生産管理システム、生産管理方法及びプログラム
【課題】部品や原材料の調達計画や、運搬・在庫を含めた生産計画を立案する上で、サプライチェーン全体のリードタイム削減や在庫の圧縮を図ることが出来る生産管理システムを提供する。
【解決手段】製品又は子部品について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算する正味所要計画部23と、生産に必要な作業と、設備の日産能力に基づいて、期日に遅延しないような生産日程を計画し、且つ、生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画する作業計画作成部26と、生産すべき品目について所要量展開を行い、子品目の総所要量を計算する総所要量計算部29と、運搬を伴う品目について期日に遅延しないような運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画する運搬計画作成部29と、供給手段が調達と定義されている品目について期日に遅延しないような調達計画を行う調達計画作成部29と、を備えた。
【解決手段】製品又は子部品について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算する正味所要計画部23と、生産に必要な作業と、設備の日産能力に基づいて、期日に遅延しないような生産日程を計画し、且つ、生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画する作業計画作成部26と、生産すべき品目について所要量展開を行い、子品目の総所要量を計算する総所要量計算部29と、運搬を伴う品目について期日に遅延しないような運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画する運搬計画作成部29と、供給手段が調達と定義されている品目について期日に遅延しないような調達計画を行う調達計画作成部29と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産現場における製品や原材料の調達計画や生産管理を行うための生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造業における製品の製造過程では、一般に、まず販売部門における製品の販売実績や、需要予測、あるいは実際の顧客オーダーに従って、計画立案部門で月度別や週度別といった中日程での製品の生産計画(基本生産計画:MPSともいう)が立案される。さらに、この中日程計画について資材所要量計画(展開)(MRP:Material Requirement Planning)が行われ、生産に必要な部材(原材料や部品)の品目と各品目の所要量が決定される。資材所要量計画は、資材調達計画とも呼ばれ、これにより決定された所要量の資材が調達(発注)される。
その後、計画立案部門で、部品の製造作業、最終製品の製造作業における日別の小日程計画(投入計画)が策定され、この小日程計画に基づいて、生産部門において製造作業が行われる。
なお、MRPは、生産管理システムとしてのコンピュータで動作するソフトウェアにより行われるのが通常である。
【0003】
例えば特許文献1には、基本生産計画が入力された時に、この基本生産計画に従って製品を生産するのに必要な各種部品、原材料の量と納期を求めるためのMRPシステムが開示されている。
ところで、MRPにおいて従来用いられているのが、BOM(Bill Of Material:部品構成表)である。
BOMは、生産計画の立案と、計画の管理に利用されるマスターデータであり、製品における品目の構成やその作成方法を表したものである。
【0004】
図8は、従来のBOMの概念を説明する図である。
図8に示すように、BOMにおいては、製品Aを製造するためには、子部品B、子部品Cが2つずつ必要であり、また、子部品Cを製造するためには、孫部品Dと孫部品Eが2つずつ必要であることが定義されている。
また、子部品B及び子部品Cから製品Aを生産するには、生産リードタイムLT1が必要であり、孫部品D及び孫部品Eから子部品Cを生産するには、生産リードタイムLT2が必要であることが定義されている。
また、子部品Bを調達するには、調達リードタイムLT3が必要であり、孫部品Dを調達するには調達リードタイムLT4が必要であり、孫部品Eを調達するには、調達リードタイムLT5が必要であることが定義されている。
ここで、生産リードタイムとは、ある製品(あるいは子部品)の生産に必要な部品が揃ってから、生産が終了するまでにかかる時間である。実際の作業時間に加え、生産設備の待ち時間といった停滞時間をも含んでいる。
【0005】
このように製品Aを生産するうえ必要な部材とその所要量、各製造ステップに必要な生産リードタイムが定義されていることで、上述の基本生産計画(月別、週別の生産/出荷個数)、に基づいて、製品Aの生産完了予定日あるいは出荷予定日を起点として、どの時点までに子部品をいくつ調達すればよいか、さらに、子部品が必要となる時点を起点として、どの時点までに孫部品をいくつ調達すればよいか、といった調達計画を容易に立てることが出来る。
また、部品や原材料の発注から納入までの調達リードタイム(LT3、LT4、LT5)を把握しておけば、調達期限からさかのぼって算出することで、発注のタイミングも決定できる。
すなわち、BOMを用いた生産計画とは、基本生産計画に基づいて、資材所要量計画(MRP)を行い、最終製品の生産に必要な原材料や部品の所要量(必要量)と、その調達期限を決定することである。
【0006】
図9は、従来のBOMの具体的な構成の一例を示す図である。
図9に示すように、BOMは、(a)品目マスタ(Material Master)と、(b)部品構成マスタ(P/S:Parts Structure)とから構成される。
品目マスタには、工場で扱う品目(製品、中間品、部品、原材料)のすべてが登録されており、各品目に固有な属性情報(材質や形状など)、標準的な生産リードタイム(LT1、LT2)や調達リードタイム(LT3、LT4、LT5)、仕入れ先(部品や原材料の場合)などの調達・生産情報、納入先などの管理情報が登録されている。
また、部品構成マスタには、上記の概念図で示したような、製品の構成や、各部品の所要量などが登録されている。
従って、基本生産計画によって必要な最終製品の数や出荷日が決定された場合、このBOMを参照すれば、調達すべき各部品の総量、その納期を算出することが出来る。
ところで、MRPで使用されるBOMにおいては、生産リードタイムとして最終製品と子部品の間、子部品と孫部品の間の、親子間の生産リードタイムのみが定義されている。
【0007】
しかしながら、上述したように、この親子間の生産リードタイムには、生産設備の待ち時間といった停滞時間をも含んでおり、また、生産設備の負荷が高く待ち時間が標準より長くなってしまう場合などは、予定した生産リードタイム内で生産が終了しない場合がある。
従って、最終製品の出荷予定日に遅れないように最終製品の生産を完了するには、このような遅延を見越して生産リードタイムを長めに設定する必要があった。これは、生産効率上のロスとなる。
こういった問題点を克服するためにBOMを改良したのが、製造BOMである。これは、BOMにおける生産リードタイムを、作業手順(作業時間)に置き換え、さらに、製造に使用する製造設備を要素として組み込むことで、製造設備を使った作業のスケジューリング(工程負荷計画)と、MRPの双方を一度に計画するものである。これは、APS(Advanced Planning and Scheduling)と呼ばれている。
【0008】
例えば、特許文献2には、製造BOMとAPSを用いた生産計画作成システムが開示されている。
図10は、製造BOMの概念を示す図である。
図10に示すように、製造BOMにおいては、BOMと同様に、製品Aを製造するためには、子部品B、子部品Cが2つずつ必要であり、また、子部品Cを製造するためには、孫部品Dと孫部品Eが2つずつ必要であることが定義されている。
ただし、生産リードタイムに替わり、部品を組み立てる作業の手順と、その作業に用いる設備と段取り替え時間、作業時間が定義されている。
例えば、製品Aは、子部品Bと子部品Cを原材料として、設備Hを、段取り替え時間S1、1個当たり生産時間T1だけ用いた作業Fにより生産されること、子部品Cは、孫部品Dと孫部品Eを原材料として、設備Iを、段取り替え時間S2、1個当たりの生産時間T2だけ用いた作業Gにより生産されることが定義されている。
このようにすることで、設備(H、I)の使用スケジュールが決定すれば、作業スケジュールも自動的に決定され、さらにそれに合わせて、資材発注時期の計画も立てることができる。すなわち、子部品や原材料などの資材は、設備を使用して作業を行うまでに納入されていれば良いのである。
【0009】
図11は、従来の製造BOMの具体的な構成の一例を示す図である。
(b)に示す部品構成マスタは、BOMの場合と同じである。
それに対し、(a)に示す品目マスタには、生産リードタイムの情報に替わり、該品目を生産するための作業コード(作業F、作業G)が登録されている。さらに、(c)に示す作業マスタが追加され、作業を実施するために使用する設備および作業時間や、制約条件などが登録されている。
従って、基本生産計画によって必要な最終製品の数や出荷日が決定された場合、この製造BOMを参照すれば、作業のスケジュール(設備の使用スケジュール)、設備の負荷、調達すべき各部品の総量、その納期を算出することが出来るようになった。前工程のスケジュールと、調達すべき部品の納期は、後工程の作業スケジュールと同期したロスのないタイミングでの調達指示と作業指示が可能となった。
【0010】
ところで、昨今の製造業では、単一の工場で、サプライヤから原材料や部品を調達して、製品を生産し、その後消費地に輸送するといった比較的単純なモデルから、消費地に近い場所に広範囲に展開した複数の工場において、近郊のサプライヤから部品や原材料を調達し、一部調達が不可能な部品や原材料がある場合には他の物流拠点から輸送して製品を生産し、完成品をより消費地に近い在庫拠点に運搬・保管しておき、顧客からの注文にたいして迅速に納入するといったモデルが増加している。
こういったモデルでは、消費地における需要に合わせて迅速に商品を投入できたり、開発途上国向けの製品の場合、消費地に近い場所で生産を行うことで現地の安い労働力を使用して人件費、輸送費を削減できたりするメリットがあるが、部品の調達から製品の生産、完成品の物流・在庫、消費者への供給に至るまでモノの流れ(サプライチェーン)が複雑化しており、サプライチェーン全体を最適化・効率化するための考え方(サプライチェーンマネージメント)が台頭してきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−172659公報
【特許文献2】特開2006−309577公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の生産計画で用いられてきた製造BOM(APS)では、工場の中で完結した生産計画、資材調達計画を立てられるのみであり、サプライチェーンにおける物流の要素を含めては考えられてこなかったため、工場での生産と物流を含めたサプライチェーン全体を効率化することは出来なかった。
