説明

生物学的センシング用装置および方法

【課題】ウイルス、バクテリア、胞子等のような、望ましくない生物学的物質を高感度且つ短時間で検出し、コンパクトなサイズで複数の種類の物質を検出する検出器を提供すること。
【解決手段】この検出器は、光ファイバ、この光ファイバの長さの大部分を被覆するクラッド、このクラッド内に配置した生物指標、この光ファイバを励起するコヒーレントな光源、およびこの所定の生物学的物質をこのファイバのクラッドに吸収することによって生じるこの光ファイバ共振器の共振特性の変化に基づき生物学的物質を検出する生物学的物質シグネチャ検出器を含む。この検出器では、目標物質に放射性、または蛍光性またはその他の標識付けを要しないので便利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には環境センシングに関し、更に具体的には、生物学的物質の存在を検出するための光学システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国民のホームセキュリティおよび住民に対する脅威の検出に益々重点が置かれている。特に、環境に於ける望ましくない化学物質または生物学的物質の存在の検出または検知が重視されるようになり、それに応じて多種多様な検出装置が開発されている。一例は、コアとクラッドがある多モード光ファイバを使う化学センサである。このクラッド、またはクラッド上の被覆の光学特性は、検出すべき所定の物質があると変る。この光ファイバのコアを透過する光の量は、この検出すべき物質と相互作用するクラッドまたは被覆の光学特性の変化の関数である。
【0003】
従来の検出装置に対する一つの設計考慮事項は、感度に関してである。一般的に、特殊な検出装置について、低濃度レベルの望ましくない物質の存在を検出するためには、通常多くの時間を要する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、検出時間を最少にしながら、高い感度で化学物質および/または生物学的物質の存在を検出するためのセンサを提供することが望ましい。その上、このセンサのパッケージサイズを最小にしながら、複数の異なる脅威の存在を検出するためのセンサを提供することが望ましい。更に、本発明の他の望ましい特徴および特性は、添付の図面およびこの背景技術と共に検討すれば、以下のこの発明の詳細な説明および添付の請求項から明白となろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定の生物学的物質を検出するための生物学的物質検出器に向けられている。この生物学的物質検出器は、光ファイバ、生物指標と混ざりまたはそれを共有結合的に取付けおよびこの光ファイバの長さを被覆し、または覆うポリマまたは吸湿性ゲル材料、並びにこのクラッド、または被覆内に配置した生物指標を含む。この生物学的物質検出器は、この光ファイバを励起し、光ファイバ共振器内に形成してあるコヒーレントな光源、および多数の方法の一つによってこの所定の生物学的物質を生物学的物質を検出する生物学的物質シグネチャ検出器も含む。その様な方法の一つは、抗体を光ファイバのコアの近く、または直ぐ外側の領域に共有結合する工程、および屈折率または光損失の変化を測定することによって抗原結合を検出する工程を含むことができる。その様な方法は、この所定の生物学的物質をこのファイバのクラッドまたは被覆に吸収することによって生じるこの光ファイバ共振器の共振特性の変化に基づくことができる。この光共振器の共振特性は、このコアの中を進む光のエバネセント光波と相互作用する(このコアに)隣接する媒体の光学特性の変化によって改変する。この光の強度は、このクラッド、または被覆に及ぶが、このコア領域からの距離と共に減衰する。このクラッドまたは被覆(コアの外部)に達する光の電場を時には光のエバネセント場と呼ぶ。
【0006】
この生物学的物質検出器は、ゲル・ファイバ表面境界面の直近で屈折率または損失を変化させることによって機能するかも知れない。次にこの変化をそれが、この光ファイバがその一部である光ファイバ共振器の共振特性に及す影響によって増幅する。この方法は、目標とする生物学的微分子または検出物質の放射性、または蛍光性またはその他の標識付けを要しないので、特に便利である。上記の資料では、“クラッド”と言う語は、クラッド、または被覆、またはその両方を意味することを意図として認識する。即ち、この光波のエバネセント場がこのクラッドに達するので、この生物指標を“クラッド”として知られる、このファイバのコア囲む隣接層に置くことができる。その代りに、この指標が埋込んでない、“内”クラッドまたはこのコア内の光の案内を確実にするために使うクラッドがあってもよい。このシステムでは、指標のある“被覆”、または指標があり外“クラッド”として機能する被覆を、不活性クラッドを伴うファイバ構造に加える。これらの場合、この被覆、または外クラッドとして機能する被覆は、この生物物質を吸収しなければならず、それにはいる光のエバネセントテールを有し、およびこのコア内の光の案内を支援する光学特性を有する。
【0007】
