説明

生体表皮組織の特性及び機能と生体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用生体素材及び製造方法

【課題】 生体組織で発生する電磁気場の微弱な情報シグナル(生体シグナル)を検知して記憶し、伝達する機能を有する生物体の表皮組織の中で魚類の鱗、鳥類の羽毛、亀の甲殻を利用して生体で発生する情報シグナルとその変化に感応して再伝送する。
【解決手段】 表皮が発達した生物体の死体を塩と香料が添加された水に浸漬して表皮を分離し、重クロム酸カリウムと食酢とを混合した溶液に浸漬して室温で乾燥させ、高温低温を交互で加える温冷処理し、紫外線で殺菌して静電気生成工程をへて、メラニン結晶体が多量含まれた部位を選別、切断して外面に松の実油を薄く塗布して製作した生体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用固形生体素材及びその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体組織で発生する電磁気場の微弱な情報シグナル(生体信号)を検知し、記憶して伝達する機能を有する動物の表皮組織の中で魚類の鱗、鳥類の羽毛、亀の甲殻を利用して生体で発生する情報シグナルとその変化に感応して再伝送する生体電磁気シグナル感応用生体素材及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人類が生体に電気現象があることを知るようになったのは紀元前1世紀頃のことである。書籍によれば当時人類は電気魚(Electric Fish)を利用して頭痛や脱肛治療を試みたことがある。一方、このような現象が或特別な生物に局限されず、一般的な生命現象の一部として存在するものと認識するようになったのは1786年ガルバニ(Luigi,Galvani:1737-1798、イタリア医学者、生理学者、物理学者)が蛙の脚筋肉を用いた試験で生体電位現象を観察した以降のことである。
ガルバニは実験中蛙の脚が起電機の火花や解剖刀と接触する時、痙攣を起すことを発見して研究した結果、これが電気と関係のある事実を知るようになり、“生物体電気”の存在を主張した。1791年発表されたガルバニ電気に関する論文は当時学界に大きな刺激を与え電気生理学、電磁気学、電気化学発展の契機となった。
【0003】
“フーリエ級数(Fourier Series)理論”も生体電位研究と生体信号検出に至大な影響を与えた。1807年フーリエ(Joseph Fourier:1768-1830 フランスの数学者、数理科学者)が主張したフーリエ級数(Fourier Series)理論のお陰で、種々の振幅(Amplitude)と位相(Phase)を有する高調波成分等(Harmonicsm)の和により、周期信号を表示できるようになった。フーリエ級数理論は心電図(ECG)、脳電図(EEG)、筋電図(EMG)、神経活動電位、皮膚抵抗(GSR)等のような生体信号にも適用可能であるが、この際、適用されるフーリエの周波数解析は“フーリエ変化(Fourier Transform)”と称する。
フーリエの生体信号周波数解析方法は分析しようとする対象信号がどのうな周波数帯域に分布しているのか、さらに、対象信号がどのような周波数成分の信号等からなされているのかに対する端緒を提供する。
【0004】
ガルバニが動物の体内に電気的性格があることを主張して100余年が経って、ドイツの生理学者デュブアレモン(Du Bois-Raymond:1818-1896)は極めて敏感な電流計を利用して、神経が刺激を受けた時、神経内に流れる微細な電流を検知した。
1903年にオランダの生理学者エイトホーベン(Willem Einthoven:1860-1929)は心臓搏動電位の微細な変化にも反応できる極めて繊細な電流計を発明し、1906年には電位の高低も記録できるように改良した。これが心臓疾患を予測する“心電図測定器”である。
このように、今まで用いられている普遍的な生体信号検知方法では、人体や生物体の露出された皮膚面に微弱な電流を加えて水分や熱等を測定する方法と、生体の皮膚面に遺棄された微弱な電流を電極で検知する方法等がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これは普遍的な生体信号検知方法である為、生体信号の性格や環境が変わった際、その変化まで区別して検知することはできない。言い換えれば癌細胞等のような病理細胞の生体信号は別に区別することができない。性格が異なる生体信号間の差は極めて微細である為、今まではこれを区分して検知するほどの敏感な素材はなかった。
従って、癌細胞の生体信号を検波(Detect)するには、癌細胞の生体機能と生体信号を検知できるほどの新素材を開発しなければならない。
このような性格の新素材を探している中、亀やスッポンの甲殻、魚類の鱗、鳥類の羽毛等が生体で発生する生体電位信号を捕捉して敏感に認知することを知るようになった。
さらに、動物の表皮が有する性質についてより詳しく説明する。
【0006】
表皮は生物体の一番外側の表面に固い角質層で形成されている為、今までは外部の機械、化学、物理的影響から生物体を保護する役割をするものと認識されてきた。表皮には他の組織(Tissue)等が普遍的に備えている血管、神経、組織液がない為、死んでいる角質組織とだけ知られてきた。
しかしながら、科学技術の発達と共に生体表皮の構造と機能が究明されるに従い、表皮に従来の保護機能の他に極めて重要で多様な機能のあることが明らかになった。
【0007】
ケラチン(Keratin)からなる表皮は生物体の内部と外部世界を区切る境界膜であって、外部世界の物理シグナルは生物体の神経システムと頭脳に到達する前に、必ずこの“境界膜”に捕捉され加工される。
発生学的に考察するに、表皮は外胚葉(Ectoderm)で分化される。外胚葉の萌芽細胞では表皮、脳、脊髄、神経、神経器官、感覚器官等が分離され形成される。表皮は萌芽細胞からなる独立層にして皮膚の派生器官でない独立器官である。
【0008】
魚類の鱗から薄い膜を分離して電子顕微鏡で観察すると表皮膜には外胚葉から表皮が生成される時、メラニン細胞で発生したメラニン結晶体(Melanin Crystalloid)が多数含まれている。メラニン結晶体等は極めて複雑に群を成しており、その様子は頭脳組織を成す神経膠細胞(Neuroglia Cell)の一種である星状細胞(Astrocyte)、灰突起膠細胞(Oligodendrocyte)等と類似する。
人の角質層、昆虫のキチン質、魚類の鱗、爬虫類の甲殻、鳥類の羽毛等のように、外胚葉で生成、分化された生物体の表皮は一定の加工過程を経ると生体の電磁気シグナルスペクトルを分析(Analysis)、総合(Synthesis)、記憶(Memory)、学習(Learning)、再形成(Transformation)、伝送(Transmision)、再伝送(Retransmision)する等その機能も脳と類似する。
【0009】
表皮は生物体の表面を覆う循環の多層構造(Periodic Multi-layer System)で角質細胞が圧着された固い半透明物質(Optical Medium)-ケラチン(Keratin)で形成されている。厚さ0.05-3mm程度の表皮構造には10-30オングストローム(Å:Angstrom)厚の半透明薄膜層(Membrane)が5-10Aの距離をおいて、数十、数百層に層を成している。表皮膜構造の特徴は柔軟性(High-Elasticity)にある。マイクロフィルムのように薄い表皮薄膜はバイオリンの弦のようにぴんと張っていて膜と膜間の空間にはメラニン結晶体等が入っている。
殆どの生体構造と同様に表皮も巨大分子(Macromolecule)で形成された高分子物質(Polymer)である。巨大分子とは、長い高分子物質鎖(Chain)である。高分子物質の分子鎖ではモノマ(Monomer)が体系的に連結されている。多層構造を有している表皮膜も同様である。このような連結体系のお陰で全てのモノマが一つの生体高分子物質構造で統合され、この連結体系の“強度(Intensity)”が可変的である為、表皮の連結体系が非線形性(Nonlinerity)を帯びるようになる。一つの生体高分子物質であっても連結体系の構造や数量により連結部位の弾性(Expansion)はいくらでも異なることがあり得る。
【0010】