本発明は、以上のような状況を鑑みて、部品や原材料の調達計画や、部品・中間品・原材料・完成品などの運搬・在庫を含めた生産計画を立案する上で、工場間や物流拠点間の部品や原材料、完成品の搬送計画と物流拠点への在庫配置計画も同時に立てられるようにすることで、サプライチェーンを最適化するとともに、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上を含む、サプライチェーン全体のリードタイム削減や在庫の圧縮を図ることが出来る生産管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、製品、中間品、部品及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、供給後の在庫の置き場所と、を定義する品目マスタと、該品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目の、在庫の置き場所間での運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、を格納する記憶装置と、前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるオーダー入力部と、出荷を指示された製品又は該製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量及び所要期日について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算する正味所要計画部と、正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画する作業計画作成部と、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、部品や原材料となる品目の総所要量を計算する総所要量計算部と、前記作業計画作成部及び前記総所要量計算部により所要期日及び所要量が計算された部品や原材料となる品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って、前記期日に遅延しないように在庫の置き場間で運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画する運搬計画作成部と、前記品目において、所要量と所要期日が指示されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達計画を作成する調達計画作成部と、を備えた生産管理システムを特徴とする。
かかる構成により、生産日程、調達日程のみならず、工場間、物流拠点間といった在庫置き場間での運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【0014】
また、請求項2の発明は、前記作業計画作成部によって計画される所要期日と、前記運搬計画作成部によって計画される運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日と、前記調達計画作成部によって作成される調達計画と、を表示装置に表示して指示を行う生産管理システムを特徴とする。
かかる構成により、使用者としての生産管理責任者は、作成した計画を容易に理解することが出来る。
また、請求項3の発明は、各品目の運搬に係る情報は、在庫の置き場所間の輸送時間又は輸送頻度を含む請求項1又は2に記載の生産管理システムを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、前記記憶装置は、前記製品、中間品、部品又は原材料の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への部品または原材料の発注量の残量を登録した発注残データベースと、を備え、前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫または発注残の引当を行う請求項1乃至3の何れか一項に記載の生産管理システムを特徴とする。
また、請求項5の発明は、前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、前記作業計画作成部は、各設備の日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出する請求項1乃至4の何れか一項に記載の生産管理システムを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、製品、中間品、部品又及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、を定義する品目マスタと、前記品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目の在庫の置き場所間での各品目の運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、を格納する記憶装置と、を備えた生産管理システムにおける生産管理方法であって、前記生産管理システムが有するオーダー入力部が、前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるステップと、前記生産管理システムが有する正味所要計画部が、出荷を指示された製品の総所要量及び所要期日と、前記製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量および所要期日と、について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算するステップと、前記生産管理システムが有する作業計画作成部が、前記正味所要計画部により正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画するステップと、前記生産管理システムが有する総所要量計算部が、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、作業に必要な部品や原材料となる子品目の総所要量を計算するステップと、前記生産管理システムが有する運搬計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている前記品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って前記期日に遅延しないように運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画するステップと、前記生産管理システムが有する調達計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達を計画するとステップと、を有する生産管理方法を特徴とする。
かかる方法により、生産日程、調達日程のみならず、工場間、物流拠点間といった在庫置き場間での運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【0017】
また、請求項7の発明は、前記記憶装置は、前記品目の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への品目の残量を登録した発注残データベースと、を備え、前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫引当を行う請求項6に記載の生産管理方法を特徴とする。
また、請求項8の発明は、前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、前記計画作成部は、各設備の前記日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出する請求項6又は7に記載の生産管理方法を特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項6乃至8の何れか一項に記載の生産管理方法を、コンピュータに実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上のように構成したので、本発明によれば、工場内の生産計画のみならず、工場間、物流拠点間の運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る生産管理システムのシステム構成の一例を示す概略図。
【図2】本発明の生産管理システムにおける処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図。
【図4】本発明の生産管理システムで用いる部品構成表(BOM)の概念図。
【図5】品目マスタ5の供給方法として「供給手段」、在庫場所として「在庫の置き場」を登録した場合のサプライチェーンBOMの一例を示す図。
【図6】本生産管理システムにおいて、生産計画を立案するための処理の一例を説明するフローチャート。
【図7】本システムによって作成された生産日程計画、運搬計画、調達計画を、各在庫の変化と共に示した図。
【図8】従来のBOMの概念を説明する図。
【図9】従来のBOMの具体的な構成の一例を示す図。
【図10】製造BOMの概念を示す図。
【図11】従来の製造BOMの具体的な構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る生産管理システムを詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る生産管理システムのシステム構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の生産管理システムは、外部から入力されるオーダーに基づいて後述する生産日程計画、運搬計画、及び調達計画を行う処理装置1と、処理装置1が、生産日程計画、運搬計画、調達計画を行う際に参照する各マスターデータを格納するデータベースを備えている。
マスターデータは、シフトマスタ2、資源(設備、作業者)マスタ3、在庫置場マスタ4、品目マスタ5、部品構成マスタ6、作業マスタ7、運搬マスタ8、調達マスタ9を含む。
シフトマスタ2は、工場の稼働日、稼働時間が定義されている。
設備(資源)マスタ3は、工場における生産設備が定義されている。設備の稼働時間は、シフトマスタ2に定義される稼働日と稼働時間に従うものとする。
在庫置場マスタ4は、調達物流拠点、工場倉庫、製品倉庫、製品物流拠点など、サプライチェーンの対象となるすべての在庫置場が登録されている。
【0021】
また、品目マスタ5は、工場において取り扱うすべての品目、すなわち完成した製品や、中間製品、部品や原材料などの外部からの購入品の情報が登録されている。
図5において後述するが、各品目の情報は、供給手段としての作業、運搬、調達の情報に加えて、工場間や拠点間の搬送のために各品目の在庫が置かれる場所の情報などの管理情報である。
また、部品構成マスタ6には、品目マスタ5に登録されている各品目を生産するための製品や中間製品、部品、原材料などの品目の構成、各品目の所要量が登録されている。部品構成マスタ6をBOM(Bill Of Material: 部品構成表)と呼ぶ。
作業マスタ7は、資源マスタ3に登録された資源を使用して行われる各作業の標準的な作業時間を定義したものである。
シフトマスタ2に含まれる稼働日、稼働時間の情報とともに参照することで、設備の日産能力を算出することが可能である。
【0022】
運搬マスタ8は、品目マスタ5に登録されている製品や中間品、部品、原材料の在庫が置かれる場所の間での運搬(輸送)作業についての詳細な情報を登録したものであり、例えば、輸送手段(トラック、船舶あるいは航空機)や標準的なリードタイム(輸送時間)、スケジュールなどを登録しておく。
調達マスタ9は、外部からの調達に係る詳細な情報を登録したもので、仕入先や、発注してから納入されるまでの標準的な調達リードタイムを登録しておく。
また、本発明の生産管理システムは、製品や中間品、部品、原材料の在庫量を登録した現在在庫DB10、部品や原材料の調達先に対して、すでに発注したが未だ納品されていない発注量の残数を登録した調達発注残DB11、基本生産計画と顧客を含むオーダーの所要量(オーダー数)と所要期日(納期)を登録したオーダーDB12を備えている。
【0023】
図2は、本発明の生産管理システムにおける処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2において、処理装置1は、入力されるオーダーに従って生産日程計画(作業計画)、運搬計画、調達計画を行う制御部C、各種のプログラムや各種マスターデータ、トランザクションデータを格納するためのハードディスクなどの記憶装置18、使用者に対するインターフェイスを提供し、生産計画の結果を表示する表示手段16、キーボードやマウスなどの入力手段17と、外部システムからデータを受け取ったり、外部のシステムへデータを送るための外部I/F(InterFace:インターフェイス)19と、を備えている。
