生体認証システム及び認証方法
【課題】本発明は、生体の同一性の判断を、顔認証システムと声紋認証システムとの特徴を考慮して、顔認証システムの弱点を声紋認証システムの長所によって補い、声紋認証システムの弱点を顔認証システムの長所によって補って、総合的に認証速度が高く、他人受け入れ率が低い生体認証システム及び認証方法を提供することを目的とする。
【解決手段】被認証生体が、予め登録された生体をメンバーとする登録生体グループに属する1の生体と同一か否かを、生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証システムにおいて、予め、登録生体グループに属する各生体の顔情報と声紋を取得して、登録顔情報データベースと、登録声紋データベースを作成し、被認証生体顔情報と登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較することによって、顔の類似度が高い数人に絞り込んでから声紋を比較することによって、被認証生体と同一性を有する生体か否かを認証する。
【解決手段】被認証生体が、予め登録された生体をメンバーとする登録生体グループに属する1の生体と同一か否かを、生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証システムにおいて、予め、登録生体グループに属する各生体の顔情報と声紋を取得して、登録顔情報データベースと、登録声紋データベースを作成し、被認証生体顔情報と登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較することによって、顔の類似度が高い数人に絞り込んでから声紋を比較することによって、被認証生体と同一性を有する生体か否かを認証する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔情報と声紋情報により生体の同一性を判断する生体認証システム及び認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の入退館管理システム等において、入館を許可すべき人か、排除すべき人かという判断を、生体の特徴によって判断するといった認識技術が普及しつつある。
【0003】
このような認証技術に、生体の類似度を顔の特徴を比較することにより行う顔認証システムと、生体の声の声紋を比較することによって行う声紋認証システムがある。
【0004】
顔認証システムは、認証速度が速く、短時間で類似度が所定の閾値より高い生体を特定できるという特徴を有する。
【0005】
【特許文献1】特開平8−249453
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、顔認証システムは、認証速度は速いが、類似度が所定の閾値以上であれば、他人であっても本人と特定してしまうという弱点がある。すなわち、顔認証システムにおいては、他人を本人として受け入れてしまう他人受け入れ率をゼロにすることは困難である。
【0007】
この点、様々な周波数の音波の集まりで構成された声を、時間、周波数、強度をグラフ化した声紋は、指紋と同様に、生体固有の特徴的なパターンを描くため生体を特定できる確率が高く、生体の同一性を生体の声紋によって判断する声紋認証システムは、他人を本人として受け入れてしまう他人受け入れ率は限りなくゼロに近い。しかし、声紋認証システムは、認証速度が遅く実用上問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、生体の同一性の判断を、顔認証システムと声紋認証システムの長所と短所とを考慮して、顔認証システムと声紋認証システムとを組み合わせて、顔認証システムと声紋認証システムの双方の弱点を補完し合い、総合的に認証速度が高く、他人受け入れ率が低い生体認証システム及び認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、所定の生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属する1の生体と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証システムであって、
前記生体同一性認証システムは、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する撮像部と、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから、前記生体の顔に固有な顔情報を作成する生体顔情報作成部と、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、特定の生体との類似度を判断する顔類度判断部と、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得部と、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較部と、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報を取得して登録顔情報データベースと、前記登録生体グループに属する各生体の声紋である登録声紋データベースとを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して撮像データを取得し、
前記被認証生体顔情報と、前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して、顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体から取得した声紋を、前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体が前記登録生体グループに存在する生体の1つと同一性を有するか否かを認証することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の生体同一性認証システムに係り、
前記生体は人間であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の生体同一性認証システムに係り、
前記顔類似度上位グループに属する生体の数は3乃至7であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、被認証生体が、予め登録された生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属する1の生体と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証方法であって、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する顔撮像ステップと、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから前記生体の顔に固有な顔情報を作成する顔情報作成ステップと、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、特定の生体との類似度を判断する顔類似度判断ステップと、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得ステップと、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較ステップと、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報と声紋とを取得して、登録顔情報データベースと登録声紋データベースとを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して取得した撮像データと前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体の声紋を、前記登録声紋データベースから取得した前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体と同一性を有する生体が、前記登録生体グループに存在するか否かを認証することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の生体同一性認証方法に係り、
