説明

生物標本の光学分析のためのアナライザ

【課題】3次元で移動可能で、アナライザ中の光学系を移動させることなくサンプルの焦点を得るために使用されることができる、分析されるサンプルを含むスライドを運搬するためのロボットを有するアナライザを提供する。
【解決手段】カメラ7と、中間光学系8と、前方光学系9と、を有する光学系6を具備する、生物標本の光学分析のためのアナライザ1である。このアナライザ1は、中間光学系8が移動可能に配置されており、前方光学系9が固定して配置されていることを特徴とする。また、生物標本の光学分析のためのアナライザ1が、スライド上に分析されるサンプルを運搬するためのロボット3を具備する。このアナライザ1は、ロボット3が、このロボット3の3次元の移動を可能にするように、少なくとも3つのモータによって制御されることを特徴とする。ロボット3は、スライドを把持するように構成されたハンドリング装置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析されるサンプルを含むスライドを運搬するためのロボットを有する、生物標本の光学分析のためのアナライザに関する。また、本発明は、カメラと、中間光学系と、前方光学系と、を有する光学系を具備する、生物標本の光学分析のためのアナライザに関する。ここに記載されるアナライザのロボット及び光学系は、アナライザ中で一緒に使用されることができるが、これらはまた、互いに独立して使用されることができることが言及されるべきである。
【背景技術】
【0002】
生体材料のコンピュータエイデッド画像解析は、近年ますます盛んになってきている。例えば、血液のスミア及び体液中の白血球を数えて分類するためのコンピュータエイデッ
ドプロセスが発展してきている。これらのタイプの分析は、感染物質、アレルギ又は血液の癌を診断する際の重要な工程を構成する。
【0003】
さまざまな医学標本(preparation)の微視的な分析、例えば、血液サンプル、細胞学サンプル又は病理学サンプルの分析では、自動走査顕微鏡システムを使用することが可能である。このような顕微鏡システムの一例は、CellaVision ABからのCellaVision DM 96であり、これは、末梢血液のスミア中のさまざまなタイプの白血球の局在性及び予備分類(pre-classification)のために使用される。このシステムはまた、さらに赤血球形態学(red morphology)の部分を予め特徴付け、血小板の評価のための機能性を与える。このシステムは、顕微鏡のスライド上に塗布された血液サンプルを走査する。走査中、顕微鏡システムは、2つの方向への顕微鏡のスライドの制御された位置決めの動きをし、これは、xy平面内の方向として参照されることができる。顕微鏡のスライドは、2つのレール及び1方向当たり1つのボールねじによって2つの方向に動くテーブルに置かれる。
【0004】
このようなシステムの極めて重要な役割は、サンプルの制御された操作を有することである。顕微鏡のスライド上に置かれたサンプルは、カセットから顕微鏡まで運搬されることになっており、ここで、焦点の粗調整及び微調整が、血液サンプルの満足な像を達成するためになされる。カセットから顕微鏡のステージ上にスライドを載せるためのいくつかの装置が知られている。
【0005】
米国特許第6,847,481号は、顕微鏡のための自動スライドローダカセットを開示している。この自動スライドローダは、複数の顕微鏡のスライドを含むスライドカセット割送り装置(indexer)と、前記割送り装置内に顕微鏡のスライドを把持するための、及び観察のために前記スライドを顕微鏡に運搬して、前記割送り装置に戻すためのスライド交換アームと、前記割送り装置と前記顕微鏡との間に前記スライド交換アームを移動させ、分析のために前記スライドを位置決めするためのxyステージと、を具備する。
【0006】
2つのレールが完全に平行であることを確実にすることに関連した問題がある。もしこれらがそうでなければ、テーブルは、適切に移動することができないであろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、上述の技術及び先行技術の改良を提供することである。
【0008】
特に、本発明の目的は、3次元で移動可能で、アナライザ中の光学系を移動させることなくサンプルの焦点を得るために使用されることができる、分析されるサンプルを含むスライドを運搬するためのロボットを有するアナライザを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、カメラと、中間光学系と、前方光学系と、を有する光学系を具備し、中間光学系が移動可能に配置されており、また、前方光学系が固定して配置されているアナライザを提供することである。
【0010】