表皮のような構造が複雑な不規則媒質の中には光のような外部電磁気場を通過させ、散乱して吸収する要素等が含まれている。ここで重要なことはこの要素等が光を通過させる方式が受動的だけではないと言うことである。光束が表皮を構成する高分子物質等に刺戟を与えると、高分子物質を成す細胞及び連結体系(モノマ)等は振動を始め、この振動は“エコ効果(Echo Effect)”により複数回に亘り繰返される。このような振動過程は次の高分子物質へ転移され、ここでもエコ効果が発生する。
外部電磁気場が表皮に接すると表皮を成す生体高分子物質(Biopolymer)がエネルギーを変換する変形機(Transformer)及び振動子(Oscillator)の役割をする為、振動高調波(Harmonic Generation)が形成されエネルギー再放射現象が発生する。
【0011】
振動高調波はバッテリのように作用してエネルギーを初期刺戟状態に取り戻す。つまり、エネルギーが集中される。この過程で非線形波動の電波が安定する。このような波動を“孤立した”電磁気波 -ソリトン(Soliton)又は波動パケット(Wave Packet)と称する。波動パケットはこれらと振動性格が一致する分子共振器(Molecular Resonator)により吸収される。これもやはりエネルギーが充満された表皮内分子の機能と潜在力が調節された結果である。分子に電荷量が充満すると分子内配座(Conformation)の性格が変わり、蛋白質及びその他別の生体高分子物質(Biopolymer)にも変化が生ずる。
【0012】
光と生体組織(Tissue)が相互作用する時、生体組織は逆反射原則(Feed-Back原則)により、変化中の振動ーエネルギー情報にリズムを合わせる。これにより、光波前方(Front)の性格と光波を吸収、通過する過程で刺戟を受けた媒質(Medium)の性格が一致する。このような現象を自己組織現象(Self-Organizing)、又は相互活動性現象(Mutual Active Process)と称する。
表皮のような生物体組織が電磁気放射の影響を受けた時、振動高調波(Oscillation Harmonic Generation)が発生するのは、表皮の非線形光学的(Nonlinear Optic)特性と多層構造(Multi-layer System)の為である。
【0013】
多くの種類の生体組織の中で表皮が占める位置は格別である。表皮は一方では外部世界と内部世界を区切る境界膜でありながら、他の一方では全く異なる二つの世界の情報を交換する連結環である。従って、魚類の鱗、鳥類の羽毛、亀の甲殻等のように、極めて発達した表皮等は“複合情報システム(Multi Information System)”と称しても大した無理は無いであろう。
表皮が紫外線(Ultraviolet Ray)から近赤外線(Near Infrared Ray)に至る全ての波動領域のスペクトルを通過させるのではない。表皮はスペクトルを選択的に通過させ、一定の領域では急激な変化を起すこともある。これは表皮に極めて狭く細い吸収領域(共振:Resonance)があるからである。
【0014】
電磁気場の放射エネルギーは表皮を刺戟した後、表皮により吸収される。しかしながら、これは単なる吸収で無く、放射されたエネルギーのスペクトル性格を代える過程である。生物学的観点から見るにこれはエネルギー学的に極めて有用である。放射スペクトル要素が短波(Short-Wave)領域に転移されると生物体内部に追加エネルギーが発生する。生体活動性を高める主要エネルギーが発生するのである。
光子(Photon)単位で測定する放射量子(Quantum)エネルギーは周波数vに比例する(EΦ=hv0)。波長λ(λ=c/v,c=振動状態での光の速度)が短くなると周波数が増加し、光子エネルギーも増加する。光子エネルギー数値EΦ1=hv01(h=プランク定数)(Planck’s constant)が変わるのである。“再放射”された光子エネルギーと初期光子エネルギーとの差(△EΦ=hv01-hv0=h(v01-v0)=h△v)は生物体の代謝作用に用いられる。光学生体反応の場合、光は新陳代謝(Metabolism)に直接的に参与するエネルギーとその他の形態のエネルギーに変換する。
【0015】
表皮は頭脳と類似した機能をする多層の光学媒質(Multi-layer Optic medium)にして、表皮を成す振動子(Oscillator)等は連結体系が非線形的でありながら調和され、動きが無いようでありながら相互作用する。
従って、表皮膜構造には微細な刺戟にも機械的振動(Mechanical Oscillation)、光学振動(Optical Oscillation)、電気的振動(Electric Oscillation)等のような多様な物理的変化が発生する。外部電磁気場、例えば癌や炎症等疾病にかかった生体特定部位の電磁気場(Electromagnetic Field)が生物体の表皮に放射されると、表皮内部にある複数の薄膜では機械的振動が発生し、表皮膜の半透明性の為光学振動が発生して膜と膜との間の空間では電荷とイオンが変化して電気的振動が発生する。この3種の振動の性格を数学、物理学的に解読した結果、生物体で分離され、一定の加工過程を経た表皮が疾病を患う生体特定部位電磁気場の性格を分析して総合すると言う事実が明らかになった。
【0016】
表皮は電解質(Electrolyte)を含有しない。表皮の薄膜は固い膜組織にして電気物理学的面から見るに、電気抵抗が1012-1015の絶縁体(Insulator)である。しかしながら、一定の条件が満たされると表皮は“バイオエレクトリト(Bio-Electret)”範疇に属するようになる。“エレクトリト”とは、半永久的電荷(quasiconstant Electric Charge)を有する誘電体(Dielectric Substance)である。全てのエレクトリトの表面電荷は安定的である。おおよそエレクトリト効果は重要な生体高分子物質(Biopolymer)より見いだされる。生体高分子物質でありながら多層の光学媒質であり、ケラチン薄膜から成る平たい角質上皮である“表皮”は、外部電磁気場の刺戟に電気的振動で反応する自然状態のバイオエレクトリトである。
【0017】
表皮は非線形媒質(Nonlinear Medium)である。非線形媒質の誘電率(Dielectric Constant)は電磁気場の影響を受けるので、活発な電磁気波動の影響を受けた表皮には分極(Polarization)が誘導できる。一方、バイオエレクトリトは分極を誘導した外部の影響を中断しても分極状態を維持する。
表皮ではピエゾ電気(Piezoelectricity)的性格も観察された。ピエゾ電気の特性は強誘電体(Ferroelectrics)の典型的な性格であるので、表皮は“準安定強誘電体”である。強い電磁気場におかれた強誘電体は外部電磁気場強度により、分極の非線型関数関係が変わる為、誘電体である表皮を通過した電位電流には高調波(Harminic Generation)が発生する。
【0018】
表皮の薄膜層には外胚葉から発生した角質細胞(Keratinocyte)が含まれている。一般的に核細胞(Nucleocyte)、プロピリン(Porphyrin)、フラビン(Flavin)、キノン(Quinnone)、アミノ酸、カロチノイド等のような細胞の重要な低分子成分等には共通点がある。大部分の有機化合物と比較するに、細胞低分子成分等は電気刺戟エネルギーが低く、イオン化ポーテンシャルが低く、電子親化力が高く、電子分極化可能性が高い。従って、表皮で発生する主要分極メカニズムは“電子分極”である。
【0019】
表皮は“結晶型(Crystalloid)の誘電体”である。表皮構造の中のメラニン色素がこの事実を裏付けする。電気場の影響、特に放射エネルギーの電磁気波動の影響を受けた表皮内部の結晶体は光学特性が代わりながら屈折数値が変わり、幾つかの結晶組織には分極定数(Polarization Constant)が電気場の1乗に比例して変化する。
この場合、結晶組織は線形電気光学(Linear Electro-optic)効果を有する。誘電体の全ての結晶組織は原則的に2次式(Square)の電気光学効果を維持するのが正しい。2次式電気光学効果とは、電気場の2次式に比例する分極定数級数(級数:Progression)の増加を意味する。表皮は外部電磁気場の影響により分極が誘導される非線形光学結晶型の誘電体(Nonlinear Optic Crystalloid Dielectric)である。
【0020】
ここに、非線分極(Nonlinear Polarization)の数学的過程を展開する。非線形光学効果とは、媒質の中で拡散される光波の強度に対して、誘電率が如何に変わるのかその従属関係に基づいた効果のことを言う。光波が発散する電磁気場の電気強度ベクトル(Vector)は次のように表現する。

