説明

生物標本収容用バッグの製造

【課題】
熱過敏性液体の低温貯蔵のためのバッグ(20)を製造する方法を提供する。
【解決手段】
この製造方法は、多用途で、単純かつ安価であるという特徴を持ち、主要密閉金型(31,32)を改変することなく単一及び複数の区画バッグの製造を可能とする。区画(28)の相対的サイズ及び数は、金型に変更を加えることなく改変可能である。閉鎖密閉ツール(50)だけは、選ばれた区画(28)の数の関数として調整しなければならない。本プロセスは、標準的な高周波密閉プロセスと両立できる。本方法は、均一な厚みの壁及び所定のバッグ容積を持つバッグ(20)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、可撓性バッグを形成するための方法、該バッグを製造するためのシステム、及び該バッグそのものに関する。より具体的には、本発明は、血液物質、又は任意の生物学的若しくは細胞物質を含むバッグに関する。本発明は、特に、全ての低温貯蔵傷害作用からバッグの内部物質を保護しながら、低温貯蔵を可能とするバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]血液及び細胞の、熱過敏性生物物質の貯蔵は、極低温における保存を含む。熱過敏性物質とは、熱によって簡単に変性又は分解される物質である。これらの物質は、プラスチック材料のバッグの中に収容することが可能である;しかしながら、極低温における保存は、プラスチック材料及びそれらの接合部に歪を生じ、従って、この目的のために使用されるバッグは、厳しい要件を満たさなければならない。
【0003】
[0003]特許文献1は、生物学的液体サンプルを収容するための、特に、このようなサンプルの低温貯蔵のための、プラスチック材料から成るバッグであって、密閉された周辺エッジの周囲において接合される、対面プラスチックフィルムから成るタイプのバッグを記載した。対面プラスチックフィルムは、サンプルを収容するための容積、特に、ヒートシール可能領域によって互いに連通するいくつかの区画で容積を定める。このバッグは、白血球を濃縮するシステムとの関連において記載されるが、該システムでは、幹細胞を収容するバッグは、分割場所において、ヒートシールによって、二つの、密着的ではあるが独立的な白血球冷凍容器に分割される、ヒートシールによって区切られる区画に分割される。より大きな主要チェンバーは、バルクの白血球を保持し、より小さいチャンバーは、解凍することなく主要区画から分離することが可能な比較的小さな破片の保存のために使用される。
【0004】
[0004]特許文献2、3、及び4は、それぞれ、金型、熱過敏性物質の低温貯蔵に有用なバッグ、及び、該バッグを製造する方法を記載する。この方法は、門口状凹部、及び放射溝周辺によって囲まれる平坦面を有する凹部、及び、該放射溝周辺を囲む周辺蛇腹突起を有する第1金型を使用する。プラスチック材料のシートは、第1金型の上に置かれ、その形状と一致させられる。次に、バッグの半殻を形成するこの成形シートは、同様の成形シート又は平坦シートに対面して置かれ、これら2枚のシートは、周辺の周囲において高周波密閉処理によって共に接合される。
【0005】
[0005]従って、この製造法は、三つの異なる工程において行われる:1枚のフィルム当たり1回の、二つの異なる金型による、2枚のフィルムの個別的予成形;2枚の成形フィルム及びコネクター/チューブの配置;及び、コネクター/チューブを持つバッグ境界部の密閉、である。
【0006】
[0006]このプロセスは、三次元形状を持つバッグの製造を可能にし、従って、保存のための空間縮小を可能とする。しかしながら、このプロセスは、上述の3工程を必要とし、異なる区画を持つ様々のバッグを生産しなければならない場合、異なる2部品金型が必要とされる。
【0007】
[0007]バッグは更に、平面フィルムを折り重ね、周辺同士を縫い目によって接合することによって形成することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,928,214号
【特許文献2】米国特許第6,146,124号
【特許文献3】米国特許第6,232,115号
