説明

産業廃棄物等のコンテナ装置

【課題】産業廃棄物を収容するための可撓性を有する袋状容器を、その投入口を開口した状態で設置できる枠体を設けると共に産業廃棄物を収容した袋状容器を枠体から支障なく取り出し得るコンテナ装置を提供する。
【解決手段】産業廃棄物用の袋状容器20を、投入口を開口した状態で枠体10内に設置可能とし、かつ枠体10は少なくとも袋状容器20の外周側に配置され、かつ枠体10の構成部材12、14,16,18が互いに取付け取外し可能に係合され、産業廃棄物が収容された袋状容器20を釣り上げる際袋状容器20の上昇により枠体10の構成部材間の係合が外れ、枠体10の構成部材の一部または全部が脱落するように構成されて袋状容器20を釣り上げて枠体10から取り出すことを可能としたコンテナ装置22を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は産業廃棄物等を収容するための可撓性を有する袋状容器を開口した状態で枠体内に装着するようにしたコンテナ装置に関するものであり、特に産業廃棄物等を収容した袋状容器を釣り上げる際、枠体が分解されて袋状容器との干渉をなくし、釣り上げ作業を支障なく行い得るようにした産業廃棄物等のコンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より産業廃棄物を収容する容器として、図6(イ)の略図で示すように一定深さの大形箱状容器70を工場等の敷地内に据え置き、投入した産業廃棄物が満杯になると容器70ごと産業廃棄物処理場に運搬し、内容物を処分するのが通例である。そして、容器70は産業廃棄物の投入時やその後の使用時あるいは処分場への運搬時において破損し難いように金属製で頑丈な構造として強度を保たねばならず、また容器の耐蝕性を高めて寿命向上を図るために、ステンレス綱板等が使用されているので、重量が重くなり日常の使用や産業廃棄物の処理場への搬送等が扱い難くなる上に、値段が高くなるという問題点がある。また、廃棄物の産出量にもよるが、、容器70は大形で設置場所が大きくなる上に高価でもあるので、1つの容器70内に複数種類の産業廃棄物を分別しないで収容することが多い。分別ができていないと、産業廃棄物処理場における処理費が高くなり、経済的負担が大きくなるという問題点がある。
【0003】
そこで、容器70の小形軽量化を図るために、例えば図6(ロ)、(ハ)に示すように、容器70の横方向の長さを2分して2つの容器70A,70Bとしたり、あるいは3分して3つの容器70C,70D、70Eとしたり等小形化しょうとすると、同図(ロ)では横側壁面は分割前2面であったものが横側壁面a、bの2面が増えて合計4面で当初の2倍にとなり 、同図(ハ)では分割前2面であったものが横壁面c、d、e、fの4面が増えて合計6面となり当初の3倍となるので、横壁面に使用するステンレス綱板その他の材料費や分割に伴う作業工程の増加、変更等により製造コストが高くなる。結局容器を小形化すると総製造コストは分割前の容器1個当たりの製造コストより高くなるので、前述の問題点を解消できないまま、止むを得ず小形化しない大形の容器をそそまま使用しているのが実情である。
【0004】
そこで、本願発明者らはこのような不便を解消するため種々検討を続けた結果、次のような手段を採用すればよいことに想到した。これは、図7(イ)に示すように容器として可撓性を有する角形の袋状容器76を使用し、この袋状容器76を図7(ロ)、(ハ)に示すように基板78上に固定した枠体80内に投入口を開口した状態で配置し、産業廃棄物の収容後袋状容器76を釣り上げて枠体80から取り出すようにしたものである。図7(ハ)は袋状容器76内に産業廃棄物が満杯になっていない状態を示す。
ところが、このような手段では、袋状容器に産業廃棄物を収容すると、図7(ニ)に示すように袋状容器76が外側に膨らみ、釣り上げた際枠体80に引っ掛かって枠体80ごと持ち上がり、袋状容器76を枠体80から取り出すことが困難であるという問題点が判明した。なお、枠体80に、その上端部と基板78側との間に横方向の棒材を配置すると、袋状容器76の膨らみは小さくなるが膨らみが2個所できるので、袋状容器の取り出しが困難であることには変わりがない。
【0005】