本発明の生物学的物質検出器では、検出すべき、微生物に特有の既知の生物指標または生物学的材料、即ち、汚染物質をクラッドの埋込んだ生物指標として利用することができる。好適な生物検出物質は、モノクローン抗体であると確信する。モノクローン抗体は、目標とする生物学的物質に存在する特定の抗体間の結合に対して高い特異性を有する。同様に、この検出器は、既知のポリマまたは吸湿性ゲル材料を利用することができ、その場合この指標システムを、この光ファイバを覆うポリマまたはゲルに埋込むことができる。この指標を埋込んだクラッドは、通常の取扱中ファイバに対してクラッドであり続けるために十分耐久力があるのが好ましく、水和したとき、クラッド材料として十分に作動するように、ファイバのコアと屈折率が十分違うのが好ましく、および約4℃と約38℃の間の温度および約30%と90%の間の相対湿度で水和したままであるのが好ましい。屡々、その様な吸湿性ポリマは、水が存在すると膨張する架橋したゲル材料である。その様なポリマの例には、架橋キトサン材料、多糖類、ヒドロキシ置換アクリレート被覆、およびナフィオン(登録商標)がある。ナフィオンは、膜及び分散系用の、米国デラウェア州ウィルミントン市、E.I.デユポン デナムア社の登録商標である。
【0008】
この発明でクラッド材料として使用できると確信するポリマのもう一つのグループは、多孔性であって、通常の湿度で水を吸上げて細孔に吸収するに十分高い表面張力を有するポリマである。ケルビン式を使って運転条件で要する相対湿度で水を吸収するために与えられた表面張力で必要な細孔径を決めることができる。当業者は、クラッドを各々の用途に適合させるためにその特性を最適化することが望ましく且つ彼らの技量内であることが分るだろう。過度に厚いクラッド被覆は、応答の遅延に帰するだろうし、一方薄すぎるクラッド被覆は耐久性がないかも知れない。
【0009】
表面プラズモン共振センサ、長期格子カプラ、共振ミラー、および多種の干渉計の様な、光変換器の表面上に固定した特定のバイオレセプタに対する分析物の親和結合に基づくバイオセンサは、追加の標識試薬を使わずに屈折率または光拡散の変化を測定することによる分析物のリアルタイム検出に有用であると確信する。この生物指標の濃度は、この光ファイバシステムの要件に適合させてあるのが好ましい。更に、多孔性クラッドシステムに対して、このクラッドは、この多孔性システムの尺度では比較的大きいかも知れない、検出すべき微生物がこのクラッドに入り込んでモノクローン抗体生物指標に達し、次にそれが好ましくはこの光ファイバを通過する光の到達範囲内にあるように、十分に大きい開孔を有するのが好ましい。このモノクローン抗体は、特別の目標微生物または生物学的毒素に特有の、特定の生物学的標的分子とだけ結合すると確信する。モノクローン抗体は、生体分子に限定せず、特定のモノクローン抗体の生産中にハプテン化を利用することによって大型有機分子も目標とし得る。この生物学的物質、即ち、生物汚染物質が存在すると、このファイバは、損失が多くり、このファイバ共振器のフィネスを劣化し、またはファイバの有効屈折率を変える(共振器のフリースペクトル範囲を変える)ことが予期され、その各々は、吸収した生物汚染物質の量の比率として検知できる。このセンサ内のファイバは、エバネセント場がこのファイバクラッドに固定された結合抗体と相互作用する、全内反射を使って作動すると予想される。抗体と抗原の間の反応は、屈折率または損失の変化としてリアルタイムでモニタすべき光伝達を変えることが期待され、それによって標識抗原分子を必要なくする。
【0010】
光子結晶ファイバ(PCF)をこの検出器の光ファイバとして利用し、それによってゲルをこのPCFのクラッドの孔に導入できることも確信する。このクラッドの孔形状のために表面張力が強いので、このゲルは吐出せない。空中浮遊ガス状生物汚染物質分子を微細径ピンホールからこのゲルに曝してもよく、そのピンホールは、この光ファイバにクラッドを通し、このファイバの全長に亘ってゲルが占める孔と交差して穿孔してもよい。
【0011】
下記に本発明を以下の図面に関連して説明し、そこで類似の数字は類似の部品を示す。
【実施例】
【0012】
本発明の以下の詳細な説明は、本質的には単に例示に過ぎず、本発明または本発明の用途および使用法を制限する意図はない。更に、先行する本発明の背景または本発明の以下の詳細な説明で提示する如何なる理論によっても拘束する意図はない。
【0013】
環境の中の一つ以上の生物学的物質をセンシングするための装置および方法を提供する。一般に、この装置は、所定の生物学的物質に反応する指標(例えば、非常に特殊なモノクローン抗体)が埋込んであるクラッドを備える光ファイバコイルを有する共振器を含む。入力光ビームを(例えば、光源から)この共振器に供給し且つこの入力光ビームが、光ファイバのコイルを含むこの光ファイバ共振器の共振周波数に、一方向(例えば、リング共振器の場合、光ファイバコイルの時計回りまたは反時計回り方向)に同調するとき、この共振周波数の範囲内で共振線形状ができ、それをこの共振器を循環する光によって検知する。検出すべき物質がこの環境にないと、この共振線形状は、この共振器を循環する光の低エネルギー損失に対応する第1(例えば、狭い)形状を有する。センサが高損失を利用し、光ファイバコイルの環境に所定の生物学的物質が存在する場合、指標は、この物質に反応し、その結果、この光ファイバコイルを循環する光の一部が散乱または吸収される。