【0021】

【0022】

【0023】

地球上に存在する非線形光学現象等は多様ではあるものの、根源は同じである。全ての非線形光学現象は媒質の非線形分極{非線形的特性の実数と仮数}により発生する。
【0024】
ここで、平面(Squrae)性格を示す実数と関連した現象を説明する。
例えば、周波数ωの光波が平面形非線形誘電体に進入するものと仮定する。この際、波動計(Field of Wave)の強度は公式(1)と同じものと仮定する。平面分極べクトルは現れるが、公式(1)を代入して

【0025】
条件付きべクトル公式を用いれば次のような公式が得られる。

公式(3)の初めの二つの仮数は周波数2ωで分極波動を示し、3番目の成分は光学整流(Optic Rectification)効果と関連がある。周波数2ωで分極波動は一定の条件が満たされれば同一の周波数で再放射される。換言すれば媒質の中に周波数2ωの光波ー第2の光学高調波が生ずる。
【0026】
表皮のような平面形非線媒質は光波が内部に拡散すると、波動の周波数スペクトルを集中(Concentration)させる性格がある。さらに、基準周波数ωにおいて、二つの波動が相互作用すれば周波数2ωの再放射波動が発生する。これが第2次光学高調波生成現象である。
このように結晶型の非線形光学媒質は第2次高調波を生成する。表皮はメラニン微粒子を含む物質等が内包されている結晶体(Crystalloid)である。
【0027】
表皮は隣接している二つの層(Layer)が互いに異なる物理的特性(例えば誘電率(Dielectric Constant)-ε等)で区別され、このような差が次の層(Layer)、又次の層へと複数回繰返される“循環構造(Periodic System)”である。
人の角質層と魚類の鱗、亀の甲殻表皮組織を電子顕微鏡で観察すれば、数百個の表皮層等がマイクロン単位の循環性を徹底的に守りながら羅列されているのが見える。
循環構造の中に隣接している二つの表皮膜の光学物理学的特性は異なる。まず、互いに異なる誘電率ε,ε'に対する屈折数値n,n'が異なる。光学高調波(Optic Harmonic Generation)が非線形的に生成されることも循環媒質の特徴である。
【0028】
循環媒質固有の性格は高調波が生成される時、同期化(Synchronization)条件等が変異(Modification)されることにより現れる。非線形循環媒質で生成された高調波が回折(Diffraction)すると、周波数の非線形光学変化効果が増加する。言い換えれば表皮のような循環媒質は位相同期化(Phase Synchronization)条件が容易で高調波生成効果も大きい。 乱れる光束の入射角領域が広く、同期化条件を満たすに要する角度もこの領域内に存在する。言い換えれば、光が一定した条件で照らせば動物体表皮の多層構造においても位相同期化現象が発生する。
【0029】
地表面に届く赤外線領域の太陽エネルギーは全ての生命体に影響を与えながら一部は表皮で反射(Reflection)し、表皮の誘電層(Dielectric Layer)境界で屈折(Refraction)されて、複数回に亘り散乱(Scattering)され、熱が排出されながら吸収(Absorption)される。活発な非線形光学媒質である表皮は、外部から入ってくるエネルギー赤外線を表皮内部で変形して波長を短縮する。
複数の単色波動(Monochromatic Wave)が表皮に拡散(Diffusion)されると、非線形性の為連合周波数(Combined Frequency)が発生するものの、連合周波数の振幅(Amplitude)は連合中の(Combining)波動の一つ一つの振幅で決定される。
【0030】
連合中の周波数の中で一つでも可視領域(Visible Diapason)に止どまると、連合された周波数(Combined Frequency)も可視領域に止どまる。複数の連合波動(Combining Wave)の中で出力(Output)を決定するのは、最初の連合波動であることから初期シグナル(Input Signal)が弱くても、出力放射(Output Rediation)の強度は大きくもなり得る。このように初期位相の形態(Form of Phase Front)を選択することにより、電磁気シグナルのみならず、対象(Object)の模様までも可視領域に移すことができる。つまり、表皮は非線形光学的方法により赤外線放射を変形する。ここで重要なことは表皮のような非線形光学変形器が赤外線放射の位相構造情報を保存することである。
【0031】
表皮は外部の刺戟に対して常に開いていながら外部の情報を積極的に収容する不連続非線形多層構造システム(Discrete Nonlinear Multi-layer System)であり、このようなシステムでは“自生波現象(Spontaneous Wave Process)”が発生する。
自生波現象は積極的な非線形媒質で波動が自ら維持しながら存続していく過程にして、多層に分離された媒質内部で自生するエネルギーのお陰で、波動の長さ、拡散速度、振幅、形態等波動過程の性格が保存される。
【0032】
今まで言及した表皮の特徴的性格等は同時多発的に効力が発生することから、外部電磁気場の影響を受けた表皮薄膜は“極めて大きい刺戟を受ける”。生物体の表皮薄膜に生体電磁気シグナルが到達すると表皮が敏感に反応しながら表皮の光学-電気数値が変化する。表皮はこのように生体のシグナル変化を分析して総合した。
【0033】
本発明は上述の通り、生物体表皮組織の特性に着目し、これを生体より分離してその特性が維持されるように固形化することにより表皮組織の特性により多くの分野、例えば、生体で発生する各種の電磁気信号を検知登録して、正常の生体信号と癌細胞から発生する生体信号の差を区別して癌発生部位を診断するセンサー素材にも用いられ、土質を向上させることにより作物の成長を助ける肥料の材料としても使われるように生体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用固形生体素材、及びその製造方法を提供することに発明の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0034】
表皮が発達した生物体の死体を塩と香料が添加された水に浸漬し、表皮を分離して、分離された表皮を重クローム酸カリウムと食酢混合溶液に浸漬した後、室温で乾燥し、高温と低温を交互に加える温冷処理し、紫外線で殺菌処理し、静電気生成工程を経てメラニン結晶体が多量含まれた部位を選別、切断して外部面には松の実油を塗布して形成した生体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用固形生体素材である。
【発明の効果】
【0035】
本発明は生体及び外部から発生する微弱な電磁気情報シグナルを検知して分析し、総合して記憶して学習し、変更させて転送、再転送する亀、鳥類、魚類等のように極めて発達した表皮組織の特性を利用してその特性が消失されないように分離・加工して固形化することにより、人間の健康な生を保障する疾病早期感応用センサー素材、及び土壌の再生と植物の再生を促進する肥料材等、全ての分野で多様な用途に用いられる新素材を提供する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、前記の固形生体素材の製造方法をその工程別の実施例により詳細に説明する。
亀、魚類、鳥類等表皮が発達した動物を選択して香料と塩と水が1:2:300で混合された溶液に浸して7日間程放置した。この時の水温は25〜27℃に調節した。浸漬工程の目的は動物の腐敗を促進させて表皮の分離を容易にし、分離工程の際表皮表面に生ずる傷を最小化することにある。
【0037】
表皮は半透明で肉厚でメラニン結晶体が多量に含まれるものが良い。半透明性は表皮の光学機能遂行に必要であり、厚さが厚い程振動子数が大きく高調波エネルギー生成が容易である。
浸漬工程後、腐敗した亀、魚類、鳥類から表皮膜の縁をピンセットでつまみ、用心深く剥がして生物体から表皮を分離する。
【0038】
分離工程で分離された表皮をぬるま湯で柔らかいスポンジで擦るように洗浄し、再び重クローム酸カリウム、食酢、水を1:1:100の比率で混合した溶液(表皮の洗浄及び柔軟性の強化用)に10〜12時間浸し、室温(18〜20℃)で約48時間乾燥した。この時表皮の外形が変形しないように表皮に重圧を加える。
乾燥工程が終われば零上40℃と氷点下25℃に表皮を24時間ずつ交互に放置する。このような温冷処理工程は2〜3回繰返す、これは表皮の耐熱性と耐寒性を高める。この際にも表皮の外形に変化が生じないように重圧を加える。
【0039】
温冷処理工程が終われば、約30分間240nm紫外線ランプで紫外線を表皮に照射して殺菌処理する。
殺菌処理された表皮を電気円筒に入れて500RPMの速度で回転させ静電気を発生させる。これは表皮内の振動子等の電気的振動を活性化させる為の静電気生成工程(Static Electricity Generation Process)である。この際表皮に傷が生じないように表皮を布等で保護する。
静電気処理された表皮表面に松の実油を塗布して凝固させる。これは表皮表面に水分及び湿気が生ずるのを予防する為の工程である。
【0040】
松の実油が塗布された表皮を必要な大きさに切断する。
前記の製造工程により得られた固形の生体素材は、生体組織の中で半透明多層構造とメラニン結晶体等を保有する非線形光学的表皮組織で製造したものであって、固形の生体素材の多層構造に外部の電磁気スペクトルが通過する時、非線形エコー現象を初め多様な光学、物理学、電気的な現象が発生して表皮が外部の電磁気信号を分析、総合、記憶、学習、再形成、転送、再転送する特性を有するようになり、一定の製造工程により生物体より分離された後にも、感応効果、エネルギー再生効果等のような特性が一層向上された固形の生体素材は疾病の診断や、土壌の再生に適し、加工工程により製造された為、その組織が消失されずその機能と特性を長期間利用できる。
【0041】
このような固形の生体素材を多くの分野に利用する目的で調べた表皮の具体的な特性は下記の通りである。
1)光学的特性
1.光を初めとした電磁気放射(Electromagnetic Radiation)が生物体に影響を及ぼす過程で表皮膜は積極的で能動的に参与する。
2.光の影響を受けた表皮膜には量子(Quantum)エネルギーが生成され、その結果連結が不規則な、つまり、レーザー性格を帯びる表皮膜には振動融和(Oscillation Harmony)が発生する。つまり、表皮膜の機能はレーザーの機能と類似する。
【0042】
3.表皮は電磁気放射の影響を受ける典型的な光学媒質(Optic Medium)で非線形連結体系を有する振動子等(薄膜、メラニン結晶体等)が表皮の中で相互作用する。
4.光波動の影響を受けた表皮の光学振動子では光学的振動が発生し、この振動は表皮の循環構造(Periodic Structure)に沿い移動する。
5.非線形光学媒質である表皮と複数個の光波動が相互作用すれば、複数の光学振動子により高調波(Harmonic Generation)が発生する。
【0043】
6.非線形光学媒質で光波動が拡散すれば、波動の周波数スペクトルが集中(Concentration)され電磁気スペクトルの周波数が電位され波長が短縮される。
7.表皮が電磁気放射の影響を受けると表皮の生体薄膜空間システムが光界(Light System)に変化をもたらし高調波(Harmonic Generation)が発生する。
8.メラニン(Melanin)微粒子等表皮の非線形結晶体等は第2の光学高調波を生成する主要媒質である。
【0044】
2)物理的特性
1.磁気スペクトルの影響を受けた表皮の非線形振動子(薄膜、メラニン結晶体、生体高分子物質(Biopolymer)等)には物理的振動が発生する。
2.表皮の非線形振動子等は電磁気スペクトルの性格を変換して高調波、つまり、エネルギーを形成して再放射する。
【0045】
3.表皮の多層薄膜等は物理的性格が相異する循環媒質である為、高調波が非線形的に生成される。
4.表皮のような循環媒質において、波動の変形がZeroとなるようにする位相同期化(Phase Synchronization)条件が満たされると高調波が発生する。
5.最初の高調波が表皮の多層構造により、回折(Diffraction)すると周波数の非線形光学効果が増加し、与えられた波動が媒質内部の空間周期に接近して第2次高調波が生成される。
【0046】
6.表皮のような積極的な不連続非線形媒質においては、電磁気波動が自ら維持しながら存続する自生波現象が発生する。
7.表皮のような非線形光学媒質の中では多様な光波動が互いに強力な影響力を行使し、光波動間でエネルギーが間断なく交換され高調波が生成される。
8.表皮で電磁気スペクトルの波長が短くなると、生物体内部の活動性を高める追加エネルギーが発生する。この時発生するエネルギーの量は代数方程式で算出が可能である。
【0047】
9.表皮が含有するケラチン(Keratin)は、生物体がさらに多くの量の情報を接することができるように、恒常性(Homeostasis)を維持させる。表皮は情報、光物理学、電気学的に極めて複雑な媒介物の役割をし、内部世界と外部世界の相互関係から極めて積極的で能動的な役割をする。表皮は生物体のエネルギー供給システムに極めて重要な役割をし、他の生物体との相互関係を調節する。
【0048】
3)電気的特性
1.表皮には微量の電解質(Electrolyte)も無く、外部電磁気スペクトルの影響を受けると、分極(Polarization)が誘導される誘電体(Dielectric Substance)である。
2.表皮の角質細胞(Keratinocyte)が電磁気波の影響を受けると表皮に非線形的な電子分極が発生する。
【0049】
3.表皮は分極を誘導した外部の影響を中断しても分極状態を維持するバイオエレクトリト(Bio-Electret)である。
4.電磁気場の影響を受けたバイオエレクトリトには分極の非線形関数関係に変化が生じ高調波(Harmonic Generation)が発生する。
【0050】
以上のような表皮多層薄膜の光学、物理、電気的性格は表皮が生物体から分離された後、バイオセンサー製作工程を通じて画期的に強化される。このような生物体の表皮組織を利用した生体シグナル感応用固形生体素材を利用した具体的な実施例を説明する。
まず、生体反応エネルギー感応用センサー素材として用いた場合を見れば、前記のように本発明の固形生体素材は生物体の組織、特に癌腫瘍等異常(Abbormal)細胞を内包した生物体組織が一定の電磁気スペクトルを放射すれば、そのスペクトルの性格を分析して総合する。このような固形生体素材を別途のプロブ(Probe)検出部に装着すれば、固形生体素材は生体組織が放射する微細な電荷量(Capacitance)を検出して増幅する。
【0051】
プロブにはさらに検出電荷量をもう一度増幅してその電荷量を周波数に変換させ、固形生体素材の基準周波数と比較して疾病の性格と進行程度を診断する増幅ー変換ー比較回路(Circuit)及びその増幅変換比較回路の演算結果をデジタルに変換してLCD(液晶ディスプレー)に表示する回路が装着される。このように固形生体素材は生物体の電磁気情報シグナル測定装置で生体反応エネルギー感応用センサー素材として用いられる。
【0052】
生物体の表皮組織を利用した固形生体素材を利用した2番目の実施例は、土壌を再生して植物の成長を促す肥料材として用いる場合である。この場合用いられた表皮は鳥類の羽毛である。
上述した製造方法を経て製造された固形の生体素材を、痩せた土壌に注入すると土壌を再生して有機体(Organism)に影響を与え有機体生体組織の成長と再生を促進させる。
【0053】
本発明による固形生体素材の効果を確認する為に、固形の生体素材を混ぜた土と、何等の加工工程も経ていない原材料、つまり、鳥類の羽毛を混ぜた一般の土により同一な条件で大麦を栽培して観察した。
【0054】
観察対象:固形の生体素材を混ぜた土と一般的な鳥類の羽毛を混ぜた一般の土での大麦の成長速度
成長条件:日照量、水供給量、栽培場所等全ての条件同一
観察方法:播種後3日目から毎日成長速度測定
【0055】
【表1】