また、制御部Cは、CPU(Central Processing Unit)13、ROM(Read Only Memory)14、RAM(Random Access Memory)15を備えており、CPU13は、記憶装置18あるいはROM14からプログラムを読み出してRAM15に展開して実行する。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態に係る処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、処理装置1において実行されるプログラムとして、外部装置から基本生産計画と顧客オーダーを含むオーダーを受け入れるオーダー入力部21と、入力されたオーダーを図1に示すオーダーDB12に登録する受注(オーダー)管理部22と、与えられた総所要量と、所要期日について現在在庫DB10や調達発注残DB11を参照して在庫と発注残引当を行う在庫および発注残引当部24と、引当の結果から正味所要量計算を行う正味所要量計算部25と、を含む正味所要計画部23と、作業マスタ7に登録されている品目を生産するのに必要な作業と、そのための資源について、作業マスタ7、資源マスタ3、シフトマスタ2と、から分かる各資源の日産能力から負荷計算を行い、正味所要計画に対して遅延が生じないような生産日程計画を作成する作業計画作成部26と、運搬マスタ8からわかる条件で正味所要計画に遅延しない運搬を計画する運搬計画作成部27と、作業計画作成部26によって作成された生産日程計画と、運搬計画作成部27によって作成された運搬計画と、部品構成マスタ6と、から生産と運搬に必要な子品目の総所要量と所要期日を算出する総所要量計算部28と、調達発注残DB11からわかる調達条件で、正味所要計画に遅延が出ないような調達計画を作成する調達計画作成部29と、を備えている。
なお、正味所要計画部23、作業計画作成部26、運搬計画作成部27、総所要量計算部28、調達計画作成部29により、サプライチェーンAPS処理部が構成されているものとする。
受注管理部22によるオーダーDB12へのオーダーの登録と、在庫、発注残引当部24による現在在庫DB10及び調達発注残DB11からの引当、作業計画作成部26で作成される生産日程計画、運搬計画作成部27で作成される運搬計画、調達計画作成部29で作成される調達計画に基づいて、受発注量の推移や在庫の推移を管理する。
【0025】
図4は、本発明の生産管理システムで用いる部品構成表(BOM)の概念図である。
これは、工場内における品目(部品、製品、中間品、原材料)の生産のみならず、外部調達先からの部品の調達から、市場に製品を供給するための物流センタまで、サプライチェーン全体の品目の動きをも定義した部品構成表である。
これを、上述のBOM、製造BOMと区別した概念として、「サプライチェーンBOM」と呼ぶ。
詳しくは、図4に示す「サプライチェーンBOM」において、製品Aを製造するためには子部品B、子部品Cが2つずつ必要であり、また、子部品Cを製造するためには、孫部品Dと孫部品Eが2つずつ必要であることが定義されている。
【0026】
また、部品を生産する作業と、その作業に用いる設備が定義されている。例えば、製品Aは、子部品Bと子部品Cを原材料として、設備Hを用いた作業Fにより生産されること、子部品Cは、孫部品Dと孫部品Eを原材料として、設備Iを用いた作業Gにより生産されることが定義されている。外部から調達する品目については、調達リードタイムが定義されている。
これらは、従来のBOM、製造BOMと同様である。
これらに加え、「サプライチェーンBOM」においては、製品Aは、作業Fにより生産後、工場倉庫に在庫として置かれ、運搬Jを経て物流センタに置かれること、及び、孫部品Dは、調達センタで調達を行い、調達センタに在庫されていたものが、運搬Kによって、工場に搬送されて在庫されたものが作業Gに使用されることを定義する。
すなわち、本発明のBOMにおいては、上述した製造BOMに対して、製品、部品の「在庫の置き場所(物流センタ、工場倉庫、調達センタ)」を設定し、さらに、調達センタ→工場、工場→物流センタの「運搬」を加えたことが特徴となる。
図4に示すサプライチェーンBOMは、その概念を示したものであるが、実際に、「在庫の置き場所」、「運搬」の要素を図1に示す生産管理システムに適用するためには、例えば、品目マスタ4に新たな項目を追加して登録してもよいし、新たなマスターデータとして他の情報とは別に登録するようにしてもよい。
【0027】
図5は、品目マスタ5の供給方法として「供給手段」、在庫場所として「在庫の置き場」を登録した場合のサプライチェーンBOMの一例を示す図である。
(a)に示す品目マスタ5では、各品目が在庫置毎に、どの供給手段を用いて供給されるのかが、定義されている。
(b)に示す部品構成マスタは、上述のBOM、製造BOMに加え、どこの在庫置場の品目を消費して、どこの在庫置場の品目を生産するのか、という情報が追加されている。
また、(c)に示す作業マスタ7には、供給手段の作業についての詳細情報が定義されている。
また、(d)に示す運搬マスタ8には、品目の供給手段の一つである運搬についての詳細情報が定義されている。すなわち、出発地、目的地、運搬手段、運搬時間、運搬頻度などが定義されている。
さらに、(e)に示す調達マスタ9により、調達のリードタイムや仕入先の情報が定義されている。これは従来の製造BOMと同様である。
【0028】
(a)の品目マスタ5と、(c)の作業マスタ7を用いれば、生産情報として、工場倉庫に在庫される製品Aを、設備Hを使用した作業Fによって生産し、子部品Cを、設備Iを使用した作業Gによって生産することがわかる。
サプライチェーンBOMにおいては、すべての品目について、さらに、「在庫の置き場」の概念を追加している。
作業Fによって生産して物流センタに運搬すべき製品Aについては、置き場「工場倉庫」が定義され、さらに製品Aについて、運搬Jによって、「置き場」が「物流センタ」に移ることが定義されている。
【0029】
また、外部から調達する孫部品Dについて、調達センタの在庫から運搬Kによって工場に搬送され、工場倉庫の在庫となることが登録されている。
従来のBOM、製造BOMでは、ループを排除するために、自分自身が親子となるような「運搬」を定義することは出来なかったが、在庫の置き場所を定義することにより、この問題を解決することが出来る。
運搬前と運搬後では、品目は同じであるが(図5の例では製品A、孫部品D)、在庫の置き場所が異なることで、データの取り扱い上、別のものと見なすことが出来る。
【0030】
さらに詳しく説明すると、図5に示すサプライチェーンBOMにおいて、(b)の部品構成マスタに記載のように、孫部品D、Eを用いて親としての子部品Cが生産され、さらに、子部品B、Cを用いて親としての製品Aが生産されるように定義されている。
運搬の前後を問わず、サプライチェーン内で扱われる品目、例えば製品Aは同じモノであり、本来区別が出来るものではない。
部品構成マスタに登録される品目は親子関係にあり、孫部品を消費して子部品を生産し、子部品を生産して親製品を生産する。
従って、品目マスタにおいて、同一品目が、それぞれ登録されていた場合、自分自身が親子関係となり、ループが発生する。
すなわち、重複して登録された品目は、自分自身が、自分の先祖あるいは子孫となる状態となり、自分を生産するために自分が消費されるという状態が生じ、無限に生産をし続けなければならない、ということになる。
しかし、図5のサプライチェーンBOMでは、品目が同一でも、在庫の置き場の情報を加え、運搬前後の品目を区別することが可能になるため、こういったループを防ぐことが可能である。
【0031】
以下に、図1に示す構成を有する生産管理システムにおいて、このサプライチェーンBOMを使用して、サプライチェーン全体の生産計画を立案するための方法(サプライチェーンAPS:Supply Chain Advanced Planning and Scheduling)について説明する。
図6は、本生産管理システムにおいて、生産計画を立案するための処理の一例を説明するフローチャートである。
オーダー入力部21が、外部装置から基本生産計画と顧客オーダーを含むオーダーを取得(入力)すると(ステップS101)、受注管理部22は、オーダーで指示される品目と所要量(オーダー数)と、所要期日(納期)をオーダーDB12に登録する(ステップS102)。
次に、正味所要計画部23が、現在在庫DB10と調達発注残DB11から、在庫と発注残を引当、正味所要量と所要期日を日別に算出する(ステップS103)。
ステップS103で算出された正味所要計画は、図5(a)に示す品目マスタ5を用いて、供給手段別に「生産」と「運搬」と「調達」に分類される(ステップS104)。
ステップS104で供給手段が「運搬」に分類された正味所要計画については、図5(d)に示す運搬マスタ8を用いて、正味所要計画に遅延が出ないような運搬計画が計画される(ステップS105)。
【0032】
次に、図5(d)に示す運搬マスタ8で定義された出発地に在庫されている同じ品目の総所要量と、所要期日が計算される。ここで計算された総所要量と所要期日が、新たな所要となって、ステップS103を再度繰り返す。この繰り返しは、ステップS105で計画された運搬計画がなくなるまで行われる。
ステップS104で供給手段が「生産」に分類された正味所要計画については、図5(c)に示す作業マスタ7と、資源マスタ3と、シフトマスタ2を用いて、図3の作業計画作成部26により、正味所要計画に遅延が出ないような作業計画が計画される(ステップS107)。
作業計画が立案されたら、その作業計画に対し、図3に示す総所要量計算部28が、図5(b)で示す部品構成マスタ6を用いて、その作業に必要な品目の総所要量を計算する(ステップS108)。
【0033】
上述の、ステップS107とステップS108により、新たな品目の総所要量と所要期日が指示される。この新たな総所要量と所要期日を用いてステップS103を再度繰り返す。この繰り返しを、作業計画がなくなるまで繰り返す。
ステップS104で供給手段が「調達」に分類された正味所要計画については、図5(e)に示す調達マスタ9を用いて、調達計画を作成する。
計画された、運搬計画、調達計画、作業計画は、表示装置16に表示・指示され(図7)、作業者はそれに従い、小日程計画を基づく作業を行う。
本システムにおいて、図5(a)に示す品目マスタと、(b)に示す部品構成マスタと、(c)に示す作業マスタと、(d)に示す運搬マスタと、(e)に示す調達マスタとを用いて、作業計画、調達計画、運搬計画を作成する場合を考える。
【0034】
また、図7は、本システムによって作成された生産日程計画、運搬計画、調達計画を、各在庫の変化と共に示した図である。
図7において、(a)は、オーダー画面、(b)は、物流センタの在庫推移を示す図、(c)は、発注の残量を示す図、(d)は、調達計画日程を示す図、(e)は、運搬計画日程を示す図、(f)は、工場倉庫の在庫推移を示す、(g)は、生産日程計画を示す図である。
本システムでは、かかる内容の計画を表示することにより、使用者としての生産管理責任者は、作成した計画を容易に理解することが出来る。
【0035】
図7を用いて、本発明のシステムの処理例をより具体的に説明する。
オーダーが、「物流センタから製品Aを50個出荷して顧客に届けなさい」、という内容である場合、オーダー納期41に出荷可能な物流センタの在庫を引き当てて残った正味所要量を計算する。例えば、物流センタに在庫が10個あった場合には、正味所要量は40個となる。
次に、図5(a)に示す品目マスタ5から検索された運搬J(工場倉庫から物流センタまでの運搬)について、図5(d)に示す運搬マスタ8を検索し、運搬条件に適合し、且つ、正味所要計画に間に合う日42に運搬Jが計画される。運搬マスタ8からわかるように、運搬Jは、毎日1回運行する、10時出発のトラック便のため、同日の10時までに工場倉庫の製品Aが40個必要となる。
ここで新しく発生した、工場倉庫の製品A40個の総所要に対して、再度ステップS103を実施する。例えば製品Aの工場倉庫に在庫が10個あった場合には、工場倉庫の製品Aの正味所要量は30個となる。
図5(a)で示す品目マスタ5と、(c)で示す作業マスタ7を調べれば、工場倉庫の製品Aは、設備Hを使用する作業Fで供給することがわかる。
【0036】
また、資源マスタ3とシフトマスタ2を使って、作業Fの日産能力が決まる。この日産能力内で、且つ、工場倉庫の製品Aに対する正味所要計画に遅延しない作業計画(たとえば、日産能力が15個/日であれば、2日前から作業開始)を決める。
これにより、作業の開始日時43が決定される(ステップS107)。これが、作業Fの作業計画であり、同時に設備Hの使用計画であり、また、設備Hの負荷計画、工場倉庫の製品Aの生産日程計画ともなる。