【特許文献4】米国特許第6,808,675号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0008]平坦プラスチックバッグを製造するための標準プロセスは、2枚の平面フィルムの周辺の周囲を高周波溶着することによる。このツールは、フィルムの境界部を密閉する二つの基材から構成されるが、コネクター及びチューブの密閉処理も同じ工程に含まれる。この手順は単純ではあるが、バッグは二次元形状を維持し、その保存容量は制限されている。従って、これは、あるタイプのバッグの仕様、例えば、低温保存のために25ml容量を持つ特定の保護カセットに適合する容積を要求する仕様を満たさない。従って、この単純プロセスは、ある任意の容積を持つことが必要とされるバッグに適用することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0009]本発明は、特に、熱過敏性液体の低温貯蔵のためのバッグを製造する単純化した方法に関する。この製造方法は、多用途で、単純かつ安価であり、金型を改変することなく単一及びマルチ区画バッグの製造を可能とする。更に、任意の容積を持つどのようなバッグについても、バッグの区画のサイズ、及びそれらの区画の数は、主要な密閉金型を変えることなく改変可能である。更に、本プロセスは、例えば、10mlから500mlまでの様々な容積の、広範なバッグの製造のために簡単に適応可能である。本方法は、標準的な高周波密閉プロセスと互換性を持つ。本方法は、均一な厚さの壁及び所定のバッグ容積を持つバッグを提供する。本発明は、実質的に均一な断面を持つバッグをもたらすが、そのため、何らかの分子物質を含むバッグの厚みは縮小され、これは、保存のためにいくつかのバッグが積み重ねられる場合非常に有利である。
【0011】
[0010]本発明の主要な態様によれば、生物サンプルを収容するための、特に、そのようなサンプルの低温貯蔵用の、プラスチック材料から成るバッグの製造方法であって、該バッグは、密閉周辺エッジの周囲において接合される、プラスチックフィルムの空間介在層同士を対面させることによって製造されるタイプのバッグであり、それによりこの対面する空間介在プラスチック層が、サンプルを収容するための容積を定める、方法が提供される。
【0012】
[0011]本発明の方法は、先ず、プラスチック材料から成る、重畳2層のフィルムの間に、成形されるバッグの内部形状、幅、及び厚みに一致する、形状、幅、及び厚みを持つ成形挿入体を置くことを含む。次に、これらの層は、その内部形状、幅、及び厚みが、成形挿入体によって定められる部分成形バッグに成形される。この部分成形バッグは、バッグ周辺の一部の周囲では接合エッジによって閉鎖されるが、該成形挿入体を抜去するための開口を形成する1辺に沿って開放エッジが残される、空間介在層から成る。次に、部分成形バッグの接合エッジは、バッグ周辺の一部の周囲で密閉され、1辺において上述の開口が残され、形成挿入体は、この開口を通じて該部分成形バッグから引き抜かれ、部分成形バッグの空間介在層の開放エッジは、開口に沿って重ね合わされる。最後に、この重ね合わされたエッジは密閉され、実質的にその全周の周囲において密閉接合エッジによって閉鎖されるバッグを形成する。
【0013】
[0012]好ましくは、重畳層は、プラスチック材料のフィルムを折り重ねることによって形成される。しかしながら、一枚を他の上に重ねた2枚の異なるフィルムを使用することも可能である。
【0014】
[0013]本発明は更に、上述の定義によるバッグを製造するための金型、及び、バッグを、好みで1区画又は複数区画に成形するための、複数の、相互交換可能な、閉鎖部密閉ツールと組み合わされる金型を提案する。
【0015】
[0014]バッグの全体自然形状を生成するために使用される、主要密閉金型は、区画の数と独立しており、そのため、最終的バッグの種々の形態(一つ以上の区画)に対し同一であり続けることが可能であるが、ただ、密閉的閉鎖ツールだけは、所望の区画数に応じて変えなければならない。
【0016】
[0015]この新しい方法は、異なる最終容積を持つ(例えば、10から500ml)バッグを生産するために使用できるが、但し、この場合、主要金型は、各異なるバッグ容積毎に調整しなければならない。
【0017】
[0016]本発明を、更に、例示に基づいて、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】[0017]図1は、分離された金型部品の間に折り重ねたフィルムを挿入させ、外方位置に形成挿入体を有する、金型アセンブリの斜視図である。
【図2】[0018]図2は、分離された金型部品の間に折り重ねたフィルムを挿入させ、形成挿入体を挿入させる、金型アセンブリの斜視図である。
【図3】[0019]図3は、密閉操作のためにプレス当接される金型部品を示す。