本願発明者らはこのような問題点の解決策として図8(イ)、(ロ)に示す手段を着想した。図8(イ)は枠体84の構成部品を前側用、後側用、左横側用、右横側用に分割し、そのような枠体84を基板82上にボルト85により締め付けて立設したものである。袋状容器の膨らみの状態に応じて枠体80のいずれか一側、隣接する二側または三側あるいは全部の締付用ボルト85を緩めて取り外すと、袋状容器に対する拘束が外れ取り出しできるようになる。図8(ロ)は枠体86の構成部品を前側用、後側用、左横側用、右横側用に分割し、そのような枠体86を、下端部に設けた蝶番87により揺動可能、かつ正立可能に基板82上に取り付け、正立時には係合装置(図示省略)により各構成部品が係合され、正立状態を保持可能としたものである。係合装置を外し同図のように枠体の構成部品を傾けると袋状容器の取り出しが可能となる。
しかし、前者はボルトを緩めたり、取り外したり等使用が煩わしく、後者は構造が複雑になる欠点がある。また、枠体の内側に鉄板を張り付けた構成とすることも可能であるが、重量軽減がし難いという欠点がある。従って、これらの構成は採用し難い。
【0006】
「従来技術」 本願発明のように枠体内に可撓性を有する袋状容器を配置した従来例としては、特開平11−165789号公報記載の搬送用穀類容器がある。これは、運搬車の荷台上の支持枠に穀類収容袋を配置し、四隅を弾性ばね等で釣り下げて保持するようにしたものであるが、弾性ばねの許容伸び長より短尺で伸長性を有しない可撓性索条を併設して、弾性ばねの伸び量を許容設定範囲内に規制するようにしたもので、本願発明とは目的、構成及び効果が異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−165789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来から一般に使用されてきたステンレス綱板等で作られたの耐食性のある産業廃棄物収容容器は大形箱状で小形軽量化しようとすると価格が割高になり、小形軽量化し難いという問題点があったが、これについては前述したように可撓性を有する袋状容器を採用することにより解決することができた。
下記は本発明の開発途上において生じた解決すべき課題であり、従来技術の解決課題とは無縁のものである。すなわち、本願発明の開発途上において従来技術と目されるものは見当たらなかった。
解決しようとする問題点は、(1)大形で重量の重い箱形容器に代えて、可撓性ある袋状容器を使用し、これを枠体内に装着するようにしたコンテナ装置を採用した場合において、投入口を開口した状態に保持可能な構成にすると、
満杯となった袋状容器の搬送積込み時における産業廃棄物の収容された袋状容器の釣り上げが支障なく行われ難くなる点、(2)産業廃棄物の収容された袋状容器の釣り上げを支障なく行い得るようしようとすると、構成を簡単にし、取り扱いを容易にすることが困難な点である。
【0009】
本発明はこのような事情を背景としてなされたものであり、本発明者らは種々研究を続けているうちに、袋状容器の釣り上げ時の動きを利用して、他から何らの人手を用いたり、複雑な構成を採用したりすることなく、枠体をその構成部品に分解して取り除くことを着想し、本発明の完成に至ってものである。 本発明の目的は、可撓性を有する袋状容器を使用して小形軽量化を図ると共に価格を安くでき、かつ内容物の投入を容易にするため投入口を開口した状態に保持でき、搬送積込み時における産業廃棄物の収容された袋状容器の釣り上げが支障なく行い得る産業廃棄物等のコンテナ装置を提供することであり、また前記産業廃棄物等の収容された袋状容器の釣り上げを支障なく行い得るようにするための構成が簡単で、取扱いが容易な産業廃棄物等のコンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するためになされた本発明は、次のように構成される。
A 一端部が投入口とされた産業廃棄物を収容するための可撓性を有する袋状容器を、投入口を開口した状態で枠体内に設置できるようにしたコンテナ装置であって、前記枠体は少なくとも袋状容器の外周側に配置され、かつ枠体は枠体自体を構成する複数の構成部材が互いに取付け取外し可能に係合され、産業廃棄物が収容された袋状容器を釣り上げた際袋状容器の上昇により枠体の構成部材間の係合が外れ、枠体の構成部材の一部または全部が脱落するように構成されて、産業廃棄物を収容した袋状容器の膨らみが、枠材に引っ掛かることによって枠体からの袋状容器の取り出しが困難になることを防止するようにし、袋状容器を釣り上げて枠体から取り出すことを可能としたコンテナ装置。