前記生体は人間であることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の生体同一性認証方法に係り、
前記顔類似度上位グループに属する生体の数は3乃至7であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る、生体同一性認証システムによれば、生体の同一性の認証速度が速く、且つ他人受け入れ率が低い生体同一性認証システムを比較的安価に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図を参照しつつ、発明を実施するための最良の形態につき説明する。なお、本発明に係る生体同一性認証システムおよび生体同一性認証方法における認証の対象は、顔と声紋を有する生体(人間、動物)が対象である。しかし、以下の説明においては、理解を容易にするために、認識の対象である生体を人間として説明する。
【0017】
図1は生体同一性認証システムに構成を示すブロック図である。
図1において、101は撮像部であり、102は登録生体グループであり、103は声紋取得部であり、104は登録声紋データベースであり、105は撮像データであり、106は生体顔情報作成部であり、107は生体顔認証部であり、108は生体声紋認証部であり、110は登録顔情報データベースであり、108は生体声紋認証部であり、109は被認証声紋データである。また、110は登録顔情報データベースであり、111は被認証顔情報であり、112は類似度上位生体群であり、113は類似度上位生体声紋データベースである。
【0018】
以下、順次説明する。
【0019】
撮像部101は認証対象である生体の顔情報を取得する部であり、例えばCCDカメラで構成する。撮像データ105は撮像部101が取得した生体の撮像データである。生体顔情報作成部106は撮像データ105から、該生体に固有の被認証顔情報111を作成する。登録顔情報データベース110は、生体顔情報作成部106が登録生体グループ102に属する各生体について作成した顔情報についてのデータベースである。被認証顔情報111は、撮像部101が被認証生体を撮像して得た撮像データから、生体顔情報作成部106が作成した被認証生体に固有な顔情報である。類似度上位生体群112は、生体顔認証部107が、被認証顔情報111と登録顔情報データベース110の各顔情報と比較し、類似度が高い順に選択した所定の数の生体の顔情報データベースである。顔類似度上位生体声紋データベース113は、類似度上位生体群112に属する生体の声紋に関するデータベースである。
【0020】
予め、比較の対象となる登録生体グループ102に属する各生体の顔情報を作成して、登録顔情報データベース110を作成する。また、比較の対象となる登録生体グループ102に属する各生体の声紋も取得して、登録声紋データベース104を作成する。
【0021】
次に、撮像部101で、認証の対象である生体の顔を撮像し撮像データを取得し、生体顔情報作成部106は、撮像データ105から被認証顔情報111を作成する。生体認証部107は、被認証顔情報111を登録顔情報データベース110の各顔情報と比較し、類似度が高いほうから所定の数の生体を取得して、類似度上位生体群112を作成する。顔による認証は処理速度が速いので、比較的短時間で、類似度上位生体群112を作成することが可能である。
【0022】
次に、生体声紋認証部108は、類似度上位生体群112に対応する声紋を登録声紋データベースから抽出して、顔類似度上位生体声紋データベース113を作成する。声紋取得部103は、被認証生体の声紋を取得し被認証生体声紋データ109を得る。声紋取得部103は、マイクとマイクによって取得された音声を時間、周波数、強度をグラフ化する機能を有する機器によって構成する。
生体声紋認証部108は、被認証生体声紋データ109を顔類似度上位生体声紋データベース113の声紋と比較して、同一声紋を捜す。同一声紋があれば、同一生体であると認証する。同一声紋が存在しない場合には、被認証生体は登録生体グループ102内のいずれの生体とも異なると判断する。声紋は生体に固有なデータであり、指紋と同様に高精度で生体の同一性を判断できる。声紋の比較には比較的長時間を要するが、比較の対象を、顔類似度上位生体声紋データベース113内の声紋に限定しているので、有効に同一の声紋を検索できる。
【0023】
図2は生体同一性認証方法の概略を示す工程図である。
本生体同一性認証方法においては、最初に、予め認証の対象となる各生体の顔情報を取得し、顔情報データベースを作成する(S701)。各生体の声紋についても、声紋データベースを作成する(S702)。
【0024】
次に、認証の対象となる生体の顔を撮像する(S703)。撮像データから、顔に固有な顔情報を作成する(S704)。作成した顔情報を顔情報データベースの各顔情報と比較(S705)して、類似度が高い数人の生体を絞り込む(S706)。そして、被認証対象の声紋を絞り込まれた数人の生体の声紋と比較する。声紋が一致した場合には、被認証生体を声紋が一致した生体とは同一であると認証する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】生体同一性認証システムに構成を示すブロック図である。
【図2】生体同一性認証方法の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
101 撮像部
102 登録生体グループ
103 声紋取得部
104 登録声紋データベース
105 撮像データ
106 生体顔情報作成部
107 生体顔認証部
108 生体声紋認証部
109 被認証生体声紋データ
110 登録顔情報データベース
111 被認証顔データ
112 類似度上位生体群
113 類似度上位生体声紋データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔情報と声紋情報により生体の同一性を判断する生体認証システム及び認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の入退館管理システム等において、入館を許可すべき人か、排除すべき人かという判断を、生体の特徴によって判断するといった認識技術が普及しつつある。
【0003】