この通常狭い、共振線形状は、広く、浅い形状に変る。共振線形状のこの変化は、散乱光または吸収光による大きなエネルギー損失を表し、それでモノクローン抗体指標と反応した所定の生物学的物質の存在を示す。もう一つの損失増加機構は、クラッドの屈折率が上昇してコア内部の光の案内が弱くなり、それが共振器のフィネスも落すと言うことかも知れない。複数の光ファイバコイルをこのセンサの中に一緒に多重化して、多重共振器を形成し、複数の生物学的物質を同時に検出してもよい。これらの追加の共振器を、その存在が検出を意図する一次物質の測定を逆にバイアスするかも知れない、他の二次物質を検知するためにも使ってよい。この様にして、二次物質に対する一つの共振器コイルまたは指標の交差感度を除去してもよい。これは、一次物質の明確な測定をもたらし、または二次物質によって生じる虚偽警報の可能性をなくする。
【0014】
さて、図面を参照して、図1は、本発明の実施例による生物学的物質センサ10の概略図である。このセンサ10は、可変同調コヒーレント光源18(例えば、外部空洞レーザダイオード、DFBレーザダイオード等)、第1ミラー反射器20、再循環器24(例えば、透過率が低いがゼロではない、高反射性ミラー)、第1ミラー反射器20および再循環器24を介して光源18から光を受ける第1端31を有する光ファイバコイル28、この再循環器24を介して光ファイバコイル28の第2端から光出力を受ける第2ミラー反射器22、光検出器(例えば、フォトダイオード)26、並びに光検出器26および光源18に結合した電子モジュール16を含む。この入力ミラー24および光ファイバコイル28は、一緒に共振器12を形成する。この共振器12は、多種多様な構成でよく、幾つかの実施例をここに説明する。この共振器12に導入する光は、単色であり、且つ再循環器24を使って複数巻の光ファイバコイル28を通って循環する。この共振器12からの光出力は、モノクローン抗体30と反応した所定の生物学的物質が存在するか否かに敏感である。
【0015】
図5は、図1の幾らか複雑な版で、光が時計回り方向(CW)か半時計回り方向(CCW)のどちらに循環してもよい。図5では、再循環器24が図1のミラー24と実質的に同じに機能する二つのミラー24aと24bに分けてある。簡単のために、以下の議論は、主として図1に向ける。
【0016】
ある実施例で、光源18は、周波数が安定し、線幅が比較的狭く、および可能出力が比較的高い、可変同調レーザである。光源18をCW方向かCCW方向に共振器12の共振周波数fと一致する周波数範囲に亘って調整する。一般に、再循環器24は、光ファイバコイル28の一端から出る光を反射し且つフィバコイル28の他端に再導入し、それによって光をこの光ファイバコイル28を通して何回も伝播させるどんな光学素子でもよい。再循環器24用に光ファイバカプラではなく入力ミラーを使えることは、このミラーを偏光誤差およびその他の誤差機構を減衰するために使え、且つ欠陥を少ししか取入れないかも知れないので、センサ10の一つの利点である。しかし、ある場合には、光ファイバカプラが適当かも知れない。
【0017】
ある場合、この光ファイバコイル28は、コアが典型的なガラスベースであり、このコアを囲む典型的にポリマベースのクラッド29と、このクラッドに埋込んだ、所定の生物学的物質30に反応する指標を備えるファイバで作ってある。別の種類のファイバは、ガラスコア、光子結晶構造のクラッド、および外側ポリマベースのジャケット、被覆または外側クラッドから成る。指標は、この外側ジャケット内に含まれている。混合することが可能であるか、またはこのモノクローン抗体をポリマに共有結合的に取付けるならば、多くのポリマを使ってもよい。抗体取付け技術の例は、グルタルアルデヒドまたはトルエンジイソシアナート架橋を含んでもよい。
【0018】
どちらの場合も、曲げ損失が非常に低い光ファイバを使うのが好ましく、光ファイバコイル28は、かなり小さい領域の周りに比較的大きい巻数を有するのが好ましい。例えば、コイル28は、直径1cmの周りに光ファイバが約20ないし40巻あってもよい。一般的に、光ファイバコイル28がもたらすような、光路長が長ければ長いほど、センサ10のSN比が大きい。このセンサ10のSN比を改善するためには、光ファイバコイル28の巻数を増すことによって光路長を伸してもよい。この光ファイバコイル28で、再循環器24によって導入した光は、大抵コア内部を通り抜け、光エネルギーの約2〜3パーセントだけが光ファイバのクラッドに入る。この指標は、一つ以上の生物学的物質に反応してその光学特性、例えば、その色、その光損失、またはその屈折率を変える、化学的またはその他の物質でもよい。
【0019】
このクラッドは、多種多様な親水性ポリマのどれで出来ていてもよい。ポリマを選択するための判定基準は、モノクローン抗体標識を取付けるために使う方法への適合性は勿論、耐久性および適用の容易さを含むだろう。このクラッドは、その屈折率が屈折率導波型ファイバに於けるファイバのコアのそれよりも低くなければならない。表1は、ポリマ ハンドブック(第2版、J.ブランドラップ、E.H.インマーグット編、ワイリーインタサイエンス(1975年))pp.III−242〜III−242から引用した親水性ポリマの一覧表を示す。
