説明

産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及び焼結アルミ板

【課題】産業廃棄物のアルミ缶を有効に再利用し、アルミニウムのみから成る焼結アルミ板を製造する産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及び焼結アルミ板を提供する。
【解決手段】産業廃棄物である図示されないアルミ缶を破砕し、圧縮して小塊1に形成し、小塊1の周囲を繊維状アルミニウム2で埋め、小塊1及び繊維状アルミニウム2の上下を一対の帯状のアルミニウム板3で挟んで押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で焼結し、焼結アルミ板を生成する。産業廃棄物のアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等に使用できる焼結アルミ板を容易に製造でき、全体がアルミニウムのみから構成されるため、建築用断熱材等として用いられた後に、再度、産業廃棄物として廃棄される場合にも、金属の種類毎の分別処理が不要となり、一括して再度溶融処理することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及びその製造方法により製造される焼結アルミ板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開平11−181506号公報(特許文献1)「産廃物の金属屑を利用した焼結金属」で、自動車や機械の切削屑、その他の鉄鋼スクラップや他の金属合金のアルミ缶等の産業廃棄物を原料として、これを選別分離し磁選等を行って、金属の種類別に分離した金属スクラップ類を更に粉砕して微細小片としたものを、内金型中に秤量して篏挿したものを500℃〜600℃の焼成炉中にコンベアーで誘導して加熱したものを、電気抵抗発熱体として電極に接続して外金型中に篏着して加熱し、融解前の温度で赤熱せしめたものを、直ちにプレス機に掛けて圧縮成型せしめて冷却し、離型して作った焼結金属加工を特徴とした、産廃物の金属を成型加工した、防電磁波金属電気アンテナや道路、橋梁等の低周波騒音の消音板、建築用防震材、機械微振音の防音材、熱交換材、携帯電話の防電磁波材、テレビ画像の乱れ防止板、コンピューター防電磁加工材が示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−181506号公報(特許請求の範囲等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、産業廃棄物であるアルミ缶を有効に再利用し、アルミニウムのみから成る焼結アルミ板を製造する産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法及びその製造方法により製造される焼結アルミ板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、産業廃棄物であるアルミ缶を破砕し、圧縮して小塊に形成し、
前記小塊の周囲を繊維状アルミニウムで埋め、
前記小塊及び前記繊維状アルミニウムの上下を一対の帯状のアルミニウム板で挟んで押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で焼結し、焼結アルミ板を生成することを特徴とする産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法である。
請求項2の本発明は、前記小塊は前記一対の帯状のアルミニウム板に十分に空隙を有するように挟まれ、前記繊維状アルミニウムは前期空隙を充填し、焼結されることにより前記小塊は骨材部を形成し、全体が一体に融着される請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法である。
請求項3の本発明は、請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法により製造されることを特徴とする焼結アルミ板である。
【0006】
請求項1の本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法によれば、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を破砕し、圧縮して図1に示される小塊1に形成する。
次に、小塊1の周囲を繊維状アルミニウム2で埋め、小塊1及び繊維状アルミニウム2の上下を一対の帯状のアルミニウム板3で挟んで押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で焼結し、焼結アルミ板を生成する。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
さらに、全体がアルミニウムのみから構成されるため、建築用断熱材等として用いられた後に、再度、産業廃棄物として廃棄される場合にも、金属の種類毎の分別処理が不要となり、一括して再度溶融処理することが出来る。
請求項2の本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法によれば、小塊1は一対の帯状のアルミニウム板3に十分に空隙4を有するように挟まれ、繊維状アルミニウム2は空隙4を充填し、焼結されることにより小塊1は骨材部を形成し、全体が一体に融着される。
このため、強固な焼結アルミ板が形成され、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる。
請求項3の本発明の焼結アルミ板によれば、請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法により製造される。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面を参照して、その実施の形態に基づいて説明する。
本発明の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法の一実施の形態は、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を破砕し、圧縮して図1に示される小塊1に形成する。 この小塊1は、直径1cm程度に形成することが好適である。
次に、小塊1の周囲を繊維状アルミニウム2で埋め、小塊1及び繊維状アルミニウム2の上下を一対の帯状のアルミニウム板3で挟んで押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で炉内で焼結し、全体を融着し、さらに、冷却して焼結アルミ板を生成する。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
さらに、全体がアルミニウムのみから構成されるため、建築用断熱材等として用いられた後に、再度、産業廃棄物として廃棄される場合にも、金属の種類毎の分別処理が不要となり、一括して再度溶融処理することが出来る。
【0008】
さらに、小塊1は一対の帯状のアルミニウム板3に十分に空隙4を有するように挟まれ、繊維状アルミニウム2は空隙4を充填し、焼結されることにより小塊1は骨材部を形成し、全体が一体に融着される。
このため、強固な焼結アルミ板が形成され、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる。
次に、本発明の焼結アルミ板は、上記製造方法により製造される。
このため、産業廃棄物である図示されないアルミ缶を用いるため、産業廃棄物の処理上、非常に有効で、建築用断熱材等の種々の用途に使用できる焼結アルミ板を容易に製造できる。
【0009】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、産業廃棄物であるアルミ缶を有効に再利用し、アルミニウムのみから成る焼結アルミ板を容易に製造でき、この焼結アルミ板は建築用断熱材等の種々の用途に使用できる。
さらに、全体がアルミニウムのみから構成されるため、建築用断熱材等として用いられた後に、再度、産業廃棄物として廃棄される場合にも、金属の種類毎の分別処理が不要となり、一括して再度溶融処理することが出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結アルミ板の一実施の形態の断面図である。
【符号の説明】
1 小塊 2 繊維状アルミニウム
3 帯状のアルミニウム板 4 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業廃棄物であるアルミ缶を破砕し、圧縮して小塊に形成し、
前記小塊の周囲を繊維状アルミニウムで埋め、
前記小塊及び前記繊維状アルミニウムの上下を一対の帯状のアルミニウム板で挟んで押圧しつつ、アルミニウムの融点付近で焼結し、焼結アルミ板を生成することを特徴とする産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法。
【請求項2】
前記小塊は前記一対の帯状のアルミニウム板に十分に空隙を有するように挟まれ、前記繊維状アルミニウムは前期空隙を充填し、焼結されることにより前記小塊は骨材部を形成し、全体が一体に融着される請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の産業廃棄物であるアルミ缶を用いた焼結アルミ板の製造方法により製造されることを特徴とする焼結アルミ板。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2004−323936(P2004−323936A)
【公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−122491(P2003−122491)
【出願日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願人】(000130466)株式会社サーマル (5)
【出願人】(597136548)株式会社ハイネット (1)
【Fターム(参考)】