【0056】
このように、本発明の固形生体素材を用いた土壌で植物の成長速度が普通の鳥類羽毛を混合した土壌で育成した成長速度より遥かに早いことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明は生体及び外部から発生する微弱な電磁気情報シグナルを検知して分析し、総合して記憶して学習し、変更させて転送、再転送する 亀、鳥類、魚類等のように極めて発達した表皮組織の特性を利用してその特性が消失されないように分離・加工して固形化することにより、人間の健康な生を保障する疾病早期感応用センサー素材、及び土壌の再生と植物の再生を促進する肥料材等、全ての分野で多様な用途に用いられる新素材を提供する効果がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体組織で発生する電磁気場の微弱な情報シグナル(生体信号)を検知し、記憶して伝達する機能を有する生物体の表皮組織の中で魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)、又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のキュティクル(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもキュティクルが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)も含まれる。これらを利用して生体で発生する情報シグナルとその変化に感応して再伝送する生体電磁気シグナル感応用生体素材及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人類が生体に電気現象があることを知るようになったのは紀元前1世紀頃のことである。書籍によれば当時人類は電気魚(Electric Fish)を利用して頭痛や脱肛治療を試みたことがある。一方、このような現象が或特別な生物に局限されず、一般的な生命現象の一部として存在するものと認識するようになったのは1786年ガルバニ(Luigi,Galvani:1737-1798、イタリア医学者、生理学者、物理学者)が蛙の脚筋肉を用いた試験で生体電位現象を観察した以降のことである。
ガルバニは実験中蛙の脚が起電機の火花や解剖刀と接触する時、痙攣を起すことを発見して研究した結果、これが電気と関係のある事実を知るようになり、“生物体電気”の存在を主張した。1791年発表されたガルバニ電気に関する論文は当時学界に大きな刺激を与え電気生理学、電磁気学、電気化学発展の契機となった。
【0003】
“フーリエ級数(Fourier Series)理論”も生体電位研究と生体信号検出に至大な影響を与えた。1807年フーリエ(Joseph Fourier:1768-1830 フランスの数学者、数理科学者)が主張したフーリエ級数(Fourier Series)理論のお陰で、種々の振幅(Amplitude)と位相(Phase)を有する高調波成分等(Harmonicsm)の和により、周期信号を表示できるようになった。フーリエ級数理論は心電図(ECG)、脳電図(EEG)、筋電図(EMG)、神経活動電位、皮膚抵抗(GSR)等のような生体信号にも適用可能であるが、この際、適用されるフーリエの周波数解析は“フーリエ変化(Fourier Transform)”と称する。
フーリエの生体信号周波数解析方法は分析しようとする対象信号がどのうな周波数帯域に分布しているのか、さらに、対象信号がどのような周波数成分の信号等からなされているのかに対する端緒を提供する。
【0004】
ガルバニが動物の体内に電気的性格があることを主張して100余年が経って、ドイツの生理学者デュブアレモン(Du Bois-Raymond:1818-1896)は極めて敏感な電流計を利用して、神経が刺激を受けた時、神経内に流れる微細な電流を検知した。
1903年にオランダの生理学者エイトホーベン(Willem Einthoven:1860-1929)は心臓搏動電位の微細な変化にも反応できる極めて繊細な電流計を発明し、1906年には電位の高低も記録できるように改良した。これが心臓疾患を予測する“心電図測定器”である。
このように、今まで用いられている普遍的な生体信号検知方法では、人体や生物体の露出された皮膚面に微弱な電流を加えて水分や熱等を測定する方法と、生体の皮膚面に遺棄された微弱な電流を電極で検知する方法等がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これは普遍的な生体信号検知方法である為、生体信号の性格や環境が変わった際、その変化まで区別して検知することはできない。言い換えれば癌細胞等のような病理細胞の生体信号は別に区別することができない。性格が異なる生体信号間の差は極めて微細である為、今まではこれを区分して検知するほどの敏感な素材はなかった。
従って、癌細胞の生体信号を検波(Detect)するには、癌細胞の生体機能と生体信号を検知できるほどの新素材を開発しなければならない。
【0006】
このような性格の新素材を探している中、魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)、又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のクチクラ(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもクチクラが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)等が生体で発生する生体電位信号を捕捉して敏感に認知することを知るようになった。 さらに、生物体の表皮が有する性質についてより詳しく説明する。
【0007】
表皮は生物体の一番外側の表面に固い角質層で形成されている為、今までは外部の機械、化学、物理的影響から生物体を保護する役割をするものと認識されてきた。表皮には他の組織(Tissue)等が普遍的に備えている血管、神経、組織液がない為、死んでいる角質組織とだけ知られてきた。
しかしながら、科学技術の発達と共に生体表皮の構造と機能が究明されるに従い、表皮に従来の保護機能の他に極めて重要で多様な機能のあることが明らかになった。
【0008】
ケラチン(Keratin)等でなる表皮は生物体の内部と外部世界を区切る境界膜であって、外部世界の物理シグナルは生物体の神経システムと頭脳に到達する前に、必ずこの“境界膜”に捕捉され加工される。
発生学的に考察するに、表皮は外胚葉(Ectoderm)で分化される。外胚葉の萌芽細胞では表皮、脳、脊髄、神経、神経器官、感覚器官等が分離され形成される。表皮は萌芽細胞からなる独立層にして皮膚の派生器官でない独立器官である。
【0009】
魚類の鱗から薄い膜を分離して電子顕微鏡で観察すると表皮膜には外胚葉から表皮が生成される時、メラニン細胞で発生したメラニン結晶体(Melanin Crystalloid)が多数含まれている。メラニン結晶体等は極めて複雑に群を成しており、その様子は頭脳組織を成す神経膠細胞(Neuroglia Cell)の一種である星状細胞(Astrocyte)、灰突起膠細胞(Oligodendrocyte)等と類似する。
【0010】
魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のクチクラ(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもクチクラが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)も含まれる。これらは外胚葉で生成、分化された生物体の表皮は一定の加工過程を経ると生体の電磁気シグナルスペクトルを分析(Analysis)、総合(Synthesis)、記憶(Memory)、学習(Learning)、再形成(Transformation)、伝送(Transmision)、再伝送(Retransmision)する等その機能も脳と類似する。
【0011】
表皮は生物体の表面を覆う循環の多層構造(Periodic Multi-layer System)で角質細胞が圧着された固い半透明物質(Optical Medium)-ケラチン(Keratin)等で形成されている。厚さ0.05-3mm程度の表皮構造には10-30オングストローム(Å:Angstrom)厚の半透明薄膜層(Membrane)が5-10Aの距離をおいて、数十、数百層に層を成している。表皮膜構造の特徴は柔軟性(High-Elasticity)にある。マイクロフィルムのように薄い表皮薄膜はバイオリンの弦のようにぴんと張っていて膜と膜間の空間にはメラニン結晶体等が入っている。
殆どの生体構造と同様に表皮も巨大分子(Macromolecule)で形成された高分子物質(Polymer)である。巨大分子とは、長い高分子物質鎖(Chain)である。高分子物質の分子鎖ではモノマ(Monomer)が体系的に連結されている。多層構造を有している表皮膜も同様である。このような連結体系のお陰で全てのモノマが一つの生体高分子物質構造で統合され、この連結体系の“強度(Intensity)”が可変的である為、表皮の連結体系が非線形性(Nonlinerity)を帯びるようになる。一つの生体高分子物質であっても連結体系の構造や数量により連結部位の弾性(Expansion)はいくらでも異なることがあり得る。