本発明の以下の記載から明らかになるこれら及び他の目的及び効果は、独立請求項1に係る光学系を具備するアナライザ、及び独立請求項11に係るロボットを具備するアナライザによって達成される。
【0011】
従って、アナライザは、カメラと、中間光学系と、前方光学系と、を有する光学系を具備し、前記中間光学系は、移動可能に配置されており、また、前記前方光学系は、固定して配置されている。これは、複数の異なる倍率が達成されることができるという点で効果的である。さらに、いくつかの対物レンズの選択を用いて、前記中間光学系は、前記前方光学系よりも位置決めの誤りに敏感でないことができ、これによって、前記前方光学系を固定して配置させることを効果的にしている。
【0012】
前記光学系は、少なくとも1つの移動可能に配置された光源を有することができる。前記光源が移動可能であるので、スライドが顕微鏡から取り除かれるとき、この光源は移動されることができ、これによって、スライド上に位置する光学オイルを前方光学系から取り除くために、スライドを前方光学系から十分に遠く離れたところに移動させることを可能にする。そうでなければ、スライドからの光学オイルが光源を汚す危険性がある。
【0013】
前記光源は、LEDであることができる。LEDは、通常の白熱電球よりも必要とされる電力が少なく、さらに、光の脈動を可能にし、これにより、電力消費をさらに減少させる。
【0014】
前記カメラは、移動可能に配置されることができ、これは、同じカメラがあらゆる可能な光学配置で使用されることができるという点で効果的である。これは、より高価でない製造を可能にする。
【0015】
前記中間光学系は、少なくとも2つの中間対物レンズを有することができる。
【0016】
前記中間対物レンズは、0.33、0.5、0.66及び1からなるグループから選択された倍率を有することができる。
【0017】
前記前方光学系は、少なくとも2つの端部対物レンズを有することができる。
【0018】
前記端部対物レンズは、10、20、40、50、63及び100からなるグループから選択された倍率を有することができる。
【0019】
前記中間対物レンズ及び端部対物レンズの適切な選択を用いて、適切な数の異なる倍率が、アナライザが使用されるタスクのために達成されることができる。前記中間対物レンズ及び端部対物レンズの組合せは、広く使用される対物レンズを使用することを可能にし、これによって、より高価でない製造を可能にする。
【0020】
前記アナライザは、前記光源からの光を集束させるための集束レンズを有することができる。
【0021】
前記集束レンズは、前記光を屈折させる2つの端部部分と、前記光の全反射を与える、前記2つの端部部分の間の中間部分と、を有することができる。このような集束レンズを用いて、十分な照明及び適切な開口数が、非常に経済的なようにして達成されることができる。十分な照明及び適切な開口数は、よい解像度及び高いシャッタ速度の達成にとって重要である。
【0022】
前記集束レンズは、本質的に円柱状であることができ、また、前記端部部分は、本質的に部分球形の形状を有することができる。
【0023】
前記ロボットの移動は、リニアアクチュエータによって実行されるように設定されることができる。
【0024】
前記光学系の可動部品の移動は、好ましくは、リニアアクチュエータによって実行されるように設定されている。
【0025】
リニアアクチュエータは、所望の動きを達成する実際的な方法を提供する。
【0026】
アナライザが、生物標本の光学分析のために与えられ、このアナライザは、分析されるサンプルを含むスライドを運搬するためのロボットを有する。前記アナライザは、前記ロボットの3次元の移動を可能にするように、前記ロボットが少なくとも3つのモータによって制御され、前記ロボットは、前記スライドを把持するように構成されたハンドリング装置を有することを特徴とする。これは、ロボットが3次元で、例えば、マガジンから顕微鏡まで、スライドを移動させることができるという点で効果的である。
【0027】
前記モータの少なくとも2つは、それぞれのねじに沿って移動するように配置されることができる。モータ及びねじの適切な選択に関して、前記ロボットは、例えば、サンプルの満足な像を達成するために、粗調整と微調整との両方をそれ自体で実行することができる。
【0028】
前記ねじは、固定式であることができる。これは、危機的な(critical)回転数を得る危険性がなくされるという点で効果的である。さらに、慣性モーメントは、根本的に減少する。
【0029】
前記ねじは、端部のうちの一端が固定して配置され、端部のうちの他端が自由に配置されることができる。これは、xy平面内のねじの配向の起こり得る誤りがz平面内の移動に及ぼす影響を最小の程度とするという効果を有する。ねじの一端の固定されていない配置により、ねじは、ロボットの移動をガイドするガイドレールと競合しない。それ故、アナライザを製造するとき、ねじとガイドレールとの間の絶対的な平行性を達成する必要はない。
