063】
もちろん、アラームが起動する前に目覚める場合もあり得る。アラームよって目覚めな
い場合もある。そこで、起床予定時刻をあらかじめ設定しておき、その時刻の前後所定期
間を状態監視期間として、装着者が睡眠状態にあるか否かを判別する処理を実行する。睡
眠状態にあるか否かは、体動信号の変化を検出することで判別することができる。
【0064】
なお、常時装着可能であれば、測定装置1の形態は腕時計型に限るものではない。その
一方で、汎用のコンピューターにも腕時計型など、常時装着が可能な形態のものがあり、
そのようなコンピューターに脈波センサーを搭載することは容易である。したがて、脈波
センサーを備えた常時装着型のコンピューターにインストールされて、当該コンピュータ
ーを生体情報測定装置として機能させるためのプログラムを本発明の実施例とすることも
可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
この発明は、人体の拍動に関連する情報を出力する装置に適用可能であり、例えば、脈
拍計、心拍数に基づいてカロリー消費量の計算を行う装置、心電計のように拍動の時系列
変化を波形などによって表示出力する装置などに適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 生体情報測定装置、4 液晶表示器、5 操作ボタン、10 脈波センサー、
20 CPU、21 RAM、22 ROM、23 発振回路25、
24 分周回路、25 乗算器、26 表示部、28 警報部、29 入力部、
30 体動センサー、31 温度センサー、34 A/D変換回路、
41 拍動抽出部、42 拍動測定部、43 状態判別部、44 心拍数計算部、
45 測定制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の身体に装着されて、当該利用者の生体情報を測定する生体情報測定装置であっ
て、
利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定する脈波測定部と、
利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別部と、
前記状態判別部が睡眠状態にあると判別すると、前記脈波測定部による脈波信号の測定
動作を間欠的に行わせる測定制御部と、
を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記脈波測定部が測定した脈波信号のピークの出現時間間隔に基づいて拍動周期を計算
するとともに、当該拍動周期に基づいて脈波信号の次のピークの出現時期を予測し、その
予測時期の前後所定期間を測定期間として設定する測定期間設定部を備え、
前記測定制御部は、前記状態判別部が睡眠状態にあると判別すると、前記脈波測定部を
連続的に動作させて、前記測定期間設定部により測定期間を設定させた上で、前記脈波測
定部の連続動作を停止し、前記設定された測定期間になると前記脈波測定部に脈波信号を
測定させるとともに、前記測定期間設定部に前記測定期間を再設定させる、
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項2において、前記測定制御部は、所定回数分の前記測定期間にて、前記脈波信号
のピークが検出できなかった場合、前記脈波測定部に脈波信号を連続的に測定させること
を特徴とする生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
人体の体動に伴う体動信号を測定する体動信号測定部と、
前記脈波信号と前記体動信号とに基づいて、当該脈波信号中のノイズ信号を除去して、
利用者の拍動を反映した拍動信号を抽出する拍動抽出部と
前記脈波測定部が測定した脈波信号のピークの出現時間間隔、あるいは前記拍動抽出部
が抽出した拍動信号に基づいて拍動周期を計算する拍動測定部と、
を備えるともに、
前記状態判別部は、利用者の状態として、運動状態、安静状態、および睡眠状態を判
別し、
前記測定制御部は、
前記運動状態にあるときは、前記体動信号測定部と前記拍動抽出部とを動作させるとと
もに、前記拍動測定部に前記拍動信号に基づいて前記拍動周期を計算させ、
前記安静状態にあるときは、少なくとも、前記拍動抽出部の動作を休止させるとともに
、前記拍動測定部に前記脈波信号のピークの出現時間間隔に基づいて前記拍動周期を計算
させ、
前記睡眠状態にあるときは、前記拍動抽出部と前記体動信号測定部の動作を休止させる
とともに、前記拍動測定部に前記脈波信号のピークの出現時間間隔に基づいて前記拍動周
期を計算させる
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、前記状態判定部は、所定の利用者入力を受け付けて
、前記睡眠状態であると判定することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
所定の生体情報を測定する生体情報測定部を備え、
前記状態判定部は、所定の利用者入力により、睡眠状態開始時点の指定情報を受け付け
ると、当該開始時点を含む所定期間、前記生体情報測定部が測定している生体情報を監視
し、当該生体情報に基づいて睡眠状態であると判別すると、前記脈波測定部を間欠的に動
作させることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項7】
利用者の身体に装着可能で、利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定
する脈波センサーを備えたコンピューターにより、
利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別処理と、
前記状態判別処理により、睡眠状態にあると判別すると、前記脈波センサーによる脈波
信号の測定動作を間欠的に行わせる測定制御処理と、
を実行することを特徴とする生体情報測定方法。
【請求項8】
利用者の身体に装着可能で、利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定
する脈波センサーを備えたコンピューターにインストールされて、当該コンピューターに

利用者が睡眠状態にあるか否かを判別する状態判別処理と、
前記状態判別処理により、睡眠状態にあると判別すると、前記脈波センサーによる脈波
信号の測定動作を間欠的に行わせる測定制御処理と、
を実行させることを特徴とする生体情報測定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−193886(P2011−193886A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60339(P2010−60339)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】