【0012】
表皮のような構造が複雑な不規則媒質の中には光のような外部電磁気場を通過させ、散乱して吸収する要素等が含まれている。ここで重要なことはこの要素等が光を通過させる方式が受動的だけではないと言うことである。光束が表皮を構成する高分子物質等に刺戟を与えると、高分子物質を成す細胞及び連結体系(モノマ)等は振動を始め、この振動は“エコ効果(Echo Effect)”により複数回に亘り繰返される。このような振動過程は次の高分子物質へ転移され、ここでもエコ効果が発生する。
外部電磁気場が表皮に接すると表皮を成す生体高分子物質(Biopolymer)がエネルギーを変換する変形機(Transformer)及び振動子(Oscillator)の役割をする為、振動高調波(Harmonic Generation)が形成されエネルギー再放射現象が発生する。
【0013】
振動高調波はバッテリのように作用してエネルギーを初期刺戟状態に取り戻す。つまり、エネルギーが集中される。この過程で非線形波動の電波が安定する。このような波動を“孤立した”電磁気波-ソリトン(Soliton)又は波動パケット(Wave Packet)と称する。波動パケットはこれらと振動性格が一致する分子共振器(Molecular Resonator)により吸収される。これもやはりエネルギーが充満された表皮内分子の機能と潜在力が調節された結果である。分子に電荷量が充満すると分子内配座(Conformation)の性格が変わり、蛋白質及びその他別の生体高分子物質(Biopolymer)にも変化が生ずる。
【0014】
光と生体組織(Tissue)が相互作用する時、生体組織は逆反射原則(Feed-Back原則)により、変化中の振動ーエネルギー情報にリズムを合わせる。これにより、光波前方(Front)の性格と光波を吸収、通過する過程で刺戟を受けた媒質(Medium)の性格が一致する。このような現象を自己組織現象(Self-Organizing)、又は相互活動性現象(Mutual Active Process)と称する。
表皮のような生物体組織が電磁気放射の影響を受けた時、振動高調波(Oscillation Harmonic Generation)が発生するのは、表皮の非線形光学的(Nonlinear Optic)特性と多層構造(Multi-layer System)の為である。
【0015】
多くの種類の生体組織の中で表皮が占める位置は格別である。表皮は一方では外部世界と内部世界を区切る境界膜でありながら、他の一方では全く異なる二つの世界の情報を交換する連結環である。従って、魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)、又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のキュティクル(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもキュティクルが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)等のように、極めて発達した表皮等は“複合情報システム(Multi Information System)”と称しても大した無理は無いであろう。
表皮が紫外線(Ultraviolet Ray)から近赤外線(Near Infrared Ray)に至る全ての波動領域のスペクトルを通過させるのではない。表皮はスペクトルを選択的に通過させ、一定の領域では急激な変化を起すこともある。これは表皮に極めて狭く細い吸収領域(共振:Resonance)があるからである。
【0016】
電磁気場の放射エネルギーは表皮を刺戟した後、表皮により吸収される。しかしながら、これは単なる吸収で無く、放射されたエネルギーのスペクトル性格を代える過程である。生物学的観点から見るにこれはエネルギー学的に極めて有用である。放射スペクトル要素が短波(Short-Wave)領域に転移されると生物体内部に追加エネルギーが発生する。生体活動性を高める主要エネルギーが発生するのである。
光子(Photon)単位で測定する放射量子(Quantum)エネルギーは周波数vに比例する(EΦ=hv0)。波長λ(λ=c/v,c=振動状態での光の速度)が短くなると周波数が増加し、光子エネルギーも増加する。光子エネルギー数値EΦ1=hv01(h=プランク定数)(Planck’s constant)が変わるのである。“再放射”された光子エネルギーと初期光子エネルギーとの差(△EΦ=hv01-hv0=h(v01-v0)=h△v)は生物体の代謝作用に用いられる。光学生体反応の場合、光は新陳代謝(Metabolism)に直接的に参与するエネルギーとその他の形態のエネルギーに変換する。
【0017】
表皮は頭脳と類似した機能をする多層の光学媒質(Multi-layer Optic medium)にして、表皮を成す振動子(Oscillator)等は連結体系が非線形的でありながら調和され、動きが無いようでありながら相互作用する。
従って、表皮膜構造には微細な刺戟にも機械的振動(Mechanical Oscillation)、光学振動(Optical Oscillation)、電気的振動(Electric Oscillation)等のような多様な物理的変化が発生する。外部電磁気場、例えば癌や炎症等疾病にかかった生体特定部位の電磁気場(Electromagnetic Field)が生物体の表皮に放射されると、表皮内部にある複数の薄膜では機械的振動が発生し、表皮膜の半透明性の為光学振動が発生して膜と膜との間の空間では電荷とイオンが変化して電気的振動が発生する。この3種の振動の性格を数学、物理学的に解読した結果、生物体で分離され、一定の加工過程を経た表皮が疾病を患う生体特定部位電磁気場の性格を分析して総合すると言う事実が明らかになった。
【0018】
表皮は微量の電解質(Electrolyte)を含有している。表皮の薄膜は固い膜組織にして電気物理学的面から見るに、電気抵抗が1012-1015絶縁体(Insulator)に近い。しかしながら、一定の条件が満たされると表皮は“バイオエレクトリト(Bio-Electret)”範疇に属するようになる。“エレクトリト”とは、半永久的電荷(quasiconstant Electric Charge)を有する誘電体(Dielectric Substance)である。全てのエレクトリトの表面電荷は安定的である。おおよそエレクトリト効果は重要な生体高分子物質(Biopolymer)より見いだされる。生体高分子物質でありながら多層の光学媒質であり、ケラチン等の薄膜から成る平たい角質上皮である“表皮”は、外部電磁気場の刺戟に電気的振動で反応する自然状態のバイオエレクトリトである。
【0019】
表皮は非線形媒質(Nonlinear Medium)である。非線形媒質の誘電率(Dielectric Constant)は電磁気場の影響を受けるので、活発な電磁気波動の影響を受けた表皮には分極(Polarization)が誘導できる。一方、バイオエレクトリトは分極を誘導した外部の影響を中断しても分極状態を維持する。
表皮ではピエゾ電気(Piezoelectricity)的性格も観察された。ピエゾ電気の特性は強誘電体(Ferroelectrics)の典型的な性格であるので、表皮は“準安定強誘電体”である。強い電磁気場におかれた強誘電体は外部電磁気場強度により、分極の非線型関数関係が変わる為、誘電体である表皮を通過した電位電流には高調波(Harminic Generation)が発生する。
【0020】
表皮の薄膜層には外胚葉から発生した角質細胞(Keratinocyte)が含まれている。一般的に核細胞(Nucleocyte)、プロピリン(Porphyrin)、フラビン(Flavin)、キノン(Quinnone)、アミノ酸、カロチノイド等のような細胞の重要な低分子成分等には共通点がある。大部分の有機化合物と比較するに、細胞低分子成分等は電気刺戟エネルギーが低く、イオン化ポーテンシャルが低く、電子親化力が高く、電子分極化可能性が高い。従って、表皮で発生する主要分極メカニズムは“電子分極”である。
【0021】
表皮は“結晶型(Crystalloid)の誘電体”である。表皮構造の中のメラニン色素がこの事実を裏付けする。電気場の影響、特に放射エネルギーの電磁気波動の影響を受けた表皮内部の結晶体は光学特性が代わりながら屈折数値が変わり、幾つかの結晶組織には分極定数(Polarization Constant)が電気場の1乗に比例して変化する。
この場合、結晶組織は線形電気光学(Linear Electro-optic)効果を有する。誘電体の全ての結晶組織は原則的に2次式(Square)の電気光学効果を維持するのが正しい。2次式電気光学効果とは、電気場の2次式に比例する分極定数級数(級数:Progression)の増加を意味する。表皮は外部電磁気場の影響により分極が誘導される非線形光学結晶型の誘電体(Nonlinear Optic Crystalloid Dielectric)である。
【0022】
ここに、非線分極(Nonlinear Polarization)の数学的過程を展開する。非線形光学効果とは、媒質の中で拡散される光波の強度に対して、誘電率が如何に変わるのかその従属関係に基づいた効果のことを言う。光波が発散する電磁気場の電気強度ベクトル(Vector)は次のように表現する。