作業の開始日時とともに、図5(b)に示す部品構成マスタ6を用いて、工場倉庫の製品Aを30個生産するために必要な品目の総所要量を計算すると、工場倉庫の子品目(子部品)Bが60個と、工場倉庫の子品目(子部品)Cが60個必要であることが算出される。
期日は、いずれも作業Fの開始日直前である。ここに、新たに2つの所要計画が発生する(ステップ108)。
すなわち、工場倉庫の子部品Bの総所要計画について、ステップS103で正味所要量を算出する。例えば子部品Bの工場倉庫が10個、発注残が10個であった場合には正味所要量は40個となる。
【0037】
図5(a)に示す品目マスタ5と(e)に示す調達マスタ9を調べれば、工場倉庫に子部品Bを供給するには、調達Lを計画する必要があることがわかり、調達Lには、LT3の調達リードタイムが必要であることが判明する。そこで、作業Fの開始直前からLT3だけ遡った日44までに、調達Lにて、工場倉庫に供給する子部品Bを発注することが計画される。これが調達計画である。
同様に、工場倉庫の子部品Cの正味所要量と期日がステップ103によって決定し、作業Gが計画され、作業Gの開始日45が決定される(この場合、工場倉庫、発注残はともに0個とする)。
【0038】
作業Gの開始日決定により、工場倉庫の孫部品Dと、工場倉庫の孫部品Eの総所要量と所要期日が算出される。また、ステップS103により、工場倉庫の孫部品Dと、工場倉庫の孫部品Eの正味所要量が算出され、正味所要量(この例の場合60個)と所要期日46が決まる。
同様に、工場倉庫の孫部品Eの正味所要量の調達Nが、所要期日46よりもLT5だけ遡った日47に発注する調達計画が立てられる。
さらに、工場倉庫の孫部品Dの正味所要量が定まり、調達センタから工場倉庫までの運搬Kが必要となることが判明する。
運搬Kは週1回火曜日の13:00に出発する船による輸送で、出発から到着まで7日間を要することが(d)に示す運搬マスタ8を調べればわかる。従って、作業G開始日直前から7日間遡った、直前の火曜日48に調達センタを出発する船にて運搬されるように計画される。(ただし、図7では表示の関係上、運送Kは3日間としている)
同様に、調達センタの孫部品Dの正味所要量が定まり、運搬Kの計画日48より、さらにリードタイムLT4だけ遡った日49に発注するように、調達Mが計画される。
これにより、全ての生産日程計画、調達計画、運搬計画が立案された。
【0039】
このような条件下で、運搬の日程及び所要時間に加え、調達先において、工場から発注してから実際のモノが出荷されるまでのリードタイムを考慮して逆算することで、発注時期を最適化することができる。
このようにすることで、無駄な在庫を工場内、物流センタ内、調達センタ内に抱える必要がなく、より効率的かつ経済的な生産計画とサプライチェーン全体の計画を立案することが可能である。
なお、図5(d)の搬送マスタにおいては、運搬J、運搬Kそれぞれについて、ひとつの運搬手段しか登録していないが、事故などによる交通の遮断などを鑑みて、代替的な運搬手段を複数登録しておき、初期値の運搬手段が使用できなくなった場合は、代替手段に切り替えて、新たに運搬計画を立案するようにしてもよい。
【0040】
同様に、図5の(c)に示す作業マスタは、代替資源を用いた代替作業を複数登録し、代替作業のなかから好ましい作業を計画するようにしてもよい。
同様に、図5の(e)に示す調達マスタは、代替の仕入先から調達する方法を複数登録し、それらの中から好ましい調達を計画するようにしてもよい。
なお、本システムによって作成された生産日程計画、運搬計画、調達計画に基づいて行われる生産や運搬、調達の各工程について、その実績(たとえば生産の完了日、運搬の完了日、調達の完了日)を記録して結果を表示することができる。
所要期日に対する遅延が確認された場合、遅延が生じた工程について、前記表示装置における表示を変化させて(色を変えるなど)視認出来るようにしてもよい。
この場合、図3に示すサプライチェーンAPS処理部により、再び自動計画を行うようにする。
【0041】
物流センタへの納入時期を遵守するという条件を満たす場合は、例えば、設備(資源)への負荷計画を変更して、子部品や製品の生産日程を短縮するようにしても良いし、部品の調達先を変更するようにしてもよい。
また、自動計画を行うことなく、手動で各計画を修正するようにしてもよい。
また、製品が、食料品であり、完成品である製品や原材料に賞味期限がある場合などは、品目マスタにその旨記載し、賞味期限が切れた製品や原材料は、在庫から削除するようにする。
【0042】
以上のように構成したので、本発明によれば、生産日程、調達日程のみならず、工場間、物流拠点間といった在庫置き場間での運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【符号の説明】
【0043】
1 処理装置、2 シフトマスタ、3 資源マスタ、4 在庫置場マスタ、5 品目マスタ、6 部品構成マスタ、7 作業マスタ、8 搬送マスタ、9 調達マスタ、10 現在在庫DB、11 調達発注残DB、12 オーダーDB、13 CPU、14 ROM、15 RAM、16 表示手段、17 入力手段、18 記憶装置、19 外部I/F 21 オーダー入力部、22 受注(オーダ)管理部、23 正味所要計算部、24 在庫、発注残引当、25 正味所要量計算、26 運搬計画作成部、27 作業計画作成部、28 総所要量計算部、29 調達計画作成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産現場における製品や原材料の調達計画や生産管理を行うための生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造業における製品の製造過程では、一般に、まず販売部門における製品の販売実績や、需要予測、あるいは実際の顧客オーダーに従って、計画立案部門で月度別や週度別といった中日程での製品の生産計画(基本生産計画:MPSともいう)が立案される。さらに、この中日程計画について資材所要量計画(展開)(MRP:Material Requirement Planning)が行われ、生産に必要な部材(原材料や部品)の品目と各品目の所要量が決定される。資材所要量計画は、資材調達計画とも呼ばれ、これにより決定された所要量の資材が調達(発注)される。
その後、計画立案部門で、部品の製造作業、最終製品の製造作業における日別の小日程計画(投入計画)が策定され、この小日程計画に基づいて、生産部門において製造作業が行われる。
なお、MRPは、生産管理システムとしてのコンピュータで動作するソフトウェアにより行われるのが通常である。
【0003】
例えば特許文献1には、基本生産計画が入力された時に、この基本生産計画に従って製品を生産するのに必要な各種部品、原材料の量と納期を求めるためのMRPシステムが開示されている。
ところで、MRPにおいて従来用いられているのが、BOM(Bill Of Material:部品構成表)である。
BOMは、生産計画の立案と、計画の管理に利用されるマスターデータであり、製品における品目の構成やその作成方法を表したものである。
【0004】
図8は、従来のBOMの概念を説明する図である。
図8に示すように、BOMにおいては、製品Aを製造するためには、子部品B、子部品Cが2つずつ必要であり、また、子部品Cを製造するためには、孫部品Dと孫部品Eが2つずつ必要であることが定義されている。
また、子部品B及び子部品Cから製品Aを生産するには、生産リードタイムLT1が必要であり、孫部品D及び孫部品Eから子部品Cを生産するには、生産リードタイムLT2が必要であることが定義されている。
また、子部品Bを調達するには、調達リードタイムLT3が必要であり、孫部品Dを調達するには調達リードタイムLT4が必要であり、孫部品Eを調達するには、調達リードタイムLT5が必要であることが定義されている。
ここで、生産リードタイムとは、ある製品(あるいは子部品)の生産に必要な部品が揃ってから、生産が終了するまでにかかる時間である。実際の作業時間に加え、生産設備の待ち時間といった停滞時間をも含んでいる。
【0005】
このように製品Aを生産するうえ必要な部材とその所要量、各製造ステップに必要な生産リードタイムが定義されていることで、上述の基本生産計画(月別、週別の生産/出荷個数)、に基づいて、製品Aの生産完了予定日あるいは出荷予定日を起点として、どの時点までに子部品をいくつ調達すればよいか、さらに、子部品が必要となる時点を起点として、どの時点までに孫部品をいくつ調達すればよいか、といった調達計画を容易に立てることが出来る。
また、部品や原材料の発注から納入までの調達リードタイム(LT3、LT4、LT5)を把握しておけば、調達期限からさかのぼって算出することで、発注のタイミングも決定できる。
すなわち、BOMを用いた生産計画とは、基本生産計画に基づいて、資材所要量計画(MRP)を行い、最終製品の生産に必要な原材料や部品の所要量(必要量)と、その調達期限を決定することである。
【0006】
図9は、従来のBOMの具体的な構成の一例を示す図である。
図9に示すように、BOMは、(a)品目マスタ(Material Master)と、(b)部品構成マスタ(P/S:Parts Structure)とから構成される。
品目マスタには、工場で扱う品目(製品、中間品、部品、原材料)のすべてが登録されており、各品目に固有な属性情報(材質や形状など)、標準的な生産リードタイム(LT1、LT2)や調達リードタイム(LT3、LT4、LT5)、仕入れ先(部品や原材料の場合)などの調達・生産情報、納入先などの管理情報が登録されている。
また、部品構成マスタには、上記の概念図で示したような、製品の構成や、各部品の所要量などが登録されている。
従って、基本生産計画によって必要な最終製品の数や出荷日が決定された場合、このBOMを参照すれば、調達すべき各部品の総量、その納期を算出することが出来る。
ところで、MRPで使用されるBOMにおいては、生産リードタイムとして最終製品と子部品の間、子部品と孫部品の間の、親子間の生産リードタイムのみが定義されている。
【0007】
しかしながら、上述したように、この親子間の生産リードタイムには、生産設備の待ち時間といった停滞時間をも含んでおり、また、生産設備の負荷が高く待ち時間が標準より長くなってしまう場合などは、予定した生産リードタイム内で生産が終了しない場合がある。
従って、最終製品の出荷予定日に遅れないように最終製品の生産を完了するには、このような遅延を見越して生産リードタイムを長めに設定する必要があった。これは、生産効率上のロスとなる。
こういった問題点を克服するためにBOMを改良したのが、製造BOMである。これは、BOMにおける生産リードタイムを、作業手順(作業時間)に置き換え、さらに、製造に使用する製造設備を要素として組み込むことで、製造設備を使った作業のスケジューリング(工程負荷計画)と、MRPの双方を一度に計画するものである。これは、APS(Advanced Planning and Scheduling)と呼ばれている。
【0008】
例えば、特許文献2には、製造BOMとAPSを用いた生産計画作成システムが開示されている。
図10は、製造BOMの概念を示す図である。
図10に示すように、製造BOMにおいては、BOMと同様に、製品Aを製造するためには、子部品B、子部品Cが2つずつ必要であり、また、子部品Cを製造するためには、孫部品Dと孫部品Eが2つずつ必要であることが定義されている。
ただし、生産リードタイムに替わり、部品を組み立てる作業の手順と、その作業に用いる設備と段取り替え時間、作業時間が定義されている。
例えば、製品Aは、子部品Bと子部品Cを原材料として、設備Hを、段取り替え時間S1、1個当たり生産時間T1だけ用いた作業Fにより生産されること、子部品Cは、孫部品Dと孫部品Eを原材料として、設備Iを、段取り替え時間S2、1個当たりの生産時間T2だけ用いた作業Gにより生産されることが定義されている。
このようにすることで、設備(H、I)の使用スケジュールが決定すれば、作業スケジュールも自動的に決定され、さらにそれに合わせて、資材発注時期の計画も立てることができる。すなわち、子部品や原材料などの資材は、設備を使用して作業を行うまでに納入されていれば良いのである。
【0009】
図11は、従来の製造BOMの具体的な構成の一例を示す図である。
(b)に示す部品構成マスタは、BOMの場合と同じである。