【0030】
前記ねじの前記自由に配置された端は、光学分析が行われるところに最も近くにあることができる。これは、光学分析が行われる場合に適切な微細な運動能を有することがより重要である点において効果的である。
【0031】
前記ハンドリング装置は、モータによって開き、ばねによって閉じるように構成されることができる。これは、ばねが適所でスライドを保持するので、停電の場合にハンドリング装置がスライドを落とさないという点で効果的である。また、ハンドリング装置は、スライドのガラスの厚さの変更に対処することができる。
【0032】
前記ハンドリング装置は、このハンドリング装置が完全に閉じられたときに報知するように配置されたセンサを有することができる。これは、ハンドリング装置が完全に閉じられており、従って、スライドを保持していなければ、センサがオペレータに警告を出すという点で効果的である。
【0033】
上述の並びにさらなる本発明の目的、特徴並びに効果が、添付図面を参照して、本発明の実施の形態の以下の限定的でない詳述によってよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、生物標本の光学分析のためのアナライザの斜視図である。
【図2】図2は、カバーが取り除かれたアナライザの斜視正面図である。
【図3】図3は、分析されるスミアを含むスライドを運搬するロボットを示すアナライザの斜視後面図である。
【図4】図4は、スライドを保持するためのマガジンの斜視図である。
【図5】
【発明を実施するための形態】
【0035】
生物標本の光学分析のためのアナライザ1が、図1に示される。このアナライザ1は、スライドを含むマガジンが置かれることができるキャビティ2を有する。各マガジンは、複数のスライドを有する。アナライザ1は、アナライザ1に一度に複数のマガジンを置くためにいくつかのキャビティ2を有することができる。図1に示される実施の形態では、アナライザは、8つのキャビティ2を有する。
【0036】
図2には、ロボット3を備えたアナライザ1が示されている。ロボット3は、x軸、y軸及びz軸に沿って移動することができるように、移動可能に配置されている。ロボットは、分析されるスライド5を把持するために、ハンドリング装置4を有する。ハンドリング装置4は、モータによって開かれ、ばねによって閉じられる。また、ハンドリング装置4は、ハンドリング装置4が完全に閉じられたときに報知するセンサを装備している。
【0037】
アナライザ1の光学系(optics)6は、カメラ7と、中間光学系8と、前方光学系9と、を有する。カメラ7は、ねじ19に沿って移動するモータ18(図3参照)によってx軸(図2の両矢印X)に沿って移動することができるように、移動可能に配置されている。中間光学系8は、x軸に沿って移動することができるように、移動可能に配置されている。カメラ7及び中間光学系8の移動は、リニアアクチュエータによって実行される。中間光学系8は、2つの対物レンズ10を有する。図示される例では、中間対物レンズは、それぞれ、0.5及び1の倍率を有する。前方光学系9は、固定して配置されている。図2に示される実施の形態では、前方光学系は、それぞれ、10、40及び100の倍率を備えた3つの対物レンズを有する。この対物レンズの組合せが、それぞれ、5、10、20、40、50及び100倍の倍率を達成することを可能にする。
【0038】
各端部対物レンズ11に対応して、分析されるスミアを照射するための(図示されない)LEDがある。LEDは、分析されたスライド5が光学系6から取り除かれるとき、移動させることができるようにz軸に沿って移動可能である。このようにして、スライド上のいかなるオイルもLED上にこぼれるのを避けることが可能である。
【0039】
集束レンズ25は、満足な照明及び適切な開口数を達成するために、スライド上にLEDからの光を集束させるように配置されている。集束レンズ25は、本質的に円柱状中間部分26を有する。この中間部分26の両端のところに、端部部分27があり、これらは、部分球形形状を有する。前記LEDからの光は、集束レンズ25に入り、第1の端部部分27aによって屈折される。中間部分26で、光は、外面で全反射される。光が集束レンズを出る前に、その光は、第2の端部部分27bによって再び屈折する。
【0040】