このような認証技術に、生体の類似度を顔の特徴を比較することにより行う顔認証システムと、生体の声の声紋を比較することによって行う声紋認証システムがある。
【0004】
顔認証システムは、認証速度が速く、短時間で類似度が所定の閾値より高い生体を特定できるという特徴を有する。
【0005】
【特許文献1】特開平8−249453
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、顔認証システムは、認証速度は速いが、類似度が所定の閾値以上であれば、他人であっても本人と特定してしまうという弱点がある。すなわち、顔認証システムにおいては、他人を本人として受け入れてしまう他人受け入れ率をゼロにすることは困難である。
【0007】
この点、様々な周波数の音波の集まりで構成された声を、時間、周波数、強度をグラフ化した声紋は、指紋と同様に、生体固有の特徴的なパターンを描くため生体を特定できる確率が高く、生体の同一性を生体の声紋によって判断する声紋認証システムは、他人を本人として受け入れてしまう他人受け入れ率は限りなくゼロに近い。しかし、声紋認証システムは、認証速度が遅く実用上問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、生体の同一性の判断を、顔認証システムと声紋認証システムの長所と短所とを考慮して、顔認証システムと声紋認証システムとを組み合わせて、顔認証システムと声紋認証システムの双方の弱点を補完し合い、総合的に認証速度が高く、他人受け入れ率が低い生体認証システム及び認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、所定の生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属する1の生体と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証システムであって、
前記生体同一性認証システムは、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する撮像部と、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから、前記生体の顔に固有な顔情報を作成する生体顔情報作成部と、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、特定の生体との類似度を判断する顔類度判断部と、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得部と、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較部と、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報を取得して登録顔情報データベースと、前記登録生体グループに属する各生体の声紋である登録声紋データベースとを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して撮像データを取得し、
前記被認証生体顔情報と、前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して、顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体から取得した声紋を、前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体が前記登録生体グループに存在する生体の1つと同一性を有するか否かを認証することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の生体同一性認証システムに係り、
前記生体は人間であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の生体同一性認証システムに係り、
前記顔類似度上位グループに属する生体の数は3乃至7であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、被認証生体が、予め登録された生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属する1の生体と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証方法であって、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する顔撮像ステップと、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから前記生体の顔に固有な顔情報を作成する顔情報作成ステップと、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、特定の生体との類似度を判断する顔類似度判断ステップと、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得ステップと、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較ステップと、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報と声紋とを取得して、登録顔情報データベースと登録声紋データベースとを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して取得した撮像データと前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体の声紋を、前記登録声紋データベースから取得した前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体と同一性を有する生体が、前記登録生体グループに存在するか否かを認証することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の生体同一性認証方法に係り、
前記生体は人間であることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の生体同一性認証方法に係り、
前記顔類似度上位グループに属する生体の数は3乃至7であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る、生体同一性認証システムによれば、生体の同一性の認証速度が速く、且つ他人受け入れ率が低い生体同一性認証システムを比較的安価に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図を参照しつつ、発明を実施するための最良の形態につき説明する。なお、本発明に係る生体同一性認証システムおよび生体同一性認証方法における認証の対象は、顔と声紋を有する生体(人間、動物)が対象である。しかし、以下の説明においては、理解を容易にするために、認識の対象である生体を人間として説明する。
【0017】
図1は生体同一性認証システムに構成を示すブロック図である。