B A項記載のコンテナ装置において、枠体は四角状の底部部材の前端側と後端側とにそれぞれ配置された前面側部材と後面側部材とはその両端側の下端部が、底部部材の四隅付近に設けられた係合部に抜き差し可能かつ上方に抜き取り可能に嵌り合つて立設されると共に前面側部材と後面側部材はその一方の側端側の上端部同士間と、他方の側端側の上端部同士間をそれぞれ連結する連結部材が取付け取外し可能かつ上方に取外し可能に配置されてなり、袋状容器は四角状の底部と底部周辺に連設して上方に延びる所定高さの壁面部を備えると共に袋状容器自体は枠体内側に位置しかつ投入口が開口した状態で枠体に取り付けて設置できるように構成されたコンテナ装置。
C A項もしくはB項記載のコンテナ装置において、枠体は底部部材、前面側部材、後面側部材および連結部材を備え、底部部材は四角状の外形を有すると共にその四隅付近には係合部としての係合突部が設けられ、前面側部材と後面側部材はそれぞれ所定間隔を隔てた1対のパイプ状部材が結合材により連結されて一体に構成され、前面側部材および後面側部材の両側端の下端部と前記係合突部とが互いに抜き差し可能に嵌合するようにされ、連結部材は長手状の部材の両端部付近に略直角方向の折曲部が形成された1対からなり、一方の連結部材の両折曲部はパイプ状部材で構成された前記前面側部材と後面側部材の一方の側端側の上端部に、他方の連結部材の両折曲部は前面側部材と後面側部材の他方の側端側の上端部に、それぞれ抜き差し可能に嵌合するようにされてなり、袋状容器はその投入口を開口した状態で枠体に取り付けるための複数の取付部を投入口付近に配置し、さらに産業廃棄物を収容した袋状容器自体を釣り上げるための複数の釣上げ部を設けると共に袋状容器自体の底部付近には収納物を反転放出するための反転用釣上げ部を設け、さらに袋状容器の開口部には可撓性を有する所定長さの覆い蓋を連設するようにしたコンテナ装置。
D A項〜C項のいずれか1項に記載のコンテナ装置において、枠体は1対のパイプ状部材その他の長手状部材が結合材により一体に構成されている複数の単位枠体が、連結部材により連結されて略円形、略楕円形または多角形をなすようにされ、しかも隣接する単位枠体同士間をそれぞれ連結する連結部材は長手状材の両端部に折曲部が形成されてなり、かつこの両折曲部は互いに隣接する両単位枠体の一方の側端側の上端部に、それぞれ取付け取外し可能かつ上方に取外し可能に嵌合できるように配置され、さらに単位枠体の下端部は底部部材に設けられた係合部に抜き差し可能かつ上方に抜き取り可能に嵌り合つて立設されると共に係合部は連結された複数の単位枠体が略円形、略楕円形または多角形をなすように設けられ、袋状容器は前記枠体内に適合して位置するような形状とされているコンテナ装置。
E A項〜D項のいずれか1項にコンテナ装置において、袋状容器は産業廃棄物に代えて、それ以外の粉状、粒状、塊状もしくは不定形状の資材あるいはこれらの混合物を収容するようにしたコンテナ装置。
F A項〜E項のいずれか1項に記載のコンテナ装置において、袋状容器は耐腐食性を有するようにしたコンテナ装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明は可撓性の袋状容器を使用し、かつ構造簡単であるから小形軽量化を図ることができ、また構造が簡単で製造コストや使用時のコストを安くできる利点がある。さらに、小形軽量化しているので、産業廃棄物の満杯時の運搬が容易である。また、構造簡単で使用が容易である。
本発明は小形軽量化し安価に製造できるので、産業廃棄物の種類に応じて複数のコンテナ装置を備えることが経済的に容易となり、分別収集が容易となる。
分別収集ができていると、産業廃棄物処理場での処理費が安くなり、出費を安くできる利点がある。
本件発明は小形で部品点数も少なく、かつ容易に分解できるので、不使用時の収納や運搬時に嵩張らず、コンパクトにまとめることができると共に、再組立が容易であるという利点がある。また、構造簡単で部品点数も少ないので耐久性を向上させることが容易である。