それに対し、(a)に示す品目マスタには、生産リードタイムの情報に替わり、該品目を生産するための作業コード(作業F、作業G)が登録されている。さらに、(c)に示す作業マスタが追加され、作業を実施するために使用する設備および作業時間や、制約条件などが登録されている。
従って、基本生産計画によって必要な最終製品の数や出荷日が決定された場合、この製造BOMを参照すれば、作業のスケジュール(設備の使用スケジュール)、設備の負荷、調達すべき各部品の総量、その納期を算出することが出来るようになった。前工程のスケジュールと、調達すべき部品の納期は、後工程の作業スケジュールと同期したロスのないタイミングでの調達指示と作業指示が可能となった。
【0010】
ところで、昨今の製造業では、単一の工場で、サプライヤから原材料や部品を調達して、製品を生産し、その後消費地に輸送するといった比較的単純なモデルから、消費地に近い場所に広範囲に展開した複数の工場において、近郊のサプライヤから部品や原材料を調達し、一部調達が不可能な部品や原材料がある場合には他の物流拠点から輸送して製品を生産し、完成品をより消費地に近い在庫拠点に運搬・保管しておき、顧客からの注文にたいして迅速に納入するといったモデルが増加している。
こういったモデルでは、消費地における需要に合わせて迅速に商品を投入できたり、開発途上国向けの製品の場合、消費地に近い場所で生産を行うことで現地の安い労働力を使用して人件費、輸送費を削減できたりするメリットがあるが、部品の調達から製品の生産、完成品の物流・在庫、消費者への供給に至るまでモノの流れ(サプライチェーン)が複雑化しており、サプライチェーン全体を最適化・効率化するための考え方(サプライチェーンマネージメント)が台頭してきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−172659公報
【特許文献2】特開2006−309577公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の生産計画で用いられてきた製造BOM(APS)では、工場の中で完結した生産計画、資材調達計画を立てられるのみであり、サプライチェーンにおける物流の要素を含めては考えられてこなかったため、工場での生産と物流を含めたサプライチェーン全体を効率化することは出来なかった。
本発明は、以上のような状況を鑑みて、部品や原材料の調達計画や、部品・中間品・原材料・完成品などの運搬・在庫を含めた生産計画を立案する上で、工場間や物流拠点間の部品や原材料、完成品の搬送計画と物流拠点への在庫配置計画も同時に立てられるようにすることで、サプライチェーンを最適化するとともに、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上を含む、サプライチェーン全体のリードタイム削減や在庫の圧縮を図ることが出来る生産管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、製品、中間品、部品及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、供給後の在庫の置き場所と、を定義する品目マスタと、該品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目の、在庫の置き場所間での運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、を格納する記憶装置と、前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるオーダー入力部と、出荷を指示された製品又は該製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量及び所要期日について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算する正味所要計画部と、正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画する作業計画作成部と、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、部品や原材料となる品目の総所要量を計算する総所要量計算部と、前記作業計画作成部及び前記総所要量計算部により所要期日及び所要量が計算された部品や原材料となる品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って、前記期日に遅延しないように在庫の置き場間で運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画する運搬計画作成部と、前記品目において、所要量と所要期日が指示されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達計画を作成する調達計画作成部と、を備えた生産管理システムを特徴とする。
かかる構成により、生産日程、調達日程のみならず、工場間、物流拠点間といった在庫置き場間での運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【0014】
また、請求項2の発明は、前記作業計画作成部によって計画される所要期日と、前記運搬計画作成部によって計画される運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日と、前記調達計画作成部によって作成される調達計画と、を表示装置に表示して指示を行う生産管理システムを特徴とする。
かかる構成により、使用者としての生産管理責任者は、作成した計画を容易に理解することが出来る。
また、請求項3の発明は、各品目の運搬に係る情報は、在庫の置き場所間の輸送時間又は輸送頻度を含む請求項1又は2に記載の生産管理システムを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、前記記憶装置は、前記製品、中間品、部品又は原材料の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への部品または原材料の発注量の残量を登録した発注残データベースと、を備え、前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫または発注残の引当を行う請求項1乃至3の何れか一項に記載の生産管理システムを特徴とする。
また、請求項5の発明は、前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、前記作業計画作成部は、各設備の日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出する請求項1乃至4の何れか一項に記載の生産管理システムを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、製品、中間品、部品又及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、を定義する品目マスタと、前記品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目の在庫の置き場所間での各品目の運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、を格納する記憶装置と、を備えた生産管理システムにおける生産管理方法であって、前記生産管理システムが有するオーダー入力部が、前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるステップと、前記生産管理システムが有する正味所要計画部が、出荷を指示された製品の総所要量及び所要期日と、前記製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量および所要期日と、について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算するステップと、前記生産管理システムが有する作業計画作成部が、前記正味所要計画部により正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画するステップと、前記生産管理システムが有する総所要量計算部が、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、作業に必要な部品や原材料となる子品目の総所要量を計算するステップと、前記生産管理システムが有する運搬計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている前記品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って前記期日に遅延しないように運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画するステップと、前記生産管理システムが有する調達計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達を計画するとステップと、を有する生産管理方法を特徴とする。
かかる方法により、生産日程、調達日程のみならず、工場間、物流拠点間といった在庫置き場間での運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【0017】
また、請求項7の発明は、前記記憶装置は、前記品目の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への品目の残量を登録した発注残データベースと、を備え、前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫引当を行う請求項6に記載の生産管理方法を特徴とする。
また、請求項8の発明は、前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、前記計画作成部は、各設備の前記日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出する請求項6又は7に記載の生産管理方法を特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項6乃至8の何れか一項に記載の生産管理方法を、コンピュータに実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上のように構成したので、本発明によれば、工場内の生産計画のみならず、工場間、物流拠点間の運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る生産管理システムのシステム構成の一例を示す概略図。
【図2】本発明の生産管理システムにおける処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図。
【図4】本発明の生産管理システムで用いる部品構成表(BOM)の概念図。
【図5】品目マスタ5の供給方法として「供給手段」、在庫場所として「在庫の置き場」を登録した場合のサプライチェーンBOMの一例を示す図。
【図6】本生産管理システムにおいて、生産計画を立案するための処理の一例を説明するフローチャート。
【図7】本システムによって作成された生産日程計画、運搬計画、調達計画を、各在庫の変化と共に示した図。
【図8】従来のBOMの概念を説明する図。
【図9】従来のBOMの具体的な構成の一例を示す図。
【図10】製造BOMの概念を示す図。
【図11】従来の製造BOMの具体的な構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る生産管理システムを詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る生産管理システムのシステム構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の生産管理システムは、外部から入力されるオーダーに基づいて後述する生産日程計画、運搬計画、及び調達計画を行う処理装置1と、処理装置1が、生産日程計画、運搬計画、調達計画を行う際に参照する各マスターデータを格納するデータベースを備えている。