【0023】

【0024】

【0025】

地球上に存在する非線形光学現象等は多様ではあるものの、根源は同じである。全ての非線形光学現象は媒質の非線形分極{非線形的特性の実数と仮数}により発生する。
【0026】
ここで、平面(Squrae)性格を示す実数と関連した現象を説明する。
例えば、周波数ωの光波が平面形非線形誘電体に進入するものと仮定する。この際、波動計(Field of Wave)の強度は公式(1)と同じものと仮定する。平面分極べクトルは現れるが、公式(1)を代入して

【0027】
条件付きベクトル公式を用いれば次のような公式が得られる。

公式(3)の初めの二つの仮数は周波数2ωで分極波動を示し、3番目の成分は光学整流(Optic Rectification)効果と関連がある。周波数2ωで分極波動は一定の条件が満たされれば同一の周波数で再放射される。換言すれば媒質の中に周波数2ωの光波ー第2の光学高調波が生ずる。
【0028】
表皮のような平面形非線媒質は光波が内部に拡散すると、波動の周波数スペクトルを集中(Concentration)させる性格がある。さらに、基準周波数ωにおいて、二つの波動が相互作用すれば周波数2ωの再放射波動が発生する。これが第2次光学高調波生成現象である。
このように結晶型の非線形光学媒質は第2次高調波を生成する。表皮はメラニン微粒子を含む物質等が内包されている結晶体(Crystalloid)である。
【0029】
表皮は隣接している二つの層(Layer)が互いに異なる物理的特性(例えば誘電率(Dielectric Constant)-ε等)で区別され、このような差が次の層(Layer)、又次の層へと複数回繰返される“循環構造(Periodic System)”である。
魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)、又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のキュティクル(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもキュティクルが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)等の表皮組織 皮組織を電子顕微鏡で観察すれば、数百個の表皮層等がマイクロン単位の循環性を徹底的に守りながら羅列されているのが見える。
循環構造の中に隣接している二つの表皮膜の光学物理学的特性は異なる。まず、互いに異なる誘電率ε,ε'に対する屈折数値n,n'が異なる。光学高調波(Optic Harmonic Generation)が非線形的に生成されることも循環媒質の特徴である。
【0030】
循環媒質固有の性格は高調波が生成される時、同期化(Synchronization)条件等が変異(Modification)されることにより現れる。非線形循環媒質で生成された高調波が回折(Diffraction)すると、周波数の非線形光学変化効果が増加する。言い換えれば表皮のような循環媒質は位相同期化(Phase Synchronization)条件が容易で高調波生成効果も大きい。 乱れる光束の入射角領域が広く、同期化条件を満たすに要する角度もこの領域内に存在する。言い換えれば、光が一定した条件で照らせば生物体表皮の多層構造においても位相同期化現象が発生する。
【0031】
地表面に届く赤外線領域の太陽エネルギーは全ての生命体に影響を与えながら一部は表皮で反射(Reflection)し、表皮の誘電層(Dielectric Layer)境界で屈折(Refraction)されて、複数回に亘り散乱(Scattering)され、熱が排出されながら吸収(Absorption)される。活発な非線形光学媒質である表皮は、外部から入ってくるエネルギー赤外線を表皮内部で変形して波長を短縮する。
複数の単色波動(Monochromatic Wave)が表皮に拡散(Diffusion)されると、非線形性の為連合周波数(Combined Frequency)が発生するものの、連合周波数の振幅(Amplitude)は連合中の(Combining)波動の一つ一つの振幅で決定される。
【0032】
連合中の周波数の中で一つでも可視領域(Visible Diapason)に止どまると、連合された周波数(Combined Frequency)も可視領域に止どまる。複数の連合波動(Combining Wave)の中で出力(Output)を決定するのは、最初の連合波動であることから初期シグナル(Input Signal)が弱くても、出力放射(Output Rediation)の強度は大きくもなり得る。このように初期位相の形態(Form of Phase Front)を選択することにより、電磁気シグナルのみならず、対象(Object)の模様までも可視領域に移すことができる。つまり、表皮は非線形光学的方法により赤外線放射を変形する。ここで重要なことは表皮のような非線形光学変形器が赤外線放射の位相構造情報を保存することである。
【0033】
表皮は外部の刺戟に対して常に開いていながら外部の情報を積極的に収容する不連続非線形多層構造システム(Discrete Nonlinear Multi-layer System)であり、このようなシステムでは“自生波現象(Spontaneous Wave Process)”が発生する。
自生波現象は積極的な非線形媒質で波動が自ら維持しながら存続していく過程にして、多層に分離された媒質内部で自生するエネルギーのお陰で、波動の長さ、拡散速度、振幅、形態等波動過程の性格が保存される。
【0034】
今まで言及した表皮の特徴的性格等は同時多発的に効力が発生することから、外部電磁気場の影響を受けた表皮薄膜は“極めて大きい刺戟を受ける”。生物体の表皮薄膜に生体電磁気シグナルが到達すると表皮が敏感に反応しながら表皮の光学-電気数値が変化する。表皮はこのように生体のシグナル変化を分析して総合した。
【0035】
本発明は上述の通り、生物体表皮組織の特性に着目し、これを生体より分離してその特性が維持されるように固形化することにより表皮組織の特性により多くの分野、例えば、生体で発生する各種の電磁気信号を検知登録して、正常の生体信号と癌細胞から発生する生体信号の差を区別して癌発生部位を診断するセンサー素材にも用いられ、土質を向上させることにより作物の成長を助ける肥料の材料としても使われるように生体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用固形生体素材、及びその製造方法を提供することに発明の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
表皮が発達した生物体の死体を塩と香料が添加された水に浸漬し、表皮を分離して、分離された表皮を重クローム酸カリウムと食酢混合溶液に浸漬した後、室温で乾燥し、高温と低温を交互に加える温冷処理し、紫外線で殺菌処理し、静電気生成工程を経てメラニン結晶体が多量含まれた部位を選別、切断して外部面には松の実油を塗布して形成した生体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用生体素材である。
【発明の効果】
【0037】
本発明は生体及び外部から発生する微弱な電磁気情報シグナルを検知して分析し、総合して記憶して学習し、変更させて転送、再転送する魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のクチクラ(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもクチクラが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)等のように極めて発達した表皮組織の特性を利用してその特性が消失されないように分離・加工して固形化することにより、人間の健康な生を保障する疾病早期感応用センサー素材、及び土壌の再生と植物の再生を促進する肥料材等、全ての分野で多様な用途に用いられる新素材を提供する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、前記の生体素材の製造方法をその工程別の実施例により詳細に説明する。
魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)、又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のキュティクル(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもキュティクルが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)等のように表皮が発達した動物を選択して香料と塩と水が1:2:300で混合された溶液に浸して7日間程放置した。この時の水温は25〜27℃に調節した。浸漬工程の目的は動物の腐敗を促進させて表皮の分離を容易にし、分離工程の際表皮表面に生ずる傷を最小化することにある。