図3は、3つのモータ12、13、14によって制御されるロボット3を示しており、3次元の移動を達成するために、これらのうちモータ12、13の2つが、ねじ15、16に沿って移動し、第3のモータ14が、ねじ17によってスライド5を移動させる。x軸に沿った移動を達成するために、ロボットは、ねじ15に沿って移動するモータ12を有する。y軸に沿った移動を達成するために、ロボットは、ねじ16に沿って移動する(図3に示されるが、モータ14の後ろで不明瞭になっている)モータ13を有する。z軸に沿ったスライド5の移動を達成するために、ロボットは、ねじ17に沿ってスライド5を移動させるモータ14を有する。各ねじ15、16、17は、一端が固定して配置され、他端が自由に配置されている。各ねじ15、16、17の自由に配置された端は、光学分析が行われるところ、すなわち、光学系6に最も近いところにある。ねじは、固定式であり、これは、回転しないことを示唆している。
【0041】
各ねじ15、16、17の長さに沿った中間部分に、ロボット3の位置を確認するための位置センサ(図示されない)がある。同様に、カメラ7及び中間光学系に沿って移動するねじの中間部のところに位置センサがある。中間部へのこのようなセンサの配置は、各ねじの各端に1つのセンサを配置するのと比較して、必要なセンサの数を減少させる。
【0042】
アナライザ1には、光学オイル(optical oil)を含む使い捨てのオイルバッグ又はオイルパック22が配置される。オイルパック22が空のとき、このオイルパックは、容易に取り除かれ、新しい十分なオイルパックと交換されることができる。各スライドにオイル滴が含まれており、かつ、オイルパックが空ではないことを確実にするために、オイルパックからスライドへと通る滴を感知するフォークが配置されている。いったんスライドが分析されると、スライドがマガジンに戻される前に、スクイジ23又はスポンジが、スライドからオイルを取り除くために配置されることができる。
【0043】
図4には、アナライザ1での使用のためのマガジン20が示されている。このマガジンは、重なって配置された12個のスライドのためのスロット21を有する。各スロット21には、スライドの位置を維持するばねがある。そのために、マガジンが偶然に倒される又は落ちても、スライドがマガジン20から落ちないことが確実にされることができる。マガジン中のスライドの正確な位置決めもまた、ロボット3にとってスライドを把持することをより簡単にする。
【0044】
スライド5上のスミアの形態であるサンプルをアナライザ1で分析するとき、マガジン20に格納されているスライド5は、まず、ハンドリング装置4によって把持され、マガジン20からわずかに引き出される。アナライザの主構造ビーム(梁)28に配置されたバーコードリーダ24は、スライド5に関する情報を検索するために、スライド5上のバーコード(図示されない)を読み取る。スライド5が分析されることになっているならば、ハンドリング装置4は、スライド5をしっかりと把持し、ロボット3は、分析のために光学系6にスライド5を運搬する。前方光学系9の対物レンズ11と組み合わせられた中間光学系8の対物レンズ10を使用することによって、多くの異なる倍率が、オペレータの満足な像を形成するために使用されることができる。焦点を含む、スライド5の移動の粗調整及び微調整が、ロボット3によって実行される。カメラ7は、スライド5上でスミアの像を撮ることができ、オペレータがスライド5上のスミアの像を見ることができる(図示されない)コンピュータにそれを送信することができる。分析後、ロボット3は、オイルがこぼれるのを避けるために、スライド上に置かれた光学オイルを端部対物レンズ11から離すようにスライド5を下げる。LEDもまた、スライド5の下向きの動きを妨害しないようにするために下げられる。そして、ロボット3は、スライド5をマガジン20に戻すように運搬して、それが引き出されたところから同じスロット21中にスライドを戻す。
【0045】
アナライザ1は、血液サンプルを分析するために使用されることができるが、他のサンプルを分析するためにも使用されることができる。一般的に、アナライザ1は、全ての種の生物標本の走査に適しており、限定的ではないが、血液、骨髄、パプスミア(Pap smear)のような細胞学的なサンプル、及び組織病理学の組織の断片の走査に適している。
【0046】
当業者は、ここに記載された実施の形態の多くの変更が、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく可能であることを理解する。
【0047】
例えば、中間光学系は、上に記載されたもの以外の倍率を有することができる。通常、倍率は、0.33、0.5、0.66及び1からなるグループから選択されるが、他の倍率もまた可能である。
【0048】
同様に、前方光学系は、他の倍率を有することができる。前方光学系は、ほとんどの場合、10、20、40、50、63及び100からなるグループから選択された倍率を備えた少なくとも2つの対物レンズを有する。他の倍率もまた、可能である。図示される実施の形態では、前方光学系は、3つの対物レンズを有するが、例えば、2つの対物レンズのみを有することもできる。これらは、このような場合に、それぞれ、20及び100の倍率を有することができる。