図1において、101は撮像部であり、102は登録生体グループであり、103は声紋取得部であり、104は登録声紋データベースであり、105は撮像データであり、106は生体顔情報作成部であり、107は生体顔認証部であり、108は生体声紋認証部であり、110は登録顔情報データベースであり、108は生体声紋認証部であり、109は被認証声紋データである。また、110は登録顔情報データベースであり、111は被認証顔情報であり、112は類似度上位生体群であり、113は類似度上位生体声紋データベースである。
【0018】
以下、順次説明する。
【0019】
撮像部101は認証対象である生体の顔情報を取得する部であり、例えばCCDカメラで構成する。撮像データ105は撮像部101が取得した生体の撮像データである。生体顔情報作成部106は撮像データ105から、該生体に固有の被認証顔情報111を作成する。登録顔情報データベース110は、生体顔情報作成部106が登録生体グループ102に属する各生体について作成した顔情報についてのデータベースである。被認証顔情報111は、撮像部101が被認証生体を撮像して得た撮像データから、生体顔情報作成部106が作成した被認証生体に固有な顔情報である。類似度上位生体群112は、生体顔認証部107が、被認証顔情報111と登録顔情報データベース110の各顔情報と比較し、類似度が高い順に選択した所定の数の生体の顔情報データベースである。顔類似度上位生体声紋データベース113は、類似度上位生体群112に属する生体の声紋に関するデータベースである。
【0020】
予め、比較の対象となる登録生体グループ102に属する各生体の顔情報を作成して、登録顔情報データベース110を作成する。また、比較の対象となる登録生体グループ102に属する各生体の声紋も取得して、登録声紋データベース104を作成する。
【0021】
次に、撮像部101で、認証の対象である生体の顔を撮像し撮像データを取得し、生体顔情報作成部106は、撮像データ105から被認証顔情報111を作成する。生体認証部107は、被認証顔情報111を登録顔情報データベース110の各顔情報と比較し、類似度が高いほうから所定の数の生体を取得して、類似度上位生体群112を作成する。顔による認証は処理速度が速いので、比較的短時間で、類似度上位生体群112を作成することが可能である。
【0022】
次に、生体声紋認証部108は、類似度上位生体群112に対応する声紋を登録声紋データベースから抽出して、顔類似度上位生体声紋データベース113を作成する。声紋取得部103は、被認証生体の声紋を取得し被認証生体声紋データ109を得る。声紋取得部103は、マイクとマイクによって取得された音声を時間、周波数、強度をグラフ化する機能を有する機器によって構成する。
生体声紋認証部108は、被認証生体声紋データ109を顔類似度上位生体声紋データベース113の声紋と比較して、同一声紋を捜す。同一声紋があれば、同一生体であると認証する。同一声紋が存在しない場合には、被認証生体は登録生体グループ102内のいずれの生体とも異なると判断する。声紋は生体に固有なデータであり、指紋と同様に高精度で生体の同一性を判断できる。声紋の比較には比較的長時間を要するが、比較の対象を、顔類似度上位生体声紋データベース113内の声紋に限定しているので、有効に同一の声紋を検索できる。
【0023】
図2は生体同一性認証方法の概略を示す工程図である。
本生体同一性認証方法においては、最初に、予め認証の対象となる各生体の顔情報を取得し、顔情報データベースを作成する(S701)。各生体の声紋についても、声紋データベースを作成する(S702)。
【0024】
次に、認証の対象となる生体の顔を撮像する(S703)。撮像データから、顔に固有な顔情報を作成する(S704)。作成した顔情報を顔情報データベースの各顔情報と比較(S705)して、類似度が高い数人の生体を絞り込む(S706)。そして、被認証対象の声紋を絞り込まれた数人の生体の声紋と比較する。声紋が一致した場合には、被認証生体を声紋が一致した生体とは同一であると認証する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】生体同一性認証システムに構成を示すブロック図である。
【図2】生体同一性認証方法の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
101 撮像部
102 登録生体グループ
103 声紋取得部
104 登録声紋データベース
105 撮像データ
106 生体顔情報作成部
107 生体顔認証部
108 生体声紋認証部
109 被認証生体声紋データ
110 登録顔情報データベース
111 被認証顔データ
112 類似度上位生体群
113 類似度上位生体声紋データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認証生体が、所定の生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属するいずれかの生体(以下「特定生体」ともいう)と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証システムであって、
前記生体同一性認証システムは、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する撮像部と、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから前記生体の顔に固有な顔情報を作成する生体顔情報作成部と、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、前記特定生体との類似度を判断する顔類度判断部と、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得部と、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較部と、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報を取得して、生体顔情報作成部は登録顔情報データベースを作成し、前記声紋取得部が前記登録生体グループに属する各生体の声紋である登録声紋データベースを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して撮像データを取得し、
前記被認証生体顔情報と前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体から取得した声紋を、前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体が前記登録生体グループに存在する生体の1つと同一性を有するか否かを認証することを特徴とする生体同一性認証システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生体同一性認証システムにおいて、前記生体は人間であることを特徴とする生体同一性認証システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体同一性認証システムにおいて、前記顔類似度上位グループに属する生体の数を3乃至7とすることを特徴とする生体同一性認証システム。
【請求項4】