マスターデータは、シフトマスタ2、資源(設備、作業者)マスタ3、在庫置場マスタ4、品目マスタ5、部品構成マスタ6、作業マスタ7、運搬マスタ8、調達マスタ9を含む。
シフトマスタ2は、工場の稼働日、稼働時間が定義されている。
設備(資源)マスタ3は、工場における生産設備が定義されている。設備の稼働時間は、シフトマスタ2に定義される稼働日と稼働時間に従うものとする。
在庫置場マスタ4は、調達物流拠点、工場倉庫、製品倉庫、製品物流拠点など、サプライチェーンの対象となるすべての在庫置場が登録されている。
【0021】
また、品目マスタ5は、工場において取り扱うすべての品目、すなわち完成した製品や、中間製品、部品や原材料などの外部からの購入品の情報が登録されている。
図5において後述するが、各品目の情報は、供給手段としての作業、運搬、調達の情報に加えて、工場間や拠点間の搬送のために各品目の在庫が置かれる場所の情報などの管理情報である。
また、部品構成マスタ6には、品目マスタ5に登録されている各品目を生産するための製品や中間製品、部品、原材料などの品目の構成、各品目の所要量が登録されている。部品構成マスタ6をBOM(Bill Of Material: 部品構成表)と呼ぶ。
作業マスタ7は、資源マスタ3に登録された資源を使用して行われる各作業の標準的な作業時間を定義したものである。
シフトマスタ2に含まれる稼働日、稼働時間の情報とともに参照することで、設備の日産能力を算出することが可能である。
【0022】
運搬マスタ8は、品目マスタ5に登録されている製品や中間品、部品、原材料の在庫が置かれる場所の間での運搬(輸送)作業についての詳細な情報を登録したものであり、例えば、輸送手段(トラック、船舶あるいは航空機)や標準的なリードタイム(輸送時間)、スケジュールなどを登録しておく。
調達マスタ9は、外部からの調達に係る詳細な情報を登録したもので、仕入先や、発注してから納入されるまでの標準的な調達リードタイムを登録しておく。
また、本発明の生産管理システムは、製品や中間品、部品、原材料の在庫量を登録した現在在庫DB10、部品や原材料の調達先に対して、すでに発注したが未だ納品されていない発注量の残数を登録した調達発注残DB11、基本生産計画と顧客を含むオーダーの所要量(オーダー数)と所要期日(納期)を登録したオーダーDB12を備えている。
【0023】
図2は、本発明の生産管理システムにおける処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2において、処理装置1は、入力されるオーダーに従って生産日程計画(作業計画)、運搬計画、調達計画を行う制御部C、各種のプログラムや各種マスターデータ、トランザクションデータを格納するためのハードディスクなどの記憶装置18、使用者に対するインターフェイスを提供し、生産計画の結果を表示する表示手段16、キーボードやマウスなどの入力手段17と、外部システムからデータを受け取ったり、外部のシステムへデータを送るための外部I/F(InterFace:インターフェイス)19と、を備えている。
また、制御部Cは、CPU(Central Processing Unit)13、ROM(Read Only Memory)14、RAM(Random Access Memory)15を備えており、CPU13は、記憶装置18あるいはROM14からプログラムを読み出してRAM15に展開して実行する。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態に係る処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、処理装置1において実行されるプログラムとして、外部装置から基本生産計画と顧客オーダーを含むオーダーを受け入れるオーダー入力部21と、入力されたオーダーを図1に示すオーダーDB12に登録する受注(オーダー)管理部22と、与えられた総所要量と、所要期日について現在在庫DB10や調達発注残DB11を参照して在庫と発注残引当を行う在庫および発注残引当部24と、引当の結果から正味所要量計算を行う正味所要量計算部25と、を含む正味所要計画部23と、作業マスタ7に登録されている品目を生産するのに必要な作業と、そのための資源について、作業マスタ7、資源マスタ3、シフトマスタ2と、から分かる各資源の日産能力から負荷計算を行い、正味所要計画に対して遅延が生じないような生産日程計画を作成する作業計画作成部26と、運搬マスタ8からわかる条件で正味所要計画に遅延しない運搬を計画する運搬計画作成部27と、作業計画作成部26によって作成された生産日程計画と、運搬計画作成部27によって作成された運搬計画と、部品構成マスタ6と、から生産と運搬に必要な子品目の総所要量と所要期日を算出する総所要量計算部28と、調達発注残DB11からわかる調達条件で、正味所要計画に遅延が出ないような調達計画を作成する調達計画作成部29と、を備えている。
なお、正味所要計画部23、作業計画作成部26、運搬計画作成部27、総所要量計算部28、調達計画作成部29により、サプライチェーンAPS処理部が構成されているものとする。
受注管理部22によるオーダーDB12へのオーダーの登録と、在庫、発注残引当部24による現在在庫DB10及び調達発注残DB11からの引当、作業計画作成部26で作成される生産日程計画、運搬計画作成部27で作成される運搬計画、調達計画作成部29で作成される調達計画に基づいて、受発注量の推移や在庫の推移を管理する。
【0025】
図4は、本発明の生産管理システムで用いる部品構成表(BOM)の概念図である。
これは、工場内における品目(部品、製品、中間品、原材料)の生産のみならず、外部調達先からの部品の調達から、市場に製品を供給するための物流センタまで、サプライチェーン全体の品目の動きをも定義した部品構成表である。
これを、上述のBOM、製造BOMと区別した概念として、「サプライチェーンBOM」と呼ぶ。
詳しくは、図4に示す「サプライチェーンBOM」において、製品Aを製造するためには子部品B、子部品Cが2つずつ必要であり、また、子部品Cを製造するためには、孫部品Dと孫部品Eが2つずつ必要であることが定義されている。
【0026】
また、部品を生産する作業と、その作業に用いる設備が定義されている。例えば、製品Aは、子部品Bと子部品Cを原材料として、設備Hを用いた作業Fにより生産されること、子部品Cは、孫部品Dと孫部品Eを原材料として、設備Iを用いた作業Gにより生産されることが定義されている。外部から調達する品目については、調達リードタイムが定義されている。
これらは、従来のBOM、製造BOMと同様である。
これらに加え、「サプライチェーンBOM」においては、製品Aは、作業Fにより生産後、工場倉庫に在庫として置かれ、運搬Jを経て物流センタに置かれること、及び、孫部品Dは、調達センタで調達を行い、調達センタに在庫されていたものが、運搬Kによって、工場に搬送されて在庫されたものが作業Gに使用されることを定義する。
すなわち、本発明のBOMにおいては、上述した製造BOMに対して、製品、部品の「在庫の置き場所(物流センタ、工場倉庫、調達センタ)」を設定し、さらに、調達センタ→工場、工場→物流センタの「運搬」を加えたことが特徴となる。
図4に示すサプライチェーンBOMは、その概念を示したものであるが、実際に、「在庫の置き場所」、「運搬」の要素を図1に示す生産管理システムに適用するためには、例えば、品目マスタ4に新たな項目を追加して登録してもよいし、新たなマスターデータとして他の情報とは別に登録するようにしてもよい。
【0027】
図5は、品目マスタ5の供給方法として「供給手段」、在庫場所として「在庫の置き場」を登録した場合のサプライチェーンBOMの一例を示す図である。
(a)に示す品目マスタ5では、各品目が在庫置毎に、どの供給手段を用いて供給されるのかが、定義されている。
(b)に示す部品構成マスタは、上述のBOM、製造BOMに加え、どこの在庫置場の品目を消費して、どこの在庫置場の品目を生産するのか、という情報が追加されている。
また、(c)に示す作業マスタ7には、供給手段の作業についての詳細情報が定義されている。
また、(d)に示す運搬マスタ8には、品目の供給手段の一つである運搬についての詳細情報が定義されている。すなわち、出発地、目的地、運搬手段、運搬時間、運搬頻度などが定義されている。
さらに、(e)に示す調達マスタ9により、調達のリードタイムや仕入先の情報が定義されている。これは従来の製造BOMと同様である。
【0028】
(a)の品目マスタ5と、(c)の作業マスタ7を用いれば、生産情報として、工場倉庫に在庫される製品Aを、設備Hを使用した作業Fによって生産し、子部品Cを、設備Iを使用した作業Gによって生産することがわかる。
サプライチェーンBOMにおいては、すべての品目について、さらに、「在庫の置き場」の概念を追加している。
作業Fによって生産して物流センタに運搬すべき製品Aについては、置き場「工場倉庫」が定義され、さらに製品Aについて、運搬Jによって、「置き場」が「物流センタ」に移ることが定義されている。
【0029】
また、外部から調達する孫部品Dについて、調達センタの在庫から運搬Kによって工場に搬送され、工場倉庫の在庫となることが登録されている。
従来のBOM、製造BOMでは、ループを排除するために、自分自身が親子となるような「運搬」を定義することは出来なかったが、在庫の置き場所を定義することにより、この問題を解決することが出来る。
運搬前と運搬後では、品目は同じであるが(図5の例では製品A、孫部品D)、在庫の置き場所が異なることで、データの取り扱い上、別のものと見なすことが出来る。
【0030】
さらに詳しく説明すると、図5に示すサプライチェーンBOMにおいて、(b)の部品構成マスタに記載のように、孫部品D、Eを用いて親としての子部品Cが生産され、さらに、子部品B、Cを用いて親としての製品Aが生産されるように定義されている。
運搬の前後を問わず、サプライチェーン内で扱われる品目、例えば製品Aは同じモノであり、本来区別が出来るものではない。
部品構成マスタに登録される品目は親子関係にあり、孫部品を消費して子部品を生産し、子部品を生産して親製品を生産する。
従って、品目マスタにおいて、同一品目が、それぞれ登録されていた場合、自分自身が親子関係となり、ループが発生する。
すなわち、重複して登録された品目は、自分自身が、自分の先祖あるいは子孫となる状態となり、自分を生産するために自分が消費されるという状態が生じ、無限に生産をし続けなければならない、ということになる。
しかし、図5のサプライチェーンBOMでは、品目が同一でも、在庫の置き場の情報を加え、運搬前後の品目を区別することが可能になるため、こういったループを防ぐことが可能である。
【0031】
以下に、図1に示す構成を有する生産管理システムにおいて、このサプライチェーンBOMを使用して、サプライチェーン全体の生産計画を立案するための方法(サプライチェーンAPS:Supply Chain Advanced Planning and Scheduling)について説明する。
図6は、本生産管理システムにおいて、生産計画を立案するための処理の一例を説明するフローチャートである。
オーダー入力部21が、外部装置から基本生産計画と顧客オーダーを含むオーダーを取得(入力)すると(ステップS101)、受注管理部22は、オーダーで指示される品目と所要量(オーダー数)と、所要期日(納期)をオーダーDB12に登録する(ステップS102)。
次に、正味所要計画部23が、現在在庫DB10と調達発注残DB11から、在庫と発注残を引当、正味所要量と所要期日を日別に算出する(ステップS103)。
ステップS103で算出された正味所要計画は、図5(a)に示す品目マスタ5を用いて、供給手段別に「生産」と「運搬」と「調達」に分類される(ステップS104)。
ステップS104で供給手段が「運搬」に分類された正味所要計画については、図5(d)に示す運搬マスタ8を用いて、正味所要計画に遅延が出ないような運搬計画が計画される(ステップS105)。
【0032】
次に、図5(d)に示す運搬マスタ8で定義された出発地に在庫されている同じ品目の総所要量と、所要期日が計算される。ここで計算された総所要量と所要期日が、新たな所要となって、ステップS103を再度繰り返す。この繰り返しは、ステップS105で計画された運搬計画がなくなるまで行われる。
ステップS104で供給手段が「生産」に分類された正味所要計画については、図5(c)に示す作業マスタ7と、資源マスタ3と、シフトマスタ2を用いて、図3の作業計画作成部26により、正味所要計画に遅延が出ないような作業計画が計画される(ステップS107)。