【図4】[0020]図4は、分離後の金型部品を有し、成形挿入体を外側の抜去位置に有する、金型アセンブリの斜視図であり、部分成形バッグが、下側の金型部品に置かれているところが示される。
【図5】[0021]図5は、開放辺にコネクター及びチューブを挿入し、その辺を密閉した後、バッグ完成品を形成する閉鎖密閉ツールを示す。
【図6】[0022]図6は、図5の閉鎖密閉ツールの開放後において得られる1区画バッグを示す。
【図7】[0023]図7は、開放辺にコネクター及びチューブを挿入し、この側を密閉した後、2区画バッグを形成するための、別の閉鎖密閉ツールを示す。
【図8】[0024]図8は、図7の閉鎖密閉ツール開放後において得られる2区画バッグを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0025]本発明は、上述の諸問題に対処することをその主題とする。低温貯蔵バッグを保存するためには、容積内蔵型のバッグを実現する必要がある。本発明は、単純で、多用途のプロセスによってこのようなバッグを製造することにある。
【0020】
[0026]一般的には、この製造プロセスは、バッグの壁を成形するために(図1)、バッグの3辺に対し高周波によって標準的密閉処理を行う前に、1枚の折り重ねたフィルム10',10''、又は、2枚の平らな平面フィルムの間に挿入体40を配置することにある。
【0021】
[0027]折り重ねフィルム10',10''の間への挿入体40の導入が図2に示される。挿入体40は、バッグにおける自然容積を生成し、同時に名目上の容量を増す。
【0022】
[0028]次に、図3に示すように、フィルムと挿入体40の周囲において二つの基材31,32が閉鎖される。フィルムが機械的歪み無く挿入体の形状に自然に追随するという事実のために、この形成プロセスの間、フィルムの伸長は無い。このため、均一な厚みの壁を持つバッグ完成品が得られる。これは、低温保存時の低温耐性にとって重要である。
【0023】
[0029]ほぼ平面のフィルム10',10''の間の密閉時に使用される挿入体40は、バッグの三次元形状を実現する。この立体形態のために、完成され、充填されたバッグ20において空間効率的保存が実現される。次に、図3に図示されるように、密閉プロセスが開始される。
【0024】
[0030]基材が再び開放されると、内在容積を持つ部分成形バッグ22が得られることが、図4からわかる。
【0025】
[0031]第2ステップは、図5及び6に図示するように、チューブ25及びコネクター26を挿入し、標準的HF法によってバッグの第4辺を密閉し、バッグ20を形成することである。
【0026】
[0032]これは、上述の空間及び保存問題を解決する。なぜなら、バッグ20の厚みは定常値を維持し、従って、バッグの厚みは縮小され、貴重な保存場所が節約されるからである。
【0027】
[0033]この製造プロセスは、従来技術と比較して単純化される。バッグ内に固有容積及び三次元形状を生成するために、本プロセスは、適切な長さ、幅、及び厚さを持つ挿入体40の各辺に配置される、1又は2枚の、ほぼ平面なフィルムを使用する。次に、バッグの3辺を密閉するために標準的HF密閉法が使用される。
【0028】
[0034]特に、本発明の方法は、例えば、下記の一連の工程によって実施できる。
【0029】
[0035]プラスチック材料のフィルム10を折り重ねることによって形成された2枚の重畳層10',10''は、図1に示すように、主要密閉金型30の離間した下側部品31と上側部品32との間に配置される。成形されるバッグの内部形状、幅、及び厚みに一致する、形状、幅、及び厚みを有する、形成挿入体40が、図2に示すように、主要密閉金型30の中の層10',10''の間に置かれる。挿入体40は、主要密閉金型30のキャビティ35に適合する、その挿入可能末端部41において、バッグのエッジの丸みを帯びた形状に一致する、丸みを帯びたエッジ42を有する。
【0030】
[0036]主要密閉金型30の、このキャビティ34は、製造されるバッグ20の外部形状及び寸法と一致する。キャビティ34は、製造されるバッグの周辺の一部に一致する、その周辺の一部、即ち、3辺の周囲において閉鎖される。このキャビティ34は、二つの金型部品31,32の側面に開放する開口35を有する。
【0031】
[0037]成形挿入体40は、二つの金型部品31,32が一緒に突き合わされる時に、その挿入可能末端部41が、それらの金型部品の間のキャビティ34の中に納まるような挿入位置を有する。形成挿入体の、この末端部41は、キャビティ34において成形されるバッグ20の内部形状及び厚みと一致する形状及び厚みを有し、かつ、二つの金型部品31,32が一緒に突き合わされるか又は離間される時に、挿入体40を挿入又は抜去することによって、開口35を通じて、横方向に、キャビティ34の中に挿入可能であるか、又は抜去可能である。