【0049】
上に記載された実施の形態では、サンプルの照明は、LEDによって達成される。上に記載された集束レンズ25に関して、LEDは、好ましい光源である。しかし、一般的に、白熱電球のような他の光源もまた使用されることができる。
【0050】
前記スロット21に加えて、さらなるスロット(図示されない)がアナライザの正面の、マガジンに置かれない単一のスライドを収容するためのリザーブスロットとして使用されることができる。これは、緊急サンプルが分析される必要があるならば、便利である。このようなリザーブスロットはまた、ロボットが、例えば、マガジンを使用することなく、例えば、スミア装置からアナライザへ、スライドを運搬するために使用されたとき、連続した流れを可能にする。さらに、リザーブスロットは、停電の場合、排出開口として使用されることができる。停電がスライド5を保持しているロボット3を備えたアナライザ1をリセットしていれば、ロボット3は、スライド5を戻すためにマガジン20中にスロット21を入れて、代わって、リザーブスロットによってスライド5を放出することができる。
【0051】
停電のとき、ロボットによって保持されるスライド5を処理する問題を解決する他の方法は、アナライザ1をプログラムすることである。これにより、ロボット3は、スライド5がどこに行くべきかを覚えておき、電力が戻ったとき、ロボット3が、それが中断されたところでその仕事を再開する。
【0052】
図示される実施の形態では、これに沿ってモータが移動するねじが、光学系から最も離れた端部に固定して配置されており、また、光学系に最も近い端部に自由に配置されている。分析のポイントの近くの、すなわち光学系の近くでの移動の自由を達成する他の方法は、両端で固定される比較的長いねじを使用して、光学系がこのねじの中心の近くに置かれるように配置することによる。
【0053】
マガジン20のための1つのみのスロット2を備えたアナライザ1の場合には、バーコードリーダ24が、アナライザ1の主構造ビーム28上に固定して配置されることができる。上に記載された実施の形態のような、マガジンのための1つよりも多い(複数の)スロット2を備えたアナライザ1の場合には、ロボット3は、バーコードリーダ24を捕えるように配置されることができ、これにより、ロボット3がこのマガジン24へと移動するとき、ロボット3は、ロボット3に付随する主構造ビーム28に沿って摺動する。ロボット3が分析の領域にスライドを移動させたとき、バーコードリーダ24は、光学系6の下方に、第1のマガジンスロット2のところに残される。
【0054】
ここに記載されたアナライザのロボット及び光学系がアナライザ中で一緒に使用されることができるが、さらに、これらは互いに独立して使用されることができることが注目されるべきである。
【符号の説明】
【0055】
3…ロボット、4…ハンドリング装置、5…スライド、12,13,14…モータ、15,16,17…ねじ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ(7)と、
中間光学系(8)と、
前方光学系(9)と、を有する光学系(6)を具備する、生物標本の光学分析のためのアナライザ(1)において、
前記中間光学系(8)は、移動可能に配置されており、また、前記前方光学系(9)は、固定して配置されていることを特徴とするアナライザ(1)。
【請求項2】
前記カメラ(7)は、移動可能に配置されている請求項1のアナライザ。
【請求項3】
前記中間光学系(8)は、少なくとも2つの中間対物レンズ(10)を有する請求項1又は2のアナライザ。
【請求項4】
前記中間光学系は、0.33、0.5、0.66及び1からなるグループから選択された倍率を有する請求項3のアナライザ。
【請求項5】
前記前方光学系(9)は、少なくとも2つの端部対物レンズ(11)を有する請求項1ないし4のいずれか1のアナライザ。
【請求項6】
前記端部対物レンズは、10、20、40、50、63及び100からなるグループから選択された倍率を有する請求項5のアナライザ。
【請求項7】
光源と、
前記光源からの光を集束させるための集束レンズ(25)と、をさらに具備する請求項1ないし6のいずれか1のアナライザ。
【請求項8】
前記光源は、発光ダイオードであり、また、前記集束レンズ(25)は、前記光を屈折させる2つの端部部分(27)と、前記光の全反射を与える、前記2つの端部部分の間の中間部分(26)と、を有する請求項7のアナライザ。
【請求項9】
前記集束レンズ(25)は、本質的に環状で円柱状であり、また、前記端部部分(27)は、本質的に球形の弧の形状を有する請求項8のアナライザ。
【請求項10】
前記光学系(6)の移動は、リニアアクチュエータによって実行されるように構成されている請求項1ないし9のいずれか1のアナライザ。