被認証生体が、予め登録された生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属するいずれかの生体(以下「特定生体」ともいう)と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証方法であって、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する顔撮像ステップと、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから前記生体の顔に固有な顔情報を作成する顔情報作成ステップと、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、前記特定生体との類似度を判断する顔類似度判断ステップと、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得ステップと、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較ステップと、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報と声紋とを取得して、登録顔情報データベースと登録声紋データベースとを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して取得した撮像データを、前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して、顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体の声紋を、前記登録声紋データベースから取得した前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体と同一性を有する生体が前記登録生体グループに存在するか否かを認証することを特徴とする生体同一性認証方法。
【請求項5】
請求項4に記載の生体同一性認証方法において、前記生体は人間であることを特徴とする生体同一性認証方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の生体同一性認証方法において、前記顔類似度上位グループに属する生体の数を3乃至7とすることを特徴とする生体同一性認証方法。
【請求項1】
被認証生体が、所定の生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属するいずれかの生体(以下「特定生体」ともいう)と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証システムであって、
前記生体同一性認証システムは、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する撮像部と、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから前記生体の顔に固有な顔情報を作成する生体顔情報作成部と、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、前記特定生体との類似度を判断する顔類度判断部と、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得部と、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較部と、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報を取得して、生体顔情報作成部は登録顔情報データベースを作成し、前記声紋取得部が前記登録生体グループに属する各生体の声紋である登録声紋データベースを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して撮像データを取得し、
前記被認証生体顔情報と前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体から取得した声紋を、前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体が前記登録生体グループに存在する生体の1つと同一性を有するか否かを認証することを特徴とする生体同一性認証システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生体同一性認証システムにおいて、前記生体は人間であることを特徴とする生体同一性認証システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体同一性認証システムにおいて、前記顔類似度上位グループに属する生体の数を3乃至7とすることを特徴とする生体同一性認証システム。
【請求項4】
被認証生体が、予め登録された生体をメンバーとするグループ(以下「登録生体グループ」ともいう)に属するいずれかの生体(以下「特定生体」ともいう)と同一か否かを生体の顔情報と声紋情報によって判断する生体同一性認証方法であって、
認証対象である生体の顔を撮像して撮像データを取得する顔撮像ステップと、
前記撮像部が取得した生体の顔に関する撮像データから前記生体の顔に固有な顔情報を作成する顔情報作成ステップと、
前記生体の顔に固有な顔情報によって、前記特定生体との類似度を判断する顔類似度判断ステップと、
認証対象である生体の声紋を取得する声紋取得ステップと、
前記声紋取得部が取得した生体の声紋を比較する声紋比較ステップと、を有し、
予め前記登録生体グループに属する各生体の顔情報と声紋とを取得して、登録顔情報データベースと登録声紋データベースとを作成しておき、
被認証生体の顔を撮像して取得した撮像データを、前記登録顔情報データベースに属する各顔情報とを比較して、類似度が高いほうから所定の数の生体を選択して、顔類似度上位グループを作成し、次に、被認証対象である生体の声紋を、前記登録声紋データベースから取得した前記顔類似度上位グループに属する各生体の声紋と順次比較することによって、被認証生体と同一性を有する生体が前記登録生体グループに存在するか否かを認証することを特徴とする生体同一性認証方法。
【請求項5】
請求項4に記載の生体同一性認証方法において、前記生体は人間であることを特徴とする生体同一性認証方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の生体同一性認証方法において、前記顔類似度上位グループに属する生体の数を3乃至7とすることを特徴とする生体同一性認証方法。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2009−259085(P2009−259085A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108848(P2008−108848)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(507022802)Takumi Vision株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(507022802)Takumi Vision株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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