作業計画が立案されたら、その作業計画に対し、図3に示す総所要量計算部28が、図5(b)で示す部品構成マスタ6を用いて、その作業に必要な品目の総所要量を計算する(ステップS108)。
【0033】
上述の、ステップS107とステップS108により、新たな品目の総所要量と所要期日が指示される。この新たな総所要量と所要期日を用いてステップS103を再度繰り返す。この繰り返しを、作業計画がなくなるまで繰り返す。
ステップS104で供給手段が「調達」に分類された正味所要計画については、図5(e)に示す調達マスタ9を用いて、調達計画を作成する。
計画された、運搬計画、調達計画、作業計画は、表示装置16に表示・指示され(図7)、作業者はそれに従い、小日程計画を基づく作業を行う。
本システムにおいて、図5(a)に示す品目マスタと、(b)に示す部品構成マスタと、(c)に示す作業マスタと、(d)に示す運搬マスタと、(e)に示す調達マスタとを用いて、作業計画、調達計画、運搬計画を作成する場合を考える。
【0034】
また、図7は、本システムによって作成された生産日程計画、運搬計画、調達計画を、各在庫の変化と共に示した図である。
図7において、(a)は、オーダー画面、(b)は、物流センタの在庫推移を示す図、(c)は、発注の残量を示す図、(d)は、調達計画日程を示す図、(e)は、運搬計画日程を示す図、(f)は、工場倉庫の在庫推移を示す、(g)は、生産日程計画を示す図である。
本システムでは、かかる内容の計画を表示することにより、使用者としての生産管理責任者は、作成した計画を容易に理解することが出来る。
【0035】
図7を用いて、本発明のシステムの処理例をより具体的に説明する。
オーダーが、「物流センタから製品Aを50個出荷して顧客に届けなさい」、という内容である場合、オーダー納期41に出荷可能な物流センタの在庫を引き当てて残った正味所要量を計算する。例えば、物流センタに在庫が10個あった場合には、正味所要量は40個となる。
次に、図5(a)に示す品目マスタ5から検索された運搬J(工場倉庫から物流センタまでの運搬)について、図5(d)に示す運搬マスタ8を検索し、運搬条件に適合し、且つ、正味所要計画に間に合う日42に運搬Jが計画される。運搬マスタ8からわかるように、運搬Jは、毎日1回運行する、10時出発のトラック便のため、同日の10時までに工場倉庫の製品Aが40個必要となる。
ここで新しく発生した、工場倉庫の製品A40個の総所要に対して、再度ステップS103を実施する。例えば製品Aの工場倉庫に在庫が10個あった場合には、工場倉庫の製品Aの正味所要量は30個となる。
図5(a)で示す品目マスタ5と、(c)で示す作業マスタ7を調べれば、工場倉庫の製品Aは、設備Hを使用する作業Fで供給することがわかる。
【0036】
また、資源マスタ3とシフトマスタ2を使って、作業Fの日産能力が決まる。この日産能力内で、且つ、工場倉庫の製品Aに対する正味所要計画に遅延しない作業計画(たとえば、日産能力が15個/日であれば、2日前から作業開始)を決める。
これにより、作業の開始日時43が決定される(ステップS107)。これが、作業Fの作業計画であり、同時に設備Hの使用計画であり、また、設備Hの負荷計画、工場倉庫の製品Aの生産日程計画ともなる。
作業の開始日時とともに、図5(b)に示す部品構成マスタ6を用いて、工場倉庫の製品Aを30個生産するために必要な品目の総所要量を計算すると、工場倉庫の子品目(子部品)Bが60個と、工場倉庫の子品目(子部品)Cが60個必要であることが算出される。
期日は、いずれも作業Fの開始日直前である。ここに、新たに2つの所要計画が発生する(ステップ108)。
すなわち、工場倉庫の子部品Bの総所要計画について、ステップS103で正味所要量を算出する。例えば子部品Bの工場倉庫が10個、発注残が10個であった場合には正味所要量は40個となる。
【0037】
図5(a)に示す品目マスタ5と(e)に示す調達マスタ9を調べれば、工場倉庫に子部品Bを供給するには、調達Lを計画する必要があることがわかり、調達Lには、LT3の調達リードタイムが必要であることが判明する。そこで、作業Fの開始直前からLT3だけ遡った日44までに、調達Lにて、工場倉庫に供給する子部品Bを発注することが計画される。これが調達計画である。
同様に、工場倉庫の子部品Cの正味所要量と期日がステップ103によって決定し、作業Gが計画され、作業Gの開始日45が決定される(この場合、工場倉庫、発注残はともに0個とする)。
【0038】
作業Gの開始日決定により、工場倉庫の孫部品Dと、工場倉庫の孫部品Eの総所要量と所要期日が算出される。また、ステップS103により、工場倉庫の孫部品Dと、工場倉庫の孫部品Eの正味所要量が算出され、正味所要量(この例の場合60個)と所要期日46が決まる。
同様に、工場倉庫の孫部品Eの正味所要量の調達Nが、所要期日46よりもLT5だけ遡った日47に発注する調達計画が立てられる。
さらに、工場倉庫の孫部品Dの正味所要量が定まり、調達センタから工場倉庫までの運搬Kが必要となることが判明する。
運搬Kは週1回火曜日の13:00に出発する船による輸送で、出発から到着まで7日間を要することが(d)に示す運搬マスタ8を調べればわかる。従って、作業G開始日直前から7日間遡った、直前の火曜日48に調達センタを出発する船にて運搬されるように計画される。(ただし、図7では表示の関係上、運送Kは3日間としている)
同様に、調達センタの孫部品Dの正味所要量が定まり、運搬Kの計画日48より、さらにリードタイムLT4だけ遡った日49に発注するように、調達Mが計画される。
これにより、全ての生産日程計画、調達計画、運搬計画が立案された。
【0039】
このような条件下で、運搬の日程及び所要時間に加え、調達先において、工場から発注してから実際のモノが出荷されるまでのリードタイムを考慮して逆算することで、発注時期を最適化することができる。
このようにすることで、無駄な在庫を工場内、物流センタ内、調達センタ内に抱える必要がなく、より効率的かつ経済的な生産計画とサプライチェーン全体の計画を立案することが可能である。
なお、図5(d)の搬送マスタにおいては、運搬J、運搬Kそれぞれについて、ひとつの運搬手段しか登録していないが、事故などによる交通の遮断などを鑑みて、代替的な運搬手段を複数登録しておき、初期値の運搬手段が使用できなくなった場合は、代替手段に切り替えて、新たに運搬計画を立案するようにしてもよい。
【0040】
同様に、図5の(c)に示す作業マスタは、代替資源を用いた代替作業を複数登録し、代替作業のなかから好ましい作業を計画するようにしてもよい。
同様に、図5の(e)に示す調達マスタは、代替の仕入先から調達する方法を複数登録し、それらの中から好ましい調達を計画するようにしてもよい。
なお、本システムによって作成された生産日程計画、運搬計画、調達計画に基づいて行われる生産や運搬、調達の各工程について、その実績(たとえば生産の完了日、運搬の完了日、調達の完了日)を記録して結果を表示することができる。
所要期日に対する遅延が確認された場合、遅延が生じた工程について、前記表示装置における表示を変化させて(色を変えるなど)視認出来るようにしてもよい。
この場合、図3に示すサプライチェーンAPS処理部により、再び自動計画を行うようにする。
【0041】
物流センタへの納入時期を遵守するという条件を満たす場合は、例えば、設備(資源)への負荷計画を変更して、子部品や製品の生産日程を短縮するようにしても良いし、部品の調達先を変更するようにしてもよい。
また、自動計画を行うことなく、手動で各計画を修正するようにしてもよい。
また、製品が、食料品であり、完成品である製品や原材料に賞味期限がある場合などは、品目マスタにその旨記載し、賞味期限が切れた製品や原材料は、在庫から削除するようにする。
【0042】
以上のように構成したので、本発明によれば、生産日程、調達日程のみならず、工場間、物流拠点間といった在庫置き場間での運搬についても同時に計画を立てることが可能になるので、工場における生産リードタイムの削減や過剰在庫の圧縮を含む、サプライチェーン全体を通したリードタイムの削減や過剰在庫の圧縮、納期遵守率の向上が可能になる。
【符号の説明】
【0043】
1 処理装置、2 シフトマスタ、3 資源マスタ、4 在庫置場マスタ、5 品目マスタ、6 部品構成マスタ、7 作業マスタ、8 搬送マスタ、9 調達マスタ、10 現在在庫DB、11 調達発注残DB、12 オーダーDB、13 CPU、14 ROM、15 RAM、16 表示手段、17 入力手段、18 記憶装置、19 外部I/F 21 オーダー入力部、22 受注(オーダ)管理部、23 正味所要計算部、24 在庫、発注残引当、25 正味所要量計算、26 運搬計画作成部、27 作業計画作成部、28 総所要量計算部、29 調達計画作成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品、中間品、部品及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、供給後の在庫の置き場所と、を定義する品目マスタと、
該品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、
前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、
前記品目マスタに含まれる各品目の、在庫の置き場所間での運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、
前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、
を格納する記憶装置と、
前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるオーダー入力部と、
出荷を指示された製品又は該製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量及び所要期日について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算する正味所要計画部と、
正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画する作業計画作成部と、
前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、部品や原材料となる品目の総所要量を計算する総所要量計算部と、
前記作業計画作成部及び前記総所要量計算部により所要期日及び所要量が計算された部品や原材料となる品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って、前記期日に遅延しないように在庫の置き場間で運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画する運搬計画作成部と、
前記品目において、所要量と所要期日が指示されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達計画を作成する調達計画作成部と、
を備えたことを特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
前記作業計画作成部によって計画される所要期日と、前記運搬計画作成部によって計画される運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日と、前記調達計画作成部によって作成される調達計画と、を表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項3】
各品目の運搬に係る情報は、在庫の置き場所間の輸送時間又は輸送頻度を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の生産管理システム。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記製品、中間品、部品又は原材料の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への部品または原材料の発注量の残量を登録した発注残データベースと、を備え、