【請求項11】
スライド(5)上に分析されるサンプルを運搬するためのロボット(3)を具備する、生物標本の光学分析のためのアナライザ(1)において、
前記ロボット(3)は、このロボット(3)の3次元の移動を可能にするように、少なくとも3つのモータ(12、13、14)によって制御され、
前記ロボット(3)は、前記スライド(5)を把持するように構成されたハンドリング装置(4)を有することを特徴とするアナライザ(1)。
【請求項12】
前記モータの少なくとも2つ(12、13)は、それぞれのねじ(15、16)に沿って移動するように配置されている請求項11のアナライザ(1)。
【請求項13】
少なくとも1つのねじ(15、16、17)が、固定式である請求項11又は12のアナライザ(1)。
【請求項14】
少なくとも1つのねじ(15、16、17)が、その端部の一端に固定して配置され、その端部の他端に自由に配置されている請求項11ないし13のいずれかの1のアナライザ(1)。
【請求項15】
前記ねじ(15、16、17)の前記自由に配置された端部は、光学分析が行われるところに最も近い請求項14のアナライザ(1)。
【請求項16】
前記ハンドリング装置(4)は、モータによって開き、ばねによって閉じるように構成されている請求項11ないし15のいずれか1のアナライザ(1)。
【請求項17】
前記ハンドリング装置(4)は、このハンドリング装置(4)が完全に閉じられたときに報知するように配置されたセンサを有する請求項11ないし16のいずれか1のアナライザ(1)。
【請求項18】
カメラ(7)と、
中間光学系(8)と、
前方光学系(9)と、を具備する光学系(6)をさらに具備し、
前記中間光学系(8)は、移動可能に配置されており、また、前記前方光学系(9)は、固定して配置されている請求項11ないし17のいずれか1のアナライザ(1)。
【請求項19】
前記光学系(6)は、少なくとも1つの光源を有する請求項18のアナライザ(1)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの光源は、発光ダイオードである請求項19のアナライザ(1)。
【請求項21】
前記カメラ(7)は、移動可能に配置されている請求項18ないし20のいずれか1のアナライザ(1)。
【請求項22】
前記中間光学系(8)は、少なくとも2つの中間対物レンズ(10)を有する請求項18ないし21のいずれかの1のアナライザ(1)。
【請求項23】
前記中間対物レンズは、0.33、0.5、0.66及び1からなるグループから選択された倍率を有する請求項22のアナライザ(1)。
【請求項24】
前記前方光学系(9)は、少なくとも2つの端部対物レンズ(11)を有する請求項18ないし23のいずれか1のアナライザ(1)。
【請求項25】
前記端部対物レンズは、10、20、40、50、63及び100からなるグループから選択された倍率を有する請求項24のアナライザ(1)。
【請求項26】
前記光源からの光を集束させるための集束レンズ(25)をさらに具備する請求項20ないし25のいずれか1のアナライザ(1)。
【請求項27】
前記集束レンズ(25)は、光を屈折させる2つの端部部分(27)と、前記光の全反射を与える、前記2つの端部部分の間の中間部分(26)と、を有する請求項26のアナライザ(1)。
【請求項28】
前記集束レンズ(25)は、本質的に環状で円柱状であり、また、前記端部部分(27)は、本質的に球形の弧の形状を有する請求項27のアナライザ(1)。
【請求項29】
前記次元の少なくとも1つでの前記ロボット(3)の移動が、リニアアクチュエータによって実行されるように構成されている請求項11ないし28のいずれか1のアナライザ(1)。
【請求項30】
前記光学系(6)の可動部品の移動は、リニアアクチュエータによって実行されるように構成されている請求項18ないし28のいずれか1のアナライザ(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92790(P2013−92790A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−281387(P2012−281387)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2011−533773(P2011−533773)の分割
【原出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(511044021)セラビジョン・エービー (2)
【氏名又は名称原語表記】CellaVision AB
【住所又は居所原語表記】Ideon Science Park, SE−223 70 Lund, Sweden
【Fターム(参考)】