さらに、耐腐食性の袋状容器を使用することにより、その寿命を長くし、再使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】(イ)〜(ハ)は同実施例の一部品の構成部品を示す斜視図である。
【図3】(イ)は同実施例に使用する他の部品の斜視図、(ロ)はその変形例を示す斜視図、(ハ)はさらにその変形例を示す斜視図である
【図4】(イ)〜(ニ)は同実施例の使用状態を示す部分説明図である。
【図5】(イ)は本発明の他の実施例を示す説明用平面図、(ロ)は同実施例の模式的な部分拡大断面図である
【図6】(イ)は従来例を示す概略図、(ロ)〜(ハ)はその改変例の説明図である。
【図7】(イ)〜(ニ))は本発明の開発途上の各部品とその使用状態を示す説明図である。
【図8】(イ)、(ロ)は本発明の開発途上における問題点の解決策の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0013】
以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
図1において、10は枠体であり、四角状の底部部材12、前面側部材14,後面側部材16、1対の連結部材18を備えている。枠体10の内側に袋状容器20が装着されてコンテナ装置22が構成される。
【0014】
底部部材12は図2(イ)に示すように、アングル材からなる4つの周辺材24が溶接されて四角状をなし、その四隅内側には短いパイプ状の部材からなる係合突部26が突設されている。底部部材12の内側には複数の棒状材が縦横に溶接されている。
前面側部材14は、図2(ロ)に示すように1対の間隔を隔てたパイプ状部材27が上端部付近で連結材28を介して一体に連結されている。なお、パイプ状部材27は底部部材の係合突部26の内側に、容易に抜き差し可能に嵌り得るように細くされている。後面側部材16は前面側部材14と同様に構成されている。また、連結材28をパイプ状部材27の下端部付近に追加すれば強度は向上するが、両結合突部26間のピッチと各部材14,16のバイブ状部材27間のピッチを厳密に一致させることが必要で製造コストが高くなり、さらに連結材28が曲がったりすると、両ピッチが狂い、パイプ状部材27が係合突部26に入らなくなるという不都合がある。
連結部材18は図2(ハ)に示すように、長手状の軸状部材が両端部で直角状に折れ曲がって折曲部30が形成されている。これは1対で使用する。折曲部30は前面側部材14,後面側部材16のパイプ状部材27の上端部の内径より細くされ、容易に抜き差し可能に嵌り得るようにされている。
底部部材12の係合突部26内に前面側部材14,後面側部材16の下端部を嵌め入れ、両部材14,16のパイプ状部材27の上端部内に連結部材18の両折曲部30をそれぞれ差し込むことにより前記枠体10が構成される。
【0015】
枠体10内に袋状容器20が装着されるが、袋状容器20は図3(イ)に示すように四角状の底部34の全周縁に一定高さの壁面36が連設され、上端部の四隅には袋状容器の装着作業を容易にする、枠体10に引っ掛けて止めるための環状紐32が設けられている。図3(ロ)は袋状容器の底部34と壁面36との外側を取り巻く状態で取り付けられた釣上げ紐38が四隅付近に取り付けられると共に底部には反転放出用の引掛け具40が設けられている。使用し易いようにしたものである。
ここでは、袋状容器20は、フレキシブル コンテナ バッグ(略称;フレコンバッグ)が使用され、縦1.10m,横1.70m,高さ1.10mで容積が約2立方mとされているが、これに限定されるものではない。端数のない容積とすることにより、処分場での計算がし易い利点がある。
図3(ハ)は、図3(ロ)の変形例で袋状容器20の上縁に可撓性のシートでつくられた覆い蓋21が取り付けられている。23はその結び紐である。
【0016】
以上のように構成された実施例のコンテナ装置は、袋状容器の投入口を開口した状態で工場等の一角に据え置かれ、それぞれ分別された産業廃棄物が投入され、満杯になると釣下げ紐38をクレーン等で引っ掛けて釣り上げると、袋状容器20は枠体10から支障なく取り出すことができる。釣り上げられた袋状容器は、トラック等に積み込まれ、産業廃棄物処理場に運ばれ、引掛け具40を引き上げると、袋状容器20が反転され、内容物が放出され、処理されることになる。引掛け具40は、袋状容器20の反転と、内容物の放出を容易にする利点がある。