【0032】
[0038]金型部品31,32は、例示として模式的に図示される、それらを一緒にスライド可能に登載するための柱33等の、標準的機械的アライメント法によって配置される。図3に示すように、二つの金型部品を突き合わせることによって、層10',10''は、その内部形状、幅、及び厚みが成形挿入体40によって定められる、部分成形バッグ22に成形される。この部分成形バッグ22(図4参照)は、バッグ周辺の三つのエッジ周囲では接合エッジ21によって閉鎖されるが、形成挿入体40抜去用の開口24を形成する一辺に沿って開放エッジ23が残される、プラスチックフィルムの空間介在層から構成される。バッグ周辺の3辺の周囲の、部分成形バッグ22の接合エッジ21は、二つの金型部品31,32の間で、高周波密閉処理によって密閉される。これによって、1辺の開口24がそのまま残されるが、これは、後続操作において密閉される。図3からわかるように、後続操作において密閉されることになる開放エッジは、閉鎖された密閉金型30の側部から突出する。
【0033】
[0039]成形挿入体40は、図4に示すように、開口24を通じて部分成形バッグ22から抜去される。
【0034】
[0040]次に、部分成形バッグ22は、閉鎖密閉ツール50内に挿入される(図5)。該ツールは、本実施例では、1区画バッグを形成するように適応される。閉鎖密閉ツール50は、ツール下側部品51及びツール上側部品52を有し、これらの部品は、部分成形バッグ22における前述の開口24内に挿入される、チューブ25、門口26、又は他の任意のコネクターを受容するための、対応する対面凹部54を有する。
【0035】
[0041]閉鎖密閉ツールの下側及び上側部品51,52は、前と同様、例示として模式的に図示される、それらを一緒にスライド可能に登載するための柱33などの、標準的機械的アライメント法によって配置される。これによって、図5に示すように、二つの部品は突き合わされ、そのため、部分成形バッグ22の空間介在層の開放エッジは、開口24に沿って互いに当接される。次に、これらの当接エッジは、高周波密閉処理によって密閉され、密閉接合エッジ21によって実質的にその全周に渡って閉鎖され、チューブ/門口又はコネクター25/26の位置にアパーチャが残される、バッグを形成する。この実施例では、周辺の密閉エッジ21は、単一の内部区画28を取り囲み、それを定める。
【0036】
[0042]図7及び8は、密閉区域27を有するバッグ20を成形するための、特別の密閉閉鎖ツール50を示す。このツールによって、バッグ20は、開口24に沿う上記当接エッジとは反対のバッグのエッジに隣接する29において互いに連通する二つの(又はそれよりも多い)区画28に分割される。このために、ツール上側部品51は、密閉区域27を形成するための場所において突起55を有する。この突起55は、ツール部品51,52が突き合わされる時、密閉区域27の位置でプラスチック層同士をプレス当接する。次に、高周波密閉処理が、開口24の位置の接合エッジ、及び、突起55に沿って実行される。
【0037】
[0043]このようにして、主要密閉金型30によって生産される、任意のサイズ及び形状のバッグは、一つ又は所望の数の区画28を持つことができ、かつ、それらの区画の相対的大きさは、主要密閉金型30の変更を要することなく思い通りに変えることが可能であり、このため本プロセスはきわめて融通性に富むものとなる。
【0038】
[0044]本発明は更に、アパーチャ(25,26)を介してバッグ20にサンプルを充填し、充填後、アパーチャを密閉し、バッグ中のサンプルを凍結することを考慮の対象とする。特に、完成したバッグ20は、生物サンプルを充填し、次いで、複数区画バッグの区画28を、それら区画同士が連通する、フィルムの対面部分29を共に密閉することによって、互いに切り離して密閉することが可能である。
【0039】