【0020】
【表1】

【0021】
当業者には、使うために柔らか過ぎるまたは水溶性であるポリマを架橋によって溶け難くできること、および十分に親水性でないポリマを親水性の側基を付けることによって改質できることが分るだろう。それで、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリビニルエーテルのようなポリマをヒドロキシ、アルキルオキシ、カルボキシレート、スルホネート、ホスファート、テトラアルキルアンモニウムまたはその他の親水基を含む基を付けることによってより親水性にしてもよい。
【0022】
適度な孔径範囲内の多孔度を有するポリマは、水も吸収するだろう。ケルビン式(1)を使い、予想される温度および相対湿度に基づき必要な孔径を推定することができる。例えば、もし、相対湿度50%で使用温度を25℃付近と予想するならば、所要孔径は15nm付近と計算できる。
【0023】
【数1】

【0024】
γ=水の表面張力(0.072N/m)
=水のモル体積(0.018L/mol)
R=ガス定数
T=温度
P=水の蒸気圧
=水の飽和蒸気圧
【0025】
この発明を使って検出すべき生物学的物質は、ウイルス、バクテリア、胞子、菌類、蛋白質類、多糖類または何か他の生物学的物質を含むかも知れない。これらの物質に対する指標は、検出すべき特定の有機体を認識できるが、他の有機体はできない、他の生物学的物質を含むかも知れない。その様な認識方向の一つは、この生物学的物質に結びつくポリマに共有結合的に束縛される抗体を使うことかも知れない。これらの抗体は、目標抗体を拘束したとき、屈折率を変える結果になるだろう。
【0026】
稼働中、光源18によって作った光を第1ミラー反射器20に導き、次にそれがこの光を再循環器24へ導く。光源18からの光をこの共振器(光ファイバコイル28および再循環器24から成る)の共振周波数の端から端まで、この伝播の対応する方向(例えば、時計回り方向)に走査(スイープ)し、その第1部分を再循環器24を通して光ファイバコイル28の第1端31へ伝達する。第2部分、即ち、反射した部分は、再循環器24からミラー22へ反射する。光ファイバコイル28を通るCWおよびCCW経路の各々に対する共振周波数は、各光路を連続して循環するビームの建設的干渉に基づく。第1部分の光が光ファイバコイル28のコアを通って伝播してから、この光が光ファイバコイル28の第2端32から出る。この実施例では、第2端32から出る光を再循環器24へ導く。この光の一部を再循環器24によって、第1端31へ反射し戻し、一方他の部分は、第2ミラー反射器22へ透過する(即ち、透過波)。この透過波は、共振器12内部の再循環光波のほんの一部分(且つそれに由来する)である。この透過波および反射波を、第2ミラー反射器22を介して、光検出器26へ導き、そこでそれらが干渉する(即ち、透過波と反射波の間に干渉が起る)。この光の周波数は、共振から十分遠く離調してあるので、透過部分が非常に少なく、反射部分だけが光検出器に入射し、最大の強度および非常に僅かの破壊的干渉を示す。この周波数を共振の中心を通り越して走査すると、この透過波は最大になり、反射波と最大の破壊的干渉を生じ、従って共振ディップをもたらし、その最小値が共振中心を示す。
【0027】
CWかCCW方向の共振器(光ファイバコイル28と再循環器24から成る)12の共振中心−周波数を観測するために、この光検出器によって検出した光強度を測定することができ、または標準同期検出技術(位相感応検出)を使ってもよい。検出は、光検出器26によって光出力を検出しながら、光源18の周波数を周波数範囲に亘ってスイープすることによって行ってもよい。同期検出の場合、共振を光検出器26で(周波数スイープによって)測定しながら、この共振線形状の端から端までこの入力ビーム周波数をディザリングするために、入力光ビームを制御装置16によって周波数(f)で正弦波的に周波数変調する(このスイープ速度より遙かに速い速度で)。例えば、この電子モジュール16は、この循環光ビームの光出力によって共振を測定するために光検出器26の出力をfで復調しながら、光源18への制御信号を介してこの入力光ビームを周波数範囲の全域でスイープしてもよい。この共振線形状の線の中心、または共振中心で、光検出器26は、この基本検出周波数fで最小出力を検出し、およびこの線形状の両側の最大傾斜点付近で最大値を検出する。この周波数が共振から十分離れていれば、強度信号の最大値が観測されるが、fでの信号は、実質的にゼロである。この共振線形状の線幅を観測するために、光検出器26の光強度信号が少なくとも、半最大値、次に最小値、次にもう一つの半最大値を含む一連の観測を全てこのレーザ周波数を単調に走査する(f付近の周波数範囲をスイープした)とき終えるように、このレーザ周波数を走査する。この線幅は、半最大値間の周波数分離によって決める。
【0028】