【0039】
表皮は半透明で肉厚でメラニン結晶体が多量に含まれるものが良い。半透明性は表皮の光学機能遂行に必要であり、厚さが厚い程振動子数が大きく高調波エネルギー生成が容易である。
浸漬工程後、腐敗した魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)、又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のキュティクル(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもキュティクルが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)等から表皮膜の縁をピンセットでつまみ、用心深く剥がして生物体から表皮を分離する。
【0040】
分離工程で分離された表皮をぬるま湯で柔らかいスポンジで擦るように洗浄し、再び重クローム酸カリウム、食酢、水を1:1:100の比率で混合した溶液(表皮の洗浄及び柔軟性の強化用)に10〜12時間浸し、室温(18〜20℃)で約48時間乾燥した。この時表皮の外形が変形しないように表皮に重圧を加える。
乾燥工程が終われば零上40℃と氷点下25℃に表皮を24時間ずつ交互に放置する。このような温冷処理工程は2〜3回繰返す、これは表皮の耐熱性と耐寒性を高める。この際にも表皮の外形に変化が生じないように重圧を加える。
【0041】
温冷処理工程が終われば、約30分間240nm紫外線ランプで紫外線を表皮に照射して殺菌処理する。
殺菌処理された表皮を電気円筒に入れて500RPMの速度で回転させ静電気を発生させる。これは表皮内の振動子等の電気的振動を活性化させる為の静電気生成工程(Static Electricity Generation Process)である。この際表皮に傷が生じないように表皮を布等で保護する。
静電気処理された表皮表面に松の実油を塗布して凝固させる。これは表皮表面に水分及び湿気が生ずるのを予防する為の工程である。
【0042】
松の実油が塗布された表皮を必要な大きさに切断する。
前記の製造工程により得られた生体素材は、生体組織の中で半透明多層構造とメラニン結晶体等を保有する非線形光学的表皮組織で製造したものであって、生体素材の多層構造に外部の電磁気スペクトルが通過する時、非線形エコー現象を初め多様な光学、物理学、電気的な現象が発生して表皮が外部の電磁気信号を分析、総合、記憶、学習、再形成、転送、再転送する特性を有するようになり、一定の製造工程により生物体より分離された後にも、感応効果、エネルギー再生効果等のような特性が一層向上された生体素材は疾病の診断や、土壌の再生に適し、加工工程により製造された為、その組織が消失されずその機能と特性を長期間利用できる。
【0043】
このような生体素材を多くの分野に利用する目的で調べた表皮の具体的な特性は下記の通りである。
1)光学的特性
1.光を初めとした電磁気放射(Electromagnetic Radiation)が生物体に影響を及ぼす過程で表皮膜は積極的で能動的に参与する。
2.光の影響を受けた表皮膜には量子(Quantum)エネルギーが生成され、その結果連結が不規則な、つまり、レーザー性格を帯びる表皮膜には振動融和(Oscillation Harmony)が発生する。つまり、表皮膜の機能はレーザーの機能と類似する。
【0044】
3.表皮は電磁気放射の影響を受ける典型的な光学媒質(Optic Medium)で非線形連結体系を有する振動子等(薄膜、メラニン結晶体等)が表皮の中で相互作用する。
4.光波動の影響を受けた表皮の光学振動子では光学的振動が発生し、この振動は表皮の循環構造(Periodic Structure)に沿い移動する。
5.非線形光学媒質である表皮と複数個の光波動が相互作用すれば、複数の光学振動子により高調波(Harmonic Generation)が発生する。
【0045】
6.非線形光学媒質で光波動が拡散すれば、波動の周波数スペクトルが集中(Concentration)され電磁気スペクトルの周波数が電位され波長が短縮される。
7.表皮が電磁気放射の影響を受けると表皮の生体薄膜空間システムが光界(Light System)に変化をもたらし高調波(Harmonic Generation)が発生する。
8.メラニン(Melanin)微粒子等表皮の非線形結晶体等は第2の光学高調波を生成する主要媒質である。
【0046】
2)物理的特性
1.磁気スペクトルの影響を受けた表皮の非線形振動子(薄膜、メラニン結晶体、生体高分子物質(Biopolymer)等)には物理的振動が発生する。
2.表皮の非線形振動子等は電磁気スペクトルの性格を変換して高調波、つまり、エネルギーを形成して再放射する。
【0047】
3.表皮の多層薄膜等は物理的性格が相異する循環媒質である為、高調波が非線形的に生成される。
4.表皮のような循環媒質において、波動の変形がZeroとなるようにする位相同期化(Phase Synchronization)条件が満たされると高調波が発生する。
5.最初の高調波が表皮の多層構造により、回折(Diffraction)すると周波数の非線形光学効果が増加し、与えられた波動が媒質内部の空間周期に接近して第2次高調波が生成される。
【0048】
6.表皮のような積極的な不連続非線形媒質においては、電磁気波動が自ら維持しながら存続する自生波現象が発生する。
7.表皮のような非線形光学媒質の中では多様な光波動が互いに強力な影響力を行使し、光波動間でエネルギーが間断なく交換され高調波が生成される。
8.表皮で電磁気スペクトルの波長が短くなると、生物体内部の活動性を高める追加エネルギーが発生する。この時発生するエネルギーの量は代数方程式で算出が可能である。
【0049】
9.表皮が含有するケラチン(Keratin)等は、生物体がさらに多くの量の情報を接することができるように、恒常性(Homeostasis)を維持させる。表皮は情報、光物理学、電気学的に極めて複雑な媒介物の役割をし、内部世界と外部世界の相互関係から極めて積極的で能動的な役割をする。表皮は生物体のエネルギー供給システムに極めて重要な役割をし、他の生物体との相互関係を調節する。
【0050】
3)電気的特性
1.表皮は微量の電解質(Electrolyte)を含有していて、電気抵抗が1012〜1015Ωの絶縁体に近く、外部電磁気スペクトルの影響を受けると、分極(Polarization)が誘導される誘電体(Dielectric Substance)である。
2.表皮の角質細胞(Keratinocyte)が電磁気波の影響を受けると表皮に非線形的な電子分極が発生する。
【0051】
3.表皮は分極を誘導した外部の影響を中断しても分極状態を維持するバイオエレクトリト(Bio-Electret)である。
4.電磁気場の影響を受けたバイオエレクトリトには分極の非線形関数関係に変化が生じ高調波(Harmonic Generation)が発生する。
【0052】
以上のような表皮多層薄膜の光学、物理、電気的性格は表皮が生物体から分離された後、バイオセンサー製作工程を通じて画期的に強化される。このような生物体の表皮組織を利用した生体シグナル感応用生体素材を利用した具体的な実施例を説明する。
まず、生体反応エネルギー感応用センサー素材として用いた場合を見れば、前記のように本発明の生体素材は生物体の組織、特に癌腫瘍等異常(Abbormal)細胞を内包した生物体組織が一定の電磁気スペクトルを放射すれば、そのスペクトルの性格を分析して総合する。このような生体素材を別途のプロブ(Probe)検出部に装着すれば、生体素材は生体組織が放射する微細な電荷量(Capacitance)を検出して増幅する。
【0053】
プロブにはさらに検出電荷量をもう一度増幅してその電荷量を周波数に変換させ、生体素材の基準周波数と比較して疾病の性格と進行程度を診断する増幅ー変換ー比較回路(Circuit)及びその増幅変換比較回路の演算結果をデジタルに変換してLCD(液晶ディスプレー)に表示する回路が装着される。このように生体素材は生物体の電磁気情報シグナル測定装置で生体反応エネルギー感応用センサー素材として用いられる。
【0054】
生物体の表皮組織を利用した固形生体素材を利用した2番目の実施例は、土壌を再生して植物の成長を促す肥料材として用いる場合である。この場合用いられた表皮は鳥類の羽毛である。
上述した製造方法を経て製造された固形の生体素材を、痩せた土壌に注入すると土壌を再生して有機体(Organism)に影響を与え有機体生体組織の成長と再生を促進させる。
【0055】
本発明による固形生体素材の効果を確認する為に、固形の生体素材を混ぜた土と、何等の加工工程も経ていない原材料、つまり、鳥類の羽毛を混ぜた一般の土により同一な条件で大麦を栽培して観察した。
【0056】
観察対象:固形の生体素材を混ぜた土と一般的な鳥類の羽毛を混ぜた一般の土での大麦の成長速度
成長条件:日照量、水供給量、栽培場所等全ての条件同一
観察方法:播種後3日目から毎日成長速度測定
【0057】