[0045]上述のように、バッグ20は、通常、全体としてほぼ長方形であるが、第1密閉工程は、長方形バッグの3辺に沿って部分成形バッグ22の接合エッジを一緒に密閉することによって実行され、その際、チューブ25及びコネクター26のアパーチャが設けられる、部分成形バッグの開口24は、通常、長方形バッグの長辺に沿って設けられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物サンプルを収容するための、特に、そのようなサンプルの低温貯蔵のための、プラスチック材料から成るバッグ(20)の製造方法であって、該バッグは、密閉周辺エッジ(21)の周囲において接合される、プラスチックフィルムの空間介在層同士(10',10'')を対面させることによって製造されるタイプであり、それにより、プラスチックフィルムの該対面空間介在層が、サンプルを収容するための容積を定め、前記方法は、
(a)プラスチック材料のフィルムから成る、重畳2層(10',10'')の間に、成形される前記バッグの内部形状、幅、及び厚みと一致する、形状、幅、及び厚みを有する成形挿入体(40)を置く工程と、
(b)これらの層を、その内部形状、幅、及び厚みが、成形挿入体(40)によって定められる部分成形バッグ(22)に成形する工程であって、その際、該部分成形バッグは、前記バッグ周辺の一部の周囲では接合エッジによって閉鎖されるが、前記成形挿入体(40)を抜去するための開口(24)を形成する1辺に沿って開放エッジ(23)が残される、空間介在層から構成される、工程と、
(c)前記バッグ周辺の一部の周囲で、前記部分成形バッグ(22)の前記接合エッジ(23)を合わせて密閉し、1辺において前記開口(24)を残す工程と、
(d)前記形成挿入体(40)を、前記開口(24)を通じて前記部分成形バッグ(22)から抜去する工程と、
(e)前記部分成形バッグ(22)の前記空間介在層の前記開放エッジ(23)を、前記開口(24)に沿って重ね合わせる工程と、
(f)この重ね合わされたエッジを密閉し、実質的にその全周の周囲において前記密閉接合エッジ(21)によって閉鎖されるバッグ(20)を形成する工程と、
を含む、バッグの製造方法。
【請求項2】
密閉前に前記空間介在層の間に少なくとも一つの門口(26)又はチューブ(25)を挿入し、バッグの1辺においてアパーチャを形成する、少なくとも一つの門口(26)又はチューブ(25)を有するバッグ(20)を形成する工程を更に含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記門口(26)及び/又は前記チューブ(25)が、工程(d)において前記成形挿入体(40)が抜去された後で、かつ、工程(e)及び(f)において前記開放エッジ(23)が重ね合わされる前に、前記開口(24)に沿って前記空間介在層の間に挿入されることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
工程(e)及び(f)が、単一内部区画(28)を定める周辺密閉エッジ(21)を有するバッグを形成するように実行されることを特徴とする、請求項1、2、又は3記載の方法。
【請求項5】
工程(e)及び(f)において密閉区域(27)が形成され、それが、バッグを、前記開口(24)に沿う前記当接エッジとは反対のバッグ(20)のエッジに近接して互いに連通する、二つ以上の内部区画(28)に分割することを特徴とする、請求項1、2、又は3記載の方法。
【請求項6】
バッグ(20)にサンプルを充填し、前記複数区画(28)を、それらの区画同士が連通する、フィルムの対面部分(29)を合わせて密閉することによって、互いに切り離して密閉することを更に含むことを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
バッグ(20)が、ほぼ全体として長方形であり、工程(c)が、該長方形バッグの3辺に沿って、前記部分成形バッグの前記接合エッジを合わせて密閉することによって実行されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載載の方法。
【請求項8】
前記開口が、前記長方形バッグ(20)の長辺に沿って存在することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
バッグ(20)の前記エッジが、高周波密閉処理によって密閉されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
バッグ(20)が、アパーチャ(25,26)を介してサンプルによって充填され、該アパーチャが密閉され、前記バッグ中の前記サンプルが凍結されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