【0017】
釣り上げ時の状態を図4(イ)〜(ニ)により説明する。図4(イ)は袋状容器20に産業廃棄物が満杯に近く収容された、静置の状態を示す。クレーン等で釣り上げ紐38を引っ掛けて釣り上げようとすると、袋状容器20は外側に膨らんでいるので、この膨らみが枠体10に引っ掛かるようになる。さらに、釣り上げようとすると、袋状容器20だけでなく、枠体10にも持ち上げようとする力が作用することになる。
ところが、枠体10の前面側部材14と後面側部材16のパイプ状部材27は、底部部材12の係合突部26に差し込まれているだけで固定されていないので、底部部材12はそのままの位置に残ることになる。図4(ロ)は 、前面側部材14と後面側部材16とが底部部材12から抜け出て、袋状容器と共に若干持ち上がった瞬間を示す。
【0018】
底部部材12が抜け出ると、袋状容器20は下方からの支持がなくなり、その底部の中央部付近は下がることになる。下がると袋状容器20内の産業廃棄物も下方に移動するので、前記膨らみもなくなることになる。
こうなると、前面側部材14、後面側部材16を支えるものがなくなるので、自重により落下することになる。図4(ハ)は袋状容器の膨らみがなくなった状態と、両材14,16の落下途上の状態を示す。
両部材14,16が落下すると、連結部材18は支えるものがなくなり、落下する。 図4(ニ)はこれらの部材14,16,18が底部部材12上に落下した状態を示す。なお、この変化は瞬時あるいは極く短時間に、目にも止まらぬ早さで行われる。
こうなると、袋状容器20は枠体10からの拘束がなくなり、自由に釣り上げが可能となり、トラック等への積み込みも行い得ることになる。
分解して落下した枠体10の各構成部品は再組み立てが容易であり、また不使用時はコンパクトに片づけることもできる。
【0019】
図5(イ)、(ロ)は本発明の他の実施例を示す。複数の単位枠体46の上端部を連結部材48で抜き差し可能に連結すると共に、下端部は底部部材50に立設された係合突部52に容易に抜き差し可能に嵌め入れるようにしたものである。単位枠体46は1対のパイプ状部材54を所定間隔を隔てて連結材56を介して一体に溶接されたものである。寸法的差異を除けば前記実施例の枠体10と同じ要領で構成されている。連結部材48も前記連結部材18と同様に構成される。底部部材50に立設する係合突部52を円形状に配置すれば、図5(イ)に示すように、単位枠体46の集合は略円形状をなすことになる。係合突部52を楕円形状や多角形状あるいは不定形状にすれば、単位枠体46の集合はそのような形状となる。なお、使用する袋状容器は単位枠体の集合形状に適合するような形状とすればよい。本実施例の使用方法、作用は前記実施例に準ずるものである。しかし、底部部材50が全単位枠体46から離れ、脱落した後に単位枠体46の一部でも落下すると、全単位枠体によるサークル状の連結が解かれて内部の袋状容器に対する拘束がなくなるので、袋状容器の釣り上げが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のコンテナ装置は産業廃棄物に限らず、籾、麦等の穀類や大豆その他の雑穀類、その他の資材のコンテナ装置としても使用できる。
【符号の説明】
【0021】
10 枠体
12 底部部材
14 前面側部材
16 後面側部材
18 連結部材
20 袋状容器
22 コンテナ装置
26 係合突部
30 折曲部
32 環状紐
38 釣上げ紐
40 引掛け具
46 単位枠体
48 連結部材
50 底部部材