【0058】
このように、本発明の固形生体素材を用いた土壌で植物の成長速度が普通の鳥類羽毛を混合した土壌で育成した成長速度より遥かに早いことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明は生体及び外部から発生する微弱な電磁気情報シグナルを検知して分析し、総合して記憶して学習し、変更させて転送、再転送する魚類(Fish)、爬虫類(Reptile)体表(Body surface area)の大部分を覆っている鱗(Scale)や角質(Horny Substance)の皮膚、鳥類(Birds)及び一部哺乳類(Mammal)の体表の一部を覆っている皮膚の変形物(Deformation)、表皮(Epidermis)、真皮(Dermis)が変化した鱗又は鱗の退化(Degeneration)した皮膚の変形物(Deformation)又は角質化(Keratinization)されたものも含まれる。全ての鳥類(Birds)の羽毛(Feathers)、昆虫類(Insects)体表面、軟体生物体(Mollusca)、貝類(Shellfish)体表のクチクラ(Cuticle)等が含まれ、脊髄生物体(Vertebrata)にもクチクラが含まれた鱗、羽毛、毛もこれに含まれ、甲殻類(Crustacea)体表面の角質層(Horny Layer)等のように極めて発達した表皮組織の特性を利用してその特性が消失されないように分離・加工して固形化することにより、人間の健康な生を保障する疾病早期感応用センサー素材、及び土壌の再生と植物の再生を促進する肥料材等、全ての分野で多様な用途に用いられる新素材を提供する効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮が発達した生物体の死体を塩と香料が添加された水に浸漬してその表皮を分離し、分離した表皮を重クロム酸カリウムと食酢混合溶液に浸漬し、室温で乾燥して高温と低温を交互に加える温冷処理し、紫外線で殺菌し、静電気生成工程を経てメラニン結晶体が多量に含まれた部位を選別し、切断して外面に松の実油を薄く塗布して製作した生体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用固形生体素材。
【請求項2】
魚類、鳥類、亀等表皮が発達した動物の死体を香料、塩、水1:2:300で混合された溶液に浸して1週間経過させる浸漬工程と、
浸漬工程が完了した生物体から表皮を分離する表皮分離工程と、
分離された表皮を洗浄した後、重クロム酸カリウム、食酢、水1:1:100の比率で混合した溶液に10〜12時間浸して室温で48時間重圧を加えて乾燥させる乾燥工程と、
乾燥された表皮を重圧状態で40℃と−25℃の温度を24時間ずつ2〜3回繰返して加える温冷処理工程と、
温冷処理された表皮を240nm紫外線ランプで30分程紫外線を照射して殺菌する殺菌工程と、
殺菌処理された表皮を電気円筒に入れ、500RPMで回転させ静電気を発生させる静電気生成工程と、
静電気処理された表皮の外面に松の実油を塗布する松の実油塗布工程と、
その表皮を必要な大きさに切断する切断工程から成る生物体の表皮組織を利用した生体電磁気シグナル感応用固形生体素材の製造方法。

【公表番号】特表2006−511260(P2006−511260A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558530(P2004−558530)
【出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【国際出願番号】PCT/KR2003/002692
【国際公開番号】WO2004/052197
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505219819)
【Fターム(参考)】