その代りに、この線形状幅の寸法を、レーザ周波数をこの線形状の全域で単調に走査するときに、fでの復調した信号の最大値間の周波数差をモニタすることによって決めてもよい。この場合、最大傾斜点間の共振の周波数幅の測定値は、共振器線幅、共振器損失に比例する。この半最大強度から半最大強度まで(または最大傾斜点間)のレーザ周波数の振れは、この共振器線幅であり(またはこの共振器線幅に比例し)、それはファイバコイル28内の損失を示し、従って、この生物学的物質の存在の尺度である。この線幅の拡大は、損失増加測定の場合、対象物質の存在を表す。このレーザ周波数の振れは、この検出器がある半最大信号を観測する時間とこの検出器が第2の半最大信号観測する時間の間のレーザ周波数差を記録することによって測定する。これらの二つの時点の各々でのレーザ周波数は、直接測定しても間接的に測定してもよい。一つの直接測定は、その周波数を走査しないもう一つのレーザでビートを生じること、および二つの時点間のこのビート周波数差を測定することを伴う。間接的、且つ多分安価な方法は、このレーザ周波数対このレーザを走査するために使う電気信号入力を事前較正することである。この較正した値を制御装置16のメモリ内のルックアップテーブル11に保存してもよい。これは、このレーザの注入電流を変える電流駆動信号、このレーザの温度を変える熱電式冷却器への電流駆動信号、または周波数を変えるためにレーザ空洞の経路長を変える圧電変換器への電圧駆動信号でもよい。これらのどれかの場合に、レーザ周波数シフト対駆動信号の大きさを工場内で較正でき、それは、この駆動信号の振れを稼働中周波数の振れの尺度として使うことを可能にする。
【0029】
光源18を、例えば、CW方向に共振器12の共振周波数から離して調整すると、このCWビームからのエネルギーが光ファイバコイルに入らず、この光を再循環器24の高反射性ミラーから反射して光検出器26に最大強度を作る。光源18をCW方向に共振器12の共振周波数に調整すると、このCWビームが光ファイバコイル28に入り、光検出器26に当る光が最小出力であり、それによって共振中心を示す。同様に、もしこの装置がその代りに光をCCW方向に注入することになっていたら、このCCWビームをこのCCW方向に共振器12の共振周波数に調整すると、このCCWビームは、光ファイバコイル28に入る。
【0030】
生物学的物質30が光ファイバコイル28内に存在するとき、この光ファイバコイル28のクラッドに埋込んだ指標がこの生物学的物質30と反応(例えば、結合)し、光ファイバコイル28の光学特性を変えることが予想される。例えば、この光ファイバコイル28の変えられた光学特性には、光ファイバコイル28の屈折率の変化または光吸収度若しくは損失の増減があるかも知れないが、必ずしもそれに限定されない。
【0031】
共振器12の共振周波数を走査するために、ドライバ制御装置13がこの共振周波数fに関連する電流値の所定のセットまたは範囲を逐次選択し、これらの値によってレーザダイオード18を進めてもよい。例えば、共振器12は、非汚染状態ではf+/−Δfに等しい共振周波数値で半最大光エネルギー出力値(ダイオード26によって測定して)を有し、生物学的汚染物質が付くと、この半最大共振周波数値がf+/−5Δfかも知れない。この場合、電流値の所定のセットは、それぞれ、f+5Δfおよびf−5Δfに対応する最大電流値xおよび最小電流値xを有するだろう。もし、このドライバ制御装置13がこの最小電流値から最大電流値へ20の均等ステップで歩進することになっているなら、レーザダイオード18に加える第1電流値はxであり、各ステップに対する電流値の増分は(x−x)/20だろう。この場合、第1電流値はx、第2値はx+(x−x)/20、第3値はx+2(x−x)/20、等だろう。この電流は、このプロセッサに記憶する連続関数で連続的に調整することもできよう。
【0032】
共振周波数fの両側の1/2最大値は、光検出器26によって検出し且つ光源電流値に関連付けてもよい。この場合、電流値の所定のセットが、この生物学的物質の存在によって生じる共振周波数への変化によって決る幾らか大きい電流範囲に広がるかも知れない。もし、この生物学的物質の存在によって生じる共振周波数の変化がこの共振周波数fの1/2最大値を五倍だけ拡げるならば、この所定の電流範囲は、非汚染状態で共振器12の1/2最大値の5倍に相当するかも知れない。
【0033】
一つの図示する実施例では、ルックアップテーブル11が電流値およびこれらの電流値に対応するそれぞれの周波数の表を含むかも知れない。このルックアップテーブル11は、多数の周波数シグネチャも含むかも知れない。この場合の周波数シグネチャは、光源18の一組の周波数および光検出器26によって検出すべき対応する値を意味する。第1参照シグネチャが非汚染状態の共振器用ルックアップテーブル11内に設けてあるかも知れず、一つ以上の他の汚染または生物学的物質シグネチャが異なる程度の汚染状態の共振器12用ルックアップテーブル11内に設けてあるかも知れない。使用する際、制御装置16は、光検出器26からそれぞれの光値を集めながら、光源18に所定のセットの周波数の端から端まで走査させることによって絶えずテストシグネチャを集める。このテストシグネチャをコンパレータ15内でこの参照および汚染シグネチャと比較する。このコンパレータ15がテストシグネチャと汚染シグネチャ間の整合を検出すると、制御装置16が警報を作動させる。
【0034】