52 係合突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部が投入口とされた産業廃棄物を収容するための可撓性を有する袋状容器を、投入口を開口した状態で枠体内に設置できるようにしたコンテナ装置であって、前記枠体は少なくとも袋状容器の外周側に配置され、かつ枠体は枠体自体を構成する複数の構成部材が互いに取付け取外し可能に係合され、産業廃棄物が収容された袋状容器を釣り上げた際袋状容器の上昇により枠体の構成部材間の係合が外れ、枠体の構成部材の一部または全部が脱落するように構成されて、産業廃棄物を収容した袋状容器の膨らみが、枠材に引っ掛かることによって枠体からの袋状容器の取り出しが困難になることを防止するようにし、袋状容器を釣り上げて枠体から取り出すことを可能としたコンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンテナ装置において、枠体は四角状の底部部材の前端側と後端側とにそれぞれ配置された前面側部材と後面側部材とはその両端側の下端部が、底部部材の四隅付近に設けられた係合部に抜き差し可能かつ上方に抜き取り可能に嵌り合つて立設されると共に前面側部材と後面側部材はその一方の側端側の上端部同士間と、他方の側端側の上端部同士間をそれぞれ連結する連結部材が取付け取外し可能かつ上方に取外し可能に配置されてなり、袋状容器は四角状の底部と底部周辺に連設して上方に延びる所定高さの壁面部を備えると共に袋状容器自体は枠体内側に位置しかつ投入口が開口した状態で枠体に取り付けて設置できるように構成されたコンテナ装置。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2記載のコンテナ装置において、枠体は底部部材、前面側部材、後面側部材および連結部材を備え、底部部材は四角状の外形を有すると共にその四隅付近には係合部としての係合突部が設けられ、前面側部材と後面側部材はそれぞれ所定間隔を隔てた1対のパイプ状部材が結合材により連結されて一体に構成され、前面側部材および後面側部材の両側端の下端部と前記係合突部とが互いに抜き差し可能に嵌合するようにされ、連結部材は長手状の部材の両端部付近に略直角方向の折曲部が形成された1対からなり、一方の連結部材の両折曲部はパイプ状部材で構成された前記前面側部材と後面側部材の一方の側端側の上端部に、他方の連結部材の両折曲部は前面側部材と後面側部材の他方の側端側の上端部に、それぞれ抜き差し可能に嵌合するようにされてなり、袋状容器はその投入口を開口した状態で枠体に取り付けるための複数の取付部を投入口付近に配置し、さらに産業廃棄物を収容した袋状容器自体を釣り上げるための複数の釣上げ部を設けると共に袋状容器自体の底部付近には収納物を反転放出するための反転用釣上げ部を設け、さらに袋状容器の開口部には可撓性を有する所定長さの覆い蓋を連設するようにしたコンテナ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3記載のいずれか1項に記載のコンテナ装置において、枠体は1対のパイプ状部材その他の長手状部材が結合材により一体に構成されている複数の単位枠体が、連結部材により連結されて略円形、略楕円形または多角形をなすようにされ、しかも隣接する単位枠体同士間をそれぞれ連結する連結部材は長手状材の両端部に折曲部が形成されてなり、かつこの両折曲部は互いに隣接する両単位枠体の一方の側端側の上端部に、それぞれ取付け取外し可能かつ上方に取外し可能に嵌合できるように配置され、さらに単位枠体の下端部は底部部材に設けられた係合部に抜き差し可能かつ上方に抜き取り可能に嵌り合つて立設されると共に係合部は連結された複数の単位枠体が略円形、略楕円形または多角形をなすように設けられ、袋状容器は前記枠体内に適合して位置するような形状とされているコンテナ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコンテナ装置において、袋状容器は産業廃棄物に代えて、それ以外の粉状、粒状、塊状もしくは不定形状の資材あるいはこれらの混合物を収容するようにしたコンテナ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のコンテナ装置において、袋状容器は耐腐食性を有するようにしたコンテナ装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−93597(P2011−93597A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251565(P2009−251565)
【出願日】平成21年11月1日(2009.11.1)
【出願人】(309035338)株式会社 明和クリーン (1)
【Fターム(参考)】