前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫または発注残の引当を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の生産管理システム。
【請求項5】
前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、
前記作業計画作成部は、各設備の日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の生産管理システム。
【請求項6】
製品、中間品、部品又及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、を定義する品目マスタと、前記品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目の在庫の置き場所間での各品目の運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、を格納する記憶装置と、を備えた生産管理システムにおける生産管理方法であって、
前記生産管理システムが有するオーダー入力部が、前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるステップと、
前記生産管理システムが有する正味所要計画部が、出荷を指示された製品の総所要量及び所要期日と、前記製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量および所要期日と、について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算するステップと、
前記生産管理システムが有する作業計画作成部が、前記正味所要計画部により正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画するステップと、
前記生産管理システムが有する総所要量計算部が、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、作業に必要な部品や原材料となる子品目の総所要量を計算するステップと、
前記生産管理システムが有する運搬計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている前記品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って前記期日に遅延しないように運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画するステップと、
前記生産管理システムが有する調達計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達を計画するとステップと、
を有することを特徴とする生産管理方法。
【請求項7】
前記記憶装置は、前記品目の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への品目の発注量の残量を登録した発注残データベースと、を備え、
前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫引当を行うことを特徴とする請求項6に記載の生産管理方法。
【請求項8】
前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、
前記計画作成部は、各設備の前記日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の生産管理方法。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れか一項に記載の生産管理方法を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項1】
製品、中間品、部品及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、供給後の在庫の置き場所と、を定義する品目マスタと、
該品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、
前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、
前記品目マスタに含まれる各品目の、在庫の置き場所間での運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、
前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、
を格納する記憶装置と、
前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるオーダー入力部と、
出荷を指示された製品又は該製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量及び所要期日について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算する正味所要計画部と、
正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画する作業計画作成部と、
前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、部品や原材料となる品目の総所要量を計算する総所要量計算部と、
前記作業計画作成部及び前記総所要量計算部により所要期日及び所要量が計算された部品や原材料となる品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って、前記期日に遅延しないように在庫の置き場間で運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画する運搬計画作成部と、
前記品目において、所要量と所要期日が指示されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達計画を作成する調達計画作成部と、
を備えたことを特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
前記作業計画作成部によって計画される所要期日と、前記運搬計画作成部によって計画される運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日と、前記調達計画作成部によって作成される調達計画と、を表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項3】
各品目の運搬に係る情報は、在庫の置き場所間の輸送時間又は輸送頻度を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の生産管理システム。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記製品、中間品、部品又は原材料の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への部品または原材料の発注量の残量を登録した発注残データベースと、を備え、
前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫または発注残の引当を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の生産管理システム。
【請求項5】
前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、
前記作業計画作成部は、各設備の日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の生産管理システム。
【請求項6】
製品、中間品、部品又及び原材料を含む品目と、生産、運搬及び調達を含む該品目の供給手段と、を定義する品目マスタと、前記品目マスタに含まれる中間品、部品又は原材料の親子関係及び必要数と、を定義する部品構成マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、生産に必要な作業と、当該作業に必要な設備及び作業時間を定義する作業マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目の在庫の置き場所間での各品目の運搬に係る情報を定義する運搬マスタと、前記品目マスタに含まれる各品目について、各品目の調達に要する時間を定義する調達マスタと、を格納する記憶装置と、を備えた生産管理システムにおける生産管理方法であって、
前記生産管理システムが有するオーダー入力部が、前記品目のうち、出荷すべき製品の総所要量および所要期日の指示に係る顧客オーダーと基本生産計画を含むオーダーを受け入れるステップと、
前記生産管理システムが有する正味所要計画部が、出荷を指示された製品の総所要量及び所要期日と、前記製品を構成する中間品、部品又は原材料の総所要量および所要期日と、について在庫または発注残の引当を行って正味所要量及び所要期日を計算するステップと、
前記生産管理システムが有する作業計画作成部が、前記正味所要計画部により正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記作業マスタに基づいて、前記期日に遅延しないように生産を行うための生産日程を計画し、且つ、前記生産日程に合わせて部品や原材料となる品目の所要期日を計画するステップと、
前記生産管理システムが有する総所要量計算部が、前記品目マスタにより供給手段が生産と定義されている品目について、前記部品構成マスタに基づいて所要量展開を行い、作業に必要な部品や原材料となる子品目の総所要量を計算するステップと、
前記生産管理システムが有する運搬計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている前記品目のうち、供給手段が運搬と定義されている品目について、前記運搬マスタに従って前記期日に遅延しないように運搬を行うための運搬日程を計画し、運搬する品目の総所要量及び運搬の所要期日を計画するステップと、
前記生産管理システムが有する調達計画作成部が、前記正味所要量計算部において、正味所要量及び所要期日が計算されている品目のうち、前記品目マスタにより供給手段が調達と定義されている品目について、前記調達マスタに従って前記期日に遅延しないように調達を行うための調達を計画するとステップと、
を有することを特徴とする生産管理方法。
【請求項7】
前記記憶装置は、前記品目の現在在庫を登録した現在在庫データベースと、外部への品目の発注量の残量を登録した発注残データベースと、を備え、
前記正味所要計画部は、前記現在在庫及び前記発注量の残量に基づいて、前記在庫引当を行うことを特徴とする請求項6に記載の生産管理方法。
【請求項8】
前記記憶装置は、工場の稼働日及び可動時間を記録したシフトマスタと、工場内の設備を管理する設備マスタと、工場内で行われる作業ごとに標準的な作業時間を登録した作業マスタと、を備え、
前記計画作成部は、各設備の前記日産能力を、前記稼動時間及び作業時間に基づいて算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の生産管理方法。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れか一項に記載の生産管理方法を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−88784(P2012−88784A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232757(P2010−232757)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(591280197)株式会社構造計画研究所 (59)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(591280197)株式会社構造計画研究所 (59)
【Fターム(参考)】
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