ある実施例で、電子装置(例えば、電子モジュール16)と光学装置を統合して両者間の効率的且つ好都合のインタフェースを提供する、シリコンベースのマイクロ・オプチカルベンチ14上にセンサ10を構築することができる。ミラー反射器20、22および再循環器24のような、形状寸法が10マイクロメートルほどに小さい小型光学要素をシリコン表面上に取付けて、光波はフリースペースを移動してもよいが、光学装置がかさ高になるのを避けることができる。これらの光学機能の幾つかも、このシリコン部材にある導波路に埋込んでもよい。この実施例で、光源18および関連する周波数調整部品および光検出器26もこのオプチカルベンチ上に取付けてもよい。これらの手法を使うと光学装置をシリコンプラットフォーム内または上に製作して光学装置と電子装置の統合を可能にする。この光源それ自体は、上に幾つかの部品を取付けられる複合構造であるか、またはこのマイクロ・オプチカルベンチ14上に作ってもよい。例えば、それが外部空胴レーザダイオードで、このレーザダイオードをこの基板上に作るか置いた二つの反射面間に置いてもよい。単一周波数レーザにするためにこのレーザ空洞内に作ったまたは置いた、格子またはエタロンのような、周波数選択性空洞内素子もあってよい。このレーザビームを成形またはコリメートするために使う、このレーザ空洞の外部に取付けまたは作った、レーザ源18に含まれる、レンズのような、素子もあってよい。
【0035】
図2は、本発明の別の実施例による線形状共振器41を有する生物学的物質センサ40の概略図である。このセンサ40は、入力光ビームを合成し且つこの入力光ビームを線形共振器41に導入する可変同調レーザ(例えば、各々内蔵アイソレータを備える、He−Neレーザ、または外部空洞レーザダイオード)42を含む。このセンサ40は、ビームスプリッタ(例えば、50−50%ビームスプリッタ)44、入力素子46、光ファイバコイル28、および出力ミラー60、および光検出器62を含む。この入力素子46は、ファイバーグレイティングで置換えてもよいが、入力ミラー48(例えば、95−5%ミラー)を含む。その上、この入力素子46は、光をこのビームスプリッタ44から光ファイバコイル28の第1端52へ導くためのおよび光をこの光ファイバコイル28の同じ端52からビームスプリッタ44へ導くための光学素子50を含むかも知れない。光ファイバコイル28は、所定の生物学的物質(例えば、この光ファイバコイル28に埋込んだ指標に関連する)を検出するために透過性容器54に収容してある。この線形共振器41は、反射器48、ファイバコイル28および反射器60によって構成される。反射器48および60は、低損失共振器を達成するためにファイバ先端またはファイバ端52および56に直接形成または蒸着してもよい。
【0036】
同期検出を使えるように共振線幅測定中に光ファイバコイル28を循環する光の光路長を変調(例えば、正弦波変調)するために、変調器(例えば、圧電変換器)58を光ファイバコイル28に結合してもよい。例えば、レーザ42によって作った入力光ビームをこの共振器の共振周波数fで走査し、変調器58が光ファイバコイル28を循環する光の光路長を正弦波変調する。別の実施例では、レーザ42が周波数変調能力を備えるとき、変調器58を省略する。第3実施例では、このレーザ周波数を固定し、周波数走査と変調の両方を変調器58で行う。この後者の場合、この共振器共振周波数をこのレーザ周波数の領域の端から端まで走査し、それは、原理的に、このレーザ周波数をこのファイバ共振器の固定共振周波数を横断して走査することに相当する。
【0037】
レーザ42からの入力光ビームをビームスプリッタ44によって入力素子46へ向け、それがこの入力光ビームを光ファイバコイル28の第1端52へ向ける。この光ファイバコイル28を含む共振器41に関連する共振周波数に調整したとき、この入力光ビームエネルギーの大部分はこの光ファイバコイル28に入る。この共振器の中の光伝播の各往復中、光は、光ファイバコイル28を順方向に伝播し、この光ファイバコイル28の第2端56から出て、出力ミラー60に当り、それがこの光を光ファイバコイル28の第2端56に反射し戻す。光出力が光ファイバコイル28の中を前後に伝播する光からこの光ファイバコイル28の第1端52に作られ、それが入力素子46によってビームスプリッタ44へ導かれる。このビームスプリッタ44は、この光出力の一部を光検出器62へ反射し、それは電子装置に結合してあってもよい(図1同様)。その代りに、ミラー60が部分透過ミラーでもよく、光検出器62をこの共振器から出る光を受け、従って共振をモニタするように配置してもよい。
【0038】
図3は、本発明の別の実施例によるリング共振器71を有する生物学的物質センサ70の概略図である。この実施例では、レーザ42が入力光ビームをリング共振器71に導入する。生物学的物質センサ70は、レーザ42、入力ミラー48、入力素子46、光ファイバコイル28、出力素子72、出力ミラー76、および光検出器62を含む。この光ファイバコイル28は、透過性または半開容器54に収容してあり、共振線幅測定中この光ファイバコイル28を循環する光路長を変調(例えば、正弦波変調および/または共振周波数走査)するために、変調器(例えば、圧電変換器)58を光ファイバコイル28に結合してもよい。この共振器は、ミラー48および76、ファイバコイル28、入力素子46および出力素子72を含む。別の実施例では、ミラー48および76が入力素子46および出力素子72を除去するために十分な曲率に設計してある。更に別の実施例では、二つのミラー48および76並びに入力素子46および出力素子72がコイル28に接合する光ファイバカプラで置換えてある。