互いに離間し、かつ、対面関係に重ね合わせることが可能な二つの金型部品(31,32)であって、共に当接される時、その間に、製造されるバッグ(20)の外形及び寸法に一致するキャビティ(34)を定め、ここに、そのキャビティ(34)は、製造されるバッグの周辺の一部に一致するその周辺の一部の周囲で閉鎖され、かつ、二つの金型部品(31,32)の側面に向かって開放する開口(35)を有する、金型部品と、
形成挿入体(40)であって、該二つの金型部品が当接される時、その挿入可能末端部(41)が、前記二つの金型部品の間のキャビティ(34)の中に納まる挿入位置を有する形成挿入体であって、ここで、該形成挿入体の末端部(41)が、該キャビティ内に成形されるバッグ(20)の内部形状及び厚みに一致する形状及び厚みを有し、かつ、二つの金型部品(31,32)が当接されるか、又は離間される時、前記挿入体(40)を挿入又は抜去することによって、前記開口(35)を通じて、横方向に、キャビティ(34)内に挿入可能であるか、又は該キャビティから抜去可能である、形成挿入体と、
を含む、金型(30)の使用を含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
(a)プラスチック材料のフィルムから成る重ね合わされた2層(10',10'')を、前記二つの離間した金型部品(31,32)の間に置く工程であって、前記形成挿入体(40)が前記2層の間に配置され、前記挿入体の末端部(41)が、前記二つの金型部品(31,32)の前記キャビティ(34)に合致して置かれる、工程と、
(b)前記二つの金型部品(31,32)を、キャビティ(34)内のその挿入位置に置かれている前記形成挿入体(40)と重ね合わせ、前記フィルムを部分成形バッグ(22)に成形する工程であって、該部分成形バッグの外部厚は、前記形成挿入体の挿入末端部(41)を取り囲むキャビティ(34)の寸法によって区画される、工程と、
(c)前記バッグのこれらの接合エッジを密閉する工程と、
(d1)二つの金型部品(31,32)を分離する工程と、
(d2)その挿入位置、及び、前記部分形成バッグ(22)との嵌合から、前記形成挿入体(40)を抜去する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
工程(e)及び(f)が、適切な閉鎖密閉ツール(50)を使用することによって、前記接合エッジを閉鎖、密閉し、前記バッグ(20)を、好みにより、1区画又は複数区画(28)に成形するように実行されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項記載のプロセスに従ってバッグを製造するための金型であって、前記金型が、
互いに離間し、かつ、対面関係に重ね合わせることが可能な二つの金型部品(31,32)であって、共に当接される時に、その間に、製造される前記バッグ(20)の外形及び寸法に一致するキャビティ(34)を定め、このキャビティ(34)は、製造されるバッグの前記周辺の一部に一致するその周辺の一部の周囲で閉鎖され、かつ、前記二つの金型部品(31,32)の側面に向かって開放する開口(35)を有する、金型部品と、
形成挿入体(40)であって、前記二つの金型部品が当接される時に、前記挿入体の挿入可能末端部(41)が、前記二つの金型部品(31,32)の間のキャビティ(34)の中に納まる挿入位置を有する形成挿入体であって、その末端部(41)が、前記キャビティ内で成形される前記バッグ(20)の内部形状及び厚みに一致する形状及び厚みを有し、かつ、前記二つの金型部品(31,32)が当接されるか又は離間される時に、前記挿入体(40)を挿入又は抜去することによって、前記開口(35)を通じて、横方向に、キャビティ(34)の中に挿入可能であるか、又は該キャビティから抜去可能である、形成挿入体と、
を含む、金型。
【請求項15】
前記バッグ(20)を好みにより1つの内部区画又は複数の内部区画(28)に成形するために、複数の相互交換可能な閉鎖密閉ツール(50)と組み合わされた、請求項14記載の金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−520653(P2011−520653A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509076(P2011−509076)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052032
【国際公開番号】WO2009/138966
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(501243775)
【Fターム(参考)】