【0039】
レーザ42からの入力光ビームを入力ミラー48へ向け、それがこの入力光ビームの一部を入力素子46へ伝達する。この入力素子46は、入力ミラー48からの光を光ファイバコイル28の第1端52へ向ける。この共振器の共振周波数に調整したとき、この入力光ビームの大部分はこの光ファイバコイル28の第1端52に入る。この光ファイバコイル28を伝播してから、光は、光ファイバコイル28の第2端56から出て、出力素子72へ向けられる。この出力素子72は、光ファイバコイル28の第2端56からの光を出力ミラー76へ向けるための光学装置74を含んでもよい。この出力ミラー76は、出力素子72からの光を入力ミラー48へ反射し、入力ミラー48がこの大部分を入力素子46へ向けてこの共振器光路を完成する。光ファイバコイル28を含む光路の周りを循環する光から、出力ミラー76に光出力を作り、そのミラーがこの共振器内を循環する光の僅かな部分を光検出器62に分配する。
【0040】
図4は、本発明の別の実施例による多重生物学的物質センサ80の概略図である。このセンサ80は、シリコンベースのマイクロ・オプチカルベンチ82およびこのマイクロ・オプチカルベンチ82に結合した複数の光ファイバコイル84、86、88、90、92を含む。このマイクロ・オプチカルベンチ82は、電子装置(例えば、図1に示す電子モジュール16)と光学装置(例えば、ビームスプリッタ44、入力および出力ミラー48、60、76、入力および出力素子46、72、並びに図2および3に示す光検出器62)を統合する。例えば、電子モジュール16、光検出器62、光源18、ミラー反射器20、22、および図1に示す入力ミラー24をこのマイクロ・オプチカルベンチ82と統合してもよい。このセンサ80は、更に、このマイクロ・オプチカルベンチ82上に作られ且つ光ファイバコイル84、86、88、90、92の各々に結合した(例えば、一つ以上のファイバV溝および/または入力ミラーによって)マルチプレクサ83を含むが、必ずしもそれに限定されない。
【0041】
この実施例では、マルチプレクサ83が入力光ビームを光ファイバコイル84、86、88、90、92の各々に向け、且つ光ファイバコイル84、86、88、90、92の各々を循環した、光ファイバコイル84、86、88、90、92からの出力光ビームを受ける。これらの出力光ビームを各々一つ以上の入力ミラーに向けて光出力を生じ、それから共振線形状を測定することができ且つそれを対応する光ファイバコイルへ向け戻して共振器光路を完成することができる。これらの入力光ビームは、各々対応する光ファイバコイル84、86、88、90、92の共振周波数を横断して走査する。先に説明したように、これは、平均入力光周波数を固定し、この共振器光路長の各々の長さを走査し、従ってこの共振線形状の端から端まで走査することによって達成してもよい。これらの光ファイバコイルの各々は、異なる生物学的物質に反応する指標が埋込んである。このセンサ80を使い、共通の出力インタフェースおよび事によると無線送信器を備える単一装置を使って複数の生物学的物質を検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例による生物学的物質センサの概略図である。
【図2】本発明の別の実施例による線形状共振器を有する生物学的物質センサの概略図である。
【図3】本発明の別の実施例によるリング共振器を有する生物学的物質センサの概略図である。
【図4】本発明の実施例による多重生物学的物質センサの概略図である。
【図5】本発明のセンサの別の実施例の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の生物学的物質を検出するための生物学的物質検出器であって、
光ファイバを含む光ファイバ共振器、
生物指標と混ざりまたはそれを共有結合的に取付けおよび前記光ファイバの長さの大部分を被覆するクラッド、
該クラッド内に配置した生物指標、
前記光ファイバを励起するコヒーレントな光源、および
前記所定の生物学的物質をファイバのクラッドに吸収することによって生じる前記光ファイバ共振器の共振特性の変化に基づき生物学的物質を検出する生物学的物質シグネチャ検出器を含む検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記コヒーレントな光源が更にDFBレーザを含む検出器。
【請求項3】
請求項2に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記生物学的物質シグネチャ検出器が更にフォトダイオードを含む検出器。
【請求項4】
請求項2に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記生物学的物質シグネチャ検出器が更にモノクローン抗体を含む検出器。
【請求項5】
請求項3に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記生物学的物質シグネチャ検出器が更に前記DFBレーザの接合電流を所定の電流範囲の端から端までスイープする、前記DFBレーザに結合したレーザ制御装置を含む検出器。
【請求項6】
請求項5に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記生物学的物質シグネチャ検出器が更に前記所定の電流範囲内の電流値を前記DFBレーザのレーザ発光周波数と関連付けるレーザルックアップテーブルを含む検出器。
【請求項7】
請求項6に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記ルックアップテーブルが更に何れかの生物学的物質に曝す前の前記光ファイバの較正値におよび共振線形状幅またはフリースペクトルに対応する第1接合電流差値を含む検出器。
【請求項8】
請求項7に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記生物学的物質シグネチャ検出器が更に所定の生物学的物質の少なくとも幾らかの投与量に対する共振線形状線幅またはフリースペクトル範囲を含む生物学的物質シグネチャルックアップテーブルを含む検出器。
【請求項9】
請求項8に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記生物学的物質シグネチャ検出器が更に前記フォトダイオードの出力を共振閾値と比較することによって前記光ファイバ共振器の共振を検出するコンパレータを含む検出器。
【請求項10】
請求項9に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記生物学的物質シグネチャ検出器が更に前記DFBレーザの周波数スイープを発生するプロセッサを含む検出器。
【請求項11】
請求項10に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記周波数スイープの範囲が前記共振器の少なくとも一つのフリースペクトル範囲を含む検出器。
【請求項12】
請求項8に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記共振特性の変化が共振間の周波数差である検出器。
【請求項13】
請求項8に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記共振特性の変化が共振線幅またはフィネスの差である検出器。
【請求項14】
請求項1に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記クラッドが、生物指標と混ざりまたはそれに共有結合的に取付きおよび上記ファイバの長さの大部分を被覆するポリマである検出器。
【請求項15】
請求項14に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記クラッドが架橋キトサン材料、多糖類、ヒドロキシ置換アクリレート被覆およびナフィオン(登録商標)から成るグループから選択したポリマである検出器。
【請求項16】
請求項1に記載の生物学的物質検出器に於いて、前記クラッドが、生物指標と混ざりまたはそれを共有結合的に取付けかつ前記ファイバの長さの大部分を被覆する吸湿性ゲルである検出器。
【請求項17】
所定の生物学的物質を検出するための方法であって、
生物指標と混ざりまたはそれを共有結合的に取付けおよび前記ファイバの長さの大部分を被覆するクラッドを備える光ファイバを有する光ファイバ共振器を用意する工程、
前記クラッド内に配置した生物指標を用意する工程、
前記光ファイバ共振器を励起するコヒーレントな光源を用意する工程、および
前記光源が前記光ファイバ共振器を励起すると、前記所定の生物学的物質をファイバのクラッドに吸収することによって生じる前記光ファイバ共振器の共振特性の変化に基づき生物学的物質を検出する工程を含む方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法に於いて、前記クラッドが、前記生物指標と混ざりまたはそれを共有結合的に取付けおよび前記光ファイバを被覆するポリマである方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法に於いて、前記クラッドが、前記生物指標と混ざりまたはそれを共有結合的に取付けおよび前記光ファイバを被覆する吸湿性ゲルである方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法に於いて、前記光ファイバが光子結晶ファイバである方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−209415(P2008−209415A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−43717(P2008−43717